JPH07165609A - 疏水性ポリマーの水分散液でコーティングされた安定な放出制御処方を得る方法 - Google Patents

疏水性ポリマーの水分散液でコーティングされた安定な放出制御処方を得る方法

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JPH07165609A
JPH07165609A JP4071808A JP7180892A JPH07165609A JP H07165609 A JPH07165609 A JP H07165609A JP 4071808 A JP4071808 A JP 4071808A JP 7180892 A JP7180892 A JP 7180892A JP H07165609 A JPH07165609 A JP H07165609A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯蔵中の高温高湿に対して実質的に安定な疎
水性ポリマー分散水のコーティングを有する経口投薬用
放出制御処方を得る方法及び固体剤形を提供する。 【構成】 エチルセルロースの水分散液から得られたコ
ーティングを有する安定な放出制御をする固体剤形が、
治療活性成分を有する基質をエチルセルロースの水分散
液でオーバーコートし、次にこのコーティングされた基
質を、コーティングされた剤形が高い温度および/また
は湿度の貯蔵状態に曝されても実質的に影響を受けなく
なるような、安定な融解パターンになるまで周囲の状態
より高い適当な温度および相対湿度で硬化させることに
より得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】疎水性ポリマーの水分散液から得
られるコーティングされた基質からなる安定な放出制御
処方を得る方法および固体剤形に関する。
【背景技術】放出即効する剤形(dosage form )を投与
した後に普通経験するよりも、投与後の薬理学的応答が
長続きすることが、すべての制御放出処方の目的であ
る。このような長い応答時間は、短時間で作用する放出
即効する製品では不可能な多くの固有の治療上の長所を
有する。
【0002】当業者に知られている放出制御をする処方
には、特殊なコーティングされたビードまたはペレッ
ト、コーティングされた錠剤およびイオン交換樹脂があ
り、これらは、処方のコーティングの選択的な分解もし
くは透過により、または薬を放出させる特別なマトリッ
クスの処方により活性薬剤を徐々に放出する。
【0003】放出制御をする剤形のすべての形において
重要なことは、その安定性である。調剤学的な剤形の安
定性は、その物理的、化学的、微生物学的、治療的、調
剤学的、および毒物学的な性質を、貯蔵中にすなわち、
特定の容器中にある環境で維持することに関連する。安
定性検討の要求は、たとえば、優良製造規範(Good Man
ufacturing Practices, :GMPs)、アメリカ薬局方
(USP)、新薬適用法(New Drug Applications :N
DAs)および新薬適用調査(Investigational New Dr
ug Applications :INDs)でカバーされている。
【0004】制御されて放出される処方に用いられる成
分は、貯蔵中にその物性にに関して特殊な問題があるこ
とが多い。たとえば、このような処方に用いられている
ワックスは、長い間に変化をうけることが知られてお
り、したがって、製造するときに安定化するか変化しな
いように注意することが必要である。脂肪およびワック
ス状のものは、精製した状態で用いると不安定な形で結
晶化し、製造の時または後の貯蔵中の安定性試験で使用
できる割合が予測不能な程度変わることが知られてい
る。
【0005】多くの場合安定な放出制御処方とするため
に、個々の成分を製品に加える前に安定な形にし加工中
にこの状態が変わらないことを確認するか、他の添加物
を加えるか、または、製品が最終的に出来上がる前に剤
形の個々の成分を安定な形にするなどの戦略が知られて
いる。
【0006】また、製品の水分も製品の安定性に影響す
ることが知られている。エチルセルロースのようなポリ
マーフィルムの気孔率および/または水和レベルを変え
ると水透過性および薬の有効性を変えることができるこ
とが知られている。アラビアゴムのようなバインダー
が、湿気および熱に曝された時に可溶性が少なくなるこ
とも知られている。このような問題は、加工法のコント
ロールおよび製品の適当な包装の問題として取り扱われ
てきた。
【0007】ゼイン、アクリル樹脂、ワックス、高級脂
肪酸アルコール、ポリ酪酸またはポリグリコール酸のよ
うな疏水性ポリマーが従来技術において放出制御される
剤形の開発に用いられてきた。錠剤、カプセル、座薬、
回転楕円体のようなビードまたは微細球のような剤形の
放出制御される剤形を開発するためにこれらのポリマー
が用いられてきたのは、個々の薬剤をこれらの疏水性ポ
リマーでオーバーコートすることであった。従来技術に
おいて、これらの疏水性コーティングは溶液、懸濁液、
またはドライの状態で適用できることが知られている。
これらポリマーの殆どは、水への溶解性が低いので、ポ
リマーを有機溶媒に溶解し、溶液を個々の剤形(ビード
または錠剤のような)に噴霧し、溶媒を蒸発することに
より適用するのが普通である。
【0008】従来技術において疏水性ポリマーの水分散
液は、調剤学的剤形を審美的理由からフィルムコーティ
ング錠剤もしくはビードにコーティングされ、または味
をマスキングするためにコーティングされていた。しか
しながら、これらの剤形は、剤形の中に含有される活性
成分を直ちに放出するために用いられている。
【0009】ポリマーコーティングの調製に有機溶媒を
用いることは、一般に可燃性、発癌性、および安全性に
関して処方が固有の問題があると考えられている。さら
に、有機溶媒を用いることは、環境の面からも好ましく
ない。
【0010】従って、疏水性ポリマーの水分散液から調
製した放出制御をする処方を調製することが望ましい。
しかしながら今日まで、疏水性ポリマーの水分散液を用
いて安定な放出制御をする調剤学的処方を調製する試み
は、安定性の問題で成功していない。特に、ポリマー水
分散液を用いて、数時間以上活性成分を所望のパターン
で放出するこれらの調剤学的な形をコーティングする場
合には、溶解物の放出パターンが経時変化することが当
業に知られている。この不安定性問題は、ポリマーが有
機溶媒から使用される場合には存在しないことも知られ
ている。
【0011】たとえば、Dressman等は、(Proc
eed.Intern.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater.,18(199
1)pp.654-655)自ら行なった試験について、エチルセ
ルロースベースのフィルムでコーティングしたフェニル
プロパノールアミンHClペレットが室温で周囲の湿度
条件でのみ安定であることを報告している。これらの実
験では、砂糖のシーズに76%ロードでフェニルプロパ
ノールアミンHClを被覆し、水分散液からの10%エ
チルセルロースとともにコーティングした。第二のサン
プルは、回転楕円体にしたフェニルプロパノールアミン
と微結晶セルロースとの70:30から成り、水分散液
からの15%エチルセルロースでコーティングした。各
々のバッチからのサンプルを4週間、室温/周囲の湿
度;室温/高湿度(相対湿度75%);37℃/周囲の
湿度;および37℃/高湿度;の条件下で貯蔵した。溶
解パターンについてのデーターは、室温/周囲の湿度条
件以外では、すべての条件で経過時間および8時間で放
出される薬剤のパーセントが不安定であることを示し
た。
【0012】前記の著者らは、ペレットは貯蔵条件によ
っては影響を受けないと考えているが、エチルセルロー
スベースフィルムでオーバーコートされたフェニルプロ
パノールアミンHClペレットからの放出メカニズム
は、ペレット組成によるようであると結論づけし、か
つ、高い相対湿度で貯蔵すると放出速度が影響され特に
高温で貯蔵するとそうであるとしている。
【0013】Munday等は、(Drug Devel.and Ind
us.Phar.,17 (15)2135-2143 (1991)エチルセルロー
スとPEG(2:1)、およびエチルセルロースと「E
udragit−L」(2:1)でフィルムコートした
テオフィリンミニ錠剤が、厳しい状態で貯蔵されると溶
解が妨げられることを報告し、放出の低下の程度は温度
に正比例し、相対湿度の影響は大したものではないとし
ている。
【0014】そこでこの著者らは、放出速度が低下する
のはポリマーコーティング材を経ての分子拡散速度が低
下するからであると結論づけ、この変化は実験的に貯蔵
した間にポリマーの透過性が著しく変化するからであろ
うと示唆している。ポリマー水分散液は、安定な放出制
御をする剤形に使用されてきたが、これは、ポリマー水
分散液をコーティングに使用して妨害効果を得るために
ではなく、剤形のマトリックスにポリマー水分散液を加
えるような他の方法によってのみ可能であった。
【0015】
【発明の概要】本発明の一目的は、貯蔵中に高温および
/または高湿度に曝されても実質的に安定な疏水性ポリ
マーの水分散液のコーティングを有する経口投薬用放出
制御剤形を提供することにある。
【0016】本発明のもう一つの目的は、高温かつ高湿
度に長期間あるような厳しい状態下で実質的に安定な疏
水性ポリマーの水分散液のオーバーコートで調製した放
出制御をする剤形を提供することにある。
【0017】その他の目的は、疏水性ポリマーの水分散
液から得られる放出制御オーバーコートを有し、含有さ
れる治療活性成分の放出パターンを実質的に安定なもの
とする固体剤形に関する。
【0018】本発明はさらに、コーティングされた処方
がある高い温度および湿度の厳しい状態にある期間曝さ
れた場合に、広い範囲の温度および/または湿度の状態
で経時しても治療活性成分の放出速度が実質的に変化し
ない所望のエンドポイントに到達できるという驚くべき
発見に基づく。この発見により、安定な放出制御をする
調剤製品を製造するためのコーティング調剤剤形に疏水
性ポリマー水分散液が使用できるようになった。
【0019】本発明はまた、治療活性成分および剤形が
胃液のような水溶液に曝された時に治療活性成分を制御
されて放出するに十分な量のエチルセルロース水分散液
から得られたオーバーコートを有するコアから成る固体
剤形に関する。オーバーコーティングの後に、この固定
剤形は、治療活性成分の放出が高い温度および/または
湿度に曝されても実質的に影響されないように硬化す
る。
【0020】本発明はまた、治療活性成分でコーティン
グした不活性な調剤学的に許容できる複数のビード、お
よび、固体剤形が水溶液に曝された時に治療活性成分が
放出制御されるように適当な厚さのエチルセルロースオ
ーバーコートから成り、このエチルセルロースオーバー
コートは適当な可塑剤の有効量と共にエチルセルロース
の水分散液から得られたものであり、経口投薬用の安定
な放出制御をする固体剤形に関する。エチルセルロース
でコーティングしたビードは、溶解パターンが高温およ
び/または高湿度下の貯蔵に曝されても実質的に影響を
受けない最終製品となるように厳しい条件すなわち周囲
の状態より高い適当な温度および相対湿度で硬化され
る。
【0021】本発明はまた、エチルセルロース水分散液
でオーバーコートされた治療活性成分から成り、高温お
よび/または高湿度下の貯蔵に曝されても実質的に影響
を受けない安定な溶解パターンとなるまで周囲の状態よ
り高い温度および湿度で硬化した安定な制御された固体
剤形に関する。
【0022】本発明はまた、疏水性ポリマーの水分散液
でコーティングされた基質から成る安定な放出制御処方
を得る方法において、エチルセルロースの水分散液を調
製し、治療活性成分を含有する基質を調製し、該基質を
そのエチルセルロース水分散液の充分な量でオーバーコ
ートしてこのコーティングされた基質が水溶液に曝され
た時に該治療活性成分を予め定めたように制御されて放
出されるようにし、このコーティングされた粒子を周囲
の温度および湿度より高い厳しい条件で硬化し、コート
された基質が高い温度および/または湿度の貯蔵状態に
さらに曝されても実質的に影響を受けなくなる溶解パタ
ーンとなるエンドポイントまで硬化を続けることから成
る方法に関する。
【0023】さらに本発明の方法は、ある処方のエンド
ポイントを決めるのに、上述の硬化の種々の段階に該処
方を曝して、処方の溶解パターンが実質的に安定するま
で、溶解パターンを測定する工程を有する。必要であれ
ば変更して、エンドポイントに基づいて治療活性成分の
所望の溶解パターンを得る。
【0024】
【発明の態様】エチルセルロースは、塩化エチルとアル
カリセルロースとの反応によりつくられるセルロースエ
ーテルであり、水および胃液には全く溶けない。従っ
て、今日まで錠剤のコーティングにはそれ自体では適当
なものでないと考えられてきた。しかしながらこれは、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびその他のフ
ィルム形成剤と組み合わせて、フィルムを強化しまたは
フィルムの溶解速度を調節するものとして、普通に用い
られている。エチルセルロースの溶解特性のため、この
ポリマーは主に上記のように有機溶液からの処方に用い
られてきた。
【0025】フィルムコーティングに用いるために多く
のポリマーが研究されてきた。殆どのフィルムコート
は、普通最終コーティング製品の約2〜5重量%より少
ない量の一つ以上のフィルム形成性ポリマーを沈積させ
てつくられる。フィルムコーティングは、錠剤、ピル、
カプセル、顆粒、および粉末の調製に用いられる。フィ
ルムコーティングに用いられるポリマーの特性は、その
高分子での構造、大きさおよび性質により支配される。
腸以外用の調剤に用いられる普通のフィルム形成剤とし
ては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチル
セルロース等がある。
【0026】放出制御をする処方を得るためには、治療
活性成分を含む基質に、約5%〜15%の重量増となる
ように十分な量のエチルセルロースの水分散液をオーバ
ーコートする必要があるのが普通である。しかしこのオ
ーバーコートは、たとえば、治療活性成分の物性および
所望の放出速度、エチルセルロース水分散液への可塑剤
の添加およびその添加の方法などにより多かったり少な
かったりする。
【0027】本発明による適当な制御放出処方の一例で
は、アメリカ薬局方パドル法(USPPaddle Method )に
より900mlの緩衝水溶液(pH1.6〜7.2)中
で37℃で100rpmで測定して、in−vitro
剤形溶解速度で、治療活性成分の放出は1時間後12.
5〜42.5重量%、2時間後25〜55重量%、4時
間後45〜75重量%、6時間後55〜85重量%、と
なる。この例は、勿論、何ら制限的な意味を持つもので
はない。
【0028】本発明において、コーティングとして用い
られる疏水性ポリマー水分散液は、治療活性成分を所望
の制御放出にするめに、錠剤、回転楕円体(またはビー
ド)、微細球、シーズ、ペレット、イオン交換樹脂ビー
ド、およびその他の多粒子系と一緒に用いてもよい。本
発明により調製した顆粒、回転楕円体あるいはペレット
等は、カプセルまたはその他の適当な剤形で存在するこ
とができる。
【0029】エチルセルロースは比較的高いガラス転移
点を有しており通常のコーティング条件ではフレキシブ
ルなフィルムを生成しないので、コーティング材として
使用する前にエチルセルロースを可塑化する必要があ
る。
【0030】市販のエチルセルロース水分散液の一つ
は、「Aquacoat」(FMC社の商品名)であ
る。「Aquacoat」は、エチルセルロースを水と
混合する有機溶媒中に溶解し、これを界面活性剤と安定
剤の存在下で水の中で乳化して製造される。サブミクロ
ンの小滴に均質化後、減圧下で有機溶媒を蒸発させて擬
似ラテックス(pseudolatex )となる。製造工程では擬
似ラテックスに可塑剤は加えない。従って、コーティン
グとして使用する前に「Aquacoat」を適当な可
塑剤と緊密に混合する必要がある。
【0031】取扱いおよび貯蔵条件については、15℃
より低い温度および35℃より高い温度に長く曝される
と「Aquacoat」は粘度が上昇し、剪断力が加え
られると(例、プロペラ型ミキサー)粘度が100cp
sより低くなるとしている。さらに、個々のラテックス
粒子が合着して可塑化エチルセルロースポリマーの連続
フィルムが生成する漸次合着として知られるプロセスに
より連続フィルムが生成することがあることを述べてい
る。この期間の後に、性質が安定するとされている。ま
たコーティング温度を高くすると、たとえば高温硬化工
程では、プロセスが促進され、合着プロセスが完了して
いないと放出速度が変わることになると述べている。し
かしながら、以下の具体例に示されるように、単にコー
ティング温度を高くするか、硬化工程を高温にするだけ
では、貯蔵した製品の溶解パターンを効率的に安定化し
ない。
【0032】エチルセルロース水分散液の他の市販のも
のは「Surelease」(Colorcon社の商
品名)である。この製品は、製造プロセス中に可塑剤を
分散液中に加える。ホットメルトポリマー、可塑剤(ジ
ブチルセバケート)、および安定剤(オレイン酸)が均
一な混合物として調製され、アルカリ溶液で希釈され、
基質に直接適用できる水分散液が得られる。
【0033】本発明のコーティング処方は、滑らかで、
顔料その他のコーティング添加物をサポートでき、非毒
性で、不活性で、粘着性がなく、強い連続フィルムをつ
くることができるものでなければならない。可塑剤を用
いるとフィルムの物性がさらに改良されることが分かっ
たので、本発明に用いるエチルセルロース水分散液には
適当な可塑剤を有効量含むことが望ましい。エチルセル
ロースの可塑化は、いわゆる「内部可塑化」によっても
「外部可塑化」によってもよい。
【0034】内部可塑化は、製造中にポリマーの分子を
直接変性することによりおこなわれる。たとえば、官能
基を変化および/または置換する、側鎖の数を調節す
る、またはポリマーの長さを制御するなどにより共重合
する。このような技術は普通はコーティング溶液の処方
者によっては行なわれない。外部可塑化は、ドライフィ
ルムのフィルム性質が所望のように変化するようにフィ
ルム溶液に物質を添加することから成る。
【0035】可塑剤の適性は、ポリマーに対するアフィ
ニティまたは溶媒和力、およびそのポリマー−ポリマー
結合を妨害する効率による。このような性質により、分
子の剛性が緩和され所望のフレキシビリティが賦与され
る。一般に、コーティング溶液に含有される可塑剤の量
は、フィルム形成剤の濃度に基づき、たとえば、フィル
ム形成剤の約1〜約50重量%のことが最も多い。しか
しながら、可塑剤の量はそのコーティング溶液および適
用方法により注意深く実験した後にのみ適切に決めるこ
とができる。
【0036】あるポリマーに対する適当な可塑剤を決め
る重要なパラメーターは、そのポリマーのガラス転移点
(Tg)である。ガラス転移点は、ポリマーの物性が基
本的に変化する温度あるいは温度範囲に関連する。この
変化は、状態の変化を反映するものではないが、ポリマ
ーの高分子移動性の変化を反映する。Tgより低温で
は、ポリマー鎖の移動性は厳重に制限される。したがっ
て、あるポリマーについて、もしTgが室温より高けれ
ば、このポリマーはガラスのように挙動し、硬く、柔軟
性がなく、脆い性質であり、コーティングした剤形はよ
り厳しい条件に曝されることがあるのでフィルムコーテ
ィングとしては制約される。
【0037】適当な可塑剤をポリマーマトリックスに添
加するとTgが効果的に下がり、周囲の条件下でフィル
ムが柔軟になり、しばしば強くなり機械的応力によく耐
えるようになる。適当な可塑剤としての他の局面として
は、可塑剤がエチルセルロースに対して良好な「膨潤
剤」として作用することであり、かつ、可塑剤が水に不
溶であることである。
【0038】適当な可塑剤の例としては、ジブチルセバ
ケート、ジエチルフタレート、クエン酸トリエチル、ト
リブチルシトレート、およびトリアセチンのような水に
不溶な可塑剤があげられるが、その他の水不溶性可塑剤
(アセチレーティッドモノグリセライド、フタレートエ
ステル、ヒマシ油のような)でもよい。本発明のエチル
セルロース水分散液の可塑剤として特に好ましいのはク
エン酸トリエチルである。
【0039】本発明の安定な放出制御をする処方は、た
とえば、胃液に取り入れられ曝され、次に腸液に取り入
れられ曝された時に、治療活性成分を徐々に放出する。
本発明の処方の制御されて放出されるパターンは変える
ことができる。たとえば、エチルセルロース水分散液で
オーバーコートする量を変えことにより、エチルセルロ
ース水分散液への可塑剤の添加法を変えることにより、
エチルセルロースに対する可塑剤の量を変えることによ
り、他の成分または賦形剤を加えることにより、製造法
を変えることによるなどして変えることができる。
【0040】本発明では広範な治療活性剤を用いること
ができる。本発明の組成物に用いることができる治療活
性剤(例、調剤学的薬剤)には水溶性の薬剤および水不
溶性の薬剤の両方が含まれる。このような治療活性剤の
例としては、抗ヒスタミン薬(例、ジメンヒドリネー
ト、ジフェンヒドラミン、クロロフェニラミン、および
ジクロロフェニラミンマレエート)、鎮痛薬(例、アス
ピリン、コディン、モルヒネ、ジヒドロモルフォン、オ
キシコドン等)、抗炎症薬(例、ナプロキシン、ジクロ
フェナック、インドメタシン、イブプロフェン、アセト
アミノフェン、アスピリン、スリンダック)、胃腸薬お
よび制吐薬(例、メトクロプラミド)、抗てんかん薬
(例、フェニトイン、メプロバメート、およびニトレゼ
パム)、血管拡張薬(例、ニフェディピン、パパベリ
ン、ジルチィアゼム、およびニカーディリン)、鎮咳薬
および去痰薬(例、コディンホスフェート)、抗喘息薬
(例、テオフィリン)、抗痙攣薬(例、アトロピン、ス
コポラミン)、ホルモン(例、インシュリン、レパリ
ン)、利尿薬(例、エルタクリム酸、ベンドロフルアザ
イド)、抗低血圧薬(例、プロパノールオール、クロニ
ジン)、気管支拡張薬(例、アルブテロール)、抗炎症
ステロイド(例、ヒドロコルチソン、トリアムシノロ
ン、プレドニソン)、抗生物質(例、テトラサイクリ
ン)、抗痔薬、睡眠薬、向精神薬、抗下痢薬、粘液溶解
剤(mucolytics)、鎮静薬、うっ血治療薬、緩下薬、制
酸薬、ビタミン、および興奮薬(フェノールプロパノー
ルアミンのような食欲抑制剤を含む)があげられる。上
記のリストは、その他のものを除外する意味のものでは
ない。
【0041】好ましい態様において、治療活性成分は、
ヒドロモルホン、オキシコドン、ジヒドロコデイン、コ
デイン、ジヒドロモルヒネ、モルヒネ、ブプレノルフィ
ン、これらの塩、および、これらの混合物等から成る。
【0042】エチルセルロース水分散液を、「νpar
iel」(商品名)18/20ビードのような不活性ビ
ードのコーティングに用いる時は、できた安定な放出制
御をするビードの複数個を、その後で胃液に取り入れら
れ接触した時に効果的に制御されて放出されるように十
分な量ゼラチンカプセルに入れることができる。この具
体化では、たとえば、治療活性剤を水中に溶解し、次に
ウルスターインサート(Wurster insert)を用いてたと
えば「νpariel」18/20ビードの基質に噴霧
して、治療活性剤でコーティングしたビードが調製され
る。所望によりコーティングの前に、ビードにヒドロモ
ルフォンが結合するのを助けるために、および/または
溶液を着色するためなどに他の成分を添加してもよい。
たとえば、着色剤と一緒にまたは着色剤を含まないヒド
ロキシプロピルメチルセルロース製品を溶液に添加し、
ビードに適用する前に溶液を混合(たとえば約1時間)
してもよい。この例で生成したコーティングされた基質
は、次に所望によりバリァー剤でオーバーコートして治
療活性成分をエチルセルロースコーティングから分離す
ることができる。適当なバリァー剤の一例は、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース(HPMC)から成るもの
である。しかしながら、当業に知られている任意のフィ
ルム形成剤を用いることができる。バリァー剤は最終製
品の溶解速度に影響しないものであることが好ましい。
【0043】HPMCプロテクト(所望による)ヒドロ
モルホンビードは次に、エチルセルロース水分散液でオ
ーバーコートすることができる。エチルセルロース水分
散液はさらに可塑剤たとえばクエン酸トリエチルを有効
量含むことが好ましい。「Aquacoat」または
「Surelease」のようなエチルセルロースの予
め処方した水分散液を用いることもできる。もし「Su
release」を用いるときは可塑剤を別に加える必
要はない。
【0044】本発明のコーティング溶液は、フィルム形
成剤、可塑剤、および、溶媒系(例、水)の他に、美感
を与え製品の判別のために着色剤を含有することが好ま
しい。その代わりに治療活性剤溶液を着色してもよく、
エチルセルロース水分散液を着色してもよい。たとえ
ば、アルコールまたはプロピレングリコールベースの着
色[粉砕したアルミニウムレーキおよび乳白剤(二酸化
チタンのような)]分散液を用いて、水溶性ポリマー溶
液に着色剤を剪断下で加え可塑化した「Aquacoa
t」に弱い剪断力を加えることにより着色することがで
きる。その他本発明の処方を着色することができる任意
の適当な方法を用いることができる。
【0045】治療活性剤から成る基質に、当業者に知ら
れている任意の適当な噴霧方法により、可塑化したエチ
ルセルロース水分散液を適用することができる。治療活
性剤の物性、可塑剤の添加方法などを考慮して、コーテ
ィングされた基質が水溶液たとえば胃液に曝された時に
治療活性剤が予め定めたように制御されて放出されるよ
うにするために、エチルセルロース水分散液の十分な量
を適用するのが好ましい。「Aquacoat」でコー
ティング後、「Opadry」(商品名)のようなフィ
ルム形成剤を所望によりさらにビードに適用する。この
オーバーコートはビードの凝集を実質的に減少するため
のものである。
【0046】次に、治療活性剤を安定した速度で放出す
るようにコーティングされたビードを硬化する。硬化
は、たとえば伝統的に強制通風オーブン中で60℃で2
〜24時間行なう。以下の例に示すようにこの標準的な
硬化は処方の溶解パターンを安定化しない。
【0047】本発明による硬化工程は、コーティングし
たビードを厳しい条件に置くことによって達成される。
すなわち、コーティングされた基質を、通常の、周囲の
(すなわち、室内の)温度および相対湿度より高い温度
および相対湿度に曝し、高温および/または高湿度に曝
されても実質的に影響されない溶解パターンとなるエン
ドポイントになるまで硬化を続ける。より具体的には、
本発明のコーティングされた基質は、コーティング溶液
(すなわち、エチルセルロース)のガラス転移点より高
い温度および周囲の湿度より高い湿度で硬化しなればな
らない。
【0048】標準的な方法、すなわち、2時間以上の6
0℃ドライ加熱で、硬化した従来技術での溶解パターン
の変化に対する一つの可能なメカニズムは、これらの製
品が貯蔵中硬化を続けることであり、製品が実質的にに
安定な溶解パターンとなるエンドポイントには決して到
達しない。これと対照的に、本発明の硬化製品では、治
療活性成分の放出速度は高温および高湿度に曝されても
実質的に影響されない。
【0049】本発明の好ましい具体化では、コーティン
グされた基質は所要時間高温/高湿度でオーブンで硬化
して安定な製品が得られる。特定の処方に対する最適の
温度、湿度および時間は、実験的に決められる。たとえ
ば約60%〜100%の相対湿度で約60℃の温度で約
48〜72時間エンドポイントに達するまでオーブンで
硬化して、安定な製品が得られる。これは、後に示す実
施例のヒドロモルホンビードの場合についてである。し
かしながら、当業者は、安定製品を得るためにはその処
方により必要な硬化条件はいくらか変わり、前記の温
度、湿度および時間の範囲は事実上広くなることがある
ことを認識するであろう。
【0050】本発明の放出制御をするコーティングが錠
剤に応用される時には、錠剤のコア(すなわち、基質)
は活性成分は任意の調剤学的に許容されるフィラーと共
に含有されることができる。フィラーの例としては、蔗
糖、結晶葡萄糖、ラクトース、微結晶セルロース、キシ
リトール、フラクトース、ソルビトール、およびこれら
の混合物等があげられるが、これらに限定されるもので
はない。錠剤コア成分の成型前に上記の賦形剤成分に、
カルシウムまたはマグネシウム石けんのような任意の調
剤学的に一般に許容される潤滑剤を添加することができ
る。最も好ましいのは、固体剤形の約0.5〜3重量%
の量のステアリン酸マグネシウムである。
【0051】ビードの調製について説明したのと同様な
方法で、本発明による放出制御をする処方を得るに十分
な量のエチルセルロース水分散液でオーバーコートした
錠剤が調製され硬化される。当業者は、安定製品を得る
ために必要な特定の高温度、高湿度および時間の範囲に
関する硬化条件はその処方によることを認識するであろ
う。
【0052】
【実施例の説明】
【例1】ヒドロモルホンHClを水に溶解し、「Opa
dry」Y−5−1442 明ピンク(ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、二酸化チタン、ポリエチレングリコール、および
D&C RedNo.30アルミニウムレーキを含有す
る)20w/w%を添加し、約1時間混合し、ウルスタ
ーインサートを用いて「νpariel」18/20ビ
ードに噴霧した。生成したコーティングされたビード
に、次に「Opadry」Y−5−1442明ピンク
(15w/w%)をオーバーコートした。生成した調製
物は表1の処方であった。
【0053】
【表1】
【0054】次に、このHPMCプロテクトヒドロモル
ホンを15w/w%「Aquacoat」(クエン酸ト
リエチルを含む)でオーバーコートし、次に硬化した後
(表2参照)「Opadry」明ピンク5w/w%でオ
ーバーコートした。高湿度で硬化したビードを、最終コ
ーティングの前に流動床で乾燥した。
【0055】
【表2】
【0056】この製品を四つの部分に分けた。例1で
は、このコーティングしたビードを、30ccの琥珀色
の壜に入れ、60℃/相対湿度85%で72時間オーブ
ン中で硬化した。比較例1Aでは、コーティングしたビ
ードをドライの条件で24時間硬化した。比較例1Bで
は、コーティングしたビードをドライの条件で72時間
硬化した。比較例1Cでは、コーティングしたビードを
相対湿度85%60℃で24時間硬化した。
【0057】上記の四種の硬化製品すべてについて、次
の条件で安定性の試験を行なった。室温;37℃ドラ
イ;37℃/相対湿度80%;50℃ドライ;60℃ド
ライ;および60℃/相対湿度85%。
【0058】60℃オーブン中の水で満たしたデシケー
ター中の相対湿度は次のようにして測定した。まず、約
500gの精製水をプラスチックのデシケーター中に注
ぎ金属のガードを挿入した。湿度計/温度計をガードの
頂部に置き、デシケーターの蓋をして、60℃オーブン
中に24時間置いた。24時間後、デシケーター中の相
対湿度は85%で、温度は依然として60℃であった。
60℃オーブン中に湿度計だけを24時間置くと、60
℃で相対湿度は9%であった。
【0059】溶解試験はアメリカ薬局方バスケット法
(USP Basket Method )により、30℃、100r
pmで、最初の1時間はpH1.2の700ml胃液
で、次にpH7.5で900mlで行なった。各例と
も、硬化したビードを規定量(8mg ヒドロモルホン
HCl、209mg ビード ±10%)含有するオー
プンカプセルを容器に入れて行なった。
【0060】例1の溶解は、この促進条件下で、60℃
/相対湿度85%の極端な条件の時変化が見られたのを
除き、変化しなかった。例1の結果を下表3〜8に示
す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】対照的に、比較例1A、1B、および1C
の溶解パターンは、すべての促進条件で遅く(すなわ
ち、硬化)なった。結果を各々表9、表10および表1
1に示す。
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【例2】 60℃でドライ加熱による硬化−長期乾燥 例2では、60℃/相対湿度85%硬化後得られた安定
な初期溶解が、湿分なしで長時間乾燥しても得られるの
ではないかということを調べるために、例1と同様にし
てヒドロモルホンHClビードを調製した。「Aqua
coat」でコーティングした後、ビードに「Opad
ry」Y−5−1442 明ピンクをさらにオーバーコ
ートした。コーティングした製品は表12に示す組成で
あった。
【0072】
【表12】
【0073】「Aquacoat」でコーティングした
ヒドロモルホンHClビードを次に60℃ドライオーブ
ンで硬化し、60℃乾燥加熱で貯蔵した。硬化したビー
ドをオープンゼラチンカプセルに入れ硬化ビードを規定
量(約8mgヒドロモルホンHCl)含有させ、三つの
サンプルについて、初期、1日、2日、7日、および2
1日の時点で例1で述べた方法で溶解を調べ、溶解パタ
ーンの安定性を測定した。溶解の検討は上述のように三
つのサンプルについて行なった。平均結果を表13に示
す。
【0074】
【表13】
【0075】表13の結果から、例1の高温/高湿度条
件に比べて、例2のサンプルの放出速度が著しくスロー
ダウンしていることは明らかである。換言すれば、例1
の基準レベルに溶解パターンが落ち着くエンドポイント
に達していない。
【0076】
【例3】 混合時間の延長 例3では、高温によってはエチルセルロースフィルムの
合着を確実にするには不十分であるとの前提に立って、
「Aquacoat」でコーティングしたヒドロモルホ
ンHClビードを安定化するもう一つの試みを行なっ
た。可塑剤と「Aquacoat」との正常の混合(お
よび結合)時間は30分である。例3では、可塑剤(ク
エン酸トリエチル)とエチルセルロースポリマー分散液
(Aquacoat)との接触時間を24時間に延長し
た。
【0077】例1に従ってコーティングされたビードを
調製し、30ccの琥珀色ガラス壜に入れ、60℃ドラ
イオーブンで硬化した。次に、三つのサンプルについて
1日、2日、7日、および11日の時点で溶解を調べ
た。平均結果を表14に示す。
【0078】
【表14】
【0079】表14の結果から、例2の高温/高湿度条
件に比べて、例2のサンプルの放出速度が著しくスロー
ダウンしていることは明らかである。換言すれば、例1
の基準レベルに溶解パターンが落ち着くエンドポイント
に達していない。
【0080】
【例4】 推奨されている硬化(従来技術) ヒドロモルホンHClを水に溶解し、「Opadry」
を添加し、約1時間混合し、次にウルスターインサート
を用いて「νpariel」18/20ビードに噴霧し
た。次に、コーティングされたビードを「Opadr
y」Y−5−1442 明ピンクでオーバーコート(1
5w/w%)した。次に、コーティングされたビード
を、表15に示すように15重量%増えるように「Aq
uacoat」の水分散液でオーバーコートした。
【0081】
【表15】
【0082】レジンをビードに適用した後、ビードを文
献に教示されているように60℃で約2時間流動床で硬
化した。何となれば、これは、固体レベル20%でのク
エン酸トリエチルで可塑化した「Aquacoat」の
Tgより高いからである。
【0083】硬化したビードを次に室温で貯蔵し、初期
および3か月で溶解を調べた。サンプルはまた37℃/
相対湿度80%でも貯蔵した。平均結果を表16に示
す。
【表16】
【0084】表16の結果から、室温で貯蔵したサンプ
ルは溶解パターンが許容できるものであることが分か
る。しかしながら、37℃/相対湿度80%で貯蔵する
とサンプルの溶解は著しく遅くなった。
【0085】例4のバッチからのサンプルを再包装し
て、貯蔵し、その後で一方は37℃でドライの条件下で
加熱し、一方は湿分下(37℃/相対湿度80%)で貯
蔵した。溶解結果を表17に示す。
【0086】
【表17】
【0087】上記の結果から、37℃でドライ条件下で
は例4の溶解は、37℃/相対湿度80%と同じエンド
ポイントに達していないことは明らかである。すなわ
ち、湿分と熱との両方の組合せが硬化を完了するのには
必要である。
【0088】
【例5〜7】可塑化エチルセルロース制御放出フィルム
の安定化の有効なプロセスとして、高温(60℃)、高
湿度の有効性を試験するために、異なったレベルの「A
quacoat」ロードで例5〜7を製造した。例5〜
7の各々について、例1に従ってヒドロモルホンビード
をつくった。その後で、例5〜7で表18〜20に示し
た処方で各々5w/w%、10w/w%および15w/
w%のオーバーコートを行った。
【0089】
【表18】
【0090】
【表19】
【0091】
【表20】
【0092】三つのバッチはすべて、60℃オーブン中
の水を装入したデシケーター中で硬化した。このHPM
CオーバーコートしたヒドロモルホンHClビードに
「Aquacoat」フィルムを適用した後、これらの
デシケーター中のスクリーントレイにこれらのバッチを
置いた。「Aquacoat」でコートしたビードを有
するデシケーターを次に60℃オーブン中に72時間置
いた。その後、バッチをオーブンから取り出した。ビー
ドは湿っていたので、実験室用流動床乾燥機中で1時間
乾燥した。これらは次に、ウルスターインサートを用い
て5w/w%「Opadry」Y−5−1442 明ピ
ンクでオーバーコートした。
【0093】例5〜7の安定性を調べたところ、初期溶
解は37℃/相対湿度80%条件に置いたサンプルと同
じ溶解であった。結果を表21〜23に示す。
【0094】
【表21】
【0095】
【表22】
【0096】
【表23】
【0097】
【例8】例8では、ヒドロモルホンを例6に従って10
%の「Aquacoat」でオーバーコートした。例8
のヒドロモルホンビードは、表24に示す処方である。
【表24】
【0098】例6より低い相対湿度での硬化の有効性を
試験するために、上記ビードを60℃/相対湿度60%
(相対湿度85%でなく)で72時間硬化した。例6と
同様な初期結果が例8で得られた。すなわち、硬化工程
はより低い相対湿度で完了できることを示している。結
果を表25に示す。
【表25】
【0099】
【例9〜10】例1で述べた方法に従って、ヒドロモル
ホンHClおよび「Opadry」Y−5−1442
明ピンク(20w/w%)の懸濁液を「νparie
l」18/20ビードに噴霧して、ヒドロモルホンHC
lビードを調製した。これらのビードをさらに「Opa
dry」Y−5−1442 明ピンク(15w/w%)
でコーティングした。これらのビードをさらに「Sur
elease」で10%の重量増となるレベルにコーテ
ィングした。コーティングされたビードの処方を表26
に示す。
【0100】
【表26】
【0101】このバッチを二つの部分に分けた。例9で
は、60℃/相対湿度85%で3日間(72時間)硬化
し、次に過剰の湿分を乾燥除去するために流動床乾燥機
で60℃で30分乾燥した。これらのビードを5%「O
padry」明ピンクでオーバーコートした。例10で
は硬化しないままにした。
【0102】例9および例10ともに、カプセルあたり
4mgヒドロモルホンの強さでハードゼラチンカプセル
に充填し、37℃/相対湿度80%で3か月貯蔵した。
例9および例10について、初期および37℃/相対湿
度80%で3か月貯蔵後に溶解を調べた(例1で述べた
方法に従って)。結果を表27および28に示す。
【0103】
【表27】
【0104】
【表28】
【0105】この結果は、違ったエチルセルロース水分
散液(「Aquacoat」に対して「Surelea
se」)を使ったことによる予期された初期放出速度の
差にもかかわらず、例9について述べた硬化工程は硬化
してない例10の未硬化製品に比べて製品を相当に安定
化していることを示している。「Surelease」
を用いたものに比べ「Aquacoat」を用いた例で
の制御放出速度が比較的速いのは、コーティング処方の
調製中の可塑化の程度が低いからであろう。しかしなが
ら、いずれのコーティングを用いた製品も満足な結果が
えられるように変更することができる。
【0106】
【例11】本例は、本発明によるモルヒネビードの安定
化の例示である。モルヒネ硫酸塩およびHPMC(「O
padry」透明Y−5−7095)の懸濁液を、流動
床造粒機中の18/20メッシュ「νpariel」ビ
ードにウルスターカラムインサートを用いて60℃で適
用した。次にオーバーコートとして紫色の着色懸濁液
(「Opadry」lavender YS−1−47
29)を同じ温度で適用した。次にビードを、5重量%
増となる「Aquacoat」および可塑剤としてクエ
ン酸トリエチルを入口60℃でオーバーコートした。次
にビードを60℃/相対湿度100%で3日間オーブン
で硬化した。次にビードを流動床造粒機中で60℃で乾
燥し、ウルスターカラムを用いて紫色HPMCオーバー
コートを行なった。
【0107】次にビードを、カプセルあたり30mgモ
ルヒネ硫酸塩の強さでハードゼラチンカプセルに充填し
た。最終処方は表29に示す。
【表29】
【0108】900mlの水中、100rpmでアメリ
カ薬局方パドル法によりカプセルの初期溶解試験を行
い、37℃/相対湿度80%および60℃ドライで1ケ
月貯蔵後溶解試験を行った。安定な製品ができたことが
観察された。結果を表30に示す。
【0109】
【表30】
【0110】
【例12】モルヒネ硫酸塩について例11に記載の第二
の実験を行なった。但し、モルヒネ製品の放出をより遅
くするために遅延剤「Aquacoat」層を15%重
量増になるように適用した。最終処方を表31に示す。
【表31】
【0111】この30mgモルヒネ硫酸塩カプセルの初
期溶解を例10に記載のように行い、37℃/相対湿度
100%および60℃ドライで1か月貯蔵した後に再び
溶解試験を行なった。ここでも、安定な製品が得られた
ことが観察された。結果を表32に示す。
【0112】
【表32】
【0113】
【例13〜14】例13では、他の薬でありヒドロモル
ホンに比べて非常に物性が異なるテオフィリンについて
の応用を示す。まず含水テオフィリンおよびコロイド状
二酸化ケイ素を高剪断ミキサーで混合し、次にジェット
篩を用いて篩い流動性を増した。ロータープロセッサー
を備えた流動床造粒機を用いて、PVP(C−30)溶
液を用いて砂糖球の上にテオフィリン/二酸化ケイ素コ
ロイド混合物の層を設けた。78%ロードになるまで層
がけした。カプセルに充填した400mgテオフィリン
ビードの処方を表33に示す。
【0114】
【表33】
【0115】これらの球を、ジブチルセバケートで可塑
化した「Aquacoat」ECD30遅延剤で5%重
量増で流動床造粒機中のウルスターカラムでオーバーコ
ートした。球の一部は未硬化のままにし、他の部分は6
0℃/100%相対湿度で72時間貯蔵し、表34に示
す結果が得られた。
【0116】
【表34】
【0117】上記から、「Aquacoat」でコーテ
ィングしたテオフィリンも安定でなく硬化する必要があ
ることが分かる。60℃/相対湿度85%で72時間貯
蔵後、溶解速度が劇的に下がった。しかしながら、ある
場合にはこのような状態は安定な製品とするのに「理想
的な」硬化条件であることもある。この目的のために
は、60℃/相対湿度85%で72時間後の溶解データ
ーはテオフィリンの溶解パターンとしては遅すぎる。
【0118】従って例14では、この新しい硬化工程を
加えることにより処方の溶解パターンを改善し、12時
間内に100%テオフィリンが溶解する速度に増すよう
にコーティングを変更した。例14では次のように調製
した。テオフィリン粉末層化ビードを例13に記載のよ
うにしてつくり、この例では10%HPMC(ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース)を加えて可塑化した「A
quacoat」ECD30遅延剤でオーバーコートし
た。これはテオフィリンの放出を例13より速くするた
めに、そのようにしたのである。HPMCを加えると溶
解が速くなることは当業に知られている。遅延剤層も、
流動床造粒機のウルスターカラムで6%重量増となるよ
うにコーティングした。
【0119】コーティングしたビードは次に60℃/相
対湿度85%で72時間硬化した。初期および37℃/
相対湿度80%で3か月貯蔵した後に溶解試験を行なっ
た。例14の処方からのテオフィリンの溶解の安定性は
例13に比べて劇的に改良されたことが分かった。さら
に、遅延剤層にHPMCを、「Aquacoat」EC
D30(固体)HPMCを9:1の割合で加え、重量増
6%にするとこの処方の放出速度は、12時間内にテオ
フィリンが100%に増加することが分かった。結果の
詳細を表35に示す。
【0120】
【表35】
【0121】以上示した例は他を除外する意味のもので
はない。当業者には、本発明の多くのその他の変化が明
らかであろう。たとえば、最も好ましい疏水性ポリマー
であるエチルセルロースについて本発明を説明したが、
その他のセルロース誘導体のような他の疏水性ポリマー
も本発明と組み合わせて有用であることが考えられる。
同様に、処方(オーバーコートの量、治療活性成分の性
質など)により硬化条件を必要によりいくらか変化し、
温度、湿度および時間について変化した範囲で安定化し
た製品が得られるようにできることが認識できるであろ
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1の溶解結果を示すグラフであり、初期の溶
解パターンと37℃/相対湿度80%で8週間貯蔵した
後の溶解パターンとを比較したものである。
【図2】例1Aの溶解パターンを示すグラフであり、初
期の溶解パターンと37℃/相対湿度80%で8週間貯
蔵した後の溶解パターンとを比較したものである。
【図3】例1Bの溶解パターンを示すグラフであり、初
期の溶解パターンと37℃/相対湿度80%で8週間貯
蔵した後の溶解パターンとを比較したものである。
【図4】対湿度80%で8週間貯蔵した後の溶解パター
ンとを比較したものである。
【図5】例1の初期の溶解パターンと種々の条件下で8
週間貯蔵した後の溶解パターンとを比較したものであ
る。
【図6】種々の硬化条件(60℃ドライで2時間硬化
(従来技術)、60℃/相対湿度85%で72時間(例
1)、60℃/相対湿度85%で24時間(比較例1
A)、60℃ドライで24時間(比較例1B)、および
60℃ドライで72時間(比較例1C))の後得られた
初期溶解パターンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/52 47/38 C D (72)発明者 マーク チェイシン アメリカ合衆国,07726 ニュージャージ ー州,マナレイパン,ウェイン コート 3 (72)発明者 フランク ペディ アメリカ合衆国,10598 ニューヨーク州, ヨークタウンハイツ,ハイアット ストリ ート 2773

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑化したエチルセルロースの水分散液
    及び治療活性成分を含有する固体基質を調製し、 該基質をそのエチルセルロース水分散液の充分な量でオ
    ーバーコートしてこのコーティングされた基質が水溶液
    に曝された時に該治療活性成分をあらかじめ定めたパタ
    ーンに放出制御されるようにし、 このコーティングされた基質を該エチルセルロース水分
    散液のガラス転移点より高い温度でかつ周囲の相対湿度
    より高い相対湿度の厳しい条件で硬化し、該基質が高い
    温度および/または湿度の貯蔵状態にさらに曝されても
    実質的に影響を受けない溶解パターンとなるエンドポイ
    ントまで硬化を続けることを特徴とする安定な放出制御
    処方を得る方法。
  2. 【請求項2】 未硬化のまたは実質的に未硬化の処方
    を、該処方の溶解パターンを測定しながら実質的に安定
    するまで、厳しい貯蔵条件に曝して、エンドポイントを
    決める請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 エンドポイントに基づいて治療活性成分
    の所望の溶解パターンが得られるように処方を変更する
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 治療活性成分を調剤学的に許容されるビ
    ード表面にコーティングし硬化したビードの十分な量を
    カプセルに入れ経口剤とする経口投薬用基質を調製する
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 治療活性成分を錠剤に加えることにより
    経口投薬用基質を調製する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 エチルセルロース水分散液でオーバーコ
    ートする前に治療活性成分をバリァー剤とともに含有さ
    せることにより基質をオーバーコートする請求項1記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 バリァー剤がヒドロキシプロピルメチル
    セルロースである請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 約60%〜100%の相対湿度で、コー
    ティングのガラス転移点より高温でエンドポイントに達
    するまで約48〜72時間コーティングされた粒子を硬
    化する請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 治療活性成分が、抗ヒスタミン薬、鎮痛
    薬、抗炎症薬、胃腸薬、制吐薬、抗てんかん薬、血管拡
    張薬、鎮咳薬、去痰薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、ホルモ
    ン、利尿薬、抗低血圧薬、気管支拡張薬、抗炎症ステロ
    イド、抗生物質、抗痔薬、睡眠薬、向精神薬、抗下痢
    薬、ムコ多糖類加水分解剤、鎮静薬、うっ血治療薬、緩
    下薬、制酸薬、ビタミン、および、興奮薬の群から選択
    された請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 治療活性成分が、ヒドロモルホン、オ
    キシコドン、ジヒドロコデイン、コデイン、ジヒドロモ
    ルヒネ、モルヒネ、ブプレノルフィン、これらの塩、お
    よび、これらの混合物の群から選択された請求項1記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 治療活性成分がテオフィリンである請
    求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 治療活性成分より成る基質を含む安定
    な放出制御をする固体剤形において、該基質が可塑化し
    たエチルセルロース水分散液でオーバーコートされ、該
    可塑化エチルセルロース水分散液のガラス転移点より高
    い温度でかつ周囲の相対湿度より高い相対湿度において
    硬化され、この硬化された基質が融解状態になり高い温
    度および/または湿度の貯蔵状態に曝されても実質的に
    影響を受けなくなるように安定な融解状態になるまで硬
    化されたことを特徴とする剤形。
  13. 【請求項13】 治療活性成分がエチルセルロース水分
    散液で約5〜15%増すようにオーバーコートされた請
    求項12記載の安定な放出制御をする固体剤形。
  14. 【請求項14】 治療活性成分がコーティングされたう
    えにさらに不活性な調剤学的に許容されるビードが含ま
    れる請求項13記載の安定な放出制御をする固体剤形。
  15. 【請求項15】 水溶液と接触したときに有効に薬剤を
    放出制御するのに十分な量の複数のコーティングされた
    硬化したビードがカプセルに含まれている請求項14記
    載の安定な放出制御をする固体剤形。
  16. 【請求項16】 治療活性成分が、抗ヒスタミン薬、鎮
    痛薬、抗炎症薬、胃腸薬、制吐薬、抗てんかん薬、血管
    拡張薬、鎮咳薬、去痰薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、ホルモ
    ン、利尿薬、抗低血圧薬、気管支拡張薬、抗炎症ステロ
    イド、抗生物質、抗痔薬、睡眠薬、向精神薬、抗下痢
    薬、ムコ多糖類加水分解剤、鎮静薬、うっ血治療薬、緩
    下薬、制酸薬、ビタミン、および、興奮薬の群から選択
    された請求項12記載の安定な放出制御をする固体剤
    形。
  17. 【請求項17】 治療活性成分が、ヒドロモルホン、オ
    キシコドン、ジヒドロコデイン、コデイン、ジヒドロモ
    ルヒネ、モルヒネ、ブプレノルフィン、これらの塩、お
    よび、これらの混合物の群から選択された請求項12記
    載の安定な放出制御をする固体剤形。
  18. 【請求項18】 治療活性成分がテオフィリンである請
    求項12記載の安定な放出制御をする固体剤形剤。
  19. 【請求項19】 経口投薬用の安定な放出制御をする固
    体剤形において、治療活性成分とともに複数の適当な不
    活性な調剤学的に許容されるビードを含み、該固体剤形
    が水溶液に曝された時に該治療活性成分を放出制御する
    に適当な厚みのエチルセルロースオーバーコートを含
    み、該エチルセルロースオーバーコートは適当な可塑化
    剤とともにエチルセルロースの水分散液から得られるも
    のであり、このエチルセルロースコート固体剤形は高い
    温度と湿度の圧力下の条件で硬化し高い温度および/ま
    たは湿度の貯蔵状態に曝されても実質的に影響を受けな
    くなるように安定な融解状態になるまで硬化されたこと
    を特徴とする剤形。
  20. 【請求項20】 約60%〜100%の相対湿度で可塑
    化エチルセルロースコーティングのガラス転移点より高
    温で約48〜72時間硬化された請求項19記載の安定
    な放出制御をする固体剤形。
  21. 【請求項21】 水溶液と接触したときに有効な制御さ
    れた薬剤を放出するのに十分な量の複数のコーティング
    された硬化ビードがカプセルに含まれている請求項19
    記載の安定な放出制御をする固体剤形。
  22. 【請求項22】 治療活性成分が、抗ヒスタミン薬、鎮
    痛薬、抗炎症薬、胃腸薬、制吐薬、抗てんかん薬、血管
    拡張薬、鎮咳薬、去痰薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、ホルモ
    ン、利尿薬、抗低血圧薬、気管支拡張薬、抗炎症ステロ
    イド、抗生物質、抗痔薬、睡眠薬、向精神薬、抗下痢
    薬、ムコ多糖類加水分解剤、鎮静薬、うっ血治療薬、緩
    下薬、制酸薬、ビタミン、および、興奮薬の群から選択
    された請求項19記載の安定な放出制御をする固体剤
    形。
  23. 【請求項23】 治療活性成分が、ヒドロモルホン、オ
    キシコドン、ジヒドロコデイン、コデイン、ジヒドロモ
    ルヒネ、モルヒネ、ブプレノルフィン、これらの塩、お
    よび、これらの混合物よりなる群から選択された請求項
    19記載の安定な放出制御をする固体剤形。
  24. 【請求項24】 治療活性成分がテオフィリンである請
    求項19記載の安定な放出制御をする固体剤形。
  25. 【請求項25】 治療活性成分、および、水溶液と接触
    したときに有効な制御された薬剤を放出するのに十分な
    量のエチルセルロースの水分散液から得られたオーバー
    コーティングより成るコアを含む固体剤形において、オ
    ーバーコートの後に、該治療活性成分が高い温度および
    /または湿度の貯蔵状態に曝されても実質的に影響を受
    けずに放出されるように硬化されることを特徴とする剤
    形。
  26. 【請求項26】 コーティングされた基質が胃液のよう
    な水溶液に曝された時に治療活性成分を制御されて放出
    するに十分な量の可塑化エチルセルロース水分散液から
    得られたオーバーコートを有する治療活性成分を含む基
    質安定化法において、周囲の常態より高い温度および湿
    度レベルで該治療活性成分が高い温度および湿度で貯蔵
    されても放出速度が実質的に影響されない状態になるよ
    うな時間の間このコーティングされた基質を硬化するこ
    とを特徴とする基質安定化の方法。
  27. 【請求項27】 治療活性成分を調剤学的に不活性なビ
    ードの表面に適用し、約85%の相対湿度で可塑化エチ
    ルセルロースコーティングのガラス転移点より高温で約
    48〜72時間オーブン中で硬化する請求項26記載の
    方法。
  28. 【請求項28】 治療活性成分含有基質を有する安定な
    放出制御をする固体剤形において、該治療活性成分が高
    い温度および/または湿度の貯蔵状態に曝されても実質
    的に影響を受けずにin−vitroに放出されるよう
    な最終製品を得るに必要な時間周囲の状態より高い適当
    な温度および相対湿度レベルで硬化して安定化したエチ
    ルセルロース水分散液から得られた放出を制御するコー
    ティングで該基質がオーバーコートされていることを特
    徴とする固体剤形。
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