JPH0716940A - 防汚性を有する光学物品 - Google Patents

防汚性を有する光学物品

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JPH0716940A
JPH0716940A JP5152407A JP15240793A JPH0716940A JP H0716940 A JPH0716940 A JP H0716940A JP 5152407 A JP5152407 A JP 5152407A JP 15240793 A JP15240793 A JP 15240793A JP H0716940 A JPH0716940 A JP H0716940A
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JP
Japan
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meth
optical article
fluoroalkyl
monomer
mol
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Application number
JP5152407A
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English (en)
Inventor
Tadayoshi Matsunaga
忠與 松永
Shunji Kono
俊司 河野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長期にわたって防汚性を維持し、反射防止特性
などの光学特性の優れた光学物品を提供する。 【構成】パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートと
アルコキシシラン基を有する単量体との共重合体を二酸
化硅素を主とする光学薄膜上に形成した、プラスチック
性の光学物品で、表面反射特性が3%以下で、水の接触
角が105度以上の表面を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防汚性を有する光学物
品に関し、耐久性に優れた汚れの付着防止性を有する。
特に、プラスチックレンズ、オプチカルフィルター、プ
ラスチックミラーあるいはプラスチックハーフミラーな
どに利用される。
【0002】
【従来の技術】一般に二酸化硅素やフッ化マグネシウム
のような無機薄膜表面は、ガラスと同様に高エネルギー
表面であり、汚れの成分である種々の化合物が付着しや
すい。また、一旦付着した汚れが除きにくいという欠点
も有している。真空蒸着あるいはスパッタリングでSi
OxまたはMgFxを膜付けしたものは、一般に数nm
から十数nmの範囲で、凹凸あるいはポーラスであり、
このことが汚れの除きにくさの原因にもなっている。指
紋などの汚れは、反射防止された物品の上では反射干渉
色が変化するため透明基板に比較し一層目立ち易く、汚
れの付着しにくい表面が嘱望されている。そこで、ガラ
スあるいは二酸化硅素を膜付けした表面の、指紋などの
汚れによる透明性や反射性の低下を防止するために、表
面に撥水・撥油性の塗膜を形成させる方法で改善する試
みがなされている。例えば、特公平2−36921号公
報では、末端シラノールの有機ポリシロキサンを被覆し
た光学物品、また、特公平4−61325号公報におい
ては、有機シラン化合物で基材表面を処理する方法が知
られている。さらに、撥水・撥油性の効果を高めた組成
物として、特開平2−8285で長鎖のフルオロアルキ
ル基を有する(メタ)アクリレートとシリコン含有の重
合性不飽和単量体の共重合体に平均粒子径が5μm以下
の粒状物を含有せしめた塗料組成物、あるいは特開平4
−314771で長鎖のパーフルオロオロアルキル基ま
たはパーフルオロアルキルエーテル基を有する有機シラ
ザン共重合体からなる被膜形成組成物が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特公平2−36921号などに示された技術において
は、その防汚性が不充分であり、さらに耐久性に優れた
防汚性を有する光学物品が望まれている。
【0004】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し
ようとするものであり、優れた防汚性を有する光学物品
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は下記の構成を有する。
【0006】「プラスチック基材上に設けられた、表層
膜の主成分が二酸化硅素あるいはフッ化マグネシウムで
ある単層または多層の反射防止膜の表面に、下記一般式
(1)または(2)で示されるフルオロアルキル(メ
タ)アクリル系単量体および、下記一般式(3)で示さ
れる基を有する、該フルオロアルキル(メタ)アクリル
系単量体と共重合可能な二重結合を有する単量体とを重
合成分として有する共重合体からなる1nm以上、20
nm以下の厚みの被膜を有し、表面反射率が3%以下、
かつ水に対する静止接触角が105度以上であることを
特徴とする光学物品。
【0007】
【化3】 (式中R1 はH,CH3 およびFから選ばれ、aは2か
ら4までの整数、bは3から14までの整数、cは0ま
たは1、dは1または2を表す。d=2−cである。)
【化4】 (式中R1 は、H、CH3 およびFから選ばれ、eは2
から4までの整数、R2はH,メチル基およびエチル基
から選ばれ、fは2または3の整数、g=3−fであ
る。)」 一般式(1)で表される、フルオロアルキル(メタ)ア
クリル系単量体のエステル残基のメチレンの個数(a)
は、エステルの化学安定性の点から2以上が必要であ
る。5以上になると理由は不明であるが、被覆表面を斜
めから見た場合に白濁がかかり使用できない。パーフル
オロメチレンの個数(b)としては3から14個が必要
である。2以下では、撥水・撥油効果は充分ではない。
15以上では、溶剤への溶解性が極端に低下し、実用的
な溶剤が得られないことおよび被覆表面を斜めから見た
場合に白濁がかかることから使用できない。好ましくは
bは10以下である。
【0008】具体的には、2−(パーフルオロブチル)
エチル(メタ)クリレート、2−(パーフルオロペンチ
ル)エチル(メタ)クリレート、2−(パーフルオロペ
ンチル)プロピル(メタ)クリレート、2−(パーフル
オロペンチル)ブチル(メタ)クリレート、2−(パー
フルオロヘキシル)エチル(メタ)クリレート、2−
(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレー
ト、2−(パーフルオロオクチル)ブチル(メタ)アク
リレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)
アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシ
ル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ
−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、
2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル(メ
タ)アクリレートおよびそれらのα−フルオロアクリレ
ート体または2−(パーフルオロブチル)ヒドロキシプ
ロピル(メタ)クリレート、2−(パーフルオロペンチ
ル)ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、2−(パ
ーフルオロヘキシル)ヒドロキシプロピル(メタ)クリ
レート、2−(パーフルオロオクチル)ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシ
ル)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−
(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−
メチルオクチル)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートおよびそれらのα−
フルオロアクリレート体が例示される。これら単独もし
くは複数の組み合わせで使用することができる。フルオ
ロアルキル(メタ)アクリル系単量体成分は満足する防
汚性をだすためには共重合体中で50モル%以上である
ことが好ましい。好ましくは75モル%以上である。膜
の耐久性を出すために、一般式(2)で示される基を有
しかつ重合性の不飽和基を有する単量体が必要である。
具体的にはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニル
メトキシジメチルシラン、γ−(メタ)アクリロイルプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイル
プロピルジメトキシメチルシランなどのシリコン含有単
量体が例示される。
【0009】このシリコン含有単量体は1モル%以上5
0モル%以下で共重合体の構成成分として含まれること
が好ましい。さらに好ましくは5モル%以上、25モル
%以下の範囲である。
【0010】他の共重合成分として、アルキル(メタ)
クリレート類、スチレン誘導体類、も添加することがで
きる。
【0011】フルオロアルキル(メタ)アクリル系単量
体は、ラジカル開始剤の存在下で、溶液重合法、懸濁重
合法、乳化重合法等の一般的な重合法によって製造する
ことができる。重合にあたっては、シリコン含有単量体
はアルコキシ体になっているのが好ましい。Si−OH
の状態で重合を進行せしめた場合には、重合中に重合体
がゲル化を起こし易くなるからである。
【0012】重合体の製造にあたっては、分子量を調節
するために、連鎖移動剤としてメルカプタン類を使用す
ることができる。好ましいメルカプタンとして、アルコ
キシシラン基を有するメルカプタンで、例えばγ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジ
メトキシメチルシラン、γ−メルカプトエチルトリメト
キシシランなどが挙げられる。
【0013】フルオロアルキル(メタ)アクリル系共重
合体の膜厚みは1nm以上20nm以下が必要である。
1nm未満ではSiOxの表面がポーラスあるいは凹凸
のある表面であり、均一に被覆することは困難である。
またヒートサイクル等の熱刺激により、機能の劣化が生
じやすくなり使用することはできない。好ましくは2n
m以上である。20nmを越えると、基板にほどこした
光学機能を著しく損なうため使用することはできない。
さらに、20nmを越える膜厚では、被覆層に擦過きず
が認められるため使用することはできない。好ましくは
10nm以下である。
【0014】次に、塗布方法としてはスピンコート、デ
ィプコート、カーテンフローコート法を使用することが
できる。さらに、印刷法によっても塗布可能である。塗
布後は、常温および加熱乾燥をおこない、また必要に応
じて、シラノールの脱水縮合触媒、あるいは縮合助剤を
使用することができる。例えば、アルミニウムアセチル
アアセトナート、オクチル酸スズ化合物、有機カルボン
酸アルカリ塩類があげられる。
【0015】被膜の塗布状態は、接触角、反射干渉色に
よる間接的測定の他に、透過型電子顕微鏡による断面の
観察や、X線電子分光法(ESCA,XPS)で表面の
元素分析を行うことにより確認できる。X線電子分光法
では、表面近傍を構成する原子の種類、濃度および結合
状態を分析することができる。X線を試料表面にあてる
角度により、10nmまでの深さの化学構造を知ること
ができる。有機物の場合は、90度で約10nmまで6
0度で約5nmまでの深さまで分析できる。
【0016】本発明におけるプラスチック基材とは、有
機高分子からなる光学部品であればとくに限定されな
い。具体例としては、ポリカーボネート、ポリメチルメ
タクリレートおよびその共重合体、ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート重合体およびその共重合体、
(臭素化)ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート
のウレタン変成モノマーの重合体およびその共重合体、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、不飽和
ポリエステル、ABS樹脂、ポリ4−メチルペンテン−
1、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリスルホ
ン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリパラキシリレン、ポリメチルメタ
クイレートのグルタールイミド化物、N置換のマレイミ
ド類を共重合体成分とする重合体、ポリウレタンおよび
エポキシ樹脂などが例示される。これらの表面にハード
コートの被膜を設けたものを基板として用いることもで
きる。これら基板のうえに、真空蒸着法、イオンプレー
ティング法あるいはスパッタリング法などの各種のPV
D法あるいは、溶液コート法で多層膜を被覆することが
できる。
【0017】静止接触角は105度以上あることが必要
である。ポリアルキルシロキサンの接触角は100〜1
05度であり、これでは防汚性が不十分であった。この
理由として、指紋汚れには脂質が含まれており、水の接
触角が105度でも、油分の接触角は60度以下であ
り、十分な撥油性を示さないからである。すなわち、防
汚には、高い撥水性と撥油性が必要であり、少なくとも
水の接触角が105度以上ないと十分な撥油性が発揮さ
れないからである。表面に凹凸を付与することにより、
接触角は高くすることができる。例えば、二酸化硅素、
フッ化マグネシウムの表面を数nmから数十nmで凹凸
をつける事も可能である。また、フルオロアルキル(メ
タ)アクリレート共重合体のコーティング組成物中に数
nmから数十nmの疎水性の微粒子を混合することも可
能である。光の波長レベルの凹凸は、反射干渉色やモワ
レ模様を発現させ、光学物品の機能を著しく低下させ
る。
【0018】反射率は3%以下であることが必要であ
る。反射率が3%を越えると、CRTフィルターの場合
には、画面が光学物品の表面反射のために見えにくくな
るからである。
【0019】また、これらのコーティング膜は低屈折で
あり、基板の上に直接塗布しても高反射防止が可能であ
る。さらに、このコーティング膜と無機薄膜を組み合わ
せ、光学膜厚を設計すれば高機能の光学特性を基材に付
与することが可能である。
【0020】次に、本発明を実施例を用いてより詳細に
説明する。
【0021】
【実施例】
実施例1 (1)プラスチック基板 シリカゾル(135重量部)、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン(129重量部)の加水分解
物、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン(70重量
部)のの加水分解物を主としてなるエタノール溶液をポ
リメチルメタクリレートのキャスト成型板(2mm厚)
の両面に塗布硬化したものを用いた。
【0022】(2)光学薄膜 前記コーティング基板に無機物質のZrO2 /TiO2
/Y2 3 、Ta2 5 /SiO2 を真空蒸着法でこの
順序にそれぞれλ/4(λ=540nm)の膜厚に設定
し、(1)の基板の両面に多層被覆した。全光線透過率
は98.18%であり、反射率は540nmで0.22
%であった。
【0023】(3)フルオロアルキル(メタ)アクリル
系共重合体の調製 下記混合物を調製し 2−(パーフルオロオクチル)エチルメタアクリレート(90モル%) 50g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (10モル% 2.59g アゾビスイソブチロニトリル 0.17g γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 0.41g メチルイソブチルケトン 42g ヘキサフルオロイソプロパノール 10.5g ガラス製のアンプルに入れ、ラジカル重合の定法に従い
凍結脱気操作を3回行なって溶存酸素を除去した。次い
でガラスアンプルを溶封し、75℃で20時間重合を行
った。透明粘調な液が得られた。この反応液を大量のメ
タノールに投入し、沈殿物をロ過により回収し、メタノ
ール次いでn−ヘキサンで洗浄後40℃にて24時間真
空乾燥を行い、コーティング用の共重合体を得た。乾燥
後の重量から求めた重合率は96%であった。
【0024】得られた重合体を、パーフルオロ2−ブチ
ルテトラヒドロフランに重量比で5%となるように溶解
し、1/10規定の塩酸水溶液を微量添加し、液滴が完
全に消失するまで攪拌した。フィルターでロ過した後、
パーフルオロ2−ブチルテトラヒドロフランで0.2重
量%まで希釈しコーティング液とした。
【0025】(4)コーティング (3)で得らたコーティング液を、(2)で得た反射防
止処理板に、20cm/minの速度でディップコート
でコーティングを行った。室温で30分乾燥後70℃の
オーブン中で1時間キュアを行い光学物品を得た。
【0026】(5)特性評価 (反射スペクトルの測定)光学物品の片面をサンドペー
パーでこすり、艶消しの黒色塗料を塗布したのち片面の
反射スペクトルを測定した。540nmで0.78%と
優れた反射特性が得られた。
【0027】(静止接触角)水およびn−ヘキサデカン
の液滴を光学物品表面に乗せ、液滴と表面の接触角(静
止接触角)を測定した。水で119度、ヘキサデカンで
73度の接触角を示した。
【0028】(被膜の元素分析)X線光電子分光法で元
素分析を行った。MgkαをX線源に用い、出力は10
kv(20mA)であった。光電子の検出角度は60
度、および90度について行った。検出角度60度で5
nm,90度で10nmである。検出角度60度の元素
分析値でCを1とした時の、F元素の比は1.13,S
iの比は0.05,酸素の比は0.21であり、検出角
度90度の元素分析値でCを1とした時の、F元素の比
は1.13,Siの比は0.89、酸素の比は1.93
であった。
【0029】(膜厚み)光学物品の厚み方向の超薄切片
を作成に透過型電子顕微鏡にて断面写真をとり、膜厚み
を求めた。反射防止膜上に、3.5nmの均一な膜が確
認できた。
【0030】(耐久性)光学物品表面を人工汗液を染み
込ませた布で500g荷重下で200回擦った後に静止
接触角を測定した。水で115度、ヘキサデカンで72
度を示し優れた耐久性を示した。これらの結果を表1に
示す。
【0031】比較例1 実施例1で得たフルオロアルキル(メタ)アクリル系共
重合体の0.5%溶液を実施例1と同様に、ディップコ
ートした。膜厚みは22nmであった。反射特性は54
0nmで3.2%と大きく、表面の反射干渉色は、緑色
が紫色に変化した。
【0032】X線光電子分光法による、元素分析では9
0度の検出角度で、Cを1とした時の、F元素の比は
1.13,Siの比は0.007,酸素の比は0.17
であった。
【0033】比較例2 実施例1で得たフルオロアルキル(メタ)アクリル系共
重合体の0.05%溶液を実施例1と同様に、ディップ
コートした。断面の電子顕微鏡写真では、微小範囲で膜
のある部分と無い部分が認められ、平均すると1nm以
下であった。接触角は、水で68度、n−ヘキサデカン
で42度であり、満足する特性を示さなかった。
【0034】実施例2 実施例1で、フルオロアルキル(メタ)アクリル系共重
合体の組成を次ぎのように変更した以外は、実施例と同
様に共重合体を作成した。重合率は95%であった。
【0035】 2-(パ−フルオロ−7-メチルオクチル)エチルメタクリレ−ト(75モル%) 50g γ−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(25モル%)6.51g γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 0.40g アゾビスイソブチロニトリル 0.17g メチルイソブチルケトン 42g ヘキサフルオロイソプロパノール 10.5g 得られた共重合体をパーフルオロ2−ブチルテトラヒド
ロフランで0.15%に希釈しコーティング液とし、実
施例1と同様にディップコートを行った。
【0036】表1に示したとおり優れた特性を示した。
【0037】表2にX線光電子分光法で求めた、元素組
成比を示す。
【0038】実施例3 攪拌機、コンデンサー、滴下ロート、温度計および窒素
吹込管を備えた0.5lのガラス製4つ口フラスコに、
重合溶媒としてメチルイソブチルケトン100g、n−
ブタノール5gを仕込み、窒素雰囲気下で30分還流さ
せた。その後、浴温度を90℃に保ち、その中に下記組
成の単量体混合物を攪拌下で3時間かけ滴下した。
【0039】 2−(パ−フルオロオクチル)エチルメタアクリレート(55モル%) 50g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (45モル%) 2.59g アゾビスイソブチロニトリル 1.00g γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン 0.41g 滴下終了後、2時間攪拌を続け、さらにアゾビスイソブ
チロニトリル0.5gを30分おきに6回追加したの
ち、2時間攪拌し重合を終えた。
【0040】重合率は97%であった。重合液を、メチ
ルイソブチルケトンで0.2%に希釈しコーティング液
とし、実施例と同様に、ディプコートし光学物品を作成
した。得られた特性を表1に示すが、優れた特性を示し
た。
【0041】実施例4 2−(パ−フルオロオクチル)エチルメタアクリレート
(45モル%)、n−オクチルメタクリレート(10モ
ル%)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン(45モル%)とした以外は、実施例3と同様に共重
合体を作成した。重合率は98%であった。重合液を、
メチルイソブチルケトンで0.2%に希釈してコーティ
ング液とし、実施例3と同様に、ディップコートし光学
物品を作成した。
【0042】接触角は、水で105度、n−ヘキサデカ
ンで57度を示した。
【0043】実施例5 下記組成にて実施例1と同様に重合体を作成した。
【0044】 2−(パーフルオロオクチル)エチルメタアクリレート 50g アゾビスイソブチロニトリル 0.12g γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン 0.41g パーフルオロ2−ブチルテトラヒドロフラン 50g 精製した重合体の0.2%の溶液を、実施例1と同様に
ディップコートし光学物品を作成した。
【0045】接触角は表1のとおり、耐久性がやや悪か
ったが、優れたものであり実用性のあるものであった。
【0046】比較例3 下記組成にて実施例1と同様に重合体を作成した。
【0047】 2−(パーフルオロプロピル)エチルメタアクリレート(94モル%) 50g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン (6モル%) 2.59g アゾビスイソブチロニトリル 1.00g γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン 0.41g メチルイソブチルケトン 50g 重合率は96%であった。精製共重合体をメチルイソブ
チルケトンで0.3%に希釈し、実施例1と同様に光学
物品を作成した。
【0048】接触角は、水で102度、n−ヘキサデカ
ンで53度であり満足するものでは無かった。
【0049】実施例6 (1)プラスチック基板 イソプロピルマレイミド26.5g,スチレン18.5
g,ジビニルベンゼン5.0g,アゾビスイソブチロニ
トリル0.05gを混合し、ガスケットを介して組み立
てたガラスセル中に密閉し、注型重合法により、厚さ
1.5mmの板を作成した。この板のガラス転移温度は
190℃を示した。γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン160gに0.01規定の塩酸水溶液36.
6gを10℃に保ちつつ攪拌しながら徐々に滴下した。
次にこの溶液にメタノ−ル105.8g,ジメチルホル
ムアミド52.9g,シリコーン界面活性剤0.5を添
加混合し、さらにコロイド状五酸化アンチモンゾル(日
産化学社製、平均粒子径50mμ)83.3g,アルミ
ニウムアセチルアセトネート5.0gを添加し、ハード
コート用のコーティング液とした。先に得られた基板を
80℃の10%NaOH水溶液で3分処理した後、ハ−
ドコート用のコーティング液をディップコートしプラス
チック基板とした。
【0050】(2)光学薄膜 前記コーティング基板に無機物質のY2 3 、Ti
2 、MgF2 をこの順序でそれぞれλ/4,λ/2、
λ/4(λ=521nm)の膜厚みで真空蒸着し、光学
薄膜を作成した。
【0051】反射率は521nmで0.13%を示し、
反射干渉色は紫色であった。
【0052】(3)コーティング用フルオロアルキルメ
タクリレート共重合体の調整は実施例1と同様に行っ
た。
【0053】(4)コーティング (3)で得らたポリマーを実施例1と同様にコーティン
グおよびキュアを行い光学物品を得た。
【0054】結果を表1に示すが、優れた光学特性と防
汚性を示した。表2に表面の元素分析値を示した。
【0055】
【表1】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。
【0057】(1)指紋、水垢などの汚れが付着しにく
く、かつ付着しても洗浄あるいは払拭することが容易で
ある。
【0058】(2)反射防止効果など優れた光学特性を
有する光学物品が得られる。
【0059】(3)防汚特性の耐久性に優れる。
【0060】(4)実用上問題のない表面硬度を有し、
擦過きずができにくい。
【0061】(5)極寒地においても、凍り、雪が付着
しない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック基材上に設けられた、表層膜
    の主成分が二酸化硅素あるいはフッ化マグネシウムであ
    る単層または多層の反射防止膜の表面に、下記一般式
    (1)または(2)で示されるフルオロアルキル(メ
    タ)アクリル系単量体および、下記一般式(3)で示さ
    れる基を有する、該フルオロアルキル(メタ)アクリル
    系単量体と共重合可能な二重結合を有する単量体とを重
    合成分として有する共重合体からなる1nm以上、20
    nm以下の厚みの被膜を有し、表面反射率が3%以下、
    かつ水に対する静止接触角が105度以上であることを
    特徴とする光学物品。 【化1】 (式中R1 はH,CH3 およびFから選ばれ、aは2か
    ら4までの整数、bは3から14までの整数、cは0ま
    たは1、dは1または2を表す。d=2−cである。) 【化2】 (式中R1 は、H、CH3 およびFから選ばれ、eは2
    から4までの整数、R2はH,メチル基およびエチル基
    から選ばれ、fは2または3の整数、g=3−fであ
    る。)
  2. 【請求項2】該共重合体において、該フルオロアルキル
    (メタ)アクリル系単量体が50モル%〜99モル%、
    該フルオロアルキル(メタ)アクリル系単量体と共重合
    可能な二重結合を有する単量体が1モル%〜50モル%
    含有されることを特徴とする請求項1記載の光学物品。
  3. 【請求項3】該一般式(3)で表わされる基を有する、
    フルオロアルキル(メタ)アクリル系単量体と共重合可
    能な二重結合を有する単量体が(メタ)アクリロイルで
    あることを特徴とする請求項1記載の光学物品。
  4. 【請求項4】請求項1および2に記載の共重合体は、下
    記一般式(3)で示される化合物が単量体に対し0.5
    から10重量%の範囲で添加された系で重合されたこと
    を特徴とする光学物品およびその製造方法
  5. 【請求項5】光学物品の表面をX線光電子分光法で測定
    し、表面からの光電子脱出角度が90度のときの分析値
    で、炭素数を1としたときの原子割合が、フッ素が0.
    65から2.5の範囲、酸素原子が0.01から8.5
    の範囲、硅素原子が0から4.3の範囲になり、表面か
    らの光電子脱出角度が60度のときの分析値で炭素数を
    1としたときの原子割合が、フッ素が0.65から2.
    8の範囲、酸素原子が0.01から4.3の範囲、硅素
    原子が0から2.2の範囲であることを特徴とする請求
    項1記載の光学物品。
  6. 【請求項6】光学物品がオプチカルフィルターであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学物品。
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