JPH07301318A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH07301318A
JPH07301318A JP11449294A JP11449294A JPH07301318A JP H07301318 A JPH07301318 A JP H07301318A JP 11449294 A JP11449294 A JP 11449294A JP 11449294 A JP11449294 A JP 11449294A JP H07301318 A JPH07301318 A JP H07301318A
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JP
Japan
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valve
line
shift
pressure
friction element
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Application number
JP11449294A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Kanbara
英敏 蒲原
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1の摩擦要素の締結と第2の摩擦要素の解
放とが併行して行われて、エンジンブレーキの作動する
変速段への変速が達成される場合に発生するインターロ
ック状態を回避することを目的とする。 【構成】 ローリバースブレーキ(第1の摩擦要素)4
6に対する油圧給排油路にローレデューシングバルブ8
0を配設し、該バルブ80の制御ポート80a、及び2
−4ブレーキ(第2の摩擦要素)のアプライポート45
bに対する油圧給排速度を切換えるタイミングバルブ9
4の制御ポート94aにそれぞれライン150及びライ
ン146を介して制御圧を導入するタイミング制御用ソ
レノイドバルブ96を設ける。そして、該ソレノイドバ
ルブ96を車速に応じて設定した所定時間だけON,O
FF制御することにより、ローリバースブレーキ46へ
の油圧の供給を遅延すると共に、アプライポート45b
からの油圧の排圧を速めるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置、特にエンジンブレーキの作動する変速段への変速時
に発生する所謂インターロックの状態を回避し得る自動
変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車に搭載される自動変速機は
トルクコンバータと変速機構とを組み合わせ、この変速
機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキなどの複数の
摩擦要素の選択的作動により切換えて所定の変速段に自
動的に変速するように構成したもので、この種の自動変
速機には上記各摩擦要素のアクチュエータに対する油圧
の給排を制御する油圧制御回路が設けられる。この油圧
制御回路には、例えばオイルポンプの吐出圧を所定のラ
イン圧に調整するレギュレータバルブ、手動操作によっ
てレンジを切換えるマニュアルバルブ、運転状態に応じ
て作動して上記各アクチュエータに通じる油路を切換え
ることにより複数の摩擦要素を選択的に作動させる複数
のシフトバルブなどが備えられる。
【0003】上記所定の変速段のうち急勾配走行時や低
速走行時においては所謂エンジンブレーキを作動させる
変速段が通常設けられるが、この変速段で締結される摩
擦要素に供給される作動油圧は該摩擦要素の容量が大き
いため高く設定されている。従って、この作動油圧を精
度よく調圧しないと油圧の切換えに伴う変速ショックが
他の変速時に比べて過大となるので、作動油圧を減圧す
る減圧弁を上記摩擦要素の油圧回路上に設けることが一
般に知られている。また、特開平5−133455号公
報には、上記減圧弁の他に調圧ソレノイド弁を設け、こ
の調圧ソレノイド弁から減圧弁へ制御圧を印加すること
により作動油圧が高車速時には高く、低車速時には低く
なるように減圧レベルを可変調圧する技術が開示されて
いる。
【0004】これによれば減圧された作動油圧が一定と
ならず、摩擦要素の容量に対応した作動油圧が得られて
変速ショックの問題が解消されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された技術は、エンジンブレーキが作動する変
速段で締結される摩擦要素に供給される作動油圧の調圧
のみを行うものであるため、次のような問題には対処で
きないのである。
【0006】すなわち、かかる変速時には、上記のよう
に調圧された作動油圧が供給されて締結される摩擦要素
(第1の摩擦要素)の他に、別の摩擦要素(第2の摩擦
要素)が作動油圧の排圧によって解放される場合が少な
くなく、このとき第1の摩擦要素の締結動作が第2の摩
擦要素の解放動作に比べて相対的に早いと所謂インター
ロックの状態となってショックが発生するのである。特
に第1の摩擦要素への作動油圧の供給が、マニュアルバ
ルブの操作で油路が切換えられることにより行われる場
合は、該操作の後直ちに作動油圧が供給されることとな
って上記のインターロック状態が発生し易くなる。
【0007】そこで本発明は自動変速機における上記問
題に対処することを目的とし、エンジンブレーキの作動
する変速段への変速時に発生するインターロック状態を
回避し得る自動変速機の変速制御装置の提供を課題とす
る。さらに、上記問題への対処にあたり、新たな部材を
追加することなく既存の部材を利用してこの種の油圧制
御回路の複雑化を防止することをも課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1に記載の発明(以下「第1発明」という。)は、エン
ジンブレーキの作動する所定変速段で締結される第1の
摩擦要素の油圧回路に、該摩擦要素に対して給排される
作動油圧の状態を制御するバルブ手段が備えられている
自動変速機の変速制御装置であって、上記所定変速段へ
の変速時には、該変速時に解放される第2の摩擦要素の
解放動作に比べて上記第1の摩擦要素の締結動作を所定
時間遅延させるように上記バルブ手段を制御する制御手
段が設けられていることを特徴とする自動変速機の変速
制御装置に関するものである。
【0009】また、本願の請求項2に記載の発明(以下
「第2発明」という。)は、上記第1発明の構成におい
て、バルブ手段は減圧バルブであって、制御手段は、所
定変速段への変速時に、第1の摩擦要素への作動油圧の
供給が所定時間遅延されるように、上記減圧バルブの減
圧動作を制御することを特徴とする。
【0010】さらに、本願の請求項3に記載の発明(以
下「第3発明」という。)は、上記第2発明の構成にお
いて、制御手段がタイミング制御用ソレノイドバルブを
介して減圧バルブの減圧動作を制御することを特徴とす
る。
【0011】一方、本願の請求項4に記載の発明(以下
「第4発明」という。)は、上記第1発明又は第2発明
の構成において、バルブ手段は作動油圧の給排切換バル
ブであって、制御手段は、所定変速段への変速時に、第
1の摩擦要素への作動油圧の供給が所定時間遅延される
ように、上記給排切換バルブの切換動作を制御すること
を特徴とする。
【0012】また、本願の請求項5に記載の発明(以下
「第5発明」という。)は、上記第2発明又は第4発明
の構成において、所定時間が車速に応じて設定されるこ
とを特徴とする。
【0013】さらに、本願の請求項6に記載の発明(以
下「第6発明」という。)は、上記第2発明又は第4発
明の構成において、制御手段が、所定変速段への変速時
に、第2の摩擦要素からの作動油圧の排圧速度を大きく
することを特徴とする。
【0014】そして、本願の請求項7に記載の発明(以
下「第7発明」という。)は、エンジンブレーキの作動
する所定変速段への変速時に、マニュアルバルブの操作
によって作動油圧が供給されて比較的早期に締結される
第1の摩擦要素と、作動油圧が排圧されて解放される第
2の摩擦要素とが備えられている自動変速機の変速制御
装置であって、上記所定変速段への変速時には、上記第
2の摩擦要素からの作動油圧の排圧速度を大きくする制
御手段が設けられていることを特徴とする。
【0015】
【作用】上記構成によれば、次のような作用が得られ
る。
【0016】まず第1発明によれば、第1の摩擦要素に
対して給排される作動油圧の状態を制御するバルブ手段
が備えられていると共に該バルブ手段を制御する制御手
段が設けられて、エンジンブレーキの作動する所定変速
段への変速時には、この制御手段の上記バルブ手段に対
して行う制御によって、第1の摩擦要素の締結動作が第
2の摩擦要素の解放動作に比べて所定時間遅延されるの
で、第1の摩擦要素が相対的に早く締結される虞がなく
なり、インターロック状態が回避されることとなる。
【0017】また第2発明によれば、上記第1発明にお
けるバルブ手段は減圧バルブであるので、第1の摩擦要
素に対して給排される作動油圧の状態を制御する部材と
して既存の部材を援用することができる。そして制御手
段は第1の摩擦要素への作動油圧の供給が所定時間遅延
されるように上記減圧バルブの減圧動作を制御するの
で、締結のために必要な油圧の供給が遅れて第1の摩擦
要素の締結動作の遅延が実現されることとなる。
【0018】さらに第3発明によれば、上記第2発明に
おける制御手段がタイミング制御用ソレノイドバルブを
介して減圧バルブを制御するので、該減圧バルブの減圧
動作を直接制御する部材は上記タイミング制御用ソレノ
イドバルブとなる。そして、このソレノイドバルブは、
減圧バルブ同様、この種の油圧回路に普通に備えられて
いる部材であるため、減圧バルブを制御する部材として
既存の部材を援用することができる。
【0019】一方第4発明によれば、上記第1発明又は
第2発明のいずれかにおけるバルブ手段は作動油圧の給
排切換バルブであるので、上記減圧バルブ同様、この種
の油圧回路に油路の切換えのために普通に備えられてい
るシフトバルブ等を用いることができ、上記バルブ手段
として既存の部材を援用することができる。そして制御
手段は第1の摩擦要素への作動油圧の供給が所定時間遅
延されるように上記給排切換バルブの切換動作を制御す
るので、締結のために必要な油圧の供給が遅れて第1の
摩擦要素の締結動作の遅延が実現されることとなる。
【0020】また第5発明によれば、上記第2発明又は
第4発明のいずれかにおける所定時間が車速に応じて設
定されるので、例えば車両の運動エネルギーが大きく第
1の摩擦要素の容量が大きい高車速時には低車速時に比
べて短くなるように設定することができる。その結果、
第1の摩擦要素の締結動作が早期に開始されて適切な変
速時間が得られることとなる。一方低車速時はインター
ロックに起因するショックが大きく伝達されるので、所
定時間を長く設定することによりインターロック状態の
発生が確実に防止されることとなる。
【0021】さらに第6発明によれば、上記第2発明又
は第4発明のいずれかにおける制御手段が所定変速段へ
の変速時に第2の摩擦要素からの作動油圧の排圧速度を
大きくするので、解放される側の第2の摩擦要素の解放
が早期に終了することとなり、締結される側の第1の摩
擦要素の締結動作の遅延制御と併せてインターロック状
態の発生が確実に回避されるだけでなく、第2の摩擦要
素が早期に解放されるので、第1の摩擦要素の締結を遅
延する上記所定時間の短縮化が図られて応答性を維持す
ることができる。
【0022】そして第7発明によれば、第1の摩擦要素
がマニュアルバルブの操作による作動油圧の供給によっ
て比較的早期に締結されると共に、第2の摩擦要素が作
動油圧の排圧によって解放されてエンジンブレーキの作
動する所定変速段への変速が行われる場合に、上記第2
の摩擦要素からの作動油圧の排圧速度が制御手段によっ
て大きくされるので、締結される側の第1の摩擦要素が
早期に締結してインターロック状態が発生し易い状況下
において、解放される側の第2の摩擦要素が早期に解放
されることとなり、インターロック状態の発生が回避さ
れることとなる。さらに第2の摩擦要素が早期に解放さ
れることによって、第1の摩擦要素の締結を遅延する上
記所定時間の短縮化が可能となり応答性が維持されるこ
ととなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0024】まず、図1によりこの実施例に係る自動変
速機の機械的構成を説明すると、この自動変速機10
は、主たる構成要素として、トルクコンバータ20と、
該コンバータ20の出力により駆動される変速機構30
と、該機構30の動力伝達経路を切り換えるクラッチや
ブレーキなどの複数の摩擦要素41〜46及びワンウェ
イクラッチ51,52とを有し、これらにより走行レン
ジとしてのD,S,L,Rの各レンジと、Dレンジでの
1〜4速、Sレンジでの1〜3速、Lレンジでの1〜2
速とが得られるようになっている。
【0025】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設され且つ変速機ケ
ース11にワンウェイクラッチ24を介して支持されて
トルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース21
とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介し
てエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロック
アップクラッチ26とで構成されている。そして、上記
タービン23の回転がタービンシャフト27を介して変
速機構30側に出力されるようになっている。ここで、
上記エンジン出力軸1にはタービンシャフト27内を貫
通するポンプシャフト12が連結され、該シャフト12
により変速機後端部に備えられたオイルポンプ13が駆
動されるようになっている。
【0026】一方、上記変速機構30はラビニョ型プラ
ネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャフト27
上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と、該サ
ンギヤ31の後方において同じくタービンシャフト27
上に遊嵌合された大径のラージサンギヤ32と、上記ス
モールサンギヤ31に噛合された複数個のショートピニ
オンギヤ33と、前半部が該ショートピニオンギヤ33
に噛合され、後半部が上記ラージサンギヤ32に噛合さ
れたロングピニオンギヤ34と、該ロングピニオンギヤ
34及び上記ショートピニオンギヤ33を回転自在に支
持するキャリヤ35と、ロングピニオンギヤ34に噛合
されたリングギヤ36とで構成されている。
【0027】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、また
これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ
42が介設されていると共に、タービンシャフト27と
キャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ3
2との間にリバースクラッチ44が介設されている。ま
た、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ44と
の間にはラージサンギヤ32を固定するバンドブレーキ
でなる2−4ブレーキ45が設けられていると共に、上
記キャリヤ35と変速機ケース11との間には、該キャ
リヤ35の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ5
2と、キャリヤ35を固定するローリバースブレーキ4
6とが並列に設けられている。そして、上記リングギヤ
36が出力ギヤ14に連結され、該出力ギヤ14から差
動装置を介して左右の車輪(図示せず)に回転が伝達さ
れるようになっている。
【0028】ここで、上記各クラッチやブレーキなどの
摩擦要素41〜46及びワンウェイクラッチ51,52
の作動状態と変速段との関係をまとめると、表1に示す
ようになる。
【0029】
【表1】 次に、図2により上記各摩擦要素41〜46のアクチュ
エータに対して油圧を給排する油圧制御回路60につい
て説明する。ここで、上記各アクチュエータのうち、2
−4ブレーキ45の油圧アクチュエータ45aはアプラ
イポート45bとリリースポート45cとを有するサー
ボピストンで構成され、アプライポート45bのみに油
圧が供給されているときに2−4ブレーキ45を締結
し、両ポート45b,45cとも油圧が供給されていな
いとき及び両ポート45b,45cとも油圧が供給され
ているときに、2−4ブレーキ45を解放するようにな
っている。また、その他の摩擦要素41〜44,46の
アクチュエータは通常の油圧ピストンで構成され、油圧
が供給されたときに当該摩擦要素を締結する。
【0030】この油圧制御回路60には、主たる構成要
素として、図1に示すオイルポンプ13からメインライ
ン110に吐出された作動油の圧力を所定のライン圧に
調整するレギュレータバルブ61と、手動操作によって
レンジの選択を行うマニュアルバルブ62と、変速段に
応じて作動して各摩擦要素(アクチュエータ)41〜4
6に対する油圧の給排を行う1−2,2−3,3−4の
各シフトバルブ63,64,65とが備えられている。
【0031】上記マニュアルバルブ62は、メインライ
ン110からライン圧が導入される入力ポートeと、第
1〜第4出力ポートa〜dとを有し、スプールの移動に
より、上記入力ポートeが、Dレンジ及びSレンジでは
第1、第2出力ポートa,bに、Lレンジでは第1、第
3出力ポートa,cに、またRレンジでは第4出力ポー
トdにそれぞれ連通されるようになっている。そして、
各出力ポートa〜dには、それぞれ第1〜第4出力ライ
ン111〜114が接続されている。また、上記1−
2,2−3,3−4シフトバルブ63,64,65は、
それぞれスプールをスプリング(図示省略)により図面
上、右側に付勢した構成で、これらのスプールの右側に
パイロットポート63a,64a,65aが設けられて
いる。
【0032】そして、1−2シフトバルブ63のパイロ
ットポート63aには、上記メインライン110から分
岐された第1パイロットライン115が接続され、2−
3シフトバルブ64のパイロットポート64aには、上
記第1出力ライン111から分岐された第2パイロット
ライン116が接続され、また3−4シフトバルブ65
のパイロットポート65aには、上記第1パイロットラ
イン115からライン117を介して導れた第3パイロ
ットライン118が接続されていると共に、これらのパ
イロットライン115,116,118には、それぞれ
変速用の第1,第2,第3ソレノイドバルブ66,6
7,68が設けられている。これらのソレノイドバルブ
66〜68は、それぞれONのときに当該パイロットポ
ート63a〜65aのパイロット圧を排圧して、各対応
するシフトバルブ63〜65のスプールを図面上の右側
に位置させ、またOFFのときに上記パイロットポート
63a〜65aに各パイロットライン115,116,
118からパイロット圧を導入して、スプールをそれぞ
れ左側に位置させるようになっている。
【0033】ここで、図3に示すように、これらの変速
用の第1,第2,第3ソレノイドバルブ66〜68、後
述するロックアップ用及びタイミング制御用ソレノイド
バルブ90,96、第1,第2デューティソレノイドバ
ルブ88,91の作動を制御するコントロールユニット
200が備えられ、このコントロールユニット200
に、当該自動車の車速を検出する車速センサ201から
の信号と、エンジンのスロットル開度を検出するスロッ
トル開度センサ202からの信号と、当該自動変速機に
備えられたシフトレバーの位置(レンジ)を検出するシ
フト位置センサ203からの信号と、トルクコンバータ
20のタービン回転数を検出するタービン回転数センサ
204からの信号と、作動油の油温を検出する油温セン
サ205からの信号とが入力されるようになっている。
そして、このコントロールユニット200は、シフトレ
バー(図示せず)で選択された各レンジ毎に、当該自動
車の車速とエンジンのスロットル開度とに応じて予め設
定されたマップに基いて上記各変速用ソレノイドバルブ
66〜68をON,OFF制御する。これにより、各シ
フトバルブ63〜65のスプールの位置が切り換わって
各摩擦要素41〜46に通じる油路が選択的に連通さ
れ、これらの摩擦要素41〜46が表1に示す組合せで
締結されて、変速段が運転状態に応じて切り換えられ
る。その場合に、D,S,Lの前進レンジにおける各変
速段と各ソレノイドバルブ66〜68のON,OFFの
組合せパターンとの関係は表2に示すように設定されて
いる。
【0034】
【表2】 一方、上記マニュアルバルブ62における各出力ポート
a〜dに接続された第1〜第4出力ライン111〜11
4のうち、D,S,Lの各前進レンジでメインライン1
10に連通される第1出力ライン111からはライン1
19が分岐され、このライン119がフォワードクラッ
チラインとされて、ワンウェイオリフィス71を介して
フォワードクラッチ41に導かれている。したがって、
D,S,Lレンジで、フォワードクラッチ41が常に締
結されることになる。なお、上記フォワードクラッチラ
イン119の分岐ライン120には、フォワードクラッ
チ締結時の緩衝用のアキュムレータ72が接続されてい
る。
【0035】また、第1出力ライン111は、上記1−
2シフトバルブ63に導かれ、第1ソレノイドバルブ6
6がONとなって該シフトバルブ63のスプールが右側
に位置したときにサーボアプライライン121に連通
し、ワンウェイオリフィス73及び排圧コントロールバ
ルブ74を介してサーボピストン45aのアプライポー
ト45bに至る。したがって、D,S,Lレンジで第1
ソレノイドバルブ66がONのとき、すなわちDレンジ
での2,3,4速、Sレンジの2,3速及びLレンジの
2速で、上記アプライポート45bに油圧(サーボアプ
ライ圧)が導入され、リリースポート45cに油圧(サ
ーボリリース圧)が導入されていないときに2−4ブレ
ーキ45が締結されることになる。ここで、上記ワンウ
ェイオリフィス73は、サーボアプライ圧の排圧時に作
動油が適度に絞られて排出されるような径に設定されて
いる。なお、上記アプライポート45bにはライン12
2を介して2−4ブレーキ締結時の緩衝用のアキュムレ
ータ75が接続されている。
【0036】ここで、図4を参照して上記排圧コントロ
ールバルブ74の機能について説明すると、この排圧コ
ントロールバルブ74は、その頂部を上記サーボアプラ
イライン121の下流部121aに通じる下流側ポート
74aに対向した状態で、図4において上下方向に摺動
自在に内挿された断面コ字形の弁体74bを有すると共
に、該弁体74bがスプリング74cにより上記サーボ
アプライライン121の上流部121bに通じるリリー
フポート74dと上記下流側ポート74aとの連通状態
を遮断するように付勢されている。また、上記弁体74
bには上記下流側ポート74aの対向位置に絞り量が大
きく設定されたオリフィス74eが設けられて、このオ
リフィス74eを介して上記下流側ポート74aが別に
設けられた上流側ポート74fを介してサーボアプライ
ライン121の上記上流部121bに常時連通されてい
る。
【0037】したがって、サーボアプライ圧の排圧開始
時には、弁体74bがスプリング74cの付勢力に逆ら
って下方に移動することにより上記下流側ポート74a
とリリーフポート74dとが連通されて、サーボアプラ
イ圧が速やかに排圧される。そして、サーボアプライ圧
がスプリング力などによって規定される設定圧にまで低
下したときには、スプリング74cの付勢力によって弁
体74bが押し戻されて上記下流側ポート74aとリリ
ーフポート74dの連通状態が遮断され、その後は上記
オリフィス74eの絞り作用によってサーボアプライ圧
が上流側ポート74fを介して緩やかに排圧されること
になる。
【0038】図2に戻り、上記第1出力ライン111
は、3−4シフトバルブ65にも導かれ、第3ソレノイ
ドバルブ68がOFFで、該シフトバルブ65のスプー
ルが左側に位置するときにコーストクラッチライン12
3に連通する。このコーストクラッチライン123は、
コーストレデューシングバルブ76及びワンウェイオリ
フィス77を介してコーストクラッチ42に至る。した
がって、D,S,Lレンジで第3ソレノイドバルブ68
がOFFのとき、すなわちDレンジの3速、Sレンジの
2,3速、及びLレンジの1,2速でコーストクラッチ
42が締結される。
【0039】一方、D,Sレンジでメインライン110
に連通する第2出力ライン112は、2−3シフトバル
ブ64に導かれている。そして、該ライン112は、第
2ソレノイドバルブ67がOFFで、2−3シフトバル
ブ64のスプールが左側に位置するときに3−4クラッ
チライン124に連通する。このライン124は、さら
にワンウェイオリフィス78を介して3−4クラッチ4
3に至っている。したがって、D,Sレンジで第2ソレ
ノイドバルブ67がOFFのとき、すなわちDレンジの
3,4速、及びSレンジの3速で3−4クラッチ43が
締結されることとなる。なお、上記3−4クラッチライ
ン124の分岐ライン125には、3−4クラッチ43
の締結時の緩衝用のアキュムレータ79が接続されてい
る。
【0040】ここで、上記3−4クラッチライン124
から分岐されたライン126は3−4シフトバルブ65
に導かれ、第3ソレノイドバルブ68がOFFで、該シ
フトバルブ65のスプールが左側に位置するときにサー
ボピストン45aのリリースポート45cに通じるサー
ボリリースライン127に連通する。したがって、D,
Sレンジで第2,第3ソレノイドバルブ67,68がと
もにOFFのとき、すなわちDレンジの3速及びSレン
ジの3速で、サーボピストン45aのリリースポート4
5cにサーボリリース圧が導入され、2−4ブレーキ4
5が解放される。
【0041】また、マニュアルバルブ62においてLレ
ンジでメインライン110に連通する第3出力ライン1
13は、ローレデューシングバルブ80を介して設けら
れたライン151、ワンウェイオリフィス81、ボール
バルブ82及びライン128を経て1−2シフトバルブ
63に導かれている。そして、このライン128は、第
1ソレノイドバルブ66がOFFで、1−2シフトバル
ブ63のスプールが左側に位置するときにローリバース
ブレーキ46に通じるローリバースブレーキライン12
9に連通する。したがって、Lレンジで第1ソレノイド
バルブ66がOFFのとき、すなわちLレンジの1速で
ローリバースブレーキ46が締結される。
【0042】さらに、Rレンジでメインライン110に
連通する第4出力ライン114は、該ライン114から
分岐されたライン130、ワンウェイオリフィス83、
上記ボールバルブ82及びライン128を介して1−2
シフトバルブ63に導かれ、第1ソレノイドバルブ66
がOFFで該バルブ63のスプールが左側に位置すると
きに上記ローリバースブレーキライン129に連通す
る。また、上記第4出力ライン114は、リバースクラ
ッチライン131となって、リバースクラッチ44に至
っている。したがって、Rレンジでは、第1ソレノイド
バルブ66がOFFのときにローリバースブレーキ46
が締結される一方、リバースクラッチ44が常に締結さ
れることになる。なお、上記ワンウェイオリフィス83
とボールバルブ82との間において上記ライン130か
ら分岐されたライン132には、リバースクラッチ締結
時の緩衝用のアキュムレータ84が接続されている。
【0043】また、この油圧制御回路60には、図1に
示すトルクコンバータ20内のロックアップクラッチ2
6を作動させるためのロックアップシフトバルブ85
と、該ロックアップシフトバルブ85を介して上記トル
クコンバータ20へ供給される油圧を調整するロックア
ップコントロールバルブ86とが備えられている。
【0044】このロックアップコントロールバルブ86
の一端のパイロットポート86aには、メインライン1
10からソレノイドレデューシングバルブ87を介して
導かれたパイロットライン133が接続されていると共
に、このパイロットライン133には第1デューティソ
レノイドバルブ88が設けられている。
【0045】一方、上記ロックアップシフトバルブ85
には、レギュレータバルブ61からリリーフバルブ89
を介して導かれたトルクコンバータライン135が接続
されていると共に、該シフトバルブ85の一端に設けら
れたパイロットポート85aには、ライン115を介し
てメインライン110に通じるパイロットライン117
が接続されている。そして、このライン117にロック
アップ用ソレノイドバルブ90が設けられ、該ソレノイ
ドバルブ90がOFFのときにロックアップシフトバル
ブ85のスプールが左側に位置することにより、上記ト
ルクコンバータライン135がトルクコンバータ20内
のロックアップクラッチ解放室26bに通じるロックア
ップ解放ライン136に連通し、これによりロックアッ
プクラッチ26が完全解放されてコンバータ状態とな
る。
【0046】一方、上記ソレノイドバルブ90がONと
なってロックアップシフトバルブ85のスプールが右側
へ移動すれば、上記トルクコンバータライン135がロ
ックアップクラッチ締結室26aに通じるロックアップ
締結ライン137に連通する一方において、上記ロック
アップ解放ライン136がライン138を介してロック
アップコントロールバルブ86に連通する。そして、上
記パイロットライン133からロックアップコントロー
ルバルブ86の一端のパイロットポート86aに導入さ
れるパイロット圧を上記第1デューティソレノイドバル
ブ88によって調整することにより、ロックアップ締結
ライン137を介して導かれる締結圧とロックアップ解
放ライン136を介して導かれる解放圧との差圧が制御
されて、ロックアップクラッチ26が完全締結状態もし
くは所定のスリップ状態に制御される。
【0047】ここで、上記ロックアップコントロールバ
ルブ86のスプリング側の一端に設けられた制御室86
bには、第3出力ライン113上に設置されたローレデ
ューシングバルブ80から導かれたライン160が接続
されていると共に、該ローレデューシングバルブ80の
一端に設けられた制御ポート80aには、後述するタイ
ミングバルブ94のパイロットポート94aに導かれて
いるライン146から分岐されたライン150が接続さ
れている。
【0048】また、コーストクラッチライン123を介
してコーストクラッチ42に通じるコーストレデューシ
ングバルブ76には、下流の油圧(コーストクラッチ
圧)がスプールの一端にフィードバック入力されるよう
になっている。一方、ライン圧制御用の第2デューティ
ソレノイドバルブ91の作動によってエンジン負荷に応
じたスロットルモデュレータ圧を発生させ、これをレギ
ュレータバルブ61に供給するスロットルモデュレータ
バルブ92から、上記スロットルモデュレータ圧がライ
ン139を介して上記コーストレデューシングバルブ7
6におけるスプールの他端に導入される。そして、この
コーストレデューシングバルブ76の中間部分に接続さ
れたライン140が2−3シフトバルブ64に導かれる
と共に、第2ソレノイドバルブ67がONで、該シフト
バルブ64のスプールが右側に位置するときにメインラ
イン110に通じるライン141に上記ライン140が
連通する。したがって、ライン圧が上記スロットルモデ
ュレータ圧とともにスプールを図面上の右方に付勢する
ように作用することになる。これにより、上記第2ソレ
ノイドバルブ67がONとなるSレンジの2速、及びL
レンジの1,2速でコーストクラッチ圧が増圧されて、
コーストクラッチ42の分担トルクが大きくなる。一
方、上記第2ソレノイドバルブ67がOFFしたときに
は、上記2−3シフトバルブ64のスプールが左側に移
動することになって、上記ライン140とライン141
との連通状態が遮断される。これにより、上記第2ソレ
ノイドバルブ67がOFFとなるD,Sレンジの3速に
おけるコーストクラッチ圧の増圧状態が抑制されて、コ
ーストクラッチ42の分担トルクが小さくなる。
【0049】さらに、この油圧制御回路60には、各変
速時における油圧の給排タイミングの調整用として、2
−3バイパスバルブ93とタイミングバルブ94とが備
えられている。
【0050】このうち2−3バイパスバルブ93は、3
−4クラッチライン124に設けられたワンウェイオリ
フィス78をバイパスするバイパスライン142上に設
けられていると共に、上記3−4クラッチライン124
のワンウェイオリフィス78より下流の油圧(3−4ク
ラッチ圧)がスプールの一端に導入される。また、該バ
イパスバルブ93におけるスプールの他端には、上記ラ
イン139から分岐されたライン143を介して、上記
スロットルモデュレータバルブ92によって発生される
スロットルモデュレータ圧が導入される。そして、3−
4クラッチ圧が所定圧以上に上昇してスプールが左側に
移動したときに、上記バイパスライン142を遮断する
ようになっている。したがって、3−4クラッチ圧は、
供給開始時にはバイパスライン142を通って速やかに
供給されるが、その後ワンウェイオリフィス78によっ
て供給が緩やかになり、このようにして2−3シフトア
ップ変速時における3−4クラッチ43の締結タイミン
グが調整され、またそのタイミングがエンジンのスロッ
トル開度に応じて変更されることになる。ここで、上記
スロットルモデュレータ圧をレギュレータバルブ61に
供給するライン144には、該油圧の供給時における緩
衝用のアキュムレータ95が設置されている。
【0051】一方、上記タイミングバルブ94は、1−
2シフトバルブ63から導かれたサーボアプライライン
121上のワンウェイオリフィス73及び排圧コントロ
ールバルブ74をバイパスするバイパスライン145上
に設置されている。そして、スプールの一端に設けられ
たパイロットポート94aにはメインライン110に通
じるライン115から分岐されたパイロットライン14
6が導かれていると共に、該ライン146にタイミング
バルブ制御用のソレノイドバルブ(以下「タイミング制
御用ソレノイドバルブ」という。)96が設けられてい
る。ここで、ライン146において該タイミング制御用
ソレノイドバルブ96の下流側で分岐されたライン15
0が上記ローレデューシングバルブ80の一端に設けら
れた制御ポート80aに接続されている。
【0052】一方、上記2−3シフトバルブ64には、
スプールが図面上の右側に位置したときに3−4クラッ
チライン124に連通するドレンポート64bが設けら
れていると共に、このドレンポート64bに接続された
第1ドレンライン147上に第1オリフィス97が設け
られている。そして、この第1オリフィス97よりも上
流側で上記第1ドレンライン147から分岐された第2
ドレンライン148が、第2オリフィス98を介して上
記タイミングバルブ94に導かれていると共に、該バル
ブ94のスプールが図面上の右側に位置したときに、上
記第2ドレンライン148が該バルブ94に設けられた
ドレンポート94bに連通する。つまり、第2ソレノイ
ドバルブ67をONして2−3シフトバルブ64のスプ
ールを図面上の右側に位置させたときには、3−4クラ
ッチ43に通じる3−4クラッチライン124が第1ド
レンライン147に連通する。したがって、3−4クラ
ッチ圧は第1ドレンライン147上の第1オリフィス9
7の絞り作用により緩やかに排圧されることになる。一
方、この状態でタイミング制御用ソレノイドバルブ96
をONしてタイミングバルブ94のスプールを図面上の
右側に移動させたときには、上記第1ドレンライン14
7が第2ドレンライン148を介してタイミングバルブ
94のドレンポート94bに連通することになるので、
上記3−4クラッチ圧は急速に排圧されることになる。
【0053】ここで上記ローレデューシングバルブ80
の機能について説明すると、該バルブ80のスプールが
左側に位置したときにライン151と第3出力ライン1
13とが連通して該ライン151へライン圧が導入され
る結果、このライン圧が前述のボールバルブ82を介し
てライン128へ導かれ、ここで第1ソレノイドバルブ
66がOFFで1−2シフトバルブ63のスプールが左
側に位置するときには、該バルブ63を経てローリバー
スブレーキライン129へ供給され、ローリバースブレ
ーキ46が締結されることとなる。そして、ローレデュ
ーシングバルブ80の制御ポート80aにライン150
を介して制御圧が導入されたときに上記スプールが左側
に位置することとなるが、この制御圧は上記タイミング
制御用ソレノイドバルブ96がOFFとされたときに導
入される。逆に、タイミング制御用ソレノイドバルブ9
6がONとされたときは制御圧が導入されず、図示しな
いスプリングの付勢力によってスプールが右側に位置す
る結果、上記ライン151はローレデューシングバルブ
80のドレンポート80bに連通して油圧が排圧されロ
ーリバースブレーキ46が解放されることとなる。
【0054】従って、第3出力ライン113から導入さ
れるライン圧は、制御ポート80aに供給される制御圧
とスプリングの付勢力との釣り合い、換言すれば該制御
圧に応じた油圧に減圧されることとなる。また、この制
御圧としてレギュレータバルブ61により調整されたラ
イン圧が供給されるので、ローリバースブレーキ46に
供給される油圧は上記レギュレータバルブ61により調
整されたライン圧に応じた油圧に設定されることとな
る。
【0055】そして、そのライン圧は、前述したように
ライン圧制御用の第2デューティソレノイドバルブ91
のデューティ率に応じてスロットルモデュレータバルブ
92により生成されたスロットルモデュレータ圧が、ラ
イン144を介してレギュレータバルブ61に供給され
ることによって調整されるので、結局、上記ローリバー
スブレーキ46に供給される締結圧は、この第2デュー
ティソレノイドバルブ91の制御によって電気的に制御
されることとなる。
【0056】以上のような構成の下、次に本発明の特徴
部分である一方の摩擦要素の締結と他方の摩擦要素の解
放とが併行して実行されてエンジンブレーキが作動する
変速段への変速が達成される場合の各バルブの動き及び
その制御について説明する。このような変速は、上記表
1から明らかなように、Dレンジ,Sレンジ又はLレン
ジの各2速からLレンジの1速への変速時に起こる。す
なわちローリバースブレーキ46が締結される側の第1
の摩擦要素として締結されると共に、2−4ブレーキ4
5が解放される側の第2の摩擦要素として解放されて、
エンジンブレーキが作動する変速段が達成されるのであ
る。
【0057】図4はかかる変速時に関与する主要バルブ
の変速前の2速での状態を示し、上記表2に示したよう
に第1ソレノイドバルブ66がONとされ、1−2シフ
トバルブ63のスプールが右側に位置する結果、第1出
力ライン111から導入された油圧はサーボアプライラ
イン121に導かれてサーボアプライ圧となり、2−4
ブレーキ45のアプライポート45bへ至るが、このと
きリリースポート45cにはサーボリリースライン12
7を介してサーボリリース圧が供給されていないので当
該2−4ブレーキ45は締結された状態にある。また、
このときタイミング制御用ソレノイドバルブ96はOF
Fとされ、タイミングバルブ94のスプールが左側に位
置してバイパスライン145は遮断された状態にある。
【0058】一方、1−2シフトバルブ63のスプール
が右側に位置していることにより、ローリバースブレー
キ46へ通じるローリバースブレーキライン129が上
記シフトバルブ63のドレンポート63bと連通してロ
ーリバースブレーキ46が解放された状態にあると共
に、ローリバースブレーキ圧を導くライン128は該シ
フトバルブ63によって遮断されている。
【0059】また、上記タイミング制御用ソレノイドバ
ルブ96がOFFとされているため、ローレデューシン
グバルブ80の制御ポート80aにはライン150を介
して制御圧が導入され、そのスプールが左側に位置して
第3出力ライン113とライン151とが連通してい
る。このとき、この2速がDレンジ又はSレンジでの2
速である場合は、マニュアルバルブ62において第3出
力ポートcが入力ポートeと連通していないので第3出
力ライン113にはライン圧が導入されない一方で、こ
の2速がLレンジでの2速である場合には、第3出力ポ
ートcが入力ポートeと連通するので第3出力ライン1
13にライン圧が導入され、上記ライン128までロー
リバースブレーキ圧が導かれた状態にある。
【0060】一方、変速後のLレンジの1速においては
上記表2に示したように第1ソレノイドバルブ66がO
FFとされて1−2シフトバルブ63のスプールが左側
に位置する結果、第1出力ライン111とサーボアプラ
イライン121とが遮断され、且つサーボアプライライ
ン121が該シフトバルブ63のドレンポート63cに
通じてサーボアプライ圧が排圧されるので2−4ブレー
キ45が解放される。
【0061】また、1−2シフトバルブ63のスプール
が左側に位置することで上記ライン128がローリバー
スブレーキライン129と連通する結果、変速前の2速
がLレンジでの2速であったときは、該ライン128ま
で導かれていたローリバースブレーキ圧がローリバース
ブレーキライン129を介してローリバースブレーキ4
6へ供給され、該ブレーキ46が締結される。また変速
前の2速がDレンジ又はSレンジでの2速であったとき
には、マニュアルバルブ62をLレンジへシフトする操
作によって第3出力ライン113にライン圧が導入さ
れ、且つ上記1−2シフトバルブ63を経てローリバー
スブレーキ圧がローリバースブレーキ46へ供給されて
該ブレーキ46が締結されることとなる。
【0062】従って、このLレンジの1速においてはロ
ーレデューシングバルブ80のスプールを左側に位置さ
せてローリバースブレーキ圧をローリバースブレーキ4
6へ供給するために、タイミング制御用ソレノイドバル
ブ96はOFFのまま維持されることとなるが、このと
き同時にサーボアプライ圧の給排タイミング調整用のタ
イミングバルブ94のスプールも左側に位置したままで
あるため、上記ドレンポート63cから排圧されるサー
ボアプライ圧はバイパスライン145を通過することが
できず、排圧コントロールバルブ74とワンウェイオリ
フィス73とが配設されたサーボアプライライン121
を通過することとなり、サーボアプライ圧の排圧速度が
小さくなって、解放される側の2−4ブレーキ45の解
放動作が相対的に緩やかとなる。
【0063】これに対してローリバースブレーキ圧は、
第1ソレノイドバルブ66のONからOFFへの切換
え、又はマニュアルバルブ62のLレンジへのシフト操
作によって油路が切換わると直ちにローリバースブレー
キ46へ供給されるので、締結される側のローリバース
ブレーキ46の締結動作は相対的に速やかとなる。その
結果、2−4ブレーキ45が解放される前にローリバー
スブレーキ46の締結が終了してインターロック状態が
発生し、不快なショックが乗員に伝わることとなる。特
に、マニュアルバルブ62のシフト操作がないLレンジ
の2速から1速への自動変速時には、不意のショックが
起こることとなり不快感が大きい。
【0064】そこでこの実施例におけるコントロールユ
ニット200は、図5に示すフローチャートに従い、次
のようにLレンジの1速への変速を制御する。すなわ
ち、ステップS1及びS2で2速からLレンジの1速へ
の変速であると判定されると、ステップS3で前述の車
速センサ201からの車速信号を読込み、次いでステッ
プS4でその読込まれた車速を図6に示すマップに当て
はめて対応する所定時間tを読込む。
【0065】この所定時間tは上記ローリバースブレー
キ46に対するローリバースブレーキ圧の供給を遅延さ
せる遅延時間であり、高車速時ほど短くなるように設定
されている。これによって、車両の運動エネルギーが大
きくローリバースブレーキ46の容量が大きいときはロ
ーリバースブレーキ圧の供給が過度に遅延されず、適切
な変速時間で変速が行われることとなる。逆に、低車速
時にはインターロックに起因するショックの影響が大き
くなるので、インターロック状態の発生を確実に防止す
るため所定時間tは充分長く設定されている。なお、こ
の車速と所定時間tとの関係を示す図6のマップは実験
によって予め求めておくことができる。
【0066】そして次にコントロールユニット200
は、ステップS5で上記所定時間tをタイマにセットし
たうえで、ステップS6で中間ソレノイドパターンを出
力し、上記所定時間tが経過するまで該中間ソレノイド
パターンを継続する(ステップS7及びステップS
8)。ここで中間ソレノイドパターンとは、第1ソレノ
イドバルブ66がOFF及びタイミング制御用ソレノイ
ドバルブ96がONとなるように設定されたソレノイド
パターンである。すなわち、2速における第1ソレノイ
ドバルブ66がON及びタイミング制御用ソレノイドバ
ルブ96がOFFのソレノイドパターンから、第1ソレ
ノイドバルブ66だけをOFFに切換え、タイミング制
御用ソレノイドバルブ96はOFFのまま維持する1速
のソレノイドパターンへ直ちに移行するのではなく、第
1ソレノイドバルブ66のOFFへの切換えと同時にタ
イミング制御用ソレノイドバルブ96をもONに切換え
るソレノイドパターンを中間に経由させるのである。
【0067】このような中間ソレノイドパターンによれ
ば、図7に示すように1−2シフトバルブ63のスプー
ルが左側に位置してサーボアプライ圧がドレンポート6
3cから排圧される際にタイミングバルブ94のスプー
ルが右側に位置してバイパスライン145が連通する結
果、上記サーボアプライ圧の排圧速度が大きくなって2
−4ブレーキ45の解放が速やかに行われることとな
る。一方、ローレデューシングバルブ80のスプールも
上記タイミングバルブ94のスプールと同様に右側に位
置して第3出力ライン113とライン151との連通状
態が遮断されるので、たとえ1−2シフトバルブ63を
介してライン128とローリバースブレーキライン12
9とが連通状態となってもローリバースブレーキ圧がロ
ーリバースブレーキ46へ供給されない。しかも上記ラ
イン151はローレデューシングバルブ80のドレンポ
ート80bに通じるので、ローリバースブレーキ46へ
至る油路内の油圧は排圧されることにもなる。換言すれ
ば、タイミング制御用ソレノイドバルブ96のOFFか
らONへの切換によってローリバースブレーキ圧の供給
が阻止され、その結果、締結される側のローリバースブ
レーキ46の締結動作の開始が解放される側の2−4ブ
レーキ45の解放動作に比べて遅延されることとなり、
これによってインターロック状態の発生が回避されるこ
ととなる。
【0068】そしてコントロールユニット200は、こ
のローリバースブレーキ46の締結を遅延する中間ソレ
ノイドパターンを上記ステップS4で読込んだ所定時間
tだけ保持して継続させるので(ステップS7及びステ
ップS8)、車速に応じて該ブレーキ46の締結が遅延
されることとなり、高車速時には該ブレーキ46の容量
が大きいことを考慮して比較的早期に遅延状態が解除さ
れ、締結時間の適正化が図られる一方で、低車速時には
ショックの影響が大きいことを考慮して比較的長時間該
ブレーキ46の締結が遅延され、インターロック状態発
生の確実な防止が図られることとなる。
【0069】次いで上記所定時間tが経過したときに、
ステップS9でタイミング制御用ソレノイドバルブ96
をOFFに戻すことにより、第1ソレノイドバルブ66
及びタイミング制御用ソレノイドバルブ96の双方が共
にOFFとされる1速のソレノイドパターンとなってこ
の変速制御は終了する。この時点では、すでに2−4ブ
レーキ45の解放が進んでいるので、ローリバースブレ
ーキ46が締結されてもインターロック状態の発生の虞
はない。
【0070】以上説明したようにコントロールユニット
200はインターロック状態の発生を回避しつつ2速か
らエンジンブレーキが作動するLレンジ1速への変速を
制御するが、このときの両摩擦要素に対する油圧変化と
各ソレノイドパターンとの対応を表すと図8のようにな
る。すなわち、2速のソレノイドパターンではサーボア
プライ圧が供給され、ローリバースブレーキ圧は導入さ
れていないが、中間ソレノイドパターンに切換わるとサ
ーボアプライ圧の排圧が開始される。しかもバイパスラ
イン145を経由して排圧されるので、図中符号aで示
すように排圧コントロールバルブ74とワンウェイオリ
フィス73とが配設されたサーボアプライライン121
を経由して排圧される場合に比べて排圧速度が急とな
り、サーボアプライ圧は速やかに低下する。一方ローリ
バースブレーキ圧は図中符号bで示すようにサーボアプ
ライ圧の排圧と同時に増大するようなことがなく、中間
ソレノイドパターンに切換わっても供給されない。そし
て、かかる状態が所定時間tだけ保持された後、1速の
ソレノイドパターンとなって初めてローリバースブレー
キ圧が供給され、その増大が開始されることとなる。ま
た、このときインターロック状態回避のためにローリバ
ースブレーキ圧の供給を所定時間tだけ遅延させること
と併せてサーボアプライ圧の排圧を速やかに行うことに
より、上記所定時間tを短縮化することができ、応答性
を維持することが可能となる。
【0071】次に、ローリバースブレーキ46の締結動
作を遅延させる第2の実施例について説明する。
【0072】まず図9を参照してこの実施例におけるロ
ーリバースブレーキ圧の給排状態を制御する油圧制御回
路の要部を説明すると、ローリバースブレーキ圧はマニ
ュアルバルブから第3出力ライン113を介してローレ
デューシングバルブ280に導かれ、該バルブ280の
スプールが左側に位置したときに中間ライン281に導
入されてローカットバルブ282に至る。そして、この
ローカットバルブ282のスプールが右側に位置したと
きにライン283に導かれて、以下前述の第1実施例と
同様にボールバルブ82、ライン128及び1−2シフ
トバルブ63を経由してローリバースブレーキライン1
29に導入される。
【0073】上記ローレデューシングバルブ280のス
プールは図示しないスプリングによって左側に位置する
ように付勢されているので上記第3出力ライン113と
中間ライン281とは通常連通状態にあるが、導かれた
ライン圧が制御ポート280aにも導入されているた
め、ライン圧がある一定値にまで増大したときは該スプ
ールが右側に移動して第3出力ライン113からの油圧
の供給が遮断されるようになされている。
【0074】また中間ライン281とライン283との
連通状態を切換える上記ローカットバルブ282のスプ
ールは図示しないスプリングによって右側に位置するよ
うに付勢されていると共に、該バルブ282の一端28
2aには第1パイロットライン115から分岐されたラ
イン284が、また該バルブ282の他端282bには
第1パイロットライン115から分岐された制御圧ライ
ン285がそれぞれ接続されている。そして、タイミン
グ制御用ソレノイドバルブ96がOFFとされたときに
上記制御圧ライン285を介して制御圧が制御ポート2
82bへ導入されるが、スプールに対する作用面積が大
きいためスプリングの付勢力及び反対側の制御ポート2
82aへ導入される油圧に打ち勝ってローカットバルブ
282のスプールは左側に位置するようになされてい
る。
【0075】そして2速においては、第1ソレノイドバ
ルブ66がON及びタイミング制御用ソレノイドバルブ
96がOFFとされることにより、1−2シフトバルブ
63のスプールが右側に位置してライン128とローリ
バースブレーキライン129とが遮断されると共に、ロ
ーカットバルブ282のスプールが左側に位置して中間
ライン281とライン283とが遮断されるので、ロー
リバースブレーキ圧がローリバースブレーキ46へ供給
されず該ブレーキ46は解放されている。
【0076】これに対してLレンジの1速では、第1ソ
レノイドバルブ66がOFF及びタイミング制御用ソレ
ノイドバルブ96がONとされることにより、ライン1
28とローリバースブレーキライン129、及び中間ラ
イン281とライン283とがそれぞれ連通してローリ
バースブレーキ圧の供給が行われ、ローリバースブレー
キ46が締結されることとなる。
【0077】この第2実施例では、2速からLレンジの
1速への変速時には、中間ソレノイドパターンとして第
1ソレノイドバルブ66及びタイミング制御用ソレノイ
ドバルブ96を共にOFFとするソレノイドパターンを
所定時間tだけ継続させることにより、ローリバースブ
レーキ圧の供給を遅らせてローリバースブレーキ46の
締結動作を遅延させる。
【0078】すなわち、この中間ソレノイドパターンで
は、1−2シフトバルブ63のスプールが左側に位置し
てライン128とローリバースブレーキライン129と
は連通するが、ローカットバルブ282のスプールが左
側に位置したままなので、中間ライン281とライン2
83との遮断状態が続き、結局ローリバースブレーキ圧
がローリバースブレーキ46へ供給されず該ブレーキ4
6の締結は行われない。そして、所定時間t経過後にタ
イミング制御用ソレノイドバルブ96をONに切換える
ことにより中間ライン281とライン283とが連通
し、初めてローリバースブレーキ圧がローリバースブレ
ーキ46へ供給されることとなる。
【0079】尚、ローレデューシングバルブ280がロ
ーリバースブレーキ圧を供給する上記中間ライン281
をローカットバルブ282に代えてタイミングバルブ9
4に接続すると共に、該バルブ94のスプールが右側に
位置したとき、換言すればタイミング制御用ソレノイド
バルブ96がONとされたときに、上記中間ライン28
1と連通するラインをタイミングバルブ94とボールバ
ルブ82との間に設けるようにしても、上記と同じ中間
ソレノイドパターンを経由させてローリバースブレーキ
46の締結動作を遅延させることができる。
【0080】次に、ローリバースブレーキ46の締結動
作を遅延させる第3の実施例について説明する。
【0081】この第3実施例においては、図10に示す
ように第3出力ライン113からの油圧を供給する中間
ライン286は2−3シフトバルブ287に接続され
て、第2ソレノイドバルブ67がONで2−3シフトバ
ルブ287のスプールが右側に位置するときにライン2
88と連通し、以下前述の第1実施例又は第2実施例と
同様にボールバルブ82、ライン128及び1−2シフ
トバルブ63を経由してローリバースブレーキライン1
29に導入される。従ってこの第3実施例におけるロー
リバースブレーキ圧の供給油路は、第3出力ライン11
3、ローレデューシングバルブ280、中間ライン28
6、2−3シフトバルブ287、ライン288、ボール
バルブ82、ライン128、1−2シフトバルブ63及
びローリバースブレーキライン129となる。
【0082】そして2速では、第1ソレノイドバルブ6
6及び第2ソレノイドバルブ67が共にONとされる結
果(上記表2参照)、中間ライン286とライン288
とは連通するが、ライン128とローリバースブレーキ
ライン129とが遮断されてローリバースブレーキ46
は解放される一方で、Lレンジの1速では、第1ソレノ
イドバルブ66がOFFに切換えられ、第2ソレノイド
バルブ67がONのまま維持される結果(上記表2参
照)、ライン128とローリバースブレーキライン12
9とが連通してローリバースブレーキ圧の供給が行わ
れ、ローリバースブレーキ46が締結されることとな
る。
【0083】この第3実施例では、2速からLレンジの
1速への変速時には、中間ソレノイドパターンとして第
1ソレノイドバルブ66及び第2ソレノイドバルブ67
を共にOFFとするソレノイドパターンを所定時間t継
続させることにより、ローリバースブレーキ圧の供給を
遅らせてローリバースブレーキ46の締結動作を遅延さ
せる。
【0084】すなわち、この中間ソレノイドパターンで
は、1−2シフトバルブ63のスプールが左側に位置し
てライン128とローリバースブレーキライン129と
は連通するが、2−3シフトバルブ287のスプールが
左側に位置するので、中間ライン286とライン288
とが遮断され、ローリバースブレーキ圧がローリバース
ブレーキ46へ供給されず該ブレーキ46の締結は行わ
れない。そして、所定時間t経過後に第2ソレノイドバ
ルブ67をONに切換えることにより中間ライン286
とライン288とが連通し、初めてローリバースブレー
キ圧がローリバースブレーキ46へ供給されることとな
る。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば第
1の摩擦要素に対して給排される作動油圧の状態を制御
するバルブ手段が備えられていると共に該バルブ手段を
制御する制御手段が設けられて、エンジンブレーキの作
動する所定変速段への変速時には、この制御手段の上記
バルブ手段に対して行う制御によって、第1の摩擦要素
の締結動作が第2の摩擦要素の解放動作に比べて所定時
間遅延されるので、第1の摩擦要素が相対的に早く締結
される虞がなくなり、インターロック状態が回避される
こととなる。
【0086】また上記バルブ手段として、例えばローレ
デューシングバルブのような既存の減圧バルブを援用す
ることができると共に、制御手段は第1の摩擦要素への
作動油圧の供給が所定時間遅延されるように上記減圧バ
ルブの減圧動作を制御するので、締結のために必要な油
圧の供給が遅れて第1の摩擦要素の締結動作の遅延が実
現されることとなる。
【0087】さらに上記制御手段がタイミング制御用ソ
レノイドバルブを介して減圧バルブを制御するので、該
減圧バルブの減圧動作を直接制御する部材は上記タイミ
ング制御用ソレノイドバルブとなる。そして、このソレ
ノイドバルブは、減圧バルブ同様、この種の油圧回路に
普通に備えられている部材であるため、減圧バルブを制
御する部材として既存の部材を援用することができる。
【0088】一方上記バルブ手段として、例えばシフト
バルブのような既存の油圧給排切換バルブを援用するこ
ともでき、また制御手段は第1の摩擦要素への作動油圧
の供給が所定時間遅延されるように上記給排切換バルブ
の切換動作を制御するので、締結のために必要な油圧の
供給が遅れて第1の摩擦要素の締結動作の遅延が実現さ
れることとなる。
【0089】また上記所定時間tが車速に応じて設定さ
れるので、例えば車両の運動エネルギーが大きく第1の
摩擦要素の容量が大きい高車速時には低車速時に比べて
短くなるように設定することができる。その結果、第1
の摩擦要素の締結動作が早期に開始されて適切な変速時
間が得られることとなる。一方低車速時はインターロッ
クに起因するショックが大きく伝達されるので、所定時
間tを長く設定することによりインターロック状態の発
生が確実に防止されることとなる。
【0090】さらに上記制御手段が所定変速段への変速
時に第2の摩擦要素からの作動油圧の排圧速度を大きく
するので、解放される側の第2の摩擦要素の解放が早期
に終了することとなり、締結される側の第1の摩擦要素
の締結動作の遅延制御と併せてインターロック状態の発
生が確実に回避されるだけでなく、第2の摩擦要素が早
期に解放されるので、第1の摩擦要素の締結を遅延する
上記所定時間tの短縮化が図られて応答性を維持するこ
とができる。
【0091】一方、第1の摩擦要素がマニュアルバルブ
の操作による作動油圧の供給によって比較的早期に締結
されると共に、第2の摩擦要素が作動油圧の排圧によっ
て解放されてエンジンブレーキの作動する所定変速段へ
の変速が行われる場合には、上記第2の摩擦要素からの
作動油圧の排圧速度が制御手段によって大きくされるの
で、締結される側の第1の摩擦要素が早期に締結してイ
ンターロック状態が発生し易い状況下において、解放さ
れる側の第2の摩擦要素が早期に解放されることとな
り、インターロック状態の発生が回避されることとな
る。さらに第2の摩擦要素が早期に解放されることによ
って、第1の摩擦要素の締結を遅延する上記所定時間の
短縮化が可能となり応答性が維持されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例に係る自動変速機の骨子図であ
る。
【図2】 上記実施例における自動変速機の油圧制御回
路を示す回路図である。
【図3】 上記実施例における油圧制御回路の各バルブ
に対する制御システム図である。
【図4】 上記実施例の2速の状態における油圧回路を
示す拡大図である。
【図5】 上記実施例におけるコントロールユニットが
行う変速制御のフローチャート図である。
【図6】 上記変速制御に用いるマップの説明図であ
る。
【図7】 上記実施例の中間ソレノイドパターンにおけ
る油圧回路を示す拡大図である。
【図8】 上記実施例における2速からLレンジの1速
への変速時の各作動油圧の変化を示すタイムチャート図
である。
【図9】 第2の実施例における油圧回路の要部拡大図
である。
【図10】 第3の実施例における油圧回路の要部拡大
図である。
【符号の説明】
45 2−4ブレーキ(サーボピストン) 46 ローリバースブレーキ 63 1−2シフトバルブ 66 第1ソレノイドバルブ 80 ローレデューシングバルブ 94 2−3タイミングバルブ 96 タイミング制御用ソレノイドバルブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンブレーキの作動する所定変速段
    で締結される第1の摩擦要素の油圧回路に、該摩擦要素
    に対して給排される作動油圧の状態を制御するバルブ手
    段が備えられている自動変速機の変速制御装置であっ
    て、上記所定変速段への変速時には、該変速時に解放さ
    れる第2の摩擦要素の解放動作に比べて上記第1の摩擦
    要素の締結動作を所定時間遅延させるように上記バルブ
    手段を制御する制御手段が設けられていることを特徴と
    する自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 バルブ手段は減圧バルブであって、制御
    手段は、所定変速段への変速時に、第1の摩擦要素への
    作動油圧の供給が所定時間遅延されるように、上記減圧
    バルブの減圧動作を制御することを特徴とする請求項1
    に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 制御手段がタイミング制御用ソレノイド
    バルブを介して減圧バルブの減圧動作を制御することを
    特徴とする請求項2に記載の自動変速機の変速制御装
    置。
  4. 【請求項4】 バルブ手段は作動油圧の給排切換バルブ
    であって、制御手段は、所定変速段への変速時に、第1
    の摩擦要素への作動油圧の供給が所定時間遅延されるよ
    うに、上記給排切換バルブの切換動作を制御することを
    特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の自
    動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 所定時間が車速に応じて設定されること
    を特徴とする請求項2又は請求項4のいずれかに記載の
    自動変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 制御手段が、所定変速段への変速時に、
    第2の摩擦要素からの作動油圧の排圧速度を大きくする
    ことを特徴とする請求項2又は請求項4のいずれかに記
    載の自動変速機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】 エンジンブレーキの作動する所定変速段
    への変速時に、マニュアルバルブの操作によって作動油
    圧が供給されて比較的早期に締結される第1の摩擦要素
    と、作動油圧が排圧されて解放される第2の摩擦要素と
    が備えられている自動変速機の変速制御装置であって、
    上記所定変速段への変速時には、上記第2の摩擦要素か
    らの作動油圧の排圧速度を大きくする制御手段が設けら
    れていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
JP11449294A 1994-04-30 1994-04-30 自動変速機の変速制御装置 Pending JPH07301318A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6656075B2 (en) * 2000-12-30 2003-12-02 Hyundai Notor Company Hydraulic control system for automatic transmission

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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