JPH0715569B2 - 写真感光材料 - Google Patents

写真感光材料

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JPH0715569B2
JPH0715569B2 JP59278952A JP27895284A JPH0715569B2 JP H0715569 B2 JPH0715569 B2 JP H0715569B2 JP 59278952 A JP59278952 A JP 59278952A JP 27895284 A JP27895284 A JP 27895284A JP H0715569 B2 JPH0715569 B2 JP H0715569B2
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勝徳 加藤
哲 川勝
功策 益田
薫 宮城
憲卓 中山
寿彦 木村
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/388Processes for the incorporation in the emulsion of substances liberating photographically active agents or colour-coupling substances; Solvents therefor

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は写真感光材料、特にハロゲン化銀カラー写真感
光材料に関するものである。
ロ.従来技術 ハロゲン化銀写真感光材料において、カプラーアニオン
とキノンジイミン等との反応によって色素が形成される
ことはよく知られているところである。
現在主流となっている乳剤層中へのカプラーの内蔵方法
は、いわゆるオイルプロテクト型である。したがって、
現像液のオイル中への浸透によってカプラーはアニオン
化され、カップリング反応で発色が生じることになる。
但、使用するカプラーpKa値(Kaは電離定数である。)
の大きな、特にpKa≧10の基で構成されていると、カプ
ラー自体が弱酸性となってアルカリをはじき易くなり、
この結果、アルカリ液である現像液のオイル中への浸透
性が遅く、発色性(感度、ガンマ、最高濃度)が劣化し
てしまう。
この解決策として、上記のようなカプラーの分子内にpK
a値が10未満の基を導入することが知られている。(特
開昭58-42045号参照)。しかしながら、この場合には、
電子吸引基で置換されたフェノールイミノ基、或いはカ
ルボン酸等の基をカプラー分子内に導入すると、分散剤
として用いるオイルへの溶解度が著しく低くなり、乳剤
中にカプラーを内蔵することが困難であったり、析出が
起こることになる。このため、別の溶剤(例えばN,N−
ジメチルホルムアミド)を添加する必要がある等の好ま
しくない結果となる。
ハ.発明の目的 本発明の目的は、発色性を充二分に向上させると同時
に、乳剤層中にカプラーを均一に内蔵せしめることので
きる写真感光材料を提供することにある。
ニ.発明の構成及びその作用効果 即ち、本発明は、一般式〔I〕、中でも一般式〔II〕又
は〔III〕で表され、かつ、分子内に存在する電離性の
基のすべてが10以上のpKa値(Kaは電離定数である。)
を示すカプラーと、下記一般式〔X〕で表されるフェノ
ール系化合物とがハロゲン化銀乳剤層中に含有されてな
ることを特徴とする写真感光材料に係るものである。
一般式〔II〕 一般式〔III〕 (但し、式〔II〕,〔III〕中、R1,R2,R3は水素原子ま
たは置換基、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体
との反応により離脱し得る置換基を表す。) 一般式〔X〕 (但し、式〔X〕中、R6,R7は、各々、アルキル基を表
し、kは0または1を表す。) 本発明によれば、カプラー分子内の電離性基のすべてが
pKa≧10であるカプラー(換言すれば、pKa値が10未満の
基を有することのないカプラー)を使用しているので、
公知のカプラーのように分子内に電子吸引性基置換フェ
ノール等が導入されることはなく、このためにオイルへ
のカプラー溶解度が高くなり、乳剤中にカプラーを均一
に内蔵させることができる。
一方、pKa値が10以上と大きいことによる既述した如き
発色性の劣化は、上記のフェノール系化合物の使用によ
って効果的に防止されることが判明した。即ち、このフ
ェノール系化合物は酸性のフェノール性水酸基を有して
いるので、カプラー自体がpKa≧10と弱酸性であって
も、アルカリ性の現像液を充分に浸透させ、カプラーの
アニオン化を進行させ得るからであると考えられる。特
に、オイルプロテクト型のカプラー内蔵をするに当り、
用いるオイルに工夫をこらし、オイルとして用いる化合
物の分子内にフェノール性水酸基を導入した非発色性の
フェノール系化合物を使用することによって現像液の浸
透が促進され、発色性の著しい向上がもたらされるので
ある。このフェノール系化合物はオイルとしての高沸点
有機溶媒であってよいし、本来の高沸点有機溶媒中に添
加されるものであってよい。
本発明で使用する上記カプラー(以下、本発明のカプラ
ーと称する。)中の基はpKa≧10を示すことが必須不可
欠であるが、その値が10未満(単なるフェノールでは9.
9)であると本発明の目的を達成することができない。
本発明は、従来技術において既述した如く発色性のため
にpKaを下げて10未満を呈する基をカプラー中に存在せ
しめるという志向に反し、カプラー中の基のpKaをすべ
て10以上としたことに重要な意義を有している。
本発明のカプラー中の基のpKaは、基の種類によって異
なるが、後述のピラゾロトリアゾール型のマゼンタカプ
ラーではpKa=10〜11であるものが使用可能である。ま
た、カプラー分子中にはpKaが数十の基(例えばアルキ
ル基)が含まれていてもよい。
本発明のカプラーのpKa値は、例えば次のようにして測
定した値に基くものである。まず、次のA液、B液を調
製する。
A液(アルカリ性溶液) 組成:水酸化ナトリウム 300ml 純水 100ml エタノール 350ml B液(酸性溶液) 組成:濃塩酸 2ml 純水 80ml エタノール 320ml そして、試料カプラー2.5×10-5モルをエタノール5mlに
溶解し、これにA液を45ml加える。次にB液を滴下し、
pH値の変曲点(中央の値)で表わされる値を求め、これ
をpKa値とした。なお、上記測定は25℃で行なう。
本発明による写真感光材料は、支持体上に少なくも1層
のハロゲン化銀乳剤層が設けられたものであって、カプ
ラーはマゼンタカプラー、シアンカプラー、イエローカ
プラーが使用可能である。
しかしながら、分子内に存在する電離性の基のすべてが
10以上のpKa値(Kaは電離定数である。)を示すカプラ
ーと言うだけではなく、前記一般式〔I〕で表されるも
のであって、かつ、分子内に存在する電離性の基のすべ
てが10以上のpKa値(Kaは電離定数である。)を示すカ
プラーであることが大事である。
上記一般式〔I〕で表されるマゼンタカプラーに於い
て、前記Rの表す置換基としては、例えばハロゲン原
子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シ
クロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ
環基、アシル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホス
ホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ
基、スピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シロ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミ
ノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、イミド基、
ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基
が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子が挙
げられ、特に塩素原子が好ましい。
Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜32のも
の、アルケニル基、アルキニル基としては炭素数2〜32
のもの、シクロアルキル基、シクロアルケニル基として
は炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましく、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基は直鎖でも分岐でも
よい。
また、これらアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基は置換基
(例えばアリール、シアノ、ハロゲン原子、ヘテロ環、
シクロアルキル、シクロアルケニル、スピロ化合物残
基、有橋炭化水素化合物残基の他、アシル、カルバモイ
ル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル
の如くカルボニル基を介して置換するもの、更にはヘテ
ロ原子を介して置換するもの、具体的にはアルコキシ、
アリールオキシ、ヘテロ環オキシ、シロキシ、アシルオ
キシ、カルバモイルオキシ等の酸素原子を介して置換す
るもの、ニトロ、アミノ(ジアルキルアミノ等を含む)
スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、
アリールオキシカルボニルアミノ、アシルアミノ、スル
ホンアミド、イミド、ウレイド等の窒素原子を介して置
換するもの、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロ環チ
オ、スルホニル、スルフィニル、スルファモイル等の硫
黄原子を介して置換するもの、ホスホニル等の燐原子を
介して置換するもの等)を有していてもよい。
具体的には例えばメチル基、エチル基、イソプロピル
基、t−ブチル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、
1−ヘキシルノニル基、1,1′−ジペンチルノニル基、
2−クロロ−t−ブチル基、トリフルオロメチル基、1
−エトキシトリデシル基、1−メトキシイソプロピル
基、メタンスルホニルエチル基、2,4−ジ−t−アミル
フェノキシメチル基、アニリノ基、1−フェニルイソプ
ロピル基、3−m−ブタンスルホンアミノフェノキシプ
ロピル基、3−{4′−〔α−(2″,4″−ジ−t−ア
ミルフェノキシ)ブタンアミド〕フェニル}−プロピル
基、4−〔α−(o−クロルフェノキシ)テトラデカン
アミドフェノキシ〕プロピル基、アリル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Rで表されるアリール基としてはフェニル基が好まし
く、置換基(例えば、アルキル基、アルコキシ基、アシ
ルアミノ基等)を有していてもよい。
具体的には、フェニル基、4−t−ブチルフェニル基、
2,4−ジ−t−アミルフェニル基、4−テトラデカンア
ミドフェニル基、ヘキサデシロキシフェニル基、4′−
〔α−(4″−t−ブチルフェノキシ)テトラデカンア
ミド〕フェニル基等が挙げられる。
Rで表されるヘテロ環基としては5〜7員のものが好ま
しく、置換されていてもよく、又縮合していてもよい。
具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミ
ジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
Rで表されるアシル基としては、例えばアセチル基、フ
ェニルアセチル基、ドデカノイル基、α−2,4−ジ−t
−アミルフェノキシブタノイル基等のアルキルカルボニ
ル基、ベンゾイル基、3−ペンタデシルオキシベンゾイ
ル基、p−クロルベンゾイル基等のアリールカルボニル
基等が挙げられる。
Rで表されるスルホニル基としてはメチルスルホニル
基、ドデシルスルホニル基の如きアルキルスルホニル
基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基
の如きアリールスルホニル基等が挙げられる。
Rで表されるスルフィニル基としては、エチルスルフィ
ニル基、オクチルスルフィニル基、3−フェノキシブチ
ルスルフィニル基の如きアルキルスルフィニル基、フェ
ニルスルフィニル基、m−ペンタデシルフェニルスルフ
ィニル基の如きアリールスルフィニル基等が挙げられ
る。
Rで表されるホスホニル基としてはブチルオクチルホス
ホニル基の如きアルキルホスホニル基、オクチルオキシ
ホスホニル基の如きアルコキシホスホニル基、フェノキ
シホスホニル基の如きアリールオキシホスホニル基、フ
ェニルホスホニル基の如きアリールホスホニル基等が挙
げられる。
Rで表されるカルバモイル基は、アルキル基、アリール
基(好ましくはフェニル基)等が置換していてもよく、
例えばN−メチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカル
バモイル基、N−(2−ペンタデシルオクチルエチル)
カルバモイル基、N−エチル−N−ドデシルカルバモイ
ル基、N−{3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)
プロピル}カルバモイル基等が挙げられる。
Rで表されるスルファモイル基はアルキル基、アリール
基(好ましくはフェニル基)等が置換していてもよく、
例えばN−プロピルスルファモイル基、N,N−ジエチル
スルファモイル基、N−(2−ペンタデシルオキシエチ
ル)スルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスル
ファモイル基、N−フェニルスルファモイル基等が挙げ
られる。
Rで表されるスピロ化合物残基としては例えばスピロ
[3,3]ヘプタン−1−イル等が挙げられる。Rで表さ
れる有橋炭化化合物残基としては例えばビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カン−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン−1−イル等が挙げられる。
Rで表されるアルコキシ基は、更に前記アルキル基への
置換基として挙げたものを置換していてもよく、例えば
メトキシ基、プロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、
ペンタデシルオキシ基、2−ドデシルオキシエトキシ
基、フェネチルオキシエトキシ基等が挙げられる。
Rで表されるアリールオキシ基としてはフェニルオキシ
が好ましく、アリール核は更に前記アリール基への置換
基又は原子として挙げたもので置換されていてもよく、
例えばフェノキシ基、p−t−ブチルフェノキシ基、m
−ペンタデシルフェノキシ基等が挙げられる。
Rで表されるヘテロ環オキシ基としては5〜7員のヘテ
ロ環を有するものが好ましく該ヘテロ環は更に置換基を
有していてもよく、例えば、3,4,5,6−テトラヒドロピ
ラニル−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5
−オキシ基が挙げられる。
Rで表されるシロキシ基は、更にアルキル基等で置換さ
れていてもよく、例えば、シロキシ基、トリメチルシロ
キシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキ
シ基等が挙げられる。
Rで表されるアシルオキシ基としては、例えばアルキル
カルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基等が
挙げられ、更に置換基を有していてもよく、具体的には
アセチルオキシ基、α−クロロアセチルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基等が挙げられる。
Rで表されるカルバモイルオキシ基は、アルキル基、ア
リール基等が置換していてもよく、例えばN−エチルカ
ルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキ
シ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基等が挙げられ
る。
Rで表されるアミノ基はアルキル基、アリール基(好ま
しくはフェニル基)等で置換されていてもよく、例えば
エチルアミノ基、アニリノ基、m−クロロアニリノ基、
3−ペンタデシルオキシカルボニルアニリノ基、2−ク
ロロ−5−ヘキサデカンアミドアニリノ基等が挙げられ
る。
Rで表されるアシルアミノ基としては、アルキルカルボ
ニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基(好ましく
はフェニルカルボニルアミノ基)等が挙げられ、更に置
換基を有してもよく具体的にはアセトアミド基、α−エ
チルプロパンアミド基、N−フェニルアセトアミド基、
ドデカンアミド基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシア
セトアミド基、α−3−t−ブチル4−ヒドロキシフェ
ノキシブタンアミド基等が挙げられる。
Rで表されるスルホンアミド基としては、アルキルスル
ホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げ
られ、更に置換基を有してもよい。具体的にはメチルス
ルホニルアミノ基、ペンタデシルスルホニルアミノ基、
ベンゼンスルホンアミド基、p−トルエンスルホンアミ
ド基、2−メトキシ−5−t−アミルベンゼンスルホン
アミド基等が挙げられる。
Rで表されるイミド基は、開鎖状のものでも、環状のも
のでもよく、置換基を有していてもよい。
Rで表されるウレイド基は、アルキル基、アリール基
(好ましくはフェニル基)等により置換されていてもよ
く、例えばN−エチルウレイド基、N−メチル−N−デ
シルウレイド基、N−フェニルウレイド基、N−p−ト
リルウレイド基等が挙げられる。
Rで表されるスルファモイルアミノ基は、アルキル基、
アリール基(好ましくはフェニル基)等で置換されてい
てもよく、例えばN,N−ジブチルスルファモイルアミノ
基、N−メチルスルファモイルアミノ基、N−フェニル
スルファモイルアミノ基等が挙げられる。
Rで表されるアルコキシカルボニルアミノ基としては、
更に置換基を有していてもよく、例えばメトキシカルボ
ニルアミノ基、メトキシエトキシカルボニルアミノ基、
オクタデシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられ
る。
Rで表されるアリールオキシカルボニルアミノ基は、置
換基を有していてもよく、例えばフェノキシカルボニル
アミノ基、4−メチルフェノキシカルボニルアミノ基が
挙げられる。
Rで表されるアルコキシカルボニル基は更に置換基を有
していてもよく、例えばメトキシカルボニル基、ブチル
オキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、オ
クタデシルオキシカルボニル基、エトキシメトキシカル
ボニルオキシ基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げ
られる。
Rで表されるアリールオキシカルボニル基は更に置換基
を有していてもよく、例えばフェノキシカルボニル基、
p−クロロフェノキシカルボニル基、m−ペンタデシル
オキシフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
Rで表されるアルキルチオ基は、更に置換基を有してい
てもよく、例えば、エチルチオ基、ドデシルチオ基、オ
クタデシルチオ基、フェネチルチオ基、3−フェノキシ
プロピルチオ基が挙げられる。
Rで表されるアリールチオ基はフェニルチオ基が好まし
く更に置換基を有してもよく、例えばフェニルチオ基、
p−メトキシフェニルチオ基、2−t−オクチルフェニ
ルチオ基、3−オクタデシルフェニルチオ基、p−アセ
トアミノフェニルチオ基等が挙げられる。
Rで表されるヘテロ環チオ基としては、5〜7員のヘテ
ロ環チオ基が好ましく、更に縮合環を有してもよく、又
置換基を有していてもよい。例えば2−ピリジルチオ
基、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2,4−ジフェノキシ
−1,3,5−トリアゾール−6−チオ基が挙げられる。
Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱しう
る置換基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭
素原子、フッソ原子等)の他炭素原子、酸素原子、硫黄
原子または窒素原子を介して置換する基が挙げられる。
炭素原子を介して置換する基としては、例えば一般式 (R1′は前記Rと同義であり、Z′は前記Zと同義であ
り、R2′及びR3′は水素原子、アリール基、アルキル基
又はヘテロ環基を表す。)で示される基、ヒドロキシメ
チル基、トリフェニルメチル基が挙げられる。
酸素原子を介して置換する基としては例えばアルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキ
シ基、スルホニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキ
シ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルオ
キサリルオキシ基、アルコキシオキサリルオキシ基が挙
げられる。
該アルコキシ基は更に置換基を有してもよく、例えば、
エトキシ基、2−フェニルエトキシ基、2−シアノエト
キシ基、フェネチルオキシ基、p−クロスベンジルオキ
シ基等が挙げられる。
該アリールオキシ基としては、フェノキシ基が好まし
く、該アリール基は、更に置換基を有していてもよい。
具体的にはフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、3
−ドデシルフェノキシ基、4−メタンスルホンアミドフ
ェノキシ基、4−〔α−(3′−ペンタデシルフェノキ
シ)ブタンアミド〕フェノキシ基、ヘキサデシルカルバ
モイルメトキシ基、4−シアノフェノキシ基、4−メタ
ンスルホニルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、p
−メトキシフェノキシ基等が挙げられる。
該ヘテロ環オキシ基としては、5〜7員のヘテロ環オキ
シ基が好ましく、縮合環であってもよく、又置換基を有
していてもよい。具体的には、1−フェニルテトラゾリ
ルオキシ基、2−ベンゾチアゾリルオキシ基等が挙げら
れる。
該アシルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、ブタ
ノルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、シンナ
モイルオキシ基の如きアルケニルカルボニルオキシ基、
ベンゾイルオキシ基の如きアリールカルボニルオキシ基
が挙げられる。
該スルホニルオキシとしては、例えばブタンスルホニル
オキシ基、メタンスルホニルオキシ基が挙げられる。
該アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えばエト
キシカルボニルオキシ基、ベンジルオキシカルボニルオ
キシ基が挙げられる。
該アリールオキシカルボニルオキシ基としてはフェノキ
シカルボニルオキシ基等が挙げられる。
該アルキルオキサリルオキシ基としては、例えばメチル
オキサリルオキシ基が挙げられる。
該アルコキシオキサリルオキシ基としては、エトキシオ
キサリルオキシ基等が挙げられる。
硫黄原子を介して置換する基としては、例えばアルキル
チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルオ
キシチオカルボニルチオ基が挙げられる。
該アルキルチオ基としては、ブチルチオ基、2−シアノ
エチルチオ基、フェネチルチオ基、ベンジルチオ基等が
挙げられる。
該アリールチオ基としてはフェニルチオ基、4−メタン
スルホンアミドフェニルチオ基、4−ドデシルフェネチ
ルチオ基、4−ノナフルオロペンタンアミドフェネチル
チオ基、2−エトキシ−5−t−ブチルフェニルチオ基
等が挙げられる。
該ヘテロ環チオ基としては、例えば1−フェニル−1,2,
3,4−テトラゾリル−5−チオ基、2−ベンゾチアゾリ
ルチオ基等が挙げられる。
該アルキルオキシチオカルボニルチオ基としては、例え
ばドデシルオキシチオカルボニルチオ基が挙げられる。
上記窒素原子を介して置換する基としては、例えば一般
で示されるものが挙げられる。ここにR4′及びR5′は水
素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、スルフ
ァモイル基、カルバモイル基、アシル基、スルホニル
基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニ
ル基を表し、R4′とR5′は結合してヘテロ環を形成して
もよい。但し、R4′とR5′が共に水素原子であることは
ない。該アルキル基は直鎖でも分岐でもよく、好ましく
は、炭素数1〜22のものである。又、アルキル基は、置
換基を有していてもよく、置換基としては例えばアリー
ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミ
ノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、イミノ基、
アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルオ
キシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルア
ミノ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられる。該アル
キル基の具体的なものとしては、例えばエチル基、オキ
チル基、2−エチルヘキシル基、2−クロロエチル基が
挙げられる。
R4′又はR5′で表されるアリール基としては、炭素数6
〜32、特にフェニル基、ナフチル基が好ましく、該アリ
ール基は、置換基を有してもよく置換基としては上記
R4′又はR5′で表されるアルキル基への置換基として挙
げたもの及びアルキル基が挙げられる。
該アリール基として具体的なものとしては、例えばフェ
ニル基、1−ナフチル基、4−メチルスルホニルフェニ
ル基が挙げられる。
R4′又はR5′で表されるヘテロ環基としては5〜6員の
ものが好ましく、縮合環であってもよく、置換基を有し
てもよい。具体例としては、2−フリル基、2−キノリ
ル基、2−ピリミジル基、2−ベンゾチアゾリル基、2
−ピリジル基等が挙げられる。
R4′又はR5′で表されるスルファモイル基としては、N
−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルフ
ァモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジ
アリールスルファモイル基等が挙げられ、これらのアル
キル基及びアリール基は前記アルキル基及びアリール基
について挙げた置換基を有していてもよい。スルファモ
イル基の具体例としては例えばN,N−ジエチルスルファ
モイル基、N−メチルスルファモイル基、N−ドデシル
スルファモイル基、N−p−トリルスルファモイル基が
挙げられる。
R4′又はR5′で表されるカルバモイル基としては、N−
アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイ
ル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリール
カルバモイル基等が挙げられ、これらのアルキル基及び
アリール基は前記アルキル基及びアリール基について挙
げた置換基を有していてもよい。カルバモイル基の具体
例としては例えばN,N−ジエチルカルバモイル基、N−
メチルカルバモイル基、N−ドデシルカルバモイル基、
N−p−シアノフェニルカルバモイル基、N−p−トリ
ルカルバモイル基が挙げられる。
R4′又はR5′で表されるアシル基としては、例えばアル
キルカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カ
ルボニル基が挙げられ、該アルキル基、該アリール基、
該ヘテロ環基は置換基を有していてもよい。アシル基と
して具体的なものとしては、例えばヘキサフルオロブタ
ノイル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル基、
アセチル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、2−フリル
カルボニル基等が挙げられる。
R4′又はR5′で表されるスルホニル基としては、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スル
ホニル基が挙げられ、置換基を有してもよく、具体的な
ものとしては例えばエタンスルホニル基、ベンゼンスル
ホニル基、オクタンスルホニル基、ナフタレンスルホニ
ル基、p−クロロベンゼンスルホニル基等が挙げられ
る。
R4′又はR5′で表されるアリールオキシカルボニル基
は、前記アリール基について挙げたものを置換基として
有してもよく、具体的にはフェノキシカルボニル基等が
挙げられる。
R4′又はR5′で表されるアルコキシカルボニル基は、前
記アルキル基について挙げた置換基として有してもよ
く、具体的なものとしてはメトキシカルボニル基、ドデ
シルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基
等が挙げられる。
R4′及びR5′が結合して形成するヘテロ環としては5〜
6員のものが好ましく、飽和でも、不飽和でもよく、
又、芳香族性を有していても、いなくてもよく、又、縮
合環でもよい。
該ヘテロ環としては、例えば1−ピロリル基、1−ピロ
リジニル基、1−ピラゾリル基、1−ピラゾリジニル
基、1−ピペリジニル基、1−ピロリニル基、1−イミ
ダゾリル基、1−イミダゾリニル基、1−インドリル
基、1−イソインドリニル基、2−イソインドリル基、
2−イソインドリニル基、1−ベンゾトリアゾリル基、
1−ベンゾイミダゾリル基、1−(1,2,4−トリアゾリ
ル)基、1−(1,2,3−トリアゾリル)基、1−(1,2,
3,4−テトラゾリル)基、N−モルホリニル基、1,2,3,4
−テトラヒドロキシノリル基、2−オキソ−1−ピロリ
ジニル基、2−1H−ピリドン基、フタラジオン基、2−
オキソ−1−ピペリジニル基等が挙げられ、これらヘテ
ロ環基はアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、
アリールオキシ基、アシル基、スルホニル基、アルキル
アミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、スルホ
ンアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、ウレイド基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、イミド
基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等により置換さ
れていてもよい。
またZ又はZ′により形成される含窒素複素環として
は、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環ま
たはテトラゾール環等が挙げられ、前記環が有してもよ
い置換基としては前記Rについて述べたものが挙げられ
る。
又、一般式〔I〕及び後述の一般式〔II〕〜〔VIII〕に
於ける複素環上の置換基(例えば、R,R1〜R8)が 部分(ここにR1″、X及びZ″は一般式〔I〕における
R,X,Zと同義である。)を有する場合、所謂ビス体型カ
プラーを形成するが勿論本発明に包含される。又Z,Z′,
Z″及び後述のZ1により形成される環は、更に他の環
(例えば5〜7員のシクロアルケン)が縮合していても
よい。例えば一般式〔V〕におていはR5とR6が、一般式
〔VI〕においてはR7とR8とが、互いに結合して環(例え
ば5〜7員のシクロアルケンベンゼン)を形成してもよ
い。
一般式〔I〕で表されるものは更に具体的には例えば下
記一般式〔II〕〜〔VII〕により表される。
一般式〔II〕: 一般式〔III〕: 一般式〔IV〕: 一般式〔V〕: 一般式〔VI〕: 一般式〔VII〕: 前記一般式〔II〕〜〔VII〕に於いてR1〜R8及びXは前
記R及びXと同義である。
又、一般式〔I〕の中でも好ましいのは、下記一般式
〔VIII〕で表されるものである。
一般式〔VIII〕: 式中、R1、X及びZ1は一般式〔I〕におけるR,X及びZ
と同義である。
前記一般式〔I〕〜〔VII〕で表されるマゼンタカプラ
ーの中で特に好ましいものは一般式〔II〕又は〔III〕
で表されるマゼンタカプラーである。
又、一般式〔II〕〜〔VIII〕における複素環上の置換基
についていえば、一般式〔I〕においてはRが、また一
般式〔II〕〜〔VIII〕においてはR1が下記条件1を満足
する場合が好ましく更に好ましいのは下記条件1及び2
を満足する場合であり、特に好ましいのは下記条件1,2
及び3を満足する場合である。
条件1:複素環に直結する根元元素が炭素原子である。
条件2:該炭素原子に水素原子が1個だけ結合している、
または全く結合していない。
条件3:該炭素原子と隣接原子との間の結合が全て単結合
である。
前記複素環上の置換基R及びR1として最も好ましいの
は、下記一般式〔IX〕により表されるものである。
一般式〔IX〕: 式中、R9、R10及びR11はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シ
クロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ
環基、アシル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホス
ホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ
基、スピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シロ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミ
ノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、イミド基、
ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基
を表し、R9,R10及びR11の少なくとも2つは水素原子で
はない。
又、前記R9、R10及びR11の中の2つ例えばR9とR10は結合
して飽和又は不飽和の環(例えばシクロアルカン、シク
ロアルケン、ヘテロ環)を形成してもよく、更に該環に
R11が結合して有橋炭化水素化合物残基を構成してもよ
い。
R9〜R11により表される基は置換基を有してもよく、R9
〜R11により表される基の具体例及び該基が有してもよ
い置換基としては、前述の一般式〔I〕におけるRが表
す基の具体例及び置換基が挙げられる。
又、例えばR9とR10が結合して形成する環及びR9〜R11
より形成される有橋炭化水素化合物残基の具体例及びそ
の有してもよい置換基としては、前述の一般式〔I〕に
おけるRが表すシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘ
テロ環基の具体例及びその置換基が挙げられる。
一般式〔IX〕の中でも好ましいのは、 (i) R9〜R11の中の2つがアルキル基の場合、 (ii) R9〜R11の中の1つ例えばR11が水素原子であっ
て、他の2つR9とR10が結合して根元炭素原子と共にシ
クロアルキルを形成する場合、 である。
更に(i)の中でも好ましいのは、R9〜R11の中の2つ
がアルキル基であって、他の1つが水素原子またはアル
キル基の場合である。
ここに該アルキル、該シクロアルキルは更に置換基を有
してもよく該アルキル、該シクロアルキル及びその置換
基の具体例としては前記一般式〔I〕におけるRが表す
アルキル、シクロアルキル及びその置換基の具体例が挙
げられる。
上記一般式のマゼンタカプラーの具体例は次の通りであ
るが、これらに限定はされない。
これらのカプラーは、分子内の基のpKa値は10.2〜11.0
のものが多く、10未満には前記測定による変曲点はなか
った。その具体的記載は下記の文献に示されている。
英国特許第1,247,493号 〃 1,252,418号 〃 1,253,933号 〃 1,334,515号 米国特許第3,725,067号 特開昭 59-99437 号 〃 59-133545号 特願昭 58-167236号 〃 58-206321号 〃 58-214853号 〃 58-217339号 「ジャーナル・オブ・ケミカルソサイアティー」パーキ
ンI(1977年)2047〜2052ページ(ジョセフベイリー
著) 次に、本発明で使用する上記のフェノール系化合物(以
下、本発明のフェノール系化合物と称することがあ
る。)は耐拡散性を有することが好ましく、その理由
は、該フェノール系化合物と特に上記一般式〔I〕で表
わされるマゼンタカプラーとを同一のハロゲン化銀乳剤
層に含有せしめた場合、前記フェノール系化合物が耐拡
散性を有するときに効率よく本発明の目的が達成される
からである。
このフェノール系化合物は、非発色性で好ましくは耐拡
散性のものであれば良く、例えばカプラー分散用として
用いられている従来公知のフェノール系高沸点有機溶媒
などを適用することができる。
本発明において、フェノール系化合物の好ましいもの
は、融点が50℃以下で常温(25℃)において、固体、ま
たは常温において液体で常圧(1気圧)で沸点が200℃
よりも高いフェノール系化合物である。
本発明のフェノール系化合物は耐拡散性を付与するため
の基を有するものが好ましい。
このフェノール系化合物は好ましくは下記一般式〔X〕
で表わされるフェノール系化合物である。
一般式〔X〕 (但し、式〔X〕中、R6,R7は、各々、アルキル基を表
し、kは0または1を表す。) 前記一般式〔X〕におけるR6,R7で示されるアルキル基
は、炭素原子数1〜20のものが好ましく、例えばメチル
基、エチル基、フェネチル基、2−(p−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン−2−イル基、1−(p−ヒドロキシ
フェニル)ブタン−1−イル基、iso−プロピル基、ブ
チル基、tert−ブチル基、アミル基、sec−アミル基、t
ert−アミル基、ヘキシル基、オクチル基、tert−オク
チル基、デシル基、ドデシル基、8−ヘキサデセニル基
等の置換または非置換の直鎖または分岐のものが挙げら
れる。
前記一般式〔X〕におけるR6,R7で示されるアルキル基
は、それぞれ単独でまたは共同でフェノール系化合物を
耐拡散性としうる基が好ましく、R6,(R7)kの炭素原子数
の総和は6から30が好ましく、特に好ましくは8から25
である。
以下に、本発明のフェノール系化合物の代表的具体例を
記載するが、これらに限定されるものではない。
なお、本発明では、乳剤層に含有せしめるカプラーは上
記のマゼンタカプラーの他に、公知のイエロー、シアン
の各カプラーを使用してよい。
イエローカプラーとしては、公知の開鎖ケトメチレン系
カプラーを用いることができる。これらのうちピバロイ
ルアセトアニリド系またはベンゾイルアセトアニリド系
カプラーが有用である。
シアンカプラーとしては、フェノール系化合物、ナフト
ール系化合物などを用いることができる。
マゼンタカプラーとしては、上述の一般式〔I〕のカプ
ラーを単独で、または2種以上併用しても差し支えな
く、更に従来公知のピラゾロン系化合物、インダゾロン
系化合物、シアノアセチル系化合物、ピラゾリノベンツ
イミダゾール系化合物、ピラゾロトリアゾール系化合物
などを適宜併用してもかまわない。
上述したフェノール系化合物は、従来公知の方法により
容易に合成することができる。例えば米国特許第2,835,
579号明細書などに記載された方法で合成することがで
きる。また、一般に市販されている化合物も多く、例え
ば前記例示した具体例(3)、(5)、(6)、(15)
などが挙げられる。
本発明のカプラー、特にマゼンタカプラーを用いるに
は、通常のマゼンタ、その他の色素形成カプラーにおい
て用いられる方法が同様に適用できる。典型的にはマゼ
ンタカプラーをハロゲン化銀乳剤に配合し、この乳剤を
ベース上に被覆して写真要素を形成する。この写真要素
は単色要素であっても多色要素であってもよい。多色要
素では、本発明のマゼンタカプラーは通常緑感性乳剤に
含有させるが、非増感乳剤または緑色以外のスペクトル
三原色領域に感光性を有する乳剤層中に含有させてもよ
い。
本発明における色素画像を形成せしめる各構成単位は、
スペクトルのある一定領域に対して感光性を有する単乳
剤層または多層乳剤層からなるものである。
上記の画像形成構成単位の層を含めて写真要素に必要な
層は、当業界で知られているように種々の順序で配列す
ることができる。典型的な多色写真要素は、少なくとも
1つのシアン色素形成カプラーを有する少なくとも1つ
の赤感性ハロゲン化銀乳剤層からなるシアン色素画像形
成構成単位、少なくとも1つのマゼンタ色素形成カプラ
ーを有する少なくとも1つの緑感性ハロゲン化銀乳剤層
からなるマゼンタ色素画像形成構成単位(マゼンタ色素
形成カプラーの少なくとも1つは、本発明に基くマゼン
タカプラーであり、上記のフェノール系化合物を少なく
とも1つを含有する)、少なくとも1つの黄色色素形成
カプラーを有する少なくとも1つの青感性ハロゲン化銀
乳剤層からなる黄色色素画像形成構成単位を支持体に担
持させたものからなる。
写真要素は追加の層、例えばフィルター層、中間層、保
護層、下塗り層等を有することができる。
本発明のカプラーおよびフェノール系化合物をハロゲン
化銀感光材料に含有せしめるには、従来公知の方法に従
えばよい。例えば公知の高沸点溶媒および酢酸ブチル、
プロピオン酸ブチル等の低沸点溶媒の混合液に本発明の
カプラーおよびフェノール系化合物を単独で、または併
用して溶解した後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と
混合し、次に高速度回転ミキサーまたはコロイドミルあ
るいは超音波分散機で乳化した後、ハロゲン化銀に添加
して本発明に使用するハロゲン化銀乳剤を調製すること
ができる。
公知の高沸点溶媒としては、フタル酸エステル類(例え
ばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、リ
ン酸エステル類(トリクレジルホスフェート、トリオク
チルホスフェート等)、N−置換酸アミド類(N,N−ジ
エチルラウリンアミド等)などが代表的である。
また、本発明のフェノール系化合物は、それ自体高沸点
溶媒として用いることのできるものもあり、例えば化合
物の具体例(2)、(3)、(6)、(10)、(15)等
がそうである。この場合は、フタル酸エステル類などの
高沸点溶媒を併用しなくても差し支えない。本発明のフ
ェノール系化合物は、本発明のカプラーと別々に分散し
て各々を同一のハロゲン化銀乳剤に加えてもよいが、好
ましくは両者を同時に溶解し添加する方が良い。そして
本発明のカプラーをハロゲン化銀乳剤中に添加する場
合、通常、ハロゲン化銀1モル当り約0.01〜2モル、好
ましくは0.03〜0.5モルの範囲で添加される。
また、本発明のフェノール系化合物は、本発明のカプラ
ーに対し、多く添加されるほど本発明の効果が大きくあ
らわれるが、具体的には本発明のカプラー1gに対し、0.
1〜10g、好ましくは0.25〜3gの範囲で添加される。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、例えばカラーネ
ガのネガ及びポジフィルム、ならびにカラー印画紙など
であることができるが、とりわけ直接鑑賞用に供される
カラー印画紙を用いた場合に本発明方法の効果が有効に
発揮される。
このカラー印画紙をはじめとする本発明のハロゲン化銀
写真感光材料は、単色用のものでも多色用のものでも良
い。多色用ハロゲン化銀写真感光材料の場合には、減色
法色再現を行うために、通常は写真用カプラーとして、
マゼンタ、イエロー、及びシアンの各カプラーを含有す
るハロゲン化銀乳剤層ならびに非感光性層が支持体上に
適宜の層数及び層順で積層し構造を有しているが、該層
数及び層順は重点性能、使用目的によって適宜変更して
も良い。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられるハロゲ
ン化銀乳剤には、ハロゲン化銀として臭化銀、沃臭化
銀、沃塩化銀、塩臭化銀、及び塩化銀等の通常のハロゲ
ン化銀乳剤に使用される任意のものを用いる事が出来
る。
本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒
子は、酸性法、中性法、アンモニア法のいずれかで得ら
れたものでもよい。該粒子は一時に成長させても良い
し、種粒子をつくった後成長させても良い。種粒子をつ
くる方法と成長させる方法は同じであっても、異なって
も良い。
ハロゲン化銀乳剤はハロゲンイオンと銀イオンを同時に
混合しても、いずれか一方が存在する中に、他方を混合
してもよい。また、ハロゲン化銀結晶の臨界成長速度を
考慮しつつ、ハライドイオンと銀イオンを混合釜内のP
H,PAgをコントロールしつつ逐次同時に添加する事によ
り、生成させても良い。成長後にコンバージョン法を用
いて、粒子のハロゲン組成を変化させても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造時に、必要に応じてハ
ロゲン化銀溶剤を用いる事により、ハロゲン化銀粒子の
粒子サイズ、粒子の形状、粒子サイズ分布、粒子の成長
速度をコントロール出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒
子は、粒子を形成する過程及び/又は成長させる過程
で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩又は錯体塩、ロジウム塩又は錯塩、鉄塩又は錯
塩、を用いて金属イオンを添加し、粒子内部に及び/又
は粒子表面に包合させる事が出来、また適当な還元的雰
囲気におく事により、粒子内部及び/又は粒子表面に還
元的増感核を付与出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長
の終了後に不用な可溶性塩類を除去しても良いし、ある
いは含有させたままで良い。該塩類を除去する場合に
は、リサーチディスクロジャー17643号記載の方法に基
づいて行う事が出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒
子は、内部と表面が均一な層から成っていても良いし、
異なる層から成っても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒
子は、潜像が主として表面に形成されるような粒子であ
っても良く、また主として粒子内部に形成されるような
粒子でも良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒
子は、規則的な結晶形を持つものでも良いし、球状や板
状のような変則的な結晶形を持つものでも良い。これら
粒子において〔1,0,0〕面と〔1,1,1〕面の比率は任意の
ものが使用出来る。又、これら結晶形の複合形を持つも
のでも良く、様々な結晶形の粒子が混合されても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種以上
のハロゲン化銀乳剤を混合して用いても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感され
る。即ち、銀イオンと反応できる硫黄を含む化合物や、
活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレン化合物を用い
るセレン増感法、還元性物質を用いる還元増感法、金そ
の他の貴金属化合物を用いる貴金属増感法などを単独又
は組み合わせて用いる事が出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、写真業界において、増感
色素として知られている色素を用いて、所望の波長域に
光学的に増感出来る。増感色素は単独で用いても良い
が、2種以上を組み合わせて用いても良い。増感色素と
ともにそれ自身分光増感作用を持たない色素、あるいは
可視光を実質的に吸収しない化合物であって、増感色素
の増感作用を強める強色増感剤を乳剤中に含有させても
良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、
保存中、あるいは写真処理中のカブリの防止、及び/又
は写真性能を安定に保つ事を目的として化学熟成中、及
び/又は化学熟成の終了時、及び/又は化学熟成の終了
後、ハロゲン化銀乳剤を塗布するまでに、写真業界にお
いてカブリ防止剤又は安定剤として知られている化合物
を加える事が出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤のバインダー(又は保護コロ
イド)としては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、
それ以外にゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグ
ラフトポリマー、蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導
体、単一あるいは共重合体の如き合成親水性高分子物質
等の親水性コロイドも用いる事が出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳剤
層、その他の親水性コロイド層は、バインダー(又は保
護コロイド)分子を架橋させ、膜強度を高める硬膜剤を
単独又は併用することにより硬膜される。硬膜剤は、処
理液中に硬膜剤を加える必要がない程度に、感光材料を
硬膜出来る量添加する事が望ましいが、処理液中に硬膜
剤を加える事も可能である。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料のハロゲン
化銀乳剤層及び/又は他の親水性コロイド層の柔軟性を
高める目的で可塑剤を添加出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳剤
層その他の親水性コロイド層に寸度安定性の改良等を目
的として、水不溶又は難溶性合成ポリマーの分散物(ラ
テックス)を含む事が出来る。
本発明のカラー写真感光材料の乳剤層間で(同一感色性
層間及び/又は異なった感色性層間)、現像主薬の酸化
体又は電子移動剤が移動して色濁りが生じたり、鮮鋭性
の劣化、粒状性が目立つのを防止するために色カブリ防
止剤を用いてもよい。
該色カブリ防止剤は乳剤層自身に用いても良いし、中間
層を隣接乳剤層間に設けて、該中間層に用いても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いたカラー感光材料に
は、色素画像の劣化を防止する画像安定剤を用いる事が
出来る。
本発明の感光材料の保護層、中間層等の親水性コロイド
層に感光材料が摩擦等で帯電する事に起因する放電によ
るカブリ防止、画像のUV光による劣化を防止するために
紫外線吸収剤を含んでいても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いたカラー感光材料に
は、フィルター層、ハレーション防止層、及び/又はイ
ラジェーション防止層等の補助層を設ける事が出来る。
これらの層中及び/又は乳剤層中には現像処理中にカラ
ー感光材料より流出するかもしくは漂白される染料が含
有させられても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀感光材
料のハロゲン化銀乳剤層、及び/又はその他の親水性コ
ロイド層に感光材料の光沢を低減する加筆性を高める、
感材相互のくっつき防止等を目標としてマット剤を添加
出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の滑り摩擦
を低減させるために滑剤を添加出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料に、帯電防
止を目的とした帯電防止剤を添加出来る。帯電防止剤は
支持体の乳剤を積層してない側の帯電層に用いられる事
もあるし、乳剤層及び/又は支持体に対して乳剤層が積
層されている側の乳剤層以外の保護コロイド層に用いら
れても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳剤
層及び/又は他の親水性コロイド層には、塗布性改良、
帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止、及び
(現像促進、硬調化、増感等の)写真特性改良等を目的
として、種々の界面活性剤が用いられる。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料は写真乳剤
層、その他の層はバライタ層又はα−オレフレインポリ
マー、等をラミネートした紙、合成紙等の可撓性反射支
持体、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネイト、ポリアミド等の半合成又は合成高分子
からなるフィルムや、ガラス、金属、陶器などの剛体等
に塗布出来る。
本発明のハロゲン化銀材料は必要に応じて支持体表面に
コロナ放電、紫外線照射、火焔処理等を施した後、直接
又は支持体表面の接着性、帯電防止性、寸法安定性、耐
摩耗性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性、及び/
又はその他の特性を向上するための、1または2以上の
下塗層を介して塗布されても良い。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の塗布
に際して、塗布性を向上させる為に増粘剤を用いても良
い。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布する事の
出来るエクストールジョンコーティング及びカーテンコ
ーティングが特に有用である。
本発明の感光材料は、本発明の感光材料を構成する乳剤
層が感度を有しているスペクトル領域の電磁波を用いて
露光出来る。光源としては、自然光(日光)、タングス
テン電灯、蛍光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素ア
ーク灯、キセノンフラッシュ灯、陰極線管フラングスポ
ット、各種レーザー光、発光ダイオード光、電子線、X
線、γ線、α線などによって励起させた蛍光体から放出
する光等、公知の光源のいずれでも用いることが出来
る。
露光時間は通常カメラで用いられる1ミリ秒から1秒の
露光時間は勿論、1マイクロ秒より短い露光、例えば陰
極線管やキセノン閃光灯を用いて100マイクロ秒〜1マ
イクロ秒の露光を用いることも出来るし、1秒以上より
長い露光も可能である。該露光は連続的に行なわれて
も、間欠的に行なわれても良い。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、当業界公知のカ
ラー現像を行う事により画像を形成することが出来る。
発色現像液に使用される芳香族第1級アミン発色現像主
薬は、種々のカラー写真プロセスにおいて広範囲に使用
されている公知のものが包含される。これらの現像剤は
アミノフェノール系及びp−フェニレンジアミン系誘導
体が含まれる。これらの化合物は遊離状態より安定のた
め一般に塩の形、例えば塩酸塩または硫酸塩の形で使用
される。また、これらの化合物は一般に発色現像液1
について約0.1g〜約30gの濃度、好ましくは発色現像液
1について約1g〜約1.5gの濃度で使用する。
アミノフェノール系現像液としては、例えばo−アミノ
フェノール、p−アミノフェノール、5−アミノ−2−
オキシトルエン、2−アミノ−3−オキシトルエン、2
−オキシ−3−アミノ−1,4−ジメチルベンゼンなどが
含まれる。
特に有用な第1級芳香族アミノ系発色現像剤はN,N′−
ジアルキル−p−フェニレンジアミン系化合物であり、
アルキル基及びフェニル基は任意の置換基で置換されて
いてもよい。その中でも特に有用な化合物例としてはN,
N′−ジエチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩、N−
メチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩、N,N′−ジメ
チル−p−フェニレンジアミン塩酸塩、2−アミノ−5
−(N−エチル−N−ドデシルアミノ)−トルエン、N
−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3−
メチル−4−アミノアニリン硫酸塩、N−エチル−N−
β−ヒドロキシエチルアミノアニリン、4−アミノ−3
−メチル−N,N′−ジエチルアニリン、4−アミノ−N
−(2−メトキシエチル)−N−エチル−3−メチルア
ニリン−p−トルエンスルホネートなどを挙げることが
できる。
本発明の写真感光材料の処理において使用される発色現
像液には、前記第1級芳香族アミン系発色現像剤に加え
て更に発色現像液に通常添加されている種々の成分、例
えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
などのアルカリ剤、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金
属重亜硫酸塩、アルカリ金属チオシアン酸塩、アルカリ
金属ハロゲン化物、ベンジルアルコール、水軟化剤及び
濃厚化剤などを任意に含有せしめることもできる。この
発色現像液のpH値は、通常7以上であり、最も一般的に
は約10〜約13である。
発色現像処理した後、定着能を有する処理液で処理する
が、該定着能を有する処理液が定着液である場合、その
前に漂白処理が行なわれる。又、漂白処理と定着処理は
一浴で行なってもよい。該漂白処理工程に用いる漂白剤
としては有機酸の金属錯塩が用いられ、該金属錯塩は、
現像によって生成した金属銀を酸化してハロゲン化銀に
かえすと同時に発色剤の未発色部を発色させる作用を有
するもので、その構成はアミノポリカルボン酸または
酸、クエン酸等の有機酸で鉄、コバルト、銅等の金属イ
オンを配位したものである。このような有機酸の金属錯
塩を形成するために用いられる最も好ましい有機酸とし
ては、ポリカルボン酸またはアミノポリカルボン酸が挙
げられる。これらのポリカルボン酸またはアミノポリカ
ルボン酸はアルカリ金属塩、アンモニウム塩もしくは水
溶性アミン塩であってもよい。
これらの具体的代表例としては次のものを挙げることが
できる。
〔1〕 エチレンジアミンテトラ酢酸 〔2〕 ニトリロトリ酢酸 〔3〕 イミノジ酢酸 〔4〕 エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩 〔5〕 エチレンジアミンテトラ酢酸テトラ(トリメチ
ルアンモニウム)塩 〔6〕 エチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウム
塩 〔7〕 ニトリロトリ酢酸ナトリウム塩 使用される漂白液又は漂白定着は、前記の如き有機酸の
金属錯塩を漂白剤として含有すると共に、種々の添加剤
を含むことができる。添加剤としては、特にアルカリハ
ライドまたはアンモニウムハライド、例えば臭化カリウ
ム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化アンモニウ
ム等の再ハロゲン化剤、金属塩、キレート剤を含有させ
ることが望ましい。また硼酸塩、酸塩、酢酸塩、炭酸
支援、燐酸塩等のpH緩衝剤、アルキルアミン類、ポリエ
チレンオキサイド類等の通常漂白液又は漂白定着液に添
加することが知られているものを適宜添加することがで
きる。
更に、定着液及び漂白定着液は、亜硫酸アンモニウム、
亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリ
ウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウ
ム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等
の亜硫酸塩や硼酸、硼砂、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重亜硫酸ナト
リウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸、酢
酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各種の塩から成
るpH緩衝剤を単独或いは2種以上含むことができる。
漂白定着液(浴)に漂白定着補充剤を補充しながら本発
明の処理を行なう場合、該漂白定着液(浴)にチオ硫酸
塩、チオシアン酸塩又は亜硫酸塩等を含有せしめてもよ
いし、該漂白定着補充液にこれらの塩類を含有せしめて
処理浴に補充してもよい。
本発明においては漂白定着液の活性度を高める為に漂白
定着浴中及び漂白定着補充液の貯蔵タンク内で所望によ
り空気の吹き込み、又は酸素の吹き込みをおこなっても
よく、或いは適当な酸化剤、例えば過酸化水素、臭素酸
塩、過硫酸塩等を適宜添加してもよい。
ホ.実施例 以下、実施例により本発明を具体的に述べるが、本発明
の実施の態様がこれにより限定されるものではない。
実施例1 後記の第1表に示すように本発明に基くマゼンタカプラ
ーおよび下記の比較カプラーを各々銀1モルに対して0.
1モルづつ取り、トリクレジルホスフェートおよび本発
明のフェノール系化合物の適当量、更にカプラー重量の
3倍量の酢酸エチルを加え、60℃に加温して完全に溶解
した。この溶液をアルカノールB(アルキルナフタレン
スルホネート、デュポン社製)の5%水溶液120mlを含
む5%ゼラチン水溶液1200mlと混合し、超音波分散機を
用いて乳化分散し、乳化物を得た。その後、この分散液
を緑感性沃臭化銀乳剤(沃化銀6モル%含有)4kgに添
加し、硬膜剤を加え、下引きされた透明なポリエステル
ベース上に塗布乾燥し、試料1〜10を作成した。(塗布
銀量20mg/100cm2) このようにして得られた試料を常法に従ってウエッジ露
光を行なった後、以下の現像処理を行なった結果を後記
の表に示す。
〔処理工程〕(38℃) 処理時間 発色現像 3分15秒 漂 白 1分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 安定浴 1分30秒 処理工程において使用した処理液組成は、下記の如くで
あった。
〔発色現像液組成〕
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)−アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシアミン1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロトリ酢酸3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1とし、水酸化カリウムを用いてpH10.0に
調整する。
〔漂白液組成〕
エチレンジアミンテトラ酢酸鉄 アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミンテトラ酢酸2 アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH6.0に調
整する。
〔定着液組成〕
チオ硫酸アンモニウム(50%水溶液) 162 ml 無水亜硫酸ナトリウム 12.4 g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH6.5に調整する。
〔安定化液組成〕
ホルマリン(37%水溶液) 5.0ml コニダックス(小西六写真工業株式会社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
なお、備考に記したDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
1.0(カプラーと同じ重量の意味)は、先に記したカプ
ラーの溶解時に加えた。比較化合物I〜IIIは、DMFの添
加なしにこの系に完全に溶解して内蔵させることは困難
であった。
これに対し、本発明のカプラーを用いるとDMFの添加な
しでも均一に系中に内蔵させることができた。しかも、
上記表のデータから明らかなように、本発明のカプラー
とフェノール系化合物との併用によって発色性が大きく
向上する。
又、試料6においてフェノール系化合物を本発明外のフ
ェノール系化合物に代えて同様に行ったが、下記の第12
表に示す如く、本発明のような感度や最大発色濃度の特
長が得られていない。
すなわち、このことからも、一般式〔I〕で表され、か
つ、分子内に存在する電離性の基のすべてが10以上のpK
a値を示すカプラーと、一般式〔X〕で表されるフェノ
ール系化合物とがハロゲン化銀乳剤層中に含有されてな
る写真感光材料が極めて優れたものであることが窺え
る。
又、実施例1の試料1について、マゼンタカプラーm−
5を下記の第13表に示すカプラーに変えた以外は同様に
して試料20〜試料22を作成し、実施例1と同様の評価を
なしたので、その結果を第13表に示す。
これから判るように、一般式〔III〕で表されるマゼン
タカプラーも一般式〔II〕で表されるマゼンタカプラー
と同様に優れた硬化が奏される。
又、実施例1の試料1について、本発明のフェノール系
化合物に変えて比較化合物A(特開昭59-125732号公報
の第7ページに記載のA−10の化合物)を用いた以外は
同様にして比較試料Aを作成し、実施例1と同様の評価
を成したので、その結果を第14表に示す。
これから判るように、本発明外の比較化合物Aが用いら
れた場合には本発明のような優れた効果が奏されない。
実施例2 次の各層をアナターゼ型の酸化チタンを含有したポリエ
チレン樹脂コート紙上に順番に塗設することによりハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料試料11〜14を調製した。
以下の添加量は100cm2当りのものを示す。
(1) 20mgのゼラチン、銀量として5mgの青感性塩臭
化銀乳剤、そして8mgのY−カプラー*および0.1mgの2,5
−t−オクチルハイドロキノンを溶解した3mgのジ−オ
クチルフタレートカプラー溶媒を含む層 (2) 12mgのゼラチン、0.5mgの2,5−t−オクチルハ
イドロキノンを溶解した2mgのジブチルフタレート紫外
線吸収剤溶媒を含む中間層。
(3) 23mgのゼラチン、銀量として4mgの緑感性塩臭
化銀乳剤、そして5mgのM−カプラーおよび0.2mgの2,5
−t−オクチルハイドロキノンを溶解した5mgの高沸点
有機溶媒HBS*を含む層。
(4) (2)と同じ組成物を含む中間層。
(5) 16mgのゼラチン、銀量として4mgの赤感性塩臭
化銀乳剤、そして3.0mgのC−カプラー*および0.1mgの
2,5−t−オクチルハイドロキノンを溶解した2.0mgのト
リクレジルホスフェートカプラー溶媒を含む層。
(6) 9mgのゼラチンを含有しているゼラチン保護
層。
(1)から(6)の各層には塗布助剤を添加し、更に
(4)および(6)の層にはゼラチン架橋剤を添加し
た。
試料−11,12,13及び14をセンシトメトリー法に従って光
楔露光し、次いで下記の順序に従って33℃の温度で処理
した。
処理工程 発色現象 3分30秒 漂白定着 1分30秒 水 洗 3分 発色現像液および漂白定着液は下記の処方の処理液を使
用した。
得られたマゼンタ画像を濃度計(小西六写真工業株式会
社製KD-7R型)を用いて濃度測定し、感度、カブリ、最
高濃度(Dmax)を求めた。結果を下記第2表に示した。
(但し、感度は試料13の感度を100としたときの相対感
度) 以上より、本発明に係る試料12が感度、最高濃度の点に
おいて優れていることがわかる。
実施例3 実施例2における試料12のカプラーm−15をm−40、m
−56、m−57、m−71、m−76、m−86、m−114、m
−135(添加量は、m−15と等モル量)に代えた他は、
実施例2と同様にしたところ、本発明の良好な効果が得
られた。
又、更にHBSをフェノール化合(6)に代えても同様で
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮城 薫 東京都日野市さくら町1番地 小西六写真 工業株式会社内 (72)発明者 中山 憲卓 東京都日野市さくら町1番地 小西六写真 工業株式会社内 (72)発明者 木村 寿彦 東京都日野市さくら町1番地 小西六写真 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−125732(JP,A) 特開 昭60−262157(JP,A) 特開 昭60−262159(JP,A) 特開 昭58−42045(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔II〕又は〔III〕で表され、
    かつ、分子内に存在する電離性の基のすべてが10以上の
    pKa値(Kaは電離定数である。)を示すカプラーと、下
    記一般式〔X〕で表されるフェノール系化合物とがハロ
    ゲン化銀乳剤層中に含有されてなることを特徴とする写
    真感光材料。 一般式〔II〕 一般式〔III〕 (但し、式〔II〕,〔III〕中、R1,R2,R3は水素原子ま
    たは置換基、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体
    との反応により離脱し得る置換基を表す。) 一般式〔X〕 (但し、式〔X〕中、R6,R7は、各々、アルキル基を表
    し、kは0または1を表す。)
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