JPH07162312A - ノイズシェイパ - Google Patents

ノイズシェイパ

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JPH07162312A
JPH07162312A JP5306849A JP30684993A JPH07162312A JP H07162312 A JPH07162312 A JP H07162312A JP 5306849 A JP5306849 A JP 5306849A JP 30684993 A JP30684993 A JP 30684993A JP H07162312 A JPH07162312 A JP H07162312A
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JP
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integrator
data
noise shaper
signal
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Toshiyuki Okamoto
俊之 岡本
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Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノイズシェイパを、無信号入力時に出力パタ
ーンを一意的に簡易に決定することができるようにす
る。 【構成】 本実施例のノイズシェイパの第1の積分器1
2は、第1の減算器の出力信号の現データと第1の加算
回路21の出力信号の1サンプル前のデータ(1サンプ
ル前の蓄積データ)を0.999倍したデータとを加算
することによって、第1の減算器の出力信号を積分する
不完全積分器となっている。なお、第2の積分器14
は、第2の減算器の出力信号の現データと第2の加算回
路31の出力信号の1サンプル前のデータ(1サンプル
前の蓄積データ)とを加算することによって、第2の減
算器の出力信号を積分する完全積分器となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノイズシェイパに関
し、特に、電源立ち上げ時に、ノイズシェイパを構成す
る積分器(アキュムレータ)の初期値によらず常に一定
のS/N特性や歪特性等の雑音特性を得られるノイズシ
ェイパに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、ノイズシェイパの一従来例を示
すブロック図である。
【0003】ノイズシェイパ100 は、1ビットの入力信
号VINに対して1ビットの出力信号VOUT を出力するも
のであり、第1の減算器101 と、第1の積分器102 と、
第2の減算器103 と、第2の積分器104 と、量子化器10
5 と、遅延器106 と、乗算器107 とからなる。ここで、
第1の減算器101 は、入力信号VINと遅延器106 の出力
信号との差を求めるためのものである。第1の積分器10
2 は、第1の減算器101 の出力信号を積分するためのも
のである。第2の減算器103 は、第1の積分器102 の出
力信号と乗算器107 の出力信号との差を求めるためのも
のである。第2の積分器104 は、第2の減算器103 の出
力信号を積分するためのものである。量子化器105 は、
第2の積分器104 の出力信号が”0”よりも大きいとき
は”+1”の出力信号を出力し、第2の積分器104 の出
力信号が”0”以下のときは”−1”の出力信号を出力
することにより、第2の積分器104 の出力信号を量子化
するためのものである。なお、量子化器105 の出力信号
がノイズシェイパ100 の出力信号VOUT となる。遅延器
106 は、量子化器105 の出力信号すなわちノイズシェイ
パ100 の出力信号VOUT を1サンプル分遅延させたのち
第1の積分器102 および第2の積分器104 に帰還させる
ためのものである。乗算器107 は、遅延器106 の出力信
号を2倍するためのものである。
【0004】ここで、第1の積分器102 は、図7(A)
に示すように、第1の加算回路111と、第1の加算回路1
11 の出力信号を1サンプル分遅延させたのち第1の加
算回路111 に帰還させる第1の遅延回路112 とからな
る。したがって、第1の加算器111 は、図6に示した第
1の減算器101 の出力信号の現データと第1の加算回路
111 の出力信号の1サンプル前のデータ(1サンプル前
の蓄積データ)と和を求めることにより、第1の減算器
101 の出力信号の積分値をとるためのものである。な
お、第1の遅延回路112 の出力信号が第1の積分器102
の出力信号となる。また、図6に示した第2の積分器10
4 は、図7(B)に示すように、第2の加算回路121
と、第2の加算回路121 の出力信号を1サンプル分遅延
させたのち第2の加算回路121 に帰還させる第2の遅延
回路122 とからなる。したがって、第2の加算回路121
は、図6に示した第2の減算器103 の出力信号の現デー
タと第2の加算回路121 の出力信号の1サンプル前のデ
ータ(1サンプル前の蓄積データ)と和を求めることに
より、第2の減算器103 の出力信号の積分値をとるため
のものである。なお、第2の積分器104 では、第1の積
分器102 と異なり、第2の加算回路121 の出力信号が第
2の積分器104 の出力信号となる。
【0005】次に、ノイズシェイパ100 の動作について
説明する。
【0006】第1の積分器102 では、第1の減算器101
の出力信号である入力信号VINの現データと遅延器106
の出力信号である出力信号VOUT の1サンプル前のデー
タとの差が積分される。また、第2の積分器104 では、
第2の減算器103 の出力信号である第1の積分器102 の
出力信号と乗算器107 の出力信号である出力信号VOU T
の1サンプル前のデータが2倍されたデータとの差が積
分される。量子化器105 では、第2の積分器104 の出力
信号の値が”0”よりも大きいときは”+1”の出力信
号が出力され、一方、第2の積分器104 の出力信号の値
が”0”以下のときは”−1”の出力信号が出力され
る。したがって、量子化器105 で発生する量子化雑音を
Qとすると、ノイズシェイパ100 の入力信号VINと出力
信号VOUTとの間の関係は、 VOUT(z)=VIN(z)+(1−z-12 ・Q(z) (1) で示される。したがって、ノイズシェイパ100 の出力ス
ペクトラムは、ノイズシェイパ100 の入力に量子化雑音
を2階微分した信号を重畳したスペクトラムとなる。す
なわち、量子化雑音Qが高周波領域にシェイピングされ
て重畳されるため、信号帯域内における雑音総和は大幅
に減少する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のノイズシェイパ100 においては、ノイズシェイ
パ100 に無信号が入力された場合に、以下に示すような
問題がある。
【0008】第1の積分器101 を構成する第1の遅延回
路112 および第2の積分器104 を構成する第2の遅延回
路122 の出力信号が初期状態で”0”であり、また、帰
還ループの遅延器106 の出力信号が初期状態で”1”で
あるとすると、ノイズシェイパ100 の出力信号VOUT
値は、”−1,−1,1,−1,1,1,−1,−1・
・・”と変化する。一方、たとえば第1の積分器101 を
構成する第1の遅延回路112 の出力信号が初期状態で”
1”であるとすると、ノイズシェイパ100 の出力信号V
OUT の値は、”−1,1,−1,1,1,−1,−1,
1・・・”と変化する。したがって、ノイズシェイパ10
0 の出力パターンがノイズシェイパ100を構成する第1
の積分器101 および第2の積分器104 の初期値により異
なる。
【0009】通常、電源の立ち上げ時においては、ノイ
ズシェイパ100 を構成する第1の積分器101 および第2
の積分器104 の出力信号の初期値を”0”に固定するこ
とは可能であるが、動作時に任意の信号が入力されてい
るときに突然に無信号状態になると、ノイズシェイパ10
0 を構成する第1の積分器101 および第2の積分器104
の出力信号の初期値はさまざまな値をもつことになる。
その一方、ノイズシェイパ100 の出力信号VOUT は、後
段のD/Aコンパレータ(不図示)に入力されてアナロ
グ信号に変換されるが、D/Aコンパレータを構成する
アナログ素子のバラツキなどによってD/Aコンパレー
タは理想とは異なる特性を有し、通常、その特性は、入
力されるデジタル信号に依存する。前述のように、無信
号状態におけるノイズシェイパ100 の出力信号VOUT
さまざまなパターンを有するため、D/Aコンパレータ
で変換されて得られるアナログ信号はそれぞれ違った特
性を有するものとなる。そこで、このような従来のノイ
ズシェイパ100 では、入力信号VINが”0”であるか否
かを検出して、入力信号VINが”0”の場合には、出力
パターンを強制的に”1,−1,1,−1・・・”とす
る方法を採用するが、検出回路を追加する必要があるば
かりではなく、入力信号VINが”0”であることを検出
するまでの時間差がシステム上問題になることがある。
【0010】本発明の目的は、無信号入力時に出力パタ
ーンを一意的に簡易に決定することができるノイズシェ
イパを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のノイズシェイパ
は、多段接続された少なくとも二個以上の積分手段と、
該二個以上の積分手段のうちの最終段の積分手段の出力
信号が入力される量子化手段と、該量子化手段の出力信
号を前記各積分手段に帰還させる帰還手段とを含むノイ
ズシェイパにおいて、前記二個以上の積分手段のうちの
少なくとも一つの積分手段が、該積分手段の入力信号の
現データと1サンプル遅延前の蓄積データに”1”より
小さい正の係数を掛けたデータとを加算し、前記二個以
上の積分手段のうちの残りの積分手段が、該残りの積分
手段の入力信号の現データと1サンプル遅延前の蓄積デ
ータとを加算することを特徴とする。
【0012】より具体的には、入力信号が入力される第
1の減算手段と、該第1の減算手段の出力信号が入力さ
れる第1の積分手段と、該第1の積分手段の出力信号が
入力される第2の減算手段と、該第2の減算手段の出力
信号が入力される第2の積分手段と、該第2の積分手段
の出力信号が入力される量子化手段と、該量子化手段の
出力信号を前記第1の減算手段および前記第2の減算手
段に帰還させる帰還手段とを含むノイズシェイパにおい
て、前記第1の積分手段が、前記第1の減算手段の出力
信号の現データと1サンプル遅延前の蓄積データに”
1”より小さい正の係数を掛けたデータとを加算し、前
記第2の積分手段が、前記第2の減算手段の出力信号の
現データと1サンプル遅延前の蓄積データとを加算する
ことを特徴とする。
【0013】ここで、前記帰還手段が、前記量子化手段
の出力信号を1サンプル分遅延させる遅延手段を含んで
いてもよいし、前記帰還手段が、前記量子化手段の出力
信号を1サンプル分遅延させる遅延手段と、該遅延手段
の出力信号に正の係数を掛けたのち前記第2の減算手段
に出力する乗算手段とを含んでいてもよい。
【0014】
【作用】本発明のノイズシェイパは、二個以上の積分手
段のうちの少なくとも一つの積分手段がこの積分手段の
入力信号の現データと1サンプル遅延前の蓄積データ
に”1”より小さい正の係数を掛けたデータとを加算す
ることにより積分を実現する不完全積分器の構成とされ
ているため、無信号の入力信号が入力された場合でも、
この積分手段の積分値は時間が経つにつれて”0”とな
る。また、完全積分器の構成とされる残りの積分手段の
初期値は、過渡状態における量子化手段の出力信号の値
に影響を及ぼすが、時間が経つにつれて定常状態に落ち
着く。したがって、無信号の入力信号が入力された場合
にも、ノイズシェイパを構成する各積分手段,の初期値
に関係なく、一意のパターンを出力することができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0016】図1は、本発明ノイズシェイパの第1の実
施例を示すブロック図である。
【0017】ノイズシェイパ10の全体の構成は、図1
に示すように、図6に示した従来のノイズシェイパ100
と同じであるが、第1の積分器12が、図2(A)に示
すように、第1の遅延回路22から第1の加算回路21
への帰還ループに設けられた係数が”0.999”の乗
算回路23を含む点で、図6に示した従来のノイズシェ
イパ100 と異なる。すなわち、第1の積分器12は、第
1の減算器11の出力信号の現データと第1の加算回路
21の出力信号の1サンプル前のデータ(1サンプル前
の蓄積データ)を0.999倍したデータとを加算する
ことによって、第1の減算器11の出力信号を積分する
不完全積分器となっている。なお、第2の積分器14
は、図2(B)に示すように、図6に示した従来のノイ
ズシェイパ100 の第2の積分器104 (図7(B)参照)
と同じ構成のものであり、第2の減算器13の出力信号
の現データと第2の加算回路31の出力信号の1サンプ
ル前のデータ(1サンプル前の蓄積データ)とを加算す
ることによって、第2の減算器13の出力信号を積分す
る完全積分器となっている。
【0018】ノイズシェイパ10は以上のような構成を
有することにより、量子化器15で発生する量子化雑音
をQとすると、ノイズシェイパ10の入力信号VINと出
力信号VOUT との間の関係は、 VOUT(z)=(z-1/P(z))・VIN(z)+(1−z-1)・(1−0.99 9・z-1)・Q(z)/P(z) (2) ここで、P(z)=0.001・z-2+0.001・z-1
+1で示される。上記(2)式において、P(z)は、周
波数によらずほとんど”1”に等しくなる。したがっ
て、ノイズシェイパ10の出力スペクトラムは、ノイズ
シェイパ10の入力信号VINに量子化雑音をほとんど2
階微分した信号を重畳したスペクトラムを有することに
なる。すなわち、量子化雑音が高周波領域にシェイピン
グされて重畳されるため、従来のノイズシェイピングの
特性をそれほど劣化させることなく、信号帯域内におけ
る雑音総和を大幅に減少させることができる。
【0019】また、ノイズシェイパ10では、無信号の
入力信号VINが入力された場合には、第1の積分器12
の初期値は、第1の積分器12が積分量の0.999倍
を順次積分するリーク積分の構成を有するため、時間が
経つにつれて積分値が”0”となる。また、第2の積分
器14の初期値は、過渡状態における量子化器15の出
力信号の値に影響を及ぼすが、時間が経つにつれて定常
状態に落ち着く。したがって、無信号の入力信号VIN
入力された場合にも、ノイズシェイパ10を構成する2
つの積分器(第1および第2の積分器12,14)の初
期値に関係なく、一意のパターンが出力される。
【0020】図3は、本発明ノイズシェイパの第2の実
施例を構成する2つの積分器の構成を示すブロック図で
ある。
【0021】本実施例のノイズシェイパは、全体の構成
は図1に示した第1の実施例のノイズシェイパ10と同
じであるが、図3(A)に示すように、第1の積分器4
2を構成する乗算回路53の係数が”0.99”である
点で、図1に示した第1の実施例のノイズシェイパ10
と異なる。すなわち、本実施例のノイズシェイパを構成
する第1の積分器42は、第1の積分器42の入力信号
である第1の減算器(不図示)の出力信号の現データと
第1の加算回路51の出力信号の1サンプル前のデータ
(1サンプル前の蓄積データ)を0.99倍したデータ
とを加算することによって、第1の減算器の出力信号を
積分する不完全積分器となっている。なお、第2の積分
器44は、図3(B)に示すように、図1に示した第2
の積分器14と同じ構成のものであり(図2(B)参
照)、第2の減算器(不図示)の出力信号の現データと
第2の加算回路61の出力信号の1サンプル前のデータ
(1サンプル前の蓄積データ)とを加算することによっ
て、第2の減算器の出力信号を積分する完全積分器とな
っている。
【0022】本実施例のノイズシェイパは以上のような
構成を有することにより、量子化器(不図示)で発生す
る量子化雑音をQとすると、このノイズシェイパの入力
信号VINと出力信号VOUT との間の関係は、 Y(z)=(z-1/P(z))・VIN(z)+(1−z-1)・(1−0.99・z -1 )・Q(z)/P(z) (3)( ここで、P(z)=0.01・z-2+0.01・z-1+1
で示される。上記(3)式において、P(z)は、周波数
によらずほとんど”1”に等しくなる。したがって、本
実施例のノイズシェイパの出力スペクトラムは、このノ
イズシェイパの入力信号VINに量子化雑音をほとんど2
階微分した信号を重畳したスペクトラムを有することに
なる。すなわち、量子化雑音が高周波領域にシェイピン
グされて重畳されるため、従来のノイズシェイピングの
特性をそれほど劣化させることなく、信号帯域内におけ
る雑音総和を大幅に減少させることができる。
【0023】また、本実施例のノイズシェイパでは、無
信号の入力信号VINが入力された場合には、第1の積分
器42の初期値は、第1の積分器42が積分量の0.9
9倍を順次積分するリーク積分の構成を有するため、時
間が経つにつれて積分値が”0”となる。また、第2の
積分器44の初期値は、過渡状態における量子化器の出
力信号の値に影響を及ぼすが、時間が経つにつれて定常
状態に落ち着く。したがって、無信号の入力信号VIN
入力された場合にも、ノイズシェイパを構成する2つの
積分器(第1および第2の積分器42,44)の初期値
に関係なく、一意のパターンが出力される。なお、第1
積分器42の積分リークを大きくすればするほど(すな
わち、第1積分器42の係数を小さくすればするほ
ど)、出力パターンが定常になるまでの時間が遅くなる
が、S/N特性の劣化が小さくなる。
【0024】図4は、本発明のノイズシェイパの第3の
実施例を示すブロック図である。
【0025】ノイズシェイパ70は、以下に示す点で、
図1に示した第1の実施例のノイズシェイパ10と異な
る。 (1)図1に示した乗算器17を有しない。 (2)第1の積分器72は、図5(A)に示すように、
第1の遅延回路82と乗算回路83とが第1の加算回路
81への帰還ループに直列接続で設けられている。すな
わち、第1の積分器72は、第1の減算器71の出力信
号の現データと第1の加算回路81の出力信号の1サン
プル前のデータ(1サンプル前の蓄積データ)を0.9
99倍したデータとを加算することによって、第1の減
算器71の出力信号を積分する不完全積分器となってい
る。
【0026】なお、ノイズシェイパ70を構成する第2
の積分器74は、図5(B)に示すように、図1に示し
た第2の積分器14と同じ構成のものであり(図2
(B)参照)、第2の減算器73の出力信号の現データ
と第2の加算回路91の出力信号の1サンプル前のデー
タ(1サンプル前の蓄積データ)とを加算することによ
って、第2の減算器73の出力信号を積分する完全積分
器となっている。
【0027】ノイズシェイパ70は以上のような構成を
有することにより、量子化器75で発生する量子化雑音
をQとすると、ノイズシェイパ70の入力信号VINと出
力信号VOUT との間の関係は、 VOUT(z)=VIN(z)/P(z))+(1−z-1)・(1−0.999・z-1 )・Q(z)/P(z) (4) ここで、P(z)=0.001・z-1+1で示される。上
記(2)式において、P(z)は、周波数によらずほとん
ど”1”に等しくなる。したがって、ノイズシェイパ7
0の出力スペクトラムは、ノイズシェイパ70の入力信
号VINに量子化雑音をほとんど2階微分した信号を重畳
したスペクトラムを有することになる。すなわち、量子
化雑音が高周波領域にシェイピングされて重畳されるた
め、従来のノイズシェイピングの特性をそれほど劣化さ
せることなく、信号帯域内における雑音総和を大幅に減
少させることができる。
【0028】また、ノイズシェイパ70では、無信号の
入力信号VINが入力された場合には、第1の積分器72
の初期値は、第1の積分器72が積分量の0.999倍
を順次積分するリーク積分の構成を有するため、時間が
経つにつれて積分値が”0”となる。また、第2の積分
器74の初期値は、過渡状態における量子化器75の出
力信号の値に影響を及ぼすが、時間が経つにつれて定常
状態に落ち着く。したがって、無信号の入力信号VIN
入力された場合にも、ノイズシェイパ70を構成する2
つの積分器(第1および第2の積分器72,74)の初
期値に関係なく、一意のパターンが出力される。
【0029】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次の効果を奏する。
【0030】S/N特性を損なうことなく、無信号が入
力された場合にも出力パターンが一意になるため、たと
えば後段にD/Aコンバータが接続されたときには、D
/Aコンバータを構成するアナログ素子のバラツキによ
る理想特性から外れた特性変動にかかわらず、安定した
特性を得ることが可能になる。さらに、ノイズシェイパ
の入力信号が零であるか否かを検出するための余分な回
路を設ける必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノイズシェイパの第1の実施例を示す
ブロック図である。
【図2】図1に示したノイズシェイパを構成する2つの
積分器の構成を示すブロック図であり、(A)は図1に
示した第1の積分器の構成を示すブロック図、(B)は
図1に示した第2の積分器の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】図3は、本発明のノイズシェイパの第2の実施
例を構成する2つの積分器の構成を示すブロック図であ
り、(A)は第1の積分器の構成を示すブロック図、
(B)は第2の積分器の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明のノイズシェイパの第3の実施例を示す
ブロック図である。
【図5】図4に示したノイズシェイパを構成する2つの
積分器の構成を示すブロック図であり、(A)は図4に
示した第1の積分器の構成を示すブロック図、(B)は
図4に示した第2の積分器の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】ノイズシェイパの一従来例を示すブロック図で
ある。
【図7】図6に示したノイズシェイパを構成する2つの
積分器の構成を示すブロック図であり、(A)は図6に
示した第1の積分器の構成を示すブロック図、(B)は
図6に示した第2の積分器の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
10,70 ノイズシェイパ 11,71 第1の減算器 12,42,72 第1の積分器 13,73 第2の減算器 14,44,74 第2の積分器 15,75 量子化器 16,76 遅延器 17 乗算器 21,51,81 第1の加算回路 22,52,82 第1の遅延回路 23,53,83 乗算回路 31,61,91 第2の加算回路 32,62,92 第2の遅延回路 VIN 入力信号 VOUT 出力信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段接続された少なくとも二個以上の積
    分手段と、該二個以上の積分手段のうちの最終段の積分
    手段の出力信号が入力される量子化手段と、該量子化手
    段の出力信号を前記各積分手段に帰還させる帰還手段と
    を含むノイズシェイパにおいて、 前記二個以上の積分手段のうちの少なくとも一つの積分
    手段が、該積分手段の入力信号の現データと1サンプル
    前の蓄積データに”1”より小さい正の係数を掛けたデ
    ータとを加算し、 前記二個以上の積分手段のうちの残りの積分手段が、該
    残りの積分手段の入力信号の現データと1サンプル前の
    蓄積データとを加算することを特徴とするノイズシェイ
    パ。
  2. 【請求項2】 入力信号が入力される第1の減算手段
    と、該第1の減算手段の出力信号が入力される第1の積
    分手段と、該第1の積分手段の出力信号が入力される第
    2の減算手段と、該第2の減算手段の出力信号が入力さ
    れる第2の積分手段と、該第2の積分手段の出力信号が
    入力される量子化手段と、該量子化手段の出力信号を前
    記第1の減算手段および前記第2の減算手段に帰還させ
    る帰還手段とを含むノイズシェイパにおいて、 前記第1の積分手段が、前記第1の減算手段の出力信号
    の現データと1サンプル前の蓄積データに”1”より小
    さい正の係数を掛けたデータとを加算し、 前記第2の積分手段が、前記第2の減算手段の出力信号
    の現データと1サンプル前の蓄積データとを加算するこ
    とを特徴とするノイズシェイパ。
  3. 【請求項3】 前記帰還手段が、前記量子化手段の出力
    信号を1サンプル分遅延させる遅延手段を含むことを特
    徴とする請求項2記載のノイズシェイパ。
  4. 【請求項4】 前記帰還手段が、前記量子化手段の出力
    信号を1サンプル分遅延させる遅延手段と、該遅延手段
    の出力信号に正の係数を掛けたのち前記第2の減算手段
    に出力する乗算手段とを含むことを特徴とする請求項2
    記載のノイズシェイパ。
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