JPH0632634B2 - 光学活性カルボン酸エステルの製造法 - Google Patents
光学活性カルボン酸エステルの製造法Info
- Publication number
- JPH0632634B2 JPH0632634B2 JP58199943A JP19994383A JPH0632634B2 JP H0632634 B2 JPH0632634 B2 JP H0632634B2 JP 58199943 A JP58199943 A JP 58199943A JP 19994383 A JP19994383 A JP 19994383A JP H0632634 B2 JPH0632634 B2 JP H0632634B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- genus
- ester
- carboxylic acid
- reaction
- optically active
- Prior art date
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、一般式 (式中R1はアルキル基、アルアルキル基又はアリール
基、R2及びR3はアルキル基、nは1又は2を示す)で表
わされる光学活性カルボン酸エステルの製造法に関す
る。
基、R2及びR3はアルキル基、nは1又は2を示す)で表
わされる光学活性カルボン酸エステルの製造法に関す
る。
このカルボン酸エステルは光学活性を有する種々の生理
活性物質を合成するための原料として利用される。
活性物質を合成するための原料として利用される。
この化合物の製造法としては、光学活性カルボン酸を光
学分割剤を用いて分割したのち、エステル化反応を行い
光学活性エステルに導く方法が知られている(分割剤に
ついては、特開昭55−118455号、同56−81
557号、同57−188563号、ヨーロツパ特許公
開第79200477号各明細書参照)。しかしこの方
法では、光学活性カルボン酸を取得する段階で高価な分
割剤が多量に必要とされること、この分割剤が不純物と
して製品中に混入しやすいこと、分割工程が複雑である
ことなどの欠点があり、工業的な光学活性カルボン酸エ
ステルの製法としては必ずしも満足できるものではな
い。
学分割剤を用いて分割したのち、エステル化反応を行い
光学活性エステルに導く方法が知られている(分割剤に
ついては、特開昭55−118455号、同56−81
557号、同57−188563号、ヨーロツパ特許公
開第79200477号各明細書参照)。しかしこの方
法では、光学活性カルボン酸を取得する段階で高価な分
割剤が多量に必要とされること、この分割剤が不純物と
して製品中に混入しやすいこと、分割工程が複雑である
ことなどの欠点があり、工業的な光学活性カルボン酸エ
ステルの製法としては必ずしも満足できるものではな
い。
本発明者らは、D体とL体のカルボン酸エステルの混合
物から、いずれか一方のエステルを不斉加水分解する方
法に関して鋭意研究を行つた結果、リパーゼ、エステラ
ーゼ等の酵素又はアスペルギルス属、バチルス属、トル
ロプシス属、シユードモナス属等の微生物を用いること
により、光学活性カルボン酸エステルを効率よく製造で
きることを見い出した。
物から、いずれか一方のエステルを不斉加水分解する方
法に関して鋭意研究を行つた結果、リパーゼ、エステラ
ーゼ等の酵素又はアスペルギルス属、バチルス属、トル
ロプシス属、シユードモナス属等の微生物を用いること
により、光学活性カルボン酸エステルを効率よく製造で
きることを見い出した。
本発明は、一般式 (式中R1、R2、R3及びnは前記の意味を有する)で表わ
されるD体とL体のカルボン酸エステル混合物に、エス
テル結合を不斉加水分解する能力を有するキモトリプシ
ン、エステラーゼ、リパーゼ及びパンクレアチンから選
ばれた酵素又はトルロプシス属、バシルス属、シユード
モナス属、アスペルギルス属、キヤンデイダ属、ボツチ
リス属、オフイロラス属、ケトミウム属、アルカリゲネ
ス属、エシエリキア属、スタフイロコツカス属、ノカル
デイア属及びマイコバクテリウム属から選ばれた微生物
の培養液、菌体又は菌体処理物を作用させ、D体又はL
体のいずれか一方のエステルの実質的に全部が加水分解
を受けるまで反応を続け、次いで得られた反応液のpHを
7.0以上に調整し、加水分解を受けなかったL体又は
D体のいずれかのエステルを分別抽出し、抽出液を蒸留
することを特徴とする光学活性カルボン酸エステルの取
得法である。
されるD体とL体のカルボン酸エステル混合物に、エス
テル結合を不斉加水分解する能力を有するキモトリプシ
ン、エステラーゼ、リパーゼ及びパンクレアチンから選
ばれた酵素又はトルロプシス属、バシルス属、シユード
モナス属、アスペルギルス属、キヤンデイダ属、ボツチ
リス属、オフイロラス属、ケトミウム属、アルカリゲネ
ス属、エシエリキア属、スタフイロコツカス属、ノカル
デイア属及びマイコバクテリウム属から選ばれた微生物
の培養液、菌体又は菌体処理物を作用させ、D体又はL
体のいずれか一方のエステルの実質的に全部が加水分解
を受けるまで反応を続け、次いで得られた反応液のpHを
7.0以上に調整し、加水分解を受けなかったL体又は
D体のいずれかのエステルを分別抽出し、抽出液を蒸留
することを特徴とする光学活性カルボン酸エステルの取
得法である。
置換基R1のためのアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基など、アラルキル基としては例えばベンジ
ル基、アリール基としては例えばフエニル基が挙げられ
る。R2及びR3のためのアルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基などが挙げられる。
基、エチル基など、アラルキル基としては例えばベンジ
ル基、アリール基としては例えばフエニル基が挙げられ
る。R2及びR3のためのアルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基などが挙げられる。
本発明の不斉加水分解を受けるエステルは、D体とL体
の混合物であり、例えばS−アセチル−β−メルカプト
イソ酪酸メチル、S−アセチル−γ−メルカプト−α−
メチル−n−酪酸メチル、S−ベンゾイル−β−メルカ
プトイソ酪酸メチル、S−フエニルアセチル−β−メル
カプトイソ酪酸メチルなどが挙げられる。このD体とL
体のエステルの混合割合は特に限定されない。
の混合物であり、例えばS−アセチル−β−メルカプト
イソ酪酸メチル、S−アセチル−γ−メルカプト−α−
メチル−n−酪酸メチル、S−ベンゾイル−β−メルカ
プトイソ酪酸メチル、S−フエニルアセチル−β−メル
カプトイソ酪酸メチルなどが挙げられる。このD体とL
体のエステルの混合割合は特に限定されない。
本発明に用いられるエステル結合を不斉加水分解する能
力を有する酵素には、一般にエステラーゼあるいはリパ
ーゼと呼ばれる一群の酵素が含まれるが、そのほか例え
ばα−キモトリプシンのようにプロテアーゼとして分類
されている酵素であつても、エステル加水分解能を有す
るものは、本発明に使用できる。これらの酵素の起源、
純度等は特に限定されず、普通は市販品として入手でき
る。微生物起源の酵素の市販品としては、例えばムコー
ル属のリパーゼ(リパーゼM−AP、天野製薬社製)、ア
スペルギルス属のリパーゼ(リパーゼAP、天野製薬社
製)、キヤンデイダ属のリパーゼ(シグマ社製)、リゾ
ープス属のリパーゼ(リパーゼサイケン、大阪細菌研究
所製)などが挙げられる。また動物組織由来の酵素とし
ては、豚肝臓由来のエステラーゼ、膵臓由来のα−キモ
トリプシン、パンクレアチンなどが市販されている。
力を有する酵素には、一般にエステラーゼあるいはリパ
ーゼと呼ばれる一群の酵素が含まれるが、そのほか例え
ばα−キモトリプシンのようにプロテアーゼとして分類
されている酵素であつても、エステル加水分解能を有す
るものは、本発明に使用できる。これらの酵素の起源、
純度等は特に限定されず、普通は市販品として入手でき
る。微生物起源の酵素の市販品としては、例えばムコー
ル属のリパーゼ(リパーゼM−AP、天野製薬社製)、ア
スペルギルス属のリパーゼ(リパーゼAP、天野製薬社
製)、キヤンデイダ属のリパーゼ(シグマ社製)、リゾ
ープス属のリパーゼ(リパーゼサイケン、大阪細菌研究
所製)などが挙げられる。また動物組織由来の酵素とし
ては、豚肝臓由来のエステラーゼ、膵臓由来のα−キモ
トリプシン、パンクレアチンなどが市販されている。
本発明に用いられる微生物は、前記D体又はL体の化合
物のエステル結合を不斉加水分解する能力を有する微生
物であつて、例えばトルロプシス属(Torulopsis)、バ
シルス属(Bacillus)、アスペルギルス属(Aspergillu
s)、キヤンデイダ属(Candida)、ボツリチス属(Botr
ytis)、オフイロラス属(Ophilolus)、ケトミウム属
(Chaetomium)、クラドスポリウム属(Chadosporiu
m)、シユードモナス属(Pseudomonas)、エシエリキア
属(Escherichia)、スタフイロコツカス属(Staphyloc
occus)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、ストレプ
トマイセス属(Streptomyces)、ノカルデイア属(Noca
rdia)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)など
に属する微生物が挙げられる。これらの微生物はこれを
含む培養液、分離した菌体又は菌体処理物として用いら
れる。
物のエステル結合を不斉加水分解する能力を有する微生
物であつて、例えばトルロプシス属(Torulopsis)、バ
シルス属(Bacillus)、アスペルギルス属(Aspergillu
s)、キヤンデイダ属(Candida)、ボツリチス属(Botr
ytis)、オフイロラス属(Ophilolus)、ケトミウム属
(Chaetomium)、クラドスポリウム属(Chadosporiu
m)、シユードモナス属(Pseudomonas)、エシエリキア
属(Escherichia)、スタフイロコツカス属(Staphyloc
occus)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、ストレプ
トマイセス属(Streptomyces)、ノカルデイア属(Noca
rdia)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)など
に属する微生物が挙げられる。これらの微生物はこれを
含む培養液、分離した菌体又は菌体処理物として用いら
れる。
これらの微生物の培養は、通常は液体培養で行われる
が、固体培養によつても行うことができる。培地として
は、微生物が通常資化しうる炭素源、窒素源、ビタミ
ン、ミネラルなどの成分を適宜配合したものが用いられ
る。微生物の加水分解能を向上させるため、培地にエス
テルを少量添加することが好ましい。培養は微生物が生
育可能である温度及びpH範囲で行われるが、通常、温度
は10〜50℃、pHは2〜11の範囲で行われるのが好
ましい。微生物の生育を促進させるために通気撹拌を行
つてもよい。
が、固体培養によつても行うことができる。培地として
は、微生物が通常資化しうる炭素源、窒素源、ビタミ
ン、ミネラルなどの成分を適宜配合したものが用いられ
る。微生物の加水分解能を向上させるため、培地にエス
テルを少量添加することが好ましい。培養は微生物が生
育可能である温度及びpH範囲で行われるが、通常、温度
は10〜50℃、pHは2〜11の範囲で行われるのが好
ましい。微生物の生育を促進させるために通気撹拌を行
つてもよい。
加水分解反応を行うに際しては、培養の開始時又は途中
で培地にエステルを添加してもよく、あらかじめ微生物
を培養したのち培養液にエステルを添加してもよい。ま
た増殖した微生物の菌体を遠心分離等により採取し、こ
れをエステルを含む反応媒体に加えてもよい。この場合
菌体は取り扱い上の便宜から、乾燥菌体例えば凍結乾燥
菌体、噴霧乾燥菌体又は有機溶媒例えばアセトン、トル
エン等で処理した菌体、あるいは菌体破壊物、菌体抽出
物等の菌体処理物を用いることもできる。
で培地にエステルを添加してもよく、あらかじめ微生物
を培養したのち培養液にエステルを添加してもよい。ま
た増殖した微生物の菌体を遠心分離等により採取し、こ
れをエステルを含む反応媒体に加えてもよい。この場合
菌体は取り扱い上の便宜から、乾燥菌体例えば凍結乾燥
菌体、噴霧乾燥菌体又は有機溶媒例えばアセトン、トル
エン等で処理した菌体、あるいは菌体破壊物、菌体抽出
物等の菌体処理物を用いることもできる。
酵素を用いる場合は、反応媒体に酸素とエステルを添加
して反応が行われる。反応媒体としては例えばイオン交
換水又は緩衝液が用いられる。反応媒体又は培養液中の
エステルの濃度は0.01〜50重量%が好ましい。エステ
ルは水に懸濁した状態で加えることもできる。メタノー
ル、アセトンなどの有機溶媒を反応液に加えてエステル
の溶解性を向上させることもできる。反応液のpHは2
〜11、好ましくは5〜8の範囲である。反応が進行す
るに伴い生成したカルボン酸等により反応液のpHが変
化してくるが、この場合は適当な中和剤で最適pHに維
持することが好ましい。反応温度は5〜50℃である。
D体又はL体のいずれか一方のエステルが完全に加水分
解を受けるまで反応を続けることが好ましい。
して反応が行われる。反応媒体としては例えばイオン交
換水又は緩衝液が用いられる。反応媒体又は培養液中の
エステルの濃度は0.01〜50重量%が好ましい。エステ
ルは水に懸濁した状態で加えることもできる。メタノー
ル、アセトンなどの有機溶媒を反応液に加えてエステル
の溶解性を向上させることもできる。反応液のpHは2
〜11、好ましくは5〜8の範囲である。反応が進行す
るに伴い生成したカルボン酸等により反応液のpHが変
化してくるが、この場合は適当な中和剤で最適pHに維
持することが好ましい。反応温度は5〜50℃である。
D体又はL体のいずれか一方のエステルが完全に加水分
解を受けるまで反応を続けることが好ましい。
次いで反応液のpHを7.0以上好ましくは7〜9に調整
し、加水分解を受けなかったL体又はD体のいずれかの
エステルを分別抽出する。抽出溶媒としては酢酸エチル
を用いることが好ましい。
し、加水分解を受けなかったL体又はD体のいずれかの
エステルを分別抽出する。抽出溶媒としては酢酸エチル
を用いることが好ましい。
この抽出液を蒸留すると、目的のエステルが得られる。
蒸留法としては減圧蒸留が好ましい。
蒸留法としては減圧蒸留が好ましい。
下記実施例中の%は重量%を意味する。
実施例1 トルロプシス・グロペンギエセリ(IFO0659)をグルコ
ース1.0%、マルトエキス0.3%、酵母エキス0.3%及び
ぺプトン0.5%から成る液体培地(pH6.0)2に植菌
し、ミニジヤーフアメンターを用い30℃で2日間好気
的に培養を行つた。pHはpHコントローラーを用い常に6.
0に維持した。培養終了後、培養液を遠心分離し、得ら
れた菌体(乾燥物として4.0g)をイオン交換水で洗浄
したのち、イオン交換水1800mlに懸濁した。この菌
体懸濁液に(±)−S−アセチル−β−メルカプトイソ
酪酸メチル40mlを加え、30℃で30時間撹拌して反
応させた。反応中は10%のNaOHでpHを7.0に維持し
た。反応液中のS−アセチル−β−メルカプトイソ酪酸
メチルを酢酸エチルで抽出した。
ース1.0%、マルトエキス0.3%、酵母エキス0.3%及び
ぺプトン0.5%から成る液体培地(pH6.0)2に植菌
し、ミニジヤーフアメンターを用い30℃で2日間好気
的に培養を行つた。pHはpHコントローラーを用い常に6.
0に維持した。培養終了後、培養液を遠心分離し、得ら
れた菌体(乾燥物として4.0g)をイオン交換水で洗浄
したのち、イオン交換水1800mlに懸濁した。この菌
体懸濁液に(±)−S−アセチル−β−メルカプトイソ
酪酸メチル40mlを加え、30℃で30時間撹拌して反
応させた。反応中は10%のNaOHでpHを7.0に維持し
た。反応液中のS−アセチル−β−メルカプトイソ酪酸
メチルを酢酸エチルで抽出した。
抽出物を減圧下で蒸留すると、精製S−アセチル−β−
メルカプトイソ酪酸メチル(沸点:83〜85℃/3〜
3.5mmHg)17.8gが得られた。この精製物の旋光度を測
定したところ、▲〔α〕25 D▼=+45.0°(c=2.0クロ
ロホルム)であつた。
メルカプトイソ酪酸メチル(沸点:83〜85℃/3〜
3.5mmHg)17.8gが得られた。この精製物の旋光度を測
定したところ、▲〔α〕25 D▼=+45.0°(c=2.0クロ
ロホルム)であつた。
実施例2 バチルス・ズブチリス・バール・ニガー(IFO3108)を
肉エキス1.0%、ぺプトン1.0%及びNaCl0.5%からなる
液体培地(pH7.0)2に植菌し、ミニジヤーフアメン
ターを用い30℃で1日間通気培養を行つた。以下実施
例1と同様にして洗浄菌体6.2gを調製し、同様に反応
を行い、酢酸エチルで抽出し、抽出物を蒸留すると、▲
〔α〕25 D▼=−42.8°(c=1.4クロロホルム)のS−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチル17.9gが得ら
れた。
肉エキス1.0%、ぺプトン1.0%及びNaCl0.5%からなる
液体培地(pH7.0)2に植菌し、ミニジヤーフアメン
ターを用い30℃で1日間通気培養を行つた。以下実施
例1と同様にして洗浄菌体6.2gを調製し、同様に反応
を行い、酢酸エチルで抽出し、抽出物を蒸留すると、▲
〔α〕25 D▼=−42.8°(c=1.4クロロホルム)のS−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチル17.9gが得ら
れた。
実施例3 シユードモナス・フルオレツセンス(IFO3081)を実施
例2と同様な液体培地(pH7.0)2に植菌し、25℃
で1日間通気培養を行つた。以下実施例1と同様に洗浄
菌体4.2gを調製し、同様に反応を行ない、酢酸エチル
で抽出し、抽出物を蒸留すると、▲〔α〕25 D▼=46.2
°(c=4.21CHCL3)のS−アセチル−β−メルカプト
イソ酪酸メチル19.1gが得られた。
例2と同様な液体培地(pH7.0)2に植菌し、25℃
で1日間通気培養を行つた。以下実施例1と同様に洗浄
菌体4.2gを調製し、同様に反応を行ない、酢酸エチル
で抽出し、抽出物を蒸留すると、▲〔α〕25 D▼=46.2
°(c=4.21CHCL3)のS−アセチル−β−メルカプト
イソ酪酸メチル19.1gが得られた。
実施例4 リパーゼM−AP10(天野製薬社製品)10.0gをM/2リン
酸緩衝液(pH7.0)1.0に添加し、これは(±)−S−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチル20mlを添加
し、撹拌下に30℃で40時間反応を行つた。反応液の
pHを10%NaOHで7.0に調整したのち、等容量の酢酸エ
チルで1回抽出した。抽出物を減圧下で蒸留すると、▲
〔α〕25 D▼=+40.2°(c=1.9CHCL3)のS−アセチ
ル−β−メルカプトイソ酪酸メチル8.7gが得られた。
酸緩衝液(pH7.0)1.0に添加し、これは(±)−S−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチル20mlを添加
し、撹拌下に30℃で40時間反応を行つた。反応液の
pHを10%NaOHで7.0に調整したのち、等容量の酢酸エ
チルで1回抽出した。抽出物を減圧下で蒸留すると、▲
〔α〕25 D▼=+40.2°(c=1.9CHCL3)のS−アセチ
ル−β−メルカプトイソ酪酸メチル8.7gが得られた。
実施例5〜22 下記表に示す菌株を実施例1又は2と同様な液体培地1
000mlに植菌し、30℃で1〜3日間振盪培養を行つ
た。この培養液から菌体を分離し、イオン交換水で充分
洗浄したのち、(±)−S−アセチル−β−メルカプト
イソ酪酸メチル10mlを含むM/2燐酸緩衝液500ml
中に懸濁した。反応は30℃で24時間行つた。反応液
のpHを7.0に調整したのち、等容量の酢酸エチルでS−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチルを抽出した。
000mlに植菌し、30℃で1〜3日間振盪培養を行つ
た。この培養液から菌体を分離し、イオン交換水で充分
洗浄したのち、(±)−S−アセチル−β−メルカプト
イソ酪酸メチル10mlを含むM/2燐酸緩衝液500ml
中に懸濁した。反応は30℃で24時間行つた。反応液
のpHを7.0に調整したのち、等容量の酢酸エチルでS−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチルを抽出した。
波長が589.3mmにおける旋光性を旋光度計(ユニオン技
研社製デジタル自動旋光度計PM101型)で測定したと
ころ下記表の結果が得られた。これから、表に示す菌株
は、旋光性が(+)又は(-)のいずれか一方の光学活性S−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチルを生成してい
ると判定された。
研社製デジタル自動旋光度計PM101型)で測定したと
ころ下記表の結果が得られた。これから、表に示す菌株
は、旋光性が(+)又は(-)のいずれか一方の光学活性S−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチルを生成してい
ると判定された。
実施例23〜26 下記表に示す酵素100mgをM/10燐酸緩衝液(pH7)5
0mlに添加し、これに(±)−S−アセチル−β−メル
カプトイソ酪酸メチル1.0mlを添加し、30℃で24時
間振盪反応を行つた。反応液のpHを7.0に調整したの
ち、等容量の酢酸エチルで抽出した。抽出液の旋光度を
実施例5〜22と同様にして測定したところ、下記表の
結果が得られた。これから光学活性S−アセチル−β−
メルカプトイソ酪酸メチルを生成していると判定され
た。
0mlに添加し、これに(±)−S−アセチル−β−メル
カプトイソ酪酸メチル1.0mlを添加し、30℃で24時
間振盪反応を行つた。反応液のpHを7.0に調整したの
ち、等容量の酢酸エチルで抽出した。抽出液の旋光度を
実施例5〜22と同様にして測定したところ、下記表の
結果が得られた。これから光学活性S−アセチル−β−
メルカプトイソ酪酸メチルを生成していると判定され
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼沢 亮三 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社内 (72)発明者 大西 久雄 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−118455(JP,A) 特開 昭56−81557(JP,A) 実開 昭57−188563(JP,U) J.Heterocychic Che m17(1980)P.1647〜1648
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 (式中R1はアルキル基、アルアルキル基又はアリール
基、R2及びR3はアルキル基、nは1又は2を示す)で表
されるD体とL体のカルボン酸エステル混合物に、エス
テル結合を不斉加水分解する能力を有するキモトリプシ
ン、エステラーゼ、リパーゼ及びパンクレアチンから選
ばれた酵素又はトルロプシス属、バシルス属、シユード
モナス属、アスペルギルス属、キヤンデイダ属、ボツチ
リス属、オフイロラス属、ケトミウム属、アルカリゲネ
ス属、エシエリキア属、スタフイロコツカス属、ノカル
デイア属及びマイコバクテリウム属から選ばれた微生物
の培養液、菌体又は菌体処理物を作用させ、D体又はL
体のいずれか一方のエステルの実質的に全部が加水分解
を受けるまで反応を続け、次いで得られた反応液のpH
を7.0以上に調整し、抽出手段によつて加水分解を受け
なかつたL体又はD体のいずれかのエステルを抽出し、
抽出液を蒸留することを特徴とする光学活性カルボン酸
エステルの取得法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58199943A JPH0632634B2 (ja) | 1983-10-27 | 1983-10-27 | 光学活性カルボン酸エステルの製造法 |
EP84304238A EP0130752B1 (en) | 1983-07-04 | 1984-06-22 | Process for preparing optically active carboxylic acids and antipode esters thereof |
US06/627,093 US4629701A (en) | 1983-07-04 | 1984-07-02 | Process for preparing optically active carboxylic acids and antipode esters thereof |
DE19843424440 DE3424440A1 (de) | 1983-07-04 | 1984-07-03 | Verfahren zur herstellung optisch aktiver carbonsaeuren und deren ester in form der optischen antipoden |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58199943A JPH0632634B2 (ja) | 1983-10-27 | 1983-10-27 | 光学活性カルボン酸エステルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6094091A JPS6094091A (ja) | 1985-05-27 |
JPH0632634B2 true JPH0632634B2 (ja) | 1994-05-02 |
Family
ID=16416174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58199943A Expired - Lifetime JPH0632634B2 (ja) | 1983-07-04 | 1983-10-27 | 光学活性カルボン酸エステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0632634B2 (ja) |
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DE19926612A1 (de) | 1999-06-11 | 2000-12-14 | Schaeffler Waelzlager Ohg | Riementrieb einer Brennkraftmaschine |
Family Cites Families (6)
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JPS58120282A (ja) * | 1982-01-12 | 1983-07-18 | Konishiroku Photo Ind Co Ltd | 転写式静電記録装置 |
JPS58139478A (ja) * | 1982-02-15 | 1983-08-18 | Agency Of Ind Science & Technol | アモルフアス太陽電池 |
-
1983
- 1983-10-27 JP JP58199943A patent/JPH0632634B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
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J.HeterocychicChem17(1980)P.1647〜1648 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6094091A (ja) | 1985-05-27 |
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