JP3133837B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3133837B2
JP3133837B2 JP04257421A JP25742192A JP3133837B2 JP 3133837 B2 JP3133837 B2 JP 3133837B2 JP 04257421 A JP04257421 A JP 04257421A JP 25742192 A JP25742192 A JP 25742192A JP 3133837 B2 JP3133837 B2 JP 3133837B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置、特に変速時に複数の摩擦要素に対する締結圧の供給
状態を切り換えることにより変速を行わせるようにした
自動変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車に搭載される自動変速機
は、トルクコンバータと変速機構とを組み合わせ、この
変速機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数
の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、所定の変速
段に自動的に変速するように構成したもので、この種の
自動変速機には、上記各摩擦要素のアクチュエータに対
する油圧の給排を制御する油圧制御回路が設けられる。
この油圧制御回路には、例えばオイルポンプの吐出圧を
所定のライン圧に調整するレギュレータバルブ、手動操
作によってレンジを切り換えるマニュアルバルブ、運転
状態に応じて作動して上記アクチュエータに通じる油路
を切り換えることにより、複数の摩擦要素を選択的に作
動させる複数のシフトバルブなどが設けられる。
【0003】ところで、この種の自動変速機において
は、変速時における摩擦要素の締結もしくは解放動作の
タイミングが適切に設定されていることが良好な変速動
作を得る上で重要であり、例えば摩擦要素の締結動作が
遅すぎると変速時間が徒に長くなり変速フィーリングが
悪化することになる。逆に、締結動作が早すぎる場合に
は変速ショックが大きくなることになる。
【0004】そこで、この問題を解消して変速動作を良
好に行わせるために、上記油圧制御回路において、変速
時における摩擦要素(アクチュエータ)に対する締結圧
の給排タイミングの調整が行われる。
【0005】このタイミングの調整は、基本的には油圧
の給排を切り換えるシフトバルブから各アクチュエータ
に通じる油路に径を適切に設定したオリフィスを設ける
ことにより行われるが、オリフィスの設定だけでは最適
なタイミングが得られない場合には、さらにオリフィス
をバイパスするバイパス通路を設け、該バイパス通路上
にこれを開通、遮断する開閉弁を設置することがある。
つまり、この開閉弁を変速動作中に開閉させて、例えば
変速動作の前半はバイパス通路により油圧の給排を速や
かに行わせ、後半はオリフィスを介することにより油圧
の給排を緩やかに行わせることで、より緻密に油圧の給
排タイミングを調整しようというものである。
【0006】その場合に、更にタイミングを緻密に制御
することを目的として、例えば特開平2−76968号
公報に開示されているように、シフトバルブの下流側に
所定摩擦要素に対する締結圧の供給用と排圧用とに別系
統の油路をそれぞれ設けると共に、各油路に設けたオリ
フィスをバイパスするバイパス通路をそれぞれ設けて、
各バイパス通路上に開閉弁をそれぞれ設置する場合があ
る。これによれば、所定摩擦要素に締結圧を供給する場
合と、該摩擦要素から締結圧を排圧する場合とで使用さ
れる油路が異なるので、各油路ごとの開閉弁の開閉タイ
ミングやオリフィスの絞り特性を個別に設定することが
可能となり、当該摩擦要素が締結される変速時と該摩擦
要素が解放される変速時とでそれぞれ要求特性を満足す
るような油圧の給排タイミングが得られることが期待さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術のように、所定摩擦要素に通じるシフ
トバルブの下流側の油路を締結圧の供給用と排圧用とに
分け、特に排圧用油路をバイパスさせたバイパス通路に
開閉弁を設置する場合には、締結圧の供給時に次のよう
な問題を発生する可能性がある。すなわち、当該摩擦要
素に対する締結圧の供給時においては、供給用油路に加
えて排圧用油路ないし該油路をバイパスするバイパス通
路をも作動油で充満しなければならず、変速開始初期の
過渡応答性が損なわれることになるのである。
【0008】また、特開昭63−186055号公報に
は、例えば所定摩擦要素に対する締結圧の給排を切り換
える第1のシフトバルブに、オリフィスを有する第1排
圧通路とオリフィスを有しない第2排圧通路とが同時に
連通されるように接続すると共に、他の摩擦要素に対す
る作動油の給排を切り換える第2のシフトバルブに上記
第2排圧油路を接続し、該排圧油路を開通、遮断するよ
うにした構成が示されている。これによれば、所定摩擦
要素に対する締結圧を排圧する際に上記第2のシフトバ
ルブにより第2排圧油路を遮断すれば、該締結圧がオリ
フィスを有する第1排圧油路だけで緩やかに排圧される
ことになる。また、上記第2のシフトバルブにより第2
排圧油路を開通させた状態で所定摩擦要素に対する締結
圧を排圧すれば、該締結圧がオリフィスを有する第1排
圧油路とオリフィスを有しない第2排圧通路の両方を通
って排圧されることから、締結圧の排圧が速やかに行わ
れることになる。しかしながら、この公報記載の技術に
おいては、シフトバルブを利用して第2排圧通路を切り
換えるようになっているため、第2排圧通路の切り換え
と同時に摩擦要素の作動状態の切り換えを伴うこととな
り、両者の要求が一致するタイミングでしか作動させる
ことができないという制約がある。
【0009】この発明は、変速時に複数の摩擦要素に対
する締結圧の供給状態を切り換えることにより変速を行
わせるようにした自動変速機の変速時における上記の問
題に対処するもので、摩擦要素に対する締結圧の供給時
における過渡応答性を悪化させることなく、また部品点
数を増大させることなく、当該摩擦要素からの締結圧の
排圧時における排圧特性を緻密に、且つ他の摩擦要素に
対する制御に制約されることなく最も適切な特性に制御
可能とすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
発明(以下、第1発明という)に係る自動変速機の
変速制御装置は、所定の変速段で締結される摩擦要素に
対して油路を介して締結圧を給排するシフトバルブと、
該シフトバルブに設けられ、上記所定変速段から他の変
速段への変速に際して上記摩擦要素から締結圧を排圧す
るときに上記油路に連通する排圧ポートと、該排圧ポー
トに接続されて上記摩擦要素の締結圧をオリフィスを介
して排圧する第1排圧通路と、該排圧通路における上記
オリフィスの上流側から分岐された第2排圧通路と、該
第2排圧通路を開通、遮断する開閉弁と、この開閉弁の
開閉動作を制御する制御手段とを設け、上記開閉弁を、
上記所定変速段から他の変速段への変速時には締結圧の
給排が行われない他の摩擦要素に通じる油路上の絞り手
段をバイパスして設けられたバイパス通路を開通、遮断
するように設けたことを特徴とする。
【0011】そして、本願の請求項2の発明(以下、第
2発明という)に係る自動変速機の変速制御装置は、上
記第1発明の構成に加えて、シフトバルブと摩擦要素と
の間に介設された油路に、締結圧の供給時に作動油を絞
るワンウェイオリフィスを設けると共に、該オリフィス
をバイパスして設けられたバイパス通路に該通路を開
通、遮断する第2の開閉弁を設けたことを特徴とする。
【0012】
【作用】上記の構成によれば、次のような作用が得られ
る。
【0013】すなわち、第1発明によれば、摩擦要素に
通じる油路を介して締結圧の給排を切り換えるシフトバ
ルブに設けられた排圧ポートに、該摩擦要素の締結圧を
排圧する第1排圧通路が接続されていると共に、この排
圧通路上のオリフィスよりも上流側から分岐された第2
排圧通路が、開閉弁によって開通、遮断されるようにな
っているので、例えば開閉弁によって第2排圧通路を遮
断した状態では第1排圧通路上のオリフィスの絞り作用
によって締結圧が緩やかに排圧される一方、第2排圧通
路を開通させた状態では締結圧が第1、第2排圧通路の
両方を通って速やかに排圧されることになる。したがっ
て、開閉弁の動作タイミングを適切に設定することによ
り所望の排圧特性が得られて、変速ショックの増大が防
止されることになる。
【0014】一方、締結圧の供給時には第1排圧通路な
いし第2排圧通路が分離されることになるので、作動油
の充填容積が少なくなって過渡応答性が向上することに
なる。
【0015】また、開閉弁が他の摩擦要素のバイパス制
御にも利用されるので、部品点数が削減されると共に、
この種の油圧制御回路の構成が簡素化されることにな
る。その場合に、上記他の摩擦要素は、当該摩擦要素の
締結圧が排圧される変速時には締結圧の給排が行われな
いので、この他の摩擦要素に対するバイパス制御のため
に当該摩擦要素の締結圧の排圧制御が制約を受けること
がない。
【0016】そして、第発明によれば、シフトバルブ
から摩擦要素に通じる油路に、締結圧の供給時に作動油
を絞るワンウェイオリフィスを設けると共に、該オリフ
ィスをバイパスして設けたバイパス通路に第2の開閉弁
を設けているので、締結圧の供給時においても当該摩擦
要素に対する適切な動作タイミングが得られることにな
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0018】まず、図1によりこの実施例に係る自動変
速機の機械的構成を説明すると、この自動変速機10
は、主たる構成要素として、トルクコンバータ20と、
該コンバータ20の出力により駆動される変速機構30
と、該機構30の動力伝達経路を切り換えるクラッチや
ブレーキなどの複数の摩擦要素41〜46及びワンウェ
イクラッチ51,52とを有し、これらにより走行レン
ジとしてのD,S,L,Rの各レンジと、Dレンジでの
1〜4速、Sレンジでの1〜4速、Lレンジでの1〜2
速とが得られるようになっている。
【0019】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設され且つ変速機ケ
ース11にワンウェイクラッチ24を介して支持されて
トルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース21
とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介し
てエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロック
アップクラッチ26とで構成されている。そして、上記
タービン23の回転がタービンシャフト27を介して変
速機構30側に出力されるようになっている。ここで、
上記エンジン出力軸1にはタービンシャフト27内を貫
通するポンプシャフト12が連結され、該シャフト12
により変速機後端部に備えられたオイルポンプ13が駆
動されるようになっている。
【0020】一方、上記変速機構30はラビニョ型プラ
ネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャフト27
上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と、該サ
ンギヤ31の後方において同じくタービンシャフト27
上に遊嵌合された大径のラージサンギヤ32と、上記ス
モールサンギヤ31に噛合された複数個のショートピニ
オンギヤ33と、前半部が該ショートピニオンギヤ33
に噛合され、後半部が上記ラージサンギヤ32に噛合さ
れたロングピニオンギヤ34と、該ロングピニオンギヤ
34及び上記ショートピニオンギヤ33を回転自在に支
持するキャリヤ35と、ロングピニオンギヤ34に噛合
されたリングギヤ36とで構成されている。
【0021】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、また
これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ
42が介設されていると共に、タービンシャフト27と
キャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ3
2との間にリバースクラッチ44が介設されている。ま
た、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ44と
の間にはラージサンギヤ32を固定するバンドブレーキ
でなる2−4ブレーキ45が設けられていると共に、上
記キャリヤ35と変速機ケース11との間には、該キャ
リヤ35の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ5
2と、キャリヤ35を固定するローリバースブレーキ4
6とが並列に設けられている。そして、上記リングギヤ
36が出力ギヤ14に連結され、該出力ギヤ14から差
動装置を介して左右の車輪(図示せず)に回転が伝達さ
れるようになっている。
【0022】ここで、上記各クラッチやブレーキなどの
摩擦要素41〜46及びワンウェイクラッチ51,52
の作動状態と変速段との関係をまとめると、表1に示す
ようになる。
【0023】
【表1】 次に、図2により上記各摩擦要素41〜46のアクチュ
エータに対して油圧を給排する油圧制御回路60につい
て説明する。ここで、上記各アクチュエータのうち、2
−4ブレーキ45の油圧アクチュエータ45aはアプラ
イポート45bとリリースポート45cとを有するサー
ボピストンで構成され、アプライポート45bのみに油
圧が供給されているときに2−4ブレーキ45を締結
し、両ポート45b,45cとも油圧が供給されていな
いとき及び両ポート45b,45cとも油圧が供給され
ているときに、2−4ブレーキ45を解放するようにな
っている。また、その他の摩擦要素41〜44,46の
アクチュエータは通常の油圧ピストンで構成され、油圧
が供給されたときに当該摩擦要素を締結する。
【0024】この油圧制御回路60には、主たる構成要
素として、図1に示すオイルポンプ13からメインライ
ン110に吐出された作動油の圧力を所定のライン圧に
調整するレギュレータバルブ61と、手動操作によって
レンジの選択を行うマニュアルバルブ62と、変速段に
応じて作動して各摩擦要素(アクチュエータ)41〜4
6に対する油圧の給排を行う1−2,2−3,3−4の
各シフトバルブ63,64,65とが備えられている。
【0025】上記マニュアルバルブ62は、メインライ
ン110からライン圧が導入される入力ポートeと、第
1〜第4出力ポートa〜dとを有し、スプールの移動に
より、上記入力ポートeが、Dレンジ及びSレンジでは
第1、第2出力ポートa,bに、Lレンジでは第1、第
3出力ポートa,cに、またRレンジでは第4出力ポー
トdにそれぞれ連通されるようになっている。そして、
各出力ポートa〜dには、それぞれ第1〜第4出力ライ
ン111〜114が接続されている。また、上記1−
2,2−3,3−4シフトバルブ63,64,65は、
それぞれスプールをスプリング(図示省略)により図面
上、右側に付勢した構成で、これらのスプールの右側に
パイロットポート63a,64a,65aが設けられて
いる。
【0026】そして、1−2シフトバルブ63のパイロ
ットポート63aには、上記メインライン110から分
岐された第1パイロットライン115が接続され、2−
3シフトバルブ64のパイロットポート64aには、上
記第1出力ライン111から分岐された第2パイロット
ライン116が接続され、また3−4シフトバルブ65
のパイロットポート65aには、上記第1パイロットラ
イン115からライン117を介して導れた第3パイロ
ットライン118が接続されていると共に、これらのパ
イロットライン115,116,118には、それぞれ
変速用の第1,第2,第3ソレノイドバルブ66,6
7,68が設けられている。これらのソレノイドバルブ
66〜68は、それぞれONのときに当該パイロットポ
ート63a〜65aのパイロット圧を排圧して、各対応
するシフトバルブ63〜65のスプールを図面上の右側
に位置させ、またOFFのときに上記パイロットポート
63a〜65aに各パイロットライン115,116,
118からパイロット圧を導入して、スプールをそれぞ
れ左側に位置させるようになっている。
【0027】ここで、図3に示すように、これらの変速
用ソレノイドバルブ66〜68並びに後述するロックア
ップ用及びバイパス制御用ソレノイドバルブ90,9
6、第1、第2デューティソレノイドバルブ88,91
の作動を制御するコントローラ200が備えられ、この
コントローラ200に、当該自動車の車速を検出する車
速センサ201からの信号と、エンジンのスロットル開
度を検出するスロットル開度センサ202からの信号
と、当該自動変速機に備えられたシフトレバーの位置
(レンジ)を検出するシフト位置センサ203からの信
号と、トルクコンバータ20のタービン回転数を検出す
るタービン回転数センサ204からの信号と、作動油の
油温を検出する油温センサ205からの信号とが入力さ
れるようになっている。そして、このコントローラ20
0は、シフトレバー(図示せず)で選択された各レンジ
毎に、当該自動車の車速とエンジンのスロットル開度と
に応じて予め設定されたマップに基いて上記各変速用ソ
レノイドバルブ66〜68をON,OFF制御する。こ
れにより、各シフトバルブ63〜65のスプールの位置
が切り換わって各摩擦要素41〜46に通じる油路が選
択的に連通され、これらの摩擦要素41〜46が表1に
示す組合せで締結されて、変速段が運転状態に応じて切
り換えられる。その場合に、D,S,Lの前進レンジに
おける各変速段と各ソレノイドバルブ66〜68のO
N,OFFの組合せパターンとの関係は表2に示すよう
に設定されている。
【0028】
【表2】 一方、上記マニュアルバルブ62における各出力ポート
a〜dに接続された第1〜第4出力ライン111〜11
4のうち、D,S,Lの各前進レンジでメインライン1
10に連通される第1出力ライン111からはライン1
19が分岐され、このライン119がフォワードクラッ
チラインとされて、ワンウェイオリフィス71を介して
フォワードクラッチ41に導かれている。したがって、
D,S,Lレンジで、フォワードクラッチ41が常に締
結されることになる。なお、上記フォワードクラッチラ
イン119の分岐ライン120には、フォワードクラッ
チ締結時の緩衝用のアキュムレータ72が接続されてい
る。
【0029】また、第1出力ライン111は、上記1−
2シフトバルブ63に導かれ、第1ソレノイドバルブ6
6がONとなって該シフトバルブ63のスプールが右側
に位置したときにサーボアプライライン121に連通
し、ワンウェイオリフィス73及び排圧コントロールバ
ルブ74を介してサーボピストン45aのアプライポー
ト45bに至る。したがって、D,S,Lレンジで第1
ソレノイドバルブ66がONのとき、すなわちDレンジ
での2,3,4速、Sレンジの2,3,4速及びLレン
ジの2速で、上記アプライポート45bに油圧(サーボ
アプライ圧)が導入され、リリースポート45cに油圧
(サーボリリース圧)が導入されていないときに2−4
ブレーキ45が締結されることになる。ここで、上記ワ
ンウェイオリフィス73は、サーボアプライ圧の排圧時
に作動油が適度に絞られて排出されるような径に設定さ
れている。なお、上記アプライポート45bにはライン
122を介して2−4ブレーキ締結時の緩衝用のアキュ
ムレータ75が接続されている。
【0030】ここで、上記排圧コントロールバルブ74
についてやや詳細に説明すると、この排圧コントロール
バルブ74は、図4に拡大して示すように、ハウジング
15内に頂部を上記サーボアプライライン121の下流
部121aに通じる下流側ポート74aに対向した状態
で軸方向に摺動自在に内挿された断面コ字形の弁体74
bを有すると共に、該弁体74bがスプリング74cに
より上記サーボアプライライン121の上流部121b
に通じるリリーフポート74dと上記下流側ポート74
aとの連通状態を遮断するように付勢されている。ま
た、上記弁体74bには上記下流側ポート74aの対向
位置に絞り量が大きく設定されたオリフィス74eが設
けられて、このオリフィス74eを介して上記下流側ポ
ート74aがハウジング15に設けられた上流側ポート
74fを介してサーボアプライライン121の上記上流
部121bに常時連通されている。
【0031】したがって、サーボアプライ圧の排圧開始
時には、図の鎖線で示すように弁体74bがスプリング
74cの付勢力に逆らって下方に移動することにより上
記下流側ポート74aとリリーフポート74dとが連通
されて、サーボアプライ圧が速やかに排圧される。そし
て、サーボアプライ圧がスプリング力などによって規定
される設定圧にまで低下したときには、スプリング74
cの付勢力によって弁体74bが押し戻されて上記下流
側ポート74aとリリーフポート74dの連通状態が遮
断され、その後は上記オリフィス74eの絞り作用によ
ってサーボアプライ圧が上流側ポート74fを介して緩
やかに排圧されることになる。
【0032】さらに、上記第1出力ライン111は、3
−4シフトバルブ65にも導かれ、第3ソレノイドバル
ブ68がOFFで、該シフトバルブ65のスプールが左
側に位置するときにコーストクラッチライン123に連
通する。このコーストクラッチライン123は、コース
トレデューシングバルブ76及びワンウェイオリフィス
77を介してコーストクラッチ42に至る。したがっ
て、D,S,Lレンジで第3ソレノイドバルブ68がO
FFのとき、すなわちD,Sレンジの3速及びLレンジ
の2速でコーストクラッチ42が締結される。
【0033】一方、D,Sレンジでメインライン110
に連通する第2出力ライン112は、2−3シフトバル
ブ64に導かれている。そして、該ライン112は、第
2ソレノイドバルブ67がOFFで、2−3シフトバル
ブ64のスプールが左側に位置するときに3−4クラッ
チライン124に連通する。このライン124は、さら
にワンウェイオリフィス78を介して3−4クラッチ4
3に至っている。したがって、D,Sレンジで第2ソレ
ノイドバルブ67がOFFのとき、すなわちDレンジの
3,4速及びSレンジの3,4速で3−4クラッチ43
が締結されることになる。なお、上記3−4クラッチラ
イン124の分岐ライン125には、3−4クラッチ4
3の締結時の緩衝用のアキュムレータ79が接続されて
いる。
【0034】ここで、上記3−4クラッチライン124
から分岐されたライン126は3−4シフトバルブ65
に導かれ、第3ソレノイドバルブ68がOFFで、該シ
フトバルブ65のスプールが左側に位置するときにサー
ボピストン45aのリリースポート45cに通じるサー
ボリリースライン127に連通する。したがって、D,
Sレンジで第2,第3ソレノイドバルブ67,68がと
もにOFFのとき、すなわちDレンジの3速及びSレン
ジの3速で、サーボピストン45aのリリースポート4
5cにサーボリリース圧が導入され、2−4ブレーキ4
5が解放される。
【0035】また、マニュアルバルブ62においてLレ
ンジでメインライン110に連通する第3出力ライン1
13は、ローレデューシングバルブ80、ワンウェイオ
リフィス81、ボールバルブ82及びライン128を介
して1−2シフトバルブ63に導かれている。そして、
このライン128は、第1ソレノイドバルブ66がOF
Fで、1−2シフトバルブ63のスプールが左側に位置
するときにローリバースブレーキ46に通じるローリバ
ースブレーキライン129に連通する。したがって、L
レンジで第1ソレノイドバルブ66がOFFのとき、す
なわちLレンジの1速でローリバースブレーキ46が締
結される。
【0036】さらに、Rレンジでメインライン110に
連通する第4出力ライン114は、該ライン114から
分岐されたライン130、ワンウェイオリフィス83、
上記ボールバルブ82及びライン128を介して1−2
シフトバルブ63に導かれ、第1ソレノイドバルブ66
がOFFで該バルブ63のスプールが左側に位置すると
きに上記ローリバースブレーキライン129に連通す
る。また、上記第4出力ライン114は、リバースクラ
ッチライン131となって、リバースクラッチ44に至
っている。したがって、Rレンジでは、第1ソレノイド
バルブ66がOFFのときにローリバースブレーキ46
が締結される一方、リバースクラッチ44が常に締結さ
れることになる。なお、上記ワンウェイオリフィス83
とボールバルブ82との間において上記ライン130か
ら分岐されたライン132には、リバースクラッチ締結
時の緩衝用のアキュムレータ84が接続されている。
【0037】また、この油圧制御回路60には、図1に
示すトルクコンバータ20内のロックアップクラッチ2
6を作動させるためのロックアップシフトバルブ85
と、該ロックアップシフトバルブ85を介して上記トル
クコンバータ20へ供給される油圧を調整するロックア
ップコントロールバルブ86とが備えられている。
【0038】このロックアップコントロールバルブ86
の一端のパイロットポート86aには、メインライン1
10からソレノイドレデューシングバルブ87を介して
導かれたパイロットライン133が接続されていると共
に、このパイロットライン133から分岐されたライン
134が上記ローレデューシングバルブ80の一端のパ
イロットポート80aに接続されている。そして、上記
パイロットライン133に第1デューティソレノイドバ
ルブ88が設けられている。
【0039】一方、上記ロックアップシフトバルブ85
には、レギュレータバルブ61からリリーフバルブ89
を介して導かれたトルクコンバータライン135が接続
されていると共に、該シフトバルブ85の一端に設けら
れたパイロットポート85aには、ライン115を介し
てメインライン110に通じるパイロットライン117
が接続されている。そして、このライン117にロック
アップ用のソレノイドバルブ90が設けられ、該ソレノ
イドバルブ90がOFFのときにロックアップシフトバ
ルブ85のスプールが左側に位置することにより、上記
トルクコンバータライン135がトルクコンバータ20
内に通じるロックアップ解放ライン136に連通し、こ
れによりロックアップクラッチ26が完全解放されてコ
ンバータ状態となる。
【0040】一方、上記ソレノイドバルブ90がONと
なってロックアップシフトバルブ85のスプールが右側
へ移動すれば、上記トルクコンバータライン135がコ
ンバータインライン137に連通する一方において、上
記ロックアップ解放ライン136がライン138を介し
てロックアップコントロールバルブ86に連通する。そ
して、上記パイロットライン133からロックアップコ
ントロールバルブ86の一端のパイロットポート86a
に導入されるパイロット圧を上記第1デューティソレノ
イドバルブ88によって調整することにより、コンバー
タインライン137を介して導入される締結圧と上記ロ
ックアップ解放ライン136を介して導かれる解放圧と
の差圧が制御されて、ロックアップクラッチ26が完全
締結状態もしくは所定のスリップ状態に制御される。
【0041】ここで、前述したように、上記第3出力ラ
イン113上に設置されたローレデューシングバルブ8
0の一端のパイロットポート80aには、パイロットラ
イン133から分岐されたライン134が接続されてい
るので、上記ロックアップシフトバルブ85のスプール
を左側に位置させたコンバータ状態において、上記第1
デューティソレノイドバルブ88によってパイロットポ
ート80aに導入されるパイロット圧をデューティ制御
することにより、Lレンジの1速でローリバースブレー
キ46に供給される油圧(ローリバースブレーキ圧)を
コントロールすることができる。
【0042】また、コーストクラッチライン123を介
してコーストクラッチ42に通じるコーストレデューシ
ングバルブ76には、下流の油圧(コーストクラッチ
圧)がスプールの一端にフィードバック入力されるよう
になっている。一方、ライン圧制御用の第2デューティ
ソレノイドバルブ91の作動によってエンジン負荷に応
じたスロットルモデュレータ圧を発生させ、これをレギ
ュレータバルブ61に供給するスロットルモデュレータ
バルブ92から、上記スロットルモデュレータ圧がライ
ン139を介して該レデューシングバルブ76における
スプールの他端に導入される。そして、このコーストレ
デューシングバルブ76の中間部分に接続されたライン
140が2−3シフトバルブ64に導かれると共に、第
2ソレノイドバルブ67がONで、該シフトバルブ66
のスプールが右側に位置するときにメインライン110
に通じるライン141に上記ライン140が連通する。
したがって、ライン圧が上記スロットルモデュレータ圧
とともにスプールを図面上の右方に付勢するように作用
することになる。これにより、上記第2ソレノイドバル
ブ67がONとなるLレンジの2速でコーストクラッチ
圧が増圧されて、コーストクラッチ42の分担トルクが
大きくなる。一方、上記第2ソレノイドバルブ67がO
FFしたときには、上記2−3シフトバルブ64のスプ
ールが左側に移動することになって、上記ライン140
とライン141との連通状態が遮断される。これによ
り、上記第2ソレノイドバルブ67がOFFとなるD,
Sレンジの3速におけるコーストクラッチ圧の増圧状態
が抑制されて、コーストクラッチ42の分担トルクが小
さくなる。
【0043】以上の構成に加えて、この油圧制御回路6
0には、各変速時における油圧の給排タイミングの調整
用として、2−3バイパスバルブ93とタイミングバル
ブ94とが備えられている。
【0044】このうち2−3バイパスバルブ93は、3
−4クラッチライン124に設けられたワンウェイオリ
フィス78をバイパスするバイパスライン142上に設
けられていると共に、上記3−4クラッチライン124
のワンウェイオリフィス78より下流の油圧(3−4ク
ラッチ圧)がスプールの一端に導入される。また、該バ
イパスバルブ93におけるスプールの他端には、上記ラ
イン139から分岐されたライン143を介して、上記
スロットルモデュレータバルブ92によって発生される
スロットルモデュレータ圧が導入される。そして、3−
4クラッチ圧が所定圧以上に上昇してスプールが左側に
移動したときに、上記バイパスライン142を遮断する
ようになっている。したがって、3−4クラッチ圧は、
供給開始時にはバイパスライン142を通って速やかに
供給されるが、その後ワンウェイオリフィス78によっ
て供給が緩やかになり、このようにして2−3シフトア
ップ変速時における3−4クラッチ43の締結タイミン
グが調整され、またそのタイミングがエンジンのスロッ
トル開度に応じて変更されることになる。ここで、上記
スロットルモデュレータ圧をレギュレータバルブ61に
供給するライン144には、該油圧の供給時における緩
衝用のアキュムレータ95が設置されている。
【0045】一方、上記タイミングバルブ94は、図5
に拡大して示すように、1−2シフトバルブ63から導
かれたサーボアプライライン121上のワンウェイオリ
フィス73及び排圧コントロールバルブ74をバイパス
するバイパスライン145上に設置されている。そし
て、スプール94aの一端側にはメインライン110に
通じるライン115から分岐されたパイロットライン1
46が導かれていると共に、該ライン146にバイパス
制御用のソレノイドバルブ(以下、バイパス制御用ソレ
ノイドバルブという)96が設けられている。
【0046】一方、上記2−3シフトバルブ64には、
スプール64bが図面上の右側に位置したときに3−4
クラッチライン124に連通するドレンポート64cが
設けられていると共に、このドレンポート64cに接続
された第1ドレンライン147上に第1オリフィス97
が設けられている。そして、この第1オリフィス97よ
りも上流側で上記第1ドレンライン147から分岐され
た第2ドレンライン148が、第2オリフィス98を介
して上記タイミングバルブ94に導かれていると共に、
該バルブ94のスプール94aが図面上の右側に位置し
たときに、上記第2ドレンライン148が該バルブ94
に設けれたドレンポート94bに連通するようになって
いる。つまり、第2ソレノイドバルブ67がONで2−
3シフトバルブ64のスプール64bが図面上の右側に
位置したときには、3−4クラッチ43に通じる3−4
クラッチライン124が第1ドレンライン147に連通
する。したがって、3−4クラッチ圧は第1ドレンライ
ン147上の第1オリフィス97の絞り作用により緩や
かに排圧されることになる。一方、この状態でバイパス
制御用ソレノイドバルブ96をONしてタイミングバル
ブ94のスプール94aを図面上の右側に移動させたと
きには、上記第1ドレンライン147が第2ドレンライ
ン148を介してタイミングバルブ94の上記ドレンポ
ート94cに連通することになるので、上記3−4クラ
ッチ圧は第1、第2ドレンライン147,147の両方
を通って速やかに排圧されることになる。
【0047】次に、3−4クラッチ43が解放される3
−2シフトダウン変速と、該クラッチ43が締結される
2−3シフトアップ変速とを代表例として、実施例の作
用を説明する。
【0048】まず、3−2シフトダウン変速時において
は、前述の表2に示すところに従って、第1〜第3ソレ
ノイドバルブ66,67,68がそれぞれONとなる。
したがって、図6に示すように、1−2,2−3,3−
4シフトバルブ63,64,65のスプール63b,6
4b,65bが、それぞれ図面上の右側に位置すること
になる。これにより、サーボピストン45aのリリース
ポート45cに通じるサーボリリースライン127が3
−4シフトバルブ65のドレンポート65cに連通し、
該ピストン45aのアプライポート45bに対してサー
ボアプライ圧が供給されている状態で、上記リリースポ
ート45cに供給されていたサーボリリース圧がサーボ
リリースライン127を介して3−4シフトバルブ65
のドレンポート65cから排圧されることとなって、そ
の間に2−4ブレーキ45の締結動作が行われることに
なる。その際に、上記ドレンポート65cにはオリフィ
ス99が設けられているので、図7の符号(a)で示す
ように、サーボリリース圧は、最初は急速に排圧される
と共に、時間の経過に伴って緩やかに排圧されることに
なる。
【0049】一方、2−3シフトバルブ64において
は、そのスプール64bが上記したように図面上の右側
に位置することから、油圧の供給方向に絞り作用を行う
ワンウェイオリフィス78を介して3−4クラッチ43
に通じる3−4クラッチライン124が、第1ドレンラ
イン147が接続されたドレンポート64cに連通す
る。したがって、3−4クラッチ圧が3−4クラッチラ
イン124及び第1ドレンライン147を介して排圧さ
れ、これにより3−4クラッチ43が解放されることに
なるが、その場合にバイパス制御用ソレノイドバルブ9
6が、図7に示すように変速開始時にOFFからONに
切り換わる。そのため、タイミングバルブ94のスプー
ル94aが図6に示すように右側に位置することになっ
て、上記第1ドレンライン178から分岐された第2ド
レンライン148がタイミングバルブ94のドレンポー
ト94bに連通することになる。したがって、変速動作
の前半においては、3−4クラッチ圧は第1、第2ドレ
ンライン147,148の双方を介して排圧されること
になって、図7の符号(b)で示すように速やかに排圧
されることになる。そして、変速中における変速開始時
から所定時間t1が経過したときに上記バイパス制御用
ソレノイドバルブ96がONからOFFに切り換わる。
したがって、タイミングバルブ94のスプール94aが
左側に移動して第2ドレンライン148が遮断され、3
−4クラッチ圧は第1ドレンライン148上の第1オリ
フィス97を介して排圧されることから、変速動作の後
半においては、3−4クラッチ圧は上記オリフィス97
の絞り作用によって符号(c)で示すように棚圧状態を
経由して緩やかに排圧されることになる。
【0050】その場合に、タイミングバルブ94による
上記第2ドレンライン148の開通時間を2−4ブレー
キ45の締結動作に対応させて適切に設定しておくこと
により、変速中の出力トルクの変動が少なくなって、変
速ショックの増大が回避されることになる。
【0051】なお、第2ドレンライン148の開通時間
をエンジン負荷を代表するスロットル開度が大きくなる
ほど短くなるようにすれば、高負荷時においては図の鎖
線で示すように変速動作後半の棚圧状態が高くなって3
−4クラッチ43の解放タイミングが遅延することにな
り、伝達トルクが大きいことによる2−4ブレーキ45
の締結タイミングの遅延が相殺されて、変速時間の長期
化による変速フィーリングの悪化が回避されることにな
る。もちろん、油温が低くなるほど上記開通時間を短く
してもよい。
【0052】ここで、この3−2変速時には、上記のよ
うに、サーボアプライライン121のバイパスライン1
45上に設置されてサーボアプライ圧の供給時のバイパ
ス制御を行うタイミングバルブ94が作動することにな
るが、3−2変速時には、サーボピストン45aのアプ
ライポート45bは上記サーボアプライライン121に
よりサーボアプライ圧が供給された状態に保持されるの
で、3−4クラッチの排圧制御とサーボアプライ圧のバ
イパス制御とを共通のタイミングバルブ94で行う構成
にも拘らず、3−4クラッチ圧の排圧制御がサーボアプ
ライ圧の制御のために制約されることがない。
【0053】一方、2−3シフトアップ変速時において
は、第1〜第3ソレノイドバルブ66,67,68のパ
ターンが上記表2に示すところに従って3−2シフトダ
ウン変速時とは逆に3速パターンから2速パターンに切
り換えられるのであるが、この実施例においては2−3
シフトアップ変速時にサーボピストン45aのアプライ
ポート45bから一旦サーボアプライ圧を排圧すること
により2−3変速動作を達成するようになっているの
で、実際には次の表3に示すように、第1〜第3ソレノ
イドバルブ66,67,68が2速パターンから中間パ
ターンを経由して3速パターンへ切り換えられるように
なっている。
【0054】
【表3】 すなわち、コントローラ200から2−3変速指令が出
力されると、上記表3に示すところに従って、第1、第
2ソレノイドバルブ66,67がそれぞれONからOF
Fに切り換えられる。つまり、1−2,2−3シフトバ
ルブ63,64の各スプール63b.64bが、上記図
6の状態からそれぞれ図面上の左側に移動することにな
る。
【0055】この状態は図8に示すとおりであって、メ
インライン110から第2出力ライン112を介して2
−3シフトバルブ64に供給されるライン圧は、3−4
クラッチライン124を介して3−4クラッチ43に供
給され、これにより該3−4クラッチ43の締結動作が
開始する。一方、サーボピストン45aのアプライポー
ト45bに通じるサーボアプライライン121が1−2
シフトバルブ63のドレンポート63cに連通して、該
アプライポート45bにおけるサーボアプライ圧が排圧
されることにより、2−3ブレーキ45の解放動作が開
始する。
【0056】その場合に、3−4クラッチ43に対する
ライン圧の供給開始直後においては、上記第2出力ライ
ン112から3−4クラッチライン124に吐出された
作動油が、開通状態のバイパスライン142及び2−3
バイパスバルブ93を通過して、3−4クラッチ43に
通じる油路を充満させる。その際に、3−4クラッチラ
イン124と2−3シフトバルブ64におけるドレンポ
ート64cとの連通状態が遮断されることから、該ドレ
ンポート64cに接続された第1ドレンライン147な
いし第2ドレンライン148が3−4クラッチライン1
24から切り離されることになり、作動油の充填容積が
少なくなって上記油路が速やかに充満されることにな
る。
【0057】そして、上記3−4クラッチライン124
上のワンウェイオリフィス78よりも下流側の圧力が上
昇して、上記2−3バイパスバルブ93のスプール93
aの一端側にフィードバック入力される油圧による押付
力が他端側に作用するスプリング力に打ち勝ったときに
は、該スプール93aが図面上の左方に移動することに
なる。これにより、バイパスライン142が遮断され、
その後は上記ワンウェイオリフィス78の絞り作用によ
って作動油の供給状態は緩やかとなる。つまり、3−4
クラッチ圧は、供給開始直後には、図9の符号(d)で
示すように急速に立ち上がると共に、暫くしてからは符
号(e)で示すように上昇速度が遅くなる。そして、ア
キュムレータ79の作用により、符号(f)で示すよう
に所定の棚圧状態を経由した後、最終的にライン圧に対
応した圧力となる。なお、3−4クラッチ43は、3−
4クラッチ圧が上記棚圧状態を経由している間に半クラ
ッチ状態を経て完全締結状態となる。
【0058】一方、2−4ブレーキ45については、解
放動作の開始直後においては、サーボアプライライン1
21が1−2シフトバルブ63のドレンポート63cに
連通することにより、該ライン121における排圧コン
トロールバルブ74よりも下流側の圧力が上流側の圧力
に対して相対的に高くなる。したがって、該コントロー
ルバルブ74の弁体74bが、図の矢印で示すようにス
プリング力に逆らって図面上の下方に移動し、該バルブ
74における下流側ポート74aとリリーフポート74
dとが連通する。これにより、該排圧コントロールバル
ブ74よりも下流側の作動油の大半は、径が比較的大き
く設定されたワンウェイオリフィス73を通過して比較
的速やかに排出されることになる。つまり、サーボピス
トン45aにおけるアプライポート45cのサーボアプ
ライ圧は、図9の符号(g)で示すように比較的速やか
に排圧されることになる。
【0059】そして、サーボアプライ圧がスプリング力
で規定される設定圧P0にまで低下したときには、スプ
リング74cの付勢力によって弁体74bが押し戻され
て初期位置に復帰する。したがって、排圧コントロール
バルブ74における下流側ポート74aとリリーフポー
ト74dとの連通状態が遮断される。これにより、サー
ボアプライ圧が弁体74bに形成されたオリフィス74
eの絞り作用によって上流側ポート74fを介して緩や
かに排圧されることになる。
【0060】その場合に、上記弁体74bの初期位置へ
の復帰動作はスプリング74cの付勢力に依存するだけ
なので、サーボアプライ圧は所定の設定圧P0にまで低
下したときに、図9の符号(h)で示すように棚圧状態
へ移行する。これにより、2−4ブレーキ45が締結力
のほぼ一定な半クラッチ状態を経由して解放されること
になって、該2−4ブレーキ45の解放動作と3−4ク
ラッチ43の締結動作とが確実にオーバーラップするこ
とになり、変速機構30の中立状態が回避されてエンジ
ンの空吹き現象が確実に防止されることになる。
【0061】変速動作が更に進行して、タービン回転数
Nが増大から減少に転じ、変速動作がイナーシャフェー
ズへ移行したことが検出された時点で、コントローラ2
00からバイパス制御用ソレノイドバルブ96にON信
号が出力される。したがって、タイミングバルブ94の
スプール94aが図面上の右方に移動してバイパスライ
ン145が開通する。これにより、上記図9の符号
(i)で示すように、サーボアプライ圧が急速に排圧さ
れて2−4ブレーキ45が完全解放され、これにより3
−4クラッチ43の締結動作と2−4ブレーキ45の解
放動作との間の過度のオーバーラップ状態が回避され
て、出力トルクの落ち込みによる変速ショックが効果的
に防止されることになる。
【0062】また、上記のバイパス制御を、3−2シフ
トダウン変速時に際して3−4クラッチ43からの排圧
タイミングの調整用に用いるタイミングバルブ94を利
用して行っているので、部品点数が削減されると共に、
油圧制御回路60の構成が簡素化されることにもなる。
【0063】そして、バイパス制御用ソレノイドバルブ
96にON信号が出力されたときから所定時間t2が経
過したときに、該ソレノイドバルブ96がOFFとされ
ると共に、第1〜第3ソレノイドバルブ66,67,6
8が上記中間パターンから3速パターンに切り換えられ
ることになる。
【0064】
【発明の効果】変速時に複数の摩擦要素に対する締結圧
の供給状態を切り換えることにより変速を行わせるよう
にした自動変速機において、摩擦要素に通じる油路を介
して締結圧の給排を切り換えるシフトバルブに設けられ
た排圧ポートに、該摩擦要素の締結圧を排圧する第1排
圧通路が接続されていると共に、この排圧通路上のオリ
フィスよりも上流側から分岐された第2排圧通路が、開
閉弁によって開通、遮断されるようになっているので、
該開閉弁の動作タイミングを適切に設定することにより
所望の排圧特性が得られて、変速ショックの増大が防止
されると共に、締結圧の供給時には第1排圧通路ないし
第2排圧通路に作動油が供給されることがないから、
動油の充填容積が少なくなって過渡応答性が向上するこ
とにもなる。
【0065】また、上記開閉弁は、他の摩擦要素に通じ
る油路上の絞り手段をバイパスして設けられたバイパス
通路を開通、遮断するように設置されて、他の摩擦要素
のバイパス制御にも利用されるので、部品点数が削減さ
れると共に、この種の油圧制御回路の構成が簡素化され
ることになる。そして、上記他の摩擦要素は、当該摩擦
要素の締結圧が排圧される変速時には締結圧の給排が行
われないので、この他の摩擦要素に対するバイパス制御
のために当該摩擦要素の締結圧の排圧制御が制約を受け
ることがなく、当該摩擦要素の排圧特性を一層良好に設
定することが可能となる。
【0066】そして、実施例のように、上記シフトバル
ブから摩擦要素に通じる油路に、締結圧の供給時に作動
油を絞るワンウェイオリフィスを設けると共に、該オリ
フィスをバイパスして設けたバイパス通路に第2の開閉
弁を設ければ、締結圧の供給時においても当該摩擦要素
に対する適切な動作タイミングが得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係る自動変速機の骨子図である。
【図2】 自動変速機の油圧制御回路を示す回路図であ
る。
【図3】 図2の油圧制御回路における各バルブに対す
る制御システム図である。
【図4】 排圧コントロールバルブの拡大断面図であ
る。
【図5】 図2の油圧制御回路の要部の拡大図である。
【図6】 3−2変速動作中における油圧制御回路の要
部の拡大図である。
【図7】 3−2シフトダウン変速時の作用を示すタイ
ムチャート図である。
【図8】 2−3変速動作中における油圧制御回路の要
部の拡大図である。
【図9】 2−3シフトダウン変速時の作用を示すタイ
ムチャート図である。
【符号の説明】
10 自動変速機 43 3−4クラッチ 45 2−4ブレーキ 64 2−3シフトバルブ 64c ドレンポート 78 ワンウェイオリフィス 93 2−3バイパスバルブ 94 タイミングバルブ 97 第1オリフィス 124 3−4クラッチライン 142 バイパスライン 145 バイパスライン 147 第1ドレンライン 148 第2ドレンライン 200 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢崎 朝生 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−107359(JP,A) 特開 昭63−18605(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の変速段で締結される摩擦要素に対
    して油路を介して締結圧を給排するシフトバルブと、該
    シフトバルブに設けられ、上記所定変速段から他の変速
    段への変速に際して上記摩擦要素から締結圧を排圧する
    ときに上記油路に連通する排圧ポートと、該排圧ポート
    に接続されて上記摩擦要素の締結圧をオリフィスを介し
    て排圧する第1排圧通路と、該排圧通路における上記オ
    リフィスの上流側から分岐された第2排圧通路と、該第
    2排圧通路を開通、遮断する開閉弁と、この開閉弁の開
    閉動作を制御する制御手段とが設けられ、上記開閉弁
    は、上記所定変速段から他の変速段への変速時には締結
    圧の給排が行われない他の摩擦要素に通じる油路上の絞
    り手段をバイパスして設けられたバイパス通路を開通、
    遮断するように設けられていることを特徴とする自動変
    速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 シフトバルブと摩擦要素との間に介設さ
    れた油路に、締結圧の供給時に作動油を絞るワンウェイ
    オリフィスが設けられていると共に、該オリフィスをバ
    イパスして設けられたバイパス通路に該通路を開通、遮
    断する第2の開閉弁が設けられていることを特徴とする
    請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
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