JPH0716796Y2 - ワイヤの水滴飛散防止装置 - Google Patents
ワイヤの水滴飛散防止装置Info
- Publication number
- JPH0716796Y2 JPH0716796Y2 JP2791892U JP2791892U JPH0716796Y2 JP H0716796 Y2 JPH0716796 Y2 JP H0716796Y2 JP 2791892 U JP2791892 U JP 2791892U JP 2791892 U JP2791892 U JP 2791892U JP H0716796 Y2 JPH0716796 Y2 JP H0716796Y2
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- Japan
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- kelly
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- boom
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば、ビル等の基礎
工事に使用するアースドリル(掘削機)のケリーワイヤ
に付着したベントナイト液等、吊上げ用ワイヤに付着し
た水滴の飛散を防止するようにしたワイヤの水滴飛散防
止装置に関するものである。
工事に使用するアースドリル(掘削機)のケリーワイヤ
に付着したベントナイト液等、吊上げ用ワイヤに付着し
た水滴の飛散を防止するようにしたワイヤの水滴飛散防
止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アースドリルを使用して場所打ち鉄筋コ
ンクリート杭の造成する工法は、無騒音、無振動のアー
スドリル工法として知られており、且つ、ビル等の建築
現場において従来から広く実施されている。この工法に
使用されるアースドリルは、ウインチにより巻上げ、巻
戻されるケリーワイヤの先端にスイベルジョイントを介
して吊下したケリーバーの下端に掘削及び排土用のバケ
ット(ドリリングバケット)をセットし、ケリードライ
ブ装置によりバケットを回転させながら、所定深さずつ
地面を掘削穿孔し、掘削した土はその都度ワイヤの巻上
げによりケリーバー及びバケットを地上に持上げてダン
プトラック又は現場内に排土するようになっている。そ
して、バケットにより穴を掘りながら崩壊を防止するた
め穴の大きさに応じてベントナイト液を注入しつつ、地
層に合せて所定深さ(30m〜40m)の掘削を完了し
た後に、鉄筋籠及びトレミー管を建込み、さらに生コン
クリートを投入した後、検尺して終了するようになって
いる。
ンクリート杭の造成する工法は、無騒音、無振動のアー
スドリル工法として知られており、且つ、ビル等の建築
現場において従来から広く実施されている。この工法に
使用されるアースドリルは、ウインチにより巻上げ、巻
戻されるケリーワイヤの先端にスイベルジョイントを介
して吊下したケリーバーの下端に掘削及び排土用のバケ
ット(ドリリングバケット)をセットし、ケリードライ
ブ装置によりバケットを回転させながら、所定深さずつ
地面を掘削穿孔し、掘削した土はその都度ワイヤの巻上
げによりケリーバー及びバケットを地上に持上げてダン
プトラック又は現場内に排土するようになっている。そ
して、バケットにより穴を掘りながら崩壊を防止するた
め穴の大きさに応じてベントナイト液を注入しつつ、地
層に合せて所定深さ(30m〜40m)の掘削を完了し
た後に、鉄筋籠及びトレミー管を建込み、さらに生コン
クリートを投入した後、検尺して終了するようになって
いる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なアースドリル工法においては、次のような問題があ
る。すなわち、滑り摩擦が大きく捩れ溝を有するワイヤ
の特性から、ベントナイト液の粘性と相俟ってケリーワ
イヤの土中侵入部分にベントナイト液が付着滞留し易
く、ワイヤに付着したベントナイト液がケリーワイヤの
巻上げ、巻戻し時に地上で風やワイヤ自体の振動等によ
り飛散して(強風時には200m程飛散することもあ
る)周囲の人(通行人の洋服等)、物(隣接するビルの
壁や窓ガラス、看板、植木、自動車等)に付着すること
が多々あり、周辺住民等からの苦情に悩まされるもので
ある。特に、建築物が密集する場所や道路沿いの建築現
場においてこの傾向が強い。このベントナイト液は粘性
のあるしっくい状のもので、付着すると見苦しいばかり
でなく落ちにくい(洋服等に付着した場合は洗濯が効か
ない)ため、後日弁償等の問題も生ずる。そのため風が
強くなると作業途中でも中止を余儀なくされることもあ
り、一旦作業を中止すると、ダンプトラックや職人を途
中で返さなければならず、その費用が無駄になるばかり
でなく、工事が遅れる等種々の不都合が生じるものであ
る。勿論、工事現場の周囲を当初からシートで覆うこと
によりこの問題は解消されるが、更地の状態で行なう掘
削等の基礎工事中は周囲の枠組は未だ組まれておらず、
しかも、アースドリルのブームは地上から20m以上の
高さに達するため現場周囲をブーム上端までシートで覆
うことは実際上困難である。
なアースドリル工法においては、次のような問題があ
る。すなわち、滑り摩擦が大きく捩れ溝を有するワイヤ
の特性から、ベントナイト液の粘性と相俟ってケリーワ
イヤの土中侵入部分にベントナイト液が付着滞留し易
く、ワイヤに付着したベントナイト液がケリーワイヤの
巻上げ、巻戻し時に地上で風やワイヤ自体の振動等によ
り飛散して(強風時には200m程飛散することもあ
る)周囲の人(通行人の洋服等)、物(隣接するビルの
壁や窓ガラス、看板、植木、自動車等)に付着すること
が多々あり、周辺住民等からの苦情に悩まされるもので
ある。特に、建築物が密集する場所や道路沿いの建築現
場においてこの傾向が強い。このベントナイト液は粘性
のあるしっくい状のもので、付着すると見苦しいばかり
でなく落ちにくい(洋服等に付着した場合は洗濯が効か
ない)ため、後日弁償等の問題も生ずる。そのため風が
強くなると作業途中でも中止を余儀なくされることもあ
り、一旦作業を中止すると、ダンプトラックや職人を途
中で返さなければならず、その費用が無駄になるばかり
でなく、工事が遅れる等種々の不都合が生じるものであ
る。勿論、工事現場の周囲を当初からシートで覆うこと
によりこの問題は解消されるが、更地の状態で行なう掘
削等の基礎工事中は周囲の枠組は未だ組まれておらず、
しかも、アースドリルのブームは地上から20m以上の
高さに達するため現場周囲をブーム上端までシートで覆
うことは実際上困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案に係るワイヤの水
滴飛散防止装置は、上記のような実状に基いて創案され
たものであって、ケリーワイヤ等の吊上げ用ワイヤに遊
嵌する截頭円錐状の筒体を多数設け、これらの筒体を可
撓性部材を介し各筒体の小径側を隣接する他方の筒体の
大径側に出没自在に没入させた状態で夫々着脱自在に連
結して伸縮自在な連続状の覆い体を形成したことを要旨
とするものである。
滴飛散防止装置は、上記のような実状に基いて創案され
たものであって、ケリーワイヤ等の吊上げ用ワイヤに遊
嵌する截頭円錐状の筒体を多数設け、これらの筒体を可
撓性部材を介し各筒体の小径側を隣接する他方の筒体の
大径側に出没自在に没入させた状態で夫々着脱自在に連
結して伸縮自在な連続状の覆い体を形成したことを要旨
とするものである。
【0005】
【作用】本考案の覆い体を、筒体の大径側が上向きにな
るようにしてケリーワイヤに挿通し、覆い体の上端側を
アースドリルのブーム頂部に吊下げる。この状態で掘削
作業を開始すると、ケリーワイヤの外側が覆い体でカバ
ーされるため、ケリーワイヤの巻上げ・巻戻し時(バケ
ットによる掘削土の排出時)にケリーワイヤに付着した
ベントナイト液が地上で風やワイヤ自体の振動等で周囲
に吹飛ばさるのが防止され、ベントナイト液はワイヤか
らスイベルジョイント、次いでケリーバーを伝って元位
置に流落する。
るようにしてケリーワイヤに挿通し、覆い体の上端側を
アースドリルのブーム頂部に吊下げる。この状態で掘削
作業を開始すると、ケリーワイヤの外側が覆い体でカバ
ーされるため、ケリーワイヤの巻上げ・巻戻し時(バケ
ットによる掘削土の排出時)にケリーワイヤに付着した
ベントナイト液が地上で風やワイヤ自体の振動等で周囲
に吹飛ばさるのが防止され、ベントナイト液はワイヤか
らスイベルジョイント、次いでケリーバーを伝って元位
置に流落する。
【0006】
【実施例】本考案の構成を図面に示された一実施例によ
り説明すれば、1はアースドリルのケリーワイヤ2に対
し長手方向移動自在に遊嵌する截頭円錐状の筒体で、こ
の筒体1は金属、非鉄金属その他材質を問わないが、軽
量で破損しにくいもの、例えば合成樹脂により形成した
方が良い。筒体1の大径側端部にはフランジ部3が一体
的に形成されている。4はフランジ部3の外周面に所定
間隔を存して複数個設けた止め具で、実施例では上下2
段の止め具4,4をフランジ部3の外周に沿って4組設
けたものが例示されている。
り説明すれば、1はアースドリルのケリーワイヤ2に対
し長手方向移動自在に遊嵌する截頭円錐状の筒体で、こ
の筒体1は金属、非鉄金属その他材質を問わないが、軽
量で破損しにくいもの、例えば合成樹脂により形成した
方が良い。筒体1の大径側端部にはフランジ部3が一体
的に形成されている。4はフランジ部3の外周面に所定
間隔を存して複数個設けた止め具で、実施例では上下2
段の止め具4,4をフランジ部3の外周に沿って4組設
けたものが例示されている。
【0007】上記筒体1は可撓性部材5を介し各筒体の
小径側を隣接する他方の筒体1の大径側に出没自在に没
入させた状態で夫々着脱自在に多数連結されており、こ
れら連結された筒体1全体で伸縮自在且つ屈曲可能な連
続状の覆い体6が形成されている。連結する筒体1の個
数及び覆い体6の最大伸長時の長さは、ブーム高さ等を
考慮して適宜個数及び長さに選定される。上記可撓性部
材5は、各筒体1の連結部材であると共に、筒体小径側
端部を隣接する筒体の大径側開口部から抜出さないよう
にするストッパ作用をも果たすものであって、両端に前
記筒体1のフランジ部3に設けた止め具4に着脱自在に
係合する係合部5aを設けた小径ワイヤ(直径2〜3m
m)やチェン等からなり、この可撓性部材5により覆い
体6の最大伸長時でも隣接する筒体1相互間にはケリー
ワイヤ2に付着したベントナイト液等が筒体連結部の隙
間aから外部に逃げない程度の重なり代wが形成され、
また最大縮小時にはフランジ部3を除き筒体1の略全体
が隣接する他方の筒体1内に嵌入するようになってい
る。また、筒体1の下端部寄り内周面にはリング状のブ
ラシ9が固定されており、このブラシ9内をケリーワイ
ヤ2が通るようになっている。
小径側を隣接する他方の筒体1の大径側に出没自在に没
入させた状態で夫々着脱自在に多数連結されており、こ
れら連結された筒体1全体で伸縮自在且つ屈曲可能な連
続状の覆い体6が形成されている。連結する筒体1の個
数及び覆い体6の最大伸長時の長さは、ブーム高さ等を
考慮して適宜個数及び長さに選定される。上記可撓性部
材5は、各筒体1の連結部材であると共に、筒体小径側
端部を隣接する筒体の大径側開口部から抜出さないよう
にするストッパ作用をも果たすものであって、両端に前
記筒体1のフランジ部3に設けた止め具4に着脱自在に
係合する係合部5aを設けた小径ワイヤ(直径2〜3m
m)やチェン等からなり、この可撓性部材5により覆い
体6の最大伸長時でも隣接する筒体1相互間にはケリー
ワイヤ2に付着したベントナイト液等が筒体連結部の隙
間aから外部に逃げない程度の重なり代wが形成され、
また最大縮小時にはフランジ部3を除き筒体1の略全体
が隣接する他方の筒体1内に嵌入するようになってい
る。また、筒体1の下端部寄り内周面にはリング状のブ
ラシ9が固定されており、このブラシ9内をケリーワイ
ヤ2が通るようになっている。
【0008】筒体1の寸法、重なり代wの巾等は任意に
設定できるものであるが、例えば、筒体1の寸法は長さ
60cm、大径側端部の直径30cm、小径側端部の直
径5cm、重なり代wの巾10cmとする。なお、ブー
ムの後側のケリーワイヤ2(滑車とウインチ間)に装着
する覆い体6の各筒体1は、ワイヤ長が長くウインチ始
動時等におけるワイヤの振幅が大きいため、ブーム前側
のケリーワイヤ2(滑車とケリーバー間)に装着する覆
い体6の筒体1よりも小サイズのものを使用してもよ
い。
設定できるものであるが、例えば、筒体1の寸法は長さ
60cm、大径側端部の直径30cm、小径側端部の直
径5cm、重なり代wの巾10cmとする。なお、ブー
ムの後側のケリーワイヤ2(滑車とウインチ間)に装着
する覆い体6の各筒体1は、ワイヤ長が長くウインチ始
動時等におけるワイヤの振幅が大きいため、ブーム前側
のケリーワイヤ2(滑車とケリーバー間)に装着する覆
い体6の筒体1よりも小サイズのものを使用してもよ
い。
【0009】上記筒体1の外周面及び内周面には、滑り
易いよう樹脂コーティングを施したり、或は筒体1の下
端部にリング状のウエイト7を埋設したりしてもよい。
また、フランジ部3の下面又は上面側にスプリング8を
下向き突出状に設け、このスプリング8の弾発力により
覆い体6の伸長時における各筒体1の離れが一層スムー
ズに行われるようにしてもよい。
易いよう樹脂コーティングを施したり、或は筒体1の下
端部にリング状のウエイト7を埋設したりしてもよい。
また、フランジ部3の下面又は上面側にスプリング8を
下向き突出状に設け、このスプリング8の弾発力により
覆い体6の伸長時における各筒体1の離れが一層スムー
ズに行われるようにしてもよい。
【0010】10はアースドリル、11はブーム、1
2,12’はブーム11の上端に設けたケリーワイヤ吊
下用の滑車で、この滑車12,12’に吊下支持された
ケリーワイヤ2の基端側は本体13に装着されたウイン
チ14に止着され、ケリーワイヤ2の先端側にはスイベ
ルジョイント15を介してケリーバー16が連結されて
いる。17はケリードライブ装置、18はドリリングバ
ケット(バケット)、19はフロントフレーム、20は
ブーム起伏装置、21はペンダントロープ、22はペン
ダントロープ21の巻上げ用ウインチであり、これらア
ースドリル各部の構造及び機能は従来のものと同様であ
るが、ブーム11の上端側に覆い体巻込み防止用のスト
ッパ23を付設し、このストッパ23に覆い体6を吊下
げるようにしてもよい。
2,12’はブーム11の上端に設けたケリーワイヤ吊
下用の滑車で、この滑車12,12’に吊下支持された
ケリーワイヤ2の基端側は本体13に装着されたウイン
チ14に止着され、ケリーワイヤ2の先端側にはスイベ
ルジョイント15を介してケリーバー16が連結されて
いる。17はケリードライブ装置、18はドリリングバ
ケット(バケット)、19はフロントフレーム、20は
ブーム起伏装置、21はペンダントロープ、22はペン
ダントロープ21の巻上げ用ウインチであり、これらア
ースドリル各部の構造及び機能は従来のものと同様であ
るが、ブーム11の上端側に覆い体巻込み防止用のスト
ッパ23を付設し、このストッパ23に覆い体6を吊下
げるようにしてもよい。
【0011】上記の構成において、覆い体6を、筒体1
の大径側が上向きになるようにしてアースドリル10の
ブーム11上端の滑車12,12’を挟みケリーバー1
6側(前部側)とウインチ14側(後部側)の両側に位
置するケリーワイヤ2に別々に挿通すると共に、各覆い
体6の上端側を夫々ブーム11の頂部にワイヤ等の吊下
具24等を介して吊下げる。この状態でケリードライブ
装置17を始動させて慣行のアースドリル工法による掘
削作業を開始する。ところで、現場での掘削穿孔は、前
述するように、崩壊を防止するためベントナイト液bを
掘削穴cに注入しながらバケット18を回転させて所定
深さ(50cm〜1m)ずつ地面を掘削穿孔し(軟弱地
層の場合は30m〜40mの深度まで掘削を繰返す)、
掘削した土はその都度ケリ−ワイヤ2の巻上げによりケ
リーバー16及びバケット18を地上に持上げて待機中
のダンプトラック(図示せず)又は現場内に排土するも
のであるが、バケット18による掘削穴cが所定深さ以
上になると、ケリーバー16を釣っているケリーワイヤ
2も地中(掘削穴c)に没入するため、掘削土の排土の
際、ワイヤ表面にベントナイト液bが付着したままケリ
ーワイヤ2が巻上げ、巻戻される。しかし、ケリーワイ
ヤ2の外方は覆い体6で覆われているため、ワイヤ2に
付着したベントナイト液b等が風や振動(巻上げ初めの
ショックやウインチの速回し等でワイヤ2自体が横振す
る)等により地上で周囲に飛散するのが確実に防止され
る。そのため、風のため作業の中止を余儀なくされたり
現場の周囲を殊更シートで囲んだりする必要がなくなる
ばかりでなく、ワイヤ付着物の飛散を防止すべくワイヤ
2の巻上げ、巻戻し速度(通常ワイヤ30m巻上るのに
約1分、巻戻しに3〜4分)を遅くする等の配慮が不要
となり、ワイヤ2の巻上げ、巻戻しを極力スピードアッ
プすることが可能となる。また、ケリーワイヤ2の巻上
げ、巻戻しの都度ワイヤ2に付着のベントナイト液b等
は筒体1の下端部寄り内周面に設けたブラシ9によるス
クレーパ作用でできるだけ下方位置で除去されるので、
極めて好都合である。
の大径側が上向きになるようにしてアースドリル10の
ブーム11上端の滑車12,12’を挟みケリーバー1
6側(前部側)とウインチ14側(後部側)の両側に位
置するケリーワイヤ2に別々に挿通すると共に、各覆い
体6の上端側を夫々ブーム11の頂部にワイヤ等の吊下
具24等を介して吊下げる。この状態でケリードライブ
装置17を始動させて慣行のアースドリル工法による掘
削作業を開始する。ところで、現場での掘削穿孔は、前
述するように、崩壊を防止するためベントナイト液bを
掘削穴cに注入しながらバケット18を回転させて所定
深さ(50cm〜1m)ずつ地面を掘削穿孔し(軟弱地
層の場合は30m〜40mの深度まで掘削を繰返す)、
掘削した土はその都度ケリ−ワイヤ2の巻上げによりケ
リーバー16及びバケット18を地上に持上げて待機中
のダンプトラック(図示せず)又は現場内に排土するも
のであるが、バケット18による掘削穴cが所定深さ以
上になると、ケリーバー16を釣っているケリーワイヤ
2も地中(掘削穴c)に没入するため、掘削土の排土の
際、ワイヤ表面にベントナイト液bが付着したままケリ
ーワイヤ2が巻上げ、巻戻される。しかし、ケリーワイ
ヤ2の外方は覆い体6で覆われているため、ワイヤ2に
付着したベントナイト液b等が風や振動(巻上げ初めの
ショックやウインチの速回し等でワイヤ2自体が横振す
る)等により地上で周囲に飛散するのが確実に防止され
る。そのため、風のため作業の中止を余儀なくされたり
現場の周囲を殊更シートで囲んだりする必要がなくなる
ばかりでなく、ワイヤ付着物の飛散を防止すべくワイヤ
2の巻上げ、巻戻し速度(通常ワイヤ30m巻上るのに
約1分、巻戻しに3〜4分)を遅くする等の配慮が不要
となり、ワイヤ2の巻上げ、巻戻しを極力スピードアッ
プすることが可能となる。また、ケリーワイヤ2の巻上
げ、巻戻しの都度ワイヤ2に付着のベントナイト液b等
は筒体1の下端部寄り内周面に設けたブラシ9によるス
クレーパ作用でできるだけ下方位置で除去されるので、
極めて好都合である。
【0012】ところで、ケリーワイヤ2を巻上る際に
は、上動側ワイヤはブーム頂部のワイヤ吊下げ滑車12
とケリーバー16間のワイヤ間隔がワイヤ巻上げに伴っ
て順次短くなるが、覆い体6の最下端側の筒体小径部が
ケリーバー16の直上方に位置するスイベルジョイント
15に接当して最下端部の筒体1から順次押上げられる
ためワイヤ2の上動に伴って上位側の筒体1が下位側の
筒体内1に下方側から次々にフランジ部3を除き略全体
が没入した状態で覆い体6の全長がコンパクトに縮小す
る(図4及び図7参照)。この際、筒体1の上端にフラ
ンジ部3があるため隣接する筒体1同士が密嵌状に嵌合
することがなく、ワイヤ2の巻戻し時に各筒体1は上下
方向に円滑に離反する。逆に、巻戻し時には、各筒体1
は自重により順次下方に移動し元の姿勢に復帰するため
作業に支障をきたすことはない。一方、可動側ワイヤ
(滑車12’とウインチ14間のワイヤ)に装着された
覆い体6は下方にスイベルジョイントのような押上部材
がないので作業中伸縮せず自重により常時伸長状態に保
持される(図7参照)。また、各筒体1内にはケリーワ
イヤ2が貫通しているため各筒体1が乱りに側方へ振れ
たりブーム11や他の部材に接触するのが防止され、さ
らに、複数の筒体1が夫々独立して動くため、風が吹い
てもワイヤ2に絡まるようなことはない。また、筒体1
が合成樹脂製の場合は筒体1がワイヤ2等に接触しても
耳障りな摺擦音を発生することもない。
は、上動側ワイヤはブーム頂部のワイヤ吊下げ滑車12
とケリーバー16間のワイヤ間隔がワイヤ巻上げに伴っ
て順次短くなるが、覆い体6の最下端側の筒体小径部が
ケリーバー16の直上方に位置するスイベルジョイント
15に接当して最下端部の筒体1から順次押上げられる
ためワイヤ2の上動に伴って上位側の筒体1が下位側の
筒体内1に下方側から次々にフランジ部3を除き略全体
が没入した状態で覆い体6の全長がコンパクトに縮小す
る(図4及び図7参照)。この際、筒体1の上端にフラ
ンジ部3があるため隣接する筒体1同士が密嵌状に嵌合
することがなく、ワイヤ2の巻戻し時に各筒体1は上下
方向に円滑に離反する。逆に、巻戻し時には、各筒体1
は自重により順次下方に移動し元の姿勢に復帰するため
作業に支障をきたすことはない。一方、可動側ワイヤ
(滑車12’とウインチ14間のワイヤ)に装着された
覆い体6は下方にスイベルジョイントのような押上部材
がないので作業中伸縮せず自重により常時伸長状態に保
持される(図7参照)。また、各筒体1内にはケリーワ
イヤ2が貫通しているため各筒体1が乱りに側方へ振れ
たりブーム11や他の部材に接触するのが防止され、さ
らに、複数の筒体1が夫々独立して動くため、風が吹い
てもワイヤ2に絡まるようなことはない。また、筒体1
が合成樹脂製の場合は筒体1がワイヤ2等に接触しても
耳障りな摺擦音を発生することもない。
【0013】なお、覆い体6をケリーバー16の部分ま
でかぶせると、上下時の動き(ケリーバー16やバケッ
ト18の位置関係等)がオペレータ位置から分りにく
く、作業の正確さが犠牲となる恐れがあるが、覆い体6
はケリーバー16の上方に位置するのでかかる不都合は
ないばかりか、覆い体6の伸縮度合によりオペレータ位
置からケリーバー16の高さ、位置関係等を一層容易に
判断できる利点がある。
でかぶせると、上下時の動き(ケリーバー16やバケッ
ト18の位置関係等)がオペレータ位置から分りにく
く、作業の正確さが犠牲となる恐れがあるが、覆い体6
はケリーバー16の上方に位置するのでかかる不都合は
ないばかりか、覆い体6の伸縮度合によりオペレータ位
置からケリーバー16の高さ、位置関係等を一層容易に
判断できる利点がある。
【0014】さらに、覆い体6は筒体1を増減すること
により必要に応じて長さを簡単に変えることができ、ま
た、筒体1単体の交換も容易にできるうえ、取付け取外
しが簡単で、各筒体1を嵌合状態でコンパクトに収納で
きるので保管や運搬が容易である。
により必要に応じて長さを簡単に変えることができ、ま
た、筒体1単体の交換も容易にできるうえ、取付け取外
しが簡単で、各筒体1を嵌合状態でコンパクトに収納で
きるので保管や運搬が容易である。
【0015】なお、上記本実施例では、本考案をアース
ドリル14のケリーワイヤ2に装着したものについて説
明したが、本考案はケリーワイヤ2以外の吊上げ用ワイ
ヤにも装着することができる。
ドリル14のケリーワイヤ2に装着したものについて説
明したが、本考案はケリーワイヤ2以外の吊上げ用ワイ
ヤにも装着することができる。
【0016】
【考案の効果】本考案は、上記のように構成したので、
ケリーワイヤ等の吊上げ用ワイヤの外側が覆い体でカバ
ーされるため、ベントナイト液等のワイヤへの付着物が
ワイヤの巻上げ・巻戻し時に地上で風やワイヤ自体の振
動等で周囲に吹飛ばさるのを確実に防止することがで
き、そのため、風のため作業の中止を余儀なくされたり
現場の周囲を殊更シートで囲んだりする必要がなくなる
ばかりでなく、ワイヤの巻上げ巻戻し速度を極力速くす
ることが可能となるので作業能率を大巾に高めることが
できる。また、作業中、覆い体を構成する複数の筒体が
夫々独立して動くため、覆い体がワイヤに絡まるのを未
然に防止することができるうえ、覆い体は筒体を増減す
ることにより必要に応じて長さを簡単に変えることがで
き、しかも、筒体は単体の交換が容易にできるうえ、取
付け取外しが簡単で、各筒体を嵌合状態でコンパクトに
収納できるので保管や運搬が容易である等構造簡単なも
のでありながら極めて有用な実用的効果がある。
ケリーワイヤ等の吊上げ用ワイヤの外側が覆い体でカバ
ーされるため、ベントナイト液等のワイヤへの付着物が
ワイヤの巻上げ・巻戻し時に地上で風やワイヤ自体の振
動等で周囲に吹飛ばさるのを確実に防止することがで
き、そのため、風のため作業の中止を余儀なくされたり
現場の周囲を殊更シートで囲んだりする必要がなくなる
ばかりでなく、ワイヤの巻上げ巻戻し速度を極力速くす
ることが可能となるので作業能率を大巾に高めることが
できる。また、作業中、覆い体を構成する複数の筒体が
夫々独立して動くため、覆い体がワイヤに絡まるのを未
然に防止することができるうえ、覆い体は筒体を増減す
ることにより必要に応じて長さを簡単に変えることがで
き、しかも、筒体は単体の交換が容易にできるうえ、取
付け取外しが簡単で、各筒体を嵌合状態でコンパクトに
収納できるので保管や運搬が容易である等構造簡単なも
のでありながら極めて有用な実用的効果がある。
【図1】覆い体を構成する筒体の斜視図である。
【図2】要部の斜視図である。
【図3】ケリーワイヤとケリーバーの連結部の正面図で
ある。
ある。
【図4】筒体のフランジ部下面にスプリングを突設した
例の正面図である。
例の正面図である。
【図5】可撓性部材をワイヤで構成した例の側面図であ
る。
る。
【図6】可撓性部材をチェンで構成した例の側面図であ
る。
る。
【図7】バケット上昇時におけるアースドリルの全体側
面図である。
面図である。
【図8】掘削時におけるアースドリルの部分側面図であ
る。
る。
1 筒体 2 ケリーワイヤ 3 フランジ部 4 止め具 5 可撓性部材 6 覆い体 9 ブラシ b ベントナイト液 c 掘削穴
Claims (1)
- 【請求項1】 ケリーワイヤ等の吊上げ用ワイヤに遊嵌
する截頭円錐状の筒体を多数設け、これらの筒体を可撓
性部材を介し各筒体の小径側を隣接する他方の筒体の大
径側に出没自在に没入させた状態で夫々着脱自在に連結
して伸縮自在な連続状の覆い体を形成したことを特徴と
するワイヤの水滴飛散防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2791892U JPH0716796Y2 (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | ワイヤの水滴飛散防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2791892U JPH0716796Y2 (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | ワイヤの水滴飛散防止装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0618492U JPH0618492U (ja) | 1994-03-11 |
JPH0716796Y2 true JPH0716796Y2 (ja) | 1995-04-19 |
Family
ID=12234269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2791892U Expired - Lifetime JPH0716796Y2 (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | ワイヤの水滴飛散防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0716796Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5790982B2 (ja) * | 2010-08-30 | 2015-10-07 | 株式会社テノックス | 水硬性固化材液の垂れ受け装置および該装置を用いた水硬性固化材液置換コラムの施工方法 |
JP6149236B2 (ja) * | 2011-08-25 | 2017-06-21 | 株式会社日本住宅保証検査機構 | 水硬性固化材液置換コラム築造用掘削ロッドの掘削ヘッド及び掘削装置 |
JP7160569B2 (ja) * | 2018-06-12 | 2022-10-25 | 丸藤シートパイル株式会社 | 泥水飛散防止用治具及び掘削システム |
-
1992
- 1992-04-01 JP JP2791892U patent/JPH0716796Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0618492U (ja) | 1994-03-11 |
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