JP3293796B2 - 杭打ち装置 - Google Patents

杭打ち装置

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JP3293796B2
JP3293796B2 JP08650599A JP8650599A JP3293796B2 JP 3293796 B2 JP3293796 B2 JP 3293796B2 JP 08650599 A JP08650599 A JP 08650599A JP 8650599 A JP8650599 A JP 8650599A JP 3293796 B2 JP3293796 B2 JP 3293796B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、杭打ち装置に係り、特に、オー
ガによる掘削穴内の所定位置に、杭を正確に建て込むこ
との出来る、杭打ち装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】よく知られているように、従来から、建築
物や土木構造物の建設工事においては、その基礎工事の
一環として、地盤の所定位置に既製コンクリート杭や鋼
杭等の杭を、建て込み乃至は打ち込み等により埋設せし
める、杭地業工事が行なわれている。そして、そのよう
な杭地業工事において用いられる工法として提案されて
いる各種の手法のうちの一つに、オーガによる掘削にて
予め形成された掘削穴(縦孔)の先端に、根固め液とし
てのセメントミルクを注入して、杭を建て込む、所謂、
セメントミルク工法がある。
【0003】ところで、このようなセメントミルク工法
を用いた杭地業工事において、掘削穴内に杭を建て込む
に際しては、通常、杭打ち装置が用いられるのである
が、これまでに、その杭打ち装置としては、下部におい
て杭の上部の固定が可能とされたヤットコと、地盤に対
して上下方向(鉛直方向)に延びる状態において立設さ
れるリーダ(櫓)とを有すると共に、下部に杭が固定さ
れた前記ヤットコを吊り下げて、かかるリーダに沿って
下降せしめることにより、所定の掘削穴内に杭を建て込
むことが出来るようにした杭打ち装置が、知られてい
る。而して、この杭打ち装置は、杭と共にヤットコを掘
削穴内に挿入せしめることによって、杭の上面が地表面
より低くなる深さにおいて、杭を建て込むことが可能で
あるという特徴を有しているところから、特に、杭をそ
のような深さにおいて建て込むに際して、広く用いられ
ているのであるが、そのような杭打ち装置にあっては、
重大な問題を内在するものであった。
【0004】すなわち、上述せる如きセメントミルク工
法にて杭地業工事を実施するに際しては、建設大臣から
の通達により、オーガによる掘削穴の内径を、建て込む
杭の外径(杭径)よりも所定量だけ大きく為すと共に、
かかる掘削穴に対して杭を同心的に建て込むことが要請
され、そのために、掘削穴の側壁面と杭の外周面との間
において、その周方向の全体に亘って、セメントミルク
が均等に導入せしめられるように、杭を建て込むことが
必要とされるのであるが、前述の如き杭打ち装置にあっ
ては、ヤットコが、単に、ワイヤにて吊り下げられてい
るだけのものであるところから、建て込み作業に伴っ
て、ヤットコが振り子の如く揺動することは避けられ
ず、従って、そのようなヤットコの下部に固定された杭
は、その軸方向が掘削穴の軸方向に対して傾斜した状態
や、その中心が掘削穴の中心から偏倚した状態におい
て、建て込まれることとなり、それによって、セメント
ミルクが杭の周囲において均一に導入され得なくなった
り、或いはまた、掘削穴の側壁の崩壊が惹起されること
となるため、杭の所要の支持力、ひいては建築物や土木
構造物の耐久性や耐震性等を、充分に確保し得なくなる
等といった問題があったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、特に、セメントミルク工法による杭地業工事に
おいて、杭の建て込み作業に用いられて、オーガによる
掘削穴内の所定位置に、杭を正確に建て込むことが出来
る、杭打ち装置を提供することにある。
【0006】
【解決手段】そして、本発明にあっては、そのような課
題を解決するために、吊り下げられたヤットコをリーダ
に沿って下降せしめることにより、該ヤットコの下部に
固設した杭固定キャップに上部が嵌め込まれてなる杭
を、オーガによる掘削穴内に建て込む杭打ち装置におい
て、前記ヤットコ及び前記リーダの双方にガイド部材を
上下方向に延びるように設けると共に、それら双方のガ
イド部材にそれぞれ嵌合して上下方向に移動可能な係合
部材を設け、前記ヤットコが該係合部材にて前記リーダ
に対して連結された状態下において該ガイド部材による
案内によって上下方向に案内されるようにしたことを特
徴とする杭打ち装置を、その要旨とするものである。
【0007】すなわち、この本発明に従う杭打ち装置に
あっては、ヤットコ及びリーダの双方において、上下方
向に延びるようにして設けられたガイド部材のそれぞれ
に対して、係合部材が上下方向に移動可能に嵌合されて
おり、それによって、ヤットコは、係合部材を介してリ
ーダに連結せしめられた状態下において、上下方向に案
内されるようになっているのである。要するに、本発明
装置にあっては、ヤットコは、リーダに対して、上下方
向(鉛直方向)においては移動可能とされる一方、水平
方向においては変位しないようにされるのであり、よっ
て、ヤットコを、何等揺動させることなく、リーダに沿
って正確に上昇・下降せしめることが出来るという特徴
を発揮するものである。
【0008】従って、このような本発明に従う杭打ち装
置を、例えば、セメントミルク工法による杭地業工事に
おける杭の建て込み作業において用いれば、ヤットコの
下部の杭固定キャップに嵌め込まれた杭は、杭径よりも
大きな内径を有してなる、オーガによる掘削穴の中心軸
に対して、傾斜乃至は偏倚することなく、掘削穴内の所
定位置に、正確に建て込まれることとなるのである。そ
して、それによって、掘削穴の側壁面と杭の外周面との
間において、その周方向の全体に亘って、セメントミル
クが均等に導入され得、また、掘削穴の側壁の崩壊が良
好に防止され得るのであって、以て、杭の有効な支持力
を充分に確保することが出来、その結果として、建築物
や土木構造物といった上部構造において、優れた耐久
性、耐震性等を実現することが可能となるのである。
【0009】なお、かくの如き本発明に従う杭打ち装置
において、有利には、前記ガイド部材は、前記ヤットコ
及び前記リーダのそれぞれに2本ずつ設けられる一方、
それらヤットコ側の2本のガイド部材及びリーダ側の2
本のガイド部材に対して、それぞれ、前記係合部材が離
脱しないように摺動可能に係合せしめられることが、好
ましい。このような構成によれば、ヤットコ側及びリー
ダ側にそれぞれ設けられたガイド部材に対して、係合部
材が離脱することなく、より確実に係合せしめられると
ころから、ヤットコは係合部材を介してより良好な連結
状態をもってリーダに連結せしめられるのであり、しか
も、そのような連結状態下にあっても、係合部材はガイ
ド部材に対して摺動可能とされるところから、ヤットコ
は、より正確に案内され得ることとなり、従って、杭
を、より一層正しい位置において、掘削穴内に建て込む
ことが、可能となるのである。
【0010】また、本発明に従う杭打ち装置における望
ましい態様の一つによれば、前記リーダ側に設けたガイ
ド部材は、その下端においてストッパ部材にて支持され
て、該ストッパ部材にて前記係合部材の下降を阻止せし
めた状態下において、前記ヤットコが該リーダに沿って
下降せしめられ得るように構成される。即ち、係合部材
がリーダの下端まで下降する場合にあっても、そのよう
な構成のストッパ部材によって、係合部材のそれ以上の
下降が阻止されるため、係合部材のリーダ側ガイド部材
からの離脱が、効果的に防止され得るのである。また、
かくの如く係合部材の下降が阻止されることにより、係
合部材はリーダに対して位置固定せしめられる一方、係
合部材のヤットコ側ガイド部材に対する嵌合状態は維持
されて、ヤットコの更なる下降が許容されるところか
ら、例えば、杭を、その上面が地表面よりも低くなるよ
うに建て込むために、ヤットコを下降せしめて掘削穴内
に挿入せしめるような場合にあっても、求められる杭の
建て込み深さ(埋設深さ)に応じてヤットコ側ガイド部
材の長さ等を適宜に設定することによって、ガイド部材
によるヤットコの案内が有利に確保され得て、以て、正
確な杭の建て込みが、建て込み深さ(埋設深さ)に影響
されることなく、実施され得ることとなる。
【0011】さらに、本発明に従う杭打ち装置における
他の望ましい態様の一つによれば、前記ヤットコ側に設
けたガイド部材は、その下端において前記杭固定キャッ
プに取り付けられて、該ヤットコの上昇に際して前記係
合部材が該杭固定キャップに当接支持されて上昇せしめ
られるように構成されるのであり、これによって、例え
ば、建て込み作業終了後において、ヤットコを引き抜く
ためにヤットコを上昇せしめるような場合に、係合部材
がヤットコ側ガイド部材の下端から離脱してしまうよう
なことが、効果的に回避され得るのであり、また、その
ような有効な機能を奏するストッパ部材が、杭固定キャ
ップを利用して構成されているところから、構造の簡略
化と製造コストの低減とが、有利に達成され得るのであ
る。
【0012】なお、本発明においては、上述の如きスト
ッパ部材による係合部材の下降阻止構造及び、杭固定キ
ャップによる係合部材の当接支持構造のうちの何れか一
方を採用することも、勿論可能であるが、有利には、そ
れらの構成の両方を採用することが、より好ましい。
【0013】そして、本発明の好ましい態様の一つにお
いては、前記リーダの上部からハンマが吊り下げられる
一方、前記ヤットコが該ハンマから吊り下げられて、該
ヤットコに対する該ハンマの接近・当接により、該ヤッ
トコが下方に押圧され或いは打ち込まれるように構成さ
れるのである。このような構成を採用すれば、ヤットコ
の押圧乃至は打ち込みに従って、その下部の杭固定キャ
ップに嵌め込まれた杭は、地盤中に圧入乃至は貫入され
ることとなるのであって、それ故に、上述の如き有効な
効果と、そのような杭の圧入又は貫入による杭の支持強
度の向上効果が相乗的に発現され得て、以て、上部構造
において、極めて優れた耐久性、耐震性等を発揮し得る
こととなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に明らかにする
ために、本発明に係る杭打ち装置の具体的構成につい
て、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0015】先ず、図1には、本発明に従う杭打ち装置
の一具体例が、概略的に示されている。そこにおいて、
杭打ち装置10は、クレーンブーム12を備えたベース
マシン14と、クレーンブーム12の上端にて上部部位
が支承されたリーダ16と、該リーダ16の上部から吊
り下げられたハンマ18と、該ハンマ18から吊り下げ
られたヤットコ20とを含んで構成されており、セメン
トミルク工法による杭地業工事において、既製コンクリ
ート杭、鋼杭等の所定の杭を、オーガによる掘削にて予
め形成された、杭径よりも所定量大きい内径の掘削穴
(縦孔)内に建て込み、更に必要に応じて、ハンマ18
により杭の貫入乃至は圧入を行なうに際して、用いられ
るものである。なお、以下の説明中、上下方向とは、図
1及び後述する図2、図5中の上下方向を意味するもの
であって、また、それは、地盤に対する鉛直方向を示し
ている。
【0016】より詳細には、ベースマシン14は、クロ
ーラ式の下部走行体22と、該下部走行体22上に、水
平方向(図1中、Aにて示される方向)において旋回駆
動可能に配設された上部旋回体24を有して構成されて
おり、この上部旋回体24に設けられた運転席におい
て、作業者が所定の操作を行なうことにより、所望の杭
の建て込み作業を実施することが出来るようになってい
る。また、上部旋回体24には、クレーンブーム12
が、斜め上方に直線的に延びるようにして、図1中、B
にて示す方向で旋回可能に取り付けられており、それに
よって、クレーンブーム12は、前記方向:Bにおいて
は、ブームシリンダ26の駆動により旋回駆動せしめら
れると共に、水平方向においては、上部旋回体24の旋
回駆動により該上部旋回体24と一体的に旋回せしめら
れ得るようになっている。更にまた、上部旋回体24に
は、2つのウインチ(図示せず)が備えられており、ハ
ンマ18及び目的とする杭を、それぞれ、吊るためのワ
イヤ28、30の一端が、それぞれのウインチの巻胴に
固定されることにより、それらワイヤ28、30を各別
に巻き上げ又は送り出しすることが出来るようになって
いる。
【0017】また、そのようなクレーンブーム12の上
端には、リーダ16の上部部位が連結せしめられてい
る。即ち、図1〜4に示されるように、リーダ16は、
所定長さをもって直線的に延びる略矩形筒形状を呈して
なるものであって、その上部部位が、クレーンブーム1
2の上端に備えられた連結部32に連結されており、そ
れによって、リーダ16は、クレーンブーム12にて支
承せしめられて、地盤に対して立設されている。また、
このリーダ16は、その下端部位においても、ベースマ
シン14の上部旋回体24に設けられたリーダ支持アー
ム34によって、支持されており、リーダ16の支持安
定性の向上が図られている。要するに、クレーンブーム
12及びリーダ支持アーム34にて支承乃至は支持され
たリーダ16は、下部走行体22の駆動により、ベース
マシン14と一体的に移動せしめられる一方、上部旋回
体24の水平方向(前記方向:A)における旋回駆動に
より、上部旋回体24及びクレーンブーム12と一体的
に旋回せしめられると共に、クレーンブーム12の前記
方向:Bにおける旋回駆動によって、上昇・下降せしめ
られ得るようになっており、更にまた、それらの駆動を
実施しない場合は、極めて安定的に立設され得るように
なっているのである。なお、本実施形態において、クレ
ーンブーム12の連結部32及びリーダ支持アーム34
にあっては、リーダ16を鉛直方向に立設し得る構造を
有していると共に、鉛直方向に対して傾斜した状態にお
いても立設し得る構造をもって、構成されている。
【0018】さらに、リーダ16を構成する側壁におい
ては、そのうちの一つが、段付部36により小幅とされ
た小幅部38を有する段付形状とされており、リーダ1
6の下端における該段付部36の周辺部位において、図
2〜4に示される如き一対のストッパ金具40,40
が、小幅部38の幅方向で互いに対向位置して、リーダ
16の側壁に固定されている。
【0019】そこにおいて、ストッパ金具40は、略平
板形状を呈する所定の厚さの金属板にて構成されるもの
であって、前記段付部36に対応する形状の支持部42
が設けられている一方、該支持部42において、後述す
るガイド部材としてのリーダ側ガイドパイプ44の外周
形状に対応した略半円形状をもって中心軸方向に延び
る、支持孔46が貫設されており、かかる支持孔46の
内周面によって、該リーダ側ガイドパイプ44の外周面
を支持し得るようになっている。また、ストッパ金具4
0には、ボルト挿通孔が2つ貫設されており、それらボ
ルト挿通孔に取付ボルト48が挿通されて、その先端が
リーダ16に設けられた螺子孔に螺入せしめられること
により、ストッパ金具40がリーダ16に対して、充分
な強度をもって固定されている。なお、かくの如きスト
ッパ金具40の固定により、その支持部42における支
持孔46の軸方向が、リーダ16の上下方向とされると
共に、該支持孔46の内周面が、段付部36とは対向し
ないようにされて、リーダ側ガイドパイプ44の配設が
可能となっている。更に、ストッパ金具40の一方の側
面(リーダ16に対する固定面と反対側)には、2つの
顎片50,50が突出形成されており、ストッパ金具4
0の強度が充分に確保されている。
【0020】そして、本発明においては、この一対のス
トッパ金具40,40によって、2本のリーダ側ガイド
パイプ44,44が、各別に支持されて、リーダ16に
固設されているのである。具体的には、リーダ側ガイド
パイプ44,44のそれぞれは、所定太さとリーダ16
よりも短い長さをもって直線状に延びる金属製のパイプ
にて構成されるものであって、その下端部の外周面が該
ストッパ金具40の支持孔46にて支持されて、固定さ
れることにより、リーダ16における前記段付形状とさ
れた側壁に沿って、その長手方向に延出せしめられてい
る。換言すれば、リーダ側ガイドパイプ44,44の各
々は、軸直角方向で互いに所定距離だけ離間し且つ上下
方向で互いに平行に延びる形態において、リーダ16に
固設されているのである。なお、かくの如く配設される
リーダ側ガイドパイプ44,44にあっては、ストッパ
金具40,40による支持に加えて、更に、前記小幅部
38の両隅部において、その長手方向で所定距離をおい
て間欠的に溶接せしめられることにより、リーダ16に
対してより堅固に固定されている。
【0021】一方、本実施形態においては、前記一端が
ウインチにて固定されたワイヤ28は、クレーンブーム
12により支持されて、クレーンブーム12の長手方向
に沿って延び、更にリーダ16の上部に備えられた複数
の滑車52に掛けられることによって、リーダ16の上
部から垂れ下がっている。そして、その垂れ下がったワ
イヤ28の他端に、円柱形状を呈して、所定の重量を有
する金属製のハンマ18が取り付けられて、リーダ16
の上部から吊り下げられているのであり、ウインチの巻
き上げ・送り出し作動により、かかるハンマ18をリー
ダ16に沿って上昇・下降せしめることが可能となって
いる。なお、ここでは、更に、そのようなウインチに設
けられたクラッチを外すことによって、ハンマ18が、
リーダ16に沿って自由落下せしめられ得るようにもな
っている。更にまた、目的とする杭を吊るためのワイヤ
30も、また、前記ワイヤ28と同様にして、リーダ1
6の上部から垂れ下がった状態とされていると共に、そ
の先端(ウインチに対する固定端とは反対側)において
杭を固定し得るようになっており、以て、ワイヤ30の
一端が固定されたウインチの作動によって、杭を吊り上
げることが、可能となっている。
【0022】そして、そのようなリーダ16の上部から
吊り下げられたハンマ18にて、更に、ヤットコ20が
ワイヤ56を介して吊り下げられている。このヤットコ
20は、図1〜3及び図5において示されるように、所
定の長さ及び太さを有する厚肉の鋼管にて構成されるも
のであって、その上端面から所定長さだけ下方に位置す
る部位において、ハンマ18の上部に固定された2本の
ワイヤ56,56にて、長手方向が上下方向となるよう
にして軸直角方向両側から支持されることによって、ハ
ンマ18とは軸方向に充分に離間して、吊り下げられて
おり、ハンマ18の上昇・下降に追従して、該ヤットコ
20も、また、昇降せしめられ得るようになっている。
【0023】また、ヤットコ20の下端には、円筒形状
の杭嵌入部60と該杭嵌入部60の上面を覆蓋する円盤
状の蓋部62とからなる、金属製の杭固定キャップ58
が、同軸的に固設されている。かかる杭固定キャップ5
8にあっては、杭嵌入部60の内孔64を下方に開口せ
しめた状態で、蓋部62の上面において、ヤットコ20
の下端面に固定されており、図5において仮想線にて示
される如く、内孔64において、目的とする杭63の上
部を嵌め込むことが出来るように構成されている。
【0024】なお、本実施形態においては、杭固定キャ
ップ58における杭嵌入部60(内孔64)の内径寸法
は、杭63の外径寸法よりも僅かに大きくされており、
従って、杭63は、軸直角方向には実質的に移動不能と
される一方、軸方向への移動は許容された状態におい
て、杭固定キャップ58に同心的に嵌め込まれるように
なっている。また一方、杭固定キャップ58(杭嵌入部
60及び蓋部62)の外径寸法は、ヤットコ20の太さ
よりも大きく、また、杭径よりも所定量だけ大とされる
掘削穴の内径(即ち、オーガ径)と略同じとなるように
設定されおり、掘削穴内への杭固定キャップ58及びヤ
ットコ20の挿入が可能となっていると共に、掘削穴と
杭固定キャップ58(ヤットコ20)との心合わせが、
容易に且つ正確に為され得るようになっている。要する
に、本実施形態の杭固定キャップ58にあっては、その
ような特定の内径寸法と外径寸法とを共に有してなるも
のであるところから、ヤットコ20を、その下部の杭固
定キャップ58に杭63を嵌め込んだ状態において、掘
削穴内に挿入する場合には、杭嵌入部60が、その周方
向全体に亘って、掘削穴の側壁面と杭63の外周面との
間で挟み込まれた状態となり、以て、杭63が掘削穴に
対して同心的に挿入されることとなるのである。
【0025】さらに、杭嵌入部60の内孔64において
は、木等にて構成された緩衝材66が、蓋部62の下面
に重ね合わされて、嵌合固定せしめられており、ハンマ
18による杭63の貫入作業において、杭63に対する
衝撃を適度に緩和して、杭63の破壊を効果的に防止し
得るようになっている。また、杭嵌入部60において
は、杭63を内孔64に嵌め込む作業を容易と為すため
に、その下端部68が、下方に向かうに従って、軸直角
方向外方に拡開してなるテーパ形状とされているのであ
る。
【0026】更にまた、杭打ち装置10においては、そ
のような構成のヤットコ20に対して、ガイド部材とし
ての2本のヤットコ側ガイドパイプ70,70が、取り
付けられている。即ち、ヤットコ側ガイドパイプ70
は、前記リーダ側ガイドパイプ44と同じ太さをもって
直線状に延びる金属製のパイプにて構成されるものであ
って、ヤットコ20の長さよりも所定長さだけ短くされ
ている。また、ヤットコ側ガイドパイプ70,70は、
各々の下端において、前記杭固定キャップ58の蓋部6
2の上面における所定位置、ここでは、軸直角方向で中
心から所定距離だけ偏倚した2か所において、固着され
ることにより、軸直角方向において互いに所定距離をも
って離間する(ここでは、前記2本のリーダ側ガイドパ
イプ44,44の相互離間距離と同じに設定されてい
る)と共に、ヤットコ20の長手方向において、その外
面に沿って互いに平行して延出する形態をもって、固定
されている。換言すれば、ヤットコ20は、長手方向が
上下方向となるようにして吊り下げられるものであると
ころから、ヤットコ側ガイドパイプ70,70は、上下
方向に延びるようにして、ヤットコ20に固設されてい
るのである。なお、そのようなヤットコ側ガイドパイプ
70,70にあっては、ヤットコ20の外面に対して、
長手方向で所定距離をおいて間欠的に溶接せしめられて
固定されており、その固定強度が高められている。
【0027】そして、本発明に係る杭打ち装置10にお
いては、上述の如きリーダ16とヤットコ20との間に
おいて、係合部材としての係合金具72が備えられてい
るのである。この係合金具72は、図2及び図3におい
て示されているように、厚肉の略平板形状を呈する金具
本体74と、それに一体的に設けられた係合部76(a
〜d)とから構成される一方、金具本体74は、所定の
大きさをもって、形成されている。
【0028】また、係合部76a〜dは、金具本体74
と同じ高さを有し、金具本体74の幅方向で対向する側
面において、高さ方向で延びる隅部から、所定の厚さを
もって半円状に突出形成されている。また、かかる係合
部76a〜dにあっては、その内周面が、リーダ側及び
ヤットコ側ガイドパイプ44,70の外周形状に対応し
た半円形状をもって高さ方向に延びる、湾曲内面78と
されていると共に、係合部76aと76bとの配設間隔
が、2本のリーダ側ガイドパイプ44,44の相互離間
距離に対応し、且つ係合部76cと76dとの配設間隔
が、2本のヤットコ側ガイドパイプ70,70の相互離
間距離に対応して設定されており、係合部76a,bが
リーダ側ガイドパイプ44,44に対して、また、係合
部76c,dがヤットコ側ガイドパイプ70,70に対
して、離脱不能に且つ摺動可能に係合せしめられ得るよ
うになっている。なお、係合金具72において、金具本
体74の幅方向で対向する両側面上には、それぞれ、係
合部76に跨がるようにして、2つの平板状の凸板8
0,80が固着されており、その強度において、優れた
ものとなっている。
【0029】なお、上記係合部76の湾曲内面78の形
状としては、リーダ側及びヤットコ側ガイドパイプ4
4,70の外周形状に対応し、且つ係合金具72が離脱
しないように摺動可能に係合せしめ得る構造のものあれ
ば良いが、ここでは、前述の如く半円形状とされている
のであり、それによって、杭63の建て込み作業におい
て生じる泥土やセメントミルクによる汚れによって、係
合金具72の移動が困難となるようなことが、有利に回
避され得ると共に、それら汚れの除去乃至は洗浄作業が
容易に実施され得ることとなる。
【0030】而して、本発明に従う杭打ち装置10にお
いては、係合金具72の金具本体74における両面が、
リーダ16とヤットコ20の配設間において、それらリ
ーダ16及びヤットコ20に対して所定距離隔てて対向
位置すると共に、各係合部76が、その湾曲内面78に
て、リーダ側及びヤットコ側ガイドパイプ44,70に
離脱不能に且つ上下方向において各ガイドパイプに沿っ
て摺動可能に係合せしめられることにより、係合金具7
2が配設されているのである。換言すれば、ヤットコ2
0は、係合金具72によって、リーダ16に対して上下
方向(鉛直方向)には移動可能に、また、水平方向にお
いては変位しないように連結せしめられて、各ガイドパ
イプによる案内によって、上下方向に案内され得るよう
になっているのである。要するに、本発明に従う杭打ち
装置10にあっては、ヤットコ20を、その揺動を何等
惹起することなく、リーダ16に沿って正確に上昇・下
降せしめることが出来るという特徴を有しているのであ
る。
【0031】また、本実施形態においては、リーダ16
及びヤットコ20に対して、それぞれ2本のずつのガイ
ドパイプ44,70が設けられて、それらに対して、係
合金具72が、離脱不能に且つ摺動可能に係合せしめら
れて、以て、ヤットコ20が、リーダ16に対して極め
て良好に連結せしめられた状態下において案内され得る
ようになっているところから、ヤットコ20を極めて正
確に昇降せしめ得るのである。
【0032】さらに、上述の如き杭打ち装置10におい
ては、ヤットコ20を上昇せしめるに際して、自重によ
り、ヤットコ側ガイドパイプ70に沿ってヤットコ20
の下端まで到達した係合金具72は、ヤットコ20の下
端に固設された、ヤットコ20の太さよりも大きい外径
の杭固定キャップ58(蓋部62)の上面に当接して、
支持されることとなるのであり、これによって、係合金
具72がヤットコ側ガイドパイプ70の下端から離脱し
てしまうようなことを有利に回避し得るのである。
【0033】更にまた、杭打ち装置10にあっては、リ
ーダ側ガイドパイプ44は、その外周面が、リーダ16
の下端に設けられたストッパ金具40の支持部42の支
持孔46における内周面にて支持されることにより、リ
ーダ16に取り付けられているところから、例えば、上
記の如く係合金具72が杭固定キャップ58により当接
支持された状態から、杭固定キャップ58の上面がスト
ッパ金具40(支持部42)の上面よりも低くなる位置
まで、ヤットコ20を下降せしめるような場合には、自
重によりリーダ16の下端まで下降した係合金具72
は、その下面がストッパ金具40の支持部42の上面に
当接することにより、それ以上の下降が阻止されるので
あり、即ち、係合金具72のリーダ側ガイドパイプ44
からの離脱が、効果的に防止されるのである。また、ヤ
ットコ20を更に下降せしめて、掘削穴内に挿入せしめ
るような場合にあっても、係合金具72はストッパ金具
40によりその下降が阻止されて、リーダ16に対して
位置固定せしめられる一方、係合金具72のヤットコ側
ガイドパイプ70に対する摺動可能な係合状態は維持さ
れて、ヤットコ20の更なる下降が許容されるようにな
っているところから、ヤットコ側ガイドパイプ70の長
さ等を適宜に設定することで、ヤットコ20の案内を有
利に確保し得るという利点がある。
【0034】なお、本実施形態においては、上述の構成
に加えて、更に、ハンマ18から吊り下げられたヤット
コ20の上端には、ヤットコ固定キャップ82が嵌装せ
しめられている。ヤットコ固定キャップ82は、ヤット
コ20の外径よりも僅かに大きくされた内孔84を有す
る有底円筒形状を呈してなるものであって、ハンマ18
による打撃に対して充分な耐久性をもって形成されてい
る一方、内孔84において、ヤットコ20の上部部位を
軸直角方向においては実質的に移動不能に、且つ軸方向
においては移動可能に支持、固定し得るようになってい
る。また、その上底部の上面には、ゴム弾性体及びロー
プにて形成された円盤状のハンマ受部86が同軸的に設
けられている一方、その内孔84における底面には、木
等にて形成された緩衝材88が嵌装されており、杭63
の貫入作業に際して、ハンマ18によるヤットコ固定キ
ャップ82やヤットコ20に対する衝撃を、杭63の貫
入に支障のない程度において吸収して、打音やヤットコ
20の破壊等を有利に防止し得るようになっている。
【0035】さらに、ヤットコ固定キャップ82には、
その軸直角方向に突出する、前記係合金具72の係合部
76と同様の湾曲内面を有してなるキャップ案内部90
の一対が、互いに対向して一体的に設けられており、そ
のキャップ案内部90,90の各湾曲内面が、リーダ1
6に固設された2本のリーダ側ガイドパイプ44,44
に係合せしめられることにて、ヤットコ固定キャップ8
2が、上下方向に摺動され得るようになっている。従っ
て、図1及び図2に示されるように、ハンマ18とヤッ
トコ20の間において、そのようなヤットコ固定キャッ
プ82を、その内孔84において、吊り下げられたヤッ
トコ20の上部部位に被せることにより、ヤットコ固定
キャップ82は、ヤットコ20の上昇・下降に伴って、
リーダ側ガイドパイプ44,44による案内にて案内さ
れつつ、上下方向に昇降することとなるのであり、また
一方、ヤットコ20は、その上部部位においても、ヤッ
トコ固定キャップ82によって揺動不能に支持され得る
ようになっているのである。なお、ヤットコ固定キャッ
プ82(ハンマ受部86を含む)の軸方向高さは、ハン
マ18とヤットコ20の離間距離に比して、充分に小さ
くされている。
【0036】更にまた、上述せるハンマ18において
も、2本のリーダ側ガイドパイプ44,44に対して係
合可能とされた、前記係合金具72の係合部76と同様
の湾曲内面を有してなる一対のハンマ案内部92,92
が、互いに対向位置して固着されている。そして、該ハ
ンマ案内部92、92に設けられた前記湾曲内面をリー
ダ側ガイドパイプ44、44に係合せしめることによ
り、ハンマ18も、また、揺動することなく、リーダに
沿って、正確に上昇・下降せしめられ得るようになって
おり、更に、ここでは、ヤットコ固定キャップ82(ハ
ンマ受部86)に対して、ハンマ18が心合わせされて
当接し得るように構成されており、ハンマ18による杭
63の貫入乃至は圧入作業において、ハンマ18による
荷重が、ヤットコ固定キャップ82、ひいてはヤットコ
20、更には杭63の上面に、均一に作用せしめられ得
るようになっている。
【0037】ところで、このような構成の杭打ち装置1
0は、上述の如くセメントミルク工法による杭地業工事
において、根固め液たるセメントミルクの注入された所
定の縦孔内に、目的とする杭63を建て込むに際して用
いられるものであるが、その所定の縦孔は、杭63の建
て込み作業に先立って、予め、地盤の所定位置におい
て、オーガによる掘削にて形成されるものであって、オ
ーガ径に対応した、建て込む杭63の外径よりも所定量
大きな内径とされている。なお、この縦孔(掘削穴)の
掘削作業において用いられるオーガとしては、回転軸の
回りに螺旋状の羽根を備えたオーガスクリュの回転作用
にて、地盤中に縦孔を掘削する、従来から公知のものが
採用され得、また、有利には、掘削時には、オーガスク
リュの先端からベントナイト液等の安定液を注入すると
共に、オーガスクリュの引き抜き時には、その先端から
セメントミルクを注入し得るように構成されたオーガが
用いられて、掘削作業と同時に、掘削穴の崩落防止性の
付与とセメントミルクの注入作業が実施されることが、
好ましい。
【0038】そして、かくの如き掘削穴内に、杭打ち装
置10を用いて、目的の杭63を建て込むには、例え
ば、以下のようにして行なわれることとなる。
【0039】先ず、所定の杭63をワイヤ30に固定し
た後、吊り上げ、更に、ベースマシン14の駆動によ
り、かかる杭63を掘削穴内に挿入して、ワイヤ30に
よる固定部位が地表面よりも所定高さ上方となる位置ま
で、下降せしめる。
【0040】次いで、ベースマシン14を駆動させて、
ヤットコ20(杭固定キャップ58)を掘削穴内に挿入
された杭63の上方に位置せしめる。なお、そこにおい
て、ベースマシン14の駆動に並行して、ウインチによ
るワイヤ30の長さの調節が行なわれ、それによって、
杭63の高さが略一定に保持されている。
【0041】この後、ハンマ18及びヤットコ20を下
降せしめて、杭63の上部をヤットコ20の杭固定キャ
ップ58に嵌め込んだ後、ベースマシン14の上部旋回
体24を僅かに旋回駆動せしめて、杭63をその外周面
において掘削穴の側壁に当接させることにより、仮固定
せしめる。また、仮固定された杭63上のヤットコ20
は、かかる杭63にて支持されて、上下方向には移動不
能となっているところから、ハンマ18を下降せしめ
て、ヤットコ20を吊り下げているワイヤ56を、緩み
状態と為す。
【0042】さらに、杭63を固定するワイヤ30を外
した後、上部旋回体24を旋回駆動せしめて、杭63の
掘削穴側壁に対する当接を解除すると共に、ヤットコ2
0、杭固定キャップ58及び杭63が、掘削穴に対して
同軸的に位置するように、リーダ16を立設せしめる。
それにより、杭63は、杭固定キャップ58にて軸直角
方向においては移動不能に固定されたまま、その下面が
掘削穴内の底面に到達するまで、ヤットコ20と共に一
体的に自由落下することとなるのであり、以て、杭63
が掘削穴内に建て込まれることとなる。なお、ここにお
いて、ハンマ18を吊り下げているワイヤ28の固定さ
れたウインチのクラッチを外すことによって、杭63及
びヤットコ20と共に、ハンマ18もまた、自由落下さ
せて、建て込み時において、ある程度の荷重を杭63に
及ぼすようにしても良い。
【0043】なお、杭63の建て込み後においては、更
に、杭63を地盤に貫入或いは圧入することが好まし
く、具体的には、ヤットコ20が上昇しない程度におい
て、ハンマ18を上昇せしめて、ヤットコ20を固定し
ているワイヤ56を延ばした後、ハンマ18を吊り下げ
ているワイヤ28が固定されたウインチのクラッチを外
すことによって、ハンマ18を自由落下せしめて、ヤッ
トコ固定キャップ82のハンマ受部86(ヤットコ2
0)に対して接近・当接せしめることにより、ヤットコ
20を打ち込む作業を所定回数行なって、杭63を地盤
に貫入せしめたり、或いはまた、ワイヤ28を固定する
ウインチの送り出し作動によって、ハンマ18をヤット
コ20に対して接近、下降せしめて、ヤットコ固定キャ
ップ82のハンマ受部86に当接させて、その上に載置
することにより、ヤットコ20を下方に押圧せしめて、
杭63を地盤に圧入することが、望ましいのである。
【0044】また、本実施形態においては、ヤットコ2
0及び杭固定キャップ58が、掘削穴内に挿入可能とさ
れているところから、掘削穴の深さよりも短く設定され
た杭63を用いて、かかる杭63と共にヤットコ20を
自由落下せしめて、掘削穴内に挿入せしめたり、更にそ
の状態において、ヤットコ20の打ち込み乃至は押圧を
行なうことによって、杭63の上面が地表面よりも低く
なるような建て込みや、そのような状態下での貫入或い
は圧入操作を実施することが可能である。なお、そこに
おいては、要求される杭63の建て込み深さ乃至は埋め
込み深さ、特に、ここでは、杭63が仮固定される位置
から掘削穴の底部に至るまでの距離等を考慮して、ヤッ
トコ側ガイドパイプ70の長さ等を設定することが、好
ましい。
【0045】そして、かくして掘削穴内に建て込まれ、
また、必要に応じて貫入操作や圧入操作が施された杭6
3は、セメントミルクが固化することにより、地盤中に
埋設されることとなるのである。
【0046】従って、本発明に従う杭打ち装置10によ
れば、それが、ヤットコ20をリーダ16に沿って極め
て正確に上昇・下降せしめ得るという特徴を有するもの
であるところから、そのようなヤットコ20の下部の杭
固定キャップ58に嵌め込まれた杭63は、該ヤットコ
20と共に自由落下して、杭径よりも大きな内径の掘削
穴の中心軸に対して、何等傾斜乃至は偏倚することな
く、該掘削穴内の所定位置に、極めて正確に挿入され
て、建て込まれることとなるのであり、よって、掘削穴
の側壁面と杭63の外周面との間において、その周方向
の全体に亘って、セメントミルクが均等に導入され得、
また、掘削穴の側壁の崩壊が良好に防止され得るのであ
って、以て、有効な杭の支持力を高度に得ることが出
来、その結果として、建築物や土木構造物といった上部
構造において、優れた耐久性や耐震性等が発現され得る
こととなるのである。
【0047】また、ハンマ18によるヤットコ20の打
ち込み乃至は押圧によって、杭63を地盤に貫入又は圧
入することが出来るところから、上述の如き有効な効果
と、そのような杭63の貫入乃至は圧入によって奏され
る杭の支持力の向上効果が相まって、上部構造におい
て、極めて優れた耐久性、耐震性等を達成し得るのであ
る。
【0048】更にまた、杭63の上面が地表面よりも低
くなるように杭63を建て込む、或いはそのような状態
において杭63を貫入若しくは圧入するに際して、杭6
3と共に、ヤットコ20を下降せしめて、掘削穴内に挿
入せしめるような場合においても、杭打ち装置10にあ
っては、求められる杭63の建て込み深さ乃至は埋設深
さに応じてヤットコ側ガイドパイプ70の長さ等を適宜
に設定すれば、ストッパ金具40による係合金具72の
下降阻止作用が効果的に発揮されて、ヤットコ20の案
内が有利に確保され得るように構成されているところか
ら、杭63の建て込み深さ(埋設深さ)に影響されるこ
となく、正確な建て込みや貫入乃至は圧入を実現するこ
とが出来るのである。しかも、本実施形態の杭打ち装置
10にあっては、杭固定キャップ58の内径寸法及び外
径寸法が上述の如き構成とされるところから、特に、か
くの如くヤットコ20を下降せしめて、掘削穴内に挿入
せしめるような場合においては、杭63が掘削穴に対し
て高い精度をもって同心的に挿入されることとなるた
め、掘削穴の側壁面と杭63の外周面との間において、
より一層均等にセメントミルクが導入され得るのであ
り、それ故に、杭の支持力を更に有効に得ることが出来
るのである。
【0049】以上、本発明の代表的な実施形態について
詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないも
のであって、本発明が、そのような実施形態に係る具体
的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではな
いことは、言うまでもないところである。
【0050】例えば、本発明が適用される杭打ち装置と
しては、吊り下げられたヤットコをリーダに沿って下降
せしめることにより、該ヤットコの下部に固設した杭固
定キャップに上部が嵌め込まれてなる杭を、オーガによ
る掘削穴内に建て込むことが出来るものであれば良く、
その具体的な構成は、例示の実施形態のものに限定され
るものでは、決してない。
【0051】また、リーダとしては、例示の実施形態の
如き矩形筒形状のものの他、矩形柱形状や、円筒形状、
円柱形状等、従来から用いられている各種の形状のもの
の何れもが、採用され得、また、その大きさ、材質等に
あっても、必要に応じて、適宜に設定されるものであ
る。
【0052】さらに、ヤットコとしては、建て込む杭の
種類等に応じた種々の形態をもって構成され得るもので
あり、従来から杭地業工事において広く用いられている
ものが、有利に採用され得る。また、その下部に固設さ
れる杭固定キャップの構造にあっても、杭の上部を嵌め
込むことが出来るものであれば良く、杭の種類等に応じ
て、適宜に設定され得る。
【0053】更にまた、ヤットコ及びリーダに設けられ
るガイド部材において、その形状、大きさ、材質、配設
数等の具体的構成にあっては、必要に応じて、適宜に設
定され得るものであって、部品点数を減らして、製造コ
ストを安価なものにするべく、例えば、ヤットコ側のガ
イド部材を、ヤットコに一体的に設けたり、ヤットコ自
体にて構成することも、可能である。
【0054】加えて、そのようなガイド部材に嵌合せし
められる係合部材としては、例示の実施形態において
は、半円形状をもって一方向に延びる湾曲内面を有し、
かかる湾曲内面にてガイド部材に係合するようにしたも
のが採用されているが、これに限定されるものでは決し
てなく、ガイド部材の具体的構成等に応じた各種の形態
のものが採用され得、例えば、ガイド部材の挿通が可能
とされた貫通孔を有し、かかる貫通孔にてガイド部材に
嵌合され得るように構成したものであっても、何等問題
はない。
【0055】そして、このような本発明装置は、上述し
た既製コンクリート杭や鋼杭だけでなく、コンクリート
杭の上部に鋼杭が固着されるものの如き合成杭等の、公
知の各種の杭を掘削穴に建て込むに際して、有利に用い
られるものであって、また、それらの杭は、支持杭或い
は摩擦杭の何れであっても、何等差し支えない。
【0056】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、
言うまでもないところである。
【0057】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に従う杭打ち装置にあっては、ヤットコは、リーダに対
して、上下方向においては移動可能に、また一方、水平
方向においては変位しないように連結せしめられた状態
下において、ガイド部材による案内によって上下方向に
案内されるようになっており、ヤットコを揺動させるこ
となく、リーダに沿って正確に上昇・下降せしめ得ると
いう特徴を発揮するものである。
【0058】従って、このような本発明に従う杭打ち装
置を、例えば、セメントミルク工法による杭地業工事に
おいて、オーガによる掘削穴内に杭を建て込むに際して
用いれば、ヤットコの下部の杭固定キャップに上部が嵌
め込まれてなる杭を、杭径よりも大きな内径の掘削穴の
中心軸に対して、何等傾斜乃至は偏倚させることなく、
かかる掘削穴内の所定位置に、正確に建て込むことが出
来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての杭打ち装置を概略
的に示す、側面図である。
【図2】図1に示される杭打ち装置の要部を拡大して示
す説明図であって、図1の正面図に対応するものであ
る。
【図3】図2におけるIII −III 断面図である。
【図4】図1に示される杭打ち装置に備えられたリーダ
の下端部分を拡大して示す部分説明図であって、(a)
は側面図であり、(b)は底面図である。
【図5】図3におけるV−V断面図である。
【符号の説明】
10 杭打ち装置 16 リーダ 18 ハンマ 20 ヤットコ 40 ストッパ金具 44 リーダ側ガイドパイプ 58 杭固定キャップ 70 ヤットコ側ガイドパイプ 72 係合金具

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊り下げられたヤットコをリーダに沿っ
    て下降せしめることにより、該ヤットコの下部に固設し
    た杭固定キャップに上部が嵌め込まれてなる杭を、オー
    ガによる掘削穴内に建て込む杭打ち装置において、 前記ヤットコ及び前記リーダの双方にガイド部材を上下
    方向に延びるようにそれぞれ設けると共に、それら双方
    のガイド部材にそれぞれ嵌合して上下方向に移動可能な
    係合部材を設け、前記ヤットコが該係合部材にて前記リ
    ーダに対して連結された状態下において該ガイド部材に
    よる案内によって上下方向に案内されるようにする一
    方、前記リーダ側に設けたガイド部材をその下端におい
    てストッパ部材にて支持して、該ストッパ部材にて前記
    係合部材の下降を阻止せしめた状態下において、前記ヤ
    ットコが該リーダに沿って下降せしめられ得るように構
    したことを特徴とする杭打ち装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド部材が前記ヤットコ及び前記
    リーダのそれぞれに2本ずつ設けられている一方、それ
    らヤットコ側の2本のガイド部材及びリーダ側の2本の
    ガイド部材に対して、それぞれ、前記係合部材が離脱し
    ないように摺動可能に係合せしめられている請求項1記
    載の杭打ち装置。
  3. 【請求項3】 前記ヤットコ側に設けたガイド部材がそ
    の下端において前記杭固定キャップに取り付けられ、該
    ヤットコの上昇に際して前記係合部材が該杭固定キャッ
    プに当接支持されて上昇せしめられるようにした請求項
    又は請求項2に記載の杭打ち装置。
  4. 【請求項4】 前記リーダの上部からハンマが吊り下げ
    られている一方、前記ヤットコが該ハンマから吊り下げ
    られており、該ヤットコに対する該ハンマの接近・当接
    により、該ヤットコが下方に押圧され或いは打ち込まれ
    るようにした請求項1乃至請求項の何れかに記載の杭
    打ち装置。
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