JP3470365B2 - 画像記録物品 - Google Patents

画像記録物品

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JP3470365B2
JP3470365B2 JP30543993A JP30543993A JP3470365B2 JP 3470365 B2 JP3470365 B2 JP 3470365B2 JP 30543993 A JP30543993 A JP 30543993A JP 30543993 A JP30543993 A JP 30543993A JP 3470365 B2 JP3470365 B2 JP 3470365B2
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被写体を通して照射さ
れた電磁波を感受することにより、直接可視画像を記録
することができる画像記録品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被写体を通して照射された電磁波
を感受することにより、直接可視画像を記録する際に
は、銀塩フィルムを湿式現像してから、ようやく可視画
像として観察していた。すなわち、撮影後すぐには可視
画像が得られなかった。
【0003】それに対し、特開平2−5403号公報、
特開平2−293745号公報には、フォトクロミック
性被膜を表面に有する画像記録物品が示され、従来の被
照射面上の光量分布を受光素子で直接測定して電気信号
に変換するのに変えて、電磁波を照射することにより、
画像を直接観察することが可能な画像記録に関する技術
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フォトクロミック層と
しては、スピロピラン等のフォトクロミック性を有する
化合物をポリメチルメタクリレート等の樹脂中に分散さ
せたものが一般的であるが、これらの樹脂は非常に軟ら
かいため、取扱う際の不注意によりフォトクロミック層
表面に傷が付きやすかった。また、表面に汚れが付着し
た際にも傷が付きやすいため表面を拭き取ることができ
ず、その結果使用回数が増加するにつれてコントラスト
が低下するという問題があった。
【0005】本発明は、かかる従来技術の問題を解決し
ようとするものであり、表面硬度が高く、清拭特性の優
れた画像記録物品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために下記の構成を有する。
【0007】「可視光線反射率が30%以上の基材上
に、有機フォトクロミック化合物を含有する高分子層、
一酸化珪素、二酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化アル
ミニウム、酸化イットリウム、酸化セリウムおよび酸化
ハフニウムから選ばれた無機系酸化物からなる透明保護
層をこの順序で有する画像記録物品であって該基材がシ
リコンウエハであり、該透明保護層の膜厚が0.1μm
以上、0.8μm以下であり、該有機フォトクロミック
化合物がスピロピラン系化合物であることを特徴とする
画像記録物品。」本発明において、基材としては、有機
および無機のいずれの材料も使用可能であるが、着色部
と非着色部のコントラストが大きくなるという点で可視
光線反射率が30%以上である場合に効果的である。
【0008】有機材料としてはポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリエステル、塩化ビニル、ナ
イロン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート、ポリイミド、ポリ
フェニレンスルフィド、エポキシ、ウレタン等の各樹脂
が挙げられる。一方、基材の平面性および熱安定性の点
からは無機材料が好ましく、ソーダ石灰ガラス、石英ガ
ラス、アルミノケイ酸塩ガラス、高ケイ酸ガラス、ホウ
ケイ酸ガラス等のガラス基材およびシリコン等の無機結
晶板等が好ましく使用される。中でも高純度で、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属等のイオンを含まず、しかも
コントラスト向上に必要な高反射率を有するという点で
シリコンウエハがより好ましく、TTV(Total
Thickness Variation)、LTV
(Local ThicknessVariatio
n)等によって示される基材の平面度に優れる、高精度
加工シリコンウエハが最も好ましい。
【0009】また、基材表面にAl等の金属を主成分と
する反射膜や、無機薄膜、ハードコート等が設けられて
いても、好ましく使用することができる。
【0010】本発明は、基材上に有機フォトクロミック
化合物を含有する高分子層(以下、フォトクロミック
層)を設けてなるものである。
【0011】フォトクロミック化合物としては、特に限
定されるものではなく、スピロピラン系化合物、スピロ
オキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、アゾ
系化合物、フルギド系化合物、トリアリールメタン系化
合物、サリチリデンアニリン系化合物、ジチゾン水銀系
化合物等が挙げられる。中でも、コントラスト、記録保
存性等に優れるスピロピラン化合物が好ましく使用され
る。
【0012】本発明において、フォトクロミック層とし
ては、ポリマ中に分散させたもの、あるいは、フォトク
ロミック化合物を共有結合によってポリマ中に含有させ
たもの等を使用することができる。
【0013】ポリマ中に分散させる場合は、簡便にフォ
トクロミック層を製造することができる点から有用であ
る。この場合のフォトクロミック化合物を分散させるた
めに使用可能なポリマとしては、アクリル系樹脂、スチ
レン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、セル
ロース誘導体等が挙げられる。中でも、透明性、汎用性
に優れるポリメチルメタクリレートが好ましく使用され
る。なお、使用可能なポリマはこれらに限定されるもの
ではない。これらのポリマは単独で使用しても、2種以
上を混合して使用してもよい。
【0014】フォトクロミック化合物はポリマ中に通常
0.1〜25wt%分散させることが好ましい。0.1
wt%未満の場合はコントラストが低く、また、25w
t%を越える場合にはフォトクロミック化合物が樹脂中
にうまく分散しないため好ましくない。5〜20wt%
の範囲が両者のバランスの点でより好ましい。
【0015】本発明において、フォトクロミック層は塗
布することにより好ましく設けられる。塗布する際に使
用されるフォトクロミック化合物の溶媒としては、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルア
ルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の
グリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸アミル、乳酸エチル、安息香酸メチル等のエステル
系溶剤、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマ
ルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロへキサ
ン、エチルシクロへキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素系溶剤、石油系溶剤等各種のものが使
用可能であり、これらは単独あるいは混合して使用する
ことができる。
【0016】なお、本発明にかかるフォトクロミック層
においては、耐光性および着色濃度の向上を目的とし、
該フォトクロミック層の塗布に用いるポリマ溶液中に光
安定剤および増感剤等が添加されていても良い。
【0017】また、かかる溶液中の固形分濃度は、適用
する塗布方法、塗布条件等により異なるが、5〜45w
t%の範囲が好ましい。
【0018】フォトクロミック層を形成するために使用
されるフォトクロミック溶液中に含まれるNa、K、F
e、Ca含有量は、クリーンルーム染色防止の点で1.
0ppm以下であることが好ましい。さらに好ましく
は、0.1ppm以下であるフォトクロミック層を形成
するために使用されるフォトクロミック溶液中に含まれ
る0.5μm以上のパーティクルは100個/ml以下
であることが好ましい。100個を越える場合は、フォ
トクロミック層を形成する際のコーティングのムラや、
表面欠陥の原因になるため好ましくない。50個/ml
以下であることさらに好ましい。
【0019】フォトクロミック溶液の塗布は、通常行わ
れている浸漬法、噴霧法、ローラーコート法、フローコ
ート法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等いずれ
の方法によっても可能であるが、薄い塗布膜を精度良く
得るという観点からスピンコート法が好ましい。
【0020】かかるフォトクロミック層の膜厚は、使用
されるフォトクロミック化合物の種類および照射装置の
特性等によって決定されるべきものであるが、通常は
0.2〜10μmの範囲で好ましく使用される。とく
に、コントラストや機械操作性の点から0.5〜5μm
であることが好ましい。
【0021】本発明においては、表面硬度の向上を目的
としてフォトクロミック層の表面に無機系酸化物からな
る透明保護層を設けることが必要である。
【0022】本発明における無機系酸化物としては、
酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ア
ルミニウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、
酸化セリウム、酸化ハフニウムから選ばれた無機系酸化
が挙げられる。中でも、硬度に優れる点で二酸化ケイ
素が好ましい。
【0023】本発明において、透明保護層の形成方法と
しては特に限定されるものではないが、被覆面との接着
強度、膜密度向上の点から真空雰囲気下での形成手段が
好ましく使用される。具体例としては、真空蒸着法、イ
オンビームアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、
スパッタリング法等が挙げられる。
【0024】本発明における透明保護層の膜厚は0.1
〜0.8μmであることが好ましい。0.1μm未満の
場合には表面硬度が低く、また、0.8μmを越える場
合には透明保護層中で露光光の屈折が起こり、正確な画
像記録が行えない傾向がある。
【0025】本発明において、画像記録物品への画像記
録は、フォトクロミック層の着色を引き起こすことがで
きる波長の電磁波を照射することによって行われる。一
般的には、450nm以下の波長の電磁波を使用すること
が好ましい。そのような電磁波としては、γ線、X線、
紫外線および可視光が挙げられるが、フォトクロミック
層の着色性および耐久性のバランスに優れている点で、
紫外線および可視光が最も好ましい。さらに好ましく
は、g線、i線、およびエキシマレーザー光である。加
増記録のためには所望のパターンを有するフォトマスク
を使用してよい。露光量は使用されるフォトクロミック
化合物の種類、膜厚や照射装置の特性等によって決定さ
れるべきものであるが、通常は50〜100mJ/cm2
の範囲であることが好ましい。露光量がこの範囲より少
ない場合は、フォトクロミック層の着色が小さくなり、
また、露光量がこの範囲より多い場合は、フォトクロミ
ック層の耐久性に及ぼす悪影響が大きくなる傾向があ
る。
【0026】コントラストは、画像検出に使用される6
30±50nmの波長域において、10%以上であること
が好ましい。10%未満の場合には、画像検出が困難と
なる場合がある。
【0027】なお、本発明においてコントラストとは、
630±50nmの波長域内の適当波長における着色前後
の反射率の差として定義する。反射率の測定は一般の可
視分光光度計などにより可能である。
【0028】また、本発明においては、画像記録物品表
面への汚れ付着防止、および汚れの拭き取り性能の向上
の目的で、画像記録物品上に、水およびヘキサデカンに
対する静止接触角がそれぞれ90度以上、25度以上で
ある有機コート層を設けることが好ましい。
【0029】有機コート層としては、下記一般式(1)
または(2)で示されるフルオロアルキル(メタ)アク
リル系単量体および、下記一般式(3)で示される基を
有する、該フルオロアルキル(メタ)アクリル系単量体
と共重合可能な二重結合を有する単量体とを重合成分と
して有する共重合体、または下記一般式(4)で示され
るシロキサン単位を有する、ポリシロキサンを主成分と
してなるコーティング組成物を使用することが好まし
い。
【0030】
【化5】 (式中R1 はH、CH3 およびFから選ばれ、aは2〜
4までの整数、bは3〜14までの整数、cは0または
1、d=2−cである。)
【化6】 (R2 はH、メチル基およびエチル基から選ばれ、eは
2〜4までの整数、fは2または3の整数、g=3−f
である。)
【化7】 (ここでXは
【化8】 であり、R1 はH、CH3 およびFから選ばれ、aは2
〜4までの整数、bは3〜14までの整数、cは0また
は1、d=2−cである。R2 はメチル基、エチル基、
フルオロアルキル基およびXから選ばれる。)一般式
(1)で表される、フルオロアルキル(メタ)アクリル
系単量体のエステル残基のメチレンの個数(a)は、エ
ステルの化学安定性の点から2個以上が必要である。5
個以上になると理由は不明であるが、被覆表面を斜めか
ら見たばあいに白濁がかかり使用できない。パーフルオ
ロメチレンの個数(b)としては3〜14個が必要であ
る。2個以下では、撥水、撥油効果は充分ではない。1
5個以上では、溶剤への溶解性が極端に低下し、実用的
な溶剤が得られないことおよび、被覆表面を斜めから見
た場合に白濁がかかることから使用できない。好ましく
はbは10以下である。具体例としては、2−(パーフ
ルオロブチル)エチル(メタ)クリレート、2−(パー
フルオロペンチル)エチル(メタ)クリレート、2−
(パーフルオロペンチル)プロピル(メタ)クリレー
ト、2−(パーフルオロペンチル)ブチル(メタ)クリ
レート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)
クリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メ
タ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)
エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5
−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−
(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)
アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシ
ル)エチル(メタ)アクリレートおよびそれらのα−フ
ルオロアクリレート体、または、2−(パーフルオロブ
チル)ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、2−
(パーフルオロペンチル)ヒドロキシプロピル(メタ)
クリレート、2−(パーフルオロヘキシル)ヒドロキシ
プロピル(メタ)クリレート、2−(パーフルオロオク
チル)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−
(パーフルオロデシル)ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシ
ル)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−
(パーフルオロ−7−メチルオクチル)ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−
メチルデシル)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トおよびそれらのα−フルオロアクリレート体が挙げら
れる。これらは単独でも複数の組み合わせでも使用する
ことができる。フルオロアルキル(メタ)アクリル系単
量体成分は満足する防汚性を出すためには共重合体中で
50モル%以上であることが好ましい。より好ましくは
75モル%以上である。
【0031】膜の耐久性を出すためには、一般式(2)
で示される基を有しかつ重合性の不飽和基を有する単量
体が必要である。具体例としては、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシ
メチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、γ−
(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルプロピルジメトキシメチルシラ
ン等のシリコン含有単量体が挙げられる。
【0032】このシリコン含有単量体は共重合体の構成
成分として、1モル%以上50モル%以下含まれること
が好ましい。さらに好ましくは5モル%以上25モル%
以下の範囲である。
【0033】他の共重合成分として、アルキル(メタ)
クリレート類、スチレン誘導体類も添加することができ
る。
【0034】フルオロアルキル(メタ)アクリル系単量
体は、ラジカル開始剤下で溶液重合法、懸濁重合法、乳
化重合法等の公知の重合法により製造することができ
る。重合にあたっては、シリコン含有単量体はアルコキ
シ体になっていることが好ましい。Si−OHの状態で
重合を進行せしめた場合には、重合中に重合体がゲル化
を起こしやすくなるため好ましくない。
【0035】重合体の製造にあたっては、分子量の調節
のために連鎖移動剤としてメルカプタン類を使用するこ
とができる。好ましいメルカプタンはアルコキシシラン
基を有するメルカプタンで、具体例としてγ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメト
キシメチルシラン、γ−メルカプトエチルトリメトキシ
シラン等が挙げられる。
【0036】一般式(4)で表される、フルオロアルキ
ルアシル基含有のポリシロキサンのエステル残基のメチ
レンの個数(a)は、エステルの化学安定性の点から2
個以上が好ましい。5個以上になると理由は不明である
が、被覆表面を斜めから見たばあいに白濁がかかり使用
できない。パーフルオロメチレンの個数(b)としては
3〜14個が必要である。2個以下では、撥水、撥油効
果は充分ではない。15個以上では、溶剤への溶解性が
極端に低下し、実用的な溶剤が得られないことおよび、
被覆表面を斜めから見た場合に白濁がかかることから使
用できない。好ましくはbは10以下である。
【0037】一般式(4)で表される化合物は、パーフ
ルオロ(メタ)アクリレートあるいはパーフルオロ−α
−フルオロアクリレートとSiH基の付加反応により合
成することができる。
【0038】具体的なパーフルオロ(メタ)アクリレー
トあるいはパーフルオロ−α−フルオロアクリレートと
しては次のものが挙げられる。2−(パーフルオロブチ
ル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ
ペンチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフ
ルオロペンチル)プロピル(メタ)アクリレート、2−
(パーフルオロペンチル)ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)クリ
レート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)
アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)ブチル
(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エ
チル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−
メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−
(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)
アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシ
ル)エチル(メタ)アクリレートおよびそれらのα−フ
ルオロアクリレート体などである。
【0039】シラン化合物としてはジクロロアルキルシ
ラン、ジアルコキシアルキルシランあるいはジクロロシ
ラン、ジアルコキシシラン等が使用でき、ハイドロシレ
ーションによって、単量体を合成し、続いて、公知の方
法でポリシロキサンに重合せしめることによってポリシ
ロキサンを得ることができる。あるいは、SiH基を含
むポリオルガノシロキサンに触媒の存在下で前記のアク
リレート類を付加させてもよい。
【0040】一般式(4)の化合物以外に、Si(O
R)n R´3-n (ここでR、R´はメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基、n=
1〜3である)基を有するシロキサン単位を含んでも良
い。具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラ
ン、ビニルメトキシジメチルシラン、γ−(メタ)アク
リロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロイルプロピルジメトキシメチルシラン等のシリコ
ン含有単量体とヒドロシラン化合物との付加反応で得ら
れる化合物を、前記のパーフルオロ基含有のシラン化合
物と共重合することによって得ることができる。このシ
リコン含有単量体は、0.5モル%以上10モル%以下
で共重合されていることが好ましい。
【0041】また必要に応じて、シラノールの脱水縮合
触媒、あるいは縮合助剤を使用することができる。例え
ば、アルミニウムアセチルアセトナート、オクチル酸ス
ズ化合物、有機カルボン酸アルカリ塩類が挙げられる。
【0042】有機コート層の塗布方法としては、通常行
われている浸漬法、噴霧法、ローラーコート法、フロー
コート法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等いず
れの方法によっても可能であるが、薄い塗布膜を精度良
く得るという観点からスピンコート法が好ましい。
【0043】本発明における有機コート層の膜厚は10
0nm以下であることが好ましい。100nmを越える
場合には、膜の強度の点で問題があり好ましくない。5
0nm以下であることがより好ましく、10nm以下で
あることが最も好ましい。
【0044】本発明の画像記録物品は、表面硬度が高
く、清拭特性に優れた画像記録物品として好ましく使用
される。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】なお、実施例における評価方法は以下の通
りである。
【0047】コントラストは、(株)日立製作所製分光
光度計U−3410により、検出波長633nmにより
測定した。着色はi線(365nm)を露光量70mJ
/cm2 で露光することにより行った。着色前の反射率
と着色後の反射率の差をコントラストとした。
【0048】表面硬度は、画像記録物品表面を旭化成工
業(株)製ハイゼガーゼ4により、1.5kg荷重で5
往復擦り、傷の付きにくさを最高A〜最低Eの5段階で
評価した。
【0049】防汚性は、協和界面科学(株)製接触角計
CA−Dにより、水、およびヘキサデカンの静止接触角
を測定し、防汚性の評価とした。
【0050】実施例1 (1)フォトクロミック溶液の調製 乳酸エチル45.0g、安息香酸メチル37.0gから
なる混合溶媒中にポリメチルメタクリレート15.0g
を加え、80℃で溶解するまで撹拌した。溶液を室温ま
で冷却後、1,3,3−トリメチルインドリノ−6−ニ
トロベンゾピリロスピラン3.0gを加え、室温で溶解
するまで撹拌した。溶液をアドバンテック東洋(株)製
0.2μmポリテトラフルオロエチレンフィルターによ
り濾過してフォトクロミック溶液を調製した。
【0051】(2)フォトクロミック層の形成 フォトクロミック溶液を大日本スクリーン製造(株)製
スピンコーターSKW−636を使用し、シリコンウエ
ハ上に回転数4000rpmの条件でコーティングした
後、100℃で3分間プリベークを行い、フォトクロミ
ック層を形成した。
【0052】(3)透明保護層の形成 フォトクロミック層の表面に、下記条件により二酸化ケ
イ素を真空蒸着した。 蒸着条件 基材温度 :50℃ 到達真空度:1.0×10-5Torr 中心波長 :550nm 設定膜厚 :λ/2 (4)評価 評価結果を表1に示した。透明保護層の形成により、コ
ントラストの低下は見られなかった。また、表面硬度が
高く、汚れの拭き取りにより傷が付かなかった。
【0053】実施例2 (1)フォトクロミック溶液の調製 実施例1と同様にして、フォトクロミック溶液を調製し
た。
【0054】(2)有機コート溶液の調製 ジクロロメチルシラン11.5g(52モル%)、溶媒
としてジエチルエーテル50g、触媒として塩化白金酸
50mgを、コンデンサー付きの300mlフラスコに
入れ、ジエチルエーテルが還流するように穏やかに加熱
攪拌しながら、2−(パーフルオロオクチル)エチルメ
タアクリレート50g(48モル%)を1時間かけて滴
下した。その後4時間穏やかに加熱攪拌を続け反応を終
えた。
【0055】続いて、メチルイソブチルケトンを50g
加えた後、大量の水を瞬時に加えた。白色の餅状のポリ
マが水/メチルイソブチルケトンの界面に生成した。油
層を分離した後、ロータリーエバポレーターにより加熱
濃縮し、油状の濃縮物を得た。この濃縮物と先に得られ
た餅状のポリマとを合わせ、トリクロロトリフルオロエ
タンに溶解し、大量のメタノールに投入後、得られたポ
リマを回収した。真空乾燥によりフレーク状の固体が得
られた。収率は63%であった。
【0056】ポリマをパーフルオロ(2−ブチルテトラ
ヒドロフラン)に固形分濃度0.4重量%となるように
溶解し、1/100重量部のトリクロロメチルシランを
加え、有機コート溶液を調製した。
【0057】(3)フォトクロミック層の形成 実施例1と同様にして、フォトクロミック層を形成し
た。
【0058】(4)透明保護層の形成 実施例1と同様にして、フォトクロミック層の表面に透
明保護層を形成した。 (5)有機コート層の形成 透明保護層の上層に、有機コート溶液を大日本スクリー
ン製造(株)製スピンコーターSKW−636を使用
し、フォトクロミック層上に回転数4000rpmの条
件でコーティングした後、室温で30分乾燥後、70℃
のオーブン中で1時間キュアを行い、有機コート層を形
成した。
【0059】(6)評価 評価結果を表1に示した。透明保護層、有機コート層の
形成によりコントラストの低下は見られなかった。ま
た、表面硬度が高く、拭き取りにより傷が付かなかっ
た。さらに、水およびヘキサデカンの静止接触角が高
く、表面の防汚性、汚れの拭き取りやすさに優れてい
た。
【0060】実施例3 (1)フォトクロミック溶液の調製 実施例1と同様にして、フォトクロミック溶液を調製し
た。
【0061】(2)有機コート溶液の調製 2−(パーフルオロオクチル)エチルメタアクリレート
50.0g(90モル%)、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン2.59g(10モル%)、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.41g、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.17g、メチルイソブチ
ルケトン42.0g、ヘキサフルオロイソプロパノール
10.5gをガラス製アンプルに入れ、ラジカル重合の
定法に従い凍結脱気操作を3回行って溶存酸素を除去し
た。次いでアンプルを溶封し、75℃で20時間重合を
行った。透明粘調な液が得られた。この反応液を大量の
メタノールに投入し、沈殿物を濾過により回収し、メタ
ノール、ノルマルヘキサンで洗浄後40℃で24時間真
空乾燥を行い共重合体を得た。乾燥後の重量から求めた
重合率は96%であった。
【0062】得られた重合体を、パーフルオロ−2−ブ
チルテトラヒドロフランに重量比で5%になるように溶
解した後、1/10N塩酸水溶液を微量添加し、液滴が
完全に消失するまで撹拌した。フィルターで濾過した
後、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフランで
0.2重量%まで希釈し、有機コート溶液とした。
【0063】(3)フォトクロミック層の形成 実施例1と同様にして、フォトクロミック溶液をコーテ
ィングした。
【0064】(4)透明保護層の形成 実施例1と同様にして、透明保護層を形成した。
【0065】(5)有機コート層の形成 (2)の有機コート溶液を使用した以外は、実施例2と
同様にして、有機コート層を形成した。
【0066】(6)評価 評価結果を表1に示した。透明保護層、有機コート層の
形成によりコントラストの低下は見られなかった。ま
た、表面硬度が高く、拭き取りにより傷が付かなかっ
た。さらに、水およびヘキサデカンの静止接触角が高
く、表面の防汚性、汚れの拭き取りやすさに優れてい
た。
【0067】比較例1 (1)フォトクロミック溶液の調製 実施例1と同様にして、フォトクロミック溶液を調製し
た。
【0068】(2)フォトクロミック層の形成 実施例1と同様にして、フォトクロミック溶液をコーテ
ィングした。
【0069】(3)評価 評価結果を表1に示した。表面硬度が低く、拭き取りに
より傷が付いた。
【0070】実施例4(1)フォトクロミック溶液の調
製実施例1と同様にして、フォトクロミック溶液を調製
した。
【0071】(2)フォトクロミック層の形成 実施例1と同様にして、フォトクロミック層を形成し
た。
【0072】(3)透明保護層の形成 設定膜厚を2λにした以外は実施例1と同様にして、フ
ォトクロミック層の表面に透明保護層を形成した。
【0073】(4)評価評価結果を表1に示した。透明
保護層、有機コート層の形成によりコントラストの低下
が見られた、表面硬度が高く、拭き取りにより傷が付
かなかった
【0074】実施例5(1)フォトクロミック溶液の調
製実施例1と同様にして、フォトクロミック溶液を調製
した。
【0075】(2)有機コート溶液の調製 有機コート溶液の固形分を5重量%にした以外は実施例
3と同様にして、有機コート溶液を調製した。
【0076】(3)フォトクロミック層の形成 実施例1と同様にして、フォトクロミック層を形成し
た。
【0077】(4)透明保護層の形成 実施例1と同様にして、フォトクロミック層の表面に透
明保護層を形成した。 (5)有機コート層の形成 (2)の有機コート溶液を使用した以外は、実施例2と
同様にして、有機コート層を形成した。
【0078】(6)評価評価結果を表1に示した。透明
保護層、有機コート層の形成によりコントラストの低下
が見られたが、透明保護層の表面硬度は高く、拭き取り
によりフォトクロ層には傷が付かなかった
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明の画像記録物品は、露光した部分
のコントラストが充分高いため視認することはもちろ
ん、露光光と異なった波長で反射率を測定することによ
り、露光部のパターンが自動測定できる。また、表面硬
度が高いため、表面が汚れた際に傷を付ける事なく拭き
取ることができるという、優れた清拭特性を示す。さら
に、透明保護層上に有機コートを設けた場合には、汚れ
自体が付きにくいという、優れた防汚性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 7/24 516 G11B 7/24 516 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/685 G03C 1/76 351 G03C 1/76 501 G03C 1/77 G03C 5/08 351

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可視光線反射率が30%以上の基材上に、
    有機フォトクロミック化合物を含有する高分子層、一酸
    化珪素、二酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニ
    ウム、酸化イットリウム、酸化セリウムおよび酸化ハフ
    ニウムから選ばれた無機系酸化物からなる透明保護層を
    この順序で有する画像記録物品であって該基材がシリコ
    ンウエハであり、該透明保護層の膜厚が0.1μm以
    上、0.8μm以下であり、該有機フォトクロミック化
    合物がスピロピラン系化合物であることを特徴とする画
    像記録物品。
  2. 【請求項2】請求項1において、i線(365nm) を露
    光量50〜100mJ/cm2 で露光したときに、630±
    50nmの波長域におけるコントラストが10%以上であ
    ることを特徴とする画像記録物品。
  3. 【請求項3】シリコンウエハが略円形である請求項1ま
    たは2記載の画像記録物品。
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