JP2013526523A - メトプロロールを含むアルコール耐性持続放出性経口剤形 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本開示は、粘度調整剤(脂質でない)を含む基質と、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を含む被覆顆粒とを有する持続放出性経口剤形に関するものである。前記剤形はアルコール耐性を有し、さらに粉砕抵抗性を有することも可能である。
【選択図】 なし
【選択図】 なし
Description
関連出願の相互参照
本出願は2010年5月11日の日付で出願された米国特許仮出願第61/333,531号の利益を主張するものであり、その開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は2010年5月11日の日付で出願された米国特許仮出願第61/333,531号の利益を主張するものであり、その開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、メトプロロール、および薬理学的に許容される塩類、およびそれらの溶媒和物(例えば、水和物)の非脂質基質ベースのアルコール耐性持続放出性剤形に関連するものである。
経口薬は一般的に錠剤またはカプセルとして処方される。大部分の薬において、最低限の治療効果のあるレベルを上回るよう体内での薬物濃度を維持するために、これらの剤形は頻回に投与される(4時間、6時間、8時間毎など)。特に患者に複数の薬の投与を行う場合、そのような投与計画は、度重なる間違った服用の発生に起因する服薬不履行および治療的な複雑化につながる可能性がある。この問題に対処するため、薬を持続放出性剤形として、反復投与を長時間持続して放出される剤形に結合し、それにより投与頻度を日に1回または2回に減らし処方する。
経口投与の剤形からの薬の放出を持続させるためいくつかのアプローチがあるが、それらはリザーバーまたはマトリックスシステムに分類することが可能である[Colombo et al.,2008,Swellable and Rigid Matrices:Controlled Release Matrices with Cellulose Ethers.In:Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Volume2:Rational Design and Formulation.Third Edition,Augsbrger,L.and Hoag,S.(eds.).Informa Healthcare,New York,London]。リザーバーシステムは薬物拡散が遅い水不溶性ポリマーまたは脂質で薬を装填した中核部を被覆することを基礎とする。マトリックスシステムは、それぞれ非常に複雑なまたは非常に粘度の高い基材を形成するためにプラスチックまたはゲル化材料を用いることを基礎とする。増加した屈曲度または粘度は、より遅い薬物拡散を誘導し、それゆえに剤形からのより遅い放出に至る。両方の系について、用いられる放出持続する賦形剤の量は、いくつかの要因、最も特に薬剤溶解度、服用量、および目的とする放出率により決定される。水溶性の高いの薬剤にとり、放出を維持する賦形剤の高い濃度は強固な錠剤を作成するために必要であり、結合剤および潤滑剤のような他の賦形剤に加え、必要とされる。飲み込むのに適当な範囲内(例えば、1グラムまたはそれ以下)で最終的な剤形サイズを維持することが難しいため、高い賦形剤量という条件は高用量の薬剤の製剤では特に大きな課題となる。
高用量で高い水溶解度を持つ薬剤の持続放出性剤形を製剤するためのもう一つの課題は、放出を維持する成分のアルコールへの感受性であり、致命的となりうる用量ダンピングを誘発する。例えば、2005年に、FDAは、1日1回のヒドロモルフォン維持放出性カプセルのメーカーに、その製品をアルコールと共に摂取した場合生じた重篤で潜在的に致命的な薬害反応を理由に、製品販売を停止することを求めた。薬剤放出の調節に用いられる医薬品等級賦形剤のいくつかは、類似する同様の剤形を、用量ダンピングを誘導するアルコールに影響されやすい状態にするアルコールに可溶である。これらの賦形剤は、これに限定されるものではないが、エチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリ(オキシエチレン、オキシプロピレン)、ポリ(メタクリル酸、メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸、アクリル酸エチル)、ポリ(アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、塩化トリメチルアンモニオメタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル)、セトステアリルアルコール、ポリビニル酢酸フタル酸、およびセラックを含む。
考案者は、医薬品等級賦形剤の多くが持つアルコール感受性のために、アルコールまたは含水アルコール溶媒に大部分の脂質が不溶性であるのため、薬剤放出を持続し、アルコール耐性を与えるため脂質の基質を用いる策を取った。しかしながら、薬剤放出を持続させるための脂質の基質の使用は、以下を含むいくつかの不利益をもたらす。
1.脂質の物理的および化学的不安定性。大部分の脂質は複雑な遊離基反応を通して保管に関して酸敗臭を放つ傾向がある(Craig,D.Q.M.,2004.Lipid Matrices for Sustained Release−An Academic Review.Bulletin Technique Gattefosse No97)。
2.ほぼすべての脂質はまた、物理的状態が変化(多形移行、および/または無形体化)する傾向があり、剤形の特徴および性能に影響を及ぼす可能性がある。Souto,E.B.,Menhert,W.,Muller,R.H.,2006.Polymorphic behavior of Compritol(登録商標)888ATO as bulk lipid and as SLN and NLC.J.Microencaps.23(4),417−433.Hamadani,J.,Moes,A.J.,Amighi,K.,2003.Physical and thermal characterization of Precirol(登録商標) and Compritol(登録商標) as lipophilic glycerides used for the preparation of controlled release matrix pellets.Int.J.Pharm.,260,47−57)。
3.脂質ベースの持続放出性剤形は、経年劣化により試験管内の溶出特性が変化する傾向がある(Khan,N and Craig,D.Q.M.,2004.The role of blooming in determining the storage stability of lipid based dosage forms.J.Pharm.Sci.,93,2962−2971.Choy,Y.W.,Nurzaline Khan,Yuen,K.H.,2005.Significance of lipid matrix aging on in vitro release and in vivo bioavailability.Int.J.Pharm.,299,55−64.San Vicente,A.,Hernandez,R.M.,Gascon,A.R.,Calvo,M.B.,Pedraz,J.L.,2000.Effect of aging on the release of salbutamol sulfate from lipid matrices.Int.J.Pharm,208,13−21)。
4.錠剤およびカプセル充填のような単純な剤形製造工程は、多くの脂質系に容易に適用できない(Craig,D.Q.M.,2004.Lipid Matrices for Sustained Release−An Academic Review.Bulletin Technique Gattefosse No97)。
5.脂質の基質に基づく持続放出性剤形は、剤形の品質に影響を及ぼす食物による消化酵素の分泌の増加により、他の剤形と比較し、より食物の影響を受ける傾向にある。
6.剤形の品質およびそれゆえの胃腸酵素の影響に対する放出特徴との依存関係は、脂質ベースの剤形がより個体間および個体内でのばらつきを示す原因となった(Craig,D.Q.M.,2004.Lipid Matrices for Sustained Release−An Academic Review. Bulletin Technique Gattefosse No97)。
メトプロロールは、高血圧、狭心症および心筋梗塞を治療するのに用いられる選択性β1−アドレナリン受容体遮断剤である。3つの塩形態、すなわち、コハク酸塩、フマル酸塩、および酒石酸塩が米国で承認されており、全ての投薬量は酒石酸塩に対する同等性により算出される。静脈注射(1mg/ml)のためのアンプルのみならず、毎日1回の投与のための(酒石酸塩等量、25、50、および100mg)即時放出性経口錠剤、(酒石酸塩等量、25、50、100、200、300、および400mg)持続放出性経口錠剤またはカプセルとして用いられる。酒石酸塩およびコハク酸塩類は、水に対し非常に高い溶解性を持つ。持続放出性製剤に必要とされる高い水溶性および高用量は、アルコール耐性持続放出性製剤としてメトプロロール塩類を処方することにおいて重大な課題をもたらす。
本発明はアルコール耐性持続放出性剤形に脂質の使用に頼ることなくメトプロロール、および薬理学的に許容される塩類(例えば、酒石酸塩またはコハク酸塩)、および溶媒和物(例えば水和物)を処方することにより、上記の課題について対処することを目標とする。
メトプロロール、および薬理学的に許容される塩類、およびそれらの溶媒和物の非脂質基質ベースのアルコール耐性持続放出性剤形を提供する。より詳しくは、本発明は、高用量に存在する非常に高い水溶性の薬を有する粘度調整剤(しかし、脂質成分ではない)および被覆顆粒を含む基質を有するメトプロロール、および薬理学的に許容される塩類(例えば、酒石酸塩またはコハク酸塩、)、および溶媒和物(例えば、水和物)のアルコール耐性持続放出性剤形に関するものである。
本明細書に解説されるように、一般的に、日に1回、または日に2回のような、放出を持続させる投薬量はより高い濃度の薬学的に効果のある成分を含む。それらが破砕され、アルコールと共に服用、および/または食事中に服用される場合、特に剤形が薬学的に効果のある成分のダンピング(短期間に効果のある成分の望ましくない高濃度の放出)の影響を受けやすい場合、薬学的に効果のある成分のそのようなより高い濃度は剤形をより危険なものにする。したがって、用量ダンピングの1若しくはそれ以上の原因に耐性を持つ剤形が望ましい。
「非脂質基質ベースの」は、前述の剤形の基質構成要素の中で脂質を含まない、加えて食物の影響を受けないアルコール耐性持続放出性剤形を指す。それが食物とともに、対して食物と別に消費される場合、食物の影響に耐性のある剤形は、剤形のCmaxが50%、45%、40%、または35%以上変化しないことを意味する。それらの安全性が患者の薬剤服用順守に依存しているものではないため、当業者は食物の影響に抵抗性を持つ製剤がより安全であると高く評価するであろう。
本明細書に解説されるように、「脂質」への言及は、約6以下の親水性/親油性バランス(HLB)を有し、そのうえ30℃以上である融点を有する疎水性合成物を意味する。それらが同じ仕様を満たす場合、本用語は脂肪またはワックスで相互に用いることが可能である。脂質は、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪エステル類またはワックスである可能性がある。脂肪酸は置換される、または置換されない、飽和、または不飽和である可能性がある。しかしながら、それらは少なくとも約14の炭素原子の鎖長を有する。脂肪エステル類はmono−、di−、およびtri−脂肪酸置換エステルを形成するためにアルコール類、グリコール、またはグリセロールに結合する脂肪酸を含む可能性がある。例は、ベヘン酸グリセロール(COMPRITOL(登録商標))、パルミトステアリン酸グリセロール(PRECIROL(登録商標))、ステアロイルマクログリセリド(GELUCIRE(登録商標))、昆虫および動物性ワックス、木蝋、鉱蝋、石油ワックス、および合成ワックスのようなグリセリン脂肪酸エステル、脂肪グリセリド誘導体、および脂肪アルコールを含む。
1実施形態において、本明細書に解説されるように、剤形は、500mlの0.1N塩酸において6時間後に、薬の約80%未満が放出されるような放出特性を有する。
さらに、本明細書に解説されるように、剤形はアルコール耐性を有し、多くは粉砕抵抗性を有する可能性がある。このように、別の実施形態において、0.1N塩酸および40%アルコール溶液において2時間後に放出される薬のパーセント(%)は、アルコール非存在下の0.1N塩酸の溶液において放出される同一の薬のパーセントより、10%ポイントを超えない。いくつかの実施形態において、経口タンパリングをシミュレーションした30分後の剤形からの薬の放出は、約50%未満である。
剤形はまた、食物の影響に抵抗する可能性がある。断食した被験者から標準的な食事を摂食した被験者までの薬物動態学的パラメータを比較することにより食物の影響への耐性を同定する。場合によっては、標準的な食事は、高脂肪(すなわち、カロリーの約50%が脂肪由来である)、高炭水化物、または他の任意の標準的な食事である可能性がある。他の剤形と比較する場合、食物の影響(すなわち、断食および摂食した状態を比較した薬物動態学的パラメータにおける%変化)に対し耐性を持つ剤形は、様々な時点でのCmax、Tmax、またはAucのような薬物動態学的パラメータにおいて、より小さな%変化を示す。例えば、製剤は摂食と断食したデータとの間でTmaxにおいて0%の変化を示す可能性があり、したがって、食物の影響に耐性を持つものとして分類される可能性がある。しかしながら、異なる製剤は、摂食と断食したデータとの間で、Tmaxにおいて60%の変化を示す可能性がある。このように、60%の変化を示した製剤は、Tmaxにおいて0%の変化を示した製剤より食物の影響に対し耐性を有しない。場合によっては、Tmaxの%変化は、製剤およびその食物の影響に対する抵抗に依存し、50%、45%、40%、35%、30%、20%、15%未満である。
いくつかの実施形態において、少なくとも5人の絶食した健康なヒトの1集団においてテストし、少なくとも5人の摂食したヒトの1集団とを比較した場合、本明細書に記述されるように、平均Cmaxの%変更は約50%、45%、40%、30%、25%、20%または15%未満である。当該技術分野で知られている任意の方法を用い、医薬品有効成分ヒト血漿サンプルの濃度を測定することが可能であり、例えばオピオイドをテストする場合、タンデム質量分析検出(LC−MS/MS)による有効な高性能液体クロマトグラフィー方法が使用される可能性がある。
我々が本明細書に提供する本発明の1つの特定の実施形態において、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物のアルコール耐性持続放出性製剤は、その基質が剤形の約1〜約60重量%までの量で粘度調整剤を含む基質、および前述のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を有する被覆顆粒を含み、そこでの基質は脂質を含まない。
我々が提供する別の実施形態において、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物の1日1回の投与のアルコール耐性持続放出性剤形は、その基質が剤形の約1〜約60重量%までの量で粘度調整剤を含む基質、および前述のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を有する被覆顆粒を含み、そこでの基質は脂質を含まない。
我々が提供する別の実施形態において、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物の1日2回の投与のアルコール耐性持続放出性剤形は、その基質が剤形の約1〜約60重量%までの量で粘度調整剤を含む基質、および前述のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を有する被覆顆粒を含み、そこでの基質は脂質を含まない。
本明細書で用いられるメトプロロールの薬理学的に許容される塩類は、窒素原子を基礎とする化合物および適当な酸から形成される任意の塩類である可能性がある。例は、これに限定されるものではないが、酒石酸塩、コハク酸塩、およびフマル酸塩を含む。
本明細書で用いられるメトプロロールの薬理学的に許容される溶媒和物は、結晶の溶媒と呼ばれる結晶構造の中に溶媒を封入する任意のメトプロロールの結晶を含む。溶媒が水である場合、形成された結晶質の材料は水和物と呼ばれ、他の溶媒において形成された結晶質の材料は、溶媒和物と呼ばれる。他の溶媒は、これに限定されるものではないが、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル炭化水素、およびフルオロ炭化水素を含む。
好ましくは、メトプロロールはメトプロロール酒石酸塩またはメトプロロールコハク酸塩として、本発明に従い処方される。
本発明に従う粘度調整剤は、例えば、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリアクリル酸、ゼラチン、ペクチン、ゴム、ポリエチレンオキシド、コンニャク粉、カラギナン、キサンタンゴム、またはそれらの混合物から成る群から選択されることが可能である。例えば、粘度調整剤は、天然または合成デンプン、天然または合成セルロース、アクリル酸塩、およびポリアルキレンオキシドのようなゲル化ポリマーである可能性がある。いくつかの実施形態において、ゲル化ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースから成る群から選択される。例えば、場合によっては、ゲル化ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである可能性がある。
いくつかの実施形態において、基質において用いられる粘度調整剤(本明細書において以下「第1の粘度調整剤」)は、剤形の約5〜約45重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第1の粘度調整剤は、剤形の約25〜約45重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第1の粘度調整剤は、剤形の重量の約30%からの量で存在する。
本明細書に解説されるように、被覆顆粒は、顆粒の約10〜約90重量%の量のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物、顆粒の約1〜約90重量%の量の第1の強力被膜形成剤、顆粒の約1〜約90重量%の量の第2の粘度調整剤、および顆粒の約0〜約40重量%の量の脂肪/ワックス、およびそこでのコーティングが被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で存在し、そこでのコーティングは被覆顆粒の約1〜約50重量%の量での第2の強力被膜形成剤、および被覆顆粒の約0〜約30重量%の量での抗粘着剤を含む顆粒のコーティングを有する顆粒を含む可能性がある。
第1および第2の強力被膜形成剤は、例えば、天然および合成デンプン、天然および合成セルロース、アクリル、ビニル樹脂、樹脂、メタクリル酸塩、またはセラックから成る群から独立して選択されることが可能である。例えば、第1および第2の強力被膜形成剤は、エチルセルロース、B型アンモニオメタクリル酸共重合体、A型アンモニオメタクリル酸共重合体、アミノメタクリル酸共重合体、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチル共重合体分散系、A型メタクリル酸共重合体、B型メタクリル酸共重合体、およびセラックから成る群から独立して選択されることが可能である。いくつかの実施形態において、第1の強力被膜形成剤および第2の強力被膜形成剤は同一である。いくつかの実施形態において、第1および第2の強力被膜形成剤はエチルセルロースである。
いくつかの実施形態において、第1の強力被膜形成剤は、顆粒の約5〜約40重量%の量で存在する。例えば、第1の強力被膜形成剤は、顆粒の約10〜約30重量%の量で存在する可能性がある。
第2の粘度調整剤は、例えば、第1の粘度調整剤のために上に定義した同じ群から選択される可能性がある。例えば、第2の粘度調整剤は、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリアクリル酸、ゼラチン、ペクチン、ゴム、ポリエチレンオキシド、コンニャク粉、カラギナン、キサンタンゴム、またはそれらの混合物からなる群から選択される可能性がある。いくつかの実施形態において、第2の粘度調整剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースから成る群から選択される。例えば、第2の粘度調整剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースである可能性がある。
いくつかの実施形態において、第2の粘度調整剤は、顆粒の約1〜約60重量%の量で存在する。例えば、第2の粘度調整剤は、顆粒の約5〜約30重量%の量で存在する可能性がある。
脂肪/ワックスは、室温および一般的な貯蔵条件(15〜30℃)よりはるかに高い融点を有する脂質の群から選択されることが可能である。もっとも好ましくは、脂肪/ワックスは、60℃以上の融点を有する脂質の群から選択されることが可能である。高い融点を持つ脂質は、上述の脂質を用いる不利益のいくつかを回避させる胃リパーゼに対する安定性、およびより低い感受性を改善した。例えば、脂肪/ワックスは、ベヘン酸グリセロール、カルナウバワックス、および蜜ろうからなる群から、独立して選択されることが可能であり、いくつかの実施形態において、脂肪/ワックスは、ベヘン酸グリセロールである。
いくつかの実施形態において、脂肪/ワックスは、被覆顆粒の約10〜約25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、顆粒は脂肪/ワックスを含まない。
いくつかの実施形態において、コーティングは、被覆顆粒の約10〜約50重量%の量で第2の強力被膜形成剤を含む。
抗粘着剤は、コーティングの間、凝集による粒子成長を防止することが可能な上に述べたような脂肪/ワックスまたは他の化学物質である可能性がある。1実施形態において、適当な抗粘着剤は、ステアリン酸性塩、タルク、およびデンプンを含む材料の群から選択されることが可能である。いくつかの実施形態において、抗粘着剤はステアリン酸マグネシウムである。
いくつかの実施形態において、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物は、顆粒の約30〜約90重量%の量で存在する。例えば、メトプロロール、およびそれらの薬理学的に許容される塩類は、顆粒の約50〜約90重量%の量で存在する。
いくつかの実施形態において、顆粒は被覆され、コーティングは被覆顆粒の約30〜約70重量%の量で存在する。例えば、コーティングは被覆顆粒の約35〜約55重量%の量で存在する可能性がある。
また、本明細書に提供されるものは、基質および被覆顆粒を有するアルコール耐性持続放出性経口剤形であり、そこでの基質は剤形の約5〜約45重量%の量の第1の粘度調整剤を含み、そこでの被覆顆粒は、顆粒の約10〜約90重量%のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物、顆粒の約1〜約90重量%の量の第1の強力被膜形成剤、顆粒の約1〜約90重量%の量の第2の粘度調整剤、および顆粒の約0〜約40重量%の量の脂肪/ワックス、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含み、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で存在し、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約1〜約50重量%の量の第2の強力被膜形成剤、および被覆顆粒の約0〜約30重量%の量の抗粘着剤を含み、そこでの基質は脂質を含まない。
場合によっては、剤形は、基質および被覆顆粒を有する可能性があり、そこでの基質は剤形の約25〜約45重量%の量の第1の粘度調整剤を含み、そこでの被覆顆粒は、本質的に顆粒の約30〜約90重量%のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物、顆粒の約5〜約40重量%の量の第1の強力被膜形成剤、顆粒の約1〜約60重量%の量の第2の粘度調整剤、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含み、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約30〜約70重量%の量で存在し、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約10〜約50重量%の量の第2の強力被膜形成剤、および被覆顆粒の約10〜約25重量%の量の抗粘着剤を含み、そこでの基質は脂質を含まない。
場合によっては、剤形は、基質および被覆顆粒を有することができ、そこでの基質は前記剤形の約25〜約45重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、そこでの被覆顆粒は、本質的に顆粒の約50〜約90重量%のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物、顆粒の約10〜約30重量%の量のエチルセルロース、顆粒の約5〜約30重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含み、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約30〜約55重量%の量で存在し、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約10〜約50重量%の量のエチルセルロース、および被覆顆粒の約10〜約25重量%の量のステアリン酸マグネシウムを含み、そこでの基質は脂質を含まない。
さらに、本明細書に提供されるものは、基質および被覆顆粒を有する剤形であり、そこでの基質は剤形の約30重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、そこでの被覆顆粒は、本質的に顆粒の約70〜約80重量%の量のメトプロロールコハク酸塩、顆粒の約10〜約20重量%の量のエチルセルロース、および顆粒の約5〜約20重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる顆粒、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含み、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約30〜約55重量%の量で存在し、そこでのコーティングは、本質的に被覆顆粒の約10〜約50重量%の量のエチルセルロース、および被覆顆粒の約10〜約25重量%の量のステアリン酸マグネシウムを含み、そこでの基質は脂質を含まない。
いくつかの実施形態において、USP溶出装置を用い0.1N塩酸の500mlにおいてテストする場合、6時間後の剤形からメトプロロールコハク酸塩の放出は約80%未満である。いくつかの実施形態において、0.1N塩酸および40%アルコールの溶液において2時間後に放出されるメトプロロールのパーセント(%)は、アルコール非存在下の0.1N塩酸の溶液において放出されるメトプロロールのパーセントより、10%ポイントを超えない。いくつかの実施形態において、経口タンパリングをシミュレーションした30分後の剤形からのメトプロロール塩酸塩の放出は、約50%未満である。
本発明の1若しくはそれ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および下記の記載で説明する。本発明の他の特徴、対象、および利点は、前記説明および図面、および特許請求の範囲から明白であろう。
メトプロロール、薬理学的に許容される塩類、およびそれらの溶媒和物の非脂質基質ベースのアルコール耐性持続放出性剤形を提供する。剤形は、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を有する粘度調整剤および被覆顆粒を有する基質を含むことが可能である。場合によっては、本明細書に解説されるように、剤形は、500mlの0.1N塩酸において6時間後に、メトプロロールの約80%未満が放出されるような放出特性を有する。さらに、剤形は粉砕抵抗性を有する可能性がある。
「基質」という用語は、賦形剤の連続体(すなわち「基質形成」物質)で分散し、封入する活性物質を含有する粒子(例えば、被覆顆粒)を有する単体システムを指し、例えばColombo,P.,Santi,P.,Siepmann,J.,Colombo,G.,Sonvico,F.,Rossi,A.,Luca Strusi,O.,2008.Swellable and Rigid Matrices:Controlled Relelase Matrices with Cellulose Ethers.In:Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Volume2:Rational Design and Formulation.Third Edition,Augsburger,L. and Hoag,S.(eds.),Informa Healthcare,New York,Londonを参照のこと。さらに本明細書に記載するように、メトプロロールおよび薬理学的に許容されるそれらの塩類を有する被覆顆粒は記述した基質の範囲内で分散する。
本明細書に提供されるものは、剤形の約5〜約45重量%(例えば、約30%を含む約25〜約45%)の量で第1の粘度調整剤を有する基質、および、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を有する被覆顆粒を含み、そこでの基質は脂質を含まない持続放出性経口剤形である。
本明細書に記述される剤形には、6時間後の剤形からのメトプロロールの放出が約80%未満であるような、放出特性を有する可能性がある。いくつかの実施形態において、10時間後の剤形からのメトプロロールの放出は、約85%未満である。メトプロロールの放出は、溶出媒体としてUSP溶出装置番号2および500mlの0.1N塩酸溶液を用い測定する。
剤形はアルコール耐性である。アルコールに対する耐性は溶出媒体としてUSP溶出装置番号2および500mlの0.1N塩酸溶液(通常の溶出)、または0.1N塩酸および40%エタノール溶液(アルコール濃度が40%v/v、用量ダンピング溶出)を用い測定する。アルコール耐性製剤として、本明細書に解説されるように、0.1N塩酸および40%エタノールの溶液において2時間後におけるメトプロロールの放出パーセント(%)は、アルコール非存在下の0.1N塩酸溶液中に放出されるメトプロロールのパーセントより、10%ポイントを超えない。例えば、剤形が2時間後にアルコール非存在下で0.1N塩酸溶液においてメトプロロールの20%を放出する場合、本明細書に解説されるように、アルコール耐性剤形はそれから0.1N塩酸および40%エタノールを有する溶液においてメトプロロールの30%以上は放出しない。
いくつかの実施形態において、本明細書に解説されるように、剤形は粉砕抵抗性である可能性がある。経口タンパリングをシミュレーションするようになる技術を用い、粉砕抵抗性を測定する。そのような方法は、陶製すり鉢(外径13cm)において剤形の錠剤を静置することが必要である。それから、それが破砕されるまで、乳棒を錠剤の下向きに垂直に力を加えるのに用いる。破砕した錠剤に、下向きの力を力をかけ、360°円運動を用い、さらに押しつぶす。円破砕運動は、11回繰り返す(計12ストローク)。結果として生じる粉末を、試験管内における薬の放出を測定するために溶出容器へ移す。破壊した錠剤サンプルの試験管内の放出特性は、500mlの0.1N塩酸溶出媒体で得る。サンプルは、37℃でUSP装置2(パドル)を用い50rpmで撹拌する。
本明細書に解説されるように、粘度調整剤は、(乾燥材料に基づく)2%w/w濃度で水溶液または分散系(例えば、水)において溶出または分散する材料であり、(この参照により本明細書に組み込まれる)ヒプロメロースのUSP33モノグラフにおいて記述される分析法を用い20℃(±0.2℃)における測定で、約100〜約200,000mPa・s(例えば、4,000〜175,000mPa・sおよび75,000〜140,000mPa・s)の粘性で溶解/分散を引き起こす。粘度調整剤の例は、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、架橋ポリアクリル酸(例えば、カルボマー)、ゼラチン、ペクチン、ゴム(例えば、アラビアゴム、トラガカントゴム、キサンタンゴム、およびグアーガム)、ポリエチレンオキシド、コンニャク粉、カラギナン、またはそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態において、粘度調整剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような天然または合成セルロースである。いくつかの実施形態において、粘度調整剤は、ゲル化ポリマーである。ゲル化ポリマーは、天然および合成デンプン、天然および合成セルロース、アクリル酸塩、およびポリアルキレンオキシドを含む可能性がある。例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態において、ゲル化ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。
HPMCが剤形に用いられる場合、ミシガン州、ミッドランドのDOW Chemical社から全て入手可能な、Aタイプにおいて30:0、Eタイプでは29:8、Fタイプにおいて28:5、Kタイプでは22:8で、またはAqualonのような他の供給業者から入手可能な他の任意のHPMCポリマーで、HPMCがヒドロキシプロピル置換に対し異なるメチル置換%比を有する可能性がある。
本明細書に記述される剤形の被覆顆粒は、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含む。いくつかの実施形態において、被覆顆粒は、顆粒の約10〜約90重量%の量のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物、顆粒の約1〜約90重量%の量の第1の強力被膜形成剤、顆粒の約1〜約90重量%の量の第2の粘度調整剤、および顆粒の約0〜約40重量%の量の脂肪/ワックス、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含む可能性があり、そこでのコーティングは被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で存在し、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約1〜約50重量%の量の第2の強力被膜形成剤、および被覆顆粒の約0〜約30重量%の量の抗粘着剤を含む。
いくつかの実施形態において、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物は、顆粒の約50〜約90重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、メトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物は、顆粒の約60〜約90重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、メトプロロールコハク酸塩は、顆粒の約70〜約80重量%の量で存在する。
強力被膜形成剤は少なくともわずかに溶解するポリマーであり、望ましくはアルコールに溶解し、水に最高でもわずかに溶解し、Texture Technologies社により製造されるテクスチャーアナライザー、ブルックフィールド粘度計、ロイドInstruments社、などのような適切な抗張力測定機器で測定する場合、1000lb/in2以上の抗張力を持つ乾燥3ミル被膜を形成する。例えば、強力被膜形成剤は、天然および合成デンプン、天然および合成セルロース、アクリル、ビニル樹脂、および樹脂から選択されることが可能である。いくつかの実施形態において、強力被膜形成剤は、エチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、B型アンモニオメタクリル酸共重合体(Eudragit RS)、A型アンモニオメタクリル酸共重合体(Eudragit RL)、アミノメタクリル酸共重合体(Eudragit E)、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチル共重合体分散系(Eudragit NE)、A型メタクリル酸共重合体(Eudragit L)、B型メタクリル酸共重合体(Eudragit S)のようなメタクリル酸エステル共重合体、およびセラックから選択される。場合によっては、第1および第2の強力被膜形成剤は同じである。
いくつかの実施形態において、強力被膜形成剤は、エチルセルロース(EC)のような天然または合成セルロースである。エチルセルロースは不活性、疎水性ポリマーで、本質的に無味、無臭で、無色で、カロリーゼロで、生理的に不活性である。それらが本明細書に説明されるアルコール可溶性のような他の必要条件を満たすならば、用いることが可能である多くの種類のエチルセルロースがある。用いられるエチルセルロースは、N型とされる48.0〜49.5%、T型とされる49.6〜51.5%、X型とされる50.5〜52.5%のような異なるエトキシ基含有量を有する可能性があり、全てAqualon、ヘラクレスリサーチセンター、デラウェア州ウィルミントンから入手可能である。
用いられるエチルセルロースは、N7とされる5.6〜8.0センチポアズ(動的粘度cps)、N10とされる8.0〜11cps、N14とされる12〜16cps、N22とされる18〜24cps、N50とされる40〜52cps、N100とされる80〜105cpsの粘性範囲を有するトルエン:エタノール(80:20)中の5%w/w溶液を形成するN型のECポリマーを含むような異なる分子量を有する可能性がある。用いられるエチルセルロースはまた、X型では2.65〜2.81のような、アンヒドログルコース単位あたりのエトキシ基の置換の異なる程度を含む可能性がある。N型は2.46〜2.58の値を有する。
いくつかの実施形態において、第1の強力被膜形成剤は、顆粒の約1〜約90重量%の量で存在する。例えば、第1の強力被膜形成剤は、顆粒の約5〜約40重量%(例えば、顆粒の約10〜約30重量%)の量で存在する可能性がある。場合によっては、第2の強力被膜形成剤は、被覆顆粒の約10〜約50重量%の量で存在する。場合によっては、第2の強力被膜形成剤は、被覆顆粒の約10〜約40重量%の量で存在する可能性がある。
いくつかの実施形態において、第2の粘度調整剤は、剤形の基質で用いられる粘度調整剤と同じである。場合によっては、第2の粘度調整剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。いくつかの実施形態において、第2の粘度調整剤は、顆粒の約1〜約90重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の粘度調整剤は、顆粒の約1〜約60重量%(例えば、顆粒の約5〜約40重量%)の量で存在する。
本明細書に解説されるように、脂質または脂肪/ワックスは、約6以下の親水性/親油性バランス(HLB)を有し、そのうえ30℃以上である融点を有する疎水性合成物を指す。それらが同じ仕様を満たす場合、本用語は脂肪またはワックスで相互に用いることが可能である。脂質は、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪エステル類またはワックスである可能性がある。脂肪酸は置換される、または置換されない、飽和、または不飽和である可能性がある。しかしながら、それらは少なくとも約14の鎖長を有する。脂肪エステル類はmono−、di−、およびtri−脂肪酸置換エステルを形成するためにアルコール類、グリコール、またはグリセロールに結合する脂肪酸を含む可能性がある。例は、ベヘン酸グリセロール(COMPRITOL(登録商標))、パルミトステアリン酸グリセロール(PRECIROL(登録商標))、ステアロイルマクログリセリド(GELUCIRE(登録商標))、昆虫および動物性ワックス、木蝋、鉱蝋、石油ワックス、および合成ワックスのようなグリセリン脂肪酸エステル、脂肪グリセリド誘導体、および脂肪アルコールを含む。
顆粒において本明細書で用いられる脂肪/ワックスは、室温および一般的な貯蔵条件(15〜30℃)よりはるかに高い融点を有する脂質の群から独立して選択されることが可能である。もっとも好ましくは、脂肪/ワックスは、60℃以上の融点を有する脂質の群から選択されることが可能である。高い融点を持つ脂質は、上述の脂質を用いる不利益を回避させる胃リパーゼに対する安定性、およびより低い感受性を改善した。例えば、脂肪/ワックスは、ベヘン酸グリセロール、カルナウバワックス、および蜜ろうからなる群から、独立して選択されることが可能である。いくつかの実施形態において、脂肪/ワックスは、ベヘン酸グリセロールである。
場合によっては、脂肪/ワックスは、顆粒の約0〜約30重量%の量で存在する可能性がある。
被覆は、コーティングの間、凝集による粒子成長を防止することに用いる抗粘着剤を含む可能性がある。抗粘着剤は、上に本明細書に定義したような脂肪/ワックス、またはステアリン酸性塩、タルク、およびデンプンを含む材料の群から選択されることが可能である。いくつかの実施形態において、抗粘着剤は、ステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態において、抗粘着剤は、被覆顆粒の約10〜約25重量%の量で存在する。
「コーティング」という用語は、十分に顆粒を包囲し、これに限定されるものではないが、味覚マスキング、保存性、減少した反応性、放出制御、および/または乱用予防のようないくつかの追加機能を提供する材料を含むことを意図されている。いくつかの実施形態において、コーティングは被覆顆粒の約30〜約70重量%の量で存在する。例えば、コーティングは被覆顆粒の約30〜約55重量%、約35〜約50%を含み、例えば約40〜約50%の量で存在する可能性がある。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明した維持放出性経口剤形は、基質および被覆顆粒を有し、そこでの基質は剤形の約5〜約45重量%、例えば、剤形の約30重量%を含む、約25〜約45重量%まで、の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、そこでの被覆顆粒は、顆粒の約50〜約90重量%、例えば、顆粒の約60〜約90重量%の量でメトプロロールまたはそれらの薬理学的に許容される塩、顆粒の約5〜約40重量%、例えば、顆粒の約10〜約30重量%までの量のエチルセルロース、顆粒の約1〜約60重量%、例えば、顆粒の約5〜約20重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および顆粒の約0〜20重量%の脂肪/ワックス(例えば、ベヘン酸グリセロール)、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含み、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で、例えば、被覆顆粒の、約30〜約55%を含む、約30〜約70重量%、例えば約40%の量で存在し、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約1〜約50重量%または被覆顆粒の約10〜約40重量%の量のエチルセルロース、および被覆顆粒の約10〜約25重量%の量のステアリン酸マグネシウムを含み、そこでの基質は脂質を含まない。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明した維持放出性経口剤形は、基質および被覆顆粒を有し、そこでの基質は剤形の約5〜約45重量%、例えば、剤形の約30重量%を含む、約25〜約45重量%まで、の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、そこでの被覆顆粒は、本質的に顆粒の約50〜約90重量%、例えば、顆粒の約60〜約90重量%の量のメトプロロールまたはそれらの薬理学的に許容される塩、顆粒の約5〜約40重量%、例えば、顆粒の約10〜約30重量%までの量のエチルセルロース、顆粒の約1〜約60重量%、例えば、顆粒の約5〜約20重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および顆粒の約0〜20重量%の脂肪/ワックス(例えば、ベヘン酸グリセロール)、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含み、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で、例えば、被覆顆粒の、約30〜約55%を含む、約30〜約70重量%、例えば約40%の量で存在し、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約1〜約50重量%または被覆顆粒の約10〜約40重量%の量のエチルセルロース、および被覆顆粒の約10〜約25重量%の量のステアリン酸マグネシウムを含み、そこでの基質は脂質を含まない。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明した維持放出性経口剤形は、基質および被覆顆粒を有し、そこでの基質は剤形の約5〜約45重量%、例えば、剤形の約30重量%を含む、約25〜約45重量%まで、の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、そこでの被覆顆粒は、本質的に顆粒の約50〜約90重量%、例えば、顆粒の約60〜約90重量%の量のメトプロロールまたはそれらの薬理学的に許容される塩、顆粒の約5〜約40重量%、例えば、顆粒の約10〜約30重量%までの量のエチルセルロース、顆粒の約1〜約60重量%、例えば、顆粒の約5〜約20重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および顆粒の約0〜20重量%の脂肪/ワックス(例えば、ベヘン酸グリセロール)、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含み、そこでのコーティングは、被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で、例えば、被覆顆粒の、約30〜約55%を含む、約30〜約70重量%、例えば約40%の量で存在し、そこでのコーティングは、本質的に被覆顆粒の約1〜約50重量%または被覆顆粒の約10〜約40重量%の量のエチルセルロース、および被覆顆粒の約10〜約25重量%の量のステアリン酸マグネシウムを含み、そこでの基質は脂質を含まない。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明した維持放出性経口剤形は、基質および被覆顆粒を有し、そこでの基質は剤形の約30からの重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、そこでの被覆顆粒は、本質的に顆粒の約70〜約80重量%の量のメトプロロールコハク酸塩、顆粒の約10〜約20重量%の量のエチルセルロース、顆粒の約5〜約20重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および顆粒のコーティングを有する顆粒を含み、そこでのコーティングは、約30〜約55%、例えば約50%の量で存在し、そこでのコーティングは、本質的に被覆顆粒の約10〜約40重量%の量のエチルセルロース、および被覆顆粒の約10〜約25重量%の量のステアリン酸マグネシウムを含み、そこでの基質は脂質を含まない。
本明細書に記述されるように被覆顆粒および剤形は、当業者には知られている方法を用い作成することが可能であり、例えば、米国特許出願公開第2008/0311205号パンフレットを参照し、この参照により本明細書に組み込まれる。一般に、高い水溶性の高用量薬は、ポリマーコートを施したポリマーに富んだ顆粒として製剤される。被覆顆粒はその後粘度調整剤とともに混合される。
いくつかの実施形態において、剤形はまた基質において被覆粒子および粘度調整剤に加え、少なくとも1つの他の成分または賦形剤を含むことができる。他の成分または賦形剤は、これに限定されるものではないが、味覚マスキング剤、結合剤、充填剤、糖類、人工甘味料、ポリマー、香料、着色剤、潤滑油、滑走剤、バイオまたは粘膜接着剤、界面活性剤、緩衝液、および崩壊剤を含むことができる。これらの成分の任意の1若しくはそれ以上の量は、コーティングの量、顆粒サイズ、剤形の形状、剤形の形態、用いる成分の数、用いる成分の特定の混合物、服用量を処方する剤形の数、服用量毎の薬の量などにより異なる。記述の放出特性および/または提供されるタンパー防護を有する剤形を製造するのに十分な任意の組合せまたは量が考えられる。
「味覚マスキング剤」は、当該技術分野において味覚マスキング剤として用いられることが知られている任意のものを含む。例はEudragit E−100、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セラック、ゼイン、カルボマー、ポロキサマー、修飾キトサン、カラギナン、トリメリト酸酢酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Eudragit L100、S100、L30D−55を含むメタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)を含む。味覚マスキング剤は、通用の総量、例えば、全剤形の約0〜約50重量%(例えば、全剤形の約5〜約40重量%、全剤形の約10〜約30重量%)の量で用いることが可能である。
粉末に凝集性を加え、以降の処理、または輸送、および取り扱いに耐える条件を満たした機械的強度を有する堅固な錠剤に圧縮することが可能な顆粒を形成するために必要な結合を提供するのに、結合剤を用いることが可能である。結合剤の例は、アカシア、トラガカントゴム、ゼラチン、デンプン(修飾または非修飾の両方)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウム塩のようなセルロース材、アルギン酸、およびそれらの塩類、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール、グアーガム、多糖類酸、ベントナイト、糖類、転化糖など、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸、および他のアクリルおよびビニル系ポリマーを含む。結合剤は、通常の総量、例えば、全剤形の約0〜約50重量%(例えば、全剤形の約2〜約10重量%)の量で用いることが可能である。
充填剤は、マンニトール、デキストロース、ソルビトール、ラクトース、スクロース、および炭酸カルシウムを含む可能性がある。充填剤は、通常の総量、例えば、全剤形の約0〜約90重量%(例えば、全剤形の約10〜約50重量%)の量で用いることが可能である。いくつかの実施形態において、充填剤は糖類である可能性がある。例えば、セルロースおよび変性セルロースのみならず、糖類、糖アルコール類、ケトース、単糖類、多糖類、オリゴ糖類など。
糖類はまた、直接圧縮、および/または非直接圧縮の糖類を含む。非直接圧縮の糖類は、これに限定されるものではないが、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、ラクトース、およびスクロースを含む。これらの糖類は、直接圧縮の糖類、すなわちその圧縮性および/または流動を増加させるために変性された糖類、または、これに限定されるものではないが、流動を増加させる流動促進剤、流動を増加させるための粒状化、および/または圧縮性などのようなある種の増強なしで、高速処理の複数錠剤成形機において用いることが可能な、十分な流動性および/または圧縮性を有さない非直接圧縮の糖類として存在する。確実ではないが、非直接圧縮の糖類は、その粒子の少なくとも約200ミクロンより約90%小さく、より望ましくは約150ミクロンより80%小さい場合がある。
総糖類量が全剤形の重量の約0〜約90の範囲である可能性がある(例えば、約5〜約75、約10〜50)。用いられる可能性のある他の非糖質希釈剤および充填剤は、例えば、二水和、または無水リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、無水または水和硫酸カルシウム、およびカルシウム乳酸塩三水和物を含む。非糖質希釈剤および充填剤は、全剤形の約0〜約90%(例えば、約5〜約75%まで、約10〜約50%まで)の量で用いられる可能性がある。
人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、およびアセスルファムカリウムを含む可能性がある。人工甘味料は、通常の総量、例えば、全剤形の約0.1〜約2重量%にわたる量で用いられる可能性がある。
香料は人工香味油、および調味料香料、および/または天然油、植物抽出物、葉、花、果物など、およびそれらの組合せを含む可能性がある。例えば、シナモン油、サリチル酸メチル、ペパーミント油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ、タイム油、ヒマラヤスギ葉油、ナツメグの油、セージの油、ビターアーモンドの油、およびカッシアの油。また、香料として有用なものとしては、バニラ、レモン、オレンジ、バナナ、ブドウ、ライム、およびグレープフルーツを含む柑橘油、およびリンゴ、西洋ナシ、モモ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコットなどを含む果物エッセンスを含む。
香料は、通常の総量、例えば、剤形の約0.01〜約3重量%(例えば、剤形の約0.1〜約2.5重量%、剤形の約0.25〜約2までの重量%)にわたる量で使用される可能性がある。
着色剤は、二酸化チタン、赤色または黄色の酸化鉄のような酸化鉄、およびFD&C染料として知られているそれらのような食物にふさわしい染料、およびブドウ皮抽出物、ビート赤粉末、ベータカロチン、ベニノキ、カルミン、ターメリック、およびパプリカのような天然着色剤を含む可能性がある。着色剤は、通常の総量、例えば、全剤形の約0.001〜約1重量%にわたる量で用いられる可能性がある。
潤滑油は、内因性または外因性外部潤滑油を含む可能性がある。内因性の潤滑油はマグネシウム、カルシウム、ステアリン酸の亜鉛塩、水素化および部分的に水素化された植物油、動物性脂肪、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、タルク、軽油、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウムなどを含む可能性がある。潤滑油は、通常の総量、例えば、剤形の約0.1〜約5重量%(例えば、約0.25〜約2.5%まで、約0.5〜約2%まで)の量で用いられる可能性がある。
界面活性剤は、これに限定されるものではないが、以下の商品の様々な等級を含む。Arlacel(登録商標)、Tween(登録商標)、Capmul(登録商標)、Centrophase(登録商標)、Cremophor(登録商標)、Labrafac(登録商標)、Labrafil(登録商標)、Labrasol(登録商標)、Myverol(登録商標)、Tagat(登録商標)、および任意の非中毒性の短鎖および中鎖アルコール類。界面活性剤は、例えば、剤形の約0.01〜約5重量%の量で(例えば、約0.1〜約2%の量で)従来の量で用いることが可能である。
緩衝材は、任意の弱酸性、または弱塩基、または、望ましくは、胃腸粘膜に有害でない任意の緩衝系を含む可能性がある。これらは、これに限定されるものではないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、および等価のカリウム塩類を含む。緩衝材は、従来の量、例えば、剤形の約0.1〜約10重量%の量で(例えば、約1〜約5%まで)で用いることが可能である。
剤形はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤などのような、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンラウリン酸モノエステル、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリエタノールアミンオレイン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのような、非中毒性の物質の少量を含む可能性がある。
本明細書で用いられる「剤形」は、錠剤、カプセル、カプレット、小袋、粉末、または経口での薬の投与で知られている他の固体である。それは、本明細書に定義されるように混合物から作成され、投与のために医師または患者により使用のために形として(錠剤の場合のように)形成される。
剤形は、形およびサイズの範囲で提供される可能性がある。いくつかの実施形態において、剤形は経口投与が可能なサイズで治療量の薬を提供する。そのような剤形は任意の一方向が1.5インチでも未満で、より望ましくは1インチ未満で、最も望ましくは0.75インチ未満である。形は、これに限定されるものではないが、両方面が平らまたは凸面である円形、カプセル型(カプレット)、ダイヤモンド形、三角形、長方形、六角形、五角形、ハート型、ウサギ、ゾウ等のような動物の形づくられた錠剤を含む。剤形は任意のサイズおよび形状である可能性があるが、アルコール耐性を最大にするのに望ましいサイズおよび形状である。
剤形の体裁を改善し、その上アルコール耐性をまた最大にするために、剤形、特に錠剤はまた被覆される可能性がある。
剤形を日1回または日に2回の投与で適当となるよう投与する。剤形に存在する薬の量は、約1mg〜1000mgまで、より望ましくは10mg〜800mgまで、および最も望ましくは25mg〜400mgまでで変化させることが可能である。
錠剤は、直接圧縮、湿式造粒、乾式造粒の後にコーティングおよび錠剤圧縮が続く方法、または他の任意の錠剤製造法により製造される可能性がある。この参照により本明細書に組み込まれる、例えば米国特許第5,178,878号、第5,223,264号および第6,024,981号明細書を参照のこと。
顆粒は、メトプロロールコハク酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および一部のエチルセルロースが2分間、乾式吹付けする高速剪断造粒機で製造した。それから、十分な剪断を顆粒形成と成長に提供するために造粒機インペラーおよびチョッパー速度を予め選択した値に維持しながら、残留するエチルセルロースの10%水―エタノール(30:70)溶液をゆっくり添加した。エチルセルロースの前記のパーセンテージが実現されるまで溶液の添加を続けた。それから、顆粒はgranumillにおいて粉末にし、最後に乾燥した。
それから、被覆顆粒の40重量%の被覆を提供するために2:1のエチルセルロース/ステアリン酸マグネシウム混合物の15%のアセトン懸濁液を用い、スプレー流動層底面において、非被覆顆粒を被覆した。被覆顆粒は、約30分間V−ブレンダーでラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合した。ステアリン酸マグネシウムを添加し、混合物をさらに5分間混和した。錠剤に充填する被覆顆粒の量は、メトプロロールコハク酸塩の実際の被覆顆粒含有量に基づき、理論的な含有量には基づかない。それから、混和した混合物は、錠剤を形成するために、回転錠剤成形機において圧縮した。0.3125×0.5625インチのカプセル形の錠剤は、850mgの重さで、約111Nの平均硬度を有した。
溶出およびタンパーテスト
実施例1の製品に、0.1N塩酸、および0.1N塩酸、および40%v/vアルコールの溶出実験を行った。溶出媒体として500mlの0.1N塩酸(通常の溶出)または40%のエタノールの溶液(用量ダンピング溶出)を用い、USP溶出装置番号2を使用し、錠剤をテストした。特に明記しない限り、通常の溶出テストおよび用量ダンピング溶出において、撹拌15、30、45、60、120、180、240、480、720分後に、一定分量を除去した。サンプルは、HPLCを用い、薬を分析した。
実施例1の製品に、0.1N塩酸、および0.1N塩酸、および40%v/vアルコールの溶出実験を行った。溶出媒体として500mlの0.1N塩酸(通常の溶出)または40%のエタノールの溶液(用量ダンピング溶出)を用い、USP溶出装置番号2を使用し、錠剤をテストした。特に明記しない限り、通常の溶出テストおよび用量ダンピング溶出において、撹拌15、30、45、60、120、180、240、480、720分後に、一定分量を除去した。サンプルは、HPLCを用い、薬を分析した。
上記の実施例の結果は、図1において詳述する。0.1N塩酸/40%v/vアルコールにおいて2時間後に放出される薬のパーセント(%)は、アルコール非存在下の0.1N塩酸の溶液から2時間後に放出される薬のパーセントより、10%ポイントを超えない場合、錠剤はアルコール耐性があるものと考えた。
図1において見られるように、製剤した剤形はアルコール耐性の基準を満たした。具体的には、メトプロロールコハク酸塩処方製品用に、アルコール非存在下で2時間後に放出される薬のパーセントは、アルコール存在下の16%と比較し、8%であった。アルコールからの保護が上述の2時間を優に越えて維持されるのを反映し、アルコール中の薬剤放出は、12時間の間持続した。本結果はToprol XLとして知られている市販のメトプロロールコハク酸製品とは対照的である。この製品の結果は図2に示す。この図において見られるように、2時間後にアルコール非存在下で放出される21%と比較してアルコールの存在下では投与量の90%が放出され、本製品はアルコール感受性が非常に高かった。
陶製すり鉢およびすりこぎを用い錠剤を破壊することにより、経口タンパリングシミュレーションテストを行う。錠剤を陶製すり鉢(外径13cm)に静置する。それが破砕されるまで、乳棒を錠剤の下向きに垂直に力を加えるのに用いる。破砕した錠剤に、下向きの力をかけ、360°円運動を用い、さらに押しつぶす。円破砕運動は、11回繰り返す(計12ストローク)。結果として生じる粉末を、試験管内における薬の放出のために溶出容器へ移す。破壊した錠剤サンプルの試験管内の放出特性は、500mlの0.1N塩酸溶出媒体で得る。サンプルは、37℃でUSP装置2(パドル)を用い50rpmで撹拌する。これらは上述の試験管内の溶出テストにおいて用いたそれらと同じ試験管内条件である。一定分量を15、30、45、60、および120分間の撹拌後に除去し、HPLCを用い薬を分析する。
本発明の多数の実施形態を説明してきた。しかしながら、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正が行えることは理解されるであろう。従って、その他の実施形態についても添付の特許請求の範囲に含まれるものである。
Claims (39)
- 持続放出性経口剤形であって、
前記剤形の約1〜約60重量%の量の粘度調整剤を有する基質と、
メトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を有する被覆顆粒と
を有し、
前記基質は脂質を含まないものである
持続放出性経口剤形。 - 持続放出性経口剤形であって、
前記剤形の約1〜約60重量%の量の粘度調整剤を有する基質と、
メトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を有する被覆顆粒と
を有し、
前記基質は脂質を含まないものであり、
0.1N塩酸と40%アルコールとの溶液に2時間後に放出されるメトプロロールのパーセント(%)は、アルコール非存在下の0.1N塩酸溶液中に放出される前記メトプロロールのパーセントよりも10パーセント以下のポイントで大きいものである、持続放出性経口剤形。 - 持続放出性経口剤形であって、
前記剤形の約1〜約60重量%の量の粘度調整剤を有する基質と、
メトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を有する被覆顆粒と
を有し、
前記基質は脂質を含まないものであり、
USP溶出装置を用い500mlの0.1N塩酸溶液で検査した場合、試験6時間後の前記剤形からのメトプロロールの放出は約80%未満である、持続放出性経口剤形。 - 請求項1、2、または3記載の剤形において、前記粘度調整剤はアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリアクリル酸、ゼラチン、ペクチン、ゴム、ポリエチレンオキシド、コンニャク粉、カラギナン、キサンタンゴム、またはそれらの混合物から成る群から選択されるものである、剤形。
- 請求項1、2、または3記載の剤形において、前記粘度調整剤はゲル化ポリマーである、剤形。
- 請求項5記載の剤形において、前記ゲル化ポリマーは、天然および合成デンプン、天然および合成セルロース、アクリル酸塩、およびポリアルキレンオキシドから成る群から選択されるものである、剤形。
- 請求項6記載の剤形において、前記ゲル化ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースから成る群から選択されるものである、剤形。
- 請求項7記載の剤形において、前記ゲル化ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、剤形。
- 請求項1、2、または3記載の剤形において、前記粘度調整剤は、前記剤形の約25〜約45重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項1、2、または3記載の剤形において、前記被覆顆粒が、
顆粒であって、前記顆粒の約10〜約90重量%の量のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物と、前記顆粒の約1〜約90重量%の量の第1の強力被膜形成剤と、前記顆粒の約1〜約90重量%の量の第2の粘度調整剤と、前記顆粒の約0〜約40重量%の量の脂肪/ワックスとを有するものである、前記顆粒と、
前記顆粒のコーティングであって、前記コーティングが前記被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で存在し、且つ前記コーティングは前記被覆顆粒の約1〜約50重量%の量の第2の強力被膜形成剤と、前記被覆顆粒の約0〜約30重量%の量の抗粘着剤とを有するものである、前記コーティングと
を有するものである、剤形。 - 請求項10記載の剤形において、前記コーティングは、前記被覆顆粒の約30〜約70重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項11記載の剤形において、前記コーティングは、前記被覆顆粒の約35〜約55重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項10記載の剤形において、前記第1の強力被膜形成剤および前記第2の強力被膜形成剤は同一である、剤形。
- 請求項10記載の剤形において、前記第1および第2の強力被膜形成剤は、天然および合成デンプン、天然および合成セルロース、アクリル、ビニル、樹脂、メタクリル酸塩、またはセラックから成る群から独立して選択されるものである、剤形。
- 請求項14記載の剤形において、前記第1および第2の強力被膜形成剤は、エチルセルロース、B型アンモニオメタクリル酸共重合体、A型アンモニオメタクリル酸共重合体、アミノメタクリル酸共重合体、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチル共重合体分散系、A型メタクリル酸共重合体、B型メタクリル酸共重合体、およびセラックから成る群から独立して選択されるものである、剤形。
- 請求項15記載の剤形において、前記第1および前記第2の強力被膜形成剤はエチルセルロースである、剤形。
- 請求項10記載の剤形において、前記第1の強力被膜形成剤は、前記顆粒の約5〜約40重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項10記載の剤形において、前記第1の強力被膜形成剤は、前記顆粒の約10〜約30重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項10記載の剤形において、前記第2の粘度調整剤は、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ポリアクリル酸、ゼラチン、ペクチン、ゴム、ポリエチレンオキシド、コンニャク粉、カラギナン、キサンタンゴム、またはそれらの混合物から成る群から選択されるものである、剤形。
- 請求項19記載の剤形において、前記第2の粘度調整剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースから成る群から選択されるものである、剤形。
- 請求項20記載の剤形において、前記第2の粘度調整剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、剤形。
- 請求項10記載の剤形において、前記第2の粘度調整剤は、前記顆粒の約1〜約60重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項10記載の剤形において、前記第2の粘度調整剤は、前記顆粒の約5〜約30重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項10記載の剤形において、前記脂肪/ワックスは、グリセリン脂肪酸エステルおよびワックスから成る群から選択されるものである、剤形。
- 請求項24記載の剤形において、前記脂肪/ワックスは、ベヘン酸グリセロール、カルナウバワックス、および蜜ろうから成る群から選択されるものである、剤形。
- 請求項25記載の剤形において、前記脂肪/ワックスはベヘン酸グリセロールである、剤形。
- 請求項1、2、または3記載の剤形において、前記被覆顆粒が、
顆粒であって、前記顆粒の約10〜約90重量%の量のメトプロロール、薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物と、前記顆粒の約1〜約90重量%の量の第1の強力被膜形成剤と、前記顆粒の約1〜約90重量%の量の第2の粘度調整剤とから本質的に成るものである、前記顆粒と、
前記顆粒のコーティングであって、前記被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で存在し、且つ前記コーティングは、前記被覆顆粒の約1〜約50重量%の量の第2の強力被膜形成剤と、前記被覆顆粒の約0〜約30重量%の量の抗粘着剤とを有するものである、前記コーティングと
を有するものである、剤形。 - 請求項27記載の剤形において、前記抗粘着剤は、前記被覆顆粒の約10〜約25重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項27記載の剤形において、前記抗粘着剤は、前記被覆顆粒の約10〜約25重量%の量で存在するステアリン酸マグネシウムである、剤形。
- 請求項27記載の剤形において、メトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物は、前記顆粒の約50〜約90重量%の量で存在するものである、剤形。
- 請求項27記載の剤形において、メトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物は、前記顆粒の約60〜約90重量%の量で存在するものである、剤形。
- アルコール耐性持続放出性経口剤形であって、
前記剤形の約5〜約45重量%の量の第1の粘度調整剤を有する基質と、
被覆顆粒であって、前記被覆顆粒が
顆粒であって、前記顆粒の約10〜約90重量%の量のメトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物と、前記顆粒の約1〜約90重量%の量の第1の強力被膜形成剤と、前記顆粒の約1〜約90重量%の量の第2の粘度調整剤と、前記顆粒の約0〜約40重量%の量の脂肪/ワックスとを有するものである、前記顆粒と、
前記顆粒のコーティングであって、前記コーティングが前記被覆顆粒の約5〜約70重量%の量で存在し、且つ前記コーティングは、前記被覆顆粒の約1〜約50重量%の量の第2の強力被膜形成剤と、前記被覆顆粒の約10〜約25重量%の量の抗粘着剤とを有するものである、前記コーティングと
を有するものである、前記被覆顆粒と
を有し、前記基質は脂質を含まないものである、アルコール耐性持続放出性経口剤形。 - アルコール耐性持続放出性経口剤形であって、
前記剤形の約25〜約45重量%の量の第1の粘度調整剤を有する基質と、
被覆顆粒であって、前記被覆顆粒が、
顆粒であって、前記顆粒の約50〜約90重量%の量のメトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物と、前記顆粒の約5〜約40重量%の量の第1の強力被膜形成剤と、前記顆粒の約5〜約30重量%の量の第2の粘度調整剤とから本質的に成るものである、前記顆粒と、
前記顆粒のコーティングであって、前記コーティングが前記被覆顆粒の約30〜約70重量%の量で存在し、且つ前記コーティングは、前記被覆顆粒の約10〜約50重量%の量の第2の強力被膜形成剤と、前記被覆顆粒の約10〜約25重量%の量の抗粘着剤とを有するものである、前記コーティングと
を有するものである、前記被覆顆粒と
を有し、前記基質は脂質を含まないものである、アルコール耐性持続放出性経口剤形。 - アルコール耐性持続放出性経口剤形であって、
前記剤形の約25〜約45重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを有する基質と、
被覆顆粒であって、前記被覆顆粒が、
顆粒であって、前記顆粒の約60〜約90重量%の量のメトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物と、前記顆粒の約10〜約30重量%の量のエチルセルロースと、前記顆粒の約5〜約20重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースとから本質的になるものである、前記顆粒と、
前記顆粒のコーティングであって、前記コーティングが前記被覆顆粒の約30〜約55重量%の量で存在し、且つ前記コーティングは、前記被覆顆粒の約10〜約50重量%の量のエチルセルロースと、前記被覆顆粒の約10〜約25重量%の量のステアリン酸マグネシウムとを有するものである、前記コーティングと
を有するものである、前記被覆顆粒と
を有し、前記基質は脂質を含まないものである、アルコール耐性持続放出性経口剤形。 - アルコール耐性持続放出性経口剤形であって、
前記剤形の約30重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを有する基質と、
被覆顆粒であって、前記被覆顆粒が、
顆粒であって、前記顆粒の約70〜約80重量%の量のメトプロロールコハク酸塩、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物と、前記顆粒の約10〜約20重量%の量のエチルセルロースと、前記顆粒の約5〜約20重量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースとから本質的になるものである、前記顆粒と、
前記顆粒のコーティングであって、前記コーティングが前記被覆顆粒の約30〜約55重量%の量で存在し、且つ前記コーティングは、前記被覆顆粒の約10〜約50重量%の量のエチルセルロースと、前記被覆顆粒の約10〜約25重量%の量のステアリン酸マグネシウムとから本質的になるものである、前記コーティングと
を有するものである、前記被覆顆粒と
を有し、前記基質は脂質を含まないものである、アルコール耐性持続放出性経口剤形。 - 請求項1〜35のいずれかに記載の錠剤の剤形を製造する方法であって、
(1)アルコール(例えば、エタノール)存在下、研磨および乾燥することにより、造粒機において、メトプロロール、または薬理学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物、第1の強力被膜形成剤、第2の粘度調整剤、および選択的に、脂肪/ワックスを造粒する工程と、
(2)上述の工程(1)で形成された顆粒を、流動床において、アルコール(例えば、エタノール)溶媒中、第2の強力塗膜形成剤および抗接着剤を用いて被覆する工程と、
(3)上述の工程(2)で形成された被覆顆粒を、第1の粘度調整剤、および添加剤、潤滑剤、着色料または香料添加剤などの賦形剤と混合する工程であって、混合物を形成するものである、前記混合する工程と、
(4)工程(3)で形成された混合物を従来の錠剤成形機を用いて圧縮する工程であって、錠剤を形成するものである、前記圧縮する工程と
を有するものである、方法。 - 1日2回投与するための持続放出性経口剤形であって、
基質であって、前記剤形の約20〜約60重量%の量の粘度調整剤を有し、且つ前記剤形と同時に食事を摂取した場合の当該Cmaxの変化が前記剤形と同時に食事を摂取していない場合と比較して約50%未満である、前記基質と、
メトプロロールまたはそれらの塩形態を有する被覆顆粒と
を有するものである、持続放出性経口剤形。 - 請求項37記載の持続放出性経口剤形において、前記被覆顆粒は脂肪酸エステルを有するコーティングを有し、且つ前記剤形は粉砕抵抗性である、持続放出性経口剤形。
- 請求項37記載の持続放出性経口剤形において、前記基質は重量ベースで1%未満の脂肪/ワックスを有するものである、持続放出性経口剤形。
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