JP2019209271A - 汚水処理施設の水質判定装置及び水質判定方法 - Google Patents

汚水処理施設の水質判定装置及び水質判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚水処理施設における反応槽及び沈殿槽の水質を正確に判定することのできる水質判定装置及び水質判定方法を提供すること。【解決手段】反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行う画像加工部と、2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部と、前記画像特徴量を使用して前記反応槽又は沈殿槽の水質のレベルを数値化する水質数値化部と、前記数値化した数値に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定する。水質判定部と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、汚水処理施設の水質を判定する、水質判定装置及び水質判定方法に関する。
下水処理場、農業集落排水処理、産業排水処理等の活性汚泥処理及び沈殿プロセスを含む汚水処理施設では、廃水を処理するため反応槽及び沈殿槽が設置されている。そして、廃水を処理する過程で、反応槽又は沈殿槽にスカムが発生する。スカムとは、排水中の有機物が腐敗、発酵することにより発生するガスによって、排水中の懸濁物質、繊維質、油脂質、細菌が浮上して、水表面にできるスポンジ質の厚い膜状の浮きカスをいう。スカムは、反応槽及び沈殿槽の水面に浮いており、細かい粒子状のものから30cmを超える大きな塊まで様々である。
反応槽及び沈殿槽に発生するスカムの量と水質の関係は比例しており、スカムの量が少なければ水質は良好な状態にあり、反対に、スカムの量が多ければ水質は悪化していると言える。従って、発生するスカムの量から廃水の水質を判定することが可能である。
従来から、スカムの正確な発生量を検出するための様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1には、汚泥沈殿槽に汚泥沈殿槽の見かけ上の水位を計測する計測手段と処理水水路の流量を計測する計測手段とを設け、計測手段による計測値を水位と流量との関係特性と比較しスカム量を演算する演算部を設けたスカム検出装置が開示されている。
同様に、反応槽及び沈殿槽の水面に発生する泡の量や、反応槽及び沈殿槽の水面に浮上する汚泥等の量等からも、廃水の水質を判定することが可能である。
特許第4385311号公報
一方、反応槽及び沈殿槽の水面に発生するスカム、反応槽及び沈殿槽の水面に発生する泡、及び、反応槽及び沈殿槽の水面に浮上する汚泥等の量を検出する方法として、反応槽及び沈殿槽に撮影カメラを持ち込み、その映像を画像処理して検知する方法も以前より試みられている。しかしながら、スカム、泡、浮上汚泥の色、表面状態等が多種多様であり、映像を画像処理するだけでは正確な量を検出することができないため、廃水の水質を正確に判定することは難しい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、汚水処理施設における反応槽及び沈殿槽の水質を正確に判定することのできる水質判定装置及び水質判定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明における汚水処理施設の水質判定装置は、反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行う画像加工部と、2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部と、前記画像特徴量を使用して前記反応槽又は沈殿槽の水質のレベルを数値化する水質数値化部と、数値化した数値に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定する水質判定部と、を備えたこと、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部による前記位相幾何学的データ解析は、パーシステントホモロジーを計算することにより行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、ヒストグラム化により行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、カーネル密度推定により行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、パーシステント強度関数により行われること、を特徴とする。
また、本発明における汚水処理施設の水質判定装置は、反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行う画像加工部と、2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部と、前記画像特徴量を説明変数とし、前記画像特徴量が抽出された前記画像データに対応する前記反応槽又は沈殿槽の水質データを目的変数として、前記画像特徴量と前記水質データとの対応関係を学習し、推定用パラメータを算出する学習処理部と、水質の推定及び判定に使用される前記反応槽又は沈殿槽の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し推定対象画像特徴量を抽出する推定対象画像特徴量抽出部と、前記推定用パラメータを使用し、前記推定対象画像特徴量を入力として前記反応槽又は沈殿槽の水質を推定する水質推定部と、前記推定した結果に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定する水質判定部と、を備えたこと、を特徴とする
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部及び前記推定対象画像特徴量抽出部による前記位相幾何学的データ解析は、パーシステントホモロジーを計算することにより行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部及び前記推定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、ヒストグラム化により行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部及び前記推定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、カーネル密度推定により行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部及び前記推定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、パーシステント強度関数により行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記学習処理部による学習方法は、統計手法、又は、機械学習手法であること、を特徴とする。
また、本発明における汚水処理施設の水質判定装置は、反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行う画像加工部と、2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部と、前記画像特徴量を教師なしクラスタリングするクラスタリング部と、前記クラスタリングした結果として得られるクラスタリングパラメータを、前記画像データと対応付けて記憶するクラスタリングパラメータ記憶部と、前記クラスタリングした結果のクラスタごとに、代表的な前記画像データを提示するクラスタリング結果提示部と、前記クラスタごとに、前記反応槽又は沈殿槽の水質を対応付けて記憶するクラスタ・水質対応付け結果記憶部と、水質の判定に使用される前記反応槽又は沈殿槽の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し判定対象画像特徴量を抽出する判定対象画像特徴量抽出部と、前記判定対象画像特徴量を入力として、前記クラスタリングパラメータと、前記クラスタと水質の対応付け結果とに基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定する水質判定部と、を備えたこと、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部及び前記判定対象画像特徴量抽出部による位相幾何学的データ解析は、パーシステントホモロジーを計算することにより行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部及び前記判定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、ヒストグラム化により行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部及び前記判定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、カーネル密度推定により行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記画像特徴量抽出部及び前記判定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、パーシステント強度関数により行われること、を特徴とする。
また、本発明の一実施態様では、前記クラスタリング部によるクラスタリング方法は、統計モデルを仮定した手法、又は、機械学習手法であること、を特徴とする。
また、本発明における汚水処理施設の水質判定方法は、反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行い、2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出し、前記画像特徴量を使用して前記反応槽又は沈殿槽の水質のレベルを数値化し、数値化した数値に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定すること、を含むこと、を特徴とする。
また、本発明における汚水処理施設の水質判定方法は、反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行い、2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出し、前記画像特徴量を説明変数とし、前記画像特徴量が抽出された前記画像データに対応する前記反応槽又は沈殿槽の水質データを目的変数として、前記画像特徴量と前記水質データとの対応関係を学習し、推定用パラメータを算出し、水質の推定及び判定に使用される前記反応槽又は沈殿槽の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し推定対象画像特徴量を抽出し、前記推定用パラメータを使用し、前記推定対象画像特徴量を入力として前記反応槽又は沈殿槽の水質を推定し、前記推定した結果に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定すること、を含むこと、を特徴とする。
また、本発明における汚水処理施設の水質判定方法は、反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行い、2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出し、前記画像特徴量を教師なしクラスタリングし、前記クラスタリングした結果として得られるクラスタリングパラメータを、前記画像データと対応付けて記憶し、前記クラスタリングした結果のクラスタごとに、代表的な前記画像データを提示し、前記クラスタごとに、前記反応槽又は沈殿槽の水質を対応付けて記憶し、水質の判定に使用される前記反応槽又は沈殿槽の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し判定対象画像特徴量を抽出し、前記判定対象画像特徴量を入力として、前記クラスタリングパラメータと、前記クラスタと水質の対応付け結果に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定すること、を含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、反応槽又は沈殿槽の水面を撮影した画像データに対してエッジ抽出等の2値化の処理を行った後、位相幾何学的データ解析、及び、平滑化処理を適用して抽出した画像特徴量を使用することにより、水処理場における反応槽及び沈殿槽の水質を正確に判定することができるという効果を奏する。
第1の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置を示すブロック図である。 画像データに対して実際にエッジ抽出を行った例を示す図である。 フィルトレーションが構築されるイメージを示す図である。 パーシステント図のイメージを示す図である。 実際の沈殿槽の画像に対してパーシステントホモロジーを計算した結果の一例を示す図である。 パーシステント図をヒストグラム化した一例を示す図である。 パーシステント図を、ガウシアンカーネルを用いたカーネル密度推定により平滑化した一例を示す図である。 パーシステント図をPIFにより平滑化した一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る水質判定装置を用いた汚水処理施設の水質判定フローを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る水質判定装置を用いた学習処理フローを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る水質判定装置を用いた汚水処理施設の水質判定フローを示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置を示すブロック図である。 第3の実施の形態に係る水質判定装置を用いた学習処理フローを示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る水質判定装置を用いた汚水処理施設の水質判定フローを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明による汚水処理施設の水質判定装置及び水質判定方法を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、添付図を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置1を示すブロック図である。
水質判定装置1は、反応槽又は沈殿槽2の水面を撮影した画像データから、位相幾何学的データ解析、及び、平滑化処理を適用して画像特徴量を抽出し、抽出して画像特徴量から反応槽又は沈殿槽2の水質のレベルを数値化し、数値化した数値から反応槽又は沈殿槽2の水質を判定する。水質判定装置1は、画像データ記憶部3、画像加工部4、画像特徴量抽出部5、水質数値化部6、水質判定部7、判定結果記憶部8、及び、判定結果表示部9を備えている。
画像データ記憶部3は、可視光カメラ10が撮影した反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データを一時的に記憶する。なお、撮影された画像には、スカムが写り込んでいる可能性が高い。画像データ記憶部3は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
画像加工部4は、画像データ記憶部3に記憶された画像データを加工する。具体的には、画像加工部4は、画像データから位相幾何学的データ解析を行うための前処理として、エッジ抽出等の2値化の処理を行う。図2は、画像データに対して実際にエッジ抽出を行った例を示す図である。図2の(a)は、撮影された反応槽又は沈殿槽2の水面の画像を示し、図2の(b)は、エッジ抽出を行った後の画像を示す。画像加工部4は、例えばプロセッサーである。
画像特徴量抽出部5は、画像加工部4で加工された画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する。具体的には、位相幾何学的データ解析手法の一つであるパーシステントホモロジー(Persisitent Homology)の計算を行い、生成時刻を横軸、消滅時刻を縦軸にとって表現したパーシステント図に対して平滑化処理を適用して、画像特徴量を抽出する。画像特徴量抽出部5は、例えばプロセッサーである。
(パーシステントホモロジー)
前述した様に、画像加工部4は、反応槽又は沈殿槽2の画像データに対しエッジ抽出等の2値化の処理を行う。そして、画像特徴量抽出部5は、2値化処理後の結果として得られる点集合(0/1の2値化の場合、値が1となった画素の座標データ)に対し、位相幾何学的データ解析手法の一つであるパーシステントホモロジーの計算を行う。
パーシステントホモロジーとは、一般に、グラフ(単体的複体)の列に対し、その時系列的変化の過程に現れる穴(幾何学の用語でジーナスと呼ばれる)の生成/消滅をトレースした特徴量である。単体的複体の時系列をフィルトレーションと呼ぶ。例えば、与えられた点集合の各点の半径を徐々に大きくしてゆき、円が重なった時点で点同士を辺で結び、円が複数重なった時点で面を構成すると、初期の状態では点のみであったグラフに、時間経過に伴って辺が現れ、さらに時間が経過すると面が現れる。このようにして得られたグラフの変化はフィルトレーションの1つの例である。
図3は、フィルトレーションが構築されるイメージを示す図である。パーシステントホモロジーは、フィルトレーションに現れるジーナス1つ1つに対し、その生成時刻、消滅時刻の組を対応させたものである。図3では、時刻R=rでジーナスが生まれ、R=rでジーナスが消滅しているので、図3で表されるフォルトレーションのパーシステントホモロジーは(r3,)となる。通常は、複雑なグラフ構造の変化を扱うため、パーシステントホモロジーは複数個の(生成時刻、消滅時刻)の組で表される。
パーシステントホモロジーは、一般に、生成時刻を横軸、消滅時刻を縦軸にとって表現したパーシステント図によって表されることが多い。図4は、パーシステント図のイメージを示す図であり、図5は、実際の沈殿槽の画像に対してパーシステントホモロジーを計算した結果の一例を示す図である。
上記のように生成したパーシステントホモロジーは、どの程度の大きさのスカムがどれぐらい水面に浮遊しているのかといった大きさと個数の関係、さらにそれらが水面上にどのように分布しているのかといったスカム同士の位置関係の情報が集約された特徴量であると考えることができる。
例えば、小さなスカムの場合、スカムのエッジを構成する点の半径を少し大きくしただけで、すぐにジーナスは消滅してしまう。すなわち、生成から消滅までの時間(生存時間という)の短いジーナスは小さなスカムに対応すると解釈することができる。また、逆に、大きなスカムの場合は、スカムのエッジを構成する点の半径をある程度大きくするまでジーナスは消滅せず残り続ける。したがって、生存時間の長いジーナスはある程度の大きさを持ったスカムに対応すると解釈することができる。さらに、スカム同士が近くに集まっている場合、スカム同士を結ぶことによって生成されるジーナスの消滅時刻は早く、また、スカム同士が広がって分布している場合は、スカム同士を結ぶことによって生成されるジーナスの生存時間は長くなる。
(平滑化処理)
パーシステントホモロジーを画像の特徴量として使用する場合、パーシステント図に対して、さらに平滑化処理を適用する。平滑化にはさまざまな方法が考えられるが、代表的なものを以下に挙げる。
(1.ヒストグラム化)
スカムの大きさと個数の関係を離散値化して表現した特徴量が得られる処理方法である。この方法は単純に生成時刻および消滅時刻の一定区間の間にジーナスがどの程度含まれるかをカウントするものである。例えば、生成時刻および消滅時刻の刻みを共にεとしてヒストグラム化した場合、(i,j)番目のセルにおける平滑化関数の値は以下で与えられる。

但し、ここでPDはパーシステント図(Persistent Diagram)、♯は集合に含まれる要素の個数である。
図6は、パーシステント図をヒストグラム化した一例を示す図である。図6の(a)は、パーシステント図を示し、図6の(b)は、ヒストグラム化した後の画像を示す。なお、図6では、ヒストグラム化した後、正規化している。
(2.カーネル密度推定による平滑化)
スカムの大きさと個数の関係を連続値として表現した特徴量が得られる処理方法である。ヒストグラム化では、単純に一定区間内に含まれるジーナスの個数により離散値として特徴量化を行ったが、カーネル密度推定による平滑化では、各ジーナスにカーネル関数を配置し足し込むことにより連続的な平滑化を行う。例えば、カーネルをガウシアンカーネルとした場合、パーシステント図上の点(x,y)における平滑化関数の値は以下で与えられる。

但し、ここでb(g)、d(g)は、それぞれジーナスgの生成時刻、消滅時刻であり、Kは、

であり、σは、ガウシアンカーネルの分散パラメータである。
図7は、パーシステント図を、ガウシアンカーネルを用いたカーネル密度推定により平滑化した一例を示す図である。図7の(a)は、パーシステント図を示し、図7の(b)は、カーネル密度推定により平滑化した後の画像を示す。ジーナスが密集している(生成時刻、消滅時刻)の周辺では、平滑化関数値はより大きな値を持つことになり、スカムの大きさと個数の関係をより顕著に表現した特徴量が得られる。
(3.パーシステント強度関数による平滑化)
生存時間の長いジーナスをより強調した平滑化処理方法である。したがって、大きなスカムの存在をより強調した特徴量が得られる。パーシステント強度関数(Persistent Intensity Function)による平滑化では、ジーナスの生存時間をより強調した平滑化を行う。例えば、生存時間が極端に短いジーナスは、画像に現れたノイズの可能性が考えられる。また、小さなスカムよりも大きなスカムが浮いている方が水質の悪化が激しいことも考えられる。このように考えた場合、生存時間が大きいジーナスほど強調した形で平滑化を行った方が、有効な特徴量を得られる可能性がある。以上のようにジーナスの生存時間に合わせて重み係数を変化させて得られる平滑化関数をパーシステント強度関数(以下PIF)と呼ぶ。
PIFの正確な定義は以下のとおりである。

但し、ここでEは、分布Pに関する期待値を表し、B((x,y),τ)は、点(x,y)を中心とした半径τの円板を表す。また、Φ(ξ,η)は、

(δ(b,d)(x,y)はデルタ関数)で定義される関数である。
しかし、上記式に現れる分布関数Pは、知り得ないため実際に計算する場面においてはカーネル密度関数を用いて分布関数Pを推定することになる。このときPIFは、例えば以下のように表される。

但し、ここでKは、ガウシアンカーネル等のカーネル関数であり、σは、分散パラメータである。図8は、パーシステント図をPIFにより平滑化した一例を示す図である。図8の(a)は、パーシステント図を示し、図8の(b)は、PIFにより平滑化した後の画像を示す。
水質数値化部6は、画像特徴量抽出部5により抽出した画像特徴量を使用して水質のレベルを数値化する。水質が良好な場合は、スカム等が一切浮いていない状態であると仮定し、その結果として得られるパーシステント図にもジーナスが現れないと仮定する。このとき、画像特徴量抽出部5において構成した平滑化関数をパーシステント図全体で積分したものが、水質が良好な状態からのズレを表すこととなり、水質の良否を表す数値であると解釈することができる。したがって、水質数値化部6では以下の計算により水質良否の数値化を行う。

但し、ここでB、Dは、それぞれパーシステント図の生成時刻の上限、消滅時刻の上限であり、φは、画像特徴量算出部で構成した平滑化関数である。この指標値Index(PD)が0の場合がもっとも水質が良く、数値が大きいほど水質が悪化していると判断することができる。水質数値化部6は、例えばプロセッサーである。
水質判定部7は、水質数値化部6が数値化した数値に基づいて反応槽又は沈殿槽2の水質を判定する。前述した様に、反応槽又は沈殿槽2は、水質数値化部6により数値化された指標値Index(PD)が0の場合がもっとも水質が良く、数値が大きいほど水質が悪化している。水質判定部7は、あらかじめ設定された閾値より、指標値Index(PD)が小さい場合は、反応槽又は沈殿槽2の水質が、「良好な状態」であると判定する。一方、水質判定部7は、あらかじめ設定された閾値より、指標値Index(PD)が大きい場合は、反応槽又は沈殿槽2の水質が、「悪化している状態」であると判定する。水質判定部7は、例えばプロセッサーである。
判定結果記憶部8は、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データ、画像加工部4で加工された画像データ、画像特徴量抽出部5で抽出された画像特徴量、水質数値化部6で数値化された水質のレベル、及び、水質判定部7で判定された水質の判定結果を関連付けて記憶する。判定結果記憶部8は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
判定結果表示部9は、水質の判定結果(「良好な状態」又は「悪化している状態」)を表示する。判定結果表示部9は、例えば液晶等のディスプレイである。
なお、画像データ記憶部3と判定結果記憶部8とが、1つの記憶媒体で構成されてもよい。また、画像加工部4と画像特徴量抽出部5と水質数値化部6と水質判定部7とが、制御部として1つのプロセッサーで構成されてもよい。
(汚水処理施設の水質判定フロー)
次に、本実施の形態に係る水質判定装置1を用いた汚水処理施設の水質判定フローについて説明する。図9は、第1の実施の形態に係る水質判定装置1を用いた汚水処理施設の水質判定フローを示すフローチャートである。
初めに、可視光カメラ10により撮影された反応槽又は沈殿槽2の水面の画像が、画像データ記憶部3に一時的に記憶された後、画像加工部4が、画像データ記憶部3に記憶された画像データを加工する(ステップS101)。
次に、画像特徴量抽出部5が、画像加工部4で加工された画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する(ステップS102)。
次に、水質数値化部6が、画像特徴量抽出部5により抽出した画像特徴量を使用して水質のレベルを数値化する(ステップS103)。
次に、水質判定部7が、反応槽又は沈殿槽2の水質を判定する(ステップS104)。水質の判定結果は、判定結果記憶部8に記憶され、その後、判定結果表示部9が、水質の判定結果を表示する。
これにより、水質判定フローは終了するが、現場にいる運転員は、この判別結果を確認することにより、現在の反応槽又は沈殿槽2の水質が、「良好な状態」と「悪化している状態」のどちらであるかを認識する。あるいは、水質が悪化している場合には、図示しない警報装置が警報を発することにより、現在の反応槽又は沈殿槽2の水質が、「悪化している状態」であることを認識する。運転員は、反応槽又は沈殿槽2の水質に応じた対応を取るが、通常、水質が悪化している場合は、スカムの除去作業を行う。
従来、スカムの除去作業は、巡回作業員による目視判定の結果、又は、タイマー等による間欠運転によって行われる。目視判定の場合、発見が遅れれば、スカムは処理水として系外に流出されてしまう。タイマー等による間欠運転を行っている場合は、異常が発生したとしても、稼働時間にならなければスカム除去手段が稼働しないため系外に流出される可能性がある。また、異常が発生していない状態でも一定量を排出するため汚泥処理系に無駄が発生する。
これに対して、本実施の形態に係る水質判定装置を汚水処理施設に配備することにより、水質判定の自動化と、水質が悪化している場合の通知が実現されれば、巡回作業員の水質悪化の発見の遅れによるスカム等の放流、もしくは間欠運転による水処理の無駄が解消されることになる。
また、本実施の形態に係る水質判定装置が用いる位相幾何学的データ解析では、スカムの大きさと個数の関係はもとより、その水面上での分布といった情報も内部に含み、多種多様な水面の違いを集約した画像特徴量を得ることができる。これにより、これまで、スカムの色、表面状態等が多種多様であることを理由に適用不能とされてきた画像処理による水質悪化の検出が可能となる。
このように、第1の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置によれば、反応槽又は沈殿槽の水面を撮影した画像データに対してエッジ抽出等の2値化の処理を行った後、位相幾何学的データ解析、及び、平滑化処理を適用して抽出した画像特徴量を使用して反応槽又は沈殿槽の水質のレベルを数値化することにより、水処理場における反応槽及び沈殿槽の水質を正確に判定することが可能である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る汚水処理施設の水質判定装置の第2の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態で抽出した画像特徴量に対して、実際に測定により取得した反応槽又は沈殿槽の水質データを教師データとして与え、画像特徴量を説明変数として水質データそのものの推定を行い、水質を判定する。
第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図10は、第2の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置11を示すブロック図である。
水質判定装置11は、反応槽又は沈殿槽2の水面を撮影した画像データから、位相幾何学的データ解析、及び、平滑化処理を適用して画像特徴量を抽出し、画像特徴量と画像データに対応する水質データとの関係を学習し、学習結果として推定用パラメータを算出する。さらに、水質判定装置11は、水質の推定及び判定をしたい反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データに対しても同様に処理をして画像特徴量を抽出し、推定用パラメータを適用して反応槽又は沈殿槽2の水質を推定し、最終的に水質を判定する。
水質判定装置11は、画像データ記憶部3、画像加工部4、画像特徴量抽出部5、画像特徴量蓄積部12、水質データ蓄積部13、学習処理部14、推定用パラメータ記憶部15、推定対象画像特徴量抽出部16、水質推定部17、水質判定部18、判定結果記憶部19、及び、判定結果表示部9を備えている。
画像データ記憶部3は、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データを一時的に記憶する。これらの画像データは、第1の実施の形態に係る可視光カメラ10により撮影されたものでありスカムが写り込んでいる可能性が高い。画像データは、第1の実施の形態と同じく可視光カメラ10から直接送られる場合と、図示しない記憶装置に蓄積された後、送られる場合の2通りがある。さらに、画像データは、後述する学習処理部14での推定用パラメータWの算出に使用される画像データと、推定用パラメータWの算出後に、水質の推定及び判定に使用される画像データの2通りがある。
画像加工部4は、画像データ記憶部3に記憶された画像データを加工する。具体的には、画像加工部4は、画像データから位相幾何学的データ解析を行うための前処理として、エッジ抽出等の2値化の処理を行う。
画像特徴量抽出部5は、画像加工部4で加工された画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する。具体的には、位相幾何学的データ解析手法の一つであるパーシステントホモロジーの計算を行い、生成時刻を横軸、消滅時刻を縦軸にとって表現したパーシステント図に対して平滑化処理を適用して、画像特徴量を抽出する。
画像特徴量蓄積部12は、画像特徴量抽出部5により抽出した画像特徴量を蓄積する。画像特徴量蓄積部12は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
水質データ蓄積部13は、画像特徴量抽出部5により画像特徴量が抽出された、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データに対応する水質データを蓄積する。ここで、水質データとは、センサー等により実際に測定した、反応槽又は沈殿槽2のMLSS(浮遊物質濃度)やBOD(生物化学的酸素要求量)等である。水質データ蓄積部13は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
学習処理部14は、画像特徴量蓄積部12に蓄積されている画像特徴量と水質データ蓄積部13に蓄積されている水質データとの関係を学習する。具体的には、学習処理部14は、画像特徴量蓄積部12に蓄積されている画像特徴量を説明変数、水質データ蓄積部13に蓄積されている水質データを目的変数として、対応関係を学習し、学習結果として推定用パラメータWを算出する。ここで、学習処理の方法は、線形回帰、ニューラルネットワーク等水質データと画像特徴量の関係を学習することが可能な統計手法、機械学習手法であればなんでもよい。学習処理部14は、例えばプロセッサーである。
推定用パラメータ記憶部15は、学習処理部14により算出した推定用パラメータWを記憶する。推定用パラメータ記憶部15は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
推定対象画像特徴量抽出部16は、画像加工部4で加工された、水質の推定及び判定に使用される反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し推定対象画像特徴量Xを抽出する。具体的には、位相幾何学的データ解析手法の一つであるパーシステントホモロジーの計算を行い、生成時刻を横軸、消滅時刻を縦軸にとって表現したパーシステント図に対して平滑化処理を適用して、推定対象画像特徴量Xを抽出する。推定対象画像特徴量抽出部16は、例えばプロセッサーである。
なお、本実施の形態では、画像特徴量抽出部5と推定対象画像特徴量抽出部16は別個に構成されているが、画像特徴量抽出部5と推定対象画像特徴量抽出部16の機能は同じであるため、1つの画像特徴量抽出部として構成されてもよい。
水質推定部17は、推定用パラメータ記憶部15に記憶されている推定用パラメータWを使用し、推定対象画像特徴量抽出部16が抽出した推定対象画像特徴量Xを入力として水質を推定する。実際に水質推定部17が推定する水質は、学習処理部14で目的変数として学習させた、MLSSやBOD等の水質データの推定値である。水質推定部17は、例えばプロセッサーである。
水質判定部18は、水質推定部17が推定した結果に基づいて反応槽又は沈殿槽2の水質を判定する。具体的には、水質判定部18は、水質推定部17が推定したMLSSやBOD等の水質データの推定値が、あらかじめ設定された閾値より小さい場合は、反応槽又は沈殿槽2の水質が、「良好な状態」であると判定する。一方、水質判定部18は、水質推定部17が推定したMLSSやBOD等の水質データの推定値が、あらかじめ設定された閾値より大きい場合は、反応槽又は沈殿槽2の水質が、「悪化している状態」であると判定する。水質判定部18は、例えばプロセッサーである。
判定結果記憶部19は、水質の推定及び判定に使用された、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データ及び画像加工部4で加工された画像データ、推定対象画像特徴量抽出部16で抽出された推定対象画像特徴量X、水質推定部17で推定された水質、及び、水質判定部18で判定された水質の判定結果を関連付けて記憶する。判定結果記憶部19は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
判定結果表示部9は、水質の判定結果(「良好な状態」又は「悪化している状態」)を表示する。
なお、画像データ記憶部3と画像特徴量蓄積部12と水質データ蓄積部13と推定用パラメータ記憶部15と判定結果記憶部19とが、1つの記憶媒体で構成されてもよい。また、画像加工部4と画像特徴量抽出部5と学習処理部14と推定対象画像特徴量抽出部16と水質推定部17と水質判定部18とが、制御部として1つのプロセッサーで構成されてもよい。
(学習処理フロー)
次に、本実施の形態に係る水質判定装置11を用いた学習処理フローについて説明する。図11は、第2の実施の形態に係る水質判定装置11を用いた学習処理フローを示すフローチャートである。
初めに、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像が、画像データ記憶部3に一時的に記憶された後、画像加工部4が、画像データ記憶部3に記憶された画像データを加工する(ステップS201)。
次に、画像特徴量抽出部5が、画像加工部4で加工された画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する(ステップS202)。
次に、画像特徴量抽出部5により抽出した画像特徴量が画像特徴量蓄積部12に蓄積され(ステップS203)、画像特徴量抽出部5により画像特徴量が抽出された、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データに対応する水質データが水質データ蓄積部13に蓄積される(ステップS204)。
なお、ステップS204は、ステップS201〜S203より先に行われても良く、ステップS204と、ステップS201〜S203が同時に行われても良い。
次に、学習処理部14が、画像特徴量蓄積部12に蓄積されている画像特徴量を説明変数、水質データ蓄積部13に蓄積されている水質データを目的変数として、対応関係を学習し、学習結果として推定用パラメータWを算出する(ステップS205)。
最後に、学習処理部14により算出した推定用パラメータWが、推定用パラメータ記憶部15に記憶される(ステップS206)。これにより、学習処理フローは終了するが、この後、新しい画像特徴量が画像特徴量蓄積部12に所定の数だけ蓄積され、新しい水質データが水質データ蓄積部13に所定の数だけ蓄積された場合、改めて、学習処理フローを行う。これにより、古い推定用パラメータWは、新しい推定用パラメータWに更新される。
(汚水処理施設の水質判定フロー)
次に、本実施の形態に係る水質判定装置11を用いた汚水処理施設の水質判定フローについて説明する。図12は、第2の実施の形態に係る水質判定装置11を用いた汚水処理施設の水質判定フローを示すフローチャートである。
初めに、可視光カメラ10により撮影された、水質の推定及び判定をするための反応槽又は沈殿槽2の水面の画像が、画像データ記憶部3に一時的に記憶された後、画像加工部4が、画像データ記憶部3に記憶された画像データを加工する(ステップS301)。
次に、推定対象画像特徴量抽出部16が、画像加工部4で加工された画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し推定対象画像特徴量Xを抽出する(ステップS302)。
次に、水質推定部17が、推定用パラメータ記憶部15に記憶されている推定用パラメータWを使用し、推定対象画像特徴量抽出部16が抽出した推定対象画像特徴量Xを入力として水質を推定する(ステップS303)。
次に、水質判定部18が、反応槽又は沈殿槽2の水質を判定する(ステップS304)。水質の判定結果は、判定結果記憶部19に記憶され、その後、判定結果表示部9が、水質の判定結果を表示する。
これにより、水質判定フローは終了するが、現場にいる運転員は、この判別結果を確認することにより、現在の反応槽又は沈殿槽2の水質が、「良好な状態」と「悪化している状態」のどちらであるかを認識する。あるいは、水質が悪化している場合には、図示しない警報装置が警報を発することにより、現在の反応槽又は沈殿槽2の水質が、「悪化している状態」であることを認識する。運転員は、反応槽又は沈殿槽2の水質に応じた対応を取るが、通常、水質が悪化している場合は、スカムの除去作業を行う。
また、本実施の形態では、水質判定装置11において推定用パラメータWを算出しているが、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像、及び、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データに対応する水質データを用いて、別の場所にある推定用パラメータ算出機能(画像加工部4、画像特徴量抽出部5、画像特徴量蓄積部12、水質データ蓄積部13、学習処理部14、推定用パラメータ記憶部15)を有するパソコン等で推定用パラメータWを算出し、算出された推定用パラメータWを水質判定装置11の水質推定部17で実行させるようにしてもよい。その場合、水質判定装置11には、画像特徴量抽出部5、画像特徴量蓄積部12、水質データ蓄積部13、学習処理部14はなくてもよく、全体として水質判定装置を構成する形となる。
このように、第2の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置によれば、反応槽又は沈殿槽の水面を撮影した画像データに対してエッジ抽出等の2値化の処理を行った後、位相幾何学的データ解析、及び、平滑化処理を適用して抽出した画像特徴量と、画像データに対応する反応槽又は沈殿槽の水質データとの対応関係を学習し、推定用パラメータを算出する。そして、後ほど撮影した反応槽又は沈殿槽の水面を撮影した画像データから抽出した画像特徴量と推定用パラメータとを使用して反応槽又は沈殿槽の水質を推定することにより、水処理場における反応槽及び沈殿槽の水質を正確に判定することが可能である。
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る汚水処理施設の水質判定装置の第3の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。第3の実施の形態では、第1の実施の形態で抽出した画像特徴量に対して、教師なし学習によりクラスタリングを行った後、運転員にクラスタリング結果を提示し、各クラスタと水質良否の対応付けを行ってもらい、その対応付け結果に基づいて水質を判定する。
図13は、第3の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置21を示すブロック図である。水質判定装置21は、反応槽又は沈殿槽2の水面を撮影した画像データから、位相幾何学的データ解析、及び、平滑化処理を適用して画像特徴量を抽出し、抽出した画像特徴量を教師なしクラスタリングし、クラスタリングした結果のクラスタごとに、反応槽又は沈殿槽2の水質を対応付ける。さらに、水質判定装置21は、水質の判定をしたい反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データに対しても同様に処理をして画像特徴量を抽出し、クラスタリングした結果と、クラスタごとに対応付けた反応槽又は沈殿槽2の水質とに基づいて、反応槽又は沈殿槽2の水質を判定する。
水質判定装置21は、画像データ記憶部3、画像加工部4、画像特徴量抽出部5、画像特徴量蓄積部22、クラスタリング部23、クラスタリングパラメータ記憶部24、クラスタリング結果提示部25、クラスタ・水質対応付け部26、クラスタ・水質対応付け結果記憶部27、判定対象画像特徴量抽出部28、水質判定部29、判定結果記憶部30、及び、判定結果表示部31を備えている。
画像データ記憶部3は、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データを一時的に記憶する。これらの画像データは、第1の実施の形態に係る可視光カメラ10により撮影されたものでありスカムが写り込んでいる可能性が高い。画像データは、第1の実施の形態と同じく可視光カメラ10から直接送られる場合と、図示しない記憶装置に蓄積された後、送られる場合の2通りがある。さらに、画像データは、後述するクラスタリング部で使用される画像データと、クラスタと水質の対応付け後に、水質の判定に使用される画像データの2通りがある。
画像加工部4は、画像データ記憶部3に記憶された画像データを加工する。具体的には、画像加工部4は、画像データから位相幾何学的データ解析を行うための前処理として、エッジ抽出等の2値化の処理を行う。
画像特徴量抽出部5は、画像加工部4で加工された画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する。具体的には、位相幾何学的データ解析手法の一つであるパーシステントホモロジーの計算を行い、生成時刻を横軸、消滅時刻を縦軸にとって表現したパーシステント図に対して平滑化処理を適用して、画像特徴量を抽出する。
画像特徴量蓄積部22は、画像特徴量抽出部5により抽出した画像特徴量を蓄積する。画像特徴量蓄積部22は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
クラスタリング部23は、画像特徴量蓄積部22に蓄積されている画像特徴量を教師なしクラスタリングする。クラスタリング手法に関しては、混合正規分布等の統計モデルを仮定した手法、又は、SVM(Support Vector Machines)等の機械学習手法ならばどのような手法でもよい。クラスタ数については、良/否の2分類にするのか、5段階評価の5分類にするのか、クラスタ数自体もデータから最適化により決定するのか等考えられるが、実際の処理場の運用状況を考慮しながら、クラスタリング手法と合わせて決定する。クラスタリング部23は、例えばプロセッサーである。
クラスタリングパラメータ記憶部24は、クラスタリング部23でクラスタリングした結果として得られるクラスタリングパラメータを、反応槽又は沈殿槽2の水面の入力画像データと対応付けて、一緒に記憶する。クラスタリングパラメータ記憶部24は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
クラスタリング結果提示部25は、クラスタリングパラメータ記憶部24に記憶されているクラスタリング結果のクラスタごとに、代表的な入力画像と対応するクラスタIDとを提示する。クラスタリング結果提示部25は、例えば液晶等のディスプレイである。
クラスタ・水質対応付け部26は、クラスタリング結果提示部25に提示部に提示されたクラスタリング結果(代表的な入力画像と対応するクラスタID)に対して、運転員が水質の対応付けを行う。具体的には、提示された各クラスタを代表する画像とクラスタIDに対して、水質の良否を示す2値、又は、水質の5段階評価値等水質の良否を表すラベルを運転員の判断により付与する。
各クラスタを代表する画像とは、例えば、正規混合分布を仮定したクラスタリングの場合は、各混合性分の(平均、分散)に一番近いパラメータを持つ画像、SVMによる分類ならば、パラメータ空間上でクラス境界面から一番遠い場所に位置する画像等である。クラスタ・水質対応付け部26は、例えば、タッチパネルやキーボードである。
クラスタ・水質対応付け結果記憶部27は、各クラスタに対して運転員が判断した、クラスタとその水質良否(水質の良否を示す2値、又は、水質の5段階評価値等)を対応付けしたクラスタ・水質対応付け結果を記憶する。クラスタ・水質対応付け結果記憶部27は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
判定対象画像特徴量抽出部28は、画像加工部4で加工された、水質の判定に使用される反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し判定対象画像特徴量を抽出する。具体的には、位相幾何学的データ解析手法の一つであるパーシステントホモロジーの計算を行い、生成時刻を横軸、消滅時刻を縦軸にとって表現したパーシステント図に対して平滑化処理を適用して、判定対象画像特徴量を抽出する。判定対象画像特徴量抽出部28は、例えばプロセッサーである。
なお、本実施の形態では、画像特徴量抽出部5と判定対象画像特徴量抽出部28は別個に構成されているが、画像特徴量抽出部5と判定対象画像特徴量抽出部28の機能は同じであるため、1つの画像特徴量抽出部として構成されてもよい。
水質判定部29は、判定対象画像特徴量抽出部28が抽出した判定対象画像特徴量を入力として、クラスタリングパラメータ記憶部24に記憶されたクラスタリングパラメータと、クラスタ・水質対応付け結果記憶部27に記憶されたクラスタ・水質対応付け結果をもとに水質の良否を判定する。具体的には、水質判定部29は、判定対象画像特徴量が入力されると、クラスタリングパラメータを利用して判定対象画像特徴量に対応するクラスタIDを算出する。そして、算出したクラスタIDをもとに対応付け結果を参照し、水質良否を示すラベルを出力する。
水質良否を示すラベルとは、例えば、クラスタ数が、良/否の2分類だった場合は、「良好な状態」、又は、「悪化している状態」であり、クラスタ数が、5段階評価の5分類だった場合は、「1.非常に良好な状態」、「2.良好な状態」「3.通常の状態」「4.悪化している状態」、又は、「5.非常に悪化している状態」である。水質判定部29は、例えばプロセッサーである。
判定結果記憶部30は、水質の判定に使用された、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像データ及び画像加工部4で加工された画像データ、推定対象画像特徴量抽出部28で抽出された推定対象画像特徴量、及び、水質判定部29で判定された水質の判定結果を関連付けて記憶する。判定結果記憶部30は、例えば半導体メモリや磁気ディスク等の記憶媒体である。
判定結果表示部31は、水質の判定結果を表示する。クラスタ数が、良/否の2分類だった場合は、「良好な状態」、又は、「悪化している状態」である旨を表示し、クラスタ数が、5段階評価の5分類だった場合は、「1.非常に良好な状態」、「2.良好な状態」「3.通常の状態」「4.悪化している状態」、又は、「5.非常に悪化している状態」である旨を表示する。
なお、画像データ記憶部3と画像特徴量蓄積部12とクラスタリングパラメータ記憶部24と水質データ蓄積部13とクラスタ・水質対応付け結果記憶部27と判定結果記憶部30とが、1つの記憶媒体で構成されてもよい。また、画像加工部4と画像特徴量抽出部5とクラスタリング部23と推定対象画像特徴量抽出部28と水質判定部29とが、制御部として1つのプロセッサーで構成されてもよい。また、クラスタリング結果提示部25と判定結果表示部31とが、1つのディスプレイで構成されてもよい。
(学習処理フロー)
次に、本実施の形態に係る水質判定装置21を用いた学習処理フローについて説明する。図14は、第3の実施の形態に係る水質判定装置21を用いた学習処理フローを示すフローチャートである。
初めに、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像が、画像データ記憶部3に一時的に記憶された後、画像加工部4が、画像データ記憶部3に記憶された画像データを加工する(ステップS401)。
次に、画像特徴量抽出部5が、画像加工部4で加工された画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する(ステップS402)。
次に、画像特徴量抽出部5により抽出した画像特徴量が画像特徴量蓄積部22に蓄積される(ステップS403)。
次に、クラスタリング部23が、画像特徴量蓄積部22に蓄積されている画像特徴量を教師なしクラスタリングする(ステップS404)。
次に、クラスタリング部23でクラスタリングした結果として得られるクラスタリングパラメータと、反応槽又は沈殿槽2の水面の入力画像データとが対応付けられた形でクラスタリングパラメータ記憶部24に記憶される(ステップS405)。
最後に、クラスタリング結果提示部25に提示部に提示されたクラスタリング結果に対して、運転員がクラスタ・水質対応付け部26を用いて水質の対応付けを行い(ステップS406)、その結果がクラスタ・水質対応付け結果記憶部27に記憶される。
これにより、学習処理フローは終了するが、この後、新しい画像特徴量が画像特徴量蓄積部22に所定の数だけ蓄積された場合、改めて、学習処理フローを行う。これにより、古いクラスタリングパラメータ、及び、古いクラスタ・水質対応付け結果は、新しいクラスタリングパラメータ、及び、新しいクラスタ・水質対応付け結果に更新される。
(汚水処理施設の水質判定フロー)
次に、本実施の形態に係る水質判定装置21を用いた汚水処理施設の水質判定フローについて説明する。図15は、第3の実施の形態に係る水質判定装置21を用いた汚水処理施設の水質判定フローを示すフローチャートである。
初めに、可視光カメラ10により撮影された、水質の判定をするための反応槽又は沈殿槽2の水面の画像が、画像データ記憶部3に一時的に記憶された後、画像加工部4が、画像データ記憶部3に記憶された画像データを加工する(ステップS501)。
次に、判定対象画像特徴量抽出部28が、画像加工部4で加工された画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し判定対象画像特徴量を抽出する(ステップS502)。
次に、水質判定部29が、反応槽又は沈殿槽2の水質を判定する(ステップS503)。水質の判定結果は、判定結果記憶部30に記憶され、その後、判定結果表示部31が、水質の判定結果を表示する。
これにより、水質判定フローは終了するが、現場にいる運転員は、この判別結果を確認することにより、現在の反応槽又は沈殿槽2の水質が、「良好な状態」と「悪化している状態」のどちらであるか(又は、「1.非常に良好な状態」、「2.良好な状態」「3.通常の状態」「4.悪化している状態」、「5.非常に悪化している状態」のいずれかであるか)を認識する。あるいは、水質が悪化している場合には、図示しない警報装置が警報を発することにより、現在の反応槽又は沈殿槽2の水質が、「悪化している状態」(又は、「4.悪化している状態」か「5.非常に悪化している状態」)であることを認識する。運転員は、反応槽又は沈殿槽2の水質に応じた対応を取るが、通常、水質が悪化している場合は、スカムの除去作業を行う。
また、本実施の形態では、水質判定装置21においてクラスタリングを行い、さらに、クラスタと水質の対応付けを行っているが、反応槽又は沈殿槽2の水面の画像を用いて
別の場所にあるクラスタリング機能、及び、クラスタ・水質対応付け機能(画像加工部4、画像特徴量抽出部5、画像特徴量蓄積部22、クラスタリング部23、クラスタリングパラメータ記憶部24、クラスタリング結果提示部25、クラスタ・水質対応付け部26、クラスタ・水質対応付け結果記憶部27)を有するパソコン等でクラスタリングと、運転員によるクラスタと水質の対応付けを行い、その結果を基に水質判定装置21の水質判定部29で判定するにしてもよい。その場合、水質判定装置21には、画像特徴量抽出部5、画像特徴量蓄積部22、クラスタリング部23、クラスタリングパラメータ記憶部24、クラスタリング結果提示部25、クラスタ・水質対応付け部26はなくてもよく、全体として水質判定装置を構成する形となる。
このように、第3の実施の形態に係る汚水処理施設の水質判定装置によれば、反応槽又は沈殿槽の水面を撮影した画像データに対してエッジ抽出等の2値化の処理を行った後、位相幾何学的データ解析、及び、平滑化処理を適用して抽出した画像特徴量を教師なしクラスタリングし、クラスタリングした結果のクラスタごとに、反応槽又は沈殿槽の水質を対応付ける。そして、後ほど撮影した反応槽又は沈殿槽の水面を撮影した画像データから抽出した画像特徴量と、クラスタごとに対応付けた反応槽又は沈殿槽の水質とに基づいて、水処理場における反応槽及び沈殿槽の水質を正確に判定することが可能である。
なお、第1〜第3の実施の形態では、汚水処理施設の反応槽又は沈殿槽の水面に浮遊しているスカムの量を特定し、反応槽又は沈殿槽の水質を判定しているが、これに限られない。反応槽及び沈殿槽の水面に発生する泡の量や、反応槽及び沈殿槽の水面に浮上する汚泥の量も第1〜第3の実施の形態に係る水質判定装置を用いて特定し、廃水の水質を判定することが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
1、11、21 水質判定装置
2 反応槽又は沈殿槽
3 画像データ記憶部
4 画像加工部
5 画像特徴量抽出部
6 水質数値化部
7、18、29 水質判定部
8、19、30 判定結果記憶部
9、31 判定結果表示部
10 可視光カメラ
12 画像特徴量蓄積部
13 水質データ蓄積部
14 学習処理部
15 推定用パラメータ記憶部
16、28 推定対象画像特徴量抽出部
17 水質推定部
22 画像特徴量蓄積部
23 クラスタリング部
24 クラスタリングパラメータ記憶部
25 クラスタリング結果提示部
26 クラスタ・水質対応付け部
27 クラスタ・水質対応付け結果記憶部
28 判定対象画像特徴量抽出部

Claims (20)

  1. 反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行う画像加工部と、
    2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部と、
    前記画像特徴量を使用して前記反応槽又は沈殿槽の水質のレベルを数値化する水質数値化部と、
    数値化した数値に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定する水質判定部と、
    を備えたこと、を特徴とする汚水処理施設の水質判定装置。
  2. 前記画像特徴量抽出部による前記位相幾何学的データ解析は、パーシステントホモロジーを計算することにより行われること、を特徴とする請求項1に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  3. 前記画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、ヒストグラム化により行われること、を特徴とする請求項1または2に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  4. 前記画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、カーネル密度推定により行われること、を特徴とする請求項1または2に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  5. 前記画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、パーシステント強度関数により行われること、を特徴とする請求項1または2に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  6. 反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行う画像加工部と、
    2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部と、
    前記画像特徴量を説明変数とし、前記画像特徴量が抽出された前記画像データに対応する前記反応槽又は沈殿槽の水質データを目的変数として、前記画像特徴量と前記水質データとの対応関係を学習し、推定用パラメータを算出する学習処理部と、
    水質の推定及び判定に使用される前記反応槽又は沈殿槽の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し推定対象画像特徴量を抽出する推定対象画像特徴量抽出部と、
    前記推定用パラメータを使用し、前記推定対象画像特徴量を入力として前記反応槽又は沈殿槽の水質を推定する水質推定部と、
    前記推定した結果に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定する水質判定部と、
    を備えたこと、を特徴とする汚水処理施設の水質判定装置。
  7. 前記画像特徴量抽出部及び前記推定対象画像特徴量抽出部による前記位相幾何学的データ解析は、パーシステントホモロジーを計算することにより行われること、を特徴とする請求項6に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  8. 前記画像特徴量抽出部及び前記推定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、ヒストグラム化により行われること、を特徴とする請求項6または7に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  9. 前記画像特徴量抽出部及び前記推定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、カーネル密度推定により行われること、を特徴とする請求項6または7に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  10. 前記画像特徴量抽出部及び前記推定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、パーシステント強度関数により行われること、を特徴とする請求項6または7に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  11. 前記学習処理部による学習方法は、統計手法、又は、機械学習手法であること、を特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  12. 反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行う画像加工部と、
    2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出する画像特徴量抽出部と、
    前記画像特徴量を教師なしクラスタリングするクラスタリング部と、
    前記クラスタリングした結果として得られるクラスタリングパラメータを、前記画像データと対応付けて記憶するクラスタリングパラメータ記憶部と、
    前記クラスタリングした結果のクラスタごとに、代表的な前記画像データを提示するクラスタリング結果提示部と、
    前記クラスタごとに、前記反応槽又は沈殿槽の水質を対応付けて記憶するクラスタ・水質対応付け結果記憶部と、
    水質の判定に使用される前記反応槽又は沈殿槽の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し判定対象画像特徴量を抽出する判定対象画像特徴量抽出部と、
    前記判定対象画像特徴量を入力として、前記クラスタリングパラメータと、前記クラスタと水質の対応付け結果とに基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定する水質判定部と、
    を備えたこと、を特徴とする汚水処理施設の水質判定装置。
  13. 前記画像特徴量抽出部及び前記判定対象画像特徴量抽出部による位相幾何学的データ解析は、パーシステントホモロジーを計算することにより行われること、を特徴とする請求項12に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  14. 前記画像特徴量抽出部及び前記判定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、ヒストグラム化により行われること、を特徴とする請求項12または13に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  15. 前記画像特徴量抽出部及び前記判定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、カーネル密度推定により行われること、を特徴とする請求項12または13に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  16. 前記画像特徴量抽出部及び前記判定対象画像特徴量抽出部による前記平滑化処理は、パーシステント強度関数により行われること、を特徴とする請求項12または13に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  17. 前記クラスタリング部によるクラスタリング方法は、統計モデルを仮定した手法、又は、機械学習手法であること、を特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載の汚水処理施設の水質判定装置。
  18. 反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行い、
    2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出し、
    前記画像特徴量を使用して前記反応槽又は沈殿槽の水質のレベルを数値化し、
    数値化した数値に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定すること、
    を含むこと、を特徴とする汚水処理施設の水質判定方法。
  19. 反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行い、
    2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出し、
    前記画像特徴量を説明変数とし、前記画像特徴量が抽出された前記画像データに対応する前記反応槽又は沈殿槽の水質データを目的変数として、前記画像特徴量と前記水質データとの対応関係を学習し、推定用パラメータを算出し、
    水質の推定及び判定に使用される前記反応槽又は沈殿槽の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し推定対象画像特徴量を抽出し、
    前記推定用パラメータを使用し、前記推定対象画像特徴量を入力として前記反応槽又は沈殿槽の水質を推定し、
    前記推定した結果に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定すること、
    を含むこと、を特徴とする汚水処理施設の水質判定方法。
  20. 反応槽又は沈殿槽の水面の画像データに対して2値化の処理を行い、
    2値化処理後の前記画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し画像特徴量を抽出し、
    前記画像特徴量を教師なしクラスタリングし、
    前記クラスタリングした結果として得られるクラスタリングパラメータを、前記画像データと対応付けて記憶し、
    前記クラスタリングした結果のクラスタごとに、代表的な前記画像データを提示し、
    前記クラスタごとに、前記反応槽又は沈殿槽の水質を対応付けて記憶し、
    水質の判定に使用される前記反応槽又は沈殿槽の画像データに対し、位相幾何学的データ解析および平滑化処理を適用し判定対象画像特徴量を抽出し、
    前記判定対象画像特徴量を入力として、前記クラスタリングパラメータと、前記クラスタと水質の対応付け結果に基づいて前記反応槽又は沈殿槽の水質を判定すること、
    を含むこと、を特徴とする汚水処理施設の水質判定方法。
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