JPH0716830Y2 - ボードの取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ボードの取付け構造に関し、例えば屋内の水
周りのタイル壁仕上げ等に用いられるボードの取付け構
造に関する。

［従来の技術］ 従来、例えば屋内の浴室，便所，台所等のタイル仕上げ
の壁を設けるには、防水ボードを釘又はねじで間柱に取
付けた後、この防水ボードの表面にタイルを１枚づつ接
着したり、あるいは、水平方向に長尺な係止部材を間柱
に取付け、タイルを貼りつけたボードの裏側にこの係止
部材に係止する係止片を設けてボードを引っ掛けるよう
にしていた。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら上記した前者では小さなタイルを１枚づつ
貼りつけるのは多大な施工手間を要する欠点があった。
また、後者においても、係止部材の間柱への固定作業に
おいてどうしても位置や水平度に狂いが生じ、ホード裏
側に設けた係止片が正確に係止しないため上，下ボード
の接合部が密着せず、接合部のタイルの目地幅が狂って
しまう問題点があった。

本考案は上記問題点を解消するためになされたもので、
施工が簡単で、しかも上，下ボードの接合部を密着でき
て水平度を保つことができ、見栄えを良くできるボード
の取付け構造を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案のボード取付け構造は、ボード２の裏側の上，下
端2a,2b側に、断面ほぼＣ字状に成形されて上，下に係
止溝部3a,3bを有する第1,第２水平取付け枠3A,3Bの背面
が固定され、上記係止溝部3a,3bに嵌入する上，下の係
止爪4a,4bを介して上側の第１水平取付け枠3Aと下側の
第２水平取付け枠3Bにそれぞれ第１取付け片4Aと第２取
付け片4Bが水平方向にスライド可能に取付けられ、第１
取付け片4Aは、間柱１の左右の一方寄り側に位置され
て、かつ第１水平取付け枠3Aよりも上部方向に突出する
固定片６がねじ，釘等の止着部材５で間柱１に固定され
るとともに、上方向に突出する突子6b（または7b）を有
し、第２取付け片4Bは、間柱１の他方寄り側に位置され
て、かつ第２水平取付け枠3Bよりも下部方向に突出して
第１水平取付け枠3Aの裏側と間柱１との間に挿入され把
握されるとともに、下方向に突出して上記突子6b（また
は7b）における固定片６側に係止する突子8b（または9
b）を有する。

［作用］ 止着部材５を使用するのは第１取付け片4Aを間柱１に固
定するときだけである。取付け後は、第1,2取付け片4A,
4Bにおいて対応する突子が第２取付け片4Bの間柱外への
はずれを阻止する。

［考案の実施例］ 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第４図に基づい
て詳細に説明する。

各図において、壁下地としての間柱１に取付けられるボ
ード２の表面には工場であらかじめタイルが貼りつけら
れており、このボード２の裏側の上下端2a,2b側には、
断面ほぼＣ字状に成形されて上下に係止溝部3a,3bを有
する第1,第２水平取付け枠3A,3Bの背面側があらかじめ
工場で固定され出荷される。上側の第１水平取付け枠3A
と下側の第２水平取付け枠3Bには、同一形状の第１取付
け片4Aと第２取付け片4Bとが現場で取付けられる。各取
付け片4A,4Bは、上，下の係止爪4a,4bを第1,第２水平取
付け枠3A,3Bの係止溝部3a,3bに嵌入して、それぞれ第1,
第２水平取付け枠3A,3Bに水平方向にスライド可能に取
付けられる。尚、第１取付け片4Aの固定片６は第１水平
取付け枠3Aよりも上部方向に突出するよう、第２取付け
片4Bの保持片８は第２水平取付け枠3Bよりも下部方向に
突出するように取付けられる。上記第１取付け片4Aは、
間柱１の左右の一方寄り側に位置され、かつ第１水平取
付け枠3Aよりも上部方向に突出する固定片６がねじ，釘
等の止着部材５で間柱１に固定され、かつ固定片６の上
縁6a側に上方向に突出する突子6bを有するとともに、間
柱１の他方寄り側に位置する係止片７の上縁7a側に上方
向に突出する突子7bを備えている。また、上記第２取付
け片4Bは、間柱１の他方寄り側に位置される上記保持片
８が第１水平取付け枠3Aの裏側と間柱１との間に挿入さ
れ把握されるとともに、上記保持片８の下縁8aより下方
向に突出して、上記突子7bにおける固定片６側に係止す
る突子8bを有し、かつ上記間柱１の一方寄り側に位置す
る係止片９の下縁9aより下方向に突出して、上記突子6b
における保持片８とは反対側に係止する突子9bを備えて
いる。

また、上記爪4aの一端と、爪4bの他端に切欠き部4sが形
成され、これで第４図に示すように第1,第２取付け片4
A,4Bを横向きにして縦方向に回すことにより爪4a,4bを
係止溝部3a,3bに嵌入できる。このとき、係止片7,9にス
トッパ10が形成され、これが係止溝部3a,3bの上縁3tに
係止するので、第1,第２取付け片4A,4Bの反対方向への
回りが阻止される。

次に施工方法を説明する。まず、上，下端2a,2b側に共
に第１水平取付け枠3A,3Aが取付けられたボード2Uの当
該第１水平取付け枠3A,3Aに、固定片６が上側に突出す
るように第１取付け片4A,4Aを取付けて一番下の床側に
もってくる。そして下側の第１取付け片4Aは接着剤等で
間柱１に固定し、上側の第１取付け片4Aは止着部材５で
間柱１に固定する。一番下の床側のボード2Uのみこの方
法で間柱１に固定される。次に、上，下端2a,2b側にそ
れぞれ第１水平取付け枠3A及び第２水平取付け枠3Bが取
付けられたボード２の当該第１水平取付け枠3A及び第２
水平取付け枠3Bにそれぞれ第１取付け片4Aと第２取付け
片4Bを取付ける。このとき、第１取付け片4Aの固定片６
を上向きに、第２取付け片4Bの保持片８を下向きに取付
ける。そしてこのボード２を上記下側のボード2Uの上に
もってきて、下端側2bを下側のボード2Uの上端側2aと対
応させ、そして保持片８を上記下側のボード2Uの第１水
平取付け枠3Aの裏側と間柱１との間に挿入させながら、
当該ボード２の下縁と上記下側のボード2Uの上縁とを密
着させる。この時、あらかじめ第２取付け片4Bを横にス
ライドさせて間柱１の位置に合わせるとともに、下側の
ボード2Uの第１取付け片4Aと対応するよう（すなわち，
各突子同士が係合するように）位置決めしておく。そし
て上側のボード２の上端2a側の第１取付け片4Aを止着部
材５で間柱１に固定する。その後、上記手順でボード２
を順次下から上へと取付けていく。

上記実施例によれば、第１水平取付け枠3A側の第１取付
け片4Aのみを止着部材５で止着すればよく、第２取付け
片4Bは止着する必要がないので、作業が簡単となる。ま
た取付け後は、各突子が横方向のずれを阻止し、第２取
付け片4Bは間柱１の外にはずれないので、常に接合部の
密着力が保たれ、経時的にもボードの下端側が浮き上が
ってくるようなことはない。また、第1,第２取付け片4
A,4Bは第1,第２水平取付け枠3A,3Bの係止溝部3a,3b内を
スライドさせて間柱１の位置に合わすことができ、第２
取付け片4Bを、間柱１と第１水平取付け枠3Aの裏側と間
柱との間に挿入して落とし込むだけで上，下ボードの接
合部を密着させることができるので、接合部におけるタ
イルの目地幅及びボードの水平度が正確に保たれ、見栄
えの良いタイル壁となる。

尚、上記実施例によれば、第1,2取付け片4A,4Bにおいて
対応する突子を２組設けているが、１組であってもよ
い。

また、上記実施例では屋内の水周りのタイル壁に用いら
れるタイルを張りつけたボードを例にして説明したが、
本考案は、美感上，釘やねじ等の止着部材で表面側から
取付けることのできない種類のボード全般に適用でき
る。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、ボード２の裏側
の上，下端2a,2b側に、断面ほぼＣ字状に成形されて
上，下に係止溝部3a,3bを有する第1,第２水平取付け枠3
A,3Bの背面が固定され、上記係止溝部3a,3bに嵌入する
上，下の係止爪4a,4bを介して上側の第１水平取付け枠3
Aと下側の第２水平取付け枠3Bにそれぞれ第１取付け片4
Aと第２取付け片4Bが水平方向にスライド可能に取付け
られ、第１取付け片4Aは、間柱１の左右の一方寄り側に
位置されて、かつ第１水平取付け枠3Aよりも上部方向に
突出する固定片６がねじ，釘等の止着部材５で間柱１に
固定されるとともに、上方向に突出する突子6b（または
7b）を有し、第２取付け片4Bは、間柱１の他方寄り側に
位置されて、かつ第２水平取付け枠3Bよりも下部方向に
突出して第１水平取付け枠3Aの裏側と間柱１との間に挿
入され把握されるとともに、下方向に突出して上記突子
6b（または7b）における固定片６側に係止する突子8b
（または9b）を有するので、施工が簡単で、しかも上，
下ボードの接合部を密着できて水平度を保つことがで
き、見栄えの良いボードの取付け構造が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案によるボードの取付け構造
の一実施例を示し、第１図は全体構成斜視図、第２図は
取付け片の取付け要領図、第３図は要部内視図、第４図
は取付け片の係合状態を示す図である。 １……間柱、２……ボード、3A,3B……第1,第２水平取
付け枠、4A,4B……第1,第２取付け片、4a,4b……爪、５
……止着部材、６……固定片、6b,7b,8b,9b……突子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】間柱１にボード２を取付けるボードの取付
   け構造において、 ボード２の裏側の上，下端2a,2b側に、断面ほぼＣ字状
   に成形されて上，下に係止溝部3a,3bを有する第1,第２
   水平取付け枠3A,3Bの背面が固定され、 上記係止溝部3a,3bに嵌入する上，下の係止爪4a,4bを介
   して上側の第１水平取付け枠3Aと下側の第２水平取付け
   枠3Bにそれぞれ第１取付け片4Aと第２取付け片4Bが水平
   方向にスライド可能に取付けられ、 第１取付け片4Aは、間柱１の左右の一方寄り側に位置さ
   れて、かつ第１水平取付け枠3Aよりも上部方向に突出す
   る固定片６がねじ，釘等の止着部材５で間柱１に固定さ
   れるとともに、上方向に突出する突子6b（または7b）を
   有し、 第２取付け片4Bは、間柱１の他方寄り側に位置されて、
   かつ第２水平取付け枠3Bよりも下部方向に突出して第１
   水平取付け枠3Aの裏側と間柱１との間に挿入され把握さ
   れるとともに、下方向に突出して上記突子6b（または7
   b）における固定片６側に係止する突子8b（または9b）
   を有することを特徴とするボードの取付け構造。