JP2001049236A - 防汚材およびこれを用いた反射防止フィルター - Google Patents
防汚材およびこれを用いた反射防止フィルターInfo
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Abstract
形成可能な防汚材およびこれを用いた反射防止フィルタ
ーを提供することを目的とする。 【解決手段】下記(A),(B),(C)成分のうち少
なくとも一種と、一般式R’O(C2 H4 O)a (C3
H6 O)b −[−R−SiO(CH3 )2 −Si(CH
3 )2 −RO(C2 H4 O)a (C3 H6 O)b −]n
−R’(a, b,m, nは正の整数であり、分子量は1
000〜100000、Si含有量は10〜90%であ
る)で示されるジメチルポリシロキサンとポリアルキレ
ンオキサイドが結合しており、結合したジメチルポリシ
ロキサンとポリアルキレンオキサイド全体のうち90%
以上の結合場所で交互に繰り返し結合した直鎖状シリコ
ーンを含有することを特徴とする防汚材。
Description
を用いた反射防止フィルターに関するものであり、さら
に詳しくは形成される塗膜が防汚性能の永続性を有する
防汚材、および防汚性能の永続性と低屈折率性を有す
る、コーティング等に用いられる防汚材およびこれを用
いた反射防止フィルターに関する。
ルターなどの反射防止物品は、基板に屈折率の異なる光
学薄膜を一層以上積層したものが多く、屈折率がより低
い層を最表層とした層構成をとる場合が多い。
表面エネルギーと微細な表面凹凸を有するため、汚れの
成分である種々の化合物が付着しやすく除去することが
容易ではない。さらに、汚れが付着した部分は、反射干
渉色の変化により一層汚れが目立つため、汚れの付着し
にくい表面が嘱望されている。
ても拭き取りやすい性質を持つ防汚層を反射防止層の表
面に設ける工夫が考案されている。例えば、特開昭64
−86101号公報には、基材の表面に、主として二酸
化ケイ素からなる反射防止膜を設け、更にその表面に有
機ケイ素置換基を含む化合物で処理した耐汚染性、耐擦
傷性の反射防止膜物品が提案されている。特開平4−3
38901号公報には、同様に基材表面に末端シラノー
ル有機ポリシロキサンを皮膜した耐汚染性、耐擦傷性の
CRTフィルターが提案されている。
プラスチック表面にパーフルオロアルキル基を含むモノ
及びジシラン化合物およびハロゲン、アルキルまたはア
ルコキシのシラン化合物とからなる反射防止膜を有する
低反射率および防汚性のプラスチックが提案されてい
る。
パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートとアルコキ
シシラン基を有する単量体との共重合体を二酸化ケイ素
を主とする光学薄膜上に形成した光学物品が提案されて
いる。
防汚層における防汚材およびこれを用いた反射防止フィ
ルターは、付着した汚染物質を除去するために力強く拭
き取ったり水や有機溶剤などを用いて拭き取ると、防汚
性を発現する物質が除かれやすく、防汚性の永続性に乏
しい。本発明は以上のような従来技術の課題を解決しよ
うとするものであり、優れた防汚性かつその永続性を有
する防汚層が形成可能な防汚材およびこれを用いた反射
防止フィルターを提供する。
汚性のみならず、防汚性の永続性を有する防汚層につい
て鋭意検討を行った結果、シラン化合物、アクリルモノ
マ等、ジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキサ
イドが交互に繰り返し結合した直鎖状シリコーンおよび
パーフルオロアルキルシラザンを含んだコーテイング材
料を用いることで、防汚性とその永続性に優れた塗膜が
得られることを見いだした。
るように組成を選定することで、上記防汚特性を備えた
反射防止層の低屈折率最表層として利用可能であること
を見いだした。
記(A),(B),(C)成分のうち少なくとも一種
と、一般式R’O(C2 H4 O)a (C3 H6 O)b −
[−R−SiO(CH3 )2 −Si(CH3 )2 −RO
(C2 H4 O)a (C3 H6 O)b −]n −R’(a,
b, m, nは正の整数であり、分子量は1000〜10
0000、Si含有量は10〜90%である)で示され
るジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキサイド
が結合しており、結合したジメチルポリシロキサンとポ
リアルキレンオキサイド全体のうち90%以上の結合場
所で交互に繰り返し結合した直鎖状シリコーンを含有す
ることを特徴とする防汚材を提供するものである。 (A)一般式R1 a SiX4-a (R1 は、アルキル基、
アルケニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、
アミノ、メルカプト、メタクリロイルないしシアノで置
換された炭化水素基から選ばれた官能基を示し、Xは、
アルコキシル基、アルコキシルアルコキシ基、ハロゲン
原子ないしアシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な
基を示す。aは0〜2の整数。)で示されるシラン化合
物およびその加水分解物のうち少なくとも一種 (B)コロイダルシリカ (C)分子構造中にビニル基、アリル基及び(メタ)ア
クリル基のうちいずれかを2個以上含有するモノマー、
オリゴマーおよびポリマーのうち少なくとも一種
f−R2 Si(NH)3/2 (式中Rfは炭素数1〜10
のパーフルオロアルキル基、R2 は炭素数2〜10の2
価炭化水素基である。)で示されるフッ素シラン化合物
を含むことを特徴とする請求項1記載の防汚材を提供す
るものである。
記載の成分(B)を含み、硬化膜の屈折率が1.49以
下であることを特徴とする請求項1または2記載の防汚
材を提供するものである。
射防止層(単層もしくは複層よりなる)、請求項1〜3
何れか記載の防汚材が表面に層として形成されているこ
とを特徴とする反射防止フィルターを提供するものであ
る。
表層が請求項1〜3何れか記載の防汚材により形成され
ている反射防止層からなる反射防止フィルターを提供す
るものである。
汚材の組成およびそれを用いたに反射防止フィルター関
するものである。この防汚材の膜組成の大半を占める基
質を形成する成分、および防汚性を担う成分より構成さ
れる。
が、成膜方法としてはコーティングが代表的なものであ
る。以下、コーティングの場合を代表させて説明する。
載の重合性シラン化合物、コロイダルシリカおよび重合
性不飽和結合を有する有機化合物のうち少なくとも1種
類が用いられる。一般式R1 a SiX4-a (R1 は、ア
ルキル基、アルケニル基、アリル基、またはハロゲン、
エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリロイルないし
シアノで置換された炭化水素基から選ばれた官能基を示
し、Xは、アルコキシル基、アルコキシルアルコキシ
基、ハロゲン原子ないしアシルオキシ基から選ばれた加
水分解可能な基を示す。aは0〜2の整数。)で示され
る加水分解可能な重合性シラン化合物は、塗膜と基材と
の密着性を高めたり、塗膜構成要素中の有機成分と無機
成分をカップリングすることで、塗膜の機械的強度を向
上させることを主目的として用いられる。
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチ
ルシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメト
キシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシランが挙げられる。この重合性シ
ラン化合物は組成中、2〜30%、好ましくは5〜20
%である。2%未満であると十分な効果が得られず、3
0%以上添加しても効果が変わらない。
与するために用いることが可能である。コロイダルシリ
カを用いる場合、組成物中50%以下が好ましい。50
%以上では、塗膜の機械的強度の著しい低下が生じる。
塗膜に機械的強度を付与するために用いられる。例とし
てペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタアクリレート、ジペンタエレリスリ
トールヘキサアクリレート、ペンタエリエリスリトール
テトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート等が挙げられる。
のシリコーンおよび含フッ素化合物が用いられる。
O)b −[−R−SiO(CH3 ) 2 −Si(CH3 )
2 −RO(C2 H4 O)a (C3 H6 O)b −]n −
R’(a, b, m, nは正の整数であり、分子量は10
00〜100000、Si含有量は10〜90%であ
る)で示される分子構造中にビニル基、アリル基及び
(メタ)アクリル基のうちいずれかを2個以上含有する
モノマー、オリゴマーおよびポリマーのうち少なくとも
一種)のポリアルキレンオキサイド基含有シリコーン
は、塗膜に優れた撥水性、撥油性を付与するために用い
られる。
10重量%、好ましくは2重量%から5重量%である。
1重量%未満であると十分な防汚性が発現せず、10重
量%を越えると、塗膜の機械的強度が低下する。
(式中Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル
基、R2 は炭素数2〜10の2価炭化水素基である。)
で示されるパーフルオロアルキルシラザンは指紋拭き取
り性を向上させるために用いられる。
しくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。
あり、特にエチレン基、プロピレン基、フェニレン基が
好ましい。
ては、紫外線などの光線照射または熱反応などの公知の
方法が挙げられ、そのための光反応開始剤や熱重合開始
剤が添加されてもよい。
ヒドロキシシクロフェニルケトン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロ
パノン−1等のアセトフェノン系化合物が使用され、熱
重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート等のパーオキサイド系化合物;2−
2' −アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物が
使用される。光重合開始剤の添加量は、硬化物組成全体
の0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%
である。
は、工業的に使用されている通常の塗布方法を用いるこ
とができる。塗布方法としては、例えば、スピン塗装、
浸漬塗装、ロールコート塗装、グラビアコート塗装、カ
ーテンフロー塗装等が挙げられる。
〜10nmが好ましい。1nm未満では、十分な防汚性
は発現せず、10nmを越えると反射防止効果が低下す
るため好ましくない。但し、硬化膜を反射防止層の低屈
折率最表層として用いる場合は、90〜110nmが好
ましく、膜厚がこの範囲から外れるほど、反射防止効果
が低下する。
〜10nmが好ましい。1nm未満では、十分な防汚性
は発現せず、10nmを越えると反射防止効果が低下す
るため好ましくない。但し、硬化膜を反射防止層の低屈
折率最表層として用いる場合は、90〜110nmが好
ましく、膜厚がこの範囲から外れるほど、反射防止効果
が低下する。
場合は、反射防止層と別途設けられる反射防止層上の防
汚層という構成を採る事も可能だが、反射防止層の一部
としての低屈折率最表層として用いる事も可能である。
材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
トリアセチルセルロース(TAC)等が代表的なもので
あるが、これに限られない。また、反射防止層として
は、TiO2 、SiO2 等の酸化セラミックス薄膜積層
体等が代表的なものであるが、これに限られない。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
ーテイング組成物(1)を調整した。その組成物(1)
をハードコートしたトリアセチルセルロース(TAC)
基材にバーコータ(#3)を用いて塗工した後、高圧水
銀灯を用いてUV照射し硬化塗膜を得た。
化学工業) 50重量部 ・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(S
−710:チッソ)10重量部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アロニ
ックス450:東亞合成) 40重量部 ・R’O(C2 H4 O)a −[−R−[−SiO(CH
3 )2 −]m −Si(CH3 )2 −RO(C2 H4 O)
a −O−]n −R(Si含有量80%、a,b,mは正
の整数である)(FZ−2207:日本ユニカー株式会
社(製品名))5重量部 ・光重合開始剤(チバーガイギー:イルガキュア18
4) 2重量部 ・イソプロピルアルコール 3000重量部
ング組成物(1)にC8 F17C2 H4 Si(NH)3/2
(KP801M:信越化学)を5重量部加えコーテイン
グ組成物(2)を調整後、実施例1と同様の手順で硬化
させ塗膜を得た。
ング組成物(2)に含まれるシリコーンに替えて、Si
(CH3 )3 O−[−Si(CH3 )2 −O−]m −
[−Si(CH3 ){C3 H6 O(C2 H4 O)a (C
3 H6 O)b R−O−]n −Si(CH3 ) 3 (a,
b,m,nは正の整数である)(L−7604:日本ユ
ニカー)を5重量部加え、コーテイング組成物(3)を
調整後、実施例1と同様の手順で硬化させ塗膜を得た。
ング組成物(2)に含まれるシリコーンに替えて、HO
C2 H4 OC3 H6 −SiMe2 −[−O−Si(CH
3 )2 −]n −C 3 H6 OC2 H4 OH(平均分子量は
1000である)(サイラプレーンFM4411:チッ
ソ株式会社(製品名))を5重量部加え、コーテイング
組成物(4)を調整後、実施例1と同様の手順で硬化さ
せ塗膜を得た。上記の実施例、比較例において、各種物
性評価方法と結果を表1に示す。
A−X型:協和界面科学)を用いて、室温下で直径1.
0mmの液滴を針先に作り、これを塗膜表面に接触させ
て液滴を作った。このときに生ずる液滴と面との角度を
測定し接触角とした。
付着した油性ペン(No.500:マジックインキ)を
セルロース製不織布(ベンコットM−3:旭化成)で拭
き取り、その取れ易さを目視判定を行った。
繰り返し行い(5回および20回)防汚性の永続性につ
いて調べた。
付着させ、セルロース製不織布(ベンコットM−3:旭
化成)で拭き取り、その取れ易さを目視判定を行った。
い。
続性に優れた防汚層が形成される。また、本発明の防汚
材は、屈折率が低くなるように組成を選定することで、
上記防汚特性を備えた反射防止フィルター等では、低屈
折率層として反射防止層の最表層に用いることも可能で
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】下記(A),(B),(C)成分のうち少
なくとも一種と、一般式R’O(C 2 H4 O)a (C3
H6 O)b −[−R−SiO(CH3 )2 −Si(CH
3 ) 2 −RO(C2 H4 O)a (C3 H6 O)b −]n
−R’(a, b, m, nは正の整数であり、分子量は1
000〜100000、Si含有量は10〜90%であ
る)で示されるジメチルポリシロキサンとポリアルキレ
ンオキサイドが結合しており、結合したジメチルポリシ
ロキサンとポリアルキレンオキサイド全体のうち90%
以上の結合場所で交互に繰り返し結合した直鎖状シリコ
ーンを含有することを特徴とする防汚材。 (A)一般式R1 a SiX4-a (R1 は、アルキル基、
アルケニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、
アミノ、メルカプト、メタクリロイルないしシアノで置
換された炭化水素基から選ばれた官能基を示し、Xは、
アルコキシル基、アルコキシルアルコキシ基、ハロゲン
原子ないしアシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な
基を示す。aは0〜2の整数。)で示されるシラン化合
物およびその加水分解物のうち少なくとも一種 (B)コロイダルシリカ (C)分子構造中にビニル基、アリル基及び(メタ)ア
クリル基のうちいずれかを2個以上含有するモノマー、
オリゴマーおよびポリマーのうち少なくとも一種 - 【請求項2】一般式Rf−R2 Si(NH)3/2 (式中
Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、R2
は炭素数2〜10の2価炭化水素基である。)で示され
るフッ素シラン化合物を含むことを特徴とする請求項1
記載の防汚材。 - 【請求項3】請求項1記載の成分(B)を含み、硬化膜
の屈折率が1.49以下であることを特徴とする請求項
1または2記載の防汚材。 - 【請求項4】基材、反射防止層(単層もしくは複層より
なる)、請求項1〜3何れか記載の防汚材が表面に層と
して形成されていることを特徴とする反射防止フィルタ
ー。 - 【請求項5】基材、最表層が請求項1〜3何れか記載の
防汚材により形成されている反射防止層からなる反射防
止フィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11226400A JP2001049236A (ja) | 1999-08-10 | 1999-08-10 | 防汚材およびこれを用いた反射防止フィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11226400A JP2001049236A (ja) | 1999-08-10 | 1999-08-10 | 防汚材およびこれを用いた反射防止フィルター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001049236A true JP2001049236A (ja) | 2001-02-20 |
Family
ID=16844541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11226400A Pending JP2001049236A (ja) | 1999-08-10 | 1999-08-10 | 防汚材およびこれを用いた反射防止フィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2001049236A (ja) |
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JP2000034310A (ja) * | 1998-07-17 | 2000-02-02 | Toagosei Co Ltd | エマルションの製造方法 |
-
1999
- 1999-08-10 JP JP11226400A patent/JP2001049236A/ja active Pending
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