JPH0335236A - フォトクロミック性を有する物品 - Google Patents

フォトクロミック性を有する物品

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JPH0335236A
JPH0335236A JP1170476A JP17047689A JPH0335236A JP H0335236 A JPH0335236 A JP H0335236A JP 1170476 A JP1170476 A JP 1170476A JP 17047689 A JP17047689 A JP 17047689A JP H0335236 A JPH0335236 A JP H0335236A
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JP
Japan
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coating
film
group
water
photochromic
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Application number
JP1170476A
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English (en)
Inventor
Naoki Shimoyama
直樹 下山
Kazunori Ohashi
大橋 和則
Takashi Taniguchi
孝 谷口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH0335236A publication Critical patent/JPH0335236A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、多くの機能を付与したフォトクロミック物品
に関し、特に光学用レンズに適する。
[従来技術] フォトクロミック化合物を使用して光学物品とする試み
は、すでにいくつか提案されている。
例えば、特開昭58−34437号公報には、有機フォ
トクロミック物質を含有するプラスチック基材の表面に
、5iO1Si02.^1203および1r02などの
無機酸化物透明薄膜を蒸着する方法が開示されている。
また、特開昭64−30744号公報には、基体上にス
ピロオキサジンを含有する被膜を設け、その層上にハー
ドコート性を有する三次元架橋高分子被膜を設け、さら
に無機物からなる反射防止被膜を設ける方法が開示され
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特開昭58−34437号公報に開示の
技術は、基材上に無機酸化物透明薄膜を設ける際に、プ
ラスチック基材に直接蒸着するため加熱によって被膜に
亀裂が発生するなど実用上の耐久性に乏しいという問題
点があった。
また、特開昭64−30744号公報に開示の技術は、
優れた表面硬度、耐久性の良好なフォトクロミック性を
有しているが、はこりが付着しやすくまた雨滴が付着し
た際本焼けしてしまうという問題点があった。
本発明は、かかる従来技術の欠点を解消しようとするも
のであり、帯電防止、反射防止、撥水機能を有するフォ
トクロミック性物品を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有す
る。
「プラスチック基体上に、下記A、  B、  C,D
がこの順に積層されていることを特徴とするフォトクロ
ミック性を有する物品。
A、フォトクロミック化合物を含有する有機高分子を主
成分としてなる被膜。
B、ハードコート性を有する被膜。
C,2層以上の帯電防止性を有する反射防止被膜。
D、撥水性を有する有機物被膜。」 本発明におけるプラスチック基体としては、アクリル樹
脂、ポリカーボネート、ポリエステル、セルロース誘導
体樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
ポリマー (ハロゲン化)ビスフェノールAのジ(メタ
)アクリレートポリマーおよびその共重合体、(ハロゲ
ン化)ビスフェノールAのウレタン変性ジ(メタ)アク
リレートポリマーおよびその共重合体、ポリスチレンお
よびその共重合体などの成形物、例えば、レンズ、シー
ト、フィルムなどが挙げられる。また、染料、顔料など
で着色されたものであってもよく、さらに特殊な紫外線
吸収剤の添加、さらには螢光染料の添加によりコントラ
ストの向上、ファツション性の向上をさせることも可能
である。
本発明は、前記の基体上にまず第1層目としてフォトク
ロミック化合物を含有する有機高分子被膜Aを設けるも
のであり、フォトクロミック性を有する化合物としては
、スピロオキサジン、スピロピラン、アゾ化合物、フル
ギド化合物、トリアリルメタン化合物、サリチリデンア
ニリン化合物、ジチゾン水銀化合物などが挙げられる。
中でも、発消色性、繰り返し発消色性、耐光性などの観
点からスピロオキサジン化合物が好ましく使用される。
スピロオキサジン化合物としては、例えば下記一般式(
I)で示される化合物が挙げられる。
(ただし、XはC−R7または窒素であり R7は水素
、cI〜C8のアルキル基、アルコキシ基、およびハロ
ゲンから選ばれる。R1は01〜C6のアルキル基およ
びC7〜C20の置換または非置換アラルキル基からな
る群から選ばれる。R2およびR3は、各々が、水素、
C1〜C5のアルキル基、フェニル基、モノ−およびジ
ー置換フェニル基、ベンジル基からなる群から選ばれる
か、あるいは、R2とR3とが結合して6〜8個の炭素
原子(スピロ炭素原子を含む)を含む脂環式環、ノルボ
ニル基、アダマンチル基から選ばれる環式環から選ばれ
る。R4、R5およびR6は、各々がCI〜C5のアル
キル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基
、ヒドロキシ基、CI〜C5のハロゲン化アルキル基、
アルコキシカルボニル基、アミノ基から選ばれる。lは
0〜4の、mは0〜2の、nは0〜3の整数である、。
)ここで、R4、R5およびR6は、それぞれ、1、m
、nが2以上の場合、同種であっても異種であってもよ
い。
前記一般式(I)で表わされるスピロオキサジン化合物
として、例えば、公知のスピロ(インドリン)オキサジ
ン化合物、またはスピロ(インドリン)ピリドオキサジ
ン化合物などがある(特公昭45−28892号公報、
特開昭55−36284号公報、特開昭60−5358
6号公報、特開昭60−112880号公報、特開昭6
1−233079号公報、DEP 33456259号
公報)。
これらのフォトクロミック化合物は1種のみならず、2
種以上を併用して発色種の吸収波長をブロード化、混合
色化、さらには見掛けの耐久性向上などを行うことが可
能である。
とくに耐光性の観点から、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル基、アルコキシ基を有するスピロオキサジン化合物が
好ましく、さらに好ましくは、水素、メチル基またはメ
トキシ基を有するものが好ましい。
これらのフォトクロミック化合物は、有機高分子マトリ
ックス中に分散させて使用されるかあるいは、フォトク
ロミック化合物に重合性官能基を導入し、共重合可能な
モノマ、例えばアクリルモノマと共重合して使用される
。重合性官能基としてはアクリル基、アリル基、ビニル
基などが挙げられ、重合性官能基を有するフォトクロミ
ック化合物としては、例えば、時開、昭63−9378
8号公報、特開昭63−199279号公報、特開昭6
3−250380号公報などに開示されている。
有機高分子としては、フォトクロミック化合物と相溶性
が良好であればと(に限定されない。使用可能な有機高
分子の具体例としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポ
リカーボネート、ポリスチレン樹脂、セルロース類、た
とえば酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど
、さらにはポリビニルアルコール、尿素樹脂、ナイロン
樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂はそれぞれ
2種以上を併用することもできるし、各種硬化剤、架橋
剤などを添加して三次元架橋させることも可能である。
とくに、水酸基、カルボキシ基を側鎖に有するアクリル
樹脂をメラミン樹脂で架橋させたマトリックス、さらに
はアミノ基などを有するアクリル樹脂をエポキシ樹脂で
架橋させたマトリックスなどを有機高分子として使用し
たものは、フォトクロミック化合物の耐繰り返し性、発
消色速度などの点からとくに好ましい。
本発明における重合性官能基を導入したフォトクロミッ
ク化合物と、他のモノマーとを共重合することによりポ
リマーとする方法としては、ラジカル開始剤によるラジ
カル重合が好ましく適用され、用いられるモノマとして
は、 ■)カルボキシル基含有単量体、例えばアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸など: ■)ヒドロキシル基含有単量体、例えば2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート
、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−1−= 、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリ
レート、ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアル
コール、メタアリルアルコールなど: ■)含窒素アルキルアクリレートもしくはメタクリレー
ト、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートなど: ■)重合性アミド、例えばアクリルアミド、メタクリル
アミドなど: ■)重合性ニトリル、例えばアクリロニトリル、メタク
リルニトリルなど: ■)アルキルアクリレートもしくはメタクリレート、例
えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチル
メタクリレート、2−エチルへキシルアクリレートなど
: ■)重合性芳香族化合物、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンなど: ■)α−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、な
ど: ■)ビニル化合物、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなど: X)ジエン化合物、例えばブタジェン、イソプレンなど
: XI)イオン性基含有モノマー、例えばスチレンスルホ
ン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、(3−スルホプロピル)−メタクリル
酸カリウム、N−(3−スルホプロピル)−N−メタク
リロキシエチル−N、N−ジメチルアンモニウムベタイ
ンなど が例示される。
開始剤としては有機アゾ化合物、過硫酸塩過酸化水素お
よび無機水溶性開始剤と重亜硫酸塩、第1鉄塩、アスコ
ルビン酸などの還元剤との組み合わせで得られるレドッ
クス系開始剤があげられる。
これらのラジカル重合は、−殻内な溶液重合で行われ用
いられる有機溶媒としては、通常の溶液重合で一般に用
いられている酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
剤、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系
溶剤、エチルセロソルブ等のアルキレングリコールアル
キルエーテル系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤、ヘキ
サン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤が例示される
また、本発明におけるA被膜の膜厚は光照射後の発色濃
度、さらには膜厚による発色濃度むら発生防止などの点
から1μm以上、好ましくは2μm以上であることが望
ましい。また、塗布のしやすさ、均一性などの点から1
00μm以下、好ましくは50μm以下が望ましい。
A波膜中に含まれるフォトクロミック化合物の量は要求
性能、とくに発色濃度との関係から決定されるべきであ
るが、サングラス用レンズ、矯正用レンズなどに代表さ
れる光学レンズ用としては0.1〜20重量パーセント
が好ましい。さらに好ましくは0.5〜15重量パーセ
ントである。
0、 1重量パーセントに満たない場合には常温付近で
の発色濃度に乏しい。また20重量パーセントを越える
と溶解性の関係からマトリックス樹脂に対して溶剤量を
増やす必要が生じ、充分な被覆膜厚を得ることが困難と
なる。
本発明におけるA被膜を基体上に被覆する方法としては
、前記のマトリックス樹脂およびフォトクロミック化合
物の混合溶液あるいは、共重合ポリマからなるコーティ
ング組成物を浸漬法、スプレー法、バーコード法、流し
塗り法、カーテンフロー法や回転塗布法等によって塗布
する方法、さらにはあらかじめマトリックス樹脂を基板
上に塗布したのち、フォトクロミック化合物を染色手段
などを用いてマトリックス樹脂中に含有せしめる方法な
ど種々の方法が適用可能である。
コーティング組成物として適用する際に使用される溶剤
としては、各種の有機溶剤が使用可能であり、具体的に
は各種アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル
類、芳香族(ハロゲン化)炭化水素類、脂肪族(ハロゲ
ン化)炭化水素類、セロソルブ類、各種ホルムアミド類
、スルホキシド類などマトリックス樹脂とフォトクロミ
ック化合物の両者を溶解させるものであれば特に限定さ
れるものではない。
本発明は、前記A被膜上にハードコート性を有する被膜
を設けてなるものであるが、使用可能な被膜の例として
はポリビニルアルコール、セルロース類、メラミン樹脂
、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、アクリル樹脂、
ウレタン樹脂などが挙げられる。中でも表面硬度、耐熱
性、耐熱水性、耐薬品性などの点から熱硬化性樹脂が好
ましく用いられるが、とくに表面硬度向上の点からポリ
シロキサン樹脂が好ましく用いられる。
オルガノポリシロキサンを形成せしめる組成物の代表的
な例を挙げると次の一般式(II)で表される有機ケイ
素化合物および/またはその加水分解物が挙げられる。
R8R9bSiX4.b     (II)(ここで、
R8、R9は、炭素数1〜10の有機基であり、Xは加
水分解性基である。aおよびbは0または1である。) ここでRI3、R9は各々アルキル基、アルケニル基、
アリール基、またはハロゲン基、エポキシ基、グリシド
キシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基
ないしシアノ基を有する炭化水素基であり、同種であっ
ても、異種であってもよい。Xはハロゲン、アルコキシ
、アルコキシアルコキシ、フェノキシないしアセトキシ
基などから選ばれる加水分解可能な置換基であれば、い
かなるものであってもよい。a、bは各々0または1で
ある。
これらの有機ケイ素化合物は1種または2種以上添加す
ることも可能である。とくに染色性付与の目的にはエポ
キシ基、グリシドキシ基を含む有機ケイ素化合物の使用
が好適であり、高付加価値なものとなる。
上記の組成物は通常揮発性溶媒に希釈して液状組成物と
して塗布される。溶媒として用いられるものは、特に限
定されないが、使用にあたっては被塗布物の表面性状を
損わぬことが要求され、さらには組成物の安定性、基体
に対する濡れ性、揮発性などをも考慮して決められるべ
きである。また溶媒は1種のみならず2種以上の混合物
として用いることも可能である。
さらに、ハードコート性を有する被膜の硬度向上、反射
防止被膜との密着性向上などの目的に好ましく使用され
る構成成分として微粒子状無機酸化物がある。かかる微
粒子状無機酸化物とは塗膜状態で透明性を損わないもの
であり、その目的を達成するものであればとくに限定さ
れないが、作業性、透明性付与の点から特に好ましい例
としてはコロイド状に分散したゾルが挙げられる。さら
に具体的な例としては、シリカゾル、チタニアゾル、ジ
ルコニアゾル、酸化アンチモンゾル、アルミナゾルなど
が挙げられる。微粒子状無機酸化物の添加量は、特に限
定されないが、効果をより顕著に表すためには、硬化被
膜中に5重量%以上、80重量%以下含まれることが好
ましい。すなわち、5重量%未満では、明らかな添加の
効果が認められず、80重量%を越えるとプラスチック
基体との密着性不良、被膜自体にクラック発生、耐衝撃
性低下などの傾向がある。
微粒子状無機酸化物としては、平均粒子径1〜200m
μのものが通常は使用されるが、好ましくは5〜100
mμの粒子径のものが使用される。
平均粒子径が200mμを越えるものは、生成被膜の透
明性を低下させ、濁りの大きなものとなり、厚膜化が困
難となる。また、1mμ未満のものは安定性が悪く、再
現性が乏しいものとなる。
また微粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤
やアミンを添加しても何ら問題はない。さらには2種以
上の微粒子状無機酸化物を併用して使用することも何ら
問題はない。
さらには、これらのハードコート性を有する被膜を形成
せしめるためのコーティング組成物中には、塗布時にお
けるフローを向上させる目的で各種の界面活性剤を使用
することも可能であり、とくにジメチルポリシロキサン
とアルキレンオキシドとのブロックまたはグラフト共重
合体、さらにはフッ素系界面活性剤などが有効である。
さらに耐候性を向上させる目的で紫外線吸収剤、また耐
熱劣化向上法として酸化防止剤を添加することも可能で
ある。
さらに、これらのコーティング組成物中には、被膜性能
、透明性などを大幅に低下させない範囲で各種の無機化
合物なども添加することができる。
これらの添加物の併用によって基体との密着性、耐薬品
性、表面硬度、耐久性、染色性などの諸物性を向上させ
ることができる。前記の添加可能な無機材料としては以
下の一般式[III]で表される金属アルコキシド、お
よび各種のキレート化合物および/またはその加水分解
物が好ましい例として挙げられる。
M (OQ) Ill[I[[] (ここでQはアルキル基、アシル基、アルコキシアルキ
ル基であり、mは金属Mの電荷数と同じ値である。Mと
してはケイ素、チタン、ジルコン、アンチモン、タンタ
ル、ゲルマニウム、アルミニウムなどである。) 本発明におけるハードコート性を有する被膜を形成せし
める場合には、硬化促進、低温硬化などを可能とする目
的で各種の硬化剤が使用可能である。硬化剤としては各
種エポキシ樹脂硬化剤、あるいは各種有機ケイ素樹脂硬
化剤などが適用される。
これらの硬化剤の具体的な例としては、各種の有機酸お
よびそれらの酸無水物、窒素含有有機化合物、各種金属
錯化合物あるいは金属アルコキシド、さらにはアルカリ
金属の有機カルボン酸塩、炭酸塩などの各種塩、さらに
は、過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジ
カル重合開始剤などが挙げられる。これらの硬化剤は2
種以上混合して使用することも可能である。これらの硬
化剤の中でも本発明の目的には、塗料の安定性、コーテ
イング後の塗膜の着色防止などの点から、特に下記に示
すアルミニウムキレート化合物が有用である。
ここでいうアルミニウムキレート化合物とは、一般式A
A’Y、Z3□で示されるアルミニウムキレート化合物
である。
(但し式中、Yは0L(Lは低級アルキル基)、Zは一
般式M’ COCH2C0M2 (M’ 、M2はいず
れも低級アルキル基)で示される化合物に由来する配位
子、および一般式M3COCH2C00M4  (M3
.M4はいずれも低級アルキル基)で示される化合物に
由来する配位子から選ばれる少なくとも1つであり、n
は0、■または2である。AIYII23□で示される
アルミニウムキレート化合物のうちで、組成物への溶解
性、安定性、硬化触媒としての効果などの観点からして
、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムビ
スエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、
アルミニウムージ−n−ブトキシド−モノエチルアセト
アセテート、アルミニウムージーis。
プロポキシド−モノメチルアセトアセテートなどが特に
好ましい。これらは2種以上を混合して使用することも
可能である。
塗布方法としては通常のコーティング作業で用いられる
方法が適用可能であるが、たとえば浸漬法、流し塗り法
、スピンコード法などが好ましい。
このようにして塗布されたコーティング組成物は一般に
は加熱乾燥によって硬化される。
加熱方法としては熱風、赤外線などで行うことが可能で
ある。また加熱温度は適用される基体および使用される
コーティング組成物によって決定されるべきであるが、
通常は室温から250℃、より好ましくは35〜200
℃が使用される。これより低温では硬化または乾燥が不
充分になりやすく、またこれより高温になると熱分解、
亀裂発生などが起り、さらには黄変などの問題を生じや
すくなる。
本発明におけるハードコート性を有する被膜の膜厚は、
特に限定されるものではない。しかし、密着強度の保持
、硬度などの点から0.1〜20μmの間で好ましく用
いられる。特に好ましくは、0.4〜IOμmである。
本発明は、前記B被膜上に帯電防止性を有する反射防止
C被膜を設けてなるものであるが、C被膜は、2層以上
の多層膜から形成される。帯電防止性を付与する成分と
して、例えば、金、銀、銅、鉄、タングステン、アルミ
ニウム、クロム、ニッケル、インジウム、アンチモン、
I To (Indiumu−Tin 0xide )
 、5n02などが挙げられるが被膜の光吸収、耐久性
の観点から5n02が特に有用である。
帯電防止性、すなわち、導電性を有する被膜の厚さは、
導電性および透明性の観点から50〜5000Aである
ことが好ましく、さらには200〜3000人が好まし
い。 本発明における導電性を有する被膜を形成する手
段としては、液状コーティングあるいは真空蒸着、スパ
ッタリングなどのドライコーティングが適用可能である
。特に被膜の緻密性、導電性などの観点からドライコー
ティングが好ましく使用される。また、ドライコーティ
ングの中でも被膜形成時間の短縮のためには真空蒸着、
とくに1人1sec〜5A/seeの速度で蒸着するこ
とが透明性、導電性向上により好ましい。さらに、真空
蒸着による被膜形成に際しては、酸素ガス雰囲気下での
高周波放電中、好ましくは1 X 10’ Torr以
下のガス導入下での蒸着、さらに高周波放電出力を高め
ること、例えば50ワット以上が透明性、導電性などの
観点から好ましく使用される。さらに、導電性を向上さ
せる目的から被コーテイング基体を加熱することも有効
な手段である。
かかる導電性を有する被膜そのものの透明性としては、
全光線透過率で言うところの60%以上、とくに光学用
途についてはさらに75%以上を有することが好ましい
。また、導電性としては、1×1013Ω/口以下、と
くに厳しい帯電防止性を要求される用途に関しては、1
×1011Ω/口以下であることが好ましい。
C被膜における導電性を有する被膜以外の反射防止膜構
成成分としては特に限定されないが、例えば5i02.
5iO1z「02、Al2O3、Ti01Ti02、T
i2(h 、Y2O3、Yb2O3、MgO1Ta20
s 、CeO2、HIO2などの酸化物、MgF2、A
lF3、BaF2、LiF 。
CaF2、Na5AIFB、Na6A13F14などの
フッ化物、Si3N4などの窒化物が挙げられる。
これらの物質は、一種のみならず二種以上を混合して使
用することも可能である。
また、各層間の密着性向上手段として高周波放電処理、
イオンビーム処理などが有効である。さらに、反射防止
被膜の最上層に好ましく用いられる低屈折率物質として
は、前述の5i02、Al2O3などの酸化物、MgF
、、Alh、BaF2、LiF 、 CaF2、Na3
AlF6、Na5A13F、4などのフッ化物などが好
ましい例として挙げられるが、硬度、密着性、耐水性、
耐熱性の点から5i02を主成分としてなる被膜が特に
好ましい。ここで5i02を主成分としてなる低屈折率
被膜とは、5in)が被膜中に50重量%以上含有する
ものであり、それ以外の添加可能な成分としては、特に
限定されるものではない。
本発明の帯電防止性を有する反射防止C被膜は、前記の
とおり、導電性を有する被膜を少なくとも一層有し、さ
らに他成分からなる層を一層以上有する多層膜からなる
ものであるが、ここで多層膜の膜構成の組合せとしては
、プラスチック基体の屈折率、さらにはハードコート性
を有する被膜の膜厚および屈折率などによって、その最
適な組合せは異なる。また、要求される反射防止特性、
あるいはその他の物理特性、さらには耐久特性などによ
っても、その最適な組合せは異なる。とくに反射防止特
性に関してはすでに多くの組合せが提案されており(光
学技術]ンタクト Vol 9 k817〜23.(1
971)、0PTIC3OF THIN FILMS’
159〜283、八、VASICEK(NORTH−H
OLLAND  PUBLISHINGCOMP八NY
)へMSTERDAMへ1960)) 、本発明におい
てもこれらの組合せを用いることは何らの問題もない。
本発明を光学用途、とりわけ光学用レンズに適用する場
合には導電性を有する被膜を最下層(B被膜上の第1層
目)、または中間層とし、最上層(反射防止被膜の最外
層)に5in)を主成分としてなる被膜を有することが
、表面硬度9反射防止特性、耐薬品性、耐候性などの点
からもっとも好ましい。
一方、かかる2層以上からなる帯電防止性を有し、反射
防止性を有する被膜は、その帯電防止性と反射防止性を
必要とする部分に少なくとも設けられておれば充分であ
り、従ってプラスチック基体の表面全体であっても、そ
の一部分であっても何ら問題はない。
つぎに本発明における、撥水性有機物の被覆において、
膜厚は、反射防止効果を低下させないという観点から5
00A以下に設定することが好ましい。かかる500Å
以下の厚みを有するとは、平均の厚みが500Å以下で
あることを意味する。
一般にプラスチック反射防止被膜の最外層である5in
)などは微視的、たとえば電界放射型走査電子顕微鏡な
どで観察すると100〜500人の粒状物の堆積したも
のであることが確認される。従って撥水性有機物を被覆
させるとは、これらの堆積物の粒子間隙にも入り込んだ
ような状態で存在する場合も含む。しかし、撥水性を有
する有機物の被覆としては、実質的に反射防止被膜の最
外層である被膜全体を覆っていることが好ましい。
撥水性有機物質としては、撥水機能を有するものであれ
ば特に限定されないが、とくに効果的なものとしては室
温硬化型あるいは低温硬化型の有機ポリシロキサン系重
合物、中でもポリジメチルシロキサン系重合物がその水
に対する静止接触角を大きくすることが可能なことから
好ましく使用される。かかる硬化性有機ポリシロキサン
の具体例としては末端にシラノール基を有するポリジメ
チルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリ
メチルビニルシロキサンなどのポリアルキル、ポリアル
ケニル、あるいはボリアリールシロキサンに各種の架橋
剤、例えばテトラアセトキシシラン、テトラアルコキシ
シラン、テトラエチルメチルケトオキシムシラン、テト
ライソプロペニルシランなどの四官能シラン、さらには
アルキルあるいはアルケニルトリアセトキシシラン、ト
リケトオキシムシラン、トリイソプロペニルシラン、ま
たはトリアルコキシシランなどの3官能シランなどを添
加混合したもの、場合によってはあらかじめ反応させた
ものがある。他の硬化性を有するポリシロキサンの例と
しては5i−H結合を有するポリシロキサンと不飽和基
を有する化合物を白金化合物などの触媒存在下に反応さ
せて硬化させることなども挙げることができる。他の効
果的なものとしてはフッ素含有混合物、とくにパーフル
オロ基含有(メタ)アクリレートを含むポリマーおよび
他のモノマーとの共重合体がある。これらの重合物中に
は架橋硬化せしめる目的で各種の官能基を導入させたも
のも使用されるが、その具体例としてはヒドロキシ(メ
タ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー (メタ)
アクリル酸などのカルボキシル基含有モノマーなどとの
共重合体が挙げられる。さらにはアリル(メタ)アクリ
レートなどの反応性の異なる二重結合を有するモノマー
との共重合体も架橋硬化可能な例として挙げられる。か
かる共重合体の重合形態としてはとくに限定されず、ラ
ンダム共重合体、ブロック共重合体などが適用可能であ
るが、撥水性、被コーテイング物との密着性向上などの
点からブロック共重合体がとくに好ましく使用される。
以上の組成物中には硬化を促進させる目的、あるいは硬
化可能ならしめる目的から各種の硬化剤、3次元架橋剤
を添加することもできる。これらの具体例としてはシリ
コーン樹脂硬化剤、シランカップリング剤、各種金属ア
ルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート
化合物、メラミン樹脂、多官能アクリル樹脂、尿素樹脂
などがある。
有機物の被覆に際する乾燥および/またはその硬化方法
としては適用される反射防止被膜を有する基体および使
用される物質によって決定されるべきであるが、通常は
室温以上、100℃以下の加熱処理、さらには硬化性官
能基、例えば重合体もしくはオリゴマ中の2重結合など
を利用して紫外線、電子線、γ線などの放射線を用いて
硬化させることもできる。
次にかかる有機物の被覆方法としては通常のコーティン
グ作業で用いられる方法が適用可能であるが、反射防止
効果の均一性、さらには反射干渉色のコントロールとい
う観点からスピン塗装、浸漬塗装、カーテンフロー塗装
などが好ましく用いられる。また作業性の点から紙、布
などの材料に液を含浸させて塗布流延させる方法も好ま
しく使用される。
これらの有機物の被覆は通常揮発性溶媒に希釈して塗布
される。溶媒として用いられるものは、特に限定されな
いが、使用にあたっては組成物の安定性、無機物に対す
る濡れ性、揮発性などを考慮して決められるべきである
。また溶媒は1種のみならず2種以上の混合物として用
いることも可能である。              
〜また本発明の有機物中には反応性のない物質を透明性
、耐久性などの信性能を大幅に低下させない範囲で各種
添加させることも可能である。とくに塗布時におけるフ
ロー向上の目的には、前述の界面活性剤の添加が有効で
ある。
本発明の有機物の被覆としての好ましい例としては、前
記有機ポリシロキサン系重合物、フッ素含有有機物など
からなる被膜を形成する以外に、例えば有機ケイ素化合
物が存在する環境下で表面処理することによって被覆さ
せることも可能である。ここでいう有機ケイ素化合物と
は、加水分解可能な任意の置換基を有するケイ素化合物
であるが、具体的な例としては、下記一般式(IV)で
示される有機ケイ素化合物を挙げることができる。
RIORII  RI2b3 i  A3□−b  (
■)(ここで、R10、R11、R12は各々水素、ア
ルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール
基、ハロゲン化アリール基から選ばれる1種であり、a
、bはそれぞれ0または1であり、Aは、加水分解性基
である。) 一般式(IV)中、R10、R”、R12は、各々同種
であっても異種であってもよい。
かかる一般式(IV)中でのRIOR11R12b3i
一で示される有機ケイ素置換基の具体的な代表例として
は、トリメチルシリル、ジメチルシリル、メチルフェニ
ルシリル、ビニルジメチルシリル、エチルジメチルシリ
ル、ジエチルメチルシリル、トリエチルシリル、アリル
ジメチルシリル、3−アミノプロピルジメチルシリル、
3−アミノプロピルジエチルシリル、3−アミノプロピ
ルエチルメチルシリル、p−ビフェニルジメチルシリル
、ビス(p−ビフェニル)メチルシリル、ビス(p−ビ
フェニル)フェニルシリル、p−ビフェニルジフェニル
シリル、ブロモメチルジメチルシリル、トリフェニルシ
リル、ビス(クロロメチル)メチルシリル、クロロメチ
ルジメチルシリル、γ−クロロプロピルジメチルシリル
、ヨードメチルジメチルシリル、フロロメチルジメチル
シリル、γ−(3,3,3−トリフロロ)プロピルジメ
チルシリル、γ−パーフロロアルキルプロピルジメチル
シリル、n−プロピルジメチルシリル、l−プロピルジ
メチルシリル、n−ブチルジメチルシリル、5eC−ブ
チルジメチルシリル、1−ブチルジメチルシリル、1−
ブチルジフェニルシリル、l−クロロエチルジメチルシ
リル、2−クロロエチルジメチルシリル、シクロヘキシ
ルジメチルシリル、ベンジルジメチルシリル、n−オク
チルジメチルシリル、フエニルジメチルシリル、ジフェ
ニルメチルシリル、ジフェニルビニルシリル、ジ−n−
プロピルメチルシリル、トリーn−プロピルシリル、γ
−メタクリロキシプロピルジメチルシリル、γ−グリシ
ドキシプロピルジメチルシリル、β−シアノエチルジメ
チルシリル、γ−メルカプトプロピルジメチルシリル、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチ
ルシリル、γ−フロロプロピルジメチルシリル、γ−(
3,3−ジフロロ)プロピルジメチルシリルなどが挙げ
られる。
とくに、本焼は防止性効果が大きい、さらには、防汚性
に優れているなどの点からトリメチルシリル、ジメチル
シリル、γ−(3,3,3−)リフロロ)プロピルジメ
チルシリル、フエニルジメチルシリルなどの有機ケイ素
置換基などが好ましく使用される。
一般式(IV)中、Aで示される置換基としては、クロ
ル、ブロムなどのハロゲン基、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、β−クロロエトキシなどのアルコキシ基、エ
トキシメトキシ、メトキシメトキシなどのアルコキシア
ルコキシ基、アセトキシ、トリフロロアセトキシ、ベン
ゾエートなどのカルボキシ基、アミノ、ジメチルアミノ
、ジエチルアミノ、エチルアミノ、アリルアミノ、アニ
リノ、n−ブチルアミノなどのアミノ基、イミダゾリル
、ピペリジル、1.2.4−トリアゾリル、1.2.3
− ドリアゾリル、ピロール、ピロリジニルなどの環状
アミノ基または、イミノ基、アセトアミドなどのアミド
基、シラノール基、ビニロキシ、アリルオキシなどのア
リロキシ基、フェノキシ、トリクロロフェノキシ、ニト
ロフェノキシなどのアリーロキシ基、ジメチルケトオキ
シム、メチルエチルケトオキシムなどのケトオキシム基
、N−メチルカルバメート、N−(3−クロロフェニル
)カルバメートなどのカルバメート基、ジメチルアミノ
キシ、ジエチルアミノキシなどのジアルキルアミノキシ
基、ベンジロキシ、フエネチロキシなどのアラルキロキ
シ基、フルフリロキシなどのへテロシクロアルコキシ基
、シクロヘキシロキシなどのシクロアルキロキシ基、メ
チルビニロキシ基、ウレア、ジフェニルウレアなどのウ
レア基などがその具体例として挙げられる。なお、Aが
、アミノ基、アミド基、オキシムの一種であるジオキシ
ム基、ジあるいはトリアルコキシ基、ウレア基などにお
いては、般式(IV)中のRIOR11,R12b]−
で示される有機ケイ素置換基が一分子内に2個以上含ま
れた化合物であっても何ら問題はない。
以上の有機ケイ素化合物は、処理の均一化、取り扱い易
さなどの点から沸点が50℃から250℃のものが好ま
しく使用される。とくに処理後の操作が簡単で、比較的
臭気が少ないことからシラザン化合物、中でもジシラザ
ン化合物、あるいは、アセトアミド化合物、低級アルコ
キシ化合物がより好ましく適用される。
かかる有機ケイ素化合物は、一種のみならず、二種以上
を併用することも可能であるし、二種以上を用いて段階
的に処理することも可能である。
前記有機ケイ素化合物を含む環境下での処理とは、具体
的には、前記有機ケイ素化合物中への浸漬あるいはそれ
らの蒸気中への暴露などである。
処理時間、処理温度などは目的および基材に応じて決め
られるべきであるが、通常処理時間は、I分間から20
時間、処理温度は、10℃から100℃の範囲で行われ
る。
また、前記有機ケイ素化合物は、必要に応じて水、アル
コール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化
水素などの溶剤で希釈されていてもよいし、加水分解を
促進する目的で酸、アルカリなどが添加されていても何
ら問題はない。とくに安全性、揮発性などの点からフッ
素化合物で希釈したものが好ましく用いられる。また、
芳香を発せしめるためにアルコール、ケトンなどの溶剤
も好ましく使用される。
本発明における有機ポリシロキサン系重合物による撥水
処理および有機ケイ素化合物による撥水処理は、目的に
応じて使いわけが可能である。
さらに本発明における多機能を有するフォトクロミック
物品の表面反射率は、3パーセント以下、かつ水に対す
る静止接触角が60度以上であることが実用面から好ま
しい。ここで表面反射率とは被膜形成面での全光線にお
ける反射率のことであり、物品の両面にそれぞれA−D
の被膜が形成されている場合には、その両面での反射率
と定義されるものである。被膜形成後の物品の表面反射
率が3%を越える場合には、反射防止効果が充分ではな
い。物品が無色透明な場合には100%から物品の全光
線透過率を引いた値の半分がその面の表面反射率とも言
うことができる。
すなわち、表面反射率が3%を越える場合には、眼鏡用
レンズではゴースト、フレアなどと呼ばれる反射像を生
じて目に不快感を与える場合がある。
また、ルッキンググラス、CRT用フィルターなどでは
、面上の反射した光のために内容物、表示文字などが判
然としないという問題が生ずる。
また、前記多機能を有するフォトクロミック物品におい
ては水に対する静止接触角が60度以上であることが好
ましいが、ここで水に対する静止接触角とは直径2ミリ
以下の水滴を光学物品上に形成させ、その時の接触角を
測定するところの液滴法である。静止接触角が、60度
未満であると充分な撥水性を有しないばかりか、汚れも
除きにくい。
本発明では、A被膜を被覆する際の基体との密着性向上
、B被膜を被覆する際のA被膜との密着性向上、C被膜
を被覆する際のB被膜との密着性向上、D被膜を被覆す
る際のC被膜との密着性向上を目的に各々の界面を前処
理することが可能である。かかる前処理とは、濃度にも
よるが酸、アルカリなどによる薬品処理や活性化ガス処
理が挙げられる。特に、A被膜中のフォトクロミック化
合物の分解を防止し、密着性を顕著に発現させるためと
B被膜とC被膜の密着性向上のために活性化ガス処理が
有効である。
かかる活性化ガス処理とは、常圧、もしくは減圧下にお
いて、生成するイオン、電子あるいは、励起された気体
による処理である。これらの活性化ガスを生、成させる
方法としては、例えば、コロナ放電、減圧下での直流、
低周波、高周波あるいはマイクロ波による高電圧放電な
どによるものである。特に減圧下で高周波放電によって
得られる低温プラズマによる処理が、再現性、生産性な
どの観点から、好ましく使用される。ここで使用される
ガスは、特に限定されるものではないが、具体例として
は酸素、窒素、水素、炭酸ガス、二酸化硫黄、ヘリウム
、ネオン、アルゴン、フレオン、水蒸気、アンモニア、
−酸化炭素、塩素、−酸化窒素、二酸化窒素などが挙げ
られる。これらは、一種のみならず、二種以上混合して
も使用可能である。
以上のようにして形成されたA被膜、B被膜、C被膜、
D被膜からなる多機能を有するフォトクロミック物品は
、耐久性の良好なフォトクロミック性を有し、表面が傷
つきにくいものであり、さらに、優れた反射防止効果、
帯電防止効果を有し、湿度依存性もない。さらには、こ
れらの機能に加えて、汚れが取れ易く、撥水性を有して
いるので水滴が落ち易い、水焼けがしないなどの長所を
有するものであることから光学レンズなどに好ましく使
用される。
[実施例] 以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
実施例1 (1)A被膜の作製 (イ)コーティング用組成物の作成 メチルメタクリレート/プチルメタクリレート/ブチル
アクリレート/アクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリ
レートからなる共重合体のトルエンの50重量%溶液3
00gをさらにジメチルホルムアミドで25重量%に希
釈し、メラミン樹脂15g1フオトクロミツク化合物と
して1−(3−メチルベンジル)0.3−ジメチルスピ
ロ[インドリノ−2,3’ −[311コナフト[2,
1−bl (1,4)−オキサジン110.5gを添加
してコーティング用組成物とした。
(ロ)塗布および乾燥 前記(イ)で得られたコーティング用組成物をプラスチ
ック基体としてCR−39(ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート重合体)のプラルンズを使用し、前
記(1)で調製した、コーティング組成物を基体に引き
上げ速度20cm/minの条件で浸漬法で塗布し、次
いで、82℃で、12 minの予備硬化を行い、更に
100℃で、4htの乾燥を行った。
(2)B被膜の作製 (イ)コーティング用組成物の作製 回転子を備えた反応器中にγ−グリシドキシプロピルメ
チルジェトキシシラン214gを仕込み、マグネチック
スターラーを用いて撹拌しながら、0.05規定塩酸水
溶液31gを液温を10℃に保ちながら滴下し、滴下終
了後さらに30分間撹拌を続けて、加水分解を行なった
。得られた加水分解物に蒸留水255 g、シリコーン
系界面活性剤1gを添加混合し、さらにメタノール分散
コロイド状シリカ(平均粒子径12±1μm1固形分3
0%)500g、アルミニウムアセチルアセトネート1
5gを添加し、充分撹拌した後、コーティング用組成物
を得た。
(ロ)塗布および乾燥 前記(1)で得られたA被膜を有するCR−39レンズ
に、前項(2)、(イ)で得られたコーティング用組成
物を浸漬法で引き上げ速度10cm/minの条件で塗
布し、100℃で、4hrの乾燥を行った。
(3)C被膜の作製 前記(2)によって得られたハードコート性を有する被
膜の両面上に、無機酸化物質の5n02 / Ta2o
5/5i02を真空蒸着法でこの順序にそれぞれ光学膜
厚をλ/4、λ/4、λ/4(λ= 521 nm)に
設定して多層被覆させた。得られた反射防止物品の反射
干渉色は緑色を呈し、表面反射率は1パーセントであっ
た。
(4)D被膜の作製 (イ)コーティング組成物の作製 両末端にシラノール基を有するジメチルポリシロキサン
(数平均分子量26.000)10部に炭化水素系溶媒
であるアイソパーEを■0部加えて溶解し、これにエチ
ルトリアセトキシシラン1部、ジブチルスズアセテート
0.05部をそれぞれ添加混合し、−昼夜室温放置した
。その後さらにメチルイソブチルケトン648部、シク
ロヘキサノン432部を加えてコーティング組成物を得
た。
(ロ)塗布および乾燥 前記(3)によって得られた反射防止効果を有する帯電
防止物品に前記(イ)で作製したコーティング組成物を
引き上げ速度10cm/minで浸漬塗布後、−晩室温
乾燥を行い、目的とするフォトクロミック性、帯電防止
性、反射防止性、撥水性機能を有する物品が得られた。
得られた多機能を有するフォトクロミック物品の反射干
渉色は緑色を呈していた。
(5)試験結果 得られた多機能を有するフォトクロミック物品の性能は
、下記の方法に従って試験を行った。結果は、第1表に
示す。
(イ)外観 目視により、異状の有無を判定した。
(ロ)密着性試験 試験方法として被膜面に1 mm角の基体に達するゴバ
ン目を被膜の上から鋼ナイフで100個入れて、セロハ
ン粘着テープ(商品名“セロテープ”ニチバン社製)を
強く貼りつけ、90度方向に急速に剥がし、被膜剥離の
有無を調べた。
(ハ)硬度 #0000のスチールウールを用い、1.5kgの荷重
下で反射防止被膜表面を50回こすり、傷付き具合を判
定する。判定基準は、 A・・・傷がつかない。
B・・・多く傷が発生する。
(ニ)フォトクロミック性能 南面45度で2週問屋外暴露し、その後ケミカルランプ
を励起光源として光照射して発色させ、発色状態および
消色速度を肉眼にて観察した。
判定は、次のように行った。
○・・・未処理品と比べて変化が認められない。
△・・・未処理品と比べて変化が認められる。
×・・・光照射しても全く発色しない。
(ホ)帯電防止性 20℃、30パーセントRHの温調室でレンズ表面を鹿
皮でこすり乾燥した灰の付着具合を判した。
A:灰が付着しない。
B:灰が付着する。
(へ)水に対する静止接触角 接触角計(協和界面科学■製、CA−D型)を使用し、
室温下で直径1.5mmの水滴を針先に作り、これをレ
ンズの凸面の最上部に触れさせて、液滴を作った。この
時に生ずる液滴と面との角度を測定し、静止接触角とし
た。
(ト)耐汚染性テスト 水道水5mlをレンズ凹面にしたたらせ、室温雰囲気下
で48時間放置後、布で拭いた時の水垢が一除去できた
時を良好とし、除去できなかった時を不良とした。
(チ)表面反射率 5M−3カラーコンピユーター(スガ試験機(株)製)
を使用し、全光線透過率を測定し下式により、片面の表
面反射率(%)を求めた。
実施例2 プラスチック基体を下記基体に変える以外は、すべて実
施例1と同様に行った。試験結果は、第1表に示す プラスチック基体として、テトラブロムビスフェノール
Aのエチレンオキサイド2モル付加体に1モルのアクリ
ル酸をエステル化により結合させた水酸基含有化合物1
モルに対し、ヘキサメチレンジイソシアネートを0.9
モル付加させて多官能アクリレートモノマーを含むモノ
マー70部とスチレン30部をイソプロピルパーオキサ
イドを重合開始剤としてキャスト重合し、さらに酸素プ
ラズマで表面処理した基体を用いた。
実施例3 実施例1において、(4)項(イ)、(ロ)を下記の方
法に変える以外は、すべて同様に行った。
ヘキサメチルジシラザン10部、メチルイソブチルケト
ン10部からなる液を底部に入れた容器の中に実施例1
の(3)で得た反射防止物品を吊り下げ、ヘキサメチル
ジシラザン、メチルイソブチルケトンの蒸気に30分間
暴露し有機ケイ素化合物処理を行った。試験結果は、第
1表に示す。
比較例1 実施例1において(4)のD被膜を設けない以外は、す
べて同様に行った。試験結果は、第1表に示す。
[発明の効果] 本発明によって得られる多機能を有するフォトクロミッ
ク性を有する物品には、以下のような効果がある。
(1)表面反射が少なく、かつ表面硬度が高く、実用耐
久性に優れている。
(2)湿度依存性がなく帯電防止性に優れている。
(3)撥水性があるために、雨滴が付いても容易に振り
落とすことができ、また水垢などが付着した後、乾燥さ
れても容易に除去することができる。
(4)耐熱性、耐水性に優れている。
(5)繰り返し性、発消色に優れたフォトクロミック性
を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)プラスチック基体上に、下記A、B、C、Dがこ
    の順に積層されていることを特徴とするフォトクロミッ
    ク性を有する物品。 A、フォトクロミック化合物を含有する有機高分子を主
    成分としてなる被膜。 B、ハードコート性を有する被膜。 C、2層以上の帯電防止性を有する反射防止被膜。 D、撥水性を有する有機物被膜。
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