JP4181626B2 - スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、ラテックスの製造方法、特に、スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、高い凝集力を有し、また、低温下でも高弾性力を示すことから、プラスチック、熱硬化性樹脂および道路舗装用アスファルトやアスファルト乳剤の改質剤、粘・接着剤、シーリング材、或いはプラスチック成形体、各種フィルムおよび各種シートのコーティング剤として広く利用されている。
【0003】
このようなスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、通常、スチレン系熱可塑性エラストマーをトルエン等の有機溶剤に溶解した有機相と、アニオン系やノニオン系の乳化剤を溶解させた水相とを混合し、これをホモミキサーや超音波分散機等を用いて乳化した後に有機溶剤を除去して製造されている(例えば、特公昭55−8020号公報、特開平4−161460号公報参照)。
【0004】
ところが、このようにして製造されたスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、攪拌機やポンプなどによる機械的剪断力が加わった場合に凝集物が生成し易く、機械的安定性が劣っている。
【0005】
本発明の目的は、攪拌機やポンプなどによる機械的剪断力が加わった場合であっても凝集物が生成しにくく、機械的安定性に優れたスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスを実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の目的を達成するために鋭意検討した結果、乳化前の有機相にスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とを溶解した場合に機械的安定性に優れたスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係るスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法は、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部と、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂およびフェノール系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の粘着付与樹脂0.1〜230重量部とを有機溶剤に溶解した有機相および分散剤を溶解した水相をそれぞれ調製する工程と、有機相と水相とを混合して乳化させる工程と、得られた乳化液から有機溶剤を除去する工程とを含んでいる。
【0008】
ここで用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種である。
【0009】
なお、本発明の製造方法により得られるスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの重量平均粒子径は、通常、0.1〜10μmである。
【0010】
また、本発明のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部と粘着付与樹脂0.1〜230重量部とを含む有機相を調製する工程と、当該有機相を乳化する工程とを含む工程を経て得られたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係るスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法は、通常、スチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とを有機溶剤に溶解した有機相および分散剤を溶解した水相をそれぞれ調製する工程と、得られた有機相と水相とを混合して乳化させる工程と、得られた乳化液から有機溶剤を除去する工程とを主に含んでいる。
【0012】
本発明で用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレンによる繰り返し単位を含むものであれば特に限定されるものではなく、公知の各種のものである。このようなスチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体を挙げることができる。このうち、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体が特に好ましく用いられる。
【0013】
なお、上述のスチレン系熱可塑性エラストマーにおけるスチレン由来の繰り返し単位の割合は、特に限定されるものではないが、通常、重合時のスチレンモノマー換算で10〜50重量%に設定されているのが好ましく、15〜40重量%に設定されているのがより好ましい。
また、上述のスチレン系熱可塑性エラストマーは、2種以上のものが混合して用いられてもよい。
【0014】
本発明で用いられる粘着付与樹脂は、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂およびフェノール系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種のものである。
【0015】
ここで、ロジン系樹脂の具体例としては、ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジンおよびフマル化ロジン、これらのロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステルおよびトリエチレングリコールエステルなどのエステル誘導体、並びにロジン変性フェノール樹脂などを挙げることができる。
【0016】
テルペン系樹脂の具体例としては、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン系水素添加樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、α−ピネン樹脂およびβ−ピネン樹脂などを挙げることができる。
クマロン系樹脂の具体例としては、クマロン樹脂、クマロン・インデン樹脂、並びにクマロン樹脂とナフテン系油、フェノール樹脂およびロジンなどとの混合物などを挙げることができる。
【0017】
フェノール樹脂の具体例としては、p−tert−ブチルフェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂およびキシレン・ホルムアルデヒド樹脂などを挙げることができる。
【0018】
本発明においては、上述の各種粘着付与樹脂のうち、ロジングリセリンエステル、ロジンペンタエリスリトールエステル、ロジン変性フェノール樹脂およびテルペンフェノール樹脂が好ましく用いられる。
上述の各種粘着付与樹脂は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。
【0019】
スチレン系熱可塑性エラストマーに対する粘着付与樹脂の混合割合は、通常、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して0.1〜230重量部に設定するのが好ましく、1〜45重量部に設定するのがより好ましい。粘着付与樹脂の混合割合が0.1重量部未満の場合は、機械的安定性に優れたラテックスが得られ難くなるおそれがある。逆に、230重量部を超える場合は、機械的安定性に優れたスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスが得られるものの、当該ラテックスは、スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスに求められる本質的な機能が損なわれるおそれがある。
【0020】
上述のスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とを有機溶剤に溶解した有機相を調製する方法は、特に限定されるものではないが、通常、単にスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とを有機溶剤に溶解する方法、スチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とを別々に有機溶剤に溶解して混合する方法、或いはスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とを予めニーダやロールなどを用いて溶融混合し、これにより得られる混合物を有機溶剤に溶解する方法を採用することができる。
【0021】
有機相を調製する際に用いられる有機溶剤は、スチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とを共に溶解することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサンやヘプタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロへキサンなどの脂環式炭化水素系有機溶剤、並びにベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素系有機溶剤などである。これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。
【0022】
有機相中におけるスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂との濃度は、特に限定されるものではないが、通常、有機溶剤中における両者の合計の濃度が5〜40重量%になるよう設定するのが好ましい。
【0023】
一方、水相を調製する際に用いられる分散剤は、アニオン系、カチオン系およびノニオン系の各種の乳化剤である。
ここで、アニオン系の乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムおよび脂肪族カリウムなどの脂肪酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム並びにスチレン無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩を挙げることができる。これらの中でも、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムが特に好ましく用いられる。
【0024】
また、カチオン系の乳化剤としては、例えば、第4級オレイルエチルジメチルアンモニウムクロライド、第4級ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、第4級牛脂アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、第4級ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、第4級アルキルトリメチルアンモニウムクロライドおよび第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステルなどの第4級アンモニウム塩、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、オクチルアミン酢酸塩、ヤシアルキルアミン酢酸塩、牛脂アルキルアミン酢酸塩、ヤシアルキルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、牛脂アルキルジアミン酢酸塩およびヤシアルキルジアミン塩酸塩などのアルキルアミン塩、牛脂アルキルジアミンのエチレンオキシド付加物、カチオン化ポリビニルアルコール、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース並びにポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドなどを挙げることができる。これらの中でも、第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、テトラデシルアミン酢酸塩、牛脂アルキルジアミン酢酸塩が特に好ましく用いられる。
【0025】
さらに、ノニオン系の乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ポリグリセリンエステル、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどを挙げることができる。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが特に好ましく用いられる。
【0026】
なお、上述の分散剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。
【0027】
上述のような分散剤を含む水相を調製する場合は、通常、水中に分散剤を添加して溶解させる。この際、分散剤の添加量は、特に限定されるものではないが、通常、水中における濃度が0.1〜50重量%になるよう設定するのが好ましい。
【0028】
スチレン系熱可塑性エラストマーを含む有機相と分散剤を含む水相とを混合して乳化させる工程において、有機相と水相との混合割合は、通常、有機相に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂との合計量に対して分散剤の割合が1〜15重量%になるよう設定するのが好ましく、2〜10重量%になるよう設定するのがより好ましい。分散剤の割合が1重量%未満の場合は、安定な乳化液が得られ難い場合がある。逆に、15重量%を超えると、乳化は容易になるものの不経済であり、また、得られるスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの各種物性が損なわれるおそれがある。
【0029】
有機相と水相とを混合して乳化させるための方法は、特に限定されるものではなく、例えば、適当な剪断力を有する乳化機、例えばホモジナイザーやコロイドミルなどを用いて攪拌混合する方法や、超音波分散機等を用いて分散・混合する方法を採用することができるが、通常は攪拌混合する方法を採用するのが好ましい。
また、乳化時の温度は、特に限定されるものではないが、通常、5〜70℃の範囲に設定するのが好ましい。
【0030】
目的とするスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、上述の乳化工程により得られた乳化液から有機溶剤を除去すると得られる。有機溶剤の除去は、一般に、減圧下で乳化液を加熱する通常の留去方法に従って実施することができる。
このようにして得られるスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、必要に応じて加熱濃縮、遠心分離または湿式分離等の操作により所望の濃度になるまで濃縮することもできる。
【0031】
以上のような本発明の製造方法に従って得られるスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、重量平均粒子径が0.1〜10μmのものが好ましい。重量平均粒子径が0.1μm未満の場合は、スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの機械的安定性は高まるものの、粘度が高くなるため取扱いが困難になる。逆に、10μmを超えると、スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの機械的安定性が低下するだけではなく、静置安定性も低下するおそれがある。なお、この重量平均粒子径は、乳化工程における攪拌混合操作や分散混合操作を適宜調整することにより達成することができる。
【0032】
本発明の製造方法により得られるスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、例えば、プラスチック、熱硬化性樹脂および道路舗装用アスファルトやアスファルト乳剤の改質剤、粘・接着剤、シーリング材或いはプラスチック成形体、各種フィルムおよび各種シートのコーティング剤などとして広く利用可能である。
【0033】
本発明により得られるスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、予め有機相にスチレン系熱可塑性エラストマーと上述のような粘着付与樹脂とを一定量溶解してから製造されているので、上述のような各種用途に用いる場合に攪拌機やポンプなどによる機械的剪断力が加わった場合であっても凝集物が生成しにくく、機械的安定性が良好である。
【0034】
【実施例】
実施例1
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンD1101”:スチレン含有量=31重量%)27g、ロジン変性フェノール樹脂(荒川化学株式会社の商品名“タマノル135”)3gおよびトルエン170gを加え、攪拌下、室温で溶解した。
【0035】
得られたトルエン溶液に、第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル1.5gを100gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0036】
実施例2
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンG1650”:スチレン含有量=29重量%)24g、ロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学株式会社の商品名“ペンセルA”)6gおよびキシレン170gを加え、攪拌下、50℃に加温しながら溶解した。
【0037】
得られたキシレン溶液に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル1.7gを100gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜80℃に加熱し、キシレンを留去した。この結果、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0038】
実施例3
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンD1101”:スチレン含有量=31重量%)27g、ロジン変性フェノール樹脂(荒川化学株式会社の商品名“タマノル135”)3gおよびトルエン170gを加え、攪拌下、室温で溶解した。
【0039】
得られたトルエン溶液に、牛脂アルキルジアミン酢酸塩1.5gを80gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0040】
実施例4
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンD1101”:スチレン含有量=31重量%)27g、テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社の商品名“YSポリスター150”)3gおよびトルエン160gを加え、攪拌下、室温で溶解した。
【0041】
得られたトルエン溶液に、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム2.0gを120gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0042】
実施例5
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンD1107”:スチレン含有量=15重量%)24g、ロジングリセリンエステル(荒川化学株式会社の商品名“スーパーエステル A−100”)6gおよびトルエン170gを加え、攪拌下、50℃に加温しながら溶解した。
【0043】
得られたトルエン溶液に、テトラデシルアミン酢酸塩1.8gを100gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0044】
比較例1
ロジン変性フェノール樹脂を用いない点を除いて実施例1の場合と同様に操作し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスを得た。
【0045】
評価
各実施例および比較例1で得られたラテックスについて、重量平均粒子径および機械的安定性を下記の方法に従って調べた。結果を表1に示す。
(重量平均粒子径)
ラテックスをレーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所の商品名“SALD−2000J”)を用いて測定した。
【0046】
(機械的安定性)
クラクソン式ラテックス機械的安定度試験機を用いて評価した。ここでは、ラテックスを固形分が55重量%になるよう調整した後に所定の容器に80g量り取り、そのラテックスを直径20.8mm、厚さ1.57mmの円板を用いて14,000rpmで攪拌した。この際、ラテックス中に目視で判定できる凝集物が生成するまでに要した時間を測定し、当該時間に従ってラテックスの機械的安定性を評価した。なお、凝集物が生成するまでに要する時間が15分以上であれば、ラテックスの機械的安定性は優れていると判断することができる。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明の製造方法では、乳化前の有機相にスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂とを溶解しているので、機械的安定性に優れたスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスを得ることができる。
Claims (3)
- スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部と、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂およびフェノール系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の粘着付与樹脂0.1〜230重量部とを有機溶剤に溶解した有機相および分散剤を溶解した水相をそれぞれ調製する工程と、
前記有機相と前記水相とを混合して乳化させる工程と、
得られた乳化液から有機溶剤を除去する工程と、
を含むスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法。 - 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法。
- 前記スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの重量平均粒子径が0.1〜10μmである、請求項1または2に記載のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法。
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