JPH07150988A - 2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置

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JPH07150988A
JPH07150988A JP32315193A JP32315193A JPH07150988A JP H07150988 A JPH07150988 A JP H07150988A JP 32315193 A JP32315193 A JP 32315193A JP 32315193 A JP32315193 A JP 32315193A JP H07150988 A JPH07150988 A JP H07150988A
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JP
Japan
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exhaust
engine speed
governor
exhaust timing
timing control
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Application number
JP32315193A
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English (en)
Inventor
Hisatoshi Kinoshita
久寿 木下
Takeshi Motoyama
雄 本山
Yoshihiko Moriya
美彦 守屋
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 数段階に排気タイミングを変更し、トルク谷
を解消するとともに、ガバナ装置のバラツキによる作動
域を変化させることなく、かつ広いエンジン回転数域で
排気可変弁を作動させ、最適の排気タイミングにするこ
とができる2サイクルエンジンの排気タイミング制御装
置を提供する。 【構成】 クランク軸5に連動するガバナ装置11を備
え、このガバナ装置11は遠心力によりラジアル方向に
移動可能な遠心錘21と、この遠心錘21に押圧されて
スラスト方向に移動する移動子22と、この移動子21
を押圧して逆方向に移動させる弾発部材23,24と、
移動子21の移動に連動して排気可変弁12を開閉動作
させるリンク機構25とからなり、排気可変弁12でエ
ンジン回転数に応じて排気ポート13の上縁を開閉して
排気タイミングを可変する2サイクルエンジンの排気タ
イミング制御装置10において、弾発部材23,24を
複数並列に配置し、この複数の弾発部材23,24の作
動荷重を段階的に変化させるように設定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、クランク軸に連動す
るガバナ装置を備え、このガバナ装置でエンジン回転数
に対応して排気可変弁を開閉動作させ排気タイミングを
可変する2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンの排気タイミング制
御装置には、例えば特開昭56−107909号公報に
開示されるように、クランク軸に連動するガバナ装置を
備え、このガバナ装置でエンジン回転数に対応して排気
タイミングを可変するものがある。
【0003】このようなガバナ装置は、例えば図11及
び図12に示すように、2サイクルエンジンに備えられ
ている。2サイクルエンジンのシリンダブロック100
はクランクケース101に載置され、シリンダブロック
100とクランクケース101とでクランク室102が
形成され、クランクケース101にはクランク軸103
が軸受104を介して軸支されている。クランク軸10
3にはクランクピン105を介してコンロッド106が
設けられ、このコンロッド106はシリンダブロック1
00のシリンダ107内に往復動可能に設けられたピス
トン108とピストンピン109を介して連結されてい
る。
【0004】シリンダブロック100にはシリンダヘッ
ド110が設けられ、このシリンダヘッド110には点
火プラグ111が燃焼室112に臨むように設けられて
いる。燃焼室112はシリンダブロック100に形成さ
れたシリンダ107と、このシリンダ107内に往復動
可能に設けられたピストン108と、シリンダヘッド1
10によって形成されている。
【0005】シリンダブロック100には吸入口113
に連通する吸入通路114、排気口115に連通する排
気通路116、掃気口117に連通する掃気通路118
及び対向掃気口119に連通する対向掃気通路120が
形成され、吸入口113、排気口115、掃気口117
及び対向掃気口119は、それぞれシリンダの内周壁に
開口している。さらに、シリンダブロック100には排
気通路116の両側に補助排気通路121が形成され、
この補助排気通路121の補助排気口122はシリンダ
の内周壁に開口している。これらの吸入口113、排気
口115、掃気口117、対向掃気口119及び補助排
気口122はピストン108の上下動によって開閉され
る。
【0006】2サイクルエンジンのクランク軸103に
連動するガバナ装置123の回転軸124に遠心力によ
りラジアル方向に移動可能な遠心錘125と、この遠心
錘125に押圧されてスラスト方向に移動する移動子1
26と、この移動子126を押圧して逆方向に移動させ
る弾発部材127と、移動子126の移動に連動して排
気可変弁128を開閉動作させるリンク機構129とか
らなっている。
【0007】このガバナ装置123は、エンジン回転数
に対応して排気可変弁128を開閉制御し、エンジン回
転数が小なる時排気通路116の上縁を閉鎖し、エンジ
ン回転数が大なる時排気通路116の上縁を開き、エン
ジン回転数に対応して排気タイミングを可変するように
なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ガバナ装置で排気可変弁を開閉作動させて、エンジン回
転数に対応して排気タイミングを可変する2サイクルエ
ンジンでも、図13に示すように、排気可変弁が全閉
と、全開の2種類であるから、低回転から高回転まで、
高出力を得ようとすると、全閉のときのトルク特性11
と、全開状態のときのトルク特性12との間にトルク谷
aが発生してしまう。
【0009】また、ガバナ装置の弾発部材のバネ定数が
ばらつくと、図14に示すように、横軸にエンジン回転
数を、縦軸に弾発力をとると、△θ(バネ定数のばらつ
きに相当)による排気可変弁の全開となるエンジン回転
数のばらつきを△Aとする時、
【0010】
【式1】 となり、図14から分かる通り、△A1>△A2即ち、θ
(エンジン回転数を基準としたバネ定数に相当)小の時
は、排気可変弁が開き始めるエンジン回転数を所定値に
設定しても、排気可変弁が完全に開となるエンジン回転
数は、θのばらつき即ち弾発部材のバネ定数のばらつき
により大きく変化してしまう。
【0011】このように、ガバナ装置の弾発部材のバネ
定数がばらつくと、その他の部品が精度よく製作されて
いても排気可変弁の全閉から全開への変化に対応するエ
ンジン回転数がばらついてしまい、その結果、このよう
なガバナ装置を備えるエンジンごとに排気タイミング制
御がばらついてしまうことになる。
【0012】このため、ガバナ装置の弾発部材のバネ定
数を相対的に柔らかくすることにより、バネ定数がばら
ついても、排気可変弁が全開となるエンジン回転数のば
らつきを小さくすることが考えられる。
【0013】即ち、図15に示すように、横軸にエンジ
ン回転数をとり、ガバナ装置の弾発部材のバネ定数を相
対的に柔らかくする前について、バネ定数の特性f11
として示すと、A域を弾発部材のセット荷重による排気
可変弁全閉域、B域をガバナ装置の遠心錘の移動に伴う
排気可変弁回動域、C域をストッパの作動による排気可
変弁全開域となり、縦軸に排気可変弁の開度、弾発部材
の弾発力、移動子の移動量をとることができる。
【0014】ところで、ガバナ装置の弾発部材のバネ定
数を相対的に柔らかくすると、このバネ定数の特性f1
2として示すことができ、排気可変弁の全閉から全開の
変化に対応するエンジン回転数の変化が例えば1000
rpmと限られ、スロットル全閉から全開までエンジン
回転数が3000rpmあるいは8000rpmあるい
はそれ以上のものでは、相対的に限られたエンジン回転
数域においてのみしか、排気タイミング制御ができな
い。このように、ガバナ装置の弾発部材のバネ定数を相
対的に柔らかくすると、広いエンジン回転数範囲で、最
適の排気タイミングにすることが困難である。
【0015】この発明は、前記課題に鑑みてなされたも
ので、数段階に排気タイミングを変更し、トルク谷を解
消するとともに、ガバナ装置のバラツキによる作動域を
変化させることなく、かつ広いエンジン回転数域で排気
可変弁を作動させ、最適の排気タイミングにすることが
できる2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置を
提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、クランク軸に連動するガバ
ナ装置を備え、このガバナ装置は遠心力によりラジアル
方向に移動可能な遠心錘と、この遠心錘に押圧されてス
ラスト方向に移動する移動子と、この移動子を押圧して
逆方向に移動させる弾発部材と、前記移動子の移動に連
動して排気可変弁を開閉動作させるリンク機構とからな
り、前記排気可変弁でエンジン回転数に応じて排気通路
の上縁を開閉して排気タイミングを可変する2サイクル
エンジンの排気タイミング制御装置において、前記弾発
部材を複数並列に配置し、この複数の弾発部材の作動荷
重を段階的に変化させるように設定したことを特徴とし
ている。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の2
サイクルエンジンの排気タイミング制御装置において、
請求項1記載のガバナ装置を複数配置し、このガバナ装
置の作動時のエンジン回転数をガバナ装置の数に対応し
て段階的に設定したことを特徴としている。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項1記載の2
サイクルエンジンの排気タイミング制御装置において、
請求項1記載のガバナ装置の遠心錘あるいは及びリンク
機構にカムを配置し、このカムによりエンジン回転数の
増加量に対する前記弾発部材の変化の割合が前記弾発部
材の変位量が大となる高エンジン回転数域において、そ
れ以外より相対的に小さく設定したことを特徴としてい
る。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明では、弾発部材を複数並列
に配置し、複数の弾発部材の作動荷重を段階的に変化さ
せることで、リンク機構を介して排気可変弁の開閉動作
が段階的になる。これにより、排気タイミングを段階的
変更することができ、低回転から高回転まで高出力を得
ようとするときに生じるトルク谷が解消するとともに、
ガバナ装置のバラツキによる作動域を変化させることな
く、かつ広いエンジン回転数域で排気可変弁を作動さ
せ、最適の排気タイミングにすることができる。
【0020】請求項2記載の発明では、ガバナ装置を複
数配置し、このガバナ装置の作動時のエンジン回転数を
ガバナ装置の数に対応して段階的に設定することで、リ
ンク機構を介して排気可変弁の開閉動作が段階的にな
る。これにより、排気タイミングを段階的変更すること
ができ、低回転から高回転まで高出力を得ようとすると
きに生じるトルク谷が解消するとともに、ガバナ装置の
バラツキによる作動域を変化させることなく、かつ広い
エンジン回転数域で排気可変弁を作動させ、最適の排気
タイミングにすることができる。
【0021】請求項3記載の発明では、ガバナ装置の遠
心錘あるいは及びリンク機構にカムを配置し、エンジン
回転数の増加量に対する弾発部材の変化の割合が弾発部
材の変位量が大となる高エンジン回転数域において、そ
れ以外より相対的に小さくすることで、リンク機構を介
して排気可変弁の開閉動作が段階的になる。これによ
り、排気タイミングを段階的変更することができ、低回
転から高回転まで高出力を得ようとするときに生じるト
ルク谷が解消するとともに、ガバナ装置のバラツキによ
る作動域を変化させることなく、かつ広いエンジン回転
数域で排気可変弁を作動させ、最適の排気タイミングに
することができる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の2サイクルエンジンの排気
タイミング制御装置について説明する。
【0023】まず、2サイクルエンジンの排気タイミン
グ制御装置の第1実施例について説明する。図1は2サ
イクルエンジンの排気タイミング制御装置の断面図、図
2は2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置の高
エンジン回転数時の断面図、図3はガバナ装置のバネ定
数の特性を示す図、図4はエンジン特性を示す図であ
る。
【0024】2サイクルエンジン1のシリンダブロック
2はクランクケース3に載置され、シリンダブロック2
とクランクケース3とでクランク室4が形成され、クラ
ンクケース3にはクランク軸5が軸受6を介して軸支さ
れている。クランク軸5にはコンロッド7が設けられ、
このコンロッド7はシリンダブロック2の図示しないシ
リンダ内に往復動可能に設けられたピストンと連結され
ている。
【0025】この2サイクルエンジン1には排気タイミ
ング制御装置10が備えられ、この排気タイミング制御
装置10はクランク軸5に連動するガバナ装置11を有
しており、このガバナ装置11により排気可変弁12を
制御してエンジン回転数に応じて排気通路13の上縁を
開閉して排気タイミングを可変する。
【0026】ガバナ装置11の回転軸14はカバー15
とクランクケース2とで軸受16,17を介して回動可
能に軸支され、回転軸14に一体回転可能に設けられた
ガバナギヤ18はクランク軸5に一体回転可能に設けら
れた駆動ギヤ19に噛み合っている。これにより、クラ
ンク軸5の回転力が駆動ギヤ19、ガバナギヤ18を介
して回転軸14に伝達され、回転軸14はクランク軸5
に連動して回転する。
【0027】回転軸14の一端部には固定子20が一体
回転可能に設けられ、この固定子20と、他端部のガバ
ナギヤ18との間には、遠心力によりラジアル方向に移
動可能な遠心錘21と、この遠心錘21に押圧されてス
ラスト方向に移動する移動子22と、この移動子22を
押圧して逆方向に移動させる弾発部材23,24とが設
けられている。移動子22はリンク機構25を介して排
気可変弁12に連結され、このリンク機構25のレバー
26はピン27を介して移動子22に連結されている。
レバー26は作動軸28に連結されており、移動子22
の移動に連動してレバー26を介して作動軸28が回転
する。作動軸28にはリンク29が固定され、このリン
ク29にはピン30を介してアーム31が連結され、こ
のアーム31は排気可変弁12に固定したリンク32に
図示しないピンを介して連結され、これにより作動軸2
8の回転がリンク29、アーム31及びリンク32を介
して排気可変弁12に伝達され、このようにして排気可
変弁12が作動軸28の回転に連動して回転する。
【0028】弾発部材23,24は複数並列に配置さ
れ、この内側に配置された弾発部材23は移動子22と
ガバナギヤ18との間に圧縮して配置され、外側に配置
された弾発部材24はガバナギヤ18に取り付けられた
ケース33内において、ケース33とガバナギヤ18と
の間に圧縮して配置されている。ケース33はガバナギ
ヤ18に軸方向に移動可能に設けられ、弾発部材24に
よってケース33の係止片34が常にガバナギヤ18に
当接する方向に付勢されている。
【0029】このように、弾発部材23,24を複数並
列に配置し、複数の弾発部材23,24の作動荷重を段
階的に変化させるように設定している。
【0030】従って、クランク軸5に連動するガバナ装
置11は、図1及び図3に示すように、所定のエンジン
回転数N1までは遠心錘21の遠心力が小さく、弾発部
材23の弾発力が作用して移動子22の移動が規制さ
れ、排気可変弁12は全閉状態にある。そして、エンジ
ン回転数が大きくなり、所定のエンジン回転数N1以上
になると、遠心錘21の遠心力が大きくなり、弾発部材
23の弾発力に抗して移動子22が移動して、リンク機
構25を介して排気可変弁12が開く。さらに、エンジ
ン回転数が大きくなり、所定のエンジン回転数N2以上
になると、移動子22がケース33に当接するが、弾発
部材23,24の弾発力で移動子22の移動が規制され
る。
【0031】さらに、所定のエンジン回転数N3以上に
なると、遠心錘の遠心力が大きくなり、図2に示すよう
に、高エンジン回転数時には、弾発部材23,24の弾
発力に抗して移動子22が移動し、エンジン回転数N4
以上になると、ストッパ90がガバナギヤ18に当接し
て移動子22の移動が規制され、リンク機構25を介し
て排気可変弁12が全開状態になる。
【0032】このように、ガバナ装置11は、エンジン
回転数に応じて排気可変弁12を制御し、エンジン回転
数が小なる時排気通路13の上縁を閉鎖し、エンジン回
転数が大なる時排気通路13の上縁を開き、エンジン回
転数に対応して排気タイミングを可変するが、ガバナ装
置11は遠心錘21の遠心力に対して、弾発部材23の
弾発力と、弾発部材24の弾発力とで作動荷重を段階的
に変化させるように設定してあるため、図3に示すよう
なガバナ装置11のバネ定数の特性でリンク機構25を
介して排気可変弁12が制御される。
【0033】この実施例では、弾発部材23のバネ定数
1、弾発部材24のバネ定数k2とすると、弾発部材2
3と弾発部材24とによるバネ定数k3は、
【0034】
【式2】 であり、弾発部材23と弾発部材24とを平均化したバ
ネ定数k0は、k0>k3>k1である。
【0035】このように、弾発部材23,24を複数並
列に配置し、複数の弾発部材23,24の作動荷重を段
階的に変化させることで、リンク機構25を介して排気
可変弁12の開閉動作が段階的になる。これにより、排
気タイミングを段階的変更することができ、図4に示す
ように全閉時のトルク特性1と、全開時のトルク特性2
との間に中間のトルク特性3を得ることができ、トルク
谷が解消するため、エンジン性能が向上する。
【0036】また、ガバナ装置11のバラツキによる作
動域を変化させることなく、かつ広いエンジン回転数域
で排気可変弁12を作動させ、最適の排気タイミングに
することができ、広い範囲で最適なエンジン性能を得る
ことができる。
【0037】次に、2サイクルエンジンの排気タイミン
グ制御装置の第2実施例について説明する。図5は2サ
イクルエンジンの排気タイミング制御装置の断面図、図
6はガバナ装置のバネ定数の特性を示す図である。
【0038】この第2実施例は、クランク軸5に連動す
るガバナ装置41,42を複数配置したものであり、第
1実施例と同様な部材は同じ符号を付して説明を省略す
る。ガバナ装置41は移動子22を押圧して逆方向に移
動させる弾発部材43を有し、ガバナ装置42は移動子
22を押圧して逆方向に移動させる弾発部材44を有し
ている。ガバナ装置41の移動子22はレバー45を介
して作動軸28に固定したアーム46を押動し、ガバナ
装置42の移動子22はレバー47を介して作動軸28
に固定したアーム46を押動する。この2個のガバナ装
置41,42の作動時のエンジン回転数をガバナ装置の
数に対応して段階的に設定している。
【0039】従って、クランク軸5に連動するガバナ装
置41,42は、図6に示すように、所定のエンジン回
転数N1まではガバナ装置42の遠心錘21の遠心力が
小さく、弾発部材44の弾発力が作用して移動子22の
移動が規制され、排気可変弁12は全閉状態にある。そ
して、所定のエンジン回転数N1以上になると、ガバナ
装置42の遠心錘21の遠心力が大きくなり、弾発部材
44の弾発力に抗して移動子22が移動して、リンク機
構25を介して排気可変弁12が開く。
【0040】さらに、所定のエンジン回転数N2以上に
なると、ストッパ48がガバナギヤ18に当接して移動
が規制される。さらに、所定のエンジン回転数N3以上
になると、ガバナ装置41の遠心錘21の遠心力が大き
くなり、弾発部材43の弾発力に抗して移動子22が移
動し、エンジン回転数N4以上になると、ストッパ49
が固定子20に当接し、高エンジン回転数時には移動子
22の移動も規制され、リンク機構25を介して排気可
変弁12が全開状態になる。
【0041】このように、ガバナ装置41,42は、エ
ンジン回転数に応じて排気可変弁12を制御し、エンジ
ン回転数が小なる時排気通路13の上縁を閉鎖し、エン
ジン回転数が大なる時排気通路13の上縁を開き、エン
ジン回転数に対応して排気タイミングを可変するが、そ
れぞれのガバナ装置41,42は遠心錘21の遠心力に
対して、弾発部材43,44の弾発力により、作動荷重
を段階的に変化させるように設定してあり、これにより
図6に示すようなガバナ装置のバネ定数の特性でリンク
機構25を介して排気可変弁12が制御される。
【0042】この第2実施例では、ガバナ装置42に作
用する弾発部材44のセット荷重より、ガバナ装置41
に作用する弾発部材43のセット荷重を大きくしてい
る。よって、ガバナ装置41,42の遠心錘21、遠心
錘21を受ける固定子20と移動子22の形状、バネ定
数全て共通にしてあっても、広いエンジン回転数域で排
気可変弁を作動可能である。
【0043】このように、ガバナ装置41,42を複数
配置し、このガバナ装置41,42の作動時のエンジン
回転数をガバナ装置の数に対応して段階的に設定するこ
とで、リンク機構25を介して排気可変弁12の開閉動
作が段階的になる。これにより、排気タイミングを段階
的変更することができ、低回転から高回転まで高出力を
得ようとするときに生じるトルク谷が解消するととも
に、ガバナ装置のバラツキによる作動域を変化させるこ
となく、かつ広いエンジン回転数域で排気可変弁を作動
させ、最適の排気タイミングにすることができ、広い範
囲で最適なエンジン性能を得ることができる。
【0044】次に、2サイクルエンジンの排気タイミン
グ制御装置の第3実施例について説明する。図7は2サ
イクルエンジンの排気タイミング制御装置の断面図、図
8(a)〜(b)はガバナ装置の作動状態を示す図、図
9はガバナ装置のバネ定数の特性を示す図である。
【0045】この第3実施例は、クランク軸5に連動す
るガバナ装置51に連結したリンク機構25にカム52
を配置し、このカム52によりエンジン回転数の増加量
に対する弾発部材53の変化の割合が弾発部材53の変
位量が大となる高エンジン回転数域において、それ以外
より相対的に小さくしたものであり、第1実施例と同様
な部材は同じ符号を付して説明を省略する。
【0046】この第3実施例は、リンク機構25の作動
軸28にカム52が設けられており、このカム52でピ
ン55を支点に支持されたアーム54を作動する。
【0047】従って、クランク軸に連動するガバナ装置
は、図8(a)〜(d)及び図9に示すように、所定の
エンジン回転数N1まではガバナ装置51の遠心錘21
の遠心力が小さく、弾発部材53の弾発力が作用して移
動子22の移動が規制され、カム52は回転せず排気可
変弁12は全閉状態にある(図8(a))。そして、所
定のエンジン回転数N1以上になると、ガバナ装置51
の遠心錘21の遠心力が大きくなり、弾発部材53の弾
発力に抗して移動子22が移動して、カム52が回転し
てリンク機構25を介して排気可変弁12が開く(図8
(b))。さらに、所定のエンジン回転数N2以上にな
ると、ガバナ装置51の遠心錘21の遠心力が大きくな
り、弾発部材53の弾発力に抗して移動子22が移動
し、カム52が回転するが(図8(c))、カム52に
よってリンク機構25が作動せずに、排気可変弁12は
同じ開度を維持している。
【0048】さらに、所定のエンジン回転数N3以上に
なると、ガバナ装置51の遠心錘21の遠心力が大きく
なり、高エンジン回転数時には、弾発部材53の弾発力
に抗して移動子22が移動し、カム52が回転して、リ
ンク機構25を介して排気可変弁12が開き、さらに所
定のエンジン回転数N4以上になると、ストッパ90が
ガバナギヤ18に当接して移動子22の移動が規制さ
れ、排気可変弁12は全開状態になる(図8(d))。
【0049】このように、ガバナ装置51は遠心錘21
の遠心力に対して、弾発部材53の弾発力により、リン
ク機構25のカム52を作動し、これにより図9に示す
ようなガバナ装置51のバネ定数の特性でリンク機構2
5を介して排気可変弁12が制御される。
【0050】この第3実施例では、弾発部材53のバネ
定数は、第1実施例及び第2実施例より高い値である
が、カム52によりエンジン回転数N2とエンジン回転
数N3との間に不動作域を配置したので、その分ばらつ
きの影響を小さくできる。
【0051】このように、リンク機構52にカム52を
配置し、エンジン回転数の増加量に対する弾発部材53
の変化の割合が弾発部材53の変位量が大となる高エン
ジン回転数域において、それ以外より相対的に小さくす
ることで、リンク機構25を介して排気可変弁12の開
閉動作が段階的になる。これにより、排気タイミングを
段階的変更することができ、低回転から高回転まで高出
力を得ようとするときに生じるトルク谷が解消するとと
もに、ガバナ装置のバラツキによる作動域を変化させる
ことなく、かつ広いエンジン回転数域で排気可変弁を作
動させ、最適の排気タイミングにすることができ、広い
範囲で最適なエンジン性能を得ることができる。
【0052】次に、2サイクルエンジンの排気タイミン
グ制御装置の第4実施例について説明する。図10は2
サイクルエンジンの排気タイミング制御装置の断面図で
ある。
【0053】この第4実施例は、クランク軸5に連動す
るガバナ装置61の遠心錘21がピン62を支点に遠心
方向に回動可能に設けられ、この遠心錘21がカム形状
に形成され、遠心錘21にカム63を形成して、ガバナ
装置61の遠心錘21にカム63を配置したものであ
る。このカム63によりエンジン回転数の増加量に対す
る弾発部材53の変化の割合が弾発部材53の変位量が
大となる高エンジン回転数域において、それ以外より相
対的に小さくしたものであり、第3実施例と同様な部材
は同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】この第4実施例のガバナ装置61は、遠心
錘21の遠心力に対して、弾発部材53の弾発力によ
り、遠心錘21のカム63を作動し、これにより第3実
施例の図9と同様にガバナ装置61のバネ定数の特性で
リンク機構25を介して排気可変弁12が制御される。
【0055】この第4実施例でも、弾発部材53は広い
エンジン回転数にかけて変位するが、カム63によりエ
ンジン回転数が高い程、弾発部材53のたわみ量を大き
くできる。このため、エンジン回転数が上昇すると相対
的にバネ定数が増加し、バネ定数のばらつきに対応する
エンジン回転数の変化をエンジン高回転域が抑えること
ができる。その結果、全体として排気可変弁12を動作
可能な回転域を広げることができる。
【0056】このように、ガバナ装置61の遠心錘21
にカム63を配置し、エンジン回転数の増加量に対する
弾発部材53の変化の割合が弾発部材53の変位量が大
となる高エンジン回転数域において、それ以外より相対
的に小さくすることで、リンク機構25を介して排気可
変弁12の開閉動作が段階的になる。これにより、排気
タイミングを段階的変更することができ、低回転から高
回転まで高出力を得ようとするときに生じるトルク谷が
解消するとともに、ガバナ装置のバラツキによる作動域
を変化させることなく、かつ広いエンジン回転数域で排
気可変弁を作動させ、最適の排気タイミングにすること
ができ、広い範囲で最適なエンジン性能を得ることがで
きる。
【0057】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明
は、弾発部材を複数並列に配置し、複数の弾発部材の作
動荷重を段階的に変化させたから、排気可変弁により排
気タイミングを段階的変更することができ、トルク谷が
解消しエンジン性能が向上するとともに、ガバナ装置の
バラツキによる作動域を変化させることなく、かつ広い
エンジン回転数域で排気可変弁を作動させ、最適の排気
タイミングにすることができ、広い範囲で最適なエンジ
ン性能を得ることができる。
【0058】請求項2記載の発明は、ガバナ装置を複数
配置し、このガバナ装置の作動時のエンジン回転数をガ
バナ装置の数に対応して段階的に設定したから、排気可
変弁により排気タイミングを段階的変更することがで
き、トルク谷が解消しエンジン性能が向上するととも
に、ガバナ装置のバラツキによる作動域を変化させるこ
となく、かつ広いエンジン回転数域で排気可変弁を作動
させ、最適の排気タイミングにすることができ、広い範
囲で最適なエンジン性能を得ることができる。
【0059】請求項3記載の発明は、ガバナ装置の遠心
錘あるいは及びリンク部材にカムを配置し、エンジン回
転数の増加量に対する弾発部材の変化の割合が弾発部材
の変位量が大となる高エンジン回転数域において、それ
以外より相対的に小さくしたから、排気可変弁により排
気タイミングを段階的変更することができ、トルク谷が
解消しエンジン性能が向上するとともに、ガバナ装置の
バラツキによる作動域を変化させることなく、かつ広い
エンジン回転数域で排気可変弁を作動させ、最適の排気
タイミングにすることができ、広い範囲で最適なエンジ
ン性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置
の縦断面図である。
【図2】2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置
の高エンジン回転数時の縦断面図である。
【図3】ガバナ装置のバネ定数の特性を示す図である。
【図4】エンジン特性を示す図である。
【図5】2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置
の縦断面図である。
【図6】ガバナ装置のバネ定数の特性を示す図である。
【図7】2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置
の縦断面図である。
【図8】ガバナ装置の作動状態を示す図である。
【図9】ガバナ装置のバネ定数の特性を示す図である。
【図10】2サイクルエンジンの排気タイミング制御装
置の縦断面図である。
【図11】従来の2サイクルエンジンの排気タイミング
制御装置の縦断面図である。
【図12】排気タイミング制御装置を搭載する2サイク
ルエンジンの縦断面図である。
【図13】従来のエンジン特性を示す図である。
【図14】従来のガバナ装置のバネ定数の特性を示す図
である。
【図15】従来のガバナ装置のバネ定数の特性を示す図
である。
【符号の説明】
5 クランク軸 10 排気タイミング制御装置 11 ガバナ装置 12 排気可変弁 13 排気通路 21 遠心錘 22 移動子 23,24 弾発部材 25 リンク機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸に連動するガバナ装置を備
    え、このガバナ装置は遠心力によりラジアル方向に移動
    可能な遠心錘と、この遠心錘に押圧されてスラスト方向
    に移動する移動子と、この移動子を押圧して逆方向に移
    動させる弾発部材と、前記移動子の移動に連動して排気
    可変弁を開閉動作させるリンク機構とからなり、前記排
    気可変弁でエンジン回転数に応じて排気通路の上縁を開
    閉して排気タイミングを可変する2サイクルエンジンの
    排気タイミング制御装置において、前記弾発部材を複数
    並列に配置し、この複数の弾発部材の作動荷重を段階的
    に変化させるように設定したことを特徴とする2サイク
    ルエンジンの排気タイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の2サイクルエンジンの排
    気タイミング制御装置において、請求項1記載のガバナ
    装置を複数配置し、このガバナ装置の作動時のエンジン
    回転数をガバナ装置の数に対応して段階的に設定したこ
    とを特徴とする2サイクルエンジンの排気タイミング制
    御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の2サイクルエンジンの排
    気タイミング制御装置において、請求項1記載のガバナ
    装置の遠心錘あるいは及びリンク機構にカムを配置し、
    このカムによりエンジン回転数の増加量に対する前記弾
    発部材の変化の割合が前記弾発部材の変位量が大となる
    高エンジン回転数域において、それ以外より相対的に小
    さく設定したことを特徴とする2サイクルエンジンの排
    気タイミング制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006000419B4 (de) * 2005-08-25 2013-04-18 Denso Corporation Fahrzeugdrehmomentsteuerungsvorrichtung

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006000419B4 (de) * 2005-08-25 2013-04-18 Denso Corporation Fahrzeugdrehmomentsteuerungsvorrichtung

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