JPH07167770A - 水中に懸濁する物質の監視装置 - Google Patents

水中に懸濁する物質の監視装置

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JPH07167770A
JPH07167770A JP6220415A JP22041594A JPH07167770A JP H07167770 A JPH07167770 A JP H07167770A JP 6220415 A JP6220415 A JP 6220415A JP 22041594 A JP22041594 A JP 22041594A JP H07167770 A JPH07167770 A JP H07167770A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水中に懸濁する物質の形成状況を精度良く定
量化して把握する。 【構成】 水中に懸濁する物質3の懸濁状態に投光器7
で投光し、その懸濁状態の情報を、水面下に設置した監
視カメラ4で検出する。監視カメラ4の検出面前面から
所定距離内にバックスクリーン24を設け、この所定距
離内の懸濁水の情報のみ監視カメラ4に取り込ませ、こ
の取り込んだ情報に基づいて懸濁物質3の形成状況を判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浄水場等での水に懸濁す
る物質の凝集塊(フロック)形成状況を画像認識技術を
用いて自動認識する監視装置に係り、特に、認識精度を
向上するのに好適な監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】浄水場では、原水の濁質粒径が小さいの
で、これらを凝集させて凝集塊(フロック)とし、この
フロックを沈降させるプロセスをなす。フロックの形成
の良否は、後続の処理プロセスである沈殿,濾過プロセ
スに直接に影響を及ぼす。フロック形成が悪いと、沈殿
池ではフロックの沈降性を悪化させる。更に、この沈降
性の悪化は、濾過池の負荷過大現象を招く。更に、負荷
過大の認知が遅れると、濾過池からの微小フロックの流
出という重大事故にも発展する。
【0003】そこで、フロックの監視が必要となる。従
来フロックの監視は、監視員によって行われていた。図
18にその例を示す。フロック形成池1には、フロック
撹拌用のパドル2を設けておき、フロック撹拌を行う。
この池内のフロックを目視により監視員が監視する。し
かし、この目視では、フロックの定量的把握は困難であ
る。
【0004】図19は、工業用テレビカメラ4、投光器
7をフロック形成池1の中に設置した事例である。建屋
8A内に、駆動回路8,取込み回路5,CRT6を設け
ている。駆動回路8は、投光器7への電源電圧を供給す
る。投光器7を設けた理由は、フロック形成池1の中は
にごっており、且つ暗く、自然光だけでは、TVカメラ
4でフロックの撮像ができないためである。CRT6
は、TVカメラ4で撮像した画像を表示し、監視員がそ
の表示画像を監視する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来例は、フロッ
ク形成池1内の様子をTVカメラ4で撮像する仕組みを
とっているが、最終的には、CRT6の画面を視覚で観
察する方法をとっている。このため、やはり数量的なフ
ロック形成状況の把握は困難である。
【0006】更に、このフロックの形成状況を定量的に
把握できないと、パドル回転数の制御量や投入する凝集
剤の量を調整して所要のフロックの大きさに制御するこ
とが困難である。
【0007】本発明の目的は、水中に懸濁する物質の形
成状況を精度良く定量化して把握する監視装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、水面下に設
置され水中に懸濁する物質の懸濁状態に投光して該懸濁
状態の情報を取り込む検出手段と、該検出手段の検出面
前面から所定距離内にある水の前記懸濁状態の情報のみ
該検出手段に取り込ませる手段と、該検出手段の取り込
んだ情報に基づいて前記物質の形成状況を判定する判定
手段とを備えることで、達成される。
【0009】上記目的はまた、水面下に設置され水中に
懸濁する物質の懸濁状態に投光して該懸濁状態の情報を
取り込む検出手段と、該検出手段の検出面前面から所定
距離内にある水の前記懸濁状態の情報のみ該検出手段に
取り込ませる手段と、該検出手段の取り込んだ情報に基
づいて前記物質の形成状況を判定する判定手段と、該判
定手段の判定結果を表示する手段とを備えることで、達
成される。
【0010】上記目的はまた、水面下に設置され水中に
懸濁する物質の懸濁状態に投光して該懸濁状態の情報を
取り込む検出手段と、該検出手段の検出面前面から所定
距離内にある水の前記懸濁状態の情報のみ該検出手段に
取り込ませる手段と、前記物質を凝集させ凝集塊を形成
させる凝集塊形成手段と、前記検出手段の取り込んだ情
報に基づいて前記物質の形成状況を判定する判定手段
と、該判定手段の判定結果に基づいて前記凝集塊形成手
段を制御する制御手段とを備えることで、たっせいされ
る。
【0011】
【作用】監視対象となる懸濁水中の懸濁状態の情報を検
出手段が直接監視するので、その情報に基づく懸濁物質
の形成状況を精度良く定量化して判定することが可能と
なる。この判定結果に基づいて懸濁物質の成長させる凝
集塊形成手段を制御することで、制御精度が向上する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と参照して説
明する。図20は、本発明の一実施例に係る監視装置の
概略全体構成図である。本実施例では、画像認識装置9
を設けている。この画像認識装置9は、TVカメラ4で
撮像した画像を2値化画像として取込み、フロックの大
きさのための面積計算、そのフロックの分布密度等の計
算を行い、フロック形成状況を定量的に把握する。CR
T6は、撮像画像を直接に表示してもよく、定量化した
データを表示するようにしてもよい。
【0013】図21は本発明の実施例に係る監視装置を
設置するフロック形成池1の横断面図である。フロック
形成池1は、3つのフロック形成池1A,1B,1Cより
成る。フロック形成池1A,1B,1Cは流路13を介して
縦続接続となっている。更にフロック池1A,1B,1C
には、フロック撹拌用パドル2A,2B,2Cを設け、フ
ロックの撹拌を行っている。各パドル2A,2B,2Cは
十字形構成の翼60,61,62を持ち、該翼がフロック撹拌
の役割を持つ。流路13は、整流壁の機能を持つ。この流
路13は、フロック池の表面上部から底面部まで流通孔と
したが、その一部であってもよい。
【0014】図22は、フロック形成池1の全体斜視図
である。パドル2A,2B.2Cは、フロック形成池1A,
1B,1Cの長手方向に沿ってその内部を撹拌する。 こ
のフロック形成池1の前段には、急速混和池 (図示せ
ず)が設けられ、原水及びその中にまざった微小フロッ
ク群がフロック形成池1に流入する。パドルは、微小フ
ロック群を撹拌させ、フロック同士を衝突させ、該フロ
ックを徐々に凝集させる。この凝集によって、フロック
の粒径が大きくなる。フロック形成池1Aよりはフロッ
ク形成池1B、フロック形成池1Bよりはフロック形成池
1Cでのフロックの方が粒径は大きくなる。即ち、フロ
ック形成池を1個通るごとに粒径が増加する。
【0015】そこで、最後のフロック池1Cにフロック
監視装置を設けた。フロック形成の最終的な度合を監視
することが目的でもあるからである。このフロック池1
Cは沈殿池前段の池でもある。即ち、フロック形成の最
終的な度合を監視することが目的である場合には、この
構成のフロック画像認識装置は、沈殿池前段、すなわ
ち、フロック形成池1の3池目の出口付近に配置する。
一方、フロック形成の過程を監視する場合には、フロッ
ク形成池1の1池目または2池目に設置してもよいこと
は勿論である。後述の図10,図11,図12はそのこ
とを論じている。この場合の実施例を図1に示す。
【0016】図において、20は気密容器、21は観察窓
(通常、ガラス板)、22はワイパー、23はワイパー駆動
装置、24はバックスクリーン、25A,25B,25Cは各々じ
ゃま板、4は工業用テレビカメラ(ITV)、31は接写
レンズ、7は投光器、5はITV画像取込み回路、8は
投光器駆動回路、42は遮光カバー、9は画像認識装置、
60は制御装置である。
【0017】ワイパー22は、正面からみた場合、そのガ
ラス面(観察窓)21の表面を左右に移動し、汚れをふき
取る機能を持つ。
【0018】本実施例の動作は以下の通りである。気密
容器20内に固定されたITV30は、接写レンズ31によ
り、観察窓21を通してフロック形成池10内にあるフロッ
ク12の画像を拡大認識する。ワイパー駆動装置23によっ
て駆動されるワイパー22は、観察窓21表面の汚れを取る
ために、定期的に作動する。
【0019】また、フロック群を高いコントラストで精
度良く認識するために、観察窓21の前面にバックスクリ
ーン24を設置する。バックスクリーン24は、フロック3
の色が白色系であることを考慮して、フロック群を高い
コントラストで精度良く認識するために、黒色系にする
ことが望ましい。
【0020】ところで、フロック形成池1はフロックを
常時監視する目的で大気解放されている。このため、フ
ロック形成池1Cに入射する光の量は、時間の経過と共
に変化し、また天候の影響を強く受ける。フロックを常
時監視するための手段としては、通常、投光器7が設置
される。維持管理者の視覚に依存した単なる監視を目的
とする場合には、投光器7の設置だけで充分である。
【0021】しかし、周囲の照度変化は、フロック群の
画像認識精度に強く影響する。たとえば、照度が低けれ
ばフロックを小さく認識してしまい、逆に、照度が高け
ればフロックを大きく認識してしまう。この影響を取り
除くためには、自然現象としての照度変化に左右されな
いようにすることが必要である。本実施例では、遮光カ
バー42を設け、周囲を暗くして、投光器7のみによる一
定条件の照度とする。なお、遮光カバー42がない場合に
は、投光器駆動回路8を用いて、適時照明条件を制御す
ればよい。また、事情が許せば、投光器7は、複数台設
置して、フロック群に多面的に照射したほうが良い。
【0022】ところで、フロック群は流動状態にあり、
その移動速度は5ないし50cm/秒程度である。このた
め、フロック群の画像認識は高速で実施する必要があ
る。しかし、512×480の画素の場合、高速画像認識装置
を適用しても、画素の認識には11ミリ秒を要する。した
がって、現在の画像認識装置のスピードで画像を精度よ
く認識するためには、フロック群の移動速度を出来るだ
け小さくすることが重要である。この場合、フロック形
成池1Cでは撹拌用パドル2Cによる撹拌により、一定方
向に水が動いていることを考慮する。
【0023】すなわち、フロック形成池1C内におい
て、水の移動をできるだけ抑制するために、移動方向を
遮るように、じゃま板を配置する。図2は、図1を立体
的に示した図であり、水が白抜き矢印で示したように、
上部から下部に向かって移動している場合の、じゃま板
25A,25B,25Cの配置を示している。このとき、じゃま
板25Bと25Cは、投光器7からの光線を妨害しないよう
に、しかも光線が平面状に入射するように構成する。
【0024】図3は、水が白抜き矢印で示したように、
横方向からバックスクリーン24に平行に移動している場
合の、じゃま板25A,25B,25C,25D及び25Eの配置を示
す。図4は、ITV4がフロック形成池1Cの壁面10Aを
隔てて配置されたときの、じゃま板25A,25Bの配置を示
している。また、図5は、その立体図である。
【0025】以上説明したような、フロック群の画像認
識上の留意点を考慮して、実際にITV4によりフロッ
ク形成を認識した状況を後述する図12に示す。ここ
で、フロック3の背景が黒色なのは、バックスクリーン
24を配置したためである。また、投光器7は図示しない
が、照明は水平方向両脇の2箇所から照射している。
【0026】このようにして、ITV4により取り込ま
れたフロック画像情報は、ITV取込み回路5を介し
て、画像認識装置9に送信される。
【0027】画像認識装置9では、得られた画像情報か
ら、浄水場の水質管理に役立つ情報を抽出するために、
フロック群の粒径や分布など、種々の演算を実施する。
具体的方法は後述するが、例えば、2値化処理して、フ
ロック群における個々のフロックの粒径を演算し、フロ
ック群の代表粒径を求める。
【0028】画像認識制御装置9は、このタイムシーケ
ンスを制御する。すなわち、画像認識制御装置9は、詳
細は後述するが、画像認識装置9及びITV4によるフ
ロック画像情報の認識時間と認識回数とを調整する。一
般に、フロック形成状況は、短時間で急激に変化するこ
とが少ないので、前述した一連のフロック監視操作は、
10分ないし1時間に1回程度実施すれば充分である。
【0029】このように構成された装置において、フロ
ック群の画像情報がITV4により取り込まれた後、画
像認識装置9内において、具体的に、信号処理される過
程を図6に示し、詳細に以下説明する。
【0030】ここで、100は認識タイミング制御回路、1
01はA/D変換回路、102は閾値入力回路、103は2値化
回路、104はラベリング回路、105は粒径演算モード指定
回路、106は粒径計測回路、107は粒径比較回路、108A,
108B,108C,…108Zは各々個数記憶回路、109は認識回
数制御回路、110は粒径分布演算表示回路である。
【0031】また、図7はITV4により認識されたフ
ロック群の画像面を示す。フロック群は濃淡画像である
ので、実際にはフロック3と水との境界は明確ではない
が、簡単のため、フロック群の輪郭のみ図示した。フロ
ック群の輝度レベルは高く白色で、一方、背景にバック
スクリーン24が配置されているので、水の輝度レベルは
低く黒色である。
【0032】図6において、認識タイミング制御回路10
0は、図1に示すITV4とITVコントローラー5を
介して得られたフロック画像を認識し、画像情報を取り
込む時間間隔(周波数)を制御する。次に、A/D変換
回路101は、得られた輝度情報のアナログ信号、例えば
図7の画面信号を受けて、該信号を逐一デジタル信号に
変換する。変換されたデジタル信号は、閾値入力回路10
2で指定される閾値に基づいて、2値化回路103におい
て、2値化処理される。
【0033】例えば図7の画面において、AA 線で走
査して輝度レベルの分布を表示した場合を図8に示す。
ここで、輝度レベルは8ビット(256段階)で表示され
ており、縦軸の上方向が輝度が低く、一方、下方向が輝
度が高い。フロック12は白色系なので、輝度は高くな
る。すなわち、下方向に谷となる部分がフロックを表
す。
【0034】この輝度分布において、閾値入力回路102
で指定される閾値、例えば、BB 線で指定される輝度
に基づいて、各画素が2値化回路103で2値化処理され
る。閾値入力回路102で指定する閾値は、一定照度下で
は一定に維持するが、オペレーターも操作可能である。
【0035】2値化回路103では、閾値よりも高い輝度
レベルにある画素を“1”とし、一方、閾値以下の輝度
レベルにある画素を“0”とする。すると、第 14図に
示すように、フロックに対応する部分が “1”とな
り、水に対応する部分が“0”となる。
【0036】このようにして、フロックの認識を実施し
た結果の例を図10,図11,図12に示す。図10は
フロック形成池1の第1池1Aにおけるフロック群を認
識して2値化した図、図11はフロック形成池1の第2
池1Bにおけるフロック群を認識して2値化した図、図
12はフロック形成池1の第3池1Cにおけるフロック
群を認識して2値化した図である。これらの図から、フ
ロック粒径の増加過程が明確に判断できることがわか
る。
【0037】フロックが認識されたら、次にフロックの
代表粒径を演算するが、その前に各フロックにナンバー
を付ける。すなわち、ラベリング回路104ではフロック
を一つずつ独立に認識し、各フロックにナンバーを漬け
る。そして、そのナンバー順に各フロックを、粒径計測
回路106において代表粒径を計算する。
【0038】代表粒径としては、図13に示す様に、定
方向径Dc、最大径Dmax、最小径Dmin、面積円等価径
Dcir及び等価円周辺長径Dclなどがある。ここで、定
方向径Dcは水平方向のある径を示す。面積円等価径Dc
ir及び、等価円周辺長径Dclとは、次式で定義される。
【0039】Dcir=√(4S/π) …(1) Dcl =L/2/π …(2) ここで、Sはフロックの面積であり、Lはフロック周辺
長である。
【0040】粒径演算モード指定回路105では、これら
の代表粒径の中から採用する代表粒径を指定する。この
ようにして、指定された代表粒径の基準に沿って、各々
のフロック毎にその粒径を演算する。
【0041】粒径比較回路107では、各々のフロックの
粒径を比較して、各粒径を持つフロックの個数を該当す
る記憶場所、すなわち、個数記憶回路108A,108B,108
C,…108Zにそれらの個数を記憶する。フロックの画像は
2値化されているので、粒径を計測する最小単位は1画
素である。したがって、各粒径に対応するフロックの個
数をNiとすると、例えば、個数記憶回路108Aは粒径が
画素1個に相当するフロックの個数N1が記憶され、個
数記憶回路108Bは粒径が画素2個に相当するフロックの
個数N2が記憶され、個数記憶回路108Cは粒径が画素3
個に相当するフロック個数N3が記憶される。この結果
を図14に示す。
【0042】ところで、フロックの粒径分布を精度良く
求めるには、フロック形成池内の広い範囲でサンプリン
グしておく必要がある。フロックの粒径は、フロック形
成池1の1池では0.01ないし0.1mm前後のフロックであ
る。一方、第3池では、勿論小さいフロックも数多く含
むが、フロックは1mm前後に成長する。このフロックの
成長過程は、図10,図11,図12に示した通りであ
る。0.01mm程度の微小フロックを認識するには、顕微鏡
を採用する必要があり、事実上、接写レンズでは認識困
難である。
【0043】フロック成形池1の1池では、フロックの
粒径が小さいので、フロックの個数は充分多い。しか
し、フロック形成池1の第3池では、フロックの粒径が
大きいので、フロックの個数は少ない。フロックの個数
が少ないときに、フロックの粒径分布を精度良く求める
には、フロックを出来るだけ数多く認識しなければなら
ない。フロックの数としては、数百個以上が望ましい。
したがって、認識する画面を拡大すればよいが、そうす
ると、逆に、小さいフロックを認識することが困難にな
る。したがって、小さいフロックと大きいフロックとを
共にバランスよく認識できる画面の大きさは、自ずとそ
の大きさに限界がある。このように、上水フロックの場
合、その粒径分布を精度良く求める際には、1画面の画
像認識で得られるフロック画像の情報では、粒径分布の
ばらつきが大きく不十分であることがわかる。
【0044】これらのことから、画像認識で得られるフ
ロック画像の情報を一時記憶し、複数回の画像を取り込
んで、これらの記憶情報に基づいて、粒径分布を求める
ことが必要である。さらに、フロック形成池1の場合、
水が撹拌用パドル11により撹拌されているので、ITV
4の前面は、常に新しいフロックを含む水が流動してい
ることを考慮する。つまり、一定時間間隔毎に、フロッ
ク画像を取り込んで、これを複数回実施して、これらの
情報に基づいて、フロックの粒径分布を求める。
【0045】図6の認識回数制御回路109には、フロッ
ク画像を認識する回数が指定されており、この回数未満
の場合には、認識タイミング制御回路100に戻る。認識
タイミング制御回路100では、指定されたタイミングで
画像を取り込み、これまで説明した動作を繰返して、フ
ロックの粒径を計算し、各々のフロックの個数を個数記
憶回路108A,108B,108C,…108Zに記憶する。
【0046】一方、認識回数制御回路109で、指定され
た回数になったら、粒径分布演算表示回路110では、個
数記憶回路108A,108B,108C,…108Zの値に基づいて、
各々の粒径に対する個数濃度分布を演算する。すなわ
ち、粒径iの個数濃度Miは次式で計算される。
【0047】Mi=Ni/V/Nr …(3) ここで、VはITV4による観察空間容積であり、Nr
は認識回数制御回路109で指定された認識回数である。
【0048】なお、個数濃度分布では、微小粒径のフロ
ックが多くなるので、フロックを球と仮定して、体積濃
度分布で図示する方法を採用してもよいことは言うまで
もない。また、認識回数制御回路109における認識回数
及び、認識タイミング制御回路100における認識タイミ
ングは、いずれも、画像認識制御装置から適宜操作す
る。
【0049】次に、フロックの粒径が正常か否かを判定
する操作を実施する。図15に示すように、基準となる
フロックの粒径を定め、この粒径Dsとする。このDsよ
り大きい粒径を持つフロックの個数濃度割合を計算す
る。この計算処理のための図を図16に示す。
【0050】粒径分布演算表示回路110で出力された信
号のうち、粒径に相当する信号部分を対象に、基準粒径
設定回路111で設定された基準粒径Dsとの大小関係を、
粒径比較回路112で比較する。そして、基準粒径Dsより
大きい粒径を持つフロックの個数を、成長フロック個数
濃度記憶回路113に記憶する。この個数濃度をMgとす
る。一方、基準粒径Dsより小さい粒径を持つフロック
の個数を、微小フロック個数濃度記憶回路114に記憶す
る。この個数濃度をMmとする。
【0051】次に、MgとMmとの和Mtを計算して、全
フロック個数濃度記憶回路115に記憶する。粒径比較回
路116では、全フロック個数濃度Mtに対する成長フロッ
ク個数濃度Mgの比が所定値rより大きいか否かの比較
を行う。
【0052】Mg/Mt≧r …(4) すなわち、Mg/Mtが所定値rより大きい時には、成長
フロックが多いことを示すので、フロックは良好に形成
されていると見なす。一方、Mg/Mtが所定値rより小
さい時には、逆に、微小フロックが多いことを意味する
ので、フロックの形成状況は不良であると見なす。
【0053】これらの判定結果に基づいて、フロック形
成が不良の場合には、警報用の出力信号を出すことが出
来る。同様に、(4)式の判定結果に基づいて、凝集剤注
入量,アルカリ剤注入量及び攪拌パドル2の回転数を制
御することが可能である。
【0054】図17(a),(b)にフロック認識処理のタイ
ムチャートの一例を示す。例えば、図1に示すような気
密容器20に取付けられた観察窓21前面を流れるフロック
3の移動速度をvlcm/secとし、フロックの画像を認識
する領域の広さをl1四方とすると、フロックが画像を認
識する領域の端から端へ通りぬけるのに要す時間T1は T1=l1/v1 …(5) となる。つまり、図6に示す認識タイミング制御回路10
0のフロック画像取り込み時間間隔をT1以上に設定すれ
ば、常に新しいフロックの情報を取り込むことが可能と
なる。勿論T1時間間隔以下でフロック画像を取り込ん
でも良いことは明白である。
【0055】また、図6に示す認識回数制御回路109に
設定された認識回数Nrだけ認識動作をくり返し、それ
らデータを基に個数濃度分布演算(T2時間要す)する
一連の処理(以後この一連の処理をフロック認識ステッ
プと呼ぶ)は完結する。これらの処理は画像認識装置9
で高速に行なわれ、それに要す時間(T1+T2)は数秒
オーダと大変少ない。
【0056】そこで、ある時刻のフロック認識ステップ
が終った後、連続して次々とフロック認識ステップをく
り返し行うことも可能であるが、一般に、浄水場のプロ
セス制御における応答性(例えば薬注処理直後からその
薬による反応が処理プロセス全体に波及するまでの時
間)が数十分〜数時間オーダと長いという特色がある。
このため常時フロック認識ステップをくり返す必要性は
少なく、任意の時間間隔T3ごとにフロック認識ステッ
プをNs回ステップ行う{(T1+T2)×Ns秒要す}こと
とし、空き時間T4を利用して、画像認識装置9に他の
処理(例えば毒物流入監視のための魚類追跡処理など)
を行なわせることも、画像認識装置9の利用効率向上,
多目的有効利用の点で効果が大きい。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、水に懸濁する物質の凝
集塊形成過程における、凝集塊粒径分布を、微小凝集塊
から成長凝集塊まで、客観的,定量的かつ高精度で、オ
ンライン自動計測でき、また、凝集塊の大きさを所要の
大きさに精度良く制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る水に懸濁する物質の監
視装置の構成図である。
【図2】図1に示す撮像手段を密閉した容器の外観図で
ある。
【図3】図2に示す容器前面に設けたバックスクリーン
回りの水の流れを示す図である。
【図4】図1に示すじゃま板の水中における配置位置を
示す図である。
【図5】図2に示す容器前面の図である。
【図6】図1に示す画像認識装置の構成図である。
【図7】画像認識装置の処理過程を示す図である。
【図8】画像認識装置の処理過程を示す図である。
【図9】画像認識装置の処理過程を示す図である。
【図10】水に懸濁する物質の2値化画像を示す図であ
る。
【図11】水に懸濁する物質の2値化画像を示す図であ
る。
【図12】水に懸濁する物質の2値化画像を示す図であ
る。
【図13】凝集塊の大きさの説明図である。
【図14】凝集塊の粒径分布を示す図である。
【図15】凝集塊の粒径分布を示す図である。
【図16】凝集塊の濃度分布を計算する画像認識装置の
構成図である。
【図17】画像認識装置の処理タイムチャートである。
【図18】フロック監視を目視で行う従来例の説明図で
ある。
【図19】ITVで撮像したフロックをモニタに表示し
て目視で監視する従来例の説明図である。
【図20】図1に示す本発明の一実施例に係る監視装置
を浄水場に設置したところを示す図である。
【図21】フロック形成池の説明図である。
【図22】フロック形成池の説明図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C…フロック形成池、2…パドル、3
…フロック、4…TVカメラ、7…投光器、9…画像認
識装置、60…制御回路、101…AD変換器、103…2値化
回路、104…ラベリング回 路、105…粒径計測回路、107
…粒径比較回路、 108A〜108Z…メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 依田 幹雄 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 田中 昭裕 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 森 俊二 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水面下に設置され水中に懸濁する物質の
    懸濁状態に投光して該懸濁状態の情報を取り込む検出手
    段と、該検出手段の検出面前面から所定距離内にある水
    の前記懸濁状態の情報のみ該検出手段に取り込ませる手
    段と、該検出手段の取り込んだ情報に基づいて前記物質
    の形成状況を判定する判定手段とを備えることを特徴と
    する水中に懸濁する物質の監視装置。
  2. 【請求項2】 水面下に設置され水中に懸濁する物質の
    懸濁状態に投光して該懸濁状態の情報を取り込む検出手
    段と、該検出手段の検出面前面から所定距離内にある水
    の前記懸濁状態の情報のみ該検出手段に取り込ませる手
    段と、該検出手段の取り込んだ情報に基づいて前記物質
    の形成状況を判定する判定手段と、該判定手段の判定結
    果を表示する手段とを備えることを特徴とする水中に懸
    濁する物質の監視装置。
  3. 【請求項3】 水面下に設置され水中に懸濁する物質の
    懸濁状態に投光して該懸濁状態の情報を取り込む検出手
    段と、該検出手段の検出面前面から所定距離内にある水
    の前記懸濁状態の情報のみ該検出手段に取り込ませる手
    段と、前記物質を凝集させ凝集塊を形成させる凝集塊形
    成手段と、前記検出手段の取り込んだ情報に基づいて前
    記物質の形成状況を判定する判定手段と、該判定手段の
    判定結果に基づいて前記凝集塊形成手段を制御する制御
    手段とを備えることを特徴とする水中に懸濁する物質の
    監視装置。
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