JPH07171361A - 半透性複合膜およびその製造方法 - Google Patents

半透性複合膜およびその製造方法

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JPH07171361A
JPH07171361A JP31967393A JP31967393A JPH07171361A JP H07171361 A JPH07171361 A JP H07171361A JP 31967393 A JP31967393 A JP 31967393A JP 31967393 A JP31967393 A JP 31967393A JP H07171361 A JPH07171361 A JP H07171361A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 微多孔性支持膜上に超薄膜を被覆してなる半
透性複合膜において、微多孔性膜表面に、一分子中に2
個以上の反応性基を有する水溶性化合物の水溶液を被覆
した後、該微多孔性膜を上記水溶性化合物と反応しうる
多官能性反応試薬の溶液で被覆し、さらにその表面に一
分子中に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物の水
溶液を被覆して得られることを特徴とする半透性複合膜
とその製造方法。 【効果】本発明により、従来の複合膜および複合膜の製
造方法に比較して塩排除率が0.3%以上向上するとと
もに、膜の均一性が向上した半透性複合膜を提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液状混合物の成分を選
択透過分離するための高性能な半透性複合膜およびその
製造方法に関するものである。本発明によって得られる
半透性複合膜は特にカン水の脱塩、海水の淡水化、また
半導体の製造に利用される超純水の製造に用いることが
できる。さらには、染色排水、電着塗料排水などから、
その中に含まれる汚染物質あるいは有用物質を選択的に
除去あるいは回収し、ひいては排水のクローズド化に寄
与することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、工業的に利用されている半透膜に
は非対称膜型の酢酸セルロース膜があった(例えば、米
国特許第3,133,132号明細書、同第3,13
3,137号明細書)。しかし、この膜は耐加水分解
性、耐微生物性などに問題があり、塩排除率、水透過性
も十分ではなかった。このため、酢酸セルロース非対称
膜は一部の用途には使用されているが、広範囲の用途に
実用化されるには至っていない。
【0003】これらの欠点を補うべく非対称膜とは形態
を異にする半透膜として微多孔性支持膜上に異なる素材
で実質的に膜分離性能を司る超薄膜(活性層)を被覆し
た半透性複合膜が考案された。半透性複合膜では、活性
層と微多孔性支持膜の各々に最適な素材を選択する事が
可能であり、製膜技術も種々の方法を選択できる。
【0004】現在市販されている半透性複合膜の大部分
は微多孔性支持膜上にゲル層とポリマーを架橋した活性
層を有するものと、微多孔性支持膜上でモノマーを界面
重縮合した活性層を有するものの2種類である。前者の
具体適例としては、特開昭49−13282号公報、特
公昭55−38164号公報、PBレポート80−18
2090、特公昭59−27202号公報、同61−2
7102号公報などがある。後者の具体例としては米国
特許第3,744,942号明細書、同第3,926,
798号明細書、同第4,277,344号明細書、特
開昭55−147106号公報、同58−24303号
公報、同62−121603号公報などがある。
【0005】これらの半透性複合膜では酢酸セルロース
非対称膜よりも高い脱塩性能が得られている。さらにこ
れらの膜は殺菌に用いられる塩素、過酸化水素に対する
耐久性も向上されつつあり用途が広がってきている段階
にある。この型の膜の欠点としては、水透過性を高めよ
うとすると(低圧高造水量化)、超薄膜(活性層)を非
常に薄く塗るため、微多孔性支持膜のきず、あるいは異
物などによって、欠点を生じやすいこと、また平膜状の
複合膜の場合には、スパイラル、プレートアンドフレー
ム型のエレメントとして使用するにあたり、エレメント
製造時の作業中に表面超薄膜(活性層)に傷がつき、膜
本来の脱塩性能に対してエレメントの脱塩性能が低下す
る現象がしばしば生じた。これらは最近特に要望が強く
なってきている高排除性の妨げになっている。前者の問
題は製造技術の向上によって解決されつつあり、このタ
イプの膜が市販されている段階にある。後者の問題を解
決する手段としては保護膜が提案され成果がみられてい
る(例えば米国特許第4,005,012 号明細書、特開昭56
−15804号公報、特開昭62−216604号公
報)。この方法は保護膜の脱落を防止するため水に不溶
化する必要があり、塗布したポリマーを熱架橋、あるい
は必要に応じて触媒存在下で架橋している。これはその
膜の製造工程に熱処理が含まれている複合膜においては
元の性能を損なうこと無く、薄い保護膜が被覆できる有
効な手段であるが、熱処理工程を経ず製造される膜にお
いては新たに熱履歴を加えることになり性能低下を及ぼ
すことがおおかった。(例えば、PBレポート PB8
5−247971)。
【0006】また、アミノ基を有する水溶性化合物で膜
表面を処理する提案もなされ、ある程度成果がみられて
いる(例えば特開平2−115027号公報)。しか
し、この処理は膜をアミン水溶液中に浸漬して膜表面の
酸成分にイオン的に吸着させる方法であり、処理に必要
な時間も長くプロセス的にも困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、半透性複合膜の分離性能を損なうことなく膜表
面の荷電特性をコントロールすることは困難であった。
本発明はこれらの問題点を解決し、また同時に超薄膜の
欠点を防止して、分離性能を向上し、膜性能の均一性を
改善するという、従来の半透性複合膜においては達成が
困難であった課題を解決しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は下記の構成から成る。
【0009】「微多孔性支持膜上に超薄膜を被覆してな
る半透性複合膜において、微多孔性膜表面に、一分子中
に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物の水溶液を
被覆した後、該微多孔性膜を上記水溶性化合物と反応し
うる多官能性反応試薬の溶液で被覆し、さらにその表面
に一分子中に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物
の水溶液を被覆して得られることを特徴とする半透性複
合膜。」および、「微多孔性支持膜上に超薄膜を被覆し
てなる半透性複合膜において、微多孔性膜表面に、一分
子中に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物の水溶
液を被覆した後、該微多孔性膜を上記水溶性化合物と反
応しうる多官能性反応試薬の溶液で被覆し、さらにその
表面に一分子中に2個以上の反応性基を有する水溶性化
合物の水溶液を被覆することを特徴とする半透性複合膜
の製造方法。」本発明において、微多孔性支持膜とは実
質的には分離性能を有さない層であり、実質的に分離性
能を有する超薄膜層(活性層)に強度を与えるために用
いられるものである。微多孔性支持膜は均一な微細な孔
あるいは片面に緻密で微細な孔を持ち、もう一方の面ま
で徐々に大きな微細な孔をもつ非対称構造で、その微細
孔の大きさはその緻密な片面の表面で100nm以下で
あるような構造が好ましい。また、微多孔性支持膜の厚
みは1μm〜数mmであり、膜強度の面から10μm以
上、扱いやすさ、モジュール加工のしやすさの面で数1
00μm以下が好ましい。上記の微多孔性支持膜は、例
えばミリポア社製“ミリポアフィルターVSWP”(商
品名)や、東洋ろ紙社製“ウルトラフィルターUK1
0”(商品名)のような各種市販材料から選択すること
もできるが、通常は、“オフィス・オブ・セイリーン・
ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・
プログレス・レポート”No.359(1968)に記載
された方法に従って製造できる。その微多孔性支持膜の
素材にはポリスルホン、酢酸セルロース、硝酸セルロー
ス、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン
等のホモポリマーまたはコポリマーを単独であるいはこ
れらのポリマーをブレンドしたものを使用することがで
きる。これらの素材の中では化学的、機械的、熱的に安
定性が高く、成型が容易であることからポリスルホンが
一般的に使用される。例えば、ポリスルホンのジメチル
ホルムアミド(DMF)溶液を密に織ったポリエステル
布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それをド
デシル硫酸ソーダ0.5重量%およびDMF2重量%を
含む水溶液中で湿式凝固させることによって、表面の大
部分が直径数十nm以下の微細な孔を有した微多孔性支
持膜が得られる。
【0010】この微多孔性支持膜に超薄膜を被覆して、
複合半透膜が製造される。本発明における超薄膜の被覆
は、微多孔性膜表面に一分子中に2個以上の反応性基を
有する水溶性化合物の水溶液を被覆した後、該微多孔性
膜を上記水溶性化合物と反応しうる多官能性反応試薬の
溶液で被覆し、さらにその表面に一分子中に2個以上の
反応性基を有する水溶性化合物の水溶液を被覆する方法
によって行われる。
【0011】ここで一分子中に2個以上の反応性基を有
する水溶性化合物とは、2個以上の反応性基を有する脂
肪族、芳香族、あるいは複素環の化合物であり、実質的
に水に可溶であり多官能試薬と反応し水不溶性の架橋ポ
リマを形成するものであればいずれでもよく、反応基は
アミノ基、水酸基などであり2個以上の反応性基が同一
でもまた異なっていてもよい。一般的には例えばm−フ
ェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,
5−トリアミノベンゼン、パラキシリレンジアミンなど
の芳香族アミン類、エチレンジアミン、プロピレンジア
ミン、ジメチルエチレンジアミン、ピペラジン、アミノ
メチルピペリジンなどの脂肪族アミン類、エチレングリ
コール、グリセリン、プロピレングリコールなどの脂肪
族アルコール類、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキ
シベンゼンなどの芳香族アルコール類が用いられる。こ
れらの中では反応性、得られた膜の性能の面から多官能
アミノ化合物、さらに芳香族アミン類、特にm−フェニ
レンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−
トリアミノベンゼンが好ましい。これらの一分子中に2
個以上の反応性基を有する水溶性化合物は単独であるい
は混合して用いることが出来る。これら水溶性化合物は
重量濃度で0.1〜20%の水溶液として使用する。水
溶液には必要に応じて他の水溶性化合物を混合してもか
まわない。
【0012】また、上記水溶性化合物と反応しうる多官
能性反応試薬としては多官能の酸ハロゲン化物、多官能
のイソシアネート化合物などを用いることが出来る。例
えば多官能酸ハライドの例としては、トリメシン酸ハラ
イド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ハライド、トリ
メット酸ハライド、ピロメット酸ハライド、イソフタル
酸ハライド、テレフタル酸ハライド、ナフタレンジカル
ボン酸ハライド、ジフェニルジカルボン酸ハライド、ピ
リジンジカルボン酸ハライド、ベンゼンジスルホン酸ハ
ライド、クロロスルホニルイソフタル酸ハライドなどの
芳香族系多官能酸ハロゲン化物、イソシアネート化合物
としてはトルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソ
シアネート化合物が用いられる。これらの化合物の中で
は反応のしやすさ、得られた膜の分離性能の面から芳香
族酸クロライド、特にイソフタル酸クロライド、テレフ
タル酸クロライド、トリメシン酸クロライド、及びこれ
らの混合物が好ましい。多官能反応性試薬を溶解する溶
媒は水と非混和性であり、かつ多官能反応性試薬を溶解
し微多孔性支持膜を破壊しないことが必要であり、界面
重縮合により架橋ポリマを形成し得るものであればいず
れであっても良い。好ましい例としては、炭化水素化合
物、シクロヘキサン、1,1,2-トリクロロ-1,2,2トリフル
オロエタンなどが挙げられるが、反応速度、溶媒の揮発
性からは好ましくはn−ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、1,1,2-ト
リクロロ-1,2,2トリフルオロエタンなどである。
【0013】さらにその上に被覆する一分子中に2個以
上の反応性基を有する水溶性化合物の水溶液の一分子中
に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物は上述の化
合物から選ばれるものであり、最初に被覆した化合物と
同一であっても異なっていてもかまわない。
【0014】このように、さらにその上に被覆する該水
溶性化合物を、該水溶性化合物と反応しうる多官能性反
応試薬の残存する未反応の官能基に作用させることによ
り、膜表面の欠点、傷を減少させる。また、膜厚を均一
にし、架橋密度を大きくすることが可能となり、その結
果、分離性能が向上し、膜の特性の均一性が向上する。
さらに、該未反応の官能基による膜性能への影響を消
去、減少、または改良することが可能となる。例えば、
該多官能性反応試薬として、多官能の酸ハロゲン化物、
多官能のイソシアネート化合物などを用いた場合、これ
らの多官能性反応試薬の未反応官能基が残存するか、ま
たは、加水分解などを受けると、膜表面には、負電荷の
性質を帯びる。しかし、さらにその上に被覆する該水溶
性化合物により、係る未反応の官能基を反応させられた
り、該水溶性化合物の官能基が未反応で残存することに
より、膜表面は、中性又は、陽電荷の性質に改質するこ
とが可能となる。
【0015】このようにして、得られた芳香族ポリアミ
ドの膜電位は、好ましくは−11mV以上、より好まし
くは−8mV以上、さらに好ましくは−4mV以上、ず
っと好ましくは0mV以上、もっと好ましくは+2mV
以上、はるかに好ましくは+5mV以上である。あるい
は、+8mV以上、さらには、+11mV以上、もしく
は、+14mV以上の膜電位を有する芳香族ポリアミド
も可能である。
【0016】ただし、ここでいう膜電位とは、特開昭6
1−287492号公報にあるように、25℃におい
て、KCl水溶液の濃度が、低濃度側の濃度10−3
ル/リットル、高濃度側の濃度4×10−3モル/リッ
トルにおける膜電位をいう。
【0017】得られた超薄膜の厚みは5nmから10μ
mまでであるが、半透性複合膜の水透過性の面から、1
μm以下が好ましい、これより厚くなると水透過性が低
くなる恐れがあり好ましくない。
【0018】次に製膜方法について述べる。
【0019】最初に、微多孔性支持膜上に反応性基を2
個以上持つ水溶性化合物(以下水溶性化合物と略す)を
含む水溶液(以下組成物という)を被覆する。過剰な組
成物を除去した後、次に多官能試薬の有機溶媒溶液を塗
布し、in situ界面重縮合反応によって超薄膜を
被覆する。過剰な有機溶媒溶液を除去し、有機溶媒を揮
発させた後、直ちに組成物を塗布し、残存している多官
能試薬あるいは官能基と反応させ、さらに超薄膜を被覆
させて本発明の半透性複合膜を得る。得られた半透性複
合膜は必要に応じて、この後純水などで洗浄しても良
い。
【0020】組成物の被覆方法としてはコ−ティングす
る方法あるいは微多孔性支持膜を組成物中に浸漬する方
法がある。組成物を微多孔性支持膜に被覆した後、余分
な組成物を除去するために液切り工程を設けるのが一般
的であり、液切りの方法としては、例えば膜面を垂直方
向に保持して自然流下させる方法などがある。
【0021】充分に液切りを行った後、組成物と多官能
試薬のin situ界面重縮合反応によって超薄膜を
被覆する。多官能試薬は上に示したように多官能酸ハラ
イドが好ましい。また、有機溶媒は、前述のとおり水と
非混和性であり、かつ試薬を溶解し微多孔性支持膜を破
壊しないことが必要であり、界面重縮合により架橋ポリ
マを形成し得るものであればいずれであっても良い。
【0022】試薬の濃度は特に限定されるものではない
が、少なすぎると活性層である超薄膜の形成が不十分と
なり欠点になる可能性があり、多いとコスト面から不利
になるため、0.01〜1.0重量%程度が好ましい。
【0023】過剰な多官能試薬の有機溶媒溶液は液切り
工程により除去され、一般的にはこの間有機溶媒は揮発
する。この時多官能試薬は完全に膜面から除去されず、
一部膜面に残る。さらに風などをあて積極的に有機溶媒
を揮発させることにより、塗布する溶液の濃度にも依存
するが0.01〜0.1g/m2 の多官能試薬を膜面に
残すことが可能である。本発明の製造方法の特徴はこの
残存多官能試薬を利用することにある。また、多官能試
薬の官能基の一部が反応せずに残っていることも考えら
れ、これを利用することも本発明に含まれる。多官能試
薬が膜面に残存する状態で、濃度が希釈された一分子中
に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物を含む水溶
液を被覆し、in situ界面反応によってさらに超
薄膜を被覆し、同様に液切りを行ない、目的の複合構造
超薄膜層を有する複合半透膜を得る。
【0024】2回目に被覆する一分子中に2個以上の反
応性基を有する水溶性化合物を含む水溶液は1回目に被
覆する水溶性化合物と同一の化合物の溶液でも、また異
なる水溶性化合物の溶液でも構わない。膜性能の点から
は多官能アミノ化合物、さらに芳香族アミン類、特にm
−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,
3,5−トリアミノベンゼンが好ましい。この2回目の
溶液の濃度は膜面に残存する多官能試薬の量との兼ね合
いから、1回目の水溶液の濃度の1/100以上1/1
0以下であることが好ましい。反応性が低い場合には濃
度が高い方が好ましいが、過剰の水溶性化合物が残存す
ると洗浄が困難であり、また一方、濃度が低すぎた場合
には反応が十分に行なわれない。
【0025】上記のように得られた複合半透膜はこのま
までも使用できるが、使用する前に水洗などによって未
反応残存物を取り除くことが好ましい。
【0026】さらに、本発明の複合膜の形態は平膜で
も、中空糸でも構わない。また、得られた複合膜は平膜
は、スパイラル、チューブラー、プレート・アンド・フ
レームのモジュールに組み込んで、また中空糸は束ねた
上でモジュールに組み込んで使用することができるが、
本発明はこれらの膜の使用形態に左右されるものではな
い。
【0027】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが本発明は、これらに限定されるものではない。
【0028】実施例1 タテ30cm、ヨコ20cmの大きさのポリエステル繊維か
らなるタフタ(タテ糸、ヨコ糸友150デニ−ルのマル
チフィラメント糸、織密度タテ90本/インチ、ヨコ6
7本/インチ、厚さ160μm)をガラス板上に固定
し、その上にポリスルホン(アモコ社製のUdel P
−3500)の15重量%ジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を200μmの厚みで室温(20℃)でキャス
トし、直ちに純水中に浸漬して5分間放置することによ
って繊維補強ポリスルホン支持膜(以下FR−PS支持
膜と略す)を作製する。このようにして得られたFR−
PS支持膜(厚さ210〜215μm)の純水透過係数
は圧力1kg/cm2 、温度25℃で測定して0.005
〜0.01g/cm2 ・sec・atmであった。
【0029】FR−PS支持膜をメタフェニレンジアミ
ンの2重量%水溶液に2分間浸漬した。FR−PS支持
膜表面から余分な該水溶液を取り除いた後、1,1,2-トリ
クロロ -1,2,2-トリフルオロエタンにトリメシン酸クロ
ライド0.1重量%溶解した溶液を表面が完全に濡れる
ようにコ−ティングして1分間静置した。次に膜を垂直
にして余分な該溶液を液切りして除去した後、さらに膜
表面に0.1重量%メタフェニレンジアミン水溶液を表
面が完全に濡れるようにコ−ティングして30秒間静置
した膜を垂直にして液切りした後、室温下で乾燥した。
このようにして得られた複合膜を浸透圧が28kg/cm
の3.5%NaClを使用して56kg/cm、25℃の
条件下で、10枚逆浸透テストした結果、表1に示した
ような、安定した膜性能が得られた。このとき,平均値
は、塩排除率99.78%、透水速度0.66m3 /m
2 ・日、標準偏差値は、塩排除率:0.0066%、透
水速度0.0102m3 /m2 ・日の性能が得られた。
【0030】
【表1】 比較例1 実施例1において、0.1重量%メタフェニレンジアミ
ン水溶液のコ−ティングを行わない以外は、同様に10
枚逆浸透テストした結果、表2に示したような、膜性能
が得られた。このとき,平均値は、塩排除率:99.3
8%、透水速度:0.81m3 /m2 ・日であった。標
準偏差値は、塩排除率:0.071%、透水速度:0.
0403m3 /m2 ・日であった。
【0031】
【表2】 実施例2 実施例1において、0.1重量%メタフェニレンジアミ
ン水溶液のコ−ティングの代わりに、0.05重量%
1,3,5−トリアミノベンゼン水溶液を使用する以外
は、同様に行なった結果、排除率99.7%、透水速度
0.69m3 /m2 ・日の性能が得られた。
【0032】以上の実施例に示したように本発明におい
ては従来の複合膜および複合膜の製造方法に比較して塩
排除率が0.3%以上向上するとともに、膜の均一性が
向上した。
【0033】
【発明の効果】本発明により、従来の複合膜および複合
膜の製造方法に比較して塩排除率が0.3%以上向上す
るとともに、膜の均一性が向上した半透性複合膜を提供
することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微多孔性支持膜上に超薄膜を被覆してな
    る半透性複合膜において、微多孔性膜表面に、一分子中
    に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物の水溶液を
    被覆した後、該微多孔性膜を上記水溶性化合物と反応し
    うる多官能性反応試薬の溶液で被覆し、さらにその表面
    に一分子中に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物
    の水溶液を被覆して得られることを特徴とする半透性複
    合膜。
  2. 【請求項2】 多官能反応試薬の溶液が水と非混和性の
    溶媒からなることを特徴とする請求項1記載の半透性複
    合膜。
  3. 【請求項3】 水溶性化合物の2個以上の反応性基がア
    ミノ基であることを特徴とする請求項1記載の半透性複
    合膜。
  4. 【請求項4】 多官能性反応試薬が酸ハロゲン化物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の半透性複合膜。
  5. 【請求項5】 微多孔性支持膜上に超薄膜を被覆してな
    る半透性複合膜において、微多孔性膜表面に、一分子中
    に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物の水溶液を
    被覆した後、該微多孔性膜を上記水溶性化合物と反応し
    うる多官能性反応試薬の溶液で被覆し、さらにその表面
    に一分子中に2個以上の反応性基を有する水溶性化合物
    の水溶液を被覆することを特徴とする半透性複合膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 多官能反応試薬の溶液が水と非混和性の
    溶媒からなることを特徴とする請求項2記載の半透性複
    合膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 2回目に被覆する水溶性化合物の水溶液
    の濃度が1回目に被覆する水溶性化合物の水溶液の濃度
    の1/100以上1/10以下であることを特徴とする
    請求項2記載の半透性複合膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 水溶性化合物の2個以上の反応性基がア
    ミノ基であることを特徴とする請求項2記載の半透性複
    合膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 多官能性反応試薬が酸ハロゲン化物であ
    ることを特徴とする請求項2記載の半透性複合膜の製造
    方法。
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