JP7388249B2 - 汚水処理施設の運転操作量導出装置及び運転操作量導出方法 - Google Patents
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Description
このような汚水処理施設では、汚泥引抜量、反応層における溶存酸素量や送風量等を、作業員が決定し、汚水処理施設中の様々な設備を操作することで、日々の運転がなされている。
上記のような設備を操作するに際し、設備の運転操作量の決定は、熟練した作業員の勘や経験、ノウハウに依るところが大きく、非常に難易度が高い作業である。このため、熟練した作業員に依らずとも運転操作量を決定可能とすることが、望まれている。
例えば特許文献1には、過去のある時点から現在までに汚水貯留施設へ入ってきた実績流入量と、プラントデータをもとに、現在より先のある一定時間内に流入する汚水量を予測し、予め設定されたポンプ吐出量の目標値と、予測流入量と、実績流入量と、現在の貯蔵量と、現在のポンプ吐出量の情報より演算される情報を入力とし、予め決定されたメンバーシップ関数・ルールに従い、ファジィ推論によりポンプの目標吐出量を決定する、下水処理場の汚水ポンプ制御装置が開示されている。
特許文献1の装置には、ニューラルネットワークが用いられている。このニューラルネットワークは、入力としてポンプ井水位、除塵流入ゲート開度、汚水ポンプ吐出量、実績流入量等の時系列データを与えると、予測流入量を出力する。
例えば、上記のような特許文献1においては、ニューラルネットワーク等の入力となるのは時系列のデータである。このようなデータは、一般に、一見して理解できるような構造とはなっておらず、かつ一覧性が低いため、視認性が低く、ニューラルネットワーク等にどのようなデータが与えられたのかを理解するのが容易ではない。このため、何らかの問題が生じた際に、例えばそれが入力データ中の特にどの部分に起因したものなのかを解析することも難しい。
図1は、第1実施形態における汚水処理施設のブロック図である。汚水処理施設1は、反応槽3に貯留された汚水を微生物により浄化処理する。
汚水処理施設1は、最初沈殿池2、反応槽3、計測器4、最終沈殿池5、散気板6、ブロア7、曝気調整バルブ8、返送汚泥ポンプ9、余剰汚泥引抜ポンプ10、重力濃縮槽11、機械濃縮槽12、消化槽13、脱水槽14、運転操作量導出装置20、及び第1~第8配管L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8を備えている。
反応槽3内の下部には、ブロア7から第6配管L6を介して空気が供給される。第6配管L6の、ブロア7と反応槽3との間には、曝気調整バルブ8が設けられている。曝気調整バルブ8を開閉すると、曝気量(以下においては送風量と記載する)が変化し、これにより反応槽3内の溶存酸素量が調整されて、微生物による生物処理の進行度合いが制御される。反応槽3の、第6配管L6により空気が供給される部分には、酸素の溶解効率を高めるための散気板6が設けられている。
反応槽3には、溶存酸素量(DO)、浮遊物質濃度(MLSS)、NH4濃度、及びNO3濃度等の、様々な水質データを計測する計測器4が設けられている。図1においては、計測器は反応槽3に設けられているが、実際には計測器は、汚水処理施設1内の様々な場所に設けられており、場合によってはこれら複数の計測器による計測結果が総括されて処理系全体での水質データとして、運転操作等の各作業や判断に使用される。後に説明するトレンドデータについても同様である。
最終沈殿池5で沈殿した汚泥の一部は、返送汚泥ポンプ9により第4配管L4を通じて再び反応槽3に戻され、活性汚泥処理に再利用される。残りの汚泥は余剰汚泥として汚泥引抜ポンプ10により第5配管L5を通じて排出されて、機械濃縮槽12に送られる。
消化槽13は、濃縮された汚泥を、例えば嫌気性消化方式により、嫌気性微生物の働きによって有機性汚泥を分解し、消化処理する。分解された汚泥は、第8配管L8を通じて脱水槽14に送られる。
脱水槽14は、分解された汚泥の含水率を下げ、減容化する。減容化された汚泥は焼却処理される。
図2は、運転操作量導出装置20のブロック図である。運転操作量導出装置20は、データ蓄積部24、変換画像生成部25、変換画像蓄積部26、運転操作量学習部27、モデルパラメータ記憶部28、運転操作量導出部29、及び注視領域抽出部30を備えている。
これら運転操作量導出装置20の構成要素のうち、変換画像生成部25、運転操作量学習部27、運転操作量導出部29、及び注視領域抽出部30は、例えば上記情報処理装置内のCPUにより実行されるソフトウェア、プログラムであってよい。また、データ蓄積部24、変換画像蓄積部26、及びモデルパラメータ記憶部28は、上記情報処理装置内外に設けられた半導体メモリや磁気ディスクなどの記憶装置により実現されていてよい。
また、運転操作量導出装置20の入力は、既に説明したような、溶存酸素量(DO)、浮遊物質濃度(MLSS)、NH4濃度、及びNO3濃度等の水質データ22を含む。
運転操作量導出装置20の入力の一つである運転操作量データ23については、後に説明する。
本第1実施形態においては、例えば、反応槽3内の溶存酸素量を一定以上にするために、送風量が目標値として設定されている。しかし、例えば反応槽3内の溶存酸素量自体に目標値を設定して、溶存酸素量が当該目標値以上となるように風量を調整する処理系も想定される。この場合においては、例えば運転操作量31として、送風量に替えて、溶存酸素量を出力するようにしてもよい。
返送汚泥量は、より詳細には、例えば返送汚泥ポンプ9の回転数であり得る。
余剰汚泥引抜量は、より詳細には、例えば余剰汚泥引抜ポンプ10による余剰汚泥の引抜時間であり得る。
また、本第1実施形態においては、運転操作量31は、脱水槽14での脱水処理において注入される高分子凝集剤の注入率を含む。
すなわち、運転操作量導出装置20は、運転操作量31の学習と、運転操作量31の導出を行う。また、本第1実施形態においては、運転操作量導出装置20はこれに加えて、運転操作量31の導出に際し、入力されたデータ中の特にどの部分が導出に大きな影響を与えたか、その根拠を解析して抽出し、結果を注視、強調表示する。説明を簡単にするために、以下ではまず、運転操作量31の学習時における、運転操作量導出装置20の各構成要素の説明をした後に、運転操作量31の導出時での各構成要素の挙動について説明し、更に、導出根拠抽出表示時の各構成要素の挙動について説明する。
学習データは、運転操作量導出装置20が運転操作量31を導出する際に入力されるトレンドデータ(施設パラメータ)21と水質データ(施設パラメータ)22である。より詳細には、学習データは、運転操作量31を学習する時刻を基準時刻とすると、この学習時における基準時刻より前に実際の汚水処理施設1において計測、記録されたトレンドデータ21と水質データ22である。これらトレンドデータ21と水質データ22は、時間の経過とともにその推移が記録された、時系列データである。
このようにして、機械学習器40は、運転操作量データ23に近い運転操作量31を出力するように学習される。
図3は、トレンドデータ21及び水質データ22に対するデータ加工の説明図である。図4は、変換画像の説明図である。
既に説明したように、トレンドデータ21と水質データ22として記録された各施設パラメータ21、22の各々は、時系列データであり、その各々が、横軸を時間軸として、縦軸をその値として示した際に、図3に示されるような関数fとして表現される。説明を簡単にするため、ここでは、施設パラメータ21、22のうち、水温21Aを例にとり説明する。
本第1実施形態においては、変換画像生成部25は、基準時刻SPから12時間ごと遡った各時刻において、当該時刻の4週間前から当該時刻までの複数の時間間隔I1~I56において関数fを切り出す。本第1実施形態においては、トレンドデータ21と水質データ22は1時間刻みで計測されている。このため、各時間間隔I1~I56のレコード数は、4(週間)×7(日)×24(時間)=672となる。本第1実施形態においては、672を12で除算した値である56を、時間間隔I1~I56の数とした。
このように、変換画像生成部25は、関数fを切り出して、複数の関数f1~f56を生成する。
図4に示される変換画像49は、各関数f1~f56を上記のようにスペクトログラム表現して縦方向に積層したものである。変換画像49は、56×56の解像度の画像である。変換画像49は1チャネルの画像であり、各画素は、例えば画素値が8ビットで表現される場合には、0から255までの値を取り得る。変換画像49の各行49aは、複数の時間間隔I1~I56の中の1つの時間間隔に対応する、関数f1~f56の各々のスペクトログラム表現である。各列49bは、フーリエ変換時の各周波数成分に対応する。例えば、変換画像49のi行目のj列目の画素は、対応する関数fiをフーリエ変換した際の、j番目の周波数成分に対応する振幅に基づく値を、画素値として有している。
変換画像生成部25は、複数の基準時刻SPに対して、複数のトレンドデータ21、水質データ22の各々に対して、複数の変換画像49を生成する。変換画像生成部25は、基準時刻SPごとに、各トレンドデータ21、水質データ22の変換画像49と、当該基準時刻SPにおける運転操作量データ23とを、それぞれ対応付けて、変換画像蓄積部26に記憶、蓄積する。
トレンドデータ21と水質データ22の総数が複数個ある場合には、複数個の、1チャネルの変換画像49が互いに関連付けられている。運転操作量学習部27は、これら複数個の変換画像49を積層し、1個の複数チャネルの変換画像49Sを生成する。
運転操作量学習部27は、この積層した変換画像49Sを機械学習器40に入力する。図5は、機械学習器40のブロック図である。本第1実施形態においては、機械学習器40は、画像を入出力とした場合の処理と相性の良い畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、以下CNNと記載する)により実現されている。
機械学習器40は、畳み込み処理部41と全結合部42を備えている。畳み込み処理部41は、複数の畳み込み層44を備えている。全結合部42は、入力層46、中間層47、及び出力層48を備えている。
畳み込み層44Aは、所定の数のフィルタを備えている。機械学習器40は、各フィルタに対し、これを変換画像49S上に位置付け、フィルタ内の変換画像49Sの各画素の画素値に対して、フィルタ内に画素位置に対応して設定された重みを付けて和を計算することで、畳み込みフィルタ処理を実行する。これにより、畳み込み層44Aにおける1つの画素の画素値が演算される。機械学習器40は、フィルタを変換画像49S上で所定の解像度刻みで移動させつつ、このような畳み込みフィルタ処理を実行することで複数の画素値を演算し、これを並べて、フィルタに対応した1枚の画像を生成する。
機械学習器40は、この処理を、畳み込み層44Aの全てのフィルタに対して実行し、フィルタの数に応じた特徴量マップ45Aを生成する。
特徴量マップ45Aに対しては、必要に応じて、バッチ正規化処理やプーリング処理、活性化関数が実行される。
畳み込み層44Aにおいて生成された特徴量マップ45Aは、次段の畳み込み層44の入力画像となる。
各フィルタの重みは、機械学習により調整される。
最終段の畳み込み層44Bの出力である特徴量マップ45Bは、入力層46への入力となる。
本第1実施形態においては、出力層48の有する出力ノード48nの数は1個である。すなわち、本第1実施形態においては、運転操作量学習部27は、導出対象となる運転操作量31が複数存在する場合には、この各々に対応する機械学習器40を備えており、複数の機械学習器40の各々が、対応する運転操作量31に特化して学習される。
中間層47は、入力層46と出力層48の間に設けられており、隣接する層間においては全てのノード同士が全結合し、ノード間に結合荷重を備えた構成となっている。中間層47及び出力層48の各々のノードにおいては、この結合荷重に基づいて、前段の層の各ノードに対して重み付け和を演算し、その結果に出力関数を適用した値が格納される。
結果として、機械学習器40は、変換画像49が入力されたときに、これに対応する運転操作量データ23に近い運転操作量31を出力するように学習される。学習が終了した時点の特徴量マップ45Bは、畳み込み処理部41により変換画像49に関する特徴が抽出されて反映されたものとなっている。
すなわち、運転操作量学習部27は、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールとして利用される、適切な学習パラメータが学習された学習済みの学習モデル50を生成するものである。
変換画像生成部25は、データ蓄積部24から、運転操作量31を導出したい時刻、例えば現在の時刻における、トレンドデータ21と水質データ22を取得する。変換画像生成部25は、これらトレンドデータ21と水質データ22の各々に対し、学習時と同様に、複数の変換画像49を生成する。
変換画像生成部25は、これら複数の変換画像49を互いに対応付けて、変換画像蓄積部26に記憶、蓄積する。
運転操作量導出部29は、運転操作量学習部27と同様に、複数の1チャネルの変換画像49を積層し、複数チャネルの変換画像49Sを生成する。
運転操作量導出部29はまた、モデルパラメータ記憶部28からモデルパラメータを取得し、学習モデル50を構築する。学習モデル50は、図5に示される機械学習器40と略同等の構造を備えている。運転操作量導出部29は、この学習モデル50を、例えばCPU上でプログラムとして実行することで、運転操作量31を導出する。
既に説明したように、運転操作量学習部27は、導出対象となる運転操作量31が複数存在する場合には、この各々に対応する機械学習器40を備えており、複数の機械学習器40の各々が、対応する運転操作量31に特化して学習される。運転操作量導出部29も、複数の機械学習器40の各々に対応して、複数の学習モデル50を構築し、この各々に対して積層した変換画像49Sを入力することで、各学習モデル50に対応する運転操作量31を導出する。
導出根拠抽出表示時においては、注視領域抽出部30は、運転操作量31の導出に際して学習モデル50へ入力された変換画像49の中の、特にどの部分が導出に大きな影響を与えたか、その根拠を解析して抽出し、結果を注視、強調表示する。ここでは、運転操作量31が複数ある場合において、この中の任意の1つの運転操作量31に対して注視、強調表示を行うことを想定して説明する。
注視領域抽出部30は、変換画像蓄積部26から、運転操作量31の導出時に入力として用いた複数の変換画像49を取得する。
注視領域抽出部30は、運転操作量学習部27と同様に、複数の1チャネルの変換画像49を積層し、複数チャネルの変換画像49Sを生成する。
注視領域抽出部30はまた、モデルパラメータ記憶部28から、解析対象の運転操作量31に対応する学習モデル50のモデルパラメータを取得する。
例えば、目的変数yがn種類の値をとる変数とする場合には、目的変数yは次式のように表現される。
この場合においては、運転操作量31がyk(1≦k≦n)のいずれにも一致しない場合は、運転操作量31に最も近いyk(1≦k≦n)の値が適用され得る。
このとき、注視領域抽出部30は、c(1≦m≦c)番目のチャネルに対する重みac kを、モデルパラメータ記憶部28から取得した、学習モデル50のモデルパラメータに基づいて、次式により算出する。
この考え方に基づき、注視領域抽出部30は変換画像49の注視、強調表示するべき注視領域を抽出する。
注視領域抽出部30は、注視領域画像を、積層した変換画像49Sに重ね合わせることで、注視領域が明るく強調表示された注視領域強調画像32を生成する。
変換画像生成部25は、データ蓄積部24から、トレンドデータ21、水質データ22、及び運転操作量データ23を取得する。変換画像生成部25は、トレンドデータ21と水質データ22の各々から、個別に、変換画像を生成する(ステップS3)。
変換画像生成部25は、複数の基準時刻SPに対して、複数のトレンドデータ21、水質データ22の各々に対して、複数の変換画像49を生成する。変換画像生成部25は、基準時刻SPごとに、各トレンドデータ21、水質データ22の変換画像49と、当該基準時刻SPにおける運転操作量データ23とを、それぞれ対応付けて、変換画像蓄積部26に記憶、蓄積する。
運転操作量学習部27は、複数の施設パラメータ21、22の各々に対応する変換画像49を入力とし、変換画像49に対応する運転操作量データ23を教師データとして機械学習器40を深層学習し、運転操作量31の導出に関するモデルパラメータを生成する(ステップS5)。
運転操作量学習部27は、生成したモデルパラメータを、モデルパラメータ記憶部28に記憶する(ステップS7)。
変換画像生成部25は、これら複数の変換画像49を互いに対応付けて、変換画像蓄積部26に記憶、蓄積する。
運転操作量導出部29は、運転操作量学習部27と同様に、複数の1チャネルの変換画像49を積層し、複数チャネルの変換画像49Sを生成する。
運転操作量導出部29はまた、モデルパラメータ記憶部28からモデルパラメータを取得し、学習モデル50を構築する(ステップS15)。
運転操作量導出部29が学習モデル50に積層した変換画像49Sを入力すると、学習モデル50は、畳み込み処理部41と全結合部42を順に辿りながら、運転操作量学習部27における機械学習器40と同様な計算処理を実行する。最終的に出力ノード48nから、変換画像49Sに対応する運転操作量31が出力される(ステップS17)。
注視領域抽出部30は、運転操作量学習部27と同様に、複数の1チャネルの変換画像49を積層し、複数チャネルの変換画像49Sを生成する。
注視領域抽出部30はまた、モデルパラメータ記憶部28から、解析対象の運転操作量31に対応する学習モデル50のモデルパラメータを取得する。
注視領域抽出部30は、注視領域画像を、積層した変換画像49Sに重ね合わせることで、注視領域が明るく強調表示された注視領域強調画像32を生成する(ステップS25)。
また、本実施形態の汚水処理施設1の運転操作量導出方法は、汚水処理施設1の運転状況を、水質の改善を目的として変更するに際し、汚水処理施設1内の設備の運転操作量31を導出する、汚水処理施設1の運転操作量導出方法であって、運転状況に関連する複数の施設パラメータ21、22の各々に対し、当該施設パラメータ21、22の推移を関数fで表現したときに、異なる複数の時間間隔I1~I56において関数fをそれぞれ複数の周波数成分に分解し、当該複数の周波数成分の各々に対する振幅に基づく値が、一方の軸を複数の時間間隔I1~I56の各々とし他方の軸を複数の周波数成分の各々とした画像の画素値として設定された、変換画像49を生成し、複数の施設パラメータ21、22の各々に対応する変換画像49を入力とし、変換画像49に対応する運転操作量データ23を教師データとして機械学習器40を深層学習し、運転操作量31の導出に関するモデルパラメータを生成し、モデルパラメータを用いて構築した学習モデル50により運転操作量31を導出する。
上記のような構成によれば、時系列データとして与えられた施設パラメータ21、22が変換画像49に変換され、これが機械学習器40の学習、及び学習モデル50による運転操作量31の導出に入力として使用される。すなわち、機械学習器40や学習モデル50の入力が、一覧性が高く、一見してデータの傾向を理解し得る画像であるため、機械学習器40や学習モデル50にどのようなデータが与えられたかを理解するのが容易である。このため、何らかの問題が生じた際に、例えばそれが入力データのどの部分に起因したものなのかを解析することも容易である。
これにより、入力となる時系列データの視認性及び解析性を向上可能な、汚水処理施設1の運転操作量導出装置20及び運転操作量導出方法を提供可能である。
特に本実施形態においては、このような熟練した作業員の、経験や勘、ノウハウに基づく高度な状況判断を、高精度にモデル化するため、時系列データを時間と周波数の2軸でスペクトログラム表現した変換画像49を入力としている。これにより、熟練した作業員が過去、どの程度の時間を遡って、かつ、どの程度のタイムスケールで汚水処理施設1の状況を把握して、運転操作量31を決定しているのかを、可視化することができる。
上記のような構成によれば、変換画像49の、学習モデル50が出力する運転操作量31への影響が大きい注視領域を抽出することができるため、運転操作量31の導出に際して学習モデル50へ入力された変換画像49の中の、特にどの部分が導出に大きな影響を与えたか、その根拠を解析して抽出し、結果を注視、強調表示することができる。
このため、例えば機械学習器40の教師データである運転操作量データ23を熟練した作業員が作成した場合においては、熟練した作業員の運転操作量31を決定する際の根拠、すなわち、熟練した作業員であればどのような状況に着目してどのように汚水処理施設1を運転操作するのかを、明確に認識し、理解することができる。
上記のような構成によれば、注視領域が強調表示された注視領域強調画像32を閲覧することで、変換画像49中の注視領域を簡単かつ明確に視認することができる。
複数の運転操作量31に対して、これらの導出を1つの学習モデル50で行う場合においては、これに対応する数だけの出力ノード48nを、学習モデル50の出力層48が有する構成となる。このような場合において、機械学習器40の、特徴量マップ45Bをはじめとするモデルパラメータは、複数の運転操作量31の各々を考慮して、これら全てに影響されるように、機械学習器40は機械学習される。このため、モデルパラメータを用いて注視領域を抽出しても、学習モデル50における運転操作量31の各々に関する導出根拠がわかりにくくなる。
これに対し、上記のような構成によれば、運転操作量学習部27は、各運転操作量31に応じた複数の機械学習器40を備え、各機械学習器40は対応した運転操作量31を出力する出力ノード48nを1つのみ備えている。したがって、機械学習器40のモデルパラメータは、対応する運転操作量31のみを考慮するように、機械学習器40は機械学習される。このため、モデルパラメータを用いて注視領域を抽出した場合に、運転操作量31の導出根拠を明確に認識することができる。
上記のような構成によれば、汚泥濃度及び汚泥流量を含むトレンドデータ21と、汚水処理施設において処理される水の水質データ22に対応する変換画像49の中の、特にどの部分が導出に大きな影響を与えたか、その根拠を解析して抽出し、結果を注視、強調表示することができる。
次に、図7を用いて、上記実施形態として示した汚水処理施設の運転操作量導出装置及び運転操作量導出方法の変形例を説明する。図7は、本変形例における機械学習器60及び学習モデル70の説明図である。本変形例における運転操作量導出装置は、上記実施形態の運転操作量導出装置20とは、機械学習器60及び学習モデル70の構造が異なっている。
これに対し、本変形例における機械学習器60と学習モデル70は、トレンドデータ21と水質データ22の数に対応した、複数の畳み込み処理部61を備えており、トレンドデータ21と水質データ22の各々に対応する、複数個の、1チャネルの変換画像49は、積層されずにそのまま、対応する畳み込み処理部61へと入力される。
機械学習器60と学習モデル70の全結合部62の数は、上記第1実施形態と同様に1個である。全結合部62の入力層66においては、全ての畳み込み処理部61の最終段の特徴量マップ65Bが入力ノード66nに入力され、この値が中間層67を伝搬して出力層68の出力ノード68nに格納される。
このように、本変形例においては、複数の施設パラメータ21、22の各々に対して、特徴量マップ65Bを備えている。
注視領域抽出部30は、複数チャネルの変換画像49Sを生成せずに、トレンドデータ21と水質データ22の各々に対応する変換画像49に対し、個別に、対応する特徴量マップ65Bの値に基づき数式1~3によって重みBij kの値を計算する。結果として、注視領域抽出部30は、トレンドデータ21と水質データ22の各々に対応した注視領域画像を生成する。注視領域抽出部30は、複数の注視領域画像の各々を、対応する変換画像49に重ね合わせることで、各変換画像49に対して、個別に注視領域が強調表示された注視領域強調画像32を生成する。
特に本変形例においては、モデルパラメータは、特徴量マップ65Bを、複数の施設パラメータ21、22の各々に対して有しており、注視領域抽出部30は、複数の施設パラメータ21、22の各々に対して、当該施設パラメータ21、22に対応する特徴量マップ65Bを基に、個別に注視領域を抽出して注視領域画像を生成する。
上記のような構成によれば、複数の施設パラメータ21、22の各々に対して、個別に、注視領域を抽出して注視領域画像を生成することができる。このため、入力となる時系列データの視認性及び解析性をより向上可能な、汚水処理施設1の運転操作量導出装置及び運転操作量導出方法を提供可能である。
次に、第2実施形態における汚水処理施設1の運転操作量導出装置を説明する。本第2実施形態においては、上記第1実施形態と共通する構成については図中に同じ符号を付して説明を省略する。図8は、本第2実施形態における運転操作量導出装置80のブロック図である。本第2実施形態は、特に、運転操作量学習部87、モデルパラメータ記憶部88、運転操作量導出部89、及び注視領域抽出部90の動作が上記第1実施形態とは異なっている。更に、本第2実施形態の運転操作量導出装置80は、AE学習部91を備えている。特に本第2実施形態においては、これら各部の動作を中心に説明する。
運転操作量導出装置80は、第1実施形態における運転操作量導出装置20と同様に、図1を用いて説明した汚水処理施設1に用いられている。
運転操作量31の学習時には、変換画像生成部25が、複数のトレンドデータ21、水質データ22の各々に対して、複数の変換画像49を生成し、変換画像蓄積部26に記憶、蓄積した後に、AE学習部91がAE機械学習器100を学習させる。
AE機械学習器100は、畳み込み処理部101、全結合層102、及び逆畳み込み処理部103を備えている。
AE学習部91は、変換画像蓄積部26から変換画像49を取得し、これを一枚ずつ、畳み込み処理部101へ入力する。畳み込み処理部101の各畳み込み層は、機械学習器40の畳み込み処理部41と同様な処理を実行した後、これを全結合層102へ入力する。全結合層102においても、機械学習器40の全結合部42と同様な処理が実行される。全結合層102における実行結果は、逆畳み込み処理部103に入力される。
逆畳み込み処理部103においては、畳み込み処理部101と対称的な処理が実行される。すなわち、変換画像49は畳み込み処理部101により全結合層102に至るまでに低次元に圧縮されたが、逆畳み込み処理部103においては、低次元に圧縮された状態から復元されるように動作する。これにより、変換画像49と同じ解像度を備える出力画像111が生成される。
AE機械学習器100においては、この生成された画像111が、変換画像49を再現した再現画像111となるように、機械学習が行われる。
AE機械学習器100の学習が終了すると、AE学習部91は、AE機械学習器100のモデルパラメータをモデルパラメータ記憶部88に記憶する。
運転操作量学習部87は、変換画像蓄積部26から、互いに関連付けられた複数の変換画像49と、運転操作量データ23を取得し、複数の変換画像49の各々を、個別にAE学習モデル110に入力することで、各変換画像49に対応した出力画像111を生成する。運転操作量学習部87は、各変換画像49と、対応する出力画像111との差分を取ることで、差分画像112を生成する。
運転操作量学習部87は、この差分画像112を積層し、1個の複数チャネルの差分画像112Sを生成し、これを用いて機械学習器40を機械学習する。
すなわち、運転操作量学習部87は、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールとして利用される、適切な学習パラメータが学習された学習済みの学習モデル50を生成するものである。
運転操作量導出部89は、変換画像蓄積部26から、互いに関連付けられた複数の変換画像49を取得する。
運転操作量導出部89は、モデルパラメータ記憶部88から、機械学習器40及びAE機械学習器100のモデルパラメータを取得し、学習モデル50とAE学習モデル110を構築する。学習モデル50は、図5に示される機械学習器40と略同等の構造を備えている。運転操作量導出部89は、この学習モデル50を、例えばCPU上でプログラムとして実行することで、運転操作量31を導出する。
運転操作量導出部89は、この差分画像112を積層し、1個の複数チャネルの差分画像112Sを生成する。運転操作量導出部89は、学習モデル50に積層した差分画像112Sを入力すると、学習モデル50は、畳み込み処理部41と全結合部42を順に辿り、出力ノード48nに、差分画像112Sに対応する運転操作量31を出力する。
上記の第1実施形態と同様に、運転操作量学習部87は、導出対象となる運転操作量31が複数存在する場合には、この各々に対応する機械学習器40を備えており、複数の機械学習器40の各々が、対応する運転操作量31に特化して学習される。運転操作量導出部89も、複数の機械学習器40の各々に対応して、複数の学習モデル50を構築し、この各々に対して対応する差分画像112Sを入力することで、各学習モデル50に対応する運転操作量31を導出する。
運転操作量導出部89は、差分画像112の各々を、当該差分画像112を生成した際のAE学習モデル110への入力となった変換画像49に対応付けて、変換画像蓄積部26に記憶、蓄積する。
注視領域抽出部90は、変換画像蓄積部26から、変換画像49と、これに対応付けられた差分画像112を取得する。
上記のように、差分画像112は、変換画像49と出力画像111の差分を取ることにより生成されている。すなわち、差分画像112は、何らかの運転操作量31の変更を要する状態に相当する変換画像49に対して、特に通常時に対して変化が顕著な部分が強調表示されたものであり、上記第1実施形態における注視領域画像に相当する。
したがって、注視領域抽出部90は、この注視領域画像を変換画像49に重ね合わせることにより、注視領域が強調表示された注視領域強調画像32を生成する。
AE機械学習器100においては、変換画像49を入力して生成された画像111が、変換画像49を再現した再現画像111となるように、機械学習が行われる。
AE機械学習器100の学習が終了すると、AE学習部91は、AE機械学習器100のモデルパラメータをモデルパラメータ記憶部88に記憶する。
運転操作量学習部87は、変換画像蓄積部26から、互いに関連付けられた複数の変換画像49と、運転操作量データ23を取得し、複数の変換画像49の各々を、個別にAE学習モデル110に入力することで、各変換画像49に対応した出力画像111を生成する。運転操作量学習部87は、各変換画像49と、対応する出力画像111との差分を取ることで、差分画像112を生成する。
運転操作量学習部87は、この差分画像112を積層し、1個の複数チャネルの差分画像112Sを生成し、これを用いて機械学習器40を機械学習する(ステップS35)。
運転操作量学習部87は、学習が終了すると、調整が終了した、特徴量マップ45すなわち各フィルタの重みの値や、全結合部42における結合荷重等のパラメータを、モデルパラメータとして、モデルパラメータ記憶部88に記憶する(ステップS37)。
運転操作量導出部89は、モデルパラメータ記憶部88から、機械学習器40及びAE機械学習器100のモデルパラメータを取得し、学習モデル50とAE学習モデル110を構築する(ステップS44、S45)。
運転操作量導出部89は、AE学習モデル110に複数の変換画像49を個別に入力して、各変換画像49に対応した出力画像111を生成する。運転操作量導出部89は、各変換画像49と、対応する出力画像111との差分を取ることで、差分画像112を生成する。
運転操作量導出部89は、この差分画像112を積層し、1個の複数チャネルの差分画像112Sを生成する。運転操作量導出部89は、学習モデル50に積層した差分画像112Sを入力すると、学習モデル50は、畳み込み処理部41と全結合部42を順に辿り、出力ノード48nに、差分画像112Sに対応する運転操作量31を出力する(ステップS47)。
運転操作量導出部89は、差分画像112の各々を、当該差分画像112を生成した際のAE学習モデル110への入力となった変換画像49に対応付けて、変換画像蓄積部26に記憶、蓄積する。
注視領域抽出部90は、この差分画像112を注視領域画像として変換画像49に重ね合わせることにより、注視領域が強調表示された注視領域強調画像32を生成する(ステップS53)。
また、本実施形態の汚水処理施設1の運転操作量導出方法は、汚水処理施設1の運転状況を、水質の改善を目的として変更するに際し、汚水処理施設1内の設備の運転操作量31を導出する、汚水処理施設1の運転操作量導出方法であって、運転状況に関連する複数の施設パラメータ21、22の各々に対し、当該施設パラメータ21、22の推移を関数fで表現したときに、異なる複数の時間間隔I1~I56において関数fをそれぞれ複数の周波数成分に分解し、当該複数の周波数成分の各々に対する振幅に基づく値が、一方の軸を複数の時間間隔I1~I56の各々とし他方の軸を複数の周波数成分の各々とした画像の画素値として設定された、変換画像49を生成し、複数の施設パラメータ21、22の各々に対応する差分画像112(変換画像49を基にした画像)を入力とし、変換画像49に対応する運転操作量データ23を教師データとして機械学習器40を深層学習し、運転操作量31の導出に関するモデルパラメータを生成し、モデルパラメータを用いて構築した学習モデル50により運転操作量31を導出する。
上記のような構成によれば、時系列データとして与えられた施設パラメータ21、22が変換画像49に変換され、これを基にした差分画像112が機械学習器40の学習、及び学習モデル50による運転操作量31の導出に入力として使用される。すなわち、機械学習器40や学習モデル50の入力が、一覧性が高く、一見してデータの傾向を理解し得る画像であるため、機械学習器40や学習モデル50にどのようなデータが与えられたかを理解するのが容易である。このため、何らかの問題が生じた際に、例えばそれが入力データのどの部分に起因したものなのかを解析することも容易である。
これにより、入力となる時系列データの視認性及び解析性を向上可能な、汚水処理施設1の運転操作量導出装置80及び運転操作量導出方法を提供可能である。
特に本実施形態においては、このような熟練した作業員の、経験や勘、ノウハウに基づく高度な状況判断を、高精度にモデル化するため、時系列データを時間と周波数の2軸でスペクトログラム表現した変換画像49を基にした差分画像112を入力としている。これにより、熟練した作業員が過去、どの程度の時間を遡って、かつ、どの程度のタイムスケールで汚水処理施設1の状況を把握して、運転操作量31を決定しているのかを、可視化することができる。
上記のような構成によれば、既に説明したように、差分画像112により、学習モデル50が出力する運転操作量31への影響が大きい注視領域が抽出されるため、変換画像49の中の、特にどの部分が導出に大きな影響を与えたか、その根拠を解析して抽出し、結果を注視、強調表示することができる。
このため、例えば機械学習器40の教師データである運転操作量データ23を熟練した作業員が作成した場合においては、熟練した作業員の運転操作量31を決定する際の根拠、すなわち、熟練した作業員であればどのような状況に着目してどのように汚水処理施設1を運転操作するのかを、明確に認識し、理解することができる。
複数の運転操作量31に対して、これらの導出を1つの学習モデル50で行う場合においては、これに対応する数だけの出力ノード48nを、学習モデル50の出力層48が有する構成となる。このような場合において、機械学習器40の、特徴量マップ45Bをはじめとするモデルパラメータは、複数の運転操作量31の各々を考慮して、これら全てに影響されるように、機械学習器40は機械学習される。このため、モデルパラメータを用いて注視領域を抽出しても、学習モデル50における運転操作量31の各々に関する導出根拠がわかりにくくなる。
これに対し、上記のような構成によれば、運転操作量学習部87は、各運転操作量31に応じた複数の機械学習器40を備え、各機械学習器40は対応した運転操作量31を出力する出力ノード48nを1つのみ備えている。したがって、機械学習器40のモデルパラメータは、対応する運転操作量31のみを考慮するように、機械学習器40は機械学習される。このため、モデルパラメータを用いて注視領域を抽出した場合に、運転操作量31の導出根拠を明確に認識することができる。
上記のような構成によれば、汚泥濃度及び汚泥流量を含むトレンドデータ21と、汚水処理施設において処理される水の水質データ22に対応する変換画像49の中の、特にどの部分が導出に大きな影響を与えたか、その根拠を解析して抽出し、結果を注視、強調表示することができる。
また、上記第2実施形態においては、複数の、トレンドデータ21と水質データ22の各々に対応する変換画像49は、1つの、すなわち共通のAE機械学習器100及びAE学習モデル110に入力されていたが、これに替えて、トレンドデータ21と水質データ22の各々に対応して、個別に、AE機械学習器及びAE学習モデルが備えられていてもよい。
例えば、上記第2実施形態の運転操作量導出装置80において、機械学習器40及び学習モデル50が、上記第1実施形態の変形例の機械学習器60及び学習モデル70のように、トレンドデータ21と水質データ22の数に対応した、複数の畳み込み処理部61を備え、この各々に、対応する差分画像112が入力されるように構成されていてもよい。
20、80 運転操作量導出装置
21 トレンドデータ(施設パラメータ)
22 水質データ(施設パラメータ)
23 運転操作量データ
24 データ蓄積部
25 変換画像生成部
26 変換画像蓄積部
27、87 運転操作量学習部
28、88 モデルパラメータ記憶部
29、89 運転操作量導出部
30、90 注視領域抽出部
31 運転操作量
32 注視領域強調画像
40、60 機械学習器
49 変換画像
50、70 学習モデル
45、45B、65B、Aij c 特徴量マップ
91 AE学習部
100 AE機械学習器(畳み込みオートエンコーダ)
110 AE学習モデル(畳み込みオートエンコーダ)
111 出力画像
112 差分画像(変換画像を基にした画像)
f 関数
I1~I56 時間間隔
Claims (6)
- 汚水処理施設の運転状況を、水質の改善を目的として変更するに際し、前記汚水処理施設内の設備の運転操作量を導出する、汚水処理施設の運転操作量導出装置であって、
前記運転状況に関連する複数の施設パラメータの各々に対し、当該施設パラメータの推移を関数で表現したときに、異なる複数の時間間隔において前記関数をそれぞれ複数の周波数成分に分解し、当該複数の周波数成分の各々に対する振幅に基づく値が、一方の軸を前記複数の時間間隔の各々とし他方の軸を前記複数の周波数成分の各々とした画像の画素値として設定された、変換画像を生成する、変換画像生成部と、
機械学習器を備え、前記複数の施設パラメータの各々に対応する前記変換画像または前記変換画像を基にした画像を入力とし、前記変換画像に対応する運転操作量データを教師データとして前記機械学習器を深層学習し、前記運転操作量の導出に関するモデルパラメータを生成する、運転操作量学習部と、
前記モデルパラメータを用いて構築した学習モデルにより前記運転操作量を導出する、運転操作量導出部と、
を備えている、汚水処理施設の運転操作量導出装置。 - 前記運転操作量学習部は、前記機械学習器に前記変換画像を入力し、
前記モデルパラメータは、前記変換画像に関する特徴を特徴量マップとして有し、
当該特徴量マップを基に、前記学習モデルに入力される前記変換画像の、前記学習モデルが出力する前記運転操作量への影響が大きい注視領域を抽出した注視領域画像を生成し、当該注視領域画像を前記変換画像に重ね合わせて、前記注視領域が強調表示された注視領域強調画像を生成する、注視領域抽出部を備えている、請求項1に記載の汚水処理施設の運転操作量導出装置。 - 前記モデルパラメータは、前記特徴量マップを、前記複数の施設パラメータの各々に対して有しており、
前記注視領域抽出部は、前記複数の施設パラメータの各々に対して、当該施設パラメータに対応する前記特徴量マップを基に、個別に前記注視領域を抽出して前記注視領域画像を生成する、請求項2に記載の汚水処理施設の運転操作量導出装置。 - 前記運転操作量学習部は、前記変換画像と、当該変換画像に畳み込みオートエンコーダを適用した出力画像との差分画像を、前記機械学習器に入力し、
前記差分画像を前記変換画像に重ね合わせることで、前記差分画像中の前記学習モデルが出力する前記運転操作量への影響が大きい注視領域が抽出され強調表示された注視領域強調画像を生成する、注視領域抽出部を備えている、請求項1に記載の汚水処理施設の運転操作量導出装置。 - 前記複数の施設パラメータは、汚泥濃度及び汚泥流量を含むトレンドデータと、前記汚水処理施設において処理される水の水質データを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の汚水処理施設の運転操作量導出装置。
- 汚水処理施設の運転状況を、水質の改善を目的として変更するに際し、前記汚水処理施設内の設備の運転操作量を導出する、汚水処理施設の運転操作量導出方法であって、
前記運転状況に関連する複数の施設パラメータの各々に対し、当該施設パラメータの推移を関数で表現したときに、異なる複数の時間間隔において前記関数をそれぞれ複数の周波数成分に分解し、当該複数の周波数成分の各々に対する振幅に基づく値が、一方の軸を前記複数の時間間隔の各々とし他方の軸を前記複数の周波数成分の各々とした画像の画素値として設定された、変換画像を生成し、
前記複数の施設パラメータの各々に対応する前記変換画像または前記変換画像を基にした画像を入力とし、前記変換画像に対応する運転操作量データを教師データとして機械学習器を深層学習し、前記運転操作量の導出に関するモデルパラメータを生成し、
前記モデルパラメータを用いて構築した学習モデルにより前記運転操作量を導出する、汚水処理施設の運転操作量導出方法。
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