JPH0716422B2 - ジエステルのモノエステルへの部分加水分解方法 - Google Patents

ジエステルのモノエステルへの部分加水分解方法

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JPH0716422B2
JPH0716422B2 JP7003087A JP7003087A JPH0716422B2 JP H0716422 B2 JPH0716422 B2 JP H0716422B2 JP 7003087 A JP7003087 A JP 7003087A JP 7003087 A JP7003087 A JP 7003087A JP H0716422 B2 JPH0716422 B2 JP H0716422B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアルキレンジオールと不飽和カルボン酸とのジ
エステルのモノエステルへの部分加水分解法に関する。
[従来の技術] エステルを化学的に加水分解する方法としては例えば塩
酸等の酸や水酸化ナトリウムのようなアルカリを触媒に
用いて加水分解する方法が知られている。
又、天然物であるグリセリンと高級脂肪酸とのエステル
を酵素や微生物を用いて生物化学的に加水分解する例も
知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、酸やアルカリを触媒に用いてジエステルを加水
分解しようとすると、反応をモノエステルの段階で止め
ることは難しく、逐次的に両方のエステルが加水分解さ
れ、ジオールとカルボン酸にまで分解されてしまう。
生物化学的にジエステル又はトリエステルを加水分解す
る場合も同様で、例えばトリグリセライド(Y.ツジサカ
等、Arg.Biol.Chem.,37,1457〜1464(1972))やジグリ
セライド(特開昭62−287号公報)の加水分解に見られ
るようにエステル加水分解酵素を用いてもジオール又は
トリオールにまで完全に加水分解されてしまう。
従って、ジエステルをモノエステルに部分加水分解しよ
うとしても、加水分解率を高めようとするとジオールま
で分解が進むものが増え、ジオールまでの分解が進まな
いようにしようとすると部分加水分解反応も充分には進
まず、いずれにしてもモノエステルの収率を充分に高め
ることができないという問題点を有していた。
特に一般式(2)のモノエステルは塗料等の用途におい
て有用なものであるが、これにジエステルが混入してい
ると塗料用ビヒクルに用いるために重合した時に架橋副
反応が生じて不溶物が生ずるためジエステルの混入が特
に嫌われるものであるが、モノエステル中に混入したジ
エステルを蒸留や抽出等で除去するものも沸点、融点、
有機溶媒に対する溶解性等、物性が類似しているため困
難であり、反応により、モノエステルは分解せずにジエ
ステルだけを選択的にモノエステルへ部分加水分解する
ことは上述のように実質上不可能であった。
(式中、R1はアルキル基、アラルキル基、アリール基又
は水素原子、R2はアルキル基又は水素原子、nは1〜10
の整数を示す) 本発明者等はこのような状況に鑑み、部分加水分解反応
につき鋭意検討した結果、式(1)のジエステルの場合
は他のジエステルと異なり、 (式中、R1、R2及びnは前記の意味を有する) これにエステル加水分解能を有する酵素又は微生物を作
用させると、片方のエステル結合のみを選択的に加水分
解して、目的とする一般式(2)のモノエスエルを容易
に、かつ、収率良く得ることができることを見出し、本
発明に到達した。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明の要旨は、一般式(1)で示されるジエス
テルを生物化学的に一般式(2)で示されるモノエステ
ルに加水分解する部分加水分解方法にある。
(式中、R1はアルキル基、アラルキル基、アリール基又
は水素原子、R2はアルキル基又は水素原子、nは1〜10
の整数を示す) (式中、R1、R2及びnは前記の意味を有する) 本発明においては、一般式(1)及び一般式(2)のR1
がアルキル基の場合は炭素数が1〜6のものであること
が好ましく、例えば、メチル基、エチル基等を好ましい
例として例示でき、アラルキル基の場合は炭素数7〜18
であることが好ましく、この例としてベンジル基を例示
でき、アリール基の場合は炭素数6〜26であることが好
ましく、フェニル基をその例として例示できる。R2とし
ては炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子が好まし
く、アルキル基としてはメチル基を例示できる。
本発明の部分加水分解の対象となるジエステルの具体例
としては下記のものを例示することができる。
このようなジエステルを加水分解するにはこれらのジエ
ステルにエステル加水分解能を有する酵素、又はこれら
の酵素を含有する微生物あるいは動植物のホモジネート
等を作用させればよい。
酵素としては微生物由来のリパーゼ、豚肝臓由来のエス
テラーゼ、膵臓由来のα−キモトリプシン、パンクレア
チン等を挙げることができる。リパーゼとしては例えば
市販品のリパーゼM−AP(天野製薬社製)、リパーゼAP
(天野製薬社製)、リパーゼ(シグマ社製)、リパーゼ
サイケン(大阪細菌研究所製)等を用いることができ
る。
微生物としては例えばムコール属(Mucor)、アスペル
ギルス属(Aspergillus)、リゾープス属(Rhizopu
s)、ペニシリウム属(Penicillium)、ゲオトリクム属
(Geotrichum)、フィコマイセス属(Pycomyces)、フ
ミコーラ属(Humicola)、サッカロマイセス属(Saccha
romyces)、カンディダ属(Candida)、クロモバクテリ
ウム属(Chromobacterium)、アルスロバクター属(Art
hrobacter)、シュードモナス属(Pseudomonas)及びマ
イコバクテリウム属(Mycobacterium)等に属する微生
物を挙げることができる。
これらの微生物は分離した菌体を用いてもよく、微生物
を含む培養液を用いてもよい。酵素や微生物は水不溶性
ポリマーに固定化したものであってもよい。
本発明においてジエステルに該酵素あるいは微生物を作
用させる場合は、液状反応媒体中でジエステルに作用さ
せるのが好ましい。反応媒体としてはイオン交換水、又
は燐酸ナトリウム等の無機塩や酢酸ナトリウム等の有機
酸塩等を含有する緩衝液が用いられる。反応液のpHは2
〜11であることが好ましく、5〜8であることがより好
ましい。反応中に副生するカルボン酸により反応液のpH
が低下した場合は水酸化ナトリウム、アンモニア等の塩
基を添加して上記pH範囲に維持することが好ましい。
水や緩衝液等の反応媒体中の酵素濃度は0.001〜30%で
あることが好ましく、反応媒体中へのジエステルの仕込
み比率は任意に選ぶことができる。ジエステルは反応の
途中で回分的に又は連続的に加えることもできる。ジエ
ステルの仕込みはジエステルそのものを仕込んでもよ
く、ジエステルが混入しているモノエステルを仕込んで
もよく、これは水に懸濁させた状態で仕込んでもよい。
ジエステルの部分加水分解反応はジエステル又はその溶
液あるいは懸濁液を撹拌しながら行なってもよく、固定
化した酵素や微生物を充填したカラムに反応媒体を少量
づつ流すことによって行なってもよい。反応温度は5〜
50℃であることが好ましい。反応液からの反応生成物の
分離は例えば抽出、カラムクロマトグラフィー等の手段
により容易に行なうことができる。
本発明の部分加水分解法は特にモノエステル中にジエス
テルが混在している時にジエステルのみを部分加水分解
するのに適しており、この場合多量に存在するモノエス
テルがジオールにまで加水分解されることがほとんどな
い。この場合、処理される混合物中のジエステルとモノ
エステルの比率には何等制限はないが、モノエステルの
精製効率という点からするとジエステルの含有率は50%
以下であることが好ましく、10%以下、さらには5%以
下であることがより好ましい。このような混合物は通常
カルボン酸とジオールとからのエステル化反応で得るこ
とができるものである。
[実施例] 以下に本発明を実施例を用いて更に説明する。
実施例1〜7 1,4−ブタンジオールジアクリレート(以下1,4−BDDAと
略称する)0.1ml及び第1表に示した酵素水溶液(10mg
酵素/ml)1mlを0.5M燐酸緩衝液(pH7.0)8mlに加え、30
℃で振盪して同表に記載の時間反応させた。反応後、反
応液中の1,4−BDDA及び4−ヒドロキシブチルアクリレ
ート(以下4−HBAと略称する)の量を高速液体クロマ
トグラフィーで分析した。その結果を第1表に示すが、
これから本発明の部分加水分解法が選択率も反応率も高
いことがわかる。
実施例8 ガラス製500ml丸底フラスコに1,4−BDDA100g及び酵素粉
末(リパーゼ「アマノ」P、天野製薬社製)1.0gをイオ
ン交換水で溶解して100gにした酵素溶液を入れ、撹拌し
ながら30℃で72時間反応させた。反応の進行中10wt%の
水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加して反応液のpHを7.
0に維持した。反応後、反応液成分を高速液体クロマト
グラフィーで分析した結果、反応前の1,4−BDDAの95%
が加水分解を受け、4−HBAの選択率は99%であった。
実施例9 ガラス製500ml丸底フラスコにエチレングリコールジメ
タクリレート(以下EDと略称する)100g及び酵素粉末
(リパーゼ「Type III、シグマ社製)1.0gをイオン交換
水で溶解して100gにした酵素溶液を入れ、撹拌しながら
30℃で72時間反応させた。反応の進行中10wt%の水酸化
ナトリウム水溶液を適宜添加して反応液のpHを7.0に維
持した。反応後、反応液成分を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、反応前のEDの89%が加水分解を受
け、2−ヒドロキシメチルメタクリレート(以下2−HE
Aという)の選択率は99%であった。
実施例10 アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger、IFO634
1)をグルコース1.0%、マルトエキス0.3%、酵母エキ
ス0.3%及びペプトン0.5%からなる液体培地(pH6.0)1
00mlに植菌し、30℃で3日間振盪培養を行なった。その
後、培養液に1,4−BDDA0.5mlを加え、30℃で24時間振盪
して反応させた。反応後、反応液成分を高速液体クロマ
トグラフィーで分析した結果、1,4−BDDAの93%が加水
分解を受け、98%の選択率で4−HBAが生成しているこ
とがわかった。
実施例11 ガラス製500ml丸底フラスコに1,4−BDDAを10wt%含有す
る4−HBA10gと、0.2wt%の酵素粉末(リパーゼ「アマ
ノ」P、シュードモナス起源、天野製薬社製)を溶解し
たpH7.0の0.1M燐酸緩衝液290mlを入れ、撹拌しながら30
℃で50時間反応させた。反応の進行中10wt%の水酸化ナ
トリウム水溶液を適宜添加して反応液のpHを7.0に維持
した。反応後、反応液成分を高速液体クロマトグラフィ
ーで分析した結果、反応前に含有されていた1,4−BDDA
の99.9%が加水分解されていることがわかった。反応終
了後の液から4−HBAを等量のトルエン(約300ml)で3
回抽出し、その抽出液を濃縮したところ、0.01wt%の1,
4−BDDAを含有する4−HBA9.8gが得られた。
[発明の効果] 本発明の方法は式(1)で示されるジエステルの一方の
エステル結合だけを選択的にしかも高収率で加水分解す
ることができ、従来に見られない優れた効果を示す部分
加水分解法である。特にモノエステル中に不都合な成分
としてジエステルが混在している場合に本発明の方法を
適用すると、モノエステルを加水分解することなく、混
在しているジエステルのみをモノエステルまで加水分解
することができるのでモノエステルの精製法として特に
有意義である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で示されるジエステルをリパ
    ーゼ,エステラーゼ,α−キモトリプシンもしくはパン
    クレアチンから選ばれる酵素あるいはこれらの酵素を含
    有する微生物または動植物のホモジネートを用いて生物
    化学的に一般式(2)で示されるモノエステルに加水分
    解する部分加水分解方法。 (式中、R1はアルキル基、アラルキル基、アリール基又
    は水素原子、R2はアルキル基又は水素原子、nは1〜10
    の整数を示す。 (式中、R1,R2及びnは前記の意味を有する)
  2. 【請求項2】該ジエステルが多量のモノエステル中に混
    在するものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の部分加水分解方法。
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