JPH07155576A - ロジン系物質の水性エマルションの製造法 - Google Patents

ロジン系物質の水性エマルションの製造法

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JPH07155576A
JPH07155576A JP33950893A JP33950893A JPH07155576A JP H07155576 A JPH07155576 A JP H07155576A JP 33950893 A JP33950893 A JP 33950893A JP 33950893 A JP33950893 A JP 33950893A JP H07155576 A JPH07155576 A JP H07155576A
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aqueous emulsion
premixed
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meth
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Atsushi Sakai
敦 阪井
Hirobumi Yoshimura
博文 吉村
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳化分散時に有機溶剤を用いることなく、保
存安定性に優れたロジン系物質の水性エマルションを製
造する。 【構成】 水、ロジン系物質及び乳化剤からなる予備混
合液を高圧乳化してロジン系物質の水性エマルションを
製造するに際し、該予備混合液をチャンバー内の流路に
導入し、該予備混合液を高圧下に該流路内の平面部に衝
突させ、または高圧下に該流路内で該予備混合液同士を
衝突させることにより乳化させる装置を使用し、乳化す
ることを特徴とするロジン系物質の水性エマルションの
製造法。 【効果】 生産性や安全・衛生面での不利がなく、しか
も粒子径が微細で保存安定性に優れたロジン系物質の水
性エマルションを容易に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロジン系物質の水性エマ
ルションの製造法に関する。さらに詳細には、特定の乳
化装置を用いることにより、乳化分散時に有機溶剤を用
いることなく、保存安定性に優れたロジン系物質の水性
エマルションを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロジン系物質の水性エマルションは製紙
用サイズ剤、粘着付与剤、塗料・インキ用改質剤等とし
て賞用されている。従来、ロジン系物質の水性エマルシ
ョンの製造法としては、いわゆる溶剤系高圧乳化法、無
溶剤系高圧乳化方法、転相乳化法などが知られている。
【0003】溶剤系高圧乳化法としては、例えば特開昭
52−50352号公報等に記載されているように、ロ
ジン系物質を水不溶性の揮発性有機溶剤に溶解させ、該
溶液を水及び適当な乳化剤と予備混合し、該予備混合液
をホモジナイザー等の高圧乳化機にて乳化した後、有機
溶剤を留去することにより水性エマルションを得る方法
である。しかし、この方法では有機溶剤の留去工程が必
要なため生産性が低く、しかも有機溶剤の使用による労
働安全・衛生上または環境上の問題がある。
【0004】無溶剤系高圧乳化法とは、ロジン系物質を
その軟化点以上に加熱し溶融状態で、これに水と適当な
乳化剤とを予備混合し、ホモジナイザー等の高圧乳化機
にて乳化し水性エマルションを得る方法である。しか
し、かかる方法においては、高圧乳化機の運転時の剪断
力や圧力をあまり高めることができない等の理由によ
り、ロジン系物質の粒子を充分に微細化できず、保存安
定性の良いエマルションを製造することは困難であっ
た。
【0005】また転相乳化法とは、加熱溶融状態のロジ
ン系物質に対し、撹拌下に適当な乳化剤と水を添加しな
がら、該内容物を油中水型エマルションから水中油型エ
マルションへ転相させることによって水性エマルション
を得る方法である。しかし、この方法においては、ロジ
ン系物質の粒子を充分に微細化してエマルションの保存
安定性を良くするためには、前述の高圧乳化方法に比較
して、多量の乳化剤が必要なため製品の泡立ちが大きく
なる傾向がある。また、好適に使用できる乳化剤種も非
常に限定されるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生産性や安
全・衛生面で不利な有機溶剤を使用することなく、しか
も少量の乳化剤を使用して、粒子径が微細で保存安定性
に優れたロジン系物質の水性エマルションを製造するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため各種乳化条件に着目して鋭意研究を重ね
た。その結果、ロジン系物質を加熱溶融し、該溶融物と
水と乳化剤とを予備混合したのち、特定の乳化装置を用
いて、該予備混合液を高圧乳化することにより、目的と
するロジン系物質の水性エマルションを製造しうるとの
知見を得た。本発明はかかる知見に基づいて完成された
ものである。
【0008】すなわち本発明は、水、ロジン系物質及び
乳化剤からなる予備混合液を高圧乳化してロジン系物質
の水性エマルションを製造するに際し、該予備混合液を
チャンバー内の流路に導入し、該予備混合液を高圧下に
該流路内の平面部に衝突させ、または高圧下に該流路内
で該予備混合液同士を衝突させることにより乳化させる
装置を使用し、乳化することを特徴とするロジン系物質
の水性エマルションの製造法に係る。
【0009】本発明におけるロジン系物質としては、
(イ)ロジン類;前記(イ)と(ロ)α,β−不飽和カ
ルボン酸誘導体との反応生成物であるα,β−不飽和カ
ルボン酸変性ロジン;前記(イ)と(ハ)多価アルコー
ルとの反応生成物であるロジン多価アルコールエステ
ル;前記(イ)、(ロ)及び(ハ)の反応生成物である
α,β−不飽和カルボン酸変性ロジン多価アルコールエ
ステル、更にはこれらロジン系物質の混合物等を例示で
きる。
【0010】ここで、(イ)ロジン類とはガムロジン、
ウッドロジン、トール油ロジン等をいう。また、ロジン
類には、これらの変性物である水素化ロジン、不均化ロ
ジン、重合ロジン、アルデヒド変性ロジン等を一部併用
してもよい。また、前記のエステルとは、完全エステル
化物及び部分エステル化物のいずれをも含む。
【0011】本発明におけるロジン系物質の軟化点(環
球法)は、特に制限はされないが、本発明の製造法にお
いては、従来の無溶剤型高圧乳化法では乳化困難とされ
ていた高溶融粘度を有するロジン系物質、例えば95℃
以上のものを水性エマルション化するのに好適である。
【0012】本発明で使用する乳化剤としては、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ロジン石
鹸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフ
ェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジスチリル
フェニルエーテルのスルホコハク酸塩等の各種公知のア
ニオン性界面活性剤;ポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド等の各種公知のノニオン性界面活性剤等
を例示できる。また本発明においては、乳化剤として、
各種公知のポリマー系乳化剤も好適に使用できる。
【0013】該ポリマー系乳化剤としては、特に制限は
されず各種不飽和単量体を共重合させて得られるアニオ
ン性共重合体、カチオン性共重合体、両性共重合体のい
ずれも有効に使用できる。ここで、一般に、アニオン性
共重合体とは、アニオン性不飽和単量体20〜80重量
%、好ましくは30〜70重量%及びノニオン性不飽和
単量体20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%
からなる共重合体をいい、カチオン性共重合体とは、カ
チオン性不飽和単量体1〜90重量%、好ましくは10
〜60重量%及びノニオン性不飽和単量体10〜99重
量%、好ましくは40〜90重量%からなる共重合体を
いい、両性共重合体とは、アニオン性不飽和単量体1〜
60重量%、好ましくは10〜40重量%、カチオン性
不飽和単量体1〜60重量%、好ましくは10〜40重
量%及びノニオン性不飽和単量体20〜90重量%、好
ましくは20〜80重量%からなる共重合体をいう。
【0014】アニオン性不飽和単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の
各種エチレン性不飽和カルボン酸またはこれらのアンモ
ニウム塩もしくはアルカリ金属塩を例示できる。これら
のなかでも、特にアクリル酸、メタクリル酸が好まし
い。尚、アニオン性不飽和単量体成分をアンモニウム塩
やアルカリ金属塩となすには後述する重合方法により共
重合体を得た後、アンモニア、低級アミン、アルカリ金
属水酸化物等のアルカリ物質を使用して中和してもさし
つかえない。
【0015】カチオン性不飽和単量体としては、N,N
−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルア
ミド、これらの鉱酸塩及びこれらの第4級化物;アリル
アミン、ジアリルアミン、ジアリルモノメチルアミン、
ジメチルジアリルアンモニウムクロリド等が該当する。
これらのうち好ましいものとしては、N,N−ジメチル
アミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル
アミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、これらの鉱酸塩及びこれらの第4級化物を例示しう
る。上記鉱酸塩となすために使用する鉱酸としては塩
酸、硫酸などが好適である。また上記4級化剤として
は、特に制限はされず各種公知のものを使用できるが、
好ましくはエピハロヒドリン、ハロゲン化メチル、ベン
ジルハライド、メチル硫酸等を例示しうる。尚、4級化
反応は単量体に対して行なうことの他、当然に得られた
共重合体に対しても行なうことができる。
【0016】ノニオン性不飽和単量体としては、一般式
(1):
【0017】
【化1】
【0018】で表されるアクリル酸エステルまたはメタ
クリル酸エステル(以下、両者を(メタ)アクリル酸エ
ステルと称す)、スチレン、α−メチルスチレン等のス
チレン類や、これらスチレン類の芳香環に炭素数1〜4
のアルキル基を有するスチレン系化合物のスチレン系単
量体、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニト
リル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、炭素数6〜2
2のα−オレフィン、炭素数1〜22のアルキルビニル
エーテル、ビニルピロリドン等を例示できる。これらの
なかでも、特に(メタ)アクリル酸エステル、スチレン
系単量体が好ましい。
【0019】アニオン性共重合体の具体例としては、ス
チレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、(メタ)アク
リル酸−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等があ
げられる。カチオン性共重合体の具体例としては、スチ
レン−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレート系共重合体、スチレン−N,N−ジアルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリルアミド系共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル−N,N−ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート系共重合体、(メタ)アク
リル酸エステル−N,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリルアミド系共重合体等があげられる。両
性共重合体の具体例としては、スチレン−(メタ)アク
リル酸−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレート系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸
−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル
アミド系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メ
タ)アクリル酸−N,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート系共重合体、(メタ)アクリル酸
エステル−(メタ)アクリル酸−N,N−ジアルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリルアミド系共重合体等があ
げられる。
【0020】前記共重合体の製造方法としては溶液重
合、乳化重合、懸濁重合等の各種公知の方法をそのまま
採用することができる。また、得られた共重合体の分子
量は、ロジン物質の分散能と直接相関するため通常は重
量平均分子量が1000〜200000であるのが好ま
しい。
【0021】本発明では、以下のような特定の乳化装置
を使用することが必須とされる。すなわち、該乳化装置
は高圧ポンプと図1に示すようなチャンバーとからな
る。チャンバー内には高圧に耐える2枚のディスクがあ
り、それぞれのディスクには、2本の貫通流路とそれを
結ぶ1本の連結溝がディスク片側に刻まれている。この
2枚のディスクは、連結溝が刻まれた側面を合わせて、
ディスク抑えによって組み合わされているが、連結溝が
完全に重なり合わない限り、交わり角度は特に制限はな
く、必ずしも直交している必要はない。また、微細な水
性エマルションを収得するためには、貫通流路及び連結
溝は100〜1000μmの径であることが好ましい。
【0022】ディスクの材質としては、超高圧に耐える
ものが選ばれる。例えば焼結金属、セラミックス、ダイ
ヤモンド等が挙げられる。
【0023】前記乳化装置を用いた本発明の製造法を以
下説明する。まず、ロジン系物質を通常80〜200℃
程度に加熱溶融し、ついで該溶融物に対し前記乳化剤と
水を予備混合する。予備混合に際しては、水の蒸気圧が
沸点を越える場合には加圧系で行っても良い。該予備混
合液はチャンバー内の細い流路に500〜10000K
g/cm2 程度で圧入され、チャンバー内で2分割され
る。該予備混合液は高速で各流路を通過し、再び合流す
る。この際、予備混合液は高速で互いに衝突するため
に、その衝撃力でエマルション粒子は微細化される。粒
子を微細化する力としては、予備混合液同士の衝突以外
にも、細い流路を高速で通過することにより発生する剪
断力、流路の折れ曲がり部分を液が高速で通過する際の
流路壁面への衝突による衝撃力、瞬間的な圧力降下によ
って起きるキャビテーション等が同時に関与する。
【0024】前記予備混合液がチャンバー内の流路を通
過する際の圧力、すなわち乳化圧力は前記予備混合液の
チャンバー導入時の圧力と同程度であり、通常は500
〜10000Kg/cm2 程度が好ましい。500Kg
/cm2 未満ではエマルション粒子を充分には微細化で
きない。10000Kg/cm2 を越える場合には該乳
化装置の耐久寿命の点で不利がある。なお、エマルショ
ン粒子の微細化の観点からは、分散相であるロジン系物
質の溶融粘度が高くなるほど乳化圧力も高い方が好まし
いが、ディスクの摩耗等を考えると500〜3000K
g/cm2 で運転するのが特に好ましい。また、前記圧
力範囲内であっても、比較的低圧の処理条件でエマルシ
ョン粒子の微細化を促進するためには、前記衝突時にお
ける予備混合液中のロジン系物質の溶融粘度が1000
0cP以下、好ましくは1000cP以下になるのが良
く、かかる条件を満足するよう予備混合液をチャンバー
内に圧入する際の加温条件も充分考慮するのが良い。
【0025】本発明における乳化装置のチャンバーは、
予備混合液の該流路内の平面部に衝突、または該流路内
での該予備混合液同士の衝突による衝撃力が発生する構
造であれば、図1に限られるものではない。例えば図3
〜5のような構造でも構わない。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明をさ
らに具体的にに説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、各例中、部及び%は重量
基準である。
【0027】製造例1(ロジン系物質の製造例) 撹拌機、温度計、窒素導入管、分水器及び冷却器を備え
た1リットル容のフラスコに、ガムロジン100部とグ
リセリン4部(仕込当量比(−OH/−COOH)=
0.43)を仕込み、窒素気流下に250℃まで加熱
し、同温度で8時間エステル化させ軟化点81℃、酸価
91の反応物を得た。次に、その反応物を160℃に
し、無水マレイン酸9部を加え、210℃で2時間加熱
保温し、軟化点102℃、酸価183のマレイン酸変性
ロジングリセリンエステル(樹脂A)を得た。
【0028】製造例2(ロジン系物質の製造例) 撹拌機、温度計、窒素導入管及び冷却器を備えた1リッ
トル容のフラスコに、ガムロジン100部、フマル酸9
部を仕込み、210℃で2時間加熱保温し、軟化点11
5℃、酸価228のフマル酸変性ロジン(樹脂B)を得
た。
【0029】製造例3(ロジン系物質の製造例) 製造例1においてグリセリン4部に代えてペンタエリス
リトール4.4部(仕込当量比=0.43) を使用した
以外は、製造例2と同様にして軟化点115℃のマレイ
ン酸変性ロジンペンタエリスリト−ルエステル(樹脂
C)を得た。
【0030】製造例4(ロジン系物質の製造例) 製造例2においてフマル酸9部に代えてフマル酸15部
にした以外は、製造例2と同様にして軟化点132℃、
酸価268のフマル酸変性ロジン(樹脂D)を得た。
【0031】実施例1 150℃に加熱溶融した上記樹脂A100部と、同じく
150℃に昇温したドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム(第一工業製薬株式会社製、商品名ネオゲンR、有
効成分58%)3部(有効成分換算)と熱水100部と
を、耐圧容器内で撹拌予備混合した。得られた予備混合
液を、耐圧容器に連結した図1に示すようなチャンバー
を有するマイクロフルイダイザーM−110ET(マイ
クロフルイディクス社製、熱交換器付き)に通して乳化
した。処理液がチャンバーを通過する際の圧力、すなわ
ち乳化圧力は1500kg/cm2 、処理液がチャンバ
ーを通過する際の温度、すなはち乳化温度は熱交換器に
よって180℃に調節した。冷却して得られた水性エマ
ルションの性状、貯蔵安定性は、表2に示す。
【0032】実施例2〜4 実施例1において樹脂Aに代えて樹脂B、CまたはDを
用いたことと、予備混合温度、乳化温度を表1に示すよ
うに代えたこと以外は実施例1と同様な方法で行った。
得られた水性エマルションの性状(不揮発分、粘度、粒
子径)及び貯蔵安定性は表2に示す。なお、貯蔵安定性
の評価基準は、○変化なし、△は樹脂の沈降あり を示
す。
【0033】実施例5 実施例1において、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムに代えてポリマー系分散剤(スチレン−メタクリル
酸共重合体ナトリウム塩(モノマー組成:スチレン50
%、メタクリル酸50%)、重量平均分子量1000
0)を使用した以外は実施例1と同様な方法で行った。
得られた水性エマルションの性状、貯蔵安定性は表2に
示す。
【0034】比較例1(溶剤系高圧乳化法) 実施例1で得られた樹脂A100部をトルエン50部に
80℃で溶解し、このトルエン樹脂ワニスにドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム3部と熱水120部とを8
0℃で滴下し、撹拌予備混合した。得られた予備混合液
を、吐出圧300kg/cm2 に調整した加圧式ホモジ
ナイザーに2回通して微粒化した後、減圧蒸留によりト
ルエンを留去した。得られた水性エマルションの性状、
貯蔵安定性は表2に示す。
【0035】比較例2(無溶剤系高圧乳化法) 製造例1で得られた樹脂A100部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム3部、熱水100部を圧力容器内
において150℃で撹拌予備混合した。得られた予備混
合液を、圧力容器に連結した熱交換器とホモジナイザー
に通して乳化した。乳化圧力は300kg/cm2 、乳
化温度は180℃になるように熱交換器によって調整し
た。得られた水性エマルションの性状、貯蔵安定性は表
2に示す。
【0036】比較例3(転相乳化法) 製造例1で得られた樹脂A100部を150℃にて加熱
溶融し、この溶融樹脂とドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム6部と少量の熱水とを撹拌混合し、油中水型の
エマルションとした。さらに90℃の熱水を撹拌しなが
ら徐々に添加し、水中油型のエマルションに転相させ
た。希釈水を加え、冷却して得られたエマルションの性
状、貯蔵安定性は表2に示す。
【0037】比較例4(転相乳化法) 比較例3において、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムの添加量を3部としたこと以外は、比較例3と同様
にして水性エマルションの製造を試みたが、熱水を徐々
に添加しても転相せずに、水と樹脂が分離した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1、表2から、本発明の製造法により溶
剤を用いずに調製されたロジン系物質の水性エマルショ
ンは、溶剤を用いて得られたエマルションと同等の性
状、貯蔵安定性を示すこと、更には本発明の製造法によ
れば、転相乳化方法よりも少量の乳化剤で製造しうるこ
とが明らかである。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、生産性や安全・衛生面
で不利な有機溶剤を使用することなく、しかも少量の乳
化剤を使用して、粒子径が微細で保存安定性に優れたロ
ジン系物質の水性エマルションを容易に製造できる。こ
うして得られた水性エマルションは製紙用サイズ剤、粘
着付与剤、塗料・インキ用改質剤等の従来用途に好適に
使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本装置のチャンバーの分解斜視図。
【図2】本装置のチャンバーのディスクの組立斜視図。
【図3】本装置のチャンバーのディスクの組立斜視図。
【図4】本装置のチャンバーのディスクの組立斜視図。
【図5】本装置のチャンバーのディスクの組立斜視図。
【符号の説明】
1、2 抑え部 3、4 ディスク 5、6 ディスクの平面部 7 ディスクの連結溝 8 連結溝の中心部 9 ディスクの連結溝 10 ディスクの貫通流路
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明をさ
らに具体的説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、各例中、部及び%は重量基
準である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】実施例2〜4 実施例1において樹脂Aに代えて樹脂B、CまたはDを
用いたことと、予備混合温度、乳化温度を表1に示すよ
うに代えたこと以外は実施例1と同様な方法で行った。
得られた水性エマルションの性状(不揮発分、粘度、粒
子径)及び貯蔵安定性は表2に示す。なお、貯蔵安定性
の評価基準は、○変化なし、×は樹脂の沈降ありを示
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】実施例5 実施例において、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムに代えてポリマー系分散剤(スチレン−メタクリル
酸共重合体ナトリウム塩(モノマー組成:スチレン50
%、メタクリル酸50%)、重量平均分子量1000
0)を使用した以外は実施例と同様な方法で行った。
得られた水性エマルションの性状、貯蔵安定性は表2に
示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】比較例1(溶剤系高圧乳化法)製造例 1で得られた樹脂A100部をトルエン50部に
80℃で溶解し、このトルエン樹脂ワニスにドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム3部と熱水120部とを8
0℃で滴下し、撹拌予備混合した。得られた予備混合液
を、吐出圧300kg/cmに調整した加圧式ホモジ
ナイザーに2回通して微粒化した後、減圧蒸留によりト
ルエンを留去した。得られた水性エマルションの性状、
貯蔵安定性は表2に示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、ロジン系物質及び乳化剤からなる予
    備混合液を高圧乳化してロジン系物質の水性エマルショ
    ンを製造するに際し、該予備混合液をチャンバー内の流
    路に導入し、該予備混合液を高圧下に該流路内の平面部
    に衝突させ、または高圧下に該流路内で該予備混合液同
    士を衝突させることにより乳化させる装置を使用し、乳
    化することを特徴とするロジン系物質の水性エマルショ
    ンの製造法。
  2. 【請求項2】 ロジン系物質が95℃以上の軟化点(環
    球法)を有するものである請求項1記載の水性エマルシ
    ョンの製造法。
  3. 【請求項3】 予備混合液の衝突時の圧力が500〜1
    0000Kg/cm2 である請求項1または2記載の水
    性エマルションの製造法。
  4. 【請求項4】 ロジン系物質の溶融粘度が10000c
    P以下になるように予備混合液を加温してチャンバー内
    の流路に導入する請求項1〜3のいずれかに記載の水性
    エマルションの製造法。
  5. 【請求項5】 得られた水性エマルションの平均粒子径
    が0.3μm未満である請求項1〜4のいずれかに記載
    の水性エマルションの製造法。
JP33950893A 1993-12-03 1993-12-03 ロジン系物質の水性エマルションの製造法 Pending JPH07155576A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999015264A1 (fr) * 1997-09-19 1999-04-01 Teruzo Kashino Dispositif pour disperser par emulsion et pulveriser des substances
JP2000210546A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 Harima Chem Inc ロジン系化合物の水性エマルジョンの製造方法
JP2007301508A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Sugino Mach Ltd 微粒化装置
JP2019506286A (ja) * 2015-12-17 2019-03-07 ユニベルシテ ドゥ ナント 二つの不混和性液体の連続エマルションを行うデバイスおよび方法

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