JPH07167283A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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Publication number
JPH07167283A
JPH07167283A JP8788094A JP8788094A JPH07167283A JP H07167283 A JPH07167283 A JP H07167283A JP 8788094 A JP8788094 A JP 8788094A JP 8788094 A JP8788094 A JP 8788094A JP H07167283 A JPH07167283 A JP H07167283A
Authority
JP
Japan
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line
valve
pressure
range
clutch
Prior art date
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Pending
Application number
JP8788094A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takada
宏 高田
Yasushi Funatsu
裕史 船津
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機において、例えばRレンジからN
レンジへのシフト操作時に発生するショックを抑制した
上で、例えばRレンジからDレンジへのシフト操作時に
おける変速機構のインターロック状態を回避することを
目的とする。 【構成】 後退ライン112から分岐させたライン12
9にオリフィス80などを設置すると共に、これらの下
流側で分岐させたライン163を第5シフトバルブ96
に接続する。また、上記ライン129のさらに下流側に
アキュムレータ83を接続した上で、該ライン129を
第3シフトバルブ65を介してローリバースブレーキ4
6に通じるライン128に連通するようにする。そし
て、リバースクラッチライン130をバイパスする第2
バイパスライン161の下流側ライン161bを、その
上流側ライン161aもしくは上記ライン163に対し
て選択的に連通させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動変速機の制御装
置、特にRレンジで締結される摩擦要素の作動圧回路に
アキュムレータが設けられた自動変速機の制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車に搭載される自動変速機
は、トルクコンバータと、変速機構と、該変速機構の動
力伝達経路を切り換えるクラッチやブレーキ等の複数の
摩擦要素を組み合わせ、これらの摩擦要素を運転状態に
応じて自動的に、あるいは運転者の手動によるレンジの
切換操作に応じて選択的に締結させることにより、所定
の変速段に切り換えるように構成したもので、例えば後
退時におけるNレンジからRレンジへのシフト操作時に
は、全摩擦要素が解放されたニュートラル状態から所定
の摩擦要素が締結されて、変速段が後退段に切り換えら
れることになる。
【0003】ところで、このN−Rシフト操作時におい
ては、上記のように所定の摩擦要素が締結されて変速段
が後退段に切り換わった時に、エンジンの出力トルクが
後退速の減速比に相当する大きな比率で増大されて車輪
に伝達されるため、所謂N−Rショックが発生し、これ
が乗員に不快感を与えるという問題がある。
【0004】この問題に対しては、Rレンジで締結され
る摩擦要素の作動圧回路にアキュムレータを設けること
により、棚圧と称する中間的な圧力状態を意識的に形成
して、この圧力状態の時に摩擦要素を締結させるのが一
般的である。
【0005】一方、この種の自動変速機においては、変
速機構の都合により2つの摩擦要素を共に締結させるこ
とにより後退段を達成するように構成されることがあ
る。このような自動変速機においては、これらの摩擦要
素がN−Rシフト操作時に同時に締結すると、特に著し
いN−Rショックが発生することになる。そこで、2つ
の摩擦要素のうちの一方の摩擦要素の作動圧回路にアキ
ュムレータを設置することにより、これらの摩擦要素を
タイミングをずらせて締結させるようになっているが、
その場合にアキュムレータを設置する作動圧回路の選定
が特に重要となる。
【0006】つまり、クラッチには遠心油圧を相殺する
ためのドリフトオンボールが装備される場合があるが、
このドリフトオンボールが動作が不安定であることか
ら、動作特性が大きくばらつくことになる。
【0007】また、ブレーキやクラッチにおいては、リ
ターンスプリングとしてダイヤフラムスプリングを用い
る場合があるが、この場合においてもスプリングの構造
上、動作特性のバラツキが大きくなる傾向がある。
【0008】このように動作特性にバラツキのある摩擦
要素の作動圧回路にアキュムレータを設置しようとする
と、個体差による動作特性のバラツキを吸収するために
アキュムレータの棚勾配を大きく設定しなければなら
ず、ショック対策上好ましくない。
【0009】したがって、例えばリバースクラッチとロ
ーリバースブレーキとを共に締結させることにより後退
段を達成するように構成された自動変速機においては、
動作特性のバラツキが小さいローリバースブレーキに対
する作動圧回路にN−Rショック吸収用のアキュムレー
タが設置されることとなる。
【0010】これによれば、N−Rシフト操作時におい
ては、リバースクラッチが先に締結状態になり、それよ
りも遅れたタイミングでローリバースブレーキが締結状
態になって変速段が後退段に切り換わることから、N−
Rショックが効果的に緩和されることになる。
【0011】しかしながら、上記のようにローリバース
ブレーキに対する作動圧回路にアキュムレータを設置し
た場合には、RレンジからNレンジへのシフト操作時に
次のような問題が生じることになる。
【0012】つまり、上記例の場合、N−Rシフト操作
時においては、リバースクラッチが先に解放され、それ
よりも遅れたタイミングでローリバースブレーキが解放
されることになる。したがって、リバースクラッチの解
放時に急激なトルク変動が発生して、それに起因するシ
ョックで乗員に不快感を感じさせることになるのであ
る。
【0013】このような問題に対しては、例えば特開平
4−248064号公報には、ローリバースブレーキと
リバースクラッチとを共に締結させることにより後退段
を達成するように構成された自動変速機において、ロー
リバースブレーキの作動圧回路に、リバースクラッチの
作動圧回路の分岐点よりも下流側に位置して、上流側か
らアキュムレータと作動圧の給排を切り換えるシフトバ
ルブとを順次配設すると共に、RレンジからRレンジ以
外へのレンジへのシフト操作時に、そのシフト動作と同
期させて上記シフトバルブのスプールを移動させること
により、ローリバースブレーキに通じる油路をドレンポ
ートに連通させるようにした構成が開示されている。
【0014】これによれば、N−Rシフト操作時におい
ては、リバースクラッチが先に締結された後、ローリバ
ースブレーキがアキュムレータの作用により、リバース
クラッチよりも遅れたタイミングで締結されることにな
るので、N−Rショックが大幅に緩和されることにな
る。
【0015】逆に、R−Nシフト操作時には、ローリバ
ースブレーキの作動圧回路に設置したシフトバルブのス
プールの位置が切り換わり、ローリバースブレーキに通
じる油路がドレンポートに連通する一方において、該シ
フトバルブよりも上流側に設置したアキュムレータが、
今度はリバースクラッチの作動圧回路に連通することに
なる。したがって、ローリバースブレーキが先に解放さ
れた後、リバースクラッチがアキュムレータの作用によ
り、ローリバースブレーキよりも遅れたタイミングで解
放されることになって、この場合においてもショックが
効果的に緩和されることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術においては、レンジがRレンジからD
レンジ等の前進レンジに切り換えられる場合に、次のよ
うな問題を発生する可能性がある。
【0017】つまり、上記例の場合、例えばR−Dシフ
ト操作時においては、ローリバースブレーキ及びリバー
スクラッチが共に解放されることになるのであるが、そ
の際にリバースクラッチの作動圧回路にアキュムレータ
が連通されることから、リバースクラッチの解放動作が
遅延することになる。一方、レンジをDレンジに設定し
た時には、前進用の摩擦要素(フォワードクラッチ)に
ライン圧が供給されることにより、フォワードクラッチ
の締結動作が開始することになる。その場合に、リバー
スクラッチが完全に解放される前にフォワードクラッチ
が締結されると、変速機構がインターロック状態とな
り、摩擦要素が長期間にわたって半クラッチ状態となっ
て耐久性を損なわせるばかりでなく、最悪の場合エンジ
ンストールを生じさせることになるのである。もちろ
ん、フォワードクラッチの作動圧回路に絞りとアキュム
レータとを設置して、フォワードクラッチの締結タイミ
ングを遅らせてもよいのだが、N−Dシフト操作時の応
答性を考えると締結タイミングを遅らせるにも限度があ
って、上記の問題を有効に回避しえないことになる。
【0018】このような問題は、DレンジからRレンジ
へのシフト操作時にも発生する可能性がある。つまり、
フォワードクラッチが完全に解放される前にリバースク
ラッチが締結されると、この場合においても変速機構が
インターロック状態となり、上記のような事態を生じさ
せるのである。
【0019】この発明は、変速機構と、該変速機構の動
力伝達経路を切り換える複数の摩擦要素と、これらの摩
擦要素を選択的に締結させる油圧制御回路とを有する自
動変速機における上記の問題に対処するもので、Rレン
ジやDレンジ等の走行レンジからNレンジへのシフト操
作時に発生するショックを効果的に抑制した上で、Rレ
ンジから前進レンジもしくは前進レンジからRレンジへ
のシフト操作時における変速機構のインターロック状態
を確実に回避できるようにすることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)は、変速機構と、該
変速機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦要素
と、これらの摩擦要素を選択的に締結させる油圧制御回
路とを有する自動変速機において、Rレンジから前進レ
ンジもしくは前進レンジからRレンジへのシフト操作時
に、該シフト操作時に解放される摩擦要素からの作動圧
の排圧速度を、対応するレンジからNレンジへのシフト
操作時に比べて速くする排圧速度変更手段を設けたこと
を特徴とする。
【0021】また、本願の請求項2の発明(以下、第2
発明という)は、変速機構と、該変速機構の動力伝達経
路を切り換える複数の摩擦要素と、これらの摩擦要素を
選択的に締結させる油圧制御回路とを有すると共に、レ
ンジがRレンジに設定された時にローリバースブレーキ
とリバースクラッチとが共に締結されることにより後退
段が達成されるように構成された自動変速機において、
油圧制御回路に設置したマニュアルバルブの下流側にお
ける上記ローリバースブレーキに通じる第1作動圧回路
に、上流側から、作動油の通過を阻害する絞り要素と、
作動油を貯留するアキュムレータと、ローリバースブレ
ーキに対する作動圧の給排を切り換える切換バルブとを
順次配設すると共に、マニュアルバルブよりも下流側に
おける上記リバースクラッチに通じる第2作動圧回路
に、該クラッチに通じる油路と上記第1作動圧回路にお
ける絞り要素と切換バルブとの間の油路との連通状態
と、同じくリバースクラッチに通じる上記油路と上記第
1作動圧回路における絞り要素の上流側におけるマニュ
アルバルブとの間の油路との連通状態を切り換える切換
手段を設たことを特徴とする。
【0022】そして、本願の請求項3の発明(以下、第
3発明という)は、上記第2発明の構成に加えて、マニ
ュアルバルブよりも下流側におけるリバースクラッチに
通じる第1作動圧回路に、該クラッチからの作動油の排
出方向の通過を阻止するチェックバルブを有する油路を
切換手段と並列して設けると共に、該切換手段を、上記
チェックバルブよりも上流側の油路と上記第1作動圧回
路における絞り要素と切換バルブとの間の油路との連通
状態と、チェックバルブの前後の油路の連通状態とを切
り換えるように構成したことを特徴とする。
【0023】さらに、本願の請求項4の発明(以下、第
4発明という)は、上記第2、第3発明におけるローリ
バースブレーキにディッシュプレートを設けたことを特
徴とする。
【0024】そして、本願の請求項5の発明(以下、第
5発明という)は、上記第2〜第4発明の構成に加え
て、第1作動圧回路に設置されたアキュムレータを、そ
の背圧を調整可能とすると共に、NレンジからRレンジ
への切換時には上記アキュムレータによりローリバース
ブレーキの締結用棚圧が形成され、RレンジからNレン
ジへの切換時にはリバースクラッチの解放用棚圧が形成
されるように該アキュムレータに対する背圧を調整する
背圧調整手段を設けたことを特徴とする。
【0025】一方、本願の請求項6の発明(以下、第6
発明という)は、変速機構と、該変速機構の動力伝達経
路を切り換える複数の摩擦要素と、これらの摩擦要素を
選択的に締結させる油圧制御回路とを有すると共に、レ
ンジがRレンジに設定された時にローリバースブレーキ
とリバースクラッチとが共に締結されることにより後退
段が達成されるように構成された自動変速機において、
上記油圧制御回路におけるローリバースブレーキに通じ
る第1作動圧回路に、ローリバースブレーキへの作動油
の供給方向に絞り作用を行う第1ワンウェイオリフィス
と、作動油を貯留するアキュムレータとを、上流側から
順次配設すると共に、上記リバースクラッチに通じる第
2作動圧回路に、リバースクラッチからの作動油の排出
方向に絞り作用を行う第2ワンウェイオリフィスを配設
して、上記第1作動圧回路における第1ワンウェイオリ
フィスとアキュムレータとの間及び第2作動圧回路にお
ける上記第2ワンウェイオリフィスの下流側をバイパス
するバイパス油路と、該バイパス油路の連通状態を切り
換えるバイパスバルブとを設けたことを特徴とする。
【0026】そして、本願の請求項7の発明(以下、第
7発明という)は、上記第6発明におけるバイパスバル
ブを、変速用のシフトバルブで兼用したことを特徴とす
る。
【0027】また、本願の請求項8の発明(以下、第8
発明という)は、上記第6発明の構成に加えて、ローリ
バースブレーキに通じる第1作動圧回路におけるアキュ
ムレータの下流側に、ローリバースブレーキ側の作動油
を排出するドレンポートを有する切換バルブを配設し
て、レンジがRレンジからNレンジに切り換えられた時
から所定時間が経過した時に、バイパスバルブを切り換
えてバイパス油路を連通させると共に、上記切換バルブ
を切り換えて第1作動圧回路のローリバースブレーキ側
の油路を該バルブの上記ドレンポートに連通させる制御
手段を設けたことを特徴とする。
【0028】そして、本願の請求項9の発明(以下、第
9発明という)は、上記第8発明における所定時間を、
レンジがRレンジからNレンジに切り換えられた時から
タービン回転数が所定回転数を超えるまでの時間とした
ことを特徴とする。
【0029】また、本願の請求項10の発明(以下、第
10発明という)は、上記第8発明におけるバイパスバ
ルブおよび切換バルブの少なくとも一方を、変速用のシ
フトバルブで兼用したことを特徴とする。
【0030】
【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。
【0031】すなわち、第1発明によれば、例えばRレ
ンジからDレンジへのシフト操作時においては、Rレン
ジで締結されている摩擦要素の作動圧の排圧速度が速く
されるので、変速機構のインターロック状態が回避され
ると共に、RレンジからNレンジへのシフト操作時にお
ける作動圧の排圧速度を応答性を損なわない範囲で遅く
することが可能となって、摩擦要素の解放ショックが効
果的に軽減されることになる。
【0032】また、DレンジからRレンジへのシフト操
作時においても、DレンジからNレンジへのシフト操作
時における解放ショックを効果的に防止しつつ、変速機
構のインターロック状態を回避することが可能となる。
【0033】そして、第2〜第5発明のいずれにおいて
も、レンジがRレンジに設定された時にローリバースブ
レーキとリバースクラッチとが共に締結されるように構
成された自動変速機において、次のような作用が得られ
ることになる。
【0034】すなわち、N−Rシフト操作時に、切換手
段により、リバースクラッチに通じる油路と、ローリバ
ースブレーキの作動圧回路の絞り要素の上流側における
マニュアルバルブとの間の油路とを連通させれば、リバ
ースクラッチが先に締結された後、ローリバースブレー
キがアキュムレータの作用により、リバースクラッチよ
りも遅れたタイミングで締結されることになる。したが
って、N−Rショックが大幅に緩和されることになる。
【0035】一方、R−Nシフト操作時に、切換手段に
より、リバースクラッチに通じる油路とローリバースブ
レーキの作動圧回路における絞り要素の下流側の油路と
を連通させると共に、ローリバースブレーキに対する作
動圧の給排を切り換える切換バルブを作動させて、ロー
リバースブレーキに通じる油路を該切換バルブの上流側
に位置するアキュムレータから切り離せば、リバースク
ラッチがアキュムレータに連通することになるので、ロ
ーリバースブレーキが先に解放されることになって、解
放ショックも大幅に緩和されることになる。
【0036】そして、R−Dシフト操作時に、切換手段
により、リバースクラッチに通じる油路と、ローリバー
スブレーキの作動圧回路の絞り要素の上流側におけるマ
ニュアルバルブとの間の油路とを連通させれば、リバー
スクラッチの作動圧が棚圧状態を経由せずに排圧される
ことになって、変速機構がインターロック状態となるこ
とが回避されることになる。
【0037】また、第3発明によれば、冷間時における
N−Rシフト操作時に、切換手段により、リバースクラ
ッチに通じる油路とローリバースブレーキの作動圧回路
における絞り要素の下流側の油路とを連通させれば、チ
ェックバルブを通過してリバースクラッチに供給される
作動油の一部が、絞り要素を迂回してローリバースブレ
ーキに供給されることになるので、応答性の悪化が回避
されることになる。
【0038】さらに、第4発明によれば、ローリバース
ブレーキにディッシュプレートが設けられているので、
各種のショックがより一層軽減されることになる。
【0039】特に、第5発明によれば、NレンジからR
レンジへの切換時にはアキュムレータの作用によりロー
リバースブレーキの締結用棚圧が形成されると共に、R
レンジからNレンジへの切換時にはアキュムレータの作
用によりリバースクラッチの解放用棚圧が形成されるこ
とになるので、N−RショックおよびR−Nショックの
いずれもがより一層軽減されることになる。
【0040】一方、第6〜第10発明のいずれにおいて
も、レンジがRレンジに設定された時にローリバースブ
レーキとリバースクラッチとが共に締結されるように構
成された自動変速機において、ローリバースブレーキの
作動圧回路に、棚圧を形成するためのアキュムレータ
と、ローリバースブレーキへの作動油の供給方向に絞り
作用を行うワンウェイオリフィスとが設けられているの
で、N−Rシフト時には、ローリバースブレーキに供給
される作動油の油圧の上昇が緩やかとなり、その結果、
リバースクラッチが締結された後、ローリバースブレー
キが緩やかに締結されることになって、N−Rショック
が効果的に低減されることになる。
【0041】これに対して、R−Nシフト時において
は、リバースクラッチの作動圧回路にアキュムレータが
配設されていないので、リバースクラッチの作動圧がロ
ーリバースブレーキの作動圧よりも先に排圧されること
になるが、このリバースクラッチの作動圧回路には、リ
バースクラッチからの作動油の排出方向に絞り作用を行
うワンウェイオリフィスが設けられているので、上記作
動圧の低下は緩やかなものとなり、その結果、リバース
クラッチは徐々に解放されることになって、R−Nショ
ックも効果的に抑制されることになる。
【0042】また、ローリバースブレーキの作動圧回路
とリバースクラッチの作動圧回路とが、バイパス油路を
介して上記各ワンウェイオリフィスの下流側で連通され
ると共に、該バイパス油路の連通状態がバイパスバルブ
によって切り換えられるようになっているので、各摩擦
要素に対する作動油の給排に際して、バイパスバルブを
切り換えて作動油をバイパス油路に導くようにすれば、
作動油が絞り方向の異なるワンウェイオリフィスのうち
いずれか一方を通過することから、作動油の給排速度を
調整することが可能となって、シフト操作の応答性が確
保されることになる。
【0043】特に、リバースクラッチが解放された後
に、バイパスバルブを切り換えてバイパス油路が連通状
態になるようにすると、リバースクラッチから排出され
る作動油が排出方向には絞り機能を有しない第1ワンウ
ェイオリフィスを通過して排出されることになるので、
リバースクラッチの作動油が速やかに排出されることに
なり、R−Dシフト操作時におけるリバースクラッチの
解放の遅れと前進段で締結される摩擦要素の締結とによ
る変速機構のインターロックが回避されることになる。
【0044】そして、第7発明によれば、バイパスバル
ブとして変速用のシフトバルブが利用されているので、
部品点数が削減されると共に、既存のバルブが有効に利
用されることになって、この種の油圧制御回路の構成が
簡素化されることになる。
【0045】また、第8発明によれば、上記第6発明の
構成に加えて、ローリバースブレーキに通じる第1作動
圧回路におけるアキュムレータの下流側に、ローリバー
スブレーキ側の作動油を排出させるドレンポートを有す
る切換バルブが配設されているので、第6発明の作用に
加えて次のような作用が得られる。
【0046】すなわち、ローリバースブレーキから作動
油を排出する時に上記切換バルブを切り換えて、ローリ
バースブレーキ側の油路を該バルブのドレンポートに連
通するようにすると、ローリバースブレーキが解放され
るR−NシフトまたはR−Dシフトのいずれの場合にお
いても、作動油がローリバースブレーキに近いドレンポ
ートから排出されることになり、作動圧が速やかに低下
することになって、ローリバースブレーキの解放が促進
される。一方、アキュムレータに貯留した作動油は、排
出方向には絞り機能を有しない第1ワンウェイオリフィ
スを通って速やかに排出されるので、ローリバースブレ
ーキの作動圧回路全体として、作動油の排出速度が増大
することになる。
【0047】そして、レンジがRレンジからNレンジに
切り換えられた時から所定時間を経過した時には、バイ
パスバルブが切り換えられてバイパス油路が連通すると
共に、上記切換バルブが切り換えられて第1作動圧回路
のローリバースブレーキ側の油路が該バルブのドレンポ
ートに連通されることになるので、前述のリバースクラ
ッチ圧とローリバースブレーキ圧のいずれもが速やかに
排圧されることになって、リバースクラッチ及びローリ
バースブレーキの解放が早期に終了し、次の制御動作に
いち早く備えることが可能となる。したがって、次にD
レンジ等の前進レンジへのシフトが行われる場合でも変
速機構のインターロック状態を確実に回避できることと
なる。
【0048】特に、冷寒時等において作動油の流動性が
低下するような時でも摩擦要素の解放が早期に終了する
ので、かかる環境下におけるシフト操作の応答性の確保
に有効な作用が得られることとなる。
【0049】そして、第9発明によれば、レンジがRレ
ンジからNレンジに切り換えられた時からタービン回転
数が所定回転数を超えるタイミングで、切換バルブ及び
バイパスバルブが切り換えられることになるので、作動
油の排出速度の増大を適切な時期に行うことができる。
【0050】また、第10発明では、バイパス油路およ
び切換バルブの少なくとも一方に変速用のシフトバルブ
が利用されているので、上記第7発明と同様に部品点数
が削減されると共に、既存のバルブが有効に利用される
ことになって、この種の油圧制御回路の構成が簡素化さ
れることになる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0052】まず、図1により実施例に共通する自動変
速機10の機械的構成を説明すると、この自動変速機1
0は、主たる構成要素として、トルクコンバータ20
と、該コンバータ20の出力により駆動される変速機構
30と、該機構30の動力伝達経路を切り換えるクラッ
チやブレーキ等の複数の摩擦要素41〜46及びワンウ
ェイクラッチ51,52とを有する。
【0053】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設され、かつ変速機
ケース11にワンウェイクラッチ24を介して支持され
てトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース2
1とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介
してエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロッ
クアップクラッチ26とで構成されている。そして、上
記タービン23の回転がタービンシャフト27を介して
変速機構30側に出力されるようになっている。ここ
で、上記エンジン出力軸1にはタービンシャフト27内
を貫通するポンプシャフト12が連結され、該シャフト
12により当該変速機10の反エンジン側の端部に備え
られたオイルポンプ13が駆動されるようになってい
る。
【0054】一方、上記変速機構30はラビニョ型プラ
ネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャフト27
上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と、該サ
ンギヤ31の反エンジン側において同じくタービンシャ
フト27上に遊嵌合された大径のラージサンギヤ32
と、上記スモールサンギヤ31に噛合された複数個のシ
ョートピニオンギヤ33と、エンジン側の半部が該ショ
ートピニオンギヤ33に噛合され、かつ反エンジン側の
半部が上記ラージサンギヤ32に噛合されたロングピニ
オンギヤ34と、該ロングピニオンギヤ34及び上記シ
ョートピニオンギヤ33を回転自在に支持するキャリヤ
35と、ロングピニオンギヤ34に噛合されたリングギ
ヤ36とで構成されている。
【0055】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、また
これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ
42が介設されていると共に、タービンシャフト27と
キャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ3
2との間にリバースクラッチ44が介設されている。
【0056】また、上記ラージサンギヤ32とリバース
クラッチ44との間には、ラージサンギヤ32を固定す
るバンドブレーキでなる2−4ブレーキ45が設けられ
ていると共に、上記キャリヤ35と変速機ケース11と
の間には、該キャリヤ35の反力を受け止める第2ワン
ウェイクラッチ52と、キャリヤ35を固定するローリ
バースブレーキ46とが並列に設けられている。そし
て、上記リングギヤ36が出力ギヤ14に連結され、該
出力ギヤ14から差動装置を介して左右の車輪(図示せ
ず)に回転が伝達されるようになっている。
【0057】なお、第1実施例においては、上記ローリ
バースブレーキ46にディッシュプレートが備えられて
いる。
【0058】ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩
擦要素41〜46及びワンウェイクラッチ51,52の
作動状態と変速段との関係をまとめると、次の表1に示
すように設定されている。
【0059】
【表1】 次に、上記各摩擦要素41〜46のアクチュエータに対
して油圧を給排する油圧制御回路について説明すると、
第1〜第4発明に対応する第1実施例においては、図2
に示すような油圧制御回路60が備えられている。ここ
で、上記各アクチュエータのうち、2−4ブレーキ45
の油圧アクチュエータ45aはアプライポート45bと
リリースポート45cとを有するサーボピストンで構成
され、アプライポート45bのみに油圧が供給されてい
る時に2−4ブレーキ45を締結し、両ポート45b,
45cともに油圧が供給されていない時、リリースポー
ト45cのみ及び両ポート45b,45cともに油圧が
供給されている時に、2−4ブレーキ45を解放するよ
うになっている。また、その他の摩擦要素41〜44,
46のアクチュエータは通常の油圧ピストンで構成さ
れ、油圧が供給された時に当該摩擦要素を締結する。
【0060】この油圧制御回路60には、主たる構成要
素として、図1に示すオイルポンプ13からメインライ
ン110に吐出された作動油の圧力を所定のライン圧に
調整するレギュレータバルブ61と、手動操作によって
レンジの選択を行うマニュアルバルブ62と、変速段に
応じて作動して各摩擦要素(アクチュエータ)41〜4
6に対する油圧の給排を行う第1、第2、第3シフトバ
ルブ63,64,65とが備えられている。
【0061】上記マニュアルバルブ62は、D,S,L
の各前進レンジと、Rレンジと、Nレンジと、Pレンジ
の設定が可能とされており、前進レンジでは、上記メイ
ンライン110を前進ライン111に、Rレンジでは後
退ライン112にそれぞれ接続させるようになってい
る。
【0062】また、上記第1、第2、第3シフトバルブ
63,64,65には、いずれも一端に制御ポート63
a,64a,65aが設けられている。そして,第1、
第2シフトバルブ63,64の各制御ポート63a,6
4aには、それぞれ上記前進ライン111から分岐され
た第1、第2制御圧ライン113,114が接続され、
また第3シフトバルブ65の制御ポート65aには、上
記メインライン110から分岐された第3制御圧ライン
115が接続されていると共に、これらの制御圧ライン
113,114,115には、それぞれ変速用の第1、
第2、第3ソレノイドバルブ66,67,68が設けら
れている。これらのソレノイドバルブ66,67,68
のうち第1、第2ソレノイドバルブ66,67は、それ
ぞれONの時に対応する制御ポート63a,64aの制
御圧を排圧して、第1、第2シフトバルブ63,64の
スプールをスプリング(図示せず)の付勢力により図面
上の左側に位置させ、またOFFの時に上記制御ポート
63a,64aに第1、第2制御圧ライン113,11
4から制御圧を導入して、スプールを上記スプリングの
付勢力に抗して右側に位置させるようになっている。ま
た、第3ソレノイドバルブ68については、ONの時に
対応する制御ポート65aの制御圧を排圧して、第3シ
フトバルブ65のスプールをスプリングの付勢力により
図面上の右側に位置させ、またOFFの時に上記制御ポ
ート65aに第3制御圧ライン115から制御圧を導入
して、上記スプリングの付勢力に抗してスプールを左側
に位置させるようになっている。
【0063】ここで、これらのソレノイドバルブ66〜
68は、後述するコントローラからの信号により、当該
自動車の車速とエンジンのスロットル開度とに応じて予
め設定されたマップに基づいてON,OFF制御され、
それに伴って各シフトバルブ63〜65のスプールの位
置が切り換わって各摩擦要素41〜46に通じる油路が
切り換わることにより、これらの摩擦要素41〜46が
上記表1に示す組合せで締結され、これにより変速段が
運転状態に応じて切り換えられるようになっている。そ
の場合に、D,S,Lの前進レンジにおける各変速段と
各ソレノイドバルブ66〜68のON,OFFの組合せ
パターンとの関係は、次の表2に示すように設定されて
いる。
【0064】
【表2】 一方、上記マニュアルバルブ62のスプールをD,S,
Lの各前進レンジに設定した時にメインライン110に
連通される前進ライン111からはライン116が分岐
され、このライン116がフォワードクラッチラインと
されて、オリフィス69及びワンウェイオリフィス70
を介してフォワードクラッチ41に導かれている。した
がって、D,S,Lレンジで、フォワードクラッチ41
が常に締結されることになる。なお、上記フォワードク
ラッチライン116には、上記ワンウェイオリフィス7
0の下流側においてライン117を介してN−Dアキュ
ムレータ71が接続されている。
【0065】また、前進ライン111は、上記第1シフ
トバルブ63に導かれ、第1ソレノイドバルブ66がO
Nとなって該シフトバルブ63のスプールが左側に位置
した時にサーボアプライライン118に連通し、オリフ
ィス72を介してサーボピストン45aのアプライポー
ト45bに至る。したがって、D,S,Lレンジで第1
ソレノイドバルブ66がONの時、すなわちDレンジの
2,3,4速、Sレンジの2,3速及びLレンジの2速
で、上記アプライポート45bに油圧(サーボアプライ
圧)が導入され、リリースポート45cに油圧(サーボ
リリース圧)が導入されていない時に2−4ブレーキ4
5が締結されることになる。なお、上記サーボアプライ
ライン118にはライン119及びアキュームカットバ
ルブ73を介して1−2アキュムレータ74が接続され
ている。
【0066】また、上記前進ライン111は、第3シフ
トバルブ65にも導かれ、第3ソレノイドバルブ68が
OFFで、該シフトバルブ65のスプールが左側に位置
する時にコーストクラッチライン120に連通する。こ
のコーストクラッチライン120は、コーストレデュー
シングバルブ75及びワンウェイオリフィス76を介し
てコーストクラッチ42に至る。したがって、D,S,
Lレンジで第3ソレノイドバルブ68がOFFの時、す
なわちDレンジの3速、Sレンジの2,3速及びLレン
ジの1,2速でコーストクラッチ42が締結される。
【0067】さらに、前進ライン111は、第2シフト
バルブ64にも導かれている。そして、該ライン111
は、第2ソレノイドバルブ67がOFFで、第2シフト
バルブ64のスプールが右側に位置する時に3−4クラ
ッチライン121に連通する。このライン121は、さ
らに3−4コントロールバルブ77を介して3−4クラ
ッチ43に至っている。したがって、D,S,Lレンジ
で第2ソレノイドバルブ67がOFFの時、すなわちD
レンジの3,4速及びSレンジの3速で3−4クラッチ
43が締結されることになる。
【0068】ここで、上記3−4クラッチライン121
から分岐されたライン122は第3シフトバルブ65に
導かれ、第3ソレノイドバルブ68がOFFで、該シフ
トバルブ65のスプールが左側に位置する時にサーボピ
ストン45aのリリースポート45cに通じるサーボリ
リースライン123に連通する。したがって、D,S,
Lレンジで第2,第3ソレノイドバルブ67,68が共
にOFFの時、すなわちDレンジの3速及びSレンジの
3速で、サーボピストン45aのリリースポート45c
にサーボリリース圧が導入され、2−4ブレーキ45が
解放される。
【0069】また、上記前進ライン111からはライン
124が分岐されており、このライン124も第1シフ
トバルブ63に導かれている。このライン124は、第
1ソレノイドバルブ66がOFFで、第1シフトバルブ
63のスプールが右側に位置する時に第2シフトバルブ
64に通じるライン125に連通する。一方、第2シフ
トバルブ64には、第2ソレノイドバルブ67がON
で、該バルブ64のスプールが左側に位置する時に上記
ライン125に連通するライン126が接続され、この
ライン126はボールバルブ78及びライン127を介
して第3ソレノイドバルブ68に導かれている。そし
て、このライン127が、第3ソレノイドバルブ68が
OFFで、第3シフトバルブ65のスプールが左側に位
置する時に、ローレデューシングバルブ79を介してロ
ーリバースブレーキ46に通じるローリバースブレーキ
ライン128に連通する。したがって、第1、第2、第
3ソレノイドバルブ66〜68が、それぞれOFF,O
N,OFFの時、すなわちLレンジの1速でローリバー
スブレーキ46が締結される。
【0070】さらに、Rレンジでメインライン110に
連通する後退ライン112は、該ライン112から分岐
されたライン129によりオリフィス80、ワンウェイ
オリフィス81を介して上記ボールバルブ78に導か
れ、さらにライン127を介して第3シフトバルブ65
に導かれており、第3ソレノイドバルブ68がOFFで
該バルブ63のスプールが左側に位置する時に上記ロー
リバースブレーキライン128に連通する。また、後退
ライン112は、リバースクラッチライン130とされ
て、チェックバルブ82を介してリバースクラッチ44
に至っている。
【0071】したがって、Rレンジでは、第3ソレノイ
ドバルブ68がOFFの時にローリバースブレーキ46
が締結される一方、リバースクラッチ44が常に締結さ
れることになる。なお、上記ワンウェイオリフィス81
とボールバルブ78との間において上記ライン129か
ら分岐されたライン131には、N−Rアキュムレータ
83が接続されている。
【0072】また、この油圧制御回路60には、図1に
示すトルクコンバータ20内のロックアップクラッチ2
6を制御するための第4シフトバルブ84と、ロックア
ップコントロールバルブ85とが備えられている。
【0073】そして、第4シフトバルブ84とロックア
ップコントロールバルブ85とには、レギュレータバル
ブ61からコンバータリリーフバルブ86が設けられた
コンバータライン132が導かれていると共に、第4シ
フトバルブ84の一端に設けられた制御ポート84aに
は、ライン133を介してメインライン110に通じる
制御圧ライン134が接続されている。また、このライ
ン134にロックアップ用の第4ソレノイドバルブ87
が設けられ、該ソレノイドバルブ87がOFFの時に第
4シフトバルブ84のスプールが左側に位置することに
より、上記コンバータライン132がトルクコンバータ
20内のロックアップ解放室26aに通じる解放ライン
135に連通し、これによってロックアップクラッチ2
6が解放されてコンバータ状態となる。
【0074】一方、上記第4ソレノイドバルブ87がO
Nとなって、第4シフトバルブ84の制御ポート84a
から制御圧が排圧されることにより、該バルブ84のス
プールが図面上の右側に移動すると、上記コンバータラ
イン132がトルクコンバータ20内のロックアップ締
結室26bに通じる締結ライン136に連通し、これに
よってロックアップクラッチ26が締結される。そし
て、この時、上記解放ライン135が第4シフトバルブ
84及び中間ライン137を介してロックアップコント
ロールバルブ85に連通し、該コントロールバルブ85
で調整された作動圧が、ロックアップ解放圧としてロッ
クアップクラッチ26のロックアップ解放室26aに供
給される。
【0075】つまり、上記ロックアップコントロールバ
ルブ85の一端の制御ポート85aには、メインライン
110からソレノイドレデューシングバルブ88を介し
て導かれた制御圧ライン138が接続されていると共
に、他端側の調圧阻止ポート85bには前進ライン11
1に通じる調圧阻止ライン139が接続されている。そ
して、上記制御圧ライン138に設けられたオリフィス
89の下流側には、第1デューティソレノイドバルブ9
0が設置され、この第1デューティソレノイドバルブ9
0に与えられるデューティ率に応じて、上記ロックアッ
プコントロールバルブ85の制御ポート85aに供給さ
れる制御圧を調整することにより、他端側の調圧阻止ポ
ート85bに調圧阻止ライン139を介してライン圧が
供給されていない時に、コンバータインライン132及
び締結ライン136を介してロックアップ締結室26b
に供給される締結圧と、中間ライン137及び解放ライ
ン135を介してロックアップ解放室26aに供給され
る解放圧との差圧が調整されて、ロックアップクラッチ
26が所定のスリップ状態に制御される。
【0076】一方、ロックアップコントロールバルブ8
5の調圧阻止ポート85bに上記調圧阻止ライン139
を介してライン圧が供給されている時には、該コントロ
ールバルブ85のスプールが左側に位置した状態で固定
される。したがって、ロックアップクラッチ26におけ
るロックアップ解放室26aの作動圧が、解放ライン1
35、第4シフトバルブ84及び中間ライン137を介
してロックアップコントロールバルブ85のドレンポー
トから排圧されることになり、ロックアップクラッチ2
6が完全に締結されたロックアップ状態となる。その場
合に、上記ドレンポートには、径が適切に設定されたオ
リフィスが設けられており、これによって締結ライン1
36を介してロックアップクラッチ26の締結室26b
に供給されている作動油が連通状態の解放室26aに流
入したとしても過剰に排出されることはない。
【0077】しかも、上記ロックアップコントロールバ
ルブ85の調圧阻止ポート85aに対するライン圧の供
給状態を制御することにより、ロックアップ状態とスリ
ップ状態とが切り換えられることになるので、該コント
ロールバルブ85の調圧レンジを小さく設定して、スリ
ップモードにおけるロックアップクラッチ26の締結力
を緻密に制御することが可能となる。
【0078】ここで、上記第1デューティソレノイドバ
ルブ90の動作特性は、デューティ率Dの増大に伴って
デューティ制御圧が減少する特性に設定されている。つ
まり、デューティ率Dが100%の時には、そのドレン
ポートが常時開放された状態となり、オリフィス89よ
りも下流側の制御圧ライン138の圧力レベルが0とな
る。これに対して、デューティ率Dが0の時には、ドレ
ンポートが常時遮断された状態となって上記圧力レベル
が最大圧に保持されることになる。
【0079】さらに、この油圧制御回路60には、上記
レギュレータバルブ61によって調整されるライン圧の
制御用として、スロットルモデュレータバルブ91及び
該バルブ作動用の第2デューティソレノイドバルブ92
が備えられている。
【0080】上記スロットルモデュレータバルブ91に
は、上記ソレノイドレデューシングバルブ88を介して
メインライン110に通じるライン140が導かれてい
ると共に、一端側の制御ポート91aには周期的に開閉
する第2デューティソレノイドバルブ92によって調整
されたデューティ制御圧が導入され、このデューティソ
レノイドバルブ92のデューティ率Dに応じたスロット
ルモデュレータ圧を生成するようになっている。その場
合に、上記デューティ率Dは例えばエンジンのスロット
ル開度等に応じて設定されるようになっており、これに
対応するスロットルモデュレータ圧がライン141を介
してレギュレータバルブ61の第1増圧ポート61aに
導入されることにより、該バルブ61で調整されるライ
ン圧がスロットル開度の増大に応じて増圧されるように
なっている。一方、レギュレータバルブ61に設けられ
た第2増圧ポート61bには後退ライン112から分岐
されたライン142が接続されている。これにより、R
レンジではライン圧がさらに増圧されることになる。
【0081】そして、この実施例においては、ロックア
ップクラッチ26の締結力調整用の第1デューティソレ
ノイドバルブ90で生成されたデューティ制御圧がモデ
ュレータバルブ93の制御ポート93aにも供給される
ようになっている。このモデュレータバルブ93は、メ
インライン110からライン143を介して導かれるラ
イン圧を上記第1デューティソレノイドバルブ90から
のデューティ制御圧に応じて調整することによりモデュ
レータ圧を生成して、そのモデュレータ圧をライン14
4を介してN−Rアキュムレータ83の背圧室83a等
に供給するようになっている。
【0082】ここで、3−4クラッチライン121上の
3−4コントロールバルブ77の制御ポート77aに
は、上記ライン144から分岐されたライン145が接
続されている。したがって、第1デューティソレノイド
バルブ90をデューティ制御すれば、そのデューティ率
Dに応じたモデュレータ圧が上記モデュレータバルブ9
3で生成されて、上記3−4コントロールバルブ77の
制御ポート77aに導入されることになり、これによっ
て該コントロールバルブ77によって調整される油圧
(3−4クラッチ圧)も上記デューティ率Dに対応した
値に調整される。
【0083】一方、この3−4コントロールバルブ77
には、その一端側に調圧(減圧)動作を阻止する調圧阻
止ポート77bが設けられていると共に、この調圧阻止
ポート77bに切換バルブ94及びライン146を介し
てメインライン110に通じる調圧阻止ライン147が
接続されている。そして、この調圧阻止ライン147が
切換バルブ94を介して上記ライン146に連通してい
る時に、メインライン110のライン圧が3−4コント
ロールバルブ77の調圧阻止ポート77bに供給され
て、該コントロールバルブ77の調圧動作を阻止するよ
うになっている。
【0084】つまり、上記切換バルブ94の一端側の制
御ポート94aには、上記制御圧ライン138における
オリフィス89と第1デューティソレノイドバルブ90
との間から分岐されたライン148が接続されると共
に、他端側のバランスポート94bには、上記オリフィ
ス89の上流側で制御圧ライン138から分岐されたラ
イン149が接続されている。そして、第1デューティ
ソレノイドバルブ90で生成されるデューティ制御圧が
所定値以上の時に、上記切換バルブ94におけるスプー
ルが図面上の左側に位置することになって調圧阻止ライ
ン147がメインライン110に通じるライン146に
連通し、該ライン146を介してメインライン110の
ライン圧が上記3−4コントロールバルブ77の調圧阻
止ポート77bに供給されることにより、該コントロー
ルバルブ77の調圧動作が阻止されるのである。一方、
第1デューティソレノイドバルブ90で生成されるデュ
ーティ制御圧が所定値よりも低下した時には、上記切換
バルブ94のスプールがスプリング力等に打ち勝って右
側に移動し、これによって調圧阻止ライン147が上記
ライン146から切り離される。
【0085】ここで、切換バルブ94には、スプールが
右側に位置した時に上記調圧阻止ライン147に連通さ
れるライン150が接続されている。このライン150
はロックアップ制御用の第4シフトバルブ84に導かれ
て、該シフトバルブ84のスプールが右側に位置する時
に、ライン133を介してメインライン110に通じる
ライン151に連通するようになっている。つまり、第
4ソレノイドバルブ87がONとされて、ロックアップ
クラッチ26の締結力が制御可能な時には、メインライ
ン110のライン圧が、ライン133、ライン151、
第4シフトバルブ84及びライン150を介して調圧阻
止ライン147に導かれることになる。なお、第4シフ
トバルブ84のスプールが左側に位置するコンバータ状
態においては、該シフトバルブ84に設けられたドレン
ポートに対して上記ライン150が連通するようになっ
ている。
【0086】また、上記切換バルブ94には、第1シフ
トバルブ63のスプールが右側に位置した状態の時にサ
ーボアプライライン118に連通するドレンライン15
2が接続されている。そして、このドレンライン152
が絞り量の異なる2つのドレンポートに対して選択的に
連通されるようになっている。なお、この実施例におい
ては、図面上の右側に位置するドレンポートの方が左側
のものよりも小さな絞り量とされている。
【0087】ここで、上記第1シフトバルブ63には、
3−4コントロールバルブ用の調圧阻止ライン147か
ら分岐されたライン153が接続されていると共に、第
1ソレノイドバルブ66がONして第1シフトバルブ6
3のスプールが左側に位置した時に、第1背圧室74a
からメインライン110のライン圧が常時導入されてい
る1−2アキュムレータ74の第2背圧ポート74bに
通じるライン154と上記ライン153とが連通するよ
うに構成されている。したがって、調圧阻止ライン14
7にライン圧が供給されている時には、第1シフトバル
ブ63のスプールが左側に位置している時に限り、この
ライン圧がライン153及びライン154を介して上記
1−2アキュムレータ74の第2背圧室74bに導入さ
れることになる。
【0088】また、上記アキュームカットバルブ73に
は、その一端側の制御ポート73aに、3−4コントロ
ールバルブ77の下流側で3−4クラッチライン121
から分岐されたライン155が接続されていると共に、
他端側に設けられたアキュームカット阻止ポート73b
には、ボールバルブ95及びライン156を介して上記
ロックアップコントロールバルブ85の調圧阻止用の調
圧阻止ライン139に通じるライン157が接続されて
いる。そして、このアキュームカットバルブ73の中間
部分に設けられた中間ポート73cには、第2シフトバ
ルブ64に接続されたライン126から分岐されたライ
ン158が接続されている。
【0089】なお、アキュームカットバルブ73のアキ
ュームカット阻止ポート73bに通じるライン157が
接続された上記ボールバルブ95には、上記切換バルブ
94と第4シフトバルブ84との間に介設されたライン
150から分岐されたライン159も接続されている。
【0090】以上の構成に加えて、この油圧制御回路6
0には、主として変速タイミングの調整用に使用される
第5シフトバルブ96が備えられている。この第5シフ
トバルブ96は、サーボアプライライン118上のオリ
フィス72をバイパスする第1バイパスライン160
と、リバースクラッチライン130上のチェックバルブ
82をバイパスする第2バイパスライン161と、ロッ
クアップコントロールバルブ85の調圧阻止ポート85
bに導かれるロックアップ用調圧阻止ライン139とに
跨がって設置されていると共に、一端側の制御ポート9
6aにはメインライン110から分岐された制御圧ライ
ン162が導かれている。そして、この制御圧ライン1
62に設置された第5ソレノイドバルブ97をON,O
FFすることにより、上記第5ソレノイドバルブ97の
スプールの位置が切り換わって、上記第1、第2バイパ
スライン160,161及び調圧阻止ライン139が開
通もしくは遮断されるようになっている。
【0091】つまり、上記第5ソレノイドバルブ97が
OFFで、第5シフトバルブ96のスプールが図面上の
右側に位置する時には、第1バイパスライン160及び
調圧阻止ライン139がそれぞれ開通される一方、第2
バイパスライン161が遮断される。このとき、第2バ
イパスライン161の下流部分は、ライン163を介し
てオリフィス80及びワンウェイオリフィス81の下流
側でライン129から分岐されたライン163に連通
し、該ライン163及びライン129を介してリバース
クラッチライン130ないし前進ライン111に連通す
る。一方、第5ソレノイドバルブ97がONして、第5
シフトバルブ96のスプールが図面上の左側に移動した
時には、第1バイパスライン160及び調圧阻止ライン
139がそれぞれ遮断され、また第2バイパスライン1
61が開通される。
【0092】また、上記第1バイパスライン160に
は、第5シフトバルブ96よりも下流側に位置して、作
動油の供給方向に絞り作用を行うワンウェイオリフィス
98が設けられていると共に、第5シフトバルブ96よ
りも上流側には通常のオリフィス99が設けられてい
る。そして、このオリフィス99の上流側で上記第1バ
イパスライン160から分岐された分岐ライン164に
は、該オリフィス99よりも小さな絞り量に設定された
オリフィス100と、チェックバルブ101とが設けら
れていると共に、この分岐ライン164が、第5ソレノ
イドバルブ97がONして、第5シフトバルブ96のス
プールが左側に位置した時に、該バルブ96よりも下流
側で第1バイパスライン160に合流されるようになっ
ている。
【0093】そして、この自動変速機10には、図3に
示すように、変速制御用の第1〜第3ソレノイドバルブ
66〜68、ロックアップ用の第4ソレノイドバルブ8
7及び第1デューティソレノイドバルブ90、ライン圧
調整用の第2デューティソレノイドバルブ92並びに第
5ソレノイドバルブ97の作動を制御するコントローラ
200が備えられている。このコントローラ200は、
当該自動車の車速を検出する車速センサ201からの信
号、エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開
度センサ202からの信号、当該自動変速機10に備え
られたシフトレバーの位置(レンジ)を検出するシフト
位置センサ203からの信号、エンジン回転数を検出す
るエンジン回転数センサ204からの信号、トルクコン
バータ20のタービン回転数を検出するタービン回転数
センサ205からの信号、作動油の油温を検出する油温
センサ206からの信号等を入力し、これらの信号によ
って示される運転状態や運転者の要求に応じて上記各ソ
レノイドバルブの作動を制御する。
【0094】次に、コントローラ200の作動に基づい
て本実施例の作用を説明する。
【0095】すなわち、コントローラ200は、シフト
位置センサ203からの信号が示すシフト操作がN−R
シフトであると判定したとすると、油温センサ206か
らの信号が示す作動油の温度が所定値よりも高いか否か
を判定する。そして、作動油の温度が所定値よりも高い
と判定した時には、第5ソレノイドバルブ97をONと
する。したがって、図4に示すように、第5シフトバル
ブ96のスプール96bが左側に位置することになっ
て、第2バイパスライン161の上流側ライン161a
と下流側ライン161bとが連通する。これにより、マ
ニュアルバルブ62を介して後退ライン112に吐出さ
れるメインライン110からの作動油は、リバースクラ
ッチライン130及び第2バイパスライン161の双方
を通ってリバースクラッチ44に供給されることにな
る。これにより、図5の符号(ア)で示すように、リバ
ースクラッチ圧がシフト操作開始直後から棚圧状態を経
由することなく速やかに上昇することになり、これによ
ってリバースクラッチ44が早期に締結される。
【0096】一方、ローリバースブレーキ46に対して
は、後退ライン112に吐出される作動油が、該ライン
112から分岐されたライン129、ボールバルブ7
8、ライン127及びローリバースブレーキライン12
8を経て供給されることになる。ここで、上記ライン1
29には、オリフィス80とワンウェイオリフィス81
とが設けられていると共に、ライン131を介してN−
Rアキュムレータ83も接続されていることから、ロー
リバースブレーキ圧は、シフト操作開始直後においては
符号(イ)で示すように速やかに上昇した後、上記N−
Rアキュムレータ83の作用により、符号(ウ)で示す
ように所定の棚圧状態を経由して緩やかに上昇すること
になる。このため、ローリバースブレーキ46は、リバ
ースクラッチ44よりも遅れたタイミングで締結される
ことになる。
【0097】コントローラ200はN−Rシフトを判定
してから所定時間T1が経過した時に第5ソレノイドバ
ルブ97をOFFとして、第5シフトバルブ96を初期
状態に復帰させる。
【0098】このようにN−Rシフト操作時において
は、リバースクラッチ44が先に締結し、それよりも遅
れたタイミングでローリバースブレーキ46が締結され
ることから、変速段が後退段に切り換わった時のショッ
クが大幅に軽減されることになる。ここで、前述したよ
うにローリバースブレーキ46にはディッシュプレート
が設けられていることから、上記ショックがさらに軽減
されることになる。
【0099】なお、コントローラ200は、N−Rシフ
トの際に作動油の温度が所定値よりも小さいと判定した
時には、第5ソレノイドバルブ97をOFFのまま維持
する。したがって、第5シフトバルブ96のスプール9
6bが、今度は図4の状態よりも右側に位置することに
なって、リバースクラッチライン130上のチェックバ
ルブ82を素通りして第2バイパスライン161の下流
側ライン161bに流入した作動油が、オリフィス80
及びワンウェイオリフィス81の下流側でライン129
から分岐されたライン163に流入することになる。し
たがって、ローリバースブレーキ46に対しても速やか
に作動油が供給されることになって、応答性の悪化が回
避されることになる。
【0100】一方、コントローラ200は、上記シフト
位置センサ203からの信号に基づいてシフト操作がR
−Nシフトであると判定した時には、第3ソレノイドバ
ルブ68をONとする。したがって、図6に示すよう
に、第3シフトバルブ65のスプール65bが右側に位
置することになって、ローリバースブレーキライン12
8が第3シフトバルブ65のドレンポート65cに連通
する。このため、ローリバースブレーキライン128が
N−Rアキュムレータ83から切り離されることになっ
て、図7の符号(エ)で示すように、ローリバースブレ
ーキ圧はシフト操作の開始直後から棚圧状態を経由する
ことなく速やかに低下することになる。
【0101】これに対して、リバースクラッチ44に供
給されていた作動油は、第5ソレノイドバルブ97がO
FFとされて図6に示すように第5シフトバルブ96の
スプール96bが右側に位置していることから、第2バ
イパスライン161の下流側ライン161bを経てライ
ン163に流入し、オリフィス80を通過した後に後退
ライン112を経てマニュアルバルブ62のドレンポー
ト62aから排出されることになるが、N−Rアキュム
レータ83に貯留された作動油も上記オリフィス80を
通過して排出されることになる。したがって、リバース
クラッチ圧は、シフト操作開始直後においては符号
(オ)で示すように速やかに低下することになるが、そ
の後は上記N−Rアキュムレータ83の作用により、符
号(カ)で示すように所定の棚圧状態を経由して緩やか
に低下することになる。このため、リバースクラッチ4
4は、ローリバースブレーキ46よりも遅れたタイミン
グで解放されることになる。
【0102】このようにR−Nシフト操作時において
は、リバースクラッチ44よりも先にローリバースブレ
ーキ46が解放されることから、その際のショックも軽
減されることになる。
【0103】そして、コントローラ200はシフト位置
センサ203からの信号に基づいてシフト操作がR−D
シフトであると判定した時には、第5ソレノイドバルブ
97をONとする。したがって、図8に示すように、第
5シフトバルブ96のスプール96bが左側に位置する
ことになって、第2バイパスライン161の上流側ライ
ン161aと下流側ライン161bとが連通する。これ
により、リバースクラッチ44に供給されていた作動油
は、第1バイパスライン161の下流側ライン161b
を経て上流側ライン161aに流入し、後退ライン11
2を経てマニュアルバルブ62のドレンポート62aか
ら排出されることになる。その場合に、上記上流側ライ
ン161aにはオリフィスに類するものが設けられてい
ないことから、リバースクラッチ圧は、図9の符号
(キ)で示すようにシフト操作の開始直後から棚圧状態
を経由することなく速やかに低下することになり、これ
によってリバースクラッチ44が早期に解放される。
【0104】一方、このR−Dシフト操作時において
は、マニュアルバルブ62を介して前進ライン111に
吐出されるメインライン110からの作動油が、フォワ
ードクラッチライン116を通ってフォワードクラッチ
41に供給されることになる。その場合に、フォワード
クラッチライン116にはオリフィス69とワンウェイ
オリフィス69とが設けられていると共に、ライン11
7を介してN−Dアキュムレータ71が接続されている
ことから、フォワードクラッチ圧は、シフト操作開始直
後に図9の符号(ク)で示すように速やかに上昇した
後、上記N−Dアキュムレータ71の作用により、符号
(ケ)で示すように所定の棚圧状態を経由して緩やかに
上昇することになる。ここで、上記したようにリバース
クラッチ圧がシフト操作の開始直後から棚圧状態を経由
することなく速やかに低下することから、フォワードク
ラッチ圧が棚圧状態に移行してフォワードクラッチ41
の締結動作が開始する前にはリバースクラッチ44が完
全に解放されていることになる。このため、変速機構3
0のインターロック状態が生じることがない。
【0105】なお、この実施例においては、ローリバー
スブレーキ46の作動油が、ライン127及びライン1
29を経て後退ライン112から排出されることによ
り、N−Rアキュムレータ83の作用により、ローリバ
ースブレーキ圧が図9の符号(コ)で示すように棚圧状
態を経由して排圧されることになるが、変速段が1速に
切り換わった時にローリバースブレーキ46が締結して
いたとしてもエンジンブレーキ用の1速に一時的に設定
されるだけであるから特に問題はない。もちろん、この
R−Dシフト操作時においても第3ソレノイドバルブ6
8をONとすることにより、上記図6に示すように、第
3シフトバルブ65のスプール65bを右側に位置させ
て、ローリバースブレーキライン128を第3シフトバ
ルブ65のドレンポート65cに連通させてもよい。こ
の場合は、ローリバースブレーキライン128がN−R
アキュムレータ83から切り離されることから、ローリ
バースブレーキ圧はシフト操作の開始直後から棚圧状態
を経由することなく速やかに低下することになる。
【0106】コントローラ200はR−Dシフトを判定
してから所定時間T2が経過した時に第5ソレノイドバ
ルブ97をOFFとして、第5シフトバルブ96を初期
状態に復帰させる。
【0107】この実施例においては、リバースクラッチ
44とローリバースブレーキ46とが共に締結されるこ
とにより後退段が達成されるようになっていることか
ら、R−Dシフト操作時においてフォワードクラッチ4
1がN−Dアキュムレータ71の作用により緩やかに解
放されたとしても、管路容積の相違によりリバースクラ
ッチ44の締結動作が開始する時にはフォワードクラッ
チ41が既に解放されていることになって、変速機構3
0がインターロック状態となることはない。
【0108】なお、フォワードクラッチライン116に
おけるN−Dアキュムレータ71の下流側に切換バルブ
を設置し、その切換バルブをD−Rシフト操作時に作動
させて、フォワードクラッチ圧をN−Dアキュムレータ
71を迂回させて排圧させるようにすれば、D−Nシフ
ト操作時における変速機構30のインターロック状態が
より確実に回避されることになる。
【0109】次に、第5発明に対応する第2実施例につ
いて説明する。
【0110】つまり、前述したように図2の油圧制御回
路60に備えられたロックアップ制御用の第1デューテ
ィソレノイドバルブ90で生成されたデューティ制御圧
がモデュレータバルブ93の制御ポート93aに導かれ
ると共に、該モデュレータバルブ93で調整された油圧
がライン144を介してN−Rアキュムレータ83の背
圧室83aに導かれるようになっているが、この第2実
施例においては、上記背圧室83aに導入される油圧を
調整することによりN−Rアキュムレータ83の作動特
性を変更して、N−Rアキュムレータ83によって形成
される棚圧のレベルを、R−Nシフト時におけるリバー
スクラッチ44の解放用棚圧と、N−Rシフト時におけ
るローリバースブレーキ46の締結用棚圧とにそれぞれ
対応させて調整するようになっている。
【0111】つまり、R−Nシフト時においては、図1
0に示すように、第5ソレノイドバルブ97がOFFと
されて第5シフトバルブ96のスプール96bが右側に
位置し、リバースクラッチ44に供給されていた作動油
が、第2バイパスライン161の下流側ライン161b
を経てライン163に流入し、N−Rアキュムレータ8
3から排出される作動油と合流すると共に、オリフィス
80を通過した後後退ライン112を経てマニュアルバ
ルブ62のドレンポート62aから排出されることにな
る。
【0112】その場合に、ローリバースブレーキ46よ
りもリバースクラッチ44の方が相対的に高い作動油圧
を必要とされていることから、第1実施例とは異なって
N−Rアキュムレータ83の背圧室83aにモデュレー
タバルブ93で調整された油圧が導入される。その場合
に、第1デューティソレノイドバルブ90から出力され
るデューティ制御圧は、N−Rアキュムレータ83の作
動特性がリバースクラッチ44の解放用棚圧に対応する
ように設定されることになる。
【0113】したがって、図11の符号(サ)で示すよ
うに、N−Rアキュムレータ83で形成される棚圧のレ
ベルが、第1実施例と比べて相対的に高くなる。これに
より、リバースクラッチ圧が棚圧状態を経由している間
にリバースクラッチ44の解放動作が行われることにな
って、R−Nショックがさらに低減されることになる。
【0114】なお、N−Rアキュムレータ83の作動特
性がローリバースブレーキ46の作動油圧に対応して設
定されているものとすると、N−Rシフト時においては
上記第1デューティソレノイドバルブ90が休止され
る。この場合には、N−Rアキュムレータ83によって
形成される棚圧レベルは、上記第1実施例と代わりはな
い。もちろん、N−Rアキュムレータ83の作動特性が
ローリバースブレーキ46の作動油圧に対応していない
場合には、N−Rアキュムレータ83の作動特性が該ブ
レーキ46の解放用棚圧に対応するように背圧が調整さ
れることになる。
【0115】次に、第6〜第10発明に対応する第3実
施例について説明する。
【0116】この実施例においても自動変速機10は、
基本的には図1の骨子図に示すように、第1、第2実施
例と同様な機械的構成とされていると共に、各クラッチ
やブレーキ等の摩擦要素41〜46及びワンウェイクラ
ッチ51,52の作動状態と変速段との関係が、表3に
示すように設定されている。なお、この実施例ではリバ
ースクラッチ44にデッシュプレートが備えられてい
る。
【0117】
【表3】 次に、図12により第3実施例に係る油圧制御回路36
0について説明する。
【0118】この実施例においても、2−4ブレーキ4
5の油圧アクチュエータ45a’はアプライポート45
b’とリリースポート45c’とを有するサーボピスト
ンで構成され、アプライポート45b’のみに油圧が供
給されている時に2−4ブレーキ45を締結し、両ポー
ト45b’,45c’ともに油圧が供給されていない
時、リリースポート45c’のみ及び両ポート45
b’,45c’ともに油圧が供給されている時に、2−
4ブレーキ45を解放するようになっている。
【0119】その他の摩擦要素41〜44,46のアク
チュエータは通常の油圧ピストンで構成され、油圧が供
給された時に当該摩擦要素を締結する。
【0120】この油圧制御回路360には、主たる構成
要素として、図1に示すオイルポンプ13からメインラ
イン410に吐出された作動油の圧力を所定のライン圧
に調整するレギュレータバルブ361と、手動操作によ
ってレンジの選択を行うマニュアルバルブ362と、変
速段に応じて作動して各摩擦要素(アクチュエータ)4
1〜46に対する油圧の給排を行う1−2,2−3,3
−4の各シフトバルブ363,364,365とが備え
られている。
【0121】上記マニュアルバルブ362は、メインラ
イン410からライン圧が導入される入力ポートeと、
第1〜第4出力ポートa〜dとを有し、スプールの移動
により、上記入力ポートeが、Dレンジ及びSレンジで
は第1、第2出力ポートa,bに、Lレンジでは第1、
第3出力ポートa,cに、またRレンジでは第4出力ポ
ートdにそれぞれ連通されるようになっている(図12
ではRレンジの状態を示す)。そして、各出力ポートa
〜dには、それぞれ第1〜第4出力ライン411〜41
4が接続されている。また、上記1−2,2−3,3−
4シフトバルブ363,364,365は、それぞれス
プールをスプリング(図示省略)により図面上、右側に
付勢した構成で、これらのスプールの右側に制御ポート
363a,364a,365aが設けられている。
【0122】そして、1−2シフトバルブ363の制御
ポート363aには、上記メインライン410から分岐
された第1制御圧ライン415が接続され、2−3シフ
トバルブ364の制御ポート364aには、上記第1出
力ライン411から分岐された第2制御圧ライン416
が接続され、また3−4シフトバルブ365の制御ポー
ト365aには、上記第1制御圧ライン415からライ
ン417を介して導れた第3制御圧ライン418が接続
されていると共に、これらの制御圧ライン415,41
6,418には、それぞれ変速用の第1,第2,第3ソ
レノイドバルブ366,367,368が設けられてい
る。これらのソレノイドバルブ366〜368は、それ
ぞれONの時に当該制御ポート363a〜365aの制
御圧を排圧して、各対応するシフトバルブ363〜36
5のスプールを図面上の右側に位置させ、またOFFの
時に上記制御ポート363a〜365aに各制御圧ライ
ン415,416,418から制御圧を導入して、スプ
ールをそれぞれ左側に位置させるようになっている。
【0123】ここで、図13に示すように、これらの変
速用の第1,第2,第3ソレノイドバルブ366〜36
8並びに後述するロックアップ用及びバイパス制御用ソ
レノイドバルブ390,396、第1,第2デューティ
ソレノイドバルブ388,391の作動を制御するコン
トローラ500が備えられ、このコントローラ500
に、当該自動車の車速を検出する車速センサ501から
の信号、エンジンのスロットル開度を検出するスロット
ル開度センサ502からの信号、当該自動変速機に備え
られたシフトレバーの位置(レンジ)を検出するシフト
位置センサ203からの信号、トルクコンバータ20の
タービン回転数を検出するタービン回転数センサ504
からの信号、作動油の油温を検出する油温センサ505
からの信号等が入力されるようになっている。そして、
このコントローラ500は、シフトレバー(図示せず)
で選択された各レンジ毎に、当該自動車の車速とエンジ
ンのスロットル開度とに応じて予め設定されたマップに
基いて上記各変速用ソレノイドバルブ366〜68をO
N,OFF制御する。これにより、各シフトバルブ36
3〜365のスプールの位置が切り換わって各摩擦要素
41〜46に通じる油路が選択的に連通され、これらの
摩擦要素41〜46が表1に示す組合せで締結されて、
変速段が運転状態に応じて切り換えられる。その場合
に、D,S,Lの前進レンジにおける各変速段と各ソレ
ノイドバルブ366〜68のON,OFFの組合せパタ
ーンとの関係は表4に示すように設定されている。
【0124】
【表4】 一方、上記マニュアルバルブ362における各出力ポー
トa〜dに接続された第1〜第4出力ライン411〜4
14のうち、D,S,Lの各前進レンジでメインライン
410に連通される第1出力ライン411からはライン
419が分岐され、このライン419がフォワードクラ
ッチラインとされて、ワンウェイオリフィス371を介
してフォワードクラッチ41に導かれている。したがっ
て、D,S,Lレンジで、フォワードクラッチ41が常
に締結されることになる。なお、上記フォワードクラッ
チライン419の分岐ライン420には、フォワードク
ラッチ締結時の緩衝用のアキュムレータ372が接続さ
れている。
【0125】また、第1出力ライン411は、上記1−
2シフトバルブ363に導かれ、第1ソレノイドバルブ
366がONとなって該シフトバルブ363のスプール
が右側に位置した時にサーボアプライライン421に連
通し、ワンウェイオリフィス373及び排圧コントロー
ルバルブ374を介してサーボピストン45a’のアプ
ライポート45b’に至る。したがって、D,S,Lレ
ンジで第1ソレノイドバルブ366がONの時、すなわ
ちDレンジでの2,3,4速、Sレンジの2,3,4速
及びLレンジの2速で、上記アプライポート45b’に
油圧(サーボアプライ圧)が導入され、リリースポート
45c’に油圧(サーボリリース圧)が導入されていな
い時に2−4ブレーキ45が締結されることになる。な
お、上記アプライポート45b’にはライン422を介
して2−4ブレーキ締結時の緩衝用のアキュムレータ3
75が接続されている。
【0126】ここで、作動油の供給方向に絞り作用を行
う上記ワンウェイオリフィス373と、次に説明する排
圧コントロールバルブ374とにより、サーボアプライ
圧の排圧時には作動油が適度に絞られて排出されるの
で、2−4ブレーキ45が緩やかに解放される。
【0127】すなわち、上記排圧コントロールバルブ3
74は、図12において上下方向に摺動自在に内挿され
た断面コ字形の弁体374aを有し、該弁体374aは
その頂部に絞り量が大きく設定されたオリフィス374
bが設けられていると共に、スプリング(図示せず)に
より図12に示すように上方向に付勢されている。その
結果、サーボアプライ圧の排圧開始時には、その圧力に
よって弁体374aがスプリングの付勢力に逆らって下
方に移動することにより、排圧コントロールバルブ37
4を挟んだサーボアプライライン421の上流側と下流
側とが連通されて、サーボアプライ圧が速やかに排圧さ
れる。そして、サーボアプライ圧がスプリング力等によ
って規定される設定圧にまで低下した時には、スプリン
グの付勢力によって弁体374aが上方向に押し戻され
て、サーボアプライライン421の上流側と下流側との
連通状態が遮断され、その後は上記オリフィス374b
の絞り作用によってサーボアプライ圧が緩やかに排圧さ
れることになる。
【0128】また、図12に示すように、上記第1出力
ライン411は、3−4シフトバルブ365にも導か
れ、第3ソレノイドバルブ368がOFFで、該シフト
バルブ365のスプールが左側に位置する時にコースト
クラッチライン423に連通する。このコーストクラッ
チライン423は、コーストレデューシングバルブ37
6及びワンウェイオリフィス377を介してコーストク
ラッチ42に至る。したがって、D,S,Lレンジで第
3ソレノイドバルブ368がOFFの時、すなわちDレ
ンジの3速,Sレンジの2,3速及びLレンジの1,2
速でコーストクラッチ42が締結される。
【0129】一方、D,Sレンジでメインライン410
に連通する第2出力ライン412は、2−3シフトバル
ブ364に導かれている。そして、該ライン412は、
第2ソレノイドバルブ367がOFFで、2−3シフト
バルブ364のスプールが左側に位置する時に3−4ク
ラッチライン424に連通する。このライン424は、
さらにワンウェイオリフィス378を介して3−4クラ
ッチ43に至っている。したがって、D,Sレンジで第
2ソレノイドバルブ367がOFFの時、すなわちDレ
ンジの3,4速及びSレンジの3,4速で3−4クラッ
チ43が締結されることになる。なお、上記3−4クラ
ッチライン424の分岐ライン425には、3−4クラ
ッチ43の締結時の緩衝用のアキュムレータ379が接
続されている。
【0130】ここで、上記3−4クラッチライン424
から分岐されたライン426は3−4シフトバルブ36
5に導かれ、第3ソレノイドバルブ368がOFFで、
該シフトバルブ365のスプールが左側に位置する時に
サーボピストン45a’のリリースポート45c’に通
じるサーボリリースライン427に連通する。したがっ
て、D,Sレンジで第2,第3ソレノイドバルブ36
7,68がともにOFFの時、すなわちDレンジの3速
及びSレンジの3速で、サーボピストン45a’のリリ
ースポート45c’にサーボリリース圧が導入され、2
−4ブレーキ45が解放される。
【0131】また、マニュアルバルブ362においてL
レンジでメインライン410に連通する第3出力ライン
413は、ローレデューシングバルブ380を介して設
けられたライン451、ワンウェイオリフィス381、
ボールバルブ382及びライン428を経て1−2シフ
トバルブ363に導かれている。そして、このライン4
28は、第1ソレノイドバルブ366がOFFで、1−
2シフトバルブ363のスプールが左側に位置する時に
ローリバースブレーキ46に通じるローリバースブレー
キライン429に連通する。したがって、Lレンジで第
1ソレノイドバルブ366がOFFの時、すなわちLレ
ンジの1速でローリバースブレーキ46が締結される。
【0132】一方、Rレンジでメインライン410に連
通する第4出力ライン414は、該ライン414から分
岐されたライン430、排出方向に流出可能のワンウェ
イオリフィス383、ボールバルブ382及びライン4
28を介して1−2シフトバルブ363に導かれ、第1
ソレノイドバルブ366がOFFで該バルブ363のス
プールが左側に位置する時に上記ローリバースブレーキ
ライン429に連通する。
【0133】また、上記第4出力ライン414は、リバ
ースクラッチライン431となって、供給方向に流入可
能のワンウェイオリフィス399を介しリバースクラッ
チ44に至っている。したがって、Rレンジでは、第1
ソレノイドバルブ366がOFFの時にローリバースブ
レーキ46が締結される一方、リバースクラッチ44が
常に締結されることになる。
【0134】さらに、上記ワンウェイオリフィス383
とボールバルブ382との間において、ライン430か
らアキュムレータライン432と第1バイパスライン4
52とが分岐されて、ローリバースブレーキ締結時の緩
衝用のアキュムレータ384と3−4シフトバルブ36
5とにそれぞれ導かれている。さらに、上記ワンウェイ
オリフィス399とリバースクラッチ44との間におい
て、リバースクラッチライン431から第2バイパスラ
インライン471が分岐され、3−4シフトバルブ36
5に接続されている。これにより、第3ソレノイドバル
ブ368がONで3−4シフトバルブ365のスプール
が右側に位置する時は、上記2つのバイパスライン45
2、471が連通し、また第3ソレノイドバルブ368
がOFFの時は、その連通状態が3−4シフトバルブ3
65により遮断されることとなる。その結果、後にさら
に詳しく説明するように、第3ソレノイドバルブ368
のON,OFFによって、絞り方向の異なる2つのワン
ウェイオリフィス383,399を互いにバイパスする
ことが可能となり、2つの摩擦要素に対する作動圧の給
排を所望のスピードで行うことができることとなる。
【0135】また、この油圧制御回路360には、図1
に示すトルクコンバータ20内のロックアップクラッチ
26を作動させるためのロックアップシフトバルブ38
5と、該ロックアップシフトバルブ385を介して上記
トルクコンバータ20へ供給される油圧を調整するロッ
クアップコントロールバルブ386とが備えられてい
る。
【0136】このロックアップコントロールバルブ38
6の一端の制御ポート386aには、メインライン41
0からソレノイドレデューシングバルブ387を介して
導かれた制御圧ライン433が接続されていると共に、
この制御圧ライン433には第1デューティソレノイド
バルブ388が設けられている。
【0137】一方、上記ロックアップシフトバルブ38
5には、レギュレータバルブ361からリリーフバルブ
389を介して導かれたトルクコンバータライン435
が接続されていると共に、該シフトバルブ385の一端
に設けられた制御ポート385aには、ライン415を
介してメインライン410に通じる制御圧ライン417
が接続されている。そして、このライン417にロック
アップ用ソレノイドバルブ390が設けられ、該ソレノ
イドバルブ390がOFFの時にロックアップシフトバ
ルブ385のスプールが左側に位置することにより、上
記トルクコンバータライン435がトルクコンバータ2
0内のロックアップクラッチ解放室26bに通じるロッ
クアップ解放ライン436に連通し、これによりロック
アップクラッチ26が完全解放されてコンバータ状態と
なる。
【0138】一方、上記ソレノイドバルブ390がON
となってロックアップシフトバルブ385のスプールが
右側へ移動すれば、上記トルクコンバータライン435
がロックアップクラッチ締結室26aに通じるロックア
ップ締結ライン437に連通する一方において、上記ロ
ックアップ解放ライン436がライン438を介してロ
ックアップコントロールバルブ386に連通する。そし
て、上記制御圧ライン433からロックアップコントロ
ールバルブ386の一端の制御ポート386aに導入さ
れる制御圧を上記第1デューティソレノイドバルブ38
8によって調整することにより、ロックアップ締結ライ
ン437を介して導かれる締結圧とロックアップ解放ラ
イン436を介して導かれる解放圧との差圧が制御され
て、ロックアップクラッチ26が完全締結状態もしくは
所定のスリップ状態に制御される。
【0139】ここで、上記ロックアップコントロールバ
ルブ386のスプリング側の一端に設けられた制御ポー
ト386bには、第3出力ライン413上に設置された
ローレデューシングバルブ380から導かれたライン4
60が接続されていると共に、該ローレデューシングバ
ルブ380の一端に設けられた制御ポート380aに
は、後述するタイミングバルブ394の制御ポート39
4aに導かれているライン446から分岐されたライン
450が接続されている。
【0140】また、コーストクラッチライン423を介
してコーストクラッチ42に通じるコーストレデューシ
ングバルブ376には、下流の油圧(コーストクラッチ
圧)がスプールの一端にフィードバック入力されるよう
になっている。一方、ライン圧制御用の第2デューティ
ソレノイドバルブ391の作動によってエンジン負荷に
応じたスロットルモデュレータ圧を発生させ、これをレ
ギュレータバルブ361に供給するスロットルモデュレ
ータバルブ392から、上記スロットルモデュレータ圧
がライン439を介して上記レデューシングバルブ37
6におけるスプールの他端に導入される。そして、この
コーストレデューシングバルブ376の中間部分に接続
されたライン440が2−3シフトバルブ364に導か
れると共に、第2ソレノイドバルブ367がONで、該
シフトバルブ364のスプールが右側に位置する時にメ
インライン410に通じるライン441に上記ライン4
40が連通する。したがって、ライン圧が上記スロット
ルモデュレータ圧と共にスプールを図面上の右方に付勢
するように作用することになる。これにより、上記第2
ソレノイドバルブ367がONとなるLレンジの2速で
コーストクラッチ圧が増圧されて、コーストクラッチ4
2の分担トルクが大きくなる。一方、上記第2ソレノイ
ドバルブ367がOFFした時には、上記2−3シフト
バルブ364のスプールが左側に移動することになっ
て、上記ライン440とライン441との連通状態が遮
断される。これにより、上記第2ソレノイドバルブ36
7がOFFとなるD,Sレンジの3速におけるコースト
クラッチ圧の増圧状態が抑制されて、コーストクラッチ
42の分担トルクが小さくなる。
【0141】以上の構成に加えて、この油圧制御回路3
60には、各変速時における油圧の給排タイミングの調
整用として、2−3バイパスバルブ393とタイミング
バルブ394とが備えられている。
【0142】このうち2−3バイパスバルブ393は、
3−4クラッチライン424に設けられたワンウェイオ
リフィス378をバイパスするバイパスライン442上
に設けられていると共に、上記3−4クラッチライン4
24のワンウェイオリフィス378より下流の油圧(3
−4クラッチ圧)がスプールの一端に導入される。ま
た、該バイパスバルブ393におけるスプールの他端に
は、上記ライン439から分岐されたライン443を介
して、上記スロットルモデュレータバルブ392によっ
て発生されるスロットルモデュレータ圧が導入される。
そして、3−4クラッチ圧が所定圧以上に上昇してスプ
ールが左側に移動した時に、上記バイパスライン442
を遮断するようになっている。したがって、3−4クラ
ッチ圧は、供給開始時にはバイパスライン442を通っ
て速やかに供給されるが、その後ワンウェイオリフィス
378によって供給が緩やかになり、このようにして2
−3シフトアップ変速時における3−4クラッチ43の
締結タイミングが調整され、またそのタイミングがエン
ジンのスロットル開度等に応じて変更されることにな
る。ここで、上記スロットルモデュレータ圧をレギュレ
ータバルブ361に供給するライン444には、該油圧
の供給時における緩衝用のアキュムレータ395が設置
されている。
【0143】一方、上記タイミングバルブ394は、1
−2シフトバルブ363から導かれたサーボアプライラ
イン421上のワンウェイオリフィス373及び排圧コ
ントロールバルブ374をバイパスするバイパスライン
445上に設置されている。そして、スプールの一端に
設けられた制御ポート394aにはメインライン410
に通じるライン415から分岐された制御圧ライン44
6が導かれていると共に、該ライン446にバイパス制
御用のソレノイドバルブ(以下、バイパス制御用ソレノ
イドバルブという)396が設けられている。ここで、
ライン446において該バイパス制御用ソレノイドバル
ブ396の下流側で分岐されたライン450が上記ロー
レデューシングバルブ380の一端に設けられた制御ポ
ート380aに接続されている。
【0144】一方、2−3シフトバルブ364には、ス
プールが図面上の右側に位置した時に3−4クラッチラ
イン424に連通するドレンポート364bが設けられ
ていると共に、このドレンポート364bに接続された
第1ドレンライン447上に第1オリフィス397が設
けられている。そして、この第1オリフィス397より
も上流側で上記第1ドレンライン447から分岐された
第2ドレンライン448が、第2オリフィス398を介
して上記タイミングバルブ394に導かれていると共
に、該バルブ394のスプールが図面上の右側に位置し
た時に、上記第2ドレンライン448が該バルブ394
に設けられたドレンポート394bに連通する。つま
り、第2ソレノイドバルブ367をONとして2−3シ
フトバルブ364のスプールを図面上の右側に位置させ
た時には、3−4クラッチ43に通じる3−4クラッチ
ライン424が第1ドレンライン447に連通する。し
たがって、3−4クラッチ圧は第1ドレンライン447
上の第1オリフィス397の絞り作用により緩やかに排
圧されることになる。一方、この状態でバイパス制御用
ソレノイドバルブ396をONしてタイミングバルブ3
94のスプールを図面上の右側に移動させた時には、上
記第1ドレンライン447が第2ドレンライン448を
介してタイミングバルブ394のドレンポート394b
に連通することになるので、上記3−4クラッチ圧は急
速に排圧されることになる。
【0145】そして、タイミングバルブ394に導かれ
ているライン446から分岐したライン450が上記ロ
ーレデューシングバルブ380の制御ポート380aに
接続されているので、バイパス制御用ソレノイドバルブ
396がOFFの時は、上記第1制御圧ライン415に
より供給されるライン圧が上記ライン450を介して制
御ポート380aに供給される。このとき供給される制
御圧は、レギュレータバルブ361によって調圧された
ライン圧なので、当該車両の車速またはスロットル開度
等によって可変制御される。
【0146】したがって、ローレデューシングバルブ3
80のスプールの位置がデューティ制御される結果、ラ
イン460を介してロックアップコントロールバルブ3
86に導入される油圧の切換と、ライン451、ボール
バルブ382、1−2シフトバルブ363およびローリ
バースブレーキライン429を介してローリバースブレ
ーキ46に供給される油圧の調圧制御とが、ローレデュ
ーシングバルブ380によって行われる。
【0147】次に、図14、図15および図16に基づ
いて、上記油圧制御回路360における本発明の特徴部
分について説明する。
【0148】図14は、マニュアルバルブ362がRレ
ンジにシフトされた時の状態および各バルブの動きを示
す。この状態においては、マニュアルバルブ362の入
力ポートeと出力ポートdとが連通することにより、レ
ギュレータバルブ361で調圧されたライン圧がメイン
ライン410およびマニュアルバルブ362を介して、
第4出力ライン414に導かれる。
【0149】この第4出力ライン414は、すでに説明
したように、ライン430とリバースクラッチライン4
31とに分岐する。ライン430は排出方向に流出可能
の第1ワンウェイオリフィス383とボールバルブ38
2とを経てライン428となり、第1ソレノイドバルブ
366がOFFの時にローリバースブレーキライン42
9に連通し、ローリバースブレーキ46に至る。このと
き、上記第1ワンウェイオリフィス383とボールバル
ブ382との間において、第1バイパスライン452お
よびアキュムレータライン432が分岐されて、それぞ
れ3−4シフトバルブ365およびアキュムレータ38
4に接続されている。
【0150】一方、リバースクラッチライン431は、
供給方向に流入可能の第2ワンウェイオリフィス399
を経てリバースクラッチ44に至る。このとき、上記第
2ワンウェイオリフィス399とリバースクラッチ44
との間において、第2バイパスライン471が分岐さ
れ、3−4シフトバルブ365に接続されている。
【0151】まず、N−Rシフト操作について、図14
および図15を参照して説明すると、N−Rシフト開始
時は、第1ソレノイドバルブ366および第3ソレノイ
ドバルブ368は共にOFFとされて、1−2シフトバ
ルブ363および3−4シフトバルブ365の各制御ポ
ート363a,365aに制御圧が導入され、上記バル
ブのスプールはそれぞれ図面上左側(図14に示す下の
位置)に位置する。
【0152】そして、マニュアルバルブ362がNレン
ジからRレンジにシフトされた時点t1で、ライン圧が
作動圧として第4出力ライン414に導入される。この
とき第1、第2ワンウェイオリフィス383,399の
絞り方向の違いによって、導入された作動圧は供給方向
に流入可能の第2ワンウェイオリフィス399を有する
リバースクラッチライン431を専ら通り、しかも3−
4シフトバルブ365のスプールが左側に移動している
ので第2バイパスライン471は閉じている結果、作動
圧はリバースクラッチ圧となってライン431を介し速
やかにリバースクラッチ44に供給される。したがっ
て、リバースクラッチ圧は、リバースクラッチ44の締
結に必要な油圧Pcまで速やかに上昇し、リバースクラ
ッチ圧が上記油圧Pcに到達した時点t2でリバースク
ラッチ44が締結される。この時点t2では、後述する
ように、ローリバースブレーキ46がまだ締結されてい
ないので、該クラッチ44が先に締結されても締結時の
ショックは生じない。
【0153】一方、上記時点t1において、第3ソレノ
イドバルブ368をONに切り換えて3−4シフトバル
ブ365のスプールを右側に移動させると、第1バイパ
スライン452と第2バイパスライン471とが連通す
るので、作動油は供給方向に流入可能の第2ワンウェイ
オリフィス399を介して、リバースクラッチライン4
31、第2バイパスライン471および第1バイパスラ
イン452を経由し、ライン430へ速やかに供給され
る。したがって、ローリバースブレーキ圧が符号
(タ),(チ)で示すように速やかに上昇することとな
って、ローリバースブレーキ46の締結の遅延を抑制す
ることとなり、シフト時の応答性が向上することにな
る。なお、ピストンのストローク開始時は油圧の上昇が
緩やかとなって符号(タ)で示す状態が形成される。
【0154】その後、ローリバースブレーキ圧が増大し
て、ローリバースブレーキ46が締結し始める油圧Pb
1に到達する直前の時点t3において、第3ソレノイド
バルブ368をOFFに切り換える。その結果、3−4
シフトバルブ365のスプールが左側に移動し、第1バ
イパスライン452と第2バイパスライン471との連
通状態が遮断されて、作動圧は再び第1ワンウェイオリ
フィス383を通ることとなる。したがって、該ワンウ
ェイオリフィス383の絞り作用とアキュムレータ38
4の緩衝作用とにより、符号(ツ)で示すようにローリ
バースブレーキ圧の上昇が再び緩やかになり、ローリバ
ースブレーキ圧はリバースクラッチ44が締結される時
点t2より遅い時点t4において上記油圧Pb1に緩や
かに到達する。その結果、ローリバースブレーキ46は
リバースクラッチ44の締結の後で徐々に締結されるこ
ととなり、ローリバースブレーキ46の締結時のショッ
クが抑制されることとなる。
【0155】ここにおいて、第3ソレノイドバルブ36
8のON,OFFを切り換える時点t1,t3は、ロー
リバースブレーキ46の締結がリバースクラッチ44の
締結よりも後になるように、当該油圧回路の構造、設定
油圧、作動油の温度、アキュムレータの緩衝特性、ワン
ウェイオリフィスの絞り特性等に基づいて、それぞれ予
め実験的に求めることができる値である。
【0156】次に、図14および図16を参照してR−
Nシフト操作について説明する。
【0157】R−Nシフト開始時においても、第1ソレ
ノイドバルブ366および第3ソレノイドバルブ368
は共にOFFとされて、1−2シフトバルブ363およ
び3−4シフトバルブ365の各スプールはそれぞれ左
側に位置している。
【0158】そして、マニュアルバルブ362がRレン
ジからNレンジにシフトされた時点t5で、入力ポート
eと出力ポートdとの連通状態は遮断され、第4出力ラ
イン414に作動油の供給がされなくなると共に、該ラ
イン414から分岐されたドレンライン472がマニュ
アルバルブ362に設けられたドレンポート362aと
連通する。その結果、リバースクラッチライン431に
はアキュムレータが配設されていないので、リバースク
ラッチ圧はリバースクラッチライン431を介して直ち
にドレンポート362aから排圧されることとなる。し
かし、このとき第1、第2バイパスライン452,47
1の連通状態が遮断されているので、作動油は排出方向
に絞り機能を有する第2ワンウェイオリフィス399を
通る。その結果、該ワンウェイオリフィス399の絞り
作用によって作動油の流出速度は小さいので、上記ドレ
ンライン472を介してドレンポート362aから排出
される排出速度は緩やかなものとなる。
【0159】その場合に、リバースクラッチ圧はレンジ
がNレンジに切り換えられた時から直ちに排圧されると
共に、リバースクラッチ44はローリバースブレーキ4
6よりも必要油圧Pcが高いことから、ローリバースブ
レーキ46よりも先に解放されることとなるが、第2ワ
ンウェイオリフィス399の絞り作用によってリバース
クラッチ圧の排圧速度が低いことから、必要油圧Pcま
で緩やかに低下し、該油圧Pcまで達した時点t7にお
いて、リバースクラッチ44は徐々に解放され始めるこ
ととなる。その結果、解放時のショック低減を図ること
ができ、しかもリバースクラッチ44はディッシュプレ
ートを備えているので、解放時のショックはさらに低減
される。
【0160】一方、ローリバースブレーキ46は、第1
ワンウェイオリフィス383が排出方向には絞り作用が
働かないことから、作動油は該ワンウェイオリフィス3
83を速やかに通り、第4出力ライン414およびドレ
ンライン472を介して上記ドレンポート362aから
排出されることになるが、アキュムレータ384に貯留
された作動油も同時にアキュムレータライン432、ラ
イン430、第1ワンウェイオリフィス383および第
4出力ライン414を介して上記ドレンポート362a
から排出されることから、ローリバースブレーキ圧は上
記リバースクラッチ圧に比べると速やかに低下するもの
の、前述のように、ローリバースブレーキ46が解放し
始める油圧Pb2はリバースクラッチ44の締結必要油
圧Pcに比べて低く、ローリバースブレーキ圧が油圧P
b2まで低下する時点t8は、リバースクラッチ圧が締
結必要油圧Pcまで低下する時点t7より後になる。そ
の結果、ローリバースブレーキ46はリバースクラッチ
44が解放された後に解放されることとなる。これによ
り、ローリバースブレーキ46の解放時におけるショッ
クが抑制されることになる。
【0161】そして、上記時点t8からはローリバース
ブレーキ46とリバースクラッチ44とが共に解放され
ることとなるが、RレンジからNレンジへのシフトの直
後にDレンジ等の前進段にシフト操作が行われることが
ある。そのときは前進段で締結される摩擦要素(例え
ば、フォワードクラッチ等)が締結されるので、所謂イ
ンターロック状態を回避して油圧制御回路の信頼性を高
めるためにリバースクラッチ44を早期に完全に解放す
る必要がある。
【0162】そこで本実施例においては、ローリバース
ブレーキ46及びリバースクラッチ44の解放後におけ
る作動圧を、次のように制御するようになっている。
【0163】すなわち、リバースクラッチ44の解放に
伴ってタービン23の回転数は増加する。この実施例に
おいては、このタービン回転数をタービン回転数センサ
504で検出し、その信号に基づいてコントローラ50
0が第1ソレノイドバルブ366および第3ソレノイド
バルブ368を切換制御することにより、作動圧回路内
の残圧を速やかに排圧するようにしている。
【0164】具体的に説明すると、図16に示すよう
に、例えばリバースクラッチ44がRレンジにおいて締
結されている時のタービン回転数Ntを0とすると、リ
バースクラッチ圧がリバースクラッチ44の締結必要油
圧Pcを下回った時点t7においてリバースクラッチ4
4が解放し始め、それと同時にタービン回転数Ntが上
昇を始める。そして、該回転数Ntが所定値Noまで増
加した時点t9において、第1ソレノイドバルブ366
および第3ソレノイドバルブ368を共にOFFからO
Nに切り換えて、1−2シフトバルブ363および3−
4シフトバルブ365の各スプールをそれぞれ右側に移
動させる。
【0165】ここにおいて、上記所定値Noは、リバー
スクラッチ44の解放圧、作動油の温度、スロットル開
度等に基づいて、リバースクラッチ44の解放の程度と
タービン回転数Ntとを測定実験により予め求めること
ができる値で、例えば300rpm等の値である。すな
わち、該所定値Noによって第1,第3ソレノイドバル
ブ366,368の作動タイミングが決定されることと
なる。
【0166】そして、第3ソレノイドバルブ368がO
Nとされることによって第1バイパスライン452と第
2バイパスライン471が連通し、その結果、リバース
クラッチ圧は上記の2つのバイパスライン471,35
2および第1ワンウェイオリフィス383を経由して、
ドレンライン472を経てドレンポート362aから符
号(テ)で示すように速やかに排圧されることとなる。
したがって、リバースクラッチ圧は急速に低下し、これ
によって、Nレンジにシフトされた直後にDレンジにシ
フトされる時でも前進段で締結されるフォワードクラッ
チ41とリバースクラッチ44とのインターロックが回
避されることになる。
【0167】一方、第1ソレノイドバルブ366がON
とされることによって1−2シフトバルブ363のスプ
ールが右側に移動する結果、ローリバースブレーキライ
ン429とライン428との連通が遮断されると共に、
上記ブレーキライン429は1−2シフトバルブ363
に設けられたドレンポート363bに連通する。その結
果、ローリバースブレーキ圧は、それまでアキュムレー
タ384内に貯留した作動油と共にドレンポート362
aから排圧されていたものが、単独で、より近くのドレ
ンポート363bから排圧されることとなり、ローリバ
ースブレーキ圧は符号(ト)で示すように急速に低下す
る。また、アキュムレータ384内の作動油は、第1ワ
ンウェイオリフィス383を通ってマニュアルバルブ3
62に設けられたドレンポート362aから速やかに排
出され続ける。つまり、第1ソレノイドバルブ366を
ONに切り換えることによってドレンポートが1つ増え
ることとなるので、作動圧回路全体として作動油の排出
速度が増大し、摩擦要素解放後の残圧を速やかに排圧し
て、次の制御動作にいち早く備え得ることとなる。その
結果、インターロックを回避でき、油圧回路の応答性の
確保と信頼性の向上とを図ることができる。
【0168】また、上記したようなタービン回転数Nt
の検出に基づく第1ソレノイドバルブ366および第3
ソレノイドバルブ368のタイミング制御に代えて、R
−Nシフト開始時から所定時間Toが経過した時は、こ
れら2つのソレノイドバルブ366,68をタービン回
転数の如何にかかわらずOFFからONに切り換えるよ
うにしてもよい。
【0169】すなわち、図16の2点鎖線で示すよう
に、マニュアルバルブ362がRレンジからNレンジに
シフトされた時点t6で、タイマーが作動し始める。そ
して、所定時間Toが経過した時点t10において、第
1ソレノイドバルブ366および第3ソレノイドバルブ
368を共にOFFからONに切り換えられる。その結
果、前述のように油路が切り換えられて、リバースクラ
ッチ圧とローリバースブレーキ圧とが、それぞれ符号
(ナ),(ニ)で示すように速やかに低下することとな
る。したがって、冷間時に所謂作動油の抜け遅れが生
じ、リバースクラッチ圧およびローリバースブレーキ圧
の低下する速度が小さい時でも、RレンジからNレンジ
にシフトされてから所定時間Toが経過した時には作動
圧が速やかに排圧され、リバースクラッチ44およびロ
ーリバースブレーキ46が速やかに初期状態に復帰する
こととなるので、次の制御動作に備え得ることとなる。
【0170】ここにおいて、上記所定時間Toは、例え
ば零下30度の極寒時における作動油の流動特性、当該
油圧回路の構造、設定油圧等に基づいて予め実験的に求
めることができる値である。
【0171】したがって、摩擦要素の解放時間の遅延に
よってタービン回転数Ntの上記所定値Noに至る時間
が延長する時でも、摩擦要素の解放を速やかに行うこと
ができ、冷寒時においても、良好な応答性およびシフト
フィーリングの確保を図ることができる。
【0172】また、本実施例では、R−Nシフトの最後
に最終ソレノイドパターンとして、高変速段で締結され
る所定の摩擦要素を締結するソレノイドパターンを設け
ることにより、NレンジからDレンジ等の前進段にシフ
トされた場合に発生する所謂N−Dショックの発生を防
止するようにしている。
【0173】すなわち、全摩擦要素が解放されたニュー
トラル状態から、所定の摩擦要素が締結されて変速段が
1速に切り換えられる時は、エンジンの出力トルクが1
速の減速比に相当する大きな比率で増大されて車輪に伝
達されるため、過大なショックが発生して、乗員に不快
感を与えるのである。したがって、変速段を1速のソレ
ノイドパターンに切り換える前に、減速比の小さい高変
速段のソレノイドパターンを一旦経由させることによ
り、発生するショックの低減を図るものである。
【0174】図17に基づいて説明すると、まずR−N
シフトが開始された時点t6から、前述のようにタービ
ン回転数Ntが所定回転数Noを超えた時点t9(もし
くはタイマーが所定時間Toのカウントを終了した時点
t10)において、第1ソレノイドバルブ366および
第3ソレノイドバルブ368がそれぞれOFFからON
に切り換えられて残圧の速やかな排圧が行われるが、こ
の時の第1ソレノイドバルブ366、第2ソレノイドバ
ルブ367および第3ソレノイドバルブ368がそれぞ
れON,OFF,ONとされるソレノイドパターンをソ
レノイドパターン1とする。
【0175】そして、上記時点t9(もしくは時点t1
0)において、第1ソレノイドバルブ366および第3
ソレノイドバルブ368がOFFからONに切り換えら
れると同時に、シフトタイマーが所定時間Tsのカウン
トを開始する。この所定時間Tsは、例えば図18に示
すように、作動油の温度に基づいて所定時間Tsが予め
設定されたマップに油温センサ505で検出された油温
を当てはめることにより得られる値である。該マップか
ら明らかなように、油温が低くなるに従って所定値Ts
が大きくなるように設定されている。
【0176】その後、上記所定時間Tsが経過した時点
t11において、第1ソレノイドバルブ366をONか
らOFFに切り換えることにより、ソレノイドパターン
1を図17に示すソレノイドパターン2に切り換える。
このソレノイドパターン2では、第1ソレノイドバルブ
366、第2ソレノイドバルブ367および第3ソレノ
イドバルブ368がそれぞれOFF,OFF,ONとさ
れるので、図12に示す油圧制御回路360においてフ
ォワードクラッチ41と3−4クラッチ43とが締結さ
れるソレノイドパターンである。R−Nシフト動作は、
このソレノイドパターン2の設定をもって終了する。
【0177】そして、レンジがDレンジに切り換えられ
た時は、ライン圧がマニュアルバルブ362の出力ポー
トaおよびbからそれぞれ第1出力ライン411および
第2出力ライン412に供給される。このとき、各ソレ
ノイドバルブはソレノイドパターン2の状態にあるの
で、上記出力ポートaから供給された制御圧は、第1出
力ライン411から分岐されたフォワードクラッチライ
ン419を介し、ワンウェイオリフィス371を経てフ
ォワードクラッチ41に至る。そして、上記ワンウェイ
オリフィス371は作動油の供給方向に絞り機能を有す
るので、フォワードクラッチ41は徐々に締結されるこ
ととなる。
【0178】一方、上記出力ポートbから供給されたラ
イン圧(作動圧)は、第2出力ライン412を介し、2
−3シフトバルブ364を経て3−4クラッチライン4
24を通り、3−4クラッチ43に至る。このとき、3
−4クラッチライン424に設けられたワンウェイオリ
フィス378をバイパスするバイパスライン442上
に、2−3バイパスバルブ393が設けられていると共
に、該バイパスバルブ393のスプールの左端には、ラ
イン439から分岐されたライン443を介してスロッ
トルモデュレータバルブ392によって発生されるスロ
ットルモデュレータ圧が導入されるので、該バイパスバ
ルブ393のスプールは右側に位置することとなり、上
記バイパスライン442は連通する。その結果、作動圧
は、該バイパスライン442を介して速やかに3−4ク
ラッチ43に供給されることとなる。
【0179】したがって、第1ソレノイドバルブ36
6、第2ソレノイドバルブ367および第3ソレノイド
バルブ368がそれぞれソレノイドパターン2の状態に
あって、レンジがDレンジに切り換えられた時は、高変
速段で締結される3−4クラッチ43がフォワードクラ
ッチ41より先に締結されることとなるので、エンジン
の出力トルクがそれほど大きな比率で増大されず、全摩
擦要素が解放されたニュートラル状態から直ちにフォワ
ードクラッチ41が締結された時に発生するN−Dショ
ックを防止することができる。
【0180】そして、3−4クラッチ43およびフォワ
ードクラッチ41が締結された所定のタイミングで、ソ
レノイドパターン2をソレノイドパターン3に切り換え
ることにより3−4クラッチ43が解放され、フォワー
ドクラッチ41のみが締結されたDレンジの1速に切り
換わることとなってN−D変速は終了する。
【0181】さらに、本実施例に係る回路構成によれ
ば、R−Nシフトの後にN−Rシフトが行われる時にお
いてもN−Rショックが有効に回避できることとなる。
すなわち、アキュムレータ384は他の制御に関係な
く、常に排出方向に通過可能の第1ワンウェイオリフィ
ス383と連通しているので、該ワンウェイオリフィス
383の絞り機能を常に受けることとなる。したがっ
て、R−Nシフト操作時は、アキュムレータ384に貯
留された作動油が常に早く排出されるので、次にN−R
シフトが行われる時には、すでにアキュムレータとして
の緩衝機能が回復して作動油を再び貯留することができ
る状態にある。その結果、N−Rシフト操作時におい
て、第1ワンウェイオリフィス383を介してライン4
30に供給された作動油はアキュムレータ384に貯留
されるので、ローリバースブレーキ圧に対して棚圧を形
成することとなり、ローリバースブレーキ46が徐々に
締結されてN−Rショックが有効に回避できることとな
る。
【0182】また、本発明は実施例に限定されるもので
はなく、後退段が1個あるいは3個以上の摩擦要素によ
って達成されるようなタイプの自動変速機にも適用する
ことが可能である。
【0183】
【発明の効果】以上のように第1発明によれば、例えば
RレンジからDレンジへのシフト操作時においては、R
レンジで締結されている摩擦要素の作動圧の排圧速度が
速くされるので、変速機構のインターロック状態が回避
されると共に、RレンジからNレンジへのシフト操作時
における作動圧の排圧速度を応答性を損なわない範囲で
遅くすることが可能となって、摩擦要素の解放ショック
が効果的に軽減されることになる。
【0184】また、DレンジからRレンジへのシフト操
作時においても、DレンジからNレンジへのシフト操作
時における解放ショックを効果的に防止しつつ、変速機
構のインターロック状態を回避することが可能となる。
【0185】そして、第2〜第5発明のいずれにおいて
も、レンジがRレンジに設定された時にローリバースブ
レーキとリバースクラッチとが共に締結されるように構
成された自動変速機において、次のような効果が得られ
ることになる。
【0186】すなわち、N−Rシフト操作時に、切換手
段により、リバースクラッチに通じる油路と、ローリバ
ースブレーキの作動圧回路の絞り要素の上流側における
マニュアルバルブとの間の油路とを連通させれば、リバ
ースクラッチが先に締結された後、ローリバースブレー
キがアキュムレータの作用により、リバースクラッチよ
りも遅れたタイミングで締結されることになる。したが
って、N−Rショックが大幅に緩和されることになる。
【0187】一方、R−Nシフト操作時に、切換手段に
より、リバースクラッチに通じる油路とローリバースブ
レーキの作動圧回路における絞り要素の下流側の油路と
を連通させると共に、ローリバースブレーキに対する作
動圧の給排を切り換える切換バルブを作動させて、ロー
リバースブレーキに通じる油路を該切換バルブの上流側
に位置するアキュムレータから切り離せば、リバースク
ラッチがアキュムレータに連通することになるので、ロ
ーリバースブレーキが先に解放されることになって、解
放ショックも大幅に緩和されることになる。
【0188】そして、R−Dシフト操作時に、切換手段
により、リバースクラッチに通じる油路と、ローリバー
スブレーキの作動圧回路の絞り要素の上流側におけるマ
ニュアルバルブとの間の油路とを連通させれば、リバー
スクラッチの作動圧が棚圧状態を経由せずに排圧される
ことになって、変速機構がインターロック状態となるこ
とが回避されることになる。
【0189】また、第3発明によれば、冷間時における
N−Rシフト操作時に、切換手段により、リバースクラ
ッチに通じる油路とローリバースブレーキの作動圧回路
における絞り要素の下流側の油路とを連通させれば、チ
ェックバルブを通過してリバースクラッチに供給される
作動油の一部が、絞り要素を迂回してローリバースブレ
ーキに供給されることになるので、応答性の悪化が回避
されることになる。
【0190】さらに、第4発明によれば、ローリバース
ブレーキにディッシュプレートが設けられているので、
各種のショックがより一層軽減されることになる。
【0191】特に、第5発明によれば、NレンジからR
レンジへの切換時にはアキュムレータの作用によりロー
リバースブレーキの締結用棚圧が形成されると共に、R
レンジからNレンジへの切換時にはアキュムレータの作
用によりリバースクラッチの解放用棚圧が形成されるこ
とになるので、N−RショックおよびR−Nショックの
いずれもがより一層軽減されることになる。
【0192】一方、第6〜第10発明のいずれにおいて
も、レンジがRレンジに設定された時にローリバースブ
レーキとリバースクラッチとが共に締結されるように構
成された自動変速機において、ローリバースブレーキの
作動圧回路に、棚圧を形成するためのアキュムレータ
と、ローリバースブレーキへの作動油の供給方向に絞り
作用を行うワンウェイオリフィスとが設けられているの
で、N−Rシフト時には、ローリバースブレーキに供給
される作動油の油圧の上昇が緩やかとなり、その結果、
リバースクラッチが締結された後、ローリバースブレー
キが緩やかに締結されることになって、N−Rショック
が効果的に低減されることになる。
【0193】これに対して、R−Nシフト時において
は、リバースクラッチの作動圧回路にアキュムレータが
配設されていないので、リバースクラッチの作動圧がロ
ーリバースブレーキの作動圧よりも先に排圧されること
になるが、このリバースクラッチの作動圧回路には、リ
バースクラッチからの作動油の排出方向に絞り作用を行
うワンウェイオリフィスが設けられているので、上記作
動圧の低下は緩やかなものとなり、その結果、リバース
クラッチは徐々に解放されることになって、R−Nショ
ックも効果的に抑制されることになる。
【0194】また、ローリバースブレーキの作動圧回路
とリバースクラッチの作動圧回路とが、バイパス油路を
介して上記各ワンウェイオリフィスの下流側で連通され
ると共に、該バイパス油路の連通状態がバイパスバルブ
によって切り換えられるようになっているので、各摩擦
要素に対する作動油の給排に際して、バイパスバルブを
切り換えて作動油をバイパス油路に導くようにすれば、
作動油が絞り方向の異なるワンウェイオリフィスのうち
いずれか一方を通過することから、作動油の給排速度を
調整することが可能となって、シフト操作の応答性が確
保されることになる。
【0195】特に、リバースクラッチが解放された後
に、バイパスバルブを切り換えてバイパス油路が連通状
態になるようにすると、リバースクラッチから排出され
る作動油が排出方向には絞り機能を有しない第1ワンウ
ェイオリフィスを通過して排出されることになるので、
リバースクラッチの作動油が速やかに排出されることに
なり、R−Dシフト操作時におけるリバースクラッチの
解放の遅れと前進段で締結される摩擦要素の締結とによ
る変速機構のインターロックが回避されることになる。
【0196】そして、第7発明によれば、バイパスバル
ブとして変速用のシフトバルブが利用されているので、
部品点数が削減されると共に、既存のバルブが有効に利
用されることになって、この種の油圧制御回路の構成が
簡素化されることになる。
【0197】また、第8発明によれば、ローリバースブ
レーキに通じる第1作動圧回路におけるアキュムレータ
の下流側に、ローリバースブレーキ側の作動油を排出さ
せるドレンポートを有する切換バルブが配設されている
ので、第6発明の効果に加えて次のような効果が得られ
る。
【0198】すなわち、ローリバースブレーキから作動
油を排出する時に上記切換バルブを切り換えて、ローリ
バースブレーキ側の油路を該バルブのドレンポートに連
通するようにすると、ローリバースブレーキが解放され
るR−NシフトまたはR−Dシフトのいずれの場合にお
いても、作動油がローリバースブレーキに近いドレンポ
ートから排出されることになり、作動圧が速やかに低下
することになって、ローリバースブレーキの解放が促進
される。一方、アキュムレータに貯留した作動油は、排
出方向には絞り機能を有しない第1ワンウェイオリフィ
スを通って速やかに排出されるので、ローリバースブレ
ーキの作動圧回路全体として、作動油の排出速度が増大
することになる。
【0199】そして、レンジがRレンジからNレンジに
切り換えられた時から所定時間を経過した時には、バイ
パスバルブが切り換えられてバイパス油路が連通すると
共に、上記切換バルブが切り換えられて第1作動圧回路
のローリバースブレーキ側の油路が該バルブのドレンポ
ートに連通されることになるので、前述のリバースクラ
ッチ圧とローリバースブレーキ圧のいずれもが速やかに
排圧されることになって、リバースクラッチ及びローリ
バースブレーキの解放が早期に終了し、次の制御動作に
いち早く備えることが可能となる。したがって、次にD
レンジ等の前進レンジへのシフトが行われる場合でも変
速機構のインターロック状態を確実に回避できることと
なる。
【0200】特に、冷寒時等において作動油の流動性が
低下するような時でも摩擦要素の解放が早期に終了する
ので、かかる環境下におけるシフト操作の応答性の確保
に有効な作用が得られることとなる。
【0201】そして、第9発明によれば、レンジがRレ
ンジからNレンジに切り換えられた時からタービン回転
数が所定回転数を超えるタイミングで、切換バルブ及び
バイパスバルブが切り換えられることになるので、作動
油の排出速度の増大を適切な時期に行うことができる。
【0202】また、第10発明では、バイパス油路およ
び切換バルブの少なくとも一方に変速用のシフトバルブ
が利用されているので、上記第7発明と同様に部品点数
が削減されると共に、既存のバルブが有効に利用される
ことになって、この種の油圧制御回路の構成が簡素化さ
れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に共通する自動変速機の骨子図であ
る。
【図2】 第1、第2実施例に共通する自動変速機の油
圧制御回路を示す回路図である。
【図3】 図2の油圧制御回路における各バルブに対す
る制御システム図である。
【図4】 第1実施例におけるN−Rシフト操作時の油
圧制御回路の要部の拡大図である。
【図5】 同じく第1実施例におけるN−Rシフト操作
時の油圧変化を示すタイムチャート図である。
【図6】 第1実施例におけるR−Nシフト操作時の油
圧制御回路の要部の拡大図である。
【図7】 同じく第1実施例におけるR−Nシフト操作
時の油圧変化を示すタイムチャート図である。
【図8】 第1実施例におけるR−Dシフト操作時の油
圧制御回路の要部の拡大図である。
【図9】 同じく第1実施例におけるR−Dシフト操作
時における油圧変化を示すタイムチャート図である。
【図10】 第2実施例におけるR−Nシフト操作時の
油圧制御回路の要部の拡大図である。
【図11】 同じく第2実施例におけるR−Nシフト操
作時の油圧変化を示すタイムチャート図である。
【図12】 第3実施例に係る自動変速機の油圧制御回
路を示す回路図である。
【図13】 図12の油圧制御回路における各バルブに
対する制御システム図である。
【図14】 後退段における油圧制御回路の要部の拡大
図である。
【図15】 第3実施例におけるN−Rシフト時の制御
と油圧の関係を示すタイムチャート図である。
【図16】 同じく第3実施例におけるR−Nシフト時
の制御と油圧の関係を示すタイムチャート図である。
【図17】 同じく第3実施例におけるR−Dシフト時
の制御動作を示すタイムチャート図である。
【図18】 R−Dシフト制御で用いるマップの説明図
である。
【符号の説明】
10 自動変速機 30 変速機構 41 フォワードクラッチ 44 リバースクラッチ 46 ローリバースブレーキ 62 マニュアルバルブ 65 第3シフトバルブ 68 第3ソレノイドバルブ 82 チェックバルブ 96 第5シフトバルブ 97 第5ソレノイドバルブ 112 後退ライン 128 ローリバースブレーキライン 129 ライン 130 リバースクラッチライン 161 第2バイパスライン 200 コントローラ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機構と、該変速機構の動力伝達経路
    を切り換える複数の摩擦要素と、これらの摩擦要素を選
    択的に締結させる油圧制御回路とを有する自動変速機の
    制御装置であって、Rレンジから前進レンジもしくは前
    進レンジからRレンジへのシフト操作時に、該シフト操
    作時に解放される摩擦要素からの作動圧の排圧速度を、
    対応するレンジからNレンジへのシフト操作時に比べて
    速くする排圧速度変更手段が設けられていることを特徴
    とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 変速機構と、該変速機構の動力伝達経路
    を切り換える複数の摩擦要素と、これらの摩擦要素を選
    択的に締結させる油圧制御回路とを有すると共に、レン
    ジがRレンジに設定された時にローリバースブレーキと
    リバースクラッチとが共に締結されることにより後退段
    が達成されるように構成された自動変速機の制御装置で
    あって、油圧制御回路に設置したマニュアルバルブの下
    流側における上記ローリバースブレーキに通じる第1作
    動圧回路に、上流側から、作動油の通過を阻害する絞り
    要素と、作動油を貯留するアキュムレータと、ローリバ
    ースブレーキに対する作動圧の給排を切り換える切換バ
    ルブとが順次配設されていると共に、マニュアルバルブ
    よりも下流側における上記リバースクラッチに通じる第
    2作動圧回路に、該クラッチに通じる油路と上記第1作
    動圧回路における絞り要素と切換バルブとの間の油路と
    の連通状態と、同じくリバースクラッチに通じる上記油
    路と上記第1作動圧回路における絞り要素の上流側にお
    けるマニュアルバルブとの間の油路との連通状態を切り
    換える切換手段が設けられていることを特徴とする自動
    変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 マニュアルバルブよりも下流側における
    リバースクラッチに通じる第1作動圧回路に、該クラッ
    チからの作動油の排出方向の通過を阻止するチェックバ
    ルブを有する油路が切換手段と並列して設けられている
    と共に、該切換手段が、上記チェックバルブよりも上流
    側の油路と上記第1作動圧回路における絞り要素と切換
    バルブとの間の油路との連通状態と、チェックバルブの
    前後の油路の連通状態とを切り換えるように構成されて
    いることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の制
    御装置。
  4. 【請求項4】 ローリバースブレーキにディッシュプレ
    ートが設けられていることを特徴とする請求項2または
    請求項3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 第1作動圧回路に設置されたアキュムレ
    ータが、その背圧が調整可能とされていると共に、Nレ
    ンジからRレンジへの切換時には上記アキュムレータに
    よりローリバースブレーキの締結用棚圧が形成され、R
    レンジからNレンジへの切換時にはリバースクラッチの
    解放用棚圧が形成されるように該アキュムレータに対す
    る背圧を調整する背圧調整手段が設けられていることを
    特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の自
    動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 変速機構と、該変速機構の動力伝達経路
    を切り換える複数の摩擦要素と、これらの摩擦要素を選
    択的に締結させる油圧制御回路とを有すると共に、レン
    ジがRレンジに設定された時にローリバースブレーキと
    リバースクラッチとが共に締結されることにより後退段
    が達成されるように構成された自動変速機の制御装置で
    あって、上記油圧制御回路におけるローリバースブレー
    キに通じる第1作動圧回路に、ローリバースブレーキへ
    の作動油の供給方向に絞り作用を行う第1ワンウェイオ
    リフィスと、作動油を貯留するアキュムレータとが、上
    流側から順次配設されていると共に、上記リバースクラ
    ッチに通じる第2作動圧回路に、リバースクラッチから
    の作動油の排出方向に絞り作用を行う第2ワンウェイオ
    リフィスが配設され、かつ上記第1作動圧回路における
    第1ワンウェイオリフィスとアキュムレータとの間及び
    第2作動圧回路における上記第2ワンウェイオリフィス
    の下流側をバイパスするバイパス油路と、該バイパス油
    路の連通状態を切り換えるバイパスバルブとが設けられ
    ていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 バイパスバルブは、変速用のシフトバル
    ブであることを特徴とする請求項6に記載の自動変速機
    の制御装置。
  8. 【請求項8】 ローリバースブレーキに通じる第1作動
    圧回路におけるアキュムレータの下流側に、ローリバー
    スブレーキ側の作動油を排出するドレンポートを有する
    切換バルブが配設され、かつレンジがRレンジからNレ
    ンジに切り換えられた時から所定時間が経過した時に、
    バイパスバルブを切り換えてバイパス油路を連通させる
    と共に、上記切換バルブを切り換えて第1作動圧回路の
    ローリバースブレーキ側の油路を該バルブの上記ドレン
    ポートに連通させる制御手段が設けられていることを特
    徴とする請求項6に記載の自動変速機の制御装置。
  9. 【請求項9】 所定時間は、レンジがRレンジからNレ
    ンジに切り換えられた時からタービン回転数が所定回転
    数を超えるまでの時間であることを特徴とする請求項8
    に記載の自動変速機の制御装置。
  10. 【請求項10】 バイパスバルブおよび切換バルブの少
    なくとも一方が、変速用のシフトバルブであることを特
    徴とする請求項8に記載の自動変速機の制御装置。
JP8788094A 1993-05-31 1994-03-31 自動変速機の制御装置 Pending JPH07167283A (ja)

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