JP2004256587A - 水分散型樹脂乳化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶媒を用いることなく、大量の乳化剤を用いずとも、比較的低温で、作業効率よく、メジアン径1μm以下の微細な樹脂乳化物を水中に分散させることのできる、水分散型樹脂乳化物の製造方法を提供すること。
【解決手段】乳化すべき樹脂を、まず、ジェットミルなどを用いて乾式粉砕し、次いで、得られた粉砕物を水に分散させ、その後、得られた分散物を乳化剤とともに媒体攪拌式ミルなどを用いて、好ましくは50℃以下で湿式粉砕することにより、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物が水中に分散する水分散型樹脂乳化物を調製する。
【選択図】 なし
【解決手段】乳化すべき樹脂を、まず、ジェットミルなどを用いて乾式粉砕し、次いで、得られた粉砕物を水に分散させ、その後、得られた分散物を乳化剤とともに媒体攪拌式ミルなどを用いて、好ましくは50℃以下で湿式粉砕することにより、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物が水中に分散する水分散型樹脂乳化物を調製する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水分散型樹脂乳化物の製造方法、詳しくは、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物が水中に分散されている水分散型樹脂乳化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水分散型樹脂乳化物は、粘着性付与剤、粘接着剤、塗料用バインダー、繊維用バインダーなどとして、広く用いられている。
【0003】
このような水分散型樹脂乳化物は、ロジン系樹脂などの樹脂を乳化剤によって乳化して、水中で分散させることにより調製されるものであって、その製造方法としては、溶剤系高圧乳化法、転相乳化法および無溶剤系高温高圧乳化法がよく知られている。
【0004】
溶剤系高圧乳化法は、樹脂を有機溶媒に溶解し、これに乳化剤および水を添加した後、高圧乳化機で乳化し、その後、有機溶媒を除去する方法である。
【0005】
また、転相乳化法は、加熱溶融した樹脂に、乳化剤および水を添加して油中水型乳化物を形成し、次いで、これに水を加えて転相乳化することにより、水中油型乳化物を形成する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、無溶剤系高温高圧乳化法は、樹脂に乳化剤および水を予備混合した後、高圧乳化機で乳化する方法である(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭52−77206号公報
【特許文献2】
特開平7−155576号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、溶剤系高圧乳化法では、有機溶剤を用いるため、作業環境や安全性の低下が不可避となり、また、有機溶媒を除去するためのエネルギーコストが多大となるという不具合がある。
【0008】
また、転相乳化法では、微細で安定な水分散型樹脂乳化物を得るためには、大量の乳化剤が必要となり、得られる水分散型樹脂乳化物において不必要な泡立ちを生じたり、また、大量の乳化剤の使用が不適となる用途には用いることができず、さらには、樹脂の溶融温度で劣化する乳化剤は使用できず、使用可能な乳化剤の種類に制限を受けるという不具合がある。
【0009】
また、無溶剤系高温高圧乳化法では、予備混合するための予備重合室が高温かつ高粘度となるため、高圧乳化機のシール材の劣化が激しく、連続生産が困難であり、作業性が著しく不良であるという不具合がある。また、予備混合では高温となるため、高温で熱劣化する乳化剤が使用できず、使用可能な乳化剤の種類に制限を受けるという不具合がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、有機溶媒を用いることなく、大量の乳化剤を用いずとも、比較的低温で、作業効率よく、メジアン径1μm以下の微細な樹脂乳化物を水中に分散させることのできる、水分散型樹脂乳化物の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法は、乳化すべき樹脂を乾式粉砕する乾式粉砕工程、乾式粉砕された前記樹脂を水に分散させる水分散工程、水に分散された前記樹脂を乳化剤とともに湿式粉砕して、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物を調製する湿式粉砕工程を備えていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法では、前記湿式粉砕工程において、50℃以下で湿式粉砕することが好適である。
【0013】
また、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法は、前記乾式粉砕工程において、ジェットミルを用いて乾式粉砕することが好適であり、また、前記湿式粉砕工程において、媒体攪拌式ミルを用いて湿式粉砕することが好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法では、まず、乾式粉砕工程として、乳化すべき樹脂を乾式粉砕する。
【0015】
本発明において、対象となる樹脂は、乾式粉砕工程において固形状であれば特に制限されないが、例えば、室温で固形状であり、さらには、軟化点が100℃以上の樹脂が好ましく用いられる。
【0016】
より具体的には、樹脂として、例えば、石油樹脂(例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、これらの共重合体石油樹脂、これらの水添石油樹脂など)、ロジン系樹脂(例えば、ロジン類およびその誘導体(水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、エステル化ロジンなど))、テルペン系樹脂、熱可塑性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン系共重合体樹脂(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂など)などが挙げられる。これらの樹脂は、単独使用または2種類以上併用してもよい。また、これらの樹脂は、例えば、ペレット状、粒状、粉状など、種々の形状のものを、特に制限されることなく用いることができる。
【0017】
乾式粉砕は、特に制限されず、例えば、ジェットミル、ローラーミル、カッターミル、ハンマーミルなどの公知の粉砕装置を用いて、乾式(空気中)で粉砕すればよい。好ましくは、樹脂のメジアン径が、20μm以下に粉砕できる粉砕装置が用いられる。これら粉砕装置のなかでは、ジェットミルが好ましく用いられる。
【0018】
ジェットミルは、ノズルから噴射する高速気流に樹脂を巻き込んで、樹脂相互あるいは衝撃板との衝突による衝撃力および摩擦力により、樹脂を粉砕するものである。乾式粉砕では、粉砕に起因する発熱により装置内部が高温となり、樹脂同士が融着して粉砕できないおそれがあるが、ジェットミル(気流式粉砕)によると、装置内部の温度が上昇しにくいので、良好な粉砕を確保することができる。なお、ジェットミルとしては、例えば、気流吹込み型、ノスル通過型、衝突型、流動層ジェット吹込み型など、特に制限されることなく用いることができる。
【0019】
そして、この乾式粉砕工程においては、上記した装置などを用いる方法によって、樹脂のメジアン径が、20μm以下、さらには、10μm以下、より好ましくは、5μm以下(通常、2μm以上)となるように粉砕することが好ましい。樹脂のメジアン径を20μm以下とすることにより、次の水分散工程において、水に対する樹脂の分散性の向上を図ることができる。
【0020】
また、この乾式粉砕工程においては、後述する乳化剤(好ましくは、固形状の乳化剤)の一部あるいは全量を、樹脂に配合して樹脂とともに乾式粉砕してもよい。乳化剤を樹脂に配合するには、特に制限されず、例えば、樹脂に乳化剤を混合すればよく、また、上記した装置に樹脂とともに乳化剤を投入すればよい。このように、乳化剤を樹脂に配合して乾式粉砕すれば、粉砕効率および作業効率の向上を図ることができる場合がある。
【0021】
次いで、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法では、水分散工程として、乾式粉砕された樹脂を水に分散させる。
【0022】
乾式粉砕された樹脂を水に分散させるには、特に制限されないが、例えば、樹脂が乾式粉砕された粉砕物を、水に配合すればよい。より具体的には、例えば、攪拌装置を装備した反応釜などを水槽として用いて、その水槽に水を満たし、その水を満たした水槽に粉砕物を投入した後に攪拌すればよい。なお、水槽に粉砕物を投入した後に水を満たしてもよい。
【0023】
水に対する樹脂の配合量は、特に制限されないが、例えば、水100重量部に対して、樹脂が10〜70重量部、好ましくは、20〜60重量部である。
【0024】
また、この水分散工程においては、後述する乳化剤(固形状または液状の乳化剤)の一部あるいは全量を、樹脂とともに水に分散させてもよい。乳化剤を樹脂とともに水に分散させるには、特に制限されず、例えば、乳化剤(固体状の乳化剤は予め水溶液として調製してもよい。)を、水に配合すればよい。より具体的には、上記したように、攪拌装置を装備した反応釜などを水槽として用いる場合には、粉砕物とともに乳化剤を水槽に投入するか、あるいは、粉砕物を投入する前に、予め乳化剤を水槽に投入して水に分散溶解しておけばよい。このように、乳化剤を樹脂に配合して水に分散させれば、分散効率および作業効率の向上を図ることができる場合がある。
【0025】
その後、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法では、湿式粉砕工程として、水に分散された樹脂を乳化剤とともに湿式粉砕して、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物を調製する。
【0026】
本発明において、使用される乳化剤は、樹脂を乳化できる乳化剤であれば特に制限されないが、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性高分子などが用いられる。
【0027】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンセンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンセンスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム塩などが挙げられる。
【0028】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0029】
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタインなどが挙げられる。
【0031】
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチレンセルロース、アミロース、ポリスチレンスルホン酸ソーダなどが挙げられる。
【0032】
これら乳化剤は、単独使用または2種類以上併用してもよい。
【0033】
乳化剤の配合量は、特に制限されないが、例えば、樹脂100重量部に対して、0.5〜15重量部、好ましくは、1〜10重量部である。乳化剤の配合量がこれより少ないと、水に対する樹脂の分散性が不良となる場合がある。一方、乳化剤の配合量がこれより多いと、得られる水分散型樹脂乳化物において不必要な泡立ちを生じる場合がある。
【0034】
また、乳化剤は、乾式粉砕工程および水分散工程において全く配合されていない場合には、この湿式粉砕工程において、その全量を樹脂に配合する。また、上記したように、乾式粉砕工程および水分散工程において、その全量が樹脂に配合されている場合(乾式粉砕工程において全量配合されている場合、水分散工程において全量配合されている場合、乾式粉砕工程において一部配合され、水分散工程において残量配合されている場合を含む。)には、この湿式粉砕工程において、配合不要である。また、乾式粉砕工程または水分散工程において、その一部が樹脂に配合されている場合(乾式粉砕工程においてのみ一部配合されている場合、水分散工程においてのみ一部配合されている場合、乾式粉砕工程において一部配合され、水分散工程において一部配合されている場合を含む。)には、この湿式粉砕工程において、その残量を樹脂に配合する。
【0035】
乳化剤を樹脂に配合するには、特に制限されず、例えば、樹脂が水に分散された分散物に乳化剤を混合すればよく、また、後述する粉砕装置に、分散物とともに乳化剤を投入すればよい。
【0036】
そして、この湿式粉砕工程においては、水に分散された樹脂を、上記した乳化剤とともに湿式粉砕して、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物を調製する。メジアン径1μm以下の微細な樹脂乳化物を得るには、適度な剪断力および低温での粉砕が好適である。すなわち、剪断力が弱過ぎると微細に粉砕できず、また、剪断力が強過ぎると、樹脂の粒子が凝集する場合があり、そのため、適度な剪断力が好適となる。また、温度が上昇し過ぎると、樹脂が融着して粉砕しにくく、また、詰まりを生じて連続生産ができない場合があり、そのため、低温、好ましくは、50℃以下での湿式粉砕が好適となる。
【0037】
湿式粉砕は、特に制限されず、公知の粉砕装置を用いて、湿式(水中)で粉砕すればよいが、上記した適度の剪断力および低温での湿式粉砕を実現するためには、好ましくは、媒体攪拌式ミルが用いられる。
【0038】
媒体攪拌式ミルは、ビースミル(ボールミル)とも呼ばれ、攪拌容器中に、金属球またはガラス球などからなるビース(ボール)などの媒体を入れ、ビース間に挿入される攪拌機構によって、主として、ビースの剪断力(摩擦力)によって粉砕するものである。なお、媒体攪拌式ミルとしては、例えば、塔式、攪拌槽式、流通槽式、アニュラー(環状)型など、特に制限されることなく用いることができる。
【0039】
そして、この湿式粉砕工程においては、上記した装置などを用いる方法によって、樹脂乳化物のメジアン径が、1μm以下、好ましくは、0.8μm以下となるように粉砕する。
【0040】
これによって、微細な樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得ることができる。このようにして得られた水分散型樹脂乳化物では、樹脂乳化物のメジアン径が1μm以下であるため、分散性に優れ、長期にわたって沈殿物が生じにくく、優れた貯蔵安定性を確保することができる。
【0041】
また、このようにして得られた水分散型樹脂乳化物は、例えば、粘着性付与剤、粘接着剤、塗料用バインダー、繊維用バインダーなどの用途として、好適に用いられる。
【0042】
そして、このような本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法によれば、有機溶媒を用いないため、作業環境や安全性の向上を図ることができ、また、有機溶媒を除去するためのエネルギーコストの削減を図ることができる。また、大量の乳化剤を用いずとも、微細な樹脂乳化物を得ることができるので、乳化剤を任意に選択して用いることができながら、得られた水分散型樹脂乳化物において不必要な泡立ちが生じることを防止することができる。さらには、作業性がよく、効率のよい連続生産を実現することができる。
【0043】
また、例えば、樹脂および乳化剤を混合して乾式粉砕したり、樹脂のみを乾式粉砕した後に、乳化剤が含まれる水溶液に分散させるだけでは、メジアン径を1μm以下にすることはできないが、このように乾式粉砕した後に、さらに湿式粉砕することによって、簡易かつ確実に、樹脂乳化物のメジアン径を1μm以下にすることができる。
【0044】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例に何ら限定されるものではない。
【0045】
なお、以下の実施例および比較例において、メジアン径は、HORIBA製レーザー散乱式粒度分布計(LA−910型)を用いて測定した。
【0046】
実施例1
軟化点130〜140℃のロジンフェノール系樹脂100重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部を、ジェットミルを用いて乾式粉砕することにより、メジアン径2.10μmの粉砕物を得た。
【0047】
次いで、得られた粉砕物30重量部を、イオン交換水70重量部に加えて攪拌し、分散物を調製した後に、この分散物を、ビースミルを用いて湿式粉砕することにより、メジアン径0.77μmの樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得た。
【0048】
実施例2
軟化点130〜140℃のロジンフェノール系樹脂100重量部を、ジェットミルを用いて乾式粉砕することにより、メジアン径2.30μmの粉砕物を得た。
【0049】
次いで、イオン交換水70重量部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5重量部を加えて攪拌することにより、乳化剤水溶液を調製し、その乳化剤水溶液に、得られた粉砕物30重量部を、さらに加えて攪拌し、分散物を調製した。その後、この分散物を、ビースミルを用いて湿式粉砕することにより、メジアン径0.75μmの樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得た。
【0050】
比較例1
軟化点130〜140℃のロジンフェノール系樹脂100重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部を、ジェットミルを用いて乾式粉砕することにより、メジアン径2.10μmの粉砕物を得た。
【0051】
次いで、得られた粉砕物30重量部を、イオン交換水70重量部に加えて攪拌することにより、メジアン径2.10μmの樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得た。
【0052】
比較例2
軟化点130〜140℃のロジンフェノール系樹脂100重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部を、ジェットミルを用いて乾式粉砕することにより、メジアン径2.10μmの粉砕物を得た。
【0053】
次いで、得られた粉砕物30重量部を、イオン交換水70重量部に加えて攪拌し、分散物を調製した後に、この分散物を、ビースミルを用いて湿式粉砕し、樹脂乳化物のメジアン径が1.20μmとなった時点で湿式粉砕を止めることにより、メジアン径1.20μmの樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得た。
【0054】
貯蔵安定性試験
上記で得られた各実施例および各比較例の水分散型樹脂乳化物30gを、50mLのスクリュー瓶に入れ封止し、静置状態で3日間放置した。その後、目視にて沈殿物の有無を確認した。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法によれば、有機溶媒を用いることなく、大量の乳化剤を用いずとも、比較的低温で、作業効率よく、メジアン径1μm以下の微細な樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水分散型樹脂乳化物の製造方法、詳しくは、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物が水中に分散されている水分散型樹脂乳化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水分散型樹脂乳化物は、粘着性付与剤、粘接着剤、塗料用バインダー、繊維用バインダーなどとして、広く用いられている。
【0003】
このような水分散型樹脂乳化物は、ロジン系樹脂などの樹脂を乳化剤によって乳化して、水中で分散させることにより調製されるものであって、その製造方法としては、溶剤系高圧乳化法、転相乳化法および無溶剤系高温高圧乳化法がよく知られている。
【0004】
溶剤系高圧乳化法は、樹脂を有機溶媒に溶解し、これに乳化剤および水を添加した後、高圧乳化機で乳化し、その後、有機溶媒を除去する方法である。
【0005】
また、転相乳化法は、加熱溶融した樹脂に、乳化剤および水を添加して油中水型乳化物を形成し、次いで、これに水を加えて転相乳化することにより、水中油型乳化物を形成する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、無溶剤系高温高圧乳化法は、樹脂に乳化剤および水を予備混合した後、高圧乳化機で乳化する方法である(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭52−77206号公報
【特許文献2】
特開平7−155576号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、溶剤系高圧乳化法では、有機溶剤を用いるため、作業環境や安全性の低下が不可避となり、また、有機溶媒を除去するためのエネルギーコストが多大となるという不具合がある。
【0008】
また、転相乳化法では、微細で安定な水分散型樹脂乳化物を得るためには、大量の乳化剤が必要となり、得られる水分散型樹脂乳化物において不必要な泡立ちを生じたり、また、大量の乳化剤の使用が不適となる用途には用いることができず、さらには、樹脂の溶融温度で劣化する乳化剤は使用できず、使用可能な乳化剤の種類に制限を受けるという不具合がある。
【0009】
また、無溶剤系高温高圧乳化法では、予備混合するための予備重合室が高温かつ高粘度となるため、高圧乳化機のシール材の劣化が激しく、連続生産が困難であり、作業性が著しく不良であるという不具合がある。また、予備混合では高温となるため、高温で熱劣化する乳化剤が使用できず、使用可能な乳化剤の種類に制限を受けるという不具合がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、有機溶媒を用いることなく、大量の乳化剤を用いずとも、比較的低温で、作業効率よく、メジアン径1μm以下の微細な樹脂乳化物を水中に分散させることのできる、水分散型樹脂乳化物の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法は、乳化すべき樹脂を乾式粉砕する乾式粉砕工程、乾式粉砕された前記樹脂を水に分散させる水分散工程、水に分散された前記樹脂を乳化剤とともに湿式粉砕して、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物を調製する湿式粉砕工程を備えていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法では、前記湿式粉砕工程において、50℃以下で湿式粉砕することが好適である。
【0013】
また、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法は、前記乾式粉砕工程において、ジェットミルを用いて乾式粉砕することが好適であり、また、前記湿式粉砕工程において、媒体攪拌式ミルを用いて湿式粉砕することが好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法では、まず、乾式粉砕工程として、乳化すべき樹脂を乾式粉砕する。
【0015】
本発明において、対象となる樹脂は、乾式粉砕工程において固形状であれば特に制限されないが、例えば、室温で固形状であり、さらには、軟化点が100℃以上の樹脂が好ましく用いられる。
【0016】
より具体的には、樹脂として、例えば、石油樹脂(例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、これらの共重合体石油樹脂、これらの水添石油樹脂など)、ロジン系樹脂(例えば、ロジン類およびその誘導体(水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、エステル化ロジンなど))、テルペン系樹脂、熱可塑性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン系共重合体樹脂(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂など)などが挙げられる。これらの樹脂は、単独使用または2種類以上併用してもよい。また、これらの樹脂は、例えば、ペレット状、粒状、粉状など、種々の形状のものを、特に制限されることなく用いることができる。
【0017】
乾式粉砕は、特に制限されず、例えば、ジェットミル、ローラーミル、カッターミル、ハンマーミルなどの公知の粉砕装置を用いて、乾式(空気中)で粉砕すればよい。好ましくは、樹脂のメジアン径が、20μm以下に粉砕できる粉砕装置が用いられる。これら粉砕装置のなかでは、ジェットミルが好ましく用いられる。
【0018】
ジェットミルは、ノズルから噴射する高速気流に樹脂を巻き込んで、樹脂相互あるいは衝撃板との衝突による衝撃力および摩擦力により、樹脂を粉砕するものである。乾式粉砕では、粉砕に起因する発熱により装置内部が高温となり、樹脂同士が融着して粉砕できないおそれがあるが、ジェットミル(気流式粉砕)によると、装置内部の温度が上昇しにくいので、良好な粉砕を確保することができる。なお、ジェットミルとしては、例えば、気流吹込み型、ノスル通過型、衝突型、流動層ジェット吹込み型など、特に制限されることなく用いることができる。
【0019】
そして、この乾式粉砕工程においては、上記した装置などを用いる方法によって、樹脂のメジアン径が、20μm以下、さらには、10μm以下、より好ましくは、5μm以下(通常、2μm以上)となるように粉砕することが好ましい。樹脂のメジアン径を20μm以下とすることにより、次の水分散工程において、水に対する樹脂の分散性の向上を図ることができる。
【0020】
また、この乾式粉砕工程においては、後述する乳化剤(好ましくは、固形状の乳化剤)の一部あるいは全量を、樹脂に配合して樹脂とともに乾式粉砕してもよい。乳化剤を樹脂に配合するには、特に制限されず、例えば、樹脂に乳化剤を混合すればよく、また、上記した装置に樹脂とともに乳化剤を投入すればよい。このように、乳化剤を樹脂に配合して乾式粉砕すれば、粉砕効率および作業効率の向上を図ることができる場合がある。
【0021】
次いで、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法では、水分散工程として、乾式粉砕された樹脂を水に分散させる。
【0022】
乾式粉砕された樹脂を水に分散させるには、特に制限されないが、例えば、樹脂が乾式粉砕された粉砕物を、水に配合すればよい。より具体的には、例えば、攪拌装置を装備した反応釜などを水槽として用いて、その水槽に水を満たし、その水を満たした水槽に粉砕物を投入した後に攪拌すればよい。なお、水槽に粉砕物を投入した後に水を満たしてもよい。
【0023】
水に対する樹脂の配合量は、特に制限されないが、例えば、水100重量部に対して、樹脂が10〜70重量部、好ましくは、20〜60重量部である。
【0024】
また、この水分散工程においては、後述する乳化剤(固形状または液状の乳化剤)の一部あるいは全量を、樹脂とともに水に分散させてもよい。乳化剤を樹脂とともに水に分散させるには、特に制限されず、例えば、乳化剤(固体状の乳化剤は予め水溶液として調製してもよい。)を、水に配合すればよい。より具体的には、上記したように、攪拌装置を装備した反応釜などを水槽として用いる場合には、粉砕物とともに乳化剤を水槽に投入するか、あるいは、粉砕物を投入する前に、予め乳化剤を水槽に投入して水に分散溶解しておけばよい。このように、乳化剤を樹脂に配合して水に分散させれば、分散効率および作業効率の向上を図ることができる場合がある。
【0025】
その後、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法では、湿式粉砕工程として、水に分散された樹脂を乳化剤とともに湿式粉砕して、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物を調製する。
【0026】
本発明において、使用される乳化剤は、樹脂を乳化できる乳化剤であれば特に制限されないが、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性高分子などが用いられる。
【0027】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンセンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンセンスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム塩などが挙げられる。
【0028】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0029】
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタインなどが挙げられる。
【0031】
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチレンセルロース、アミロース、ポリスチレンスルホン酸ソーダなどが挙げられる。
【0032】
これら乳化剤は、単独使用または2種類以上併用してもよい。
【0033】
乳化剤の配合量は、特に制限されないが、例えば、樹脂100重量部に対して、0.5〜15重量部、好ましくは、1〜10重量部である。乳化剤の配合量がこれより少ないと、水に対する樹脂の分散性が不良となる場合がある。一方、乳化剤の配合量がこれより多いと、得られる水分散型樹脂乳化物において不必要な泡立ちを生じる場合がある。
【0034】
また、乳化剤は、乾式粉砕工程および水分散工程において全く配合されていない場合には、この湿式粉砕工程において、その全量を樹脂に配合する。また、上記したように、乾式粉砕工程および水分散工程において、その全量が樹脂に配合されている場合(乾式粉砕工程において全量配合されている場合、水分散工程において全量配合されている場合、乾式粉砕工程において一部配合され、水分散工程において残量配合されている場合を含む。)には、この湿式粉砕工程において、配合不要である。また、乾式粉砕工程または水分散工程において、その一部が樹脂に配合されている場合(乾式粉砕工程においてのみ一部配合されている場合、水分散工程においてのみ一部配合されている場合、乾式粉砕工程において一部配合され、水分散工程において一部配合されている場合を含む。)には、この湿式粉砕工程において、その残量を樹脂に配合する。
【0035】
乳化剤を樹脂に配合するには、特に制限されず、例えば、樹脂が水に分散された分散物に乳化剤を混合すればよく、また、後述する粉砕装置に、分散物とともに乳化剤を投入すればよい。
【0036】
そして、この湿式粉砕工程においては、水に分散された樹脂を、上記した乳化剤とともに湿式粉砕して、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物を調製する。メジアン径1μm以下の微細な樹脂乳化物を得るには、適度な剪断力および低温での粉砕が好適である。すなわち、剪断力が弱過ぎると微細に粉砕できず、また、剪断力が強過ぎると、樹脂の粒子が凝集する場合があり、そのため、適度な剪断力が好適となる。また、温度が上昇し過ぎると、樹脂が融着して粉砕しにくく、また、詰まりを生じて連続生産ができない場合があり、そのため、低温、好ましくは、50℃以下での湿式粉砕が好適となる。
【0037】
湿式粉砕は、特に制限されず、公知の粉砕装置を用いて、湿式(水中)で粉砕すればよいが、上記した適度の剪断力および低温での湿式粉砕を実現するためには、好ましくは、媒体攪拌式ミルが用いられる。
【0038】
媒体攪拌式ミルは、ビースミル(ボールミル)とも呼ばれ、攪拌容器中に、金属球またはガラス球などからなるビース(ボール)などの媒体を入れ、ビース間に挿入される攪拌機構によって、主として、ビースの剪断力(摩擦力)によって粉砕するものである。なお、媒体攪拌式ミルとしては、例えば、塔式、攪拌槽式、流通槽式、アニュラー(環状)型など、特に制限されることなく用いることができる。
【0039】
そして、この湿式粉砕工程においては、上記した装置などを用いる方法によって、樹脂乳化物のメジアン径が、1μm以下、好ましくは、0.8μm以下となるように粉砕する。
【0040】
これによって、微細な樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得ることができる。このようにして得られた水分散型樹脂乳化物では、樹脂乳化物のメジアン径が1μm以下であるため、分散性に優れ、長期にわたって沈殿物が生じにくく、優れた貯蔵安定性を確保することができる。
【0041】
また、このようにして得られた水分散型樹脂乳化物は、例えば、粘着性付与剤、粘接着剤、塗料用バインダー、繊維用バインダーなどの用途として、好適に用いられる。
【0042】
そして、このような本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法によれば、有機溶媒を用いないため、作業環境や安全性の向上を図ることができ、また、有機溶媒を除去するためのエネルギーコストの削減を図ることができる。また、大量の乳化剤を用いずとも、微細な樹脂乳化物を得ることができるので、乳化剤を任意に選択して用いることができながら、得られた水分散型樹脂乳化物において不必要な泡立ちが生じることを防止することができる。さらには、作業性がよく、効率のよい連続生産を実現することができる。
【0043】
また、例えば、樹脂および乳化剤を混合して乾式粉砕したり、樹脂のみを乾式粉砕した後に、乳化剤が含まれる水溶液に分散させるだけでは、メジアン径を1μm以下にすることはできないが、このように乾式粉砕した後に、さらに湿式粉砕することによって、簡易かつ確実に、樹脂乳化物のメジアン径を1μm以下にすることができる。
【0044】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例に何ら限定されるものではない。
【0045】
なお、以下の実施例および比較例において、メジアン径は、HORIBA製レーザー散乱式粒度分布計(LA−910型)を用いて測定した。
【0046】
実施例1
軟化点130〜140℃のロジンフェノール系樹脂100重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部を、ジェットミルを用いて乾式粉砕することにより、メジアン径2.10μmの粉砕物を得た。
【0047】
次いで、得られた粉砕物30重量部を、イオン交換水70重量部に加えて攪拌し、分散物を調製した後に、この分散物を、ビースミルを用いて湿式粉砕することにより、メジアン径0.77μmの樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得た。
【0048】
実施例2
軟化点130〜140℃のロジンフェノール系樹脂100重量部を、ジェットミルを用いて乾式粉砕することにより、メジアン径2.30μmの粉砕物を得た。
【0049】
次いで、イオン交換水70重量部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5重量部を加えて攪拌することにより、乳化剤水溶液を調製し、その乳化剤水溶液に、得られた粉砕物30重量部を、さらに加えて攪拌し、分散物を調製した。その後、この分散物を、ビースミルを用いて湿式粉砕することにより、メジアン径0.75μmの樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得た。
【0050】
比較例1
軟化点130〜140℃のロジンフェノール系樹脂100重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部を、ジェットミルを用いて乾式粉砕することにより、メジアン径2.10μmの粉砕物を得た。
【0051】
次いで、得られた粉砕物30重量部を、イオン交換水70重量部に加えて攪拌することにより、メジアン径2.10μmの樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得た。
【0052】
比較例2
軟化点130〜140℃のロジンフェノール系樹脂100重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部を、ジェットミルを用いて乾式粉砕することにより、メジアン径2.10μmの粉砕物を得た。
【0053】
次いで、得られた粉砕物30重量部を、イオン交換水70重量部に加えて攪拌し、分散物を調製した後に、この分散物を、ビースミルを用いて湿式粉砕し、樹脂乳化物のメジアン径が1.20μmとなった時点で湿式粉砕を止めることにより、メジアン径1.20μmの樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得た。
【0054】
貯蔵安定性試験
上記で得られた各実施例および各比較例の水分散型樹脂乳化物30gを、50mLのスクリュー瓶に入れ封止し、静置状態で3日間放置した。その後、目視にて沈殿物の有無を確認した。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の水分散型樹脂乳化物の製造方法によれば、有機溶媒を用いることなく、大量の乳化剤を用いずとも、比較的低温で、作業効率よく、メジアン径1μm以下の微細な樹脂乳化物が水中に分散される水分散型樹脂乳化物を得ることができる。
Claims (4)
- 乳化すべき樹脂を乾式粉砕する乾式粉砕工程、
乾式粉砕された前記樹脂を水に分散させる水分散工程、
水に分散された前記樹脂を乳化剤とともに湿式粉砕して、メジアン径1μm以下の樹脂乳化物を調製する湿式粉砕工程
を備えていることを特徴とする、水分散型樹脂乳化物の製造方法。 - 前記湿式粉砕工程において、50℃以下で湿式粉砕することを特徴とする、請求項1に記載の水分散型樹脂乳化物の製造方法。
- 前記乾式粉砕工程において、ジェットミルを用いて乾式粉砕することを特徴とする、請求項1または2に記載の水分散型樹脂乳化物の製造方法。
- 前記湿式粉砕工程において、媒体攪拌式ミルを用いて湿式粉砕することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の水分散型樹脂乳化物の製造方法。
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2003
- 2003-02-24 JP JP2003045924A patent/JP2004256587A/ja active Pending
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