JPH07149048A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH07149048A
JPH07149048A JP5301640A JP30164093A JPH07149048A JP H07149048 A JPH07149048 A JP H07149048A JP 5301640 A JP5301640 A JP 5301640A JP 30164093 A JP30164093 A JP 30164093A JP H07149048 A JPH07149048 A JP H07149048A
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protective layer
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adhesive resin
starch
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JP5301640A
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English (en)
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Shigemi Iijima
茂美 飯島
Yukio Ochiai
行雄 落合
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で保存性が良く、耐ピッキング性のあ
るオフセット印刷適性の良好な感熱記録材料を製造す
る。 【構成】 シート状支持体上に有機及び又は無機顔料と
接着剤樹脂を含む下塗り層を設けその上に無色ないし淡
色の電子供与性発色性染料、加熱により該発色性染料を
発色させる電子受容性顕色性化合物、及び接着剤樹脂を
主成分として含有する感熱発色層及び保護層を設けた感
熱記録紙において、前記保護層が重合度1000以上、
鹸化度98%以上のポリビニルアルコールを乾燥後の重
量比率が保護層全体の20〜50重量%含有し、かつ前
記下塗り層が接着剤樹脂として澱粉ーポリ酢酸ビニルグ
ラフト共重合体及び又はその部分鹸化物を乾燥後の重量
比率が下塗り層全体の10〜30重量%含有することを
特徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録材料に関す
る。更に詳しくは高感度で保存性が良く、耐ピッキング
性のあるオフセット印刷適性を有する感熱記録材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は一般に紙、合成紙、また
はプラスチックフィルムなどからなるシート状支持体上
に、電子供与性ロイコ染料のような発色性染料と、電子
受容性のフェノール性化合物などのような顕色性化合物
と、接着剤樹脂とを主成分として含む感熱発色層を設け
たものであって、これら発色性染料と顕色剤とを熱エネ
ルギーによって反応させて発色記録画像を得ることがで
きる。一方、感熱記録方式は単に加熱するだけで発色画
像が得られ、またこの記録装置を比較的簡単にコンパク
トなものにすることができるなどの利点が高く評価さ
れ、ファクシミリや自動券売機、科学計測器、CD/A
TM、POSラベル用プリンターなど各種情報記録方式
として広範囲に利用されている。
【0003】このような用途の広がりと共に、高い保存
性に加えて、印刷性を要求されてきている。高い保存性
を得るために、感熱層上に保護層を設けることが一般的
に行われている(特公昭 44-27880号公報、特開昭 48-5
1644号公報)。しかし、このような保護層を感熱層上に
設けると、サーマルヘッドからの感熱層への熱の伝導が
保護層を通過して到達するため、感度低下を避けること
が出来ない。そこで、この感度低下を防ぐため、熱伝導
率の低い支持体にすることが考えられる(特開昭 55-16
4192号公報)。すなわち、下塗り層を設け、且つこの下
塗り層を空隙の多い層としている。このようなポーラス
な下塗り層を有する層構成の感熱記録紙へ印刷した場
合、ピッキングに対して弱くなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感熱記録材
料に関する。更に詳しくは高感度で保存性が良く、耐ピ
ッキング性のあるオフセット印刷適性を有する感熱記録
材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、シート
状支持体上に有機及び又は無機顔料と接着剤樹脂を含む
下塗り層を設けその上に無色ないし淡色の電子供与性発
色性染料、加熱により該発色性染料を発色させる電子受
容性顕色性化合物、及び接着剤樹脂を主成分として含有
する感熱発色層及び保護層を設けた感熱記録紙におい
て、前記保護層が重合度1000以上、鹸化度98%以
上のポリビニルアルコールを乾燥後の重量比率が保護層
全体の20〜50重量%含有し、かつ前記下塗り層が接
着剤樹脂として澱粉ーポリ酢酸ビニルグラフト共重合体
及び又はその部分鹸化物を乾燥後の重量比率が下塗り層
全体の10〜30重量%含有することを特徴とする感熱
記録材料によって達成された。
【0006】保護層中に重合度1500以上、鹸化度9
8%以上のポリビニルアルコールを乾燥後の重量比率が
保護層全体の20重量%以上含むことによって保存性は
飛躍的に向上するが、保護層の皮膜形成能が向上した結
果、印刷時のピッキングが悪化した。これについて対策
を検討するため、下塗り層の接着剤樹脂として塗膜形成
時にポーラスな層形成の出来き、且つ接着強度向上が図
れる接着剤樹脂を選択した。その結果、澱粉ーポリ酢酸
ビニルグラフト共重合体及び又はその部分鹸化物を乾燥
後の重量比率が下塗り層全体の10〜30重量%の範囲
で含有することによって感度の低下を起こさずに印刷時
のピッキングが解決できることを見出した。しかし、澱
粉ーポリ酢酸ビニルグラフト共重合体及び又はその部分
鹸化物が乾燥後の重量比率が下塗り層全体の10重量%
未満では下塗り層の塗膜強度が不十分で印刷時にピッキ
ングが発生した。しかし澱粉ーポリ酢酸ビニルグラフト
共重合体及び又はその部分鹸化物を乾燥後の重量比率が
下塗り層全体の30重量%より多く配合すると感度が低
下した。本発明によって得られる感熱記録紙は従来無か
った保存性、感度に優れ又印刷時のピッキングの良好な
品質を有する記録材料とすることが出来た。
【0007】本発明における澱粉ーポリ酢酸ビニルグラ
フト共重合体及び/又はその鹸化物とは天然澱粉、天然
澱粉含有物、分画されたアミロース、及びアミロペクチ
ン、及びそれらのエーテル化澱粉、エステル化澱粉、架
橋澱粉、グラフト変成澱粉、酸化澱粉、デキストリン澱
粉、酸処理澱粉、酵素変成澱粉より選ばれた1種以上の
変性を受けた化工澱粉に酢酸ビニルあるいはその他のビ
ニルエステル類をさせたもの及び又はグラフトした酢酸
ビニル部分が鹸化したものを含む。
【0008】又、下塗り層の接着剤として澱粉ーポリ酢
酸ビニルグラフト共重合体及び又はその部分鹸化物以外
に下塗り層の耐水性を向上させるため、水性エマルジョ
ンが用いられ、具体的には例えば以下に示すようなもの
が挙げられる。SBRラテックス、ポリスチレンーアク
リル酸エステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジ
ョン等が挙げられる。中でもゲル含量の多いSBRラテ
ックスと組み合わせた時、塗膜の耐水性向上と同時に感
度向上に良好な結果を示した。本発明における下塗り層
は主成分として充填剤と接着剤樹脂とからなり、充填剤
としては一般製紙用、塗工用に用いられる無機、有機の
顔料が任意に用いられ、具体的には以下のようなものが
挙げられる。例えば、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、タルク、シリカ、ケイソウ土、合成ケイ酸
アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムや
シリカなどの無機系微粉末、並びに、尿素−ホルマリン
樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン
樹脂等の有機系樹脂微粉末等がある。
【0009】この下塗層の充填剤と結合剤の配合比率は
選択した成分によって任意に決められ一般的には20:
1〜1:1の間である。下塗り層中には上述の充填剤、
結合剤以外に本発明の効果を損なわない範囲で増粘剤、
蛍光染料、着色染料、着色顔料、界面活性剤、紫外線防
止剤、分散剤、ワックス、酸化防止剤、金属石鹸等を配
合することが出来る。この下塗層を形成するに当たって
は塗布量は1〜15g/m2(乾燥重量)が一般的であ
りその塗工は通常の塗工機を用いて紙支持体に塗布する
ことによって容易に行なわれるが、好ましくはブレード
やスリットダイといった表面性の良い塗工層を形成でき
る塗工方式で塗工することが好ましい。
【0010】下塗り層上に形成する感熱発色層は常法に
拠って形成する。本発明に用いられる電子供与性発色性
染料、一般の感圧記録紙、感熱記録紙等に用いられてい
るものであれば特に制限はない。例えば白色、淡色の電
子供与性発色性染料が使用でき、具体的には例えば、
2,2ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−
メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,
9’−キサンテン〕−2’−イルアミド〕フェニル}プ
ロパン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3
−〔N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ〕
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(メタトリフルオロメチル)アニリノフル
オラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−N−イソペンチル)アミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン系染
料の少なくとも1員からなるものである。
【0011】本発明に用いられる電子受容性酸性物質
は、常温以上、好ましくは70℃以上で液化または気化
して前記発色性染料と反応してこれを発色させるもので
ある。電子受容性酸性物質としては、例えば4,4’−
ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジ
フェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ク
ロロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス
(2−メチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデ
ンビス(2,6−tert−ブチルフェノール)、4,
4’−sec−ブチリデンジフェノール、4,4’−シ
クロヘキシリデンジフェノール、4−tert−ブチル
フェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシ
ジフェノキシド、ナフトール、β−ナフトール、メチル
−4−ヒドロキシベンゾエート、4−ヒドロキシ−アセ
トフェノン、サリチル酸アニリド、ノボラック型フェノ
ール、ハロゲン化ノボラック型フェノール樹脂、4,
4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、P−ヒドロキシ安息香酸プロピル、P−ヒ
ドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香
酸ブチル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、P−ヒド
ロキシ安息香酸メチルベンジル、シュウ酸、マレイン
酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸などの
脂肪族カルボン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安
息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプ
ロピルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサ
リチル酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,
5−ジオキサヘプタン、p−ニトロ安息香酸、これら有
機顕色剤と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、
カルシウム、チタン、マンガン、錫、ニッケル等の多価
金属との塩、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジ
アミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェ
ニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−ジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロピルジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’イソプロピルオ
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベン
ジルオキシジフェニルスルホン、2,4−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシ−4’−
メチルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェ
ニル−p−トリスルホン、N−(o−トルオイル)−p
−トルエンスルホアミド、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−フェニル尿素などから選ばれた少なくとも
1員からなるものである。
【0012】電子受容性酸性物質は通常、発色性染料1
重量部に対し1〜5重量部、好ましくは1.5〜3重量
部の割合で混合して使用される。又、本発明では必要に
応じて芳香族エーテル、エステル及び又は脂肪族アミド
又はウレイド等の増感剤、例えばシュウ酸ジ−p−メチ
ルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジル
エステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル
酸ジブチルエステル、4ーエトキシフェニルー4’ーク
ロロベンジルエーテル、テレフタル酸ジベンジルエステ
ル、イソフタル酸ジブチルエステル、1−ヒドロキシナ
フトエ酸フェニルエステル、1,2−ジ(3−メチルフ
ェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−
フェノキシ−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、炭
酸ジフェニル、ジフェニルスルホン、p−ベンジルビフ
ェニル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6
−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(4−エチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ジ−t−ブ
チル−3−メチルフェノール、4,4’−チオビス(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のヒンダード
フェノール類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル
フェニル)−ベンゾトリアゾール、および2−ヒドロキ
シ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等が挙げられ
る。
【0013】これらの熱可融性物質すなわち増感剤は単
独、あるいは混合して用いられ、充分な熱応答性を得る
ためには、電子供与性発色性染料1重量部に対して0.
2から3重量部使用することが望ましく、更に好ましく
はに対して0.5から2.0重量部である。これらの素
材、電子供与性発色性染料、電子受容性酸性物質、増感
剤の分散は水溶性樹脂と共に行われる。それぞれの素材
を水を分散媒体として使用しサンドグラインダー、アト
ライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機
によってポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、
およびスチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれら
の誘導体などのような水溶性合成高分子化合物の他、界
面活性剤などと共に分散する。増感剤は電子供与性発色
性染料、電子受容性酸性物質のいずれかまたは両方に加
え、同時に分散するか、場合によっては予め共融物を作
成し、分散しても良い。
【0014】本発明において、他に感熱発色層を構成す
る材料としては接着剤樹脂、無機または有機顔料、更に
必要に応じワックス類、金属石鹸、紫外線吸収剤、保存
性向上剤、蛍光染料などを挙げることができる。
【0015】接着剤樹脂としては一般に知られている接
着剤樹脂との組み合わせることは可能である。 その例
としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ基変性ポ
リビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニル
アルコール、カチオン基変性ポリビニルアルコール、ス
ルフォン基変性ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリ
ビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、アラビアゴ
ム、ゼラチン、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル
アマイド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、メチル
ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、イソプロピ
レン−無水マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂、スチレ
ン−ブタジエンラテックス、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合エマルジョン、ポリウレタンエマルジョ
ン、ポリ塩化ビニルエマルジョン、ポリ塩化ビニリデン
エマルジョン、メタクリル酸エステル共重合エマルジョ
ンおよびアクリル酸エステル共重合体のエマルジョン等
の水分散性樹脂が使用できる。又、塗膜の耐水性を強固
なものとするためには、架橋剤とを組み合わせて用いる
ことができる。
【0016】架橋剤としては、グリオキザール、グルタ
ールアルデヒド、ジアルデヒドスターチ等の多価アルデ
ヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化
合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、グリセリン
ジグリシジルエーテル等のジグリシジル系化合物、ジメ
チロールウレア化合物、並びに過硫酸アンモニウムや塩
化第二鉄、および塩化マグネシウム等のような無機化合
物またはホウ酸、ホウ砂を用いることができる。
【0017】顔料としては、例えば、クレー、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ、ケイソウ
土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭
酸カルシウムやシリカなどの無機系微粉末、並びに、尿
素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合
体、ポリスチレン樹脂等の有機系樹脂微粉末をあげるこ
とができる。
【0018】金属石鹸としては、高級脂肪酸金属塩が用
いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。ワックスと
しては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、
カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、キ
ャンデリンワックス、モンタンワックス、脂肪酸アミド
系ワックス等が挙げられる。
【0019】感熱発色層塗料はシート状支持体の一表面
に3〜8g/m2(乾燥)となる様に塗布され、それに
よって感熱記録層が形成される。感熱発色層上に設けら
れる保護層には、重合度1500以上、鹸化度98%以
上のポリビニルアルコールを乾燥後の重量比率が保護層
全体の20〜50重量%含むことによって保存性と印刷
インキの着肉に影響を与えないでドライピックを抑えら
れる。20重量%より少ない配合では、保護層の皮膜形
成が不十分で保存性が低下する。また50重量%より多
く配合するとオフセット印刷時の印刷条件の幅が狭くな
り印刷しずらいものとなった。これは印刷業界でいわれ
る水幅が狭いという状態であり、印刷時非画線部の印刷
地汚れを抑える為に湿し水供給量を多くすると、乳化イ
ンキによる水負け現象が容易に発生し易くなってしま
い、画像部の濃度ムラや網点形状の再現性不良が起こる
というものである。この為、湿し水供給量を少なめにせ
ざるをえないが、湿し水供給量を少なめにして、オフセ
ット印刷機を運転することは熟練を要し、少なくし過ぎ
ると地汚れの発生、多過ぎると水負けの発生があり、非
常に印刷しずらい状態となった。保護層中の接着剤樹脂
として重合度1500以上、鹸化度98%以上のポリビ
ニルアルコール以外に本発明の効果を阻害しない範囲で
アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシル
変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコ
ール、デンプン、カゼイン、ゼラチン、にかわ、ポリア
ミド、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース、カルボキメチルセルロース、ヒ
ドロキプロピルセルロース、スチレン−無水マレイン酸
共重合体塩、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体
塩などを組み合わせて配合することが出来る。
【0020】顔料として例えば、炭酸カルシウム、クレ
ー、焼成カオリン、タルク、酸化チタン、炭酸マグネシ
ウム、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウ
ム、シリカ、水酸化アルミニウムなどの無機顔料、でん
ぷん粒子、小麦粉、シリコン樹脂、尿素・ホルマリン樹
脂、フェノール樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂、エポ
キシ樹脂、グアナミン・ホルマリン樹脂、ポリスチレン
樹脂などが併用することが出来る。又、本発明の方法に
よれば保護層は充分な耐水性を付与することができる
が、特に高度な耐水性を要求される用途では、例えばメ
ラミン、エポキシ、アジリジン、グリオキザール、ジメ
チロールウレア、ポリアルデヒド、ホウ酸、ホウ砂、ジ
ルコニウム塩などの架橋剤を併用することによって更に
耐水性を向上することが出来る。
【0021】保護層中には必要に応じて以下に例示した
ワックス、金属石鹸を配合することができる。パラフィ
ンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、ポリエチレンワックスの他、高級脂肪酸
アミド例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステア
リン酸アミド、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸多価金
属塩すなわちステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニ
ウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛などが
挙げられる。他に本発明の効果を損なわない範囲で撥油
剤、消泡剤、粘度調節剤、界面活性剤、蛍光染料、紫外
線吸収剤、着色染料、着色顔料等各種添加剤をいれるこ
とはさしつかえない。
【0022】保護層は、乾燥重量で、0.1〜6g/m
2、より好ましくは0.5〜4g/m2塗工される。0.
1g/m2未満では保護層としての効果に乏しく、6g
/m2を越えると発色感度が低下する原因となる。又保
護層は2層以上の多層にすることもできる。
【0023】本発明に用いられる支持体材料には、格別
の限定はなく、例えば上質紙、中質紙、コート紙、アー
ト紙、キャストコート紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレ
フィン系合成紙、合成繊維紙、合成樹脂フィルム等を適
宜使用することが出来る。感熱発色層を形成する方法と
してはエアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロー
ルコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、およ
びエクストルージョン法などの既知の塗布方法のいずれ
を利用しても良い。又、保護層を形成する方法としては
感熱発色層を形成する方法と同様の塗工方式が挙げられ
るが、エアーナイフ法・グラビア法・ロールコーター法
・スプレー法・・ディップ法およびエクストルージョン
法のような感熱発色層上にのせた保護層塗料を軽くかき
とる方法が好ましい。裏面からの油や可塑剤の浸透を抑
えたり、カールコントロールのためにバック層を設ける
こともできる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 実施例1下塗り層の形成 (1)顔料分散液の調製 量(重量%) 焼成クレー 30 (エンゲルハート社製、商品名アンシレックス93) ポリスチレン粒子47重量%液 25 (三井東圧社製、商品名グロスデール104s) 澱粉ー酢酸ビニルグラフト共重合樹脂20重量%液 38 (日澱化学社製、商品名ペトコートc8) カルボキシメチルセルロース 0.5 (第一工業製薬社製、商品名AGガム) ポリアクリル酸ソーダ40重量%液 0.3 (花王社製、商品名ポイズ520) 消泡剤 0.02 (サンノプコ社製、商品名DF122) を5分間ホモジナイザーで分散した後、SBRラテック
ス50重量%液(旭化成社製、商品名L1537)6重
量%配合し下塗り層用塗料とした。この塗工液をチップ
ブレード法によって坪量40g/m2の上質紙上に8g
/m2(乾燥)塗工し、下塗り層を形成した。
【0025】感熱層の形成 (1) 発色性染料分散液Aの調製 成分 量(重量%) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ 40 フルオラン ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20 (2) 顕色性化合物分散液Bの調製 成分 量(重量%) 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20
【0026】 (3) 増感剤分散液Cの調製 成分 量(重量%) シュウ酸ジーpーメチルベンジルエステル 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20 (4) 保存性向上剤分散液Dの調製 成分 量(重量%) 4−(2−メチル−グリシジルオキシ)−4’− 40 ベンジルオキシジフェニルスルホン ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20 これらの組成物を縦型サンドミル(アイメックス(株)
製、サンドグラインダー)にて別個に分散した。 (5) 顔料分散液Eの調製 成分 量(重量%) 軽質炭酸カルシウム 40 (白石中研社製、ブリリアント15) ヘキサメタリン酸ソーダ0.7%溶液 60 この組成物をカウレス分散機で分散した。
【0027】さらに分散物F液として20%ステアリン
酸亜鉛分散物と分散物G液として20%ステアリン酸ア
ミド分散物および接着剤Hとして49%のスチレンーブ
タジエンラテックス(住友ダウ社製、商品名P0Y7
2)と接着剤Iとして10%澱粉ー酢酸ビニルグラフト
共重合樹脂 (日澱化学社製、商品名ペトコートc8)
を用意した。これらの分散物・接着剤を用いて乾燥後の
重量比率が、A:B:C:D:E:F:G:H:I=1
0:20:20:3:22:5:5:10:5となるよ
うに配合して塗工液とした。この塗工液をロッドブレー
ド法によって前述の下塗り層上に6g/m2(乾燥)塗
工し、感熱発色層を形成した。
【0028】保護層の形成 接着剤樹脂(A、B)として、重合度1700、鹸化度
99.5%ポリビニルアルコール((株)クラレ製、
商品名OTP4H)、アクリルエマルジョン樹脂(三井
東圧製、商品名バリアスターB1850)、顔料(C)
として微粉珪酸(水沢化学製、商品名ミズカシルP60
3)、さらに20%ステアリン酸亜鉛(D)を用いて乾
燥重量比率がA:B:C:D=40:10:40:10
となるように保護層塗液を調製し、これを先に形成した
感熱発色紙の感熱発色層上にロッドブレードで2g/m
2(乾燥)塗布、乾燥後、水分5〜8%、線圧80Kg
/cmでカレンダー掛けを行い感熱記録材料を作成し
た。
【0029】比較例 1 実施例1中の下塗り層の澱粉ー酢酸ビニルグラフト共重
合樹脂20重量%溶液(日澱化学社製、商品名ペトコー
トc8)38重量%を18重量%とし、焼成クレー(エ
ンゲルハート社製、商品名アンシレックス93)を55
重量%とした以外、同様の処理を行なって感熱記録材料
を作成した。
【0030】比較例 2 実施例1中の保護層の重合度1700、鹸化度 99.
5% ポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名
OTP4H)40重量%を15重量%とし、微粉珪酸
(水沢化学製、商品名ミズカシルP603)を40重量
%から65重量%とした以外、同様の処理を行なって感
熱記録材料を作成した。
【0031】比較例 3 比較例1と同様の下塗り層と比較例2と同様の保護層を
組み合わせた以外、実施例1と同様の処理を行なって感
熱記録材料を作成した。
【0032】
【表1】
【0033】保護層の接着剤樹脂として重合度1000
以上、鹸化度98%以上のポリビニルアルコールを20
から50重量部含み、且つ下塗り層の接着剤樹脂として
水溶性樹脂を澱粉ーポリ酢酸ビニルグラフト共重合体及
び又はその部分鹸化物を10から30重量部含有するこ
とによって、高感度で保存性が良く、耐ピッキング性の
あるオフセット印刷適性の良好なものが得られた。
【0034】感度測定 :実機感熱ファクシミ
リを試験用に改造したものを用いて測定した。1ライン
記録時間10ms/ライン、走査線密度8*8ドット/
mmの条件でパルス幅を変調し、ドット当りの印加エネ
ルギーを0.5msに調整し、64ラインの印字を行っ
た。その際の発色濃度をマクベス濃度計RD−514で
測定し、記録感度を代表する値とした。
【0035】耐ポリ塩化ビニルラップ性 :記録感度を
評価した印字物をポリ塩化ビニルラップフィルムに貼付
け、更にその上からポリ塩化ビニルラップフィルムで覆
い40℃で1週間経過後の印字濃度をマクベス濃度計R
D−514で測定した。印字濃度の変化から保存率を算
出し、耐ポリ塩化ビニルラップ性の程度を評価した。
【0036】印刷水負け試験 :明製作所RIテスタ
ーを用い、インキは東華色素ベストキュアーRNCー紅
(タック6)でインキ0.25gに水0.5ccを加
え、インキ練りローラーで1分間インキと水を練り、イ
ンキを乳化させた後、印刷試験を行って評価を行った。 ○ 良好にインキが紙に転移した × インキの転移が適切でなかった
【0037】ドライピック試験 :明製作所RIテス
ターを用い、インキは東華色素ベストキュアーRNCー
紅(タック15)でインキ0.25gを加え、インキ練
りローラーで1分間インキと水を練り、
インキを乳化させた後、印刷試験を行った。 ○ 印刷時に塗膜が剥離しなかった × 印刷時に塗膜が剥離しなかった
【0038】
【発明の効果】本発明によって、高感度で保存性が良
く、耐ピッキング性のあるオフセット印刷適性の良好な
ものを製造することが可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体上に有機及び又は無機顔
    料と接着剤樹脂を含む下塗り層を設けその上に無色ない
    し淡色の電子供与性発色性染料、加熱により該発色性染
    料を発色させる電子受容性顕色性化合物、及び接着剤樹
    脂を主成分として含有する感熱発色層及び保護層を設け
    た感熱記録紙において、前記保護層が重合度1000以
    上、鹸化度98%以上のポリビニルアルコールを乾燥後
    の重量比率が保護層全体の20〜50重量%含有し、か
    つ前記下塗り層が接着剤樹脂として澱粉ーポリ酢酸ビニ
    ルグラフト共重合体及び又はその部分鹸化物を乾燥後の
    重量比率が下塗り層全体の10〜30重量%含有するこ
    とを特徴とする感熱記録材料。
JP5301640A 1993-12-01 1993-12-01 感熱記録材料 Pending JPH07149048A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003082594A1 (fr) * 2002-03-28 2003-10-09 Mitsubishi Paper Mills Limited Materiau de thermogravure destine a l'impression offset

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