JPH07172798A - 高所作業車乗用バケットの移動制御方法および装置 - Google Patents

高所作業車乗用バケットの移動制御方法および装置

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JPH07172798A
JPH07172798A JP34371293A JP34371293A JPH07172798A JP H07172798 A JPH07172798 A JP H07172798A JP 34371293 A JP34371293 A JP 34371293A JP 34371293 A JP34371293 A JP 34371293A JP H07172798 A JPH07172798 A JP H07172798A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高所作業車の乗用バケットを移動操作する
際、その向き等の如何に拘らず、操作レバーの操作方向
と実際の乗用バケット移動方向とが一致するようにして
操作性を向上させる。 【構成】 高所作業車は車体に旋回基台を介して伸縮可
能な起伏ブームを取付け、このブーム先端に回転可能に
乗用バケットを設けるとともに、当該バケットにバケッ
ト移動操作のための操作レバーを設け、この操作レバー
によって乗用バケットを移動させる。前記操作レバーを
多軸操作可能に形成し、前記乗用バケットの移動のため
の駆動油圧機器を操作レバーの操作出力により作動させ
る制御手段を設ける。この制御手段は前記操作レバーの
操作ベクトルを前記旋回基台の旋回中心を原点とするベ
クトル変換をなすベクトル変換処理部と、変換されたベ
クトルに対応する前記油圧機器への駆動量を分配作動さ
せる分配出力部とを備え、操作レバーの操作方向を車体
側移動起点を原点とする駆動ベクトルに変換し、これに
対応する油圧機器を駆動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高所作業車乗用バケット
の移動制御方法および装置に係り、特に乗用バケット内
での操作レバーの操作方向とバケット移動方向を一致さ
せるベクトル制御を行わせる方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高所作業車は架線工事や街路照
明灯の工事等に用いられるが、通常屈曲式や伸縮式のブ
ームを備え、その先端に乗用バケットを取付けた構造と
なっている。図7は伸縮式ブームを備えた高所作業車を
示しており、図示のように、車体1に旋回基台2を有
し、これに起伏ブーム3を取付け、当該ブーム3の先端
部に旋回可能に乗用バケット4を設けた構造とされてい
る。そして、これを模式的に図8(1)に示すように、
基台2が車体1上で旋回可能とされ、ブーム3は起伏角
度を変更できるとともに、テレスコピック構造となって
伸縮可能とされている。また、乗用バケット4はブーム
3の先端にて単独回転できるようになっている。バケッ
ト4を任意の位置に移動するために、図8(2)に示し
ているように操作装置5が装備されており、その操作レ
バーを操作することによりシリンダ等の駆動要素となっ
ている油圧制御装置6の油圧機器を作動させ、これによ
り基台2の旋回やブーム3の起伏並びに伸縮、およびバ
ケットの回転を行わせて所望の位置に移動させるものと
なっている。
【0003】ところで、従来の高所作業車では、操作装
置5における操作レバーは2〜3本設けられており、各
レバーはそれぞれブームの起伏、旋回、伸縮、及び乗用
バケットの回転に対応しており、操作レバーの操作によ
って操作対象に対応する油圧制御系の電磁スイッチのオ
ン・オフ制御により油圧機器を駆動し、個別出力によっ
て乗用バケット4を3次元的に動かしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高所作業車においては、操作レバーは各油圧制御弁に対
応して動作の方向とは直接関係しないため、操作方向と
動作方向が一致しない。そのため、例えば図9に示すよ
うに、ブーム3を伸長して乗用バケット4をA点まで移
動させようとする場合、バケット4がブーム伸縮方向の
側方を向いている場合、ブーム伸縮用の操作レバーを縮
方向に操作するが、バケット4が移動方向に正対してい
ないため、図示のように、ブーム伸張方向と直角方向に
操作レバーを操作する必要が生じる。このため、バケッ
ト移動作業は熟練者を必要とし、操作性が非常に悪く安
全性も低いという欠点があった。このため、従来の高所
作業車の乗用バケット制御システムは、制御対象の実際
的な動きに対応した操作感覚が充分に得られない問題が
あったものである。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消するためになされたもので、バケットの向き等の如何
に拘らず、操作レバーの操作方向と実際の乗用バケット
移動方向とが一致するようにして操作性に優れた高所作
業車乗用バケットの移動制御方法および装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る高所作業車乗用バケットの移動制御方
法は、高所作業車の乗用バケットを当該バケットに装備
した操作レバーにより移動制御する方法において、多軸
操作可能な操作レバーの操作ベクトルを車体側の移動基
点を原点とする三次元ベクトルに変換し、各ベクトルに
対応する操作量を油圧機器に分配出力して前記乗用バケ
ットの移動制御をなすものとした。
【0007】また、第2に高所作業車の乗用バケットを
当該バケットに装備した操作レバーにより移動制御する
方法において、前記乗用バケットの現在位置を車体側移
動基点を原点とする座標上に展開し、多軸操作可能な操
作レバーによる操作方向を前記移動基点座標上に三次元
展開し、前記操作レバーの操作継続中には三次元展開さ
れた操作方向への移動をなす油圧機器を作動継続させる
構成とした。
【0008】これらの場合において、前記乗用バケット
の位置をジャイロ等により検出し、この位置変化ベクト
ルと操作ベクトルとの偏差を算出し、油圧機器への操作
量をフィードバック制御するようにすればよい。
【0009】本発明係る高所作業車乗用バケットの移動
制御装置は、高所作業車に旋回基台を介して伸縮可能な
起伏ブームを取付け、このブーム先端に回転可能に乗用
バケットを設けるとともに、当該バケットにバケット移
動操作のための操作レバーを設けた高所作業車の乗用バ
ケット移動制御装置において、前記操作レバーを多軸操
作可能に形成し、前記乗用バケットの移動のための駆動
油圧機器を操作レバーの操作出力により作動させる制御
手段を有し、この制御手段は前記操作レバーの操作ベク
トルを前記旋回基台の旋回中心を原点とするベクトル変
換をなすベクトル変換処理部と、変換されたベクトルに
対応する前記油圧機器への駆動量を分配作動させる分配
出力部とを備えたものである。前記乗用バケットにはジ
ャイロを設け、このジャイロによるバケット移動ベクト
ルを前記制御手段に出力し、前記分配出力部の出力を比
較制御するものとすることができる。
【0010】
【作用】上記構成によれば、操作レバーを多軸操作可能
としておき、この操作レバーをバケットを移動させた方
向に操作すると、当該レバーによる操作ベクトルが制御
手段により旋回基台等の移動基点を原点とした駆動ベク
トルに変換される。制御手段は駆動ベクトルに対応する
油圧機器の制御弁等の開閉指令を各要素ごとに分配出力
する。これによって乗用バケットがどのような向きであ
っても、操作レバーの操作方向に沿って乗用バケットが
レバー操作方向に移動される。これにより操縦者の意志
と乗用バケットの動作方向を一致させることができるの
である。
【0011】
【実施例】以下に、本発明に係る高所作業車乗用バケッ
トの移動制御方法および装置の具体的実施例を図面を参
照して詳細に説明する。
【0012】図1は実施例に係る高所作業車乗用バケッ
トの移動制御装置の構成図および作動状態の説明図であ
り、図2はバケットに搭載する操作レバーを示してい
る。高所作業車として、図7に示した構造の車両を用
い、車体1に旋回基台2を有し、これに起伏ブーム3を
取付け、当該ブーム3の先端部に旋回可能に乗用バケッ
ト4を設けた構造を対象とする。
【0013】まず、操作レバー10は、多軸操作が可能
となっており、図2に示すように、水平軸状のグリッパ
12を有し、これには垂直シャフト14がT字をなすよ
うに一体的に設けられている。垂直シャフト14はその
軸方向に上下操作が可能とされるとともに二重軸構造と
されており、グリッパ12の側面に設けられたプッシュ
ノブ16を押すことで内軸あるいは外軸と選択的に連結
され、グリッパ12の回転を内軸あるいは外軸に伝達で
きるようにしている。また、垂直シャフト14には直交
水平軸18、20が設けられ、グリッパ12を各軸1
8、20を中心として押し倒すことが可能とされてい
る。これによって操作レバー10は直交水平軸18、2
0の一方をX軸、他方をY軸とし、垂直シャフト14を
Z軸とした直交3軸に沿った水平移動と、Z軸回りの回
転動作の4軸操作が可能とされている。また、操作レバ
ー10はニュートラル位置に自動復帰できるようにスプ
リング等の復帰手段を内蔵する構成としておく。
【0014】このような多軸操作が可能な操作レバー1
0の操作方向、操作量を検出するために、各軸部分には
センサが設けられている。これは例えば次のように構成
すればよい。X軸方向に沿った操作量をY軸の回転量と
してポテンショメータ22により検出し、Y軸方向に沿
った操作量をX軸の回転量としてポテンショメータ24
により検出し、Z軸方向に沿った操作量をシャフトガイ
ドに設けたリニアセンサ26によって検出する。更に、
Z軸回りの回転量は外軸および内軸のそれぞれに取付け
たポテンショメータ28、29により検出する。
【0015】そして、操作レバ−10を乗用バケット4
に正対配置させておき、操作レバー10のX軸方向操作
を乗用バケット4の左右方向への駆動方向、Y軸方向操
作を前後方向への駆動方向、Z軸方向操作を上下方向、
垂直シャフト14の外軸回転を乗用バケット4の回転駆
動方向、垂直シャフト14の内軸回転をブーム3の旋回
方向駆動に対応させている。
【0016】このような操作レバー10による操作方向
と操作量が各センサにより検出されるが、制御装置はこ
れを入力する制御手段としてのコントローラ30を備
え、ベクトル変換して油圧機器を駆動制御するものとし
ている。この構成を図1を参照して説明する。油圧機器
としては図に代表して示すブーム起伏シリンダ32の
他、ブーム伸縮シリンダ、ブーム旋回モータ、バケット
回転モータ等があり、これらは油圧駆動によって伸縮等
を行い、ブームの起伏動作等を行う。伸縮量や回転量は
これらの機器への圧油供給量によって定まり、配管部に
設けた比例電磁式制御弁34の開閉操作によって制御さ
れる。各油圧機器にはその駆動量を検出するセンサが設
けられ、例えば起伏シリンダ32には長さセンサ36を
取付けており、この検出信号をコントローラ30に入力
させてる。この他の各油圧機器に付帯している長さある
いは角度センサからの検出信号も同様である。そして、
このような前記操作レバー10からのセンシングデータ
と、油圧機器側からのセンシングデータを入力するコン
トローラ30は、操作レバー10の操作ベクトルを乗用
バケット4の移動基点である旋回基台の旋回中心を原点
とするベクトル変換処理をなすベクトル変換処理部38
と、変換されたベクトルに対応する前記油圧機器への駆
動量を分配作動させる分配出力部40とを備えており、
次のような演算をなすものとしている。
【0017】いま、図3に示すように、乗用バケット4
上の操作レバー10を点Pとし、乗用バケット4の移動
基点を旋回基台の旋回中心Oとし、これをニュートラル
原点とする。空間上の任意の点Aに点Pが位置している
ものとし、操縦者が他の点Bにバケット4を移動したい
とした場合、操縦者は操作レバー10を点Bの方向に操
作する。この操作により操作ベクトルVが設定され、ベ
クトルVの方向は点Pの移送方向、大きさは移動速度と
定義する。
【0018】ここで、原点Oの座標系は乗用バケット4
を搭載する車両の中心軸をXとする座標系である。ま
た、乗用バケット4の操作レバー10の位置である点P
の座標系は操作レバー10に正対する方向をX軸とする
座標系となる。いま、原点Oの座標系の任意の点Aに点
Pがあり、バケット4の方向が原点Oの座標系に対して
回転していれば、点Pの座標系での移動ベクトルVを原
点Oの座標系に変換する必要がある。座標系Oにおける
乗用バケット4上の点Pの位置は、ブーム3の長さ、回
転方向、起伏角のセンシング出力により一義的に求めら
れる。また、乗用バケット4の回転方向は、ブーム3の
旋回方向と乗用バケット4のブーム3に対する角度によ
り求めることができる。ブーム長や旋回中心からのブー
ム取付け位置などの規定データはメモリ等から適宜読み
出して演算に利用すればよい。したがって、油圧機器に
付帯するセンサ36からの信号により幾何学的演算によ
り乗用バケット4の現在位置を算出することができるの
で、コントローラ30のベクトル変換処理部38では、
操作レバー10の各センサからの検出信号をもとに操作
ベクトルVを座標系O上に展開することができる。そし
て、ベクトルVの座標系Oにおける3軸方向成分を演算
により求めることができる。速度成分は座標系Pでの値
をそのまま使用することができる。速度はレバー操作量
の時間的変化を検出することで演算できる。
【0019】このようにして、コントローラ30のベク
トル変換処理部38にて移動基点を原点とする座標系O
に操作ベクトルを展開するが、この操作量を分配出力部
40に出力させている。すなわち、各油圧機器の駆動部
のセンサ36は座標系Oにより設定しているため、この
座標系Oに展開した操作ベクトルにより各軸方向のベク
トル成分が決定され、各軸に対応する駆動対象が一義的
に特定される。例えばX軸方向への水平移動であれば、
ブームをX軸に合せる旋回動作と、初期位置Aからの変
位量に対応するブーム伸縮動作が対応する。移動速度は
操作量の時間変化であるからこれに応じた流量を旋回モ
ータや伸縮シリンダに与えればよい。すなわち、座標系
O上に展開された各軸上のベクトル成分に対応する駆動
対象が一義的に特定されるので、分配出力部40では各
ベクトル成分に応じた対象油圧機器に対応する比例電磁
式制御弁34を選択し、流量制御信号を出力する。これ
を受けて乗用バケット4はその向きの如何に拘らず操作
レバー10の操作方向にしたがって直接移動されるので
ある。
【0020】すなわち、操作レバー10の操作センサ
(ポテンションメータ等)からの出力電気信号は、ベク
トル変換処理部38に各次元偏差量として入力される。
ここで目的とされる移動方向を軸上で展開し、乗用バケ
ット4の移動目的地点を得る。次に各油圧機械を比例制
御させるため駆動成分の分配を行う。そのために条件と
して、分配する前に駆動順位(安全に乗用バケットを動
作させるため)を定義し、これを条件指定手段42によ
る入力設定しておく。そうして決定された各駆動量は、
油圧制御装置に入力される。これにより油圧シリンダ
(長さ)及び油圧モータ(回転角)を動作させることに
なる。各油圧機器の動作確認は、フィードバック制御
(センサ情報)により、長さ・回転各を計測値に一致さ
せ正確な移動量を与える。そうして乗用バケット4は目
的とする地点に移動することができる。各駆動部の電磁
式制御弁34の制御は各部センサの出力を監視しながら
フィードバック制御を行うので、移動変化の検出時間Δ
tの値を減少することにより、移動ベクトル方向と点P
の動きを一致させることができ、これはコントローラ3
0の中央演算装置CPUの演算能力に依存する。
【0021】このような制御装置によって行われる高所
作業車乗用バケットの移動制御方法を図4のフローチャ
ートを参照して説明する。まず、操作レバー10がニュ
ートラル位置であり、乗用バケット4が図3に示したA
点にある状態を初期状態とし、この位置から希望する位
置B点に移動させるものとする。バケット4内の操縦者
は操作レバー10を点Bに向かって操作する。これはバ
ケット4が図1(2)に示すようにブーム3の伸縮方向
に対して90度横向きの場合であっても、当該向きのま
ま操作する。制御動作は操作レバー10が操作され、こ
れに付帯したセンサからの出力が有るか否かを検出する
(ステップ100)。出力がない場合には乗用バケット
4は停止状態を維持し、出力が有った場合にはまずセン
サからの出力を読み込み(ステップ101)、移動ベク
トルVを計算する。次いで、各油圧機器の駆動部のリニ
アセンサや角度センサにより、各駆動部の現状の状態を
センシングする(ステップ102)。これによりブーム
長、ブーム方向、ブーム起伏、バケット方向が検出され
る。この出力に基づき、出発位置の座標計算をし、移動
ベクトルVの速度、方向によりΔt秒後の乗用バケット
4の位置座標を計算する(ステップ103)。すなわち
ベクトル変換である。そして、乗用バケット4のΔt秒
間経過前後の座標位置変化を基に、各油圧機器の駆動量
(長さ、角度)を計算する(ステップ104)。この計
算結果による駆動出力を受けて、分配出力部40は駆動
対象に付帯する比例電磁式制御弁34を駆動するのであ
る(ステップ105)。制御弁34はデジタル制御弁構
造とし、各駆動部をデジタル駆動させるものとすればよ
い。
【0022】この制御弁制御処理は、ベクトル成分に基
づいて駆動対象となった油圧機器駆動部に対し、現在の
位置からの移動量と方向を検出し、移動方向の電磁弁を
開放する。そして、センサ値を検出しつつ目標値との比
較をなし、目標値との偏差がなくなった時に電磁弁を閉
じるように制御するのである。
【0023】これにより乗用バケット4は操作レバー1
0の操作方向に向かって直接移動する(ステップ10
6)。この移動方向はバケット4の向きの如何に拘ら
ず、例えば図1(2)に示すように、乗用バケット4が
ブーム3の方向に対し90°横向きの時であって、移動
方向が操作レバー10の操作方向に一致し、操縦者が動
かしたいと思っている地点にバケット4を移動させるこ
とができる。このことにより、誤操作がなくなり操作性
・安全性の向上が図れるのである。
【0024】これに対し、従来の手段だと図9に示した
ように、乗用バケット4がブーム3の方向に対し90°
横向きの時には、操縦者がブーム方向に乗用バケット4
を動かしたいと考えても、操作レバー10は希望する移
動方向とは90°違う方向に操作しなければならない。
【0025】このようにして乗用バケット4が移動され
ると、コントローラ30は操作レバー10がニュートラ
ル位置か否かを検知し(ステップ107)、操縦者の意
志でレバー10をニュートラル位置に戻した場合には移
動制御を停止し(ステップ108)、そうでない場合に
はステップ101に戻って移動を継続する。
【0026】このような実施例によれば、高所作業車乗
用バケットのベクトル制御は、4軸制御を可能とする操
作レバー10を使用して単独レバーによる移動方向、移
動速度の支持を行うことができる。そして、動作制御方
法を、従来の電磁スイッチのON−OFF制御に代え
て、操作レバー10からの三次元出力を各駆動部動作量
に分配・変換し、各駆動部油圧機器を比例制御出力を行
うベクトル制御用演算手段を組み込んで乗用バケット制
御を行うため、乗用バケット4の動く方向を一致させ、
オペレータの意志にあった操作を行うことができるので
ある。
【0027】次に図5には第2実施例に係る高所作業車
乗用バケットの移動制御装置の構成を示している。これ
は乗用バケット3に3軸ジャイロセンサを組み込み、そ
の出力と操作レバー10からの三次元出力とを比例制御
を行い、目的とする乗用バケット移動の操作性精度と応
答速度の向上を図るようにしたものである。この第2実
施例は図1(1)に示した構成に対し、乗用バケット4
に3軸ジャイロセンサ44を組込み、これをコントロー
ラ30にフィードバックさせるようにしている。第1実
施例では、計算値による乗用バケット4の移動のため、
操作レバー10の操作方向と乗用ベケット4の動作方向
は一致しないおそれがある。この第2実施例では、乗用
バケット4に空間上での位置を知るために、ジャイロサ
ンサ44を図5のように組み込み、現在の位置と向きの
情報を得るようにした。これにより操作レバー10から
の計算値と乗用バケット4に組み込んだ3軸ジャイロセ
ンサ44からの実測値とを比較し、その偏差が無くなる
ように補正処理部45にて補正演算し、これを分配出力
部40に出漁して補正制御するものとしている。
【0028】このような構成の制御装置を用いた制御方
法のフローチャートを図6に示す。図示のように、シス
テムの流れは第1実施例のベクトル制御方法と同様であ
る(図4)。すなわち、ステップ100〜106まで同
一であるが、この実施例では電磁弁制御によって駆動さ
れる移動バケット4の移動方向がジャイロセンサ44に
よって検出される(ステップ200)。そこで、このセ
ンサ44からの検出値と計算上のベクトル方向との偏差
を算出して偏差の有無を判定するようにしている(ステ
ップ201)。偏差が検出された場合には操作方向にバ
ケット4の移動方向を近づけるための補正量を補正処理
部45で計算し(ステップ202)、これを油圧機器駆
動部の駆動量計算ステップ104にて補正させるものと
している。偏差がない場合には、次のレバー10がニュ
ートラルにあるか否かの判定ステップ107に進み、以
後は第1実施例と同様に処理される。
【0029】このような第2実施例では、特に乗用バケ
ット4の実際の移動方向が判定されるので、これを操作
レバー10による操作方向に常時一致させることがで
き、より高い移動精度を得ることができる。
【0030】なお、上記実施例では伸縮式ブーム3を有
する高所作業車の乗用バケットについて説明したが、こ
れは屈曲式ブームを備えた高所作業車あるいはその他の
構造の高所作業車に適用することができる。これに応じ
て、操作レバー10を4軸以上の自由度をもつ多軸操作
レバーとすることができるのはいうまでもない。また、
第2実施例においてバケット4に搭載するジャイロ44
に代えて加速度センサ等を用いることができ、移動方向
を検出できる方向センサを適宜採用できるものである。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
乗用バケットに設けた多軸操作レバーによる操作方向を
ブーム等の移動基点を原点とする駆動ベクトルに変換
し、このベクトルに沿うように油圧機器を作動させるた
め、移動バケットの向きの如何に拘らずバケットを直接
操作方向に移動させることができるため、操作性が格段
に向上する。そして、バケット側にジャイロ等の移動方
向センサを設けてバケット移動方向を常時監視するよう
にし、偏差があった場合にこれを補正するように駆動部
を制御することでより高い操作性を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る乗用バケット移動制御装置の
構成図および移動状態の説明図である。
【図2】操作レバーの説明図である。
【図3】第1実施例の制御方法の原理説明図である。
【図4】第1実施例の制御方法を示すフローチャートで
ある。
【図5】第2実施例に係る乗用バケット移動制御装置の
構成図である。
【図6】第2実施例の制御方法を示すフローチャートで
ある。
【図7】従来の高所作業者の構成を示す側面図および平
面図である。
【図8】従来の乗用バケットの駆動装置の模式図と制御
装置の説明図である。
【図9】従来の乗用バケットの操作と移動方向の説明図
である。
【符号の説明】
1 車体 2 旋回基台 3 ブーム 4 乗用バケット 5 操作装置 6 油圧制御装置 10 操作レバー 12 グリッパ 14 垂直シャフト(Z軸) 16 プッシュノブ 18 X軸 20 Y軸 22、24、28、29ポテンショメータ 26 リニアセンサ 30 コントローラ 32 ブーム起伏シリンダ 34 比例電磁式制御弁 36 長さセンサ 38 ベクトル変換処理部 40 分配出力部 42 条件指定手段 44 3軸ジャイロセンサ 45 補正処理部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高所作業車の乗用バケットを当該バケッ
    トに装備した操作レバーにより移動制御する方法におい
    て、多軸操作可能な操作レバーの操作ベクトルを車体側
    の移動基点を原点とする三次元ベクトルに変換し、各ベ
    クトルに対応する操作量を油圧機器に分配出力して前記
    乗用バケットの移動制御をなすことを特徴とする高所作
    業車乗用バケットの移動制御方法。
  2. 【請求項2】 高所作業車の乗用バケットを当該バケッ
    トに装備した操作レバーにより移動制御する方法におい
    て、前記乗用バケットの現在位置を車体側移動基点を原
    点とする座標上に展開し、多軸操作可能な操作レバーに
    よる操作方向を前記移動基点座標上に三次元展開し、前
    記操作レバーの操作継続中には三次元展開された操作方
    向への移動をなす油圧機器を作動継続させることを特徴
    とする高所作業車乗用バケットの移動制御方法。
  3. 【請求項3】 前記乗用バケットの位置をジャイロ等に
    より検出し、この位置変化ベクトルと操作ベクトルとの
    偏差を算出し、油圧機器への操作量をフィードバック制
    御することを特徴とする請求項1または2に記載の高所
    作業車乗用バケットの移動制御方法。
  4. 【請求項4】 高所作業車に旋回基台を介して伸縮可能
    な起伏ブームを取付け、このブーム先端に回転可能に乗
    用バケットを設けるとともに、当該バケットにバケット
    移動操作のための操作レバーを設けた高所作業車の乗用
    バケット移動制御装置において、前記操作レバーを多軸
    操作可能に形成し、前記乗用バケットの移動のための駆
    動油圧機器を操作レバーの操作出力により作動させる制
    御手段を有し、この制御手段は前記操作レバーの操作ベ
    クトルを前記旋回基台の旋回中心を原点とするベクトル
    変換をなすベクトル変換処理部と、変換されたベクトル
    に対応する前記油圧機器への駆動量を分配作動させる分
    配出力部とを備えたことを特徴とする高所作業車の乗用
    バケット移動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記乗用バケットにはジャイロを設け、
    このジャイロによるバケット移動ベクトルを前記制御手
    段に出力し、前記分配出力部の出力を比較制御すること
    を特徴とする請求項4に記載の高所作業車の乗用バケッ
    ト移動制御装置。
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JPS6159296U (ja) * 1984-09-26 1986-04-21
JPS63123597U (ja) * 1987-01-31 1988-08-11

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