JP7331737B2 - 水処理施設の運転支援装置 - Google Patents

水処理施設の運転支援装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7331737B2
JP7331737B2 JP2020038480A JP2020038480A JP7331737B2 JP 7331737 B2 JP7331737 B2 JP 7331737B2 JP 2020038480 A JP2020038480 A JP 2020038480A JP 2020038480 A JP2020038480 A JP 2020038480A JP 7331737 B2 JP7331737 B2 JP 7331737B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
learning
data
unit
target data
water treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020038480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021137748A (ja
Inventor
雄喜 木村
正一 鮫島
正佳 ▲高▼倉
誠 庭川
信彰 高▲瀬▼
雄貴 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Original Assignee
Meidensha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP2020038480A priority Critical patent/JP7331737B2/ja
Publication of JP2021137748A publication Critical patent/JP2021137748A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7331737B2 publication Critical patent/JP7331737B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Description

本発明は、水処理施設の運転支援装置に関する。
従来、水処理施設における水質の制御は、熟練の技術を有する運転員により、水処理施設の様々な状況を考慮して行われてきた。
これは、運転パターンが固定されない他のプラント等の監視においても同様である。
従来技術の一例である特許文献1には、機器の運転状態に関するプロセスデータを収集し、収集したプロセスデータに基づいて、ニューラルネットワーク又は深層学習によって学習した単位ごとに機器の特性についての予測モデルを構築し、プロセスデータを入力として制御データを生成して運転支援が行われる技術が開示されている。
特開2018-92511号公報
しかしながら、上記の従来技術では、ニューラルネットワーク又は深層学習を用いているため、制御データの生成過程がブラックボックス化されており、制御データに至る根拠を明らかにすることが困難である。そのため、問題が生じた際の影響が多大である水処理施設への人工知能(AI:Artificial Intelligence)の導入が阻害されている、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、問題が生じた際の影響が多大である水処理施設において制御対象の操作量の導出根拠を提示しつつ運転支援を行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、トレンドデータ及び水質データを蓄積するデータ蓄積部と、前記データ蓄積部に蓄積されたトレンドデータ及び水質データから学習対象データ及び推定対象データを選択して取得する学習対象データ及び推定対象データ取得部と、学習対象データ及び推定対象データ取得部からの前記学習対象データ及び前記推定対象データをベイジアンネットワークにおいて利用できるように加工するデータ加工部と、前記学習対象データによりベイジアンネットワークを用いて学習し、学習パラメータを記憶する学習部と、前記推定対象データ及び前記学習パラメータによりベイジアンネットワークを用いて導出した制御対象の操作量を出力するとともに、前記操作量の導出根拠を出力する運転支援部と、を備える水処理施設の運転支援装置である。
上記構成の本発明に係る水処理施設の運転支援装置において、前記学習部は、前記学習対象データのうち所定期間以上の時間が経過したデータを忘却していく忘却処理を行うことが好ましい。
上記構成の本発明に係る水処理施設の運転支援装置において、前記学習部は、導出した前記操作量と想定操作量との差に応じて学習の重みを決定することが好ましい。
本発明によれば、問題が生じた際の影響が多大である水処理施設において制御対象の操作量の導出根拠を提示しつつ運転支援を行うことができる。
図1は、実施形態1に係る運転支援装置を適用可能な水処理施設の構成を示す図である。 図2は、実施形態1に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。 図3は、図2に示すデータ加工部の加工例として、取得した連続値を平均値からのずれに基づいて離散化したイメージを示す図である。 図4は、DO設定変化量を導出するためのベイジアンネットワークの例を示す図である。 図5は、図2に示す学習部の処理を示すフローチャートである。 図6は、図4において親を持たないノードであるNH濃度ノードNの事前分布P(N)を示す図である。 図7は、図2に示す運転支援部の処理を示すフローチャートである。 図8は、図2に示す導出根拠出力部が出力する導出根拠の可視化イメージ図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る運転支援装置100を適用可能な水処理施設200の構成を示す図である。
図1に示す水処理施設200は、最初沈殿池1と、反応槽2と、最終沈殿池3と、送風機4と、風量調整バルブ5と、散気装置6と、第1のポンプ7と、第2のポンプ8と、計測器9と、重力濃縮槽10と、機械濃縮槽11と、消化槽12と、脱水槽13と、配管21,22,23,24とを備える。
最初沈殿池1は、原水が導入される沈殿池である。
この原水は、有機物を含む排水である。
最初沈殿池1では、原水の固液分離が行われ、最初沈殿池1からの流出水は、配管21を通して反応槽2に送られる。
最初沈殿池1に沈殿した汚泥である生汚泥は、配管24を通して重力濃縮槽10に送られる。
反応槽2は、微生物を含み、該微生物によって最初沈殿池1からの流出水を浄化する槽である。
反応槽2では、該微生物が最初沈殿池1からの流出水に含まれる有機物を資化することで増殖し、該微生物を用いた生物処理により活性汚泥が形成される。
反応槽2からの流出水は、配管22を通して最終沈殿池3に送られる。
最終沈殿池3は、反応槽2からの流出水に含まれる活性汚泥を沈殿させる沈殿池である。
最終沈殿池3の上澄みは、処理水として水処理施設200の外へ放出される。
最終沈殿池3で沈殿した汚泥の一部は、第1のポンプ7によって配管23を通して反応槽2に戻されて再利用される。
最終沈殿池3で沈殿した残りの汚泥は、余剰汚泥として第2のポンプ8によって機械濃縮槽11に送られる。
送風機4は、複数の散気装置6に空気を供給する。
風量調整バルブ5は、複数の散気装置6の各々に通した配管に設けられており、開閉により送風量を調整する。
複数の散気装置6は、反応槽2の下部に設けられており、風量調整バルブ5に通された配管に接続されて、風量調整バルブ5によって送風量が調整された空気を反応槽2内に供給する。
このように反応槽2への送風量が調整されると、反応槽2内の溶存酸素量であるDO(Dissolved Oxygen)値が調整され、生物処理の進行が調整される。
第1のポンプ7は、最終沈殿池3で沈殿した汚泥の一部を、配管23を通して反応槽2に送る返送汚泥ポンプである。
第2のポンプ8は、最終沈殿池3で沈殿した残りの汚泥を余剰汚泥として機械濃縮槽11に送る余剰汚泥引抜ポンプである。
計測器9は、反応槽2の水質を示す各パラメータを計測する計測器であり、計測したパラメータである計測値データは運転支援装置100に送られる。
ここで、水質を示す各パラメータとしては、溶存酸素量であるDO値及び浮遊物質濃度であるMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)値を例示することができる。
水処理施設200の運転員は、計測器9によって計測された水質を示す各パラメータを参照することで制御対象の操作量を決定している。
ここで、制御対象の操作量としては、水処理施設200の最終沈殿池3からの返送汚泥量を調整する第1のポンプ7の回転数、水処理施設200の最終沈殿池3の余剰汚泥引抜量を調整する第2のポンプ8の単位時間あたりの引抜量又は余剰汚泥の引抜時間、水処理施設200の脱水槽13への高分子凝集剤の注入率を例示することができる。
重力濃縮槽10は、最初沈殿池1に沈殿した生汚泥を濃縮処理する槽である。
機械濃縮槽11は、第2のポンプ8によって最終沈殿池3から引き抜かれた余剰汚泥を濃縮処理する槽である。
重力濃縮槽10及び機械濃縮槽11において濃縮された汚泥は、消化槽12に送られる。
消化槽12は、濃縮された汚泥の消化処理を行う槽である。
ここで、消化処理は、例えば嫌気性消化処理方式によって行われるとよい。
嫌気性消化処理方式では、嫌気性微生物によって有機性の汚泥が分解される。
消化処理によって分解された汚泥は、脱水槽13に送られる。
脱水槽13は、消化処理によって分解された汚泥を脱水することで、汚泥の含水率を低下させて減容化を行う槽である。
配管21は、最初沈殿池1と反応槽2との間に配置され、最初沈殿池1からの流出水を反応槽2に送る配管である。
配管22は、反応槽2と最終沈殿池3との間に配置され、反応槽2からの流出水を最終沈殿池3に送る配管である。
配管23は、第1のポンプ7と反応槽2との間に配置され、最終沈殿池3の汚泥の一部を反応槽2に送る配管である。
配管24は、最初沈殿池1と重力濃縮槽10との間に配置され、最初沈殿池1の生汚泥を重力濃縮槽10に送る配管である。
図1に示す水処理施設200において、主な操作項目は、最初沈殿池1から反応槽2への水量である流入量、反応槽2内に供給される空気量である送風量、第1のポンプ7によって反応槽2に返送される汚泥の量である返送汚泥量、及び第2のポンプ8によって最終沈殿池3から引き抜かれる汚泥の量である余剰汚泥引抜量である。
これらの操作項目の各々は、処理場によって設定が異なる。
反応槽2の制御は、例えば、送風量一定制御、比率一定制御及びDO一定制御によって行うことが可能である。
ここで、送風量一定制御は、目標送風量値として設定された一定の送風量となるように行う制御である。
また、比率一定制御は、最初沈殿池1から反応槽2への流入量に応じた送風量となるように、すなわち流入量と送風量との比率が一定となるように行う制御である。
また、DO一定制御は、反応槽2のDO値が設定された目標DO値となるように行う制御である。
また、主な操作項目は、返送汚泥量の調整では第1のポンプ7の回転数であり、余剰汚泥引抜量の調整では単位時間あたりの引抜量又は余剰汚泥の引抜時間であり、脱水処理では高分子凝集剤の注入率である。
本実施形態に係る運転支援装置100は、これらの操作項目を導出対象とする。
そして、運転員は、運転支援装置100によって導出された操作項目に基づいて制御対象の操作量を決定する。
このように運転支援装置100によって制御対象の操作量が決定されることで、勘、経験及びノウハウを有していない者を運転員とすることが可能となる。
図2は、本実施形態に係る運転支援装置100の構成を示すブロック図である。
図2に示す運転支援装置100は、データ蓄積部101と、学習対象データ及び推定対象データ取得部102と、データ加工部103と、学習部110と、運転支援部120と、を備える。
データ蓄積部101は、計測器9により計測された計測値データを取得し、トレンドデータ及び水質データとして蓄積する。
トレンドデータとしては、流入水量、汚泥濃度、汚泥流量、送風量及び気温を例示することができる。
水質データとしては、NH濃度及びNO濃度を例示することができる。
なお、データ蓄積部101は、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体により実現することができる。
学習対象データ及び推定対象データ取得部102は、データ蓄積部101に蓄積されたトレンドデータ及び水質データから学習対象データ及び推定対象データを選択して取得する。
なお、学習対象データ及び推定対象データ取得部102は、MPU(Micro-Processing Unit)又はCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
データ加工部103は、学習対象データ及び推定対象データ取得部102からの学習対象データ及び推定対象データをベイジアンネットワークにおいて利用できるように加工する。
なお、データ加工部103は、MPU又はCPU等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
図3は、図2に示すデータ加工部103の加工例として、取得した連続値を平均値からのずれに基づいて離散化したイメージを示す図である。
図3では、データ値xは、取得した連続値について算出された平均値及び標準偏差σを用いて、平均値からのずれと標準偏差σとの大小関係に基づいて、x<-σであればξ=1とし、-σ≦x≦0であればξ=2とし、0<-σであればξ=3とし、σ<xであればξ=4として、4段階に離散化されている。
なお、図3では、データ値を正規分布としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、所定のしきい値を設定してその大小関係で2段階に離散化、すなわち2値化することも可能である。
学習部110は、学習対象データ取得部111と、学習パラメータ更新部112と、学習パラメータ記憶部113と、を備え、学習対象データにより学習して学習パラメータを記憶する。
学習対象データ取得部111は、データ加工部103により加工された、加工済み学習対象データを取得する。
学習パラメータ更新部112は、学習対象データ取得部111からの加工済み学習対象データを用いてベイジアンネットワークにより学習し、学習パラメータを更新する。
学習パラメータ記憶部113は、学習パラメータ更新部112からの更新済み学習パラメータを記憶する。
なお、学習対象データ取得部111及び学習パラメータ更新部112は、MPU又はCPU等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
また、学習パラメータ記憶部113は、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体により実現することができる。
運転支援部120は、推定対象データ取得部121と、操作量導出部122と、操作量出力部123と、導出根拠出力部124と、を備え、推定対象データ及び学習パラメータを用いて導出した制御対象の操作量を出力するとともに、操作量の導出根拠を出力する。
推定対象データ取得部121は、データ加工部103により加工された、加工済み推定対象データを取得する。
操作量導出部122は、推定対象データ取得部121からの加工済み推定対象データに含まれる推定対象の説明変数と、学習パラメータ記憶部113に記憶された学習パラメータと、を用いてベイジアンネットワークにより制御対象の操作量を導出する。
なお、推定対象データ取得部121及び操作量導出部122は、MPU又はCPU等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
操作量出力部123は、操作量導出部122が導出した制御対象の操作量を出力することで、運転員に制御対象の操作量を提示する。
なお、操作量出力部123が運転装置に対して制御対象の操作量を出力し、該運転装置がこの操作量に基づいて自動運転する構成とすることも可能である。
導出根拠出力部124は、学習パラメータを含む操作量導出部122からのデータに基づき、制御対象の操作量を導出した根拠を出力する。
なお、導出根拠出力部124は、例えばツリー表示された導出根拠を可視化して表示する表示部であり、導出根拠出力部124としてはフラットパネルディスプレイ等を例示することができる。
ただし、導出根拠出力部124は、これに限定されるものではなく、ツリー表示された導出根拠を印刷して出力する印刷出力部であってもよい。
次に、学習パラメータ更新部112及び操作量導出部122に適用されるベイジアンネットワークについて説明する。
図4は、DO設定変化量を導出するためのベイジアンネットワークの例を示す図である。
図4に示すように、ベイジアンネットワークでは、各変数がノードで表される。
NH濃度ノードN及び水温ノードTは、実際に観測可能なデータを表す観測ノードである。
DO設定変化量ノードDは、変化させるべきDO設定量を表す推定対象ノードである。
硝化調整ノードSは、制御対象の水質が硝化促進状態と硝化抑制状態とのいずれであるかを表す潜在変数ノードであり、直接に観測可能な変数を表すノードではなく、ノード間の因果関係を理解する上で必要な潜在的変数として導入されたノードである。
なお、図4には、第1の親子関係及び第2の親子関係が示されている。
第1の親子関係においては、NH濃度ノードN及び硝化調整ノードSが親ノードであり、DO設定変化量ノードDが子ノードである。
第2の親子関係においては、NH濃度ノードN及び水温ノードTが親ノードであり、硝化調整ノードSが子ノードである。
また、図4に示すベイジアンネットワークは、知識データと、取得した実データとに基づいて構築される。
ここで、知識データには、専門家のドメイン知識、現場で作業している運転員に対するヒアリング結果、又は該運転員に対するアンケート結果が含まれる。
取得した実データには、データ蓄積部101に蓄積されるトレンドデータ及び水質データが含まれる。
一般には、ベイジアンネットワークでは、知識データに基づいて概形が構築され、実データから得られた学習データを用いて情報量基準と照合しつつその構造が修正される。
ここで、情報量基準としては、赤池情報量基準(AIC:Akaike's Information Criterion)を例示することができる。
このように構築した因果関係を示すネットワークは、ここでは、水処理に関するドメイン知識と、実際の運転状況及びオペレーションと、が集約された情報となり、構築されたベイジアンネットワークにより導出されたオペレーションの導出過程のトレースを可能にするものである。
図5は、図2に示す学習部110の処理を示すフローチャートである。
学習部110の学習対象データ取得部111は、データ加工部103により加工された、加工済み学習対象データを取得する(S1)。
学習部110の学習パラメータ更新部112は、学習対象データ取得部111からの加工済み学習対象データを用いて学習パラメータを更新する(S2)。
学習パラメータ更新部112は、データの出現頻度に基づいて条件付確率表及び事前分布を更新する。
学習パラメータ更新部112は、ベイジアンネットワークにおける1つの親子関係につき1つの条件付確率表を保持する。
ここで、下記の表1は、図4に示す第1の親子関係についての条件付確率表を示すものである。
Figure 0007331737000001
図6は、図4において親を持たないノードであるNH濃度ノードNの事前分布P(N)を示す図である。
学習パラメータ更新部112は、図6に示すように、親を持たないNH濃度ノードNノードについては事前分布を保持する。
次に、条件付確率表の更新式について説明する。
下記の表2は、水質Aを親ノード(条件)として、状態Bを子ノードとするネットワーク上の親子関係に対し、過去のデータの頻度(レコード数)を示すものである。
Figure 0007331737000002
このとき、例えば、条件付き確率P(B=高い|A=低い)は、下記の式(1)により計算される。
Figure 0007331737000003
すなわち、条件付き確率は、A=低いという条件を満たすレコードの出現回数の中で、さらにB=高いという条件を満たすレコードがどの程度出現するのか、その出現割合として計算される。
また、学習データ数が少なく、例えば、条件を満たすレコードの出現回数が0であることが起こりうる場合には、極端な確率値が算出されることを防止するため、下記の式(2)のように、一様分布を仮定して事後確率最大化を適用して得られる確率値を使用してもよい。
Figure 0007331737000004
なお、上式の分母に加算される「3」は、状態Bのとる変数が「高い」「中程度」「低い」の3値であることによるものである。
学習部110の学習パラメータ記憶部113は、学習パラメータ更新部112からの更新済み学習パラメータを記憶する(S3)。
図7は、図2に示す運転支援部120の処理を示すフローチャートである。
運転支援部120の推定対象データ取得部121は、データ加工部103により加工された、加工済み推定対象データを取得する(S11)。
ここで取得する加工済み推定対象データは、推定対象時刻に対応するトレンドデータ及び水質データ等の観測可能な説明変数のデータである。
運転支援部120の操作量導出部122は、推定対象データ取得部121からの加工済み推定対象データに含まれる推定対象の説明変数と、学習パラメータ記憶部113に記憶された学習パラメータと、を用いて制御対象の操作量を導出する(S12)。
ここで、学習パラメータは条件付確率表として記憶されている。
操作量導出部122は、具体的には、トレンドデータ及び水質データ等の観測ノードの持つ候補値に対し、実際に観測された値に対する確率を100%、その他の候補値に対する確率を0%と設定して、ネットワーク上の各ノードの確率を更新し、推定対象の操作量ノードの候補値の各々の確率を算出し、最も確率の高い候補値を操作量として確定する。
ここで、確率の算出は、具体的には、各親子関係で保持している条件付確率表の数値を用いて、ネットワーク構造に従ってベイズの公式と周辺化とを繰り返すことにより得られる算出式により、推定対象のノードに対して行う。
例えば、図4において、NH濃度及び水温が入力されたときのDO設定変化量に対する事後確率は、下記の式(3)のように計算される。
Figure 0007331737000005
運転支援部120の操作量出力部123は、導出した制御対象の操作量を出力する(S13)ことで、運転員又は運転装置に制御対象の操作量を提示する。
運転支援部120の導出根拠出力部124は、操作量導出部122からのデータに基づいて確率推論を実行し、制御対象の操作量を導出した根拠である各ノードの条件付確率表を出力する(S14)。
図8は、図2に示す導出根拠出力部124が出力する導出根拠を可視化したイメージ図である。
NH濃度ノードN及び水温ノードT等の観測ノードについては実際に観測された値が100%に設定され、その他の潜在変数ノード及び推定対象ノードについては確率分布が計算される。
各ノードに対して確率の高い値を辿ることで、操作量の導出根拠がトレースされることになる。
図8に示す導出根拠を可視化したイメージ図は、NH濃度が高く、水温がやや低い場合には、硝化促進状態である可能性が高い、と解釈される。
更には、図8に示す導出根拠の可視化イメージ図は、NH濃度が高いため、硝化促進状態であれば、DO設定値変化量ノードDは0.1mg/L高くすべきである、と解釈される。
従来の水処理施設においては、最初沈殿池及び最終沈殿池における汚泥引抜量、反応槽におけるDO設定値若しくは送風量又は凝集剤注入率等の運転操作は、長期にわたって構築された熟練技術者の勘、経験及びノウハウによるところが大きく、熟練の技術を有する運転員を育成するためには長い時間を要する。
他方で、このような運転員の高齢化に伴う技術の継承が急務であり、人工知能による代替が期待されている。
しかしながら、近年注目されている深層学習はブラックボックス性が高く、水処理の操作のように誤動作による社会的影響が大きい分野には適用が困難である。
そこで、本実施形態にて説明したようにベイジアンネットワークを用いることで、操作量の導出根拠を提示しつつ運転支援を行うことが可能となる。
従って、本実施形態にて説明した水処理施設の運転支援装置は、問題が生じた際の影響が多大である水処理施設にも適用することが可能である。
(実施形態2)
本実施形態では、水処理場周辺の環境及び運用方法の変化に対応するため、学習時に忘却処理を適用することにより所定期間以上の時間が経過したデータを忘却していくことで、最近の傾向をより強く反映した制御対象の操作量の導出が可能となる。
例としてt回目の学習時点で、条件A=aを満たすデータ数がNt、条件付確率がpt(B|A=a)で与えられている場合、t+1回目の学習で条件A=aを満たし変数Bの値がbのデータが入力されたときの学習パラメータを以下のように更新する。
Figure 0007331737000006
Figure 0007331737000007
又は、学習データが少なくスムージング処理を適用する場合には下記の式(6),(7)が用いられる。
Figure 0007331737000008
Figure 0007331737000009
ただし、上記更新式は、変数Bがm値の変数の場合を想定したものである。
なお、m値は、離散化の段階数によって異なるものであって、例えば、高い、やや高い、やや低い及び低いの4段階に離散値化する場合にはm=4である。
ここでαは0<α<1を満たす実数であり、この値が小さいほど、過去の傾向を忘却する割合が高くなる。
(実施形態3)
本実施形態では、実際に運用を開始してからの学習を想定し、導出した操作量に応じて学習の重みを変化させる。
具体的には、以下の数式により条件付確率が更新される。
Figure 0007331737000010
Figure 0007331737000011
又は、学習データが少なくスムージング処理を適用する場合には、下記の式(10),(11)が用いられる。
Figure 0007331737000012
Figure 0007331737000013
ただし、上記更新式は、変数Bがm値の変数の場合を想定したものである。
ここで、学習の重みを表す重み係数αは、導出した操作量と運転員の想定した想定操作量とのずれに応じて変化し、DO設定変化量を推定対象とした場合には、例えば以下のように決定される。
Figure 0007331737000014
これにより、運転員の想定した操作量とずれが大きいものほど強く学習され、運転員の想定に近い操作量の導出を可能とする。
なお、以上説明した本発明の実施形態1~3は、導入時においては、導出された制御対象の操作量と、その導出根拠を確認しつつ運転員が操作に介入する運用を想定している。
しかしながら、一定期間の継続運用を経て、導出された操作量の信頼性が高い場合には、運転員が介入しない自動運転に切り替えることも可能である。
なお、本実施形態の構成と実施形態2の構成とを組み合わせてもよい。
すなわち、学習時に忘却処理を適用することにより所定期間以上の時間が経過したデータを忘却するとともに、実際に運用を開始してからの学習を想定し、導出した操作量に応じて学習の重みを変化させてもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、上述の構成に対して、構成要素の付加、削除又は転換を行った様々な変形例も含むものとする。
1 最初沈殿池
2 反応槽
3 最終沈殿池
4 送風機
5 調整バルブ
6 散気装置
7 第1のポンプ
8 第2のポンプ
9 計測器
10 重力濃縮槽
11 機械濃縮槽
12 消化槽
13 脱水槽
21,22,23,24 配管
100 運転支援装置
101 データ蓄積部
102 学習対象データ及び推定対象データ取得部
103 データ加工部
110 学習部
111 学習データ取得部
112 学習パラメータ更新部
113 学習パラメータ記憶部
120 運転支援部
121 推定対象データ取得部
122 操作量導出部
123 操作量出力部
124 導出根拠出力部
200 水処理施設

Claims (3)

  1. トレンドデータ及び水質データを蓄積するデータ蓄積部と、
    前記データ蓄積部に蓄積された前記トレンドデータ及び前記水質データから学習対象データ及び推定対象データを選択して取得する学習対象データ及び推定対象データ取得部と、
    前記学習対象データ及び推定対象データ取得部において取得された前記学習対象データ及び前記推定対象データをベイジアンネットワークにおいて利用できるように加工するデータ加工部と、
    前記データ加工部において加工された前記学習対象データに基づいて、ベイジアンネットワークを用いて更新された学習パラメータを記憶する学習部と、
    前記データ加工部において加工された前記推定対象データと、前記学習部において更新された前記学習パラメータとに基づいて、ベイジアンネットワークを用いて導出した制御対象の操作量を出力するとともに、前記操作量の導出根拠を出力する運転支援部と、を備える水処理施設の運転支援装置。
  2. 前記学習部は、前記学習対象データのうち所定期間以上の時間が経過したデータを忘却していく忘却処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の水処理施設の運転支援装置。
  3. 前記学習部は、導出した前記操作量と想定操作量との差に応じて学習の重みを決定することを特徴とする請求項1に記載の水処理施設の運転支援装置。
JP2020038480A 2020-03-06 2020-03-06 水処理施設の運転支援装置 Active JP7331737B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038480A JP7331737B2 (ja) 2020-03-06 2020-03-06 水処理施設の運転支援装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038480A JP7331737B2 (ja) 2020-03-06 2020-03-06 水処理施設の運転支援装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021137748A JP2021137748A (ja) 2021-09-16
JP7331737B2 true JP7331737B2 (ja) 2023-08-23

Family

ID=77667220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020038480A Active JP7331737B2 (ja) 2020-03-06 2020-03-06 水処理施設の運転支援装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7331737B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7444186B2 (ja) 2022-03-22 2024-03-06 横河電機株式会社 モデル検証装置、モデル検証方法、および、モデル検証プログラム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006038552A (ja) 2004-07-26 2006-02-09 Yamatake Corp Bod推定装置および方法
JP2010507159A (ja) 2006-10-18 2010-03-04 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 遅延を伴った制御対象を同定するための方法および装置、制御装置およびコンピュータプログラム製品
JP2014092798A (ja) 2012-10-31 2014-05-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd 運転シミュレータ
JP2015165348A (ja) 2014-02-28 2015-09-17 三菱日立パワーシステムズ株式会社 運転支援システム及びその制御方法並びにその制御プログラム
JP2017056428A (ja) 2015-09-18 2017-03-23 三菱日立パワーシステムズ株式会社 水質管理装置、水処理システム、水質管理方法、および水処理システムの最適化プログラム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006038552A (ja) 2004-07-26 2006-02-09 Yamatake Corp Bod推定装置および方法
JP2010507159A (ja) 2006-10-18 2010-03-04 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 遅延を伴った制御対象を同定するための方法および装置、制御装置およびコンピュータプログラム製品
JP2014092798A (ja) 2012-10-31 2014-05-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd 運転シミュレータ
JP2015165348A (ja) 2014-02-28 2015-09-17 三菱日立パワーシステムズ株式会社 運転支援システム及びその制御方法並びにその制御プログラム
JP2017056428A (ja) 2015-09-18 2017-03-23 三菱日立パワーシステムズ株式会社 水質管理装置、水処理システム、水質管理方法、および水処理システムの最適化プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021137748A (ja) 2021-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rodriguez-Roda et al. A hybrid supervisory system to support WWTP operation: implementation and validation
JP4468269B2 (ja) プロセス監視装置及びその方法
Wan et al. Prediction of effluent quality of a paper mill wastewater treatment using an adaptive network-based fuzzy inference system
WO2017184077A1 (en) System and method for wastewater treatment process control
JP7331737B2 (ja) 水処理施設の運転支援装置
Banadda et al. A review of modeling approaches in activated sludge systems
Vijayaraghavan et al. A quick review on applications of fuzzy logic in waste water treatment
Han et al. A sludge volume index (SVI) model based on the multivariate local quadratic polynomial regression method
Klanderman et al. Case studies in real-time fault isolation in a decentralized wastewater treatment facility
JP2019153045A (ja) データ処理装置及びデータ処理方法
JP7388249B2 (ja) 汚水処理施設の運転操作量導出装置及び運転操作量導出方法
Heo et al. Digitally-transformed early-warning protocol for membrane cleaning based on a fouling-cumulative sum chart: Application to a full-scale MBR plant
JP2019175409A (ja) 水処理施設の運転制御装置及び運転制御方法
JP7484578B2 (ja) 水処理施設の運転支援装置及び運転支援方法
Rustum Modelling activated sludge wastewater treatment plants using artificial intelligence techniques (fuzzy logic and neural networks)
JP7272750B2 (ja) 下水処理システムの運転状態判別装置及び運転状態判別方法
Kim et al. Evaluation of rule-based control strategies according to process state diagnosis in A2/O process
Aguilar-Garnica et al. Monitoring of a biodiesel production process via reset observer
JP7400553B2 (ja) 水処理施設の操作量導出装置
Villez et al. Qualitative representation of trends: an alternative approach to process diagnosis and control
JPH06117886A (ja) プラントの支援システム
JP2020114570A (ja) 操作値算出装置
WO2023181276A1 (ja) 水処理制御システムおよび水処理装置の制御方法
JP2022027462A (ja) 汚水処理施設の運転操作量推論根拠出力装置及び運転操作量推論根拠出力方法
JP2023043413A (ja) 水質予測装置及び水質予測方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230724

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7331737

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150