JPH07148713A - 木質建材及び木質建材の製造方法 - Google Patents

木質建材及び木質建材の製造方法

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JPH07148713A
JPH07148713A JP32603593A JP32603593A JPH07148713A JP H07148713 A JPH07148713 A JP H07148713A JP 32603593 A JP32603593 A JP 32603593A JP 32603593 A JP32603593 A JP 32603593A JP H07148713 A JPH07148713 A JP H07148713A
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JP
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wood
building material
wooden building
piece
treatment
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JP32603593A
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Yasuhiro Asano
康博 浅野
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Ibiden Co Ltd
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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 利用価値の低い間伐材を使用して貴重な森林
資源の有効利用を図りつつ、コストが低く、且つ、各種
の高級な建材として使用することが可能な柾目模様を有
する木質建材及びその製造方法を提供すること。 【構成】 間伐材Wを切断して各切断間伐材A、Bを得
た後、各切断間伐材A、Bに軟化処理、加圧圧縮処理、
及び、固定化処理を行うことにより木質建材A´、B´
を製造する。これらの木質建材A´、B´においては、
目の細かい柾目模様が表されており、これより各木質建
材A´、B´は、各種の高級建材として使用することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、杉や桧等の成育過程に
おいて除去される小径の間伐材や短尺及び端材の有効利
用を図り得る木質建材、及び、その木質建材の製造方法
に関し、特に、床材、壁材等として珍重される目の細か
な柾目模様を有するコストの低い木質建材及び木質建材
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来より床材、壁材等の高級内
装材として、目の細かな柾目模様を有する板材が用いら
れている。かかる板材における柾目模様は、木材が有す
る年輪模様に起因して表れるものであり、伐採した木材
をその長手方向に切断することにより板材の表面上に得
られる。かかる柾目模様を有する板材を得るには、一般
に、比較的大きな径を有する木材を用いる必要がある。
【0003】しかしながら、大きな径を有する木材は非
常に高価であり、従って、柾目模様を有する板材も必然
的に高価なものとなってしまい、コスト高を招来するこ
ととなる。また、柾目模様を有する板材は、大径の木材
の内から最適部分を使用して得られるものであるから、
木材の有効利用を図る上で難点が存し、近年叫ばれてい
る省資源化の方向にも逆行するものである。
【0004】かかる状況下において、杉、桧等の成育過
程において除去される間伐材等の小径木を利用すること
が望まれており、従来より間伐材の有効利用を図るべく
各種の方法が提案されている。例えば、特開平3−23
1802号公報には、木材を水蒸気雰囲気内に置いて軟
化させた後、高圧条件下にて圧縮成形して木材の変形を
固定化する木材の改質処理方法が記載されている。ま
た、特開平3−97503号公報には、木材ほ軟化させ
るに際して高周波誘導加熱により柔軟化させた後、加圧
する木材の処理方法が記載されている。更に、特開平5
−116112号公報には、複数の間伐材を予め面取り
加工して楔型の四角形木柱素材とし、各四角形木柱素材
を接着剤を介して接着しつつ組み立ててなる複合木柱材
が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平3−231802号公報、及び、特開平3−975
03号公報に記載された木材の処理方法は、間伐材を軟
化した後加圧してその改質処理を1本毎の間伐材に行な
うための処理方法であり、特に、柾目模様を有する板材
を製造することを意図しているものではなく、また、そ
のための方法は何ら示唆、開示されていない。また、前
記特開平5−116112号公報に記載された複合木柱
材においても、前記各公報に記載された処理方法と同
様、柾目模様を有する板材を得ることを目的とするもの
ではなく、かかる板材を得るための方法については何ら
示唆、開示されていない。
【0006】本発明は、前記従来の問題点を解消するた
めになされたものであり、利用価値の低い間伐材を使用
して貴重な森林資源の有効利用を図りつつ、コストが低
く、且つ、各種の高級な建材として使用することが可能
な柾目模様を有する木質建材及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明に係る木質建材は、木材の複数箇所で長手方向
に切断してなる木材片を加熱処理により軟化するととも
に所定形状に圧縮成形し、その後さらに高温処理して形
状を固定して元に戻らないようにする固定化処理を施す
ことにより、木材片における少なくとも一面に柾目模様
を露出させたことを構成として備える。また、前記固定
化処理を施した木材片の複数個を接着剤を介して相互に
積層して重合圧締してもよい。
【0008】また、本発明に係る木質建材の製造方法
は、木材を複数箇所で長手方向に切断して木材片を得る
第1工程と、前記木材片の加熱処理を行なうことにより
木材片を軟化させる第2工程と、前記軟化させた木材片
を所定形状に圧縮成形する第3工程と、前記圧縮成形し
た木材片における少なくとも一面に柾目模様を露出させ
た状態で固定化処理を行なう第4工程とから構成され、
更に、前記固定化処理が行なわれた木材片の複数個を接
着剤を介して相互に積層して重合圧締を行なう第5工程
を構成として備えてもよい。このとき各木材を軟化させ
るための加熱処理は、水蒸気加熱、加熱水中における加
熱、又は、高周波加熱により行われる。また、各木材を
永久成形する固定化処理は、加熱水蒸気又は、ヒータを
介して成形された各木材を加熱することにより行われ
る。
【0009】
【作用】前記構成を有する本発明の請求項1に係る木質
建材は、木材の複数箇所で長手方向に切断してなる木材
片を加熱処理により軟化するとともに、所定形状に圧縮
成形し、固定化処理を施すことにより得られる。かかる
木質建材では、木材片における少なくとも一面に柾目模
様が露出されており、これより高級な建材として床材、
壁材、天井材等の各種用途に使用することが可能となる
ものである。
【0010】また、請求項2に係る木質建材は、前記の
ように固定化処理が施された木材片の複数個を接着剤を
介して相互に積層して重合圧締されてなり、各木材片に
おける柾目模様が露出されることとなる。このように、
複数個の木材片が接着剤を介して相互に集合して結着さ
れており、また、柾目模様が全体的に露出されているこ
とから、更に広い用途に渡る高級な建材として使用する
ことが可能となる。
【0011】更に、本発明の請求項3に係る木質建材の
製造方法では、第1工程において、木材の複数箇所で長
手方向に切断されて木材片が得られる。第2工程におい
ては、木材片の加熱処理を行なうことにより木材片が軟
化される。かかる加熱処理については各種の方法が適用
可能であり、水蒸気加熱にる加熱処理、加熱水中におけ
る加熱処理、高周波加熱による加熱処理等の方法を使用
することが可能である。このような加熱処理を介して木
材片は軟化され、容易に塑性変形可能な状態となる。
【0012】また、第3工程では、軟化された木材片が
所定形状に圧縮成形される。この後、第4工程におい
て、加熱水蒸気又はヒータを介して、圧縮成形された木
材片における少なくとも一面に柾目模様を露出させた状
態で固定化処理が行なわれる。これにより、木材片は固
定化された状態が永久に保持され得るものである。本発
明の請求項4に係る木質建材の製造方法においては、前
記のように固定化処理が行なわれた木材片の複数個が、
第5工程において、接着剤を介して相互に積層され、重
合圧締される。これにより、各木材片における各柾目模
様を露出した状態で、複数個の木材片が集合された木質
建材が製造されるものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。先ず、図1、図2、図3及び図4に
基づいて木質建材及び集合木質建材の構成について説明
する。ここに、図1は圧縮成形され固定化処理が施され
た木質建材の側面を模式的に示した説明図、図2は圧縮
成形され固定化処理が施された木質建材を重合圧締して
得られた集合木質建材の側面を模式的に示した説明図、
図3は規格化処理において切断される部位を模式的に示
す説明図、図4は規格化処理により切断された間伐材の
側面を模式的に示す説明図である。
【0014】本実施例において用いられる間伐材Wは、
長さ3〜4m程度、直径10〜20cm程度のものであ
り、後述する規格化処理によって、所定の寸法幅Lに切
断される際に大別して2種類の大きさに揃えられる。具
体的には、図3に示すように、規格化処理において間伐
材Wの最大径を含むように切断され直径とほぼ同程度の
高さを有する切断間伐材Aと、その残りの部分を切断す
ることによって得られる切断間伐材Bとに切り分けられ
る。このようにして得られた切断間伐材Aと切断間伐材
Bの側面が図4に示されており、切断間伐材Aは、上下
端1、2から中心3に向けて徐々に木目Mが粗くなって
おり、また、切断間伐材Bも切断間伐材A程ではないも
のの、一端4から中心5に向けて徐々に木目Mが粗くな
っている。
【0015】ここで、後述する圧縮成形、固定化処理が
施された本実施例に係る木質建材A´、B´及び集合木
質建材Cの構成を説明すると、図1(a)に示されるよ
うに木質建材A´においては、上下端1、2から中心3
に向けて徐々に粗くなっていた木目Mがほぼ均一に、且
つ、細かな木目M´に変化されている。また、同様に、
木質建材B´においても図1(b)に示すように、その
一端4から中心5に向けて木目Mが、ほぼ均一に、且
つ、細かな木目M´に変化されている。このように無加
工の間伐材では、商品価値が生じなかったにも関わらず
圧縮成形、固定化処理を経ることにより付加価値の高い
柾目模様の木目M´を有する木質建材A´、B´が得ら
れるものである。
【0016】また、原料となる間伐材Wが小径木である
上、圧縮成形、固定化処理が施されることから高さ寸法
が約半分程度低くなることから、用途によっては面積が
不足する場合がある。この場合には、既に得られた木質
建材A´、B´を更に重ね合わせ集合処理を施すことに
より、図2に示すように大きな集合木質建材Cを得るこ
とができる。図2に示す集合木質建材Cは、接着剤によ
って互いに結着されており、結着に際しては後述する圧
締処理が施されていることから容易に剥離することはな
い。従って、所望の高さになるまで木質建材A´、B´
を相互に重ね合わせることにより幅広い用途に対応でき
るものである。
【0017】続いて、前記のような木質建材A´、B´
を製造する製造方法について図3、図4、図5及び図6
を参照して説明する。ここに、図5は圧縮成形装置D1
を用いて軟化処理を施している状態を模式的に示す断面
図、図6は圧縮成形装置D1を用いて圧縮成形及び固定
化処理を施している状態を模式的に示す断面図である。
【0018】木質建材A´、B´は、皮剥ぎを行った
後、間伐材Wを所定の寸法幅Lで長手方向(紙面に対し
て垂直方向)に切断することにより規格化して切断間伐
材A、Bを得る規格化工程、規格化された複数の切断間
伐材A、Bに加熱処理を施すことにより各切断間伐材
A、Bを軟化させる軟化工程、軟化された各切断間伐材
A、Bを加圧圧縮して所定形状に成形する加圧圧縮処理
工程、加圧圧縮状態にある各切断間伐材A、Bに固定化
処理を施す固定化処理工程を経て製造される。また、集
合木質建材Cは、前記各規格化工程、軟化工程、加圧圧
縮処理工程、固定化処理工程を行った後に、得られた複
数の木質建材A´、B´の一側面、または二側面に接着
剤を塗布し、重合圧締する集合処理工程を経て製造され
る。
【0019】そこで、先ず、規格化工程において行われ
る皮剥ぎ、切断について図3及び図4を参照して説明す
る。図3は、間伐材Wの横断面を示しており、間伐材W
の直径は概ね10cm〜20cm程である。先ず、間伐
材Wを公知の方法により剥皮した後、この間伐材Wの最
大径を含むように所定幅Lで切断することにより切断間
伐材Aが得られる、次に切断間伐材Aを切断した残りの
部分を同様に所定幅Lで切断することにより切断間伐材
Bが得られる。このようにして得られた切断間伐材A、
Bを側面から見れば、図4のようになり、切断間伐材A
は上下端1、2から中心3に向けて木目Mが粗くなって
おり、切断間伐材Bも一端4から中心5に向けて木目M
が粗くなっている。
【0020】続いて、図5に示す圧縮成形装置D1にお
いて水蒸気加熱による加熱処理を介して軟化処理を行な
う方法について説明する。ここで、先ず、圧縮成形装置
D1の構成について説明すると、圧縮成形装置D1は、
断面四角形の筒状に長く形成された圧力容器(紙面に垂
直な方向に長く形成されている)11を備えており、か
かる圧力容器11の上壁にはそれぞれロッド孔10が穿
設されている。
【0021】ロッド孔10には、圧力容器11の外側で
一端にプレスシリンダ12が連結されるとともに、圧力
容器11の内側で他端にスライドプレス金型13が取り
付けられたプレスロッド14がスライド可能に挿通され
ている。これにより、後述する各切断間伐材A、Bの加
圧圧縮を行なう際に、プレスロッド14はプレスシリン
ダ12を介して下方に移動され、このプレスロッド14
の移動に伴ってプレス金型13が各切断間伐材A、Bを
上方より加圧するものである。ここに、プレスシリンダ
12からプレスロッド14に及ぼされる圧力は、各切断
間伐材A、Bの圧縮率に従って変更されるが、例えば、
圧縮率50%では15kgf/cm2、圧縮率30%で
は10kgf/cm2に設定される。
【0022】このプレスロッド14の先端に接続される
スライドプレス金型13には、複数の独立したプレス部
13aが形成されており、後述するプレス金型15と協
働して各切断間伐材A、Bを所定の形状に成形するもの
である。更に、スライドプレス金型13には多数の蒸気
孔13bが形成されており、各蒸気孔13bからは後述
する加熱処理、固定化処理の際に水蒸気が通過されて下
方に配置された各切断間伐材A、Bに噴射される。
【0023】また、圧力容器11の内部において、下方
位置にはプレス金型15が固定的に設置されており、か
かるプレス金型15上には複数の仕切壁15aが形成さ
れている。加圧圧縮される複数本の切断間伐材A、B
は、仕切壁15aの間に1本ずつ載置される。ここで、
切断間伐材Bは切断間伐材Aと比較して高さが低いの
で、これを補い均一な加圧圧力が得られるようスペーサ
Sが用いられる。更に、プレス金型15には、多数の蒸
気孔15bが形成されており、各蒸気孔15bからは水
蒸気が通過されて各切断間伐材A、Bに噴射される。
【0024】また、この圧縮成形装置D1には、プレス
金型15により一本ずつ独立した状態で保持された各切
断間伐材A、Bに対して、圧力容器11における四方の
壁から加熱水蒸気を噴射する水蒸気噴射装置16が設け
られている。ここに、水蒸気噴射装置16から噴射され
る水蒸気の水蒸気圧は、5乃至16kgf/cm2 以上
に設定されており、また、加熱温度は130℃乃至20
0℃の範囲に設定されているのがよく、特に150℃乃
至180℃がよい。
【0025】このような圧縮成形装置D1において行わ
れる加熱処理方法について以下、説明する。まず、剥皮
され切断された切断間伐材A、Bをプレス金型15上の
複数の仕切壁15a内に1本ずつ載置し、その後、水蒸
気噴射装置16から加熱水蒸気を間欠的に噴射する。こ
のように加熱水蒸気を噴射している間に、各切断間伐材
A、Bは均一に軟化されるものであり、水蒸気噴射装置
16から圧縮成形装置D1内に噴射される加熱水蒸気に
よって、圧縮成形装置D1内は、70℃乃至160℃に
昇温される。ここで、間欠的に噴射される水蒸気は、圧
縮成形装置D1内の温度をほぼ150℃に、圧縮成形装
置D1内の水蒸気圧を5kgf/cm2 に保持するもの
であることが好ましい。また、加熱時間は約1乃至2時
間に設定されている。
【0026】続いて、前記加熱処理方法により加熱処理
され軟化された切断間伐材A、Bを加圧圧縮して所定形
状に成形する加圧圧縮処理工程、及び、加熱水蒸気又は
ヒータを介して固定化処理を施す固定化処理工程につい
て説明する。これら各加圧圧縮処理工程、及び、固定化
処理工程は、先に説明した圧縮成形装置D1を介して行
なわれるものであり、これらの各工程を行なう前におい
ては、前記スライドプレス金型13は図5に示す状態に
保持されているものとする。前記のように軟化された複
数本の切断間伐材A、Bは、圧力容器11の下方に位置
するプレス金型15上に形成された仕切壁15aによっ
て保持されている(図5参照)。このとき、切断間伐材
Aはそのまま、切断間伐材Bの下にはスペーサSが設置
され切断間伐材A、切断間伐材B共に均一な圧力により
圧縮されるよう考慮されている。
【0027】この後、プレスシリンダ12を介してプレ
スロッド14を下方に加圧移動させ、これによりスライ
ドプレス金型13が各切断間伐材A、Bを上方から所定
の圧力をもって加圧圧縮する。このとき各切断間伐材
A、Bは加熱されて軟化状態にあるので、上方のスライ
ドプレス金型13に独立形成された金型形状13aとプ
レス金型15との協働により、1本ずつ所定形状に容易
に圧縮成形される。これにより加圧圧縮処理工程が終了
する。
【0028】次に、前記のように加圧圧縮された各切断
間伐材A、Bについて、固定化処理が行なわれる。かか
る固定化処理について図6に基づき説明する。固定化処
理は、各切断間伐材A、Bを図6に示す状態に保持した
まま、水蒸気噴射装置16から加熱水蒸気を各間伐材に
噴射することにより行なわれる。水蒸気噴射装置16か
ら噴射された加熱水蒸気は、プレス金型15の蒸気孔1
5b及び、スライドプレス金型13の蒸気孔13bを通
過し、各切断間伐材A、Bに噴射される。これにより、
各切断間伐材A、Bの固定化処理が行なわれ、各切断間
伐材A、Bは永久にその形状を保持すべく固定化される
ものである。
【0029】このとき、前記固定化処理を行なう際の条
件として、圧縮成形装置D1内の最適加熱温度は、加圧
圧縮処理時より高い180℃近傍で、また、圧縮成形装
置D1内の水蒸気圧は10kgf/cm2、 固定化処理
時間は1時間に、それぞれ設定されている。また、前記
のような固定化処理は、図7に示すように、圧縮成形装
置D1の左右両側壁の近傍に配設されたヒータHにより
圧縮成形装置D1内を加熱することによっても行なうこ
とができる。即ち、各切断間伐材A、Bを図6に示す状
態に保持したまま、各ヒータHを通電加熱し、圧縮成形
装置D1の内部を所定温度に加熱した状態を所定時間保
持することにより各切断間伐材A、Bの固定化処理が行
なわれるものである。
【0030】このとき、前記固定化処理を行なう際、各
ヒータHは、圧縮成形装置D1の内部温度を180℃に
保持するように加熱制御され、また、固定化処理時間は
20時間に設定されている。前記のような固定化処理が
終了した後、図1に示したような木質建材A´、B´が
得られる。このようにして得られた木質建材A´、B´
は、各種の造作部材として使用可能である他、使用範囲
を広げるために、これら得られた木質建材A´、B´を
集合してより寸法の大きな集合木質建材Cを得る集合処
理工程にも用いられる。
【0031】この集合処理工程は、図8に示すような圧
締装置D2を用いて行われる。ここに、図8は圧締装置
D2を介して、接着剤が塗布された各木質建材A´、B
´を集合、圧締することにより集合木質建材Cを成形す
る状態を模式的に示す断面図である。図8において、圧
縮装置D2は、各木質建材A´、B´が柾目模様の表れ
ている面を上下方向に向け一列に載置されるベース4
0、ベース40の左右両側及び上側に配置された3つの
圧締具41、42、43から構成される。圧締具41
は、プレスシリンダ44により加圧移動されるプレスロ
ッド45の一端に取り付けられたプレス部材46を有
し、また、同様に、圧締具42はプレスシリンダ47に
より加圧移動されるプレスロッド48の一端に取り付け
られたプレス部材49を有する。また、圧締具43もプ
レスシリンダ50と、プレスロッド51、及び、プレス
部材52から構成されている。
【0032】ここに、前記のように構成される圧締装置
D2により各木質建材A´、B´の圧締を行う場合に
は、各木質建材A´、B´は、常温(約25℃)下にお
いて、各圧締具41、42、43により圧締圧約10k
gf/cm2 をもって圧締される。また、各木質建材A
´、B´を圧締した状態に保持する圧締時間は15時間
に設定されている。なお、圧締を行う成形工程を加熱蒸
気下等の高温状態で行ってもよい。
【0033】前記圧締装置D2により接着剤が塗布され
た各木質建材A´、B´を圧締するには、先ず、ベース
40上に各木質建材A´、B´を柾目模様の表れている
面が上下方向に向く状態で一列に載置し、この後、各圧
締具41、42、43におけるプレスシリンダ44、4
7、50を駆動して各プレスロッド45、48、51を
加圧移動させる。このように、各プレス部材46、4
9、52により各木質材料A´、B´は、左右方向、及
び、下方向に圧締され、その圧締状態が所定の圧締時間
保持される。かかる圧締を行っている間に、各木質建材
A´、B´の一側面、あるいは二側面に塗布された接着
剤は硬化され、これにより各木質建材A´、B´を集合
してなる集合木質建材Cが製造される。
【0034】ここに、接着剤は、各木質建材A´、B´
を相互に結着するためのものであり、本実施例で使用さ
れる接着剤としては各種の接着剤が使用できる。例え
ば、フェノール樹脂を主成分とするフェノール系接着
剤、レゾルシノール樹脂を主成分とするレゾルシノール
系接着剤等の熱硬化性接着剤が使用されて好適である。
その他、熱硬化性接着剤としては、メラミン樹脂を主成
分とするメラミン系接着剤、尿素樹脂を主成分とするユ
リア系接着剤、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ系
接着剤等も使用することができる。また、かかる熱硬化
性接着剤に加えて、イソシアネートと水性高分子を主成
分とする水性高分子−イソシアネート系接着剤や酢酸ビ
ニル樹脂系接着剤等も使用可能である。ここに、使用す
る接着剤を選択するに際しては、接着剤のコスト、溶剤
の種類や集合材の用途等を勘案して選択するのが望まし
い。
【0035】以上の工程により、各木質建材A´、B´
は、図8に示すように圧縮集合され、集合木質建材Cと
なる。このとき、接着剤は固化した接着剤として集合体
中に残存されている。このように製造された木質建材A
´、B´、集合木質建材Cは、目の細かな柾目模様を有
しており、建築建材の中でも高級内装材として、家屋に
おける床、壁や天井に用いられ、あるいは家具の材料と
して用いられ、さらには造作材の表面材等として使用さ
れる。
【0036】以上詳細に説明した通り本実施例に係る木
質建材A´、B´は、間伐材Wを切断して得られる切断
間伐材A、Bを軟化させる軟化工程、圧縮成形装置D1
による加圧圧縮処理工程及び、これに続いて行われる固
定化処理工程の一連の処理により得られるものであり、
また、集合木質建材Cは、木質建材A´、B´について
圧締装置D2による集合処理工程を施すことにより得ら
れるものである。このように得られた各木質建材A´、
B´、及び、集合木質建材Cでは、目の細かい柾目模様
が表されており、これより本実施例によれば、本来利用
価値の低い間伐材Wを使用して貴重な森林資源の有効利
用を図りつつ、コストが低く、且つ、各種の高級建材と
して使用することができる柾目模様を有する木質建材A
´、B´、及び、集合木質建材Cを得ることができるも
のである。
【0037】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良、変形が可能であることは勿論である。例えば、本実
施例に係る木質建材A´、B´の製造方法では、図5、
図6に示すように、一方のプレス金型が移動する圧縮成
形装置D1を用いているが、圧縮成形を確実に行い得る
装置であればこれに限られない。また、圧締装置D2を
用いた圧締処理工程において、木質建材A´、B´をベ
ース40上に横方向に載置することなく縦方向に載置し
てもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明は、利用価値
の低い間伐材を使用して貴重な森林資源の有効利用を図
りつつ、コストが低く、機械的特性、熱的特性、耐摩耗
性、耐薬品性、耐腐食性、寸法安定性が向上し、且つ、
小径木からでも各種の高級な建材として使用することが
可能な柾目模様を有する木質建材及びその製造方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮成形され固定化処理の施された木質建材の
側面を模式的に示した説明図である。
【図2】圧縮成形され固定化処理の施された木質建材を
重合圧締して得られた集合木質建材の側面を模式的に示
した説明図である。
【図3】規格化処理において切断される部位を模式的に
示す断面図である。
【図4】規格化処理により切断された間伐材の側面を模
式的に示す説明図である。
【図5】圧縮成形装置を用いて軟化処理を施している状
態を模式的に示す断面図である。
【図6】圧縮成形装置を用いて圧縮成形処理及び固定化
処理を施している状態を模式的に示す断面図である。
【図7】圧縮成形装置に配設されたヒータを介して固定
化処理を行なう状態を示す断面図である。
【図8】圧締装置を介して各木質建材を集合、圧締する
ことにより集合木質建材を成形する状態を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
11 圧力容器 12 プレスシリンダ 13 スライドプレス金型 15 プレス金型 D1 圧縮成形装置 D2 圧締装置 A、B 切断間伐材 A´、B´ 木質建材 C 集合木質建材 W 間伐材 H ヒータ M 木目

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材片における少なくとも一面に圧縮
    変形された柾目模様を露出させたことを特徴とする木質
    建材。
  2. 【請求項2】 前記固定化処理を施した木材片の複数
    個を接着剤を介して相互に積層して重合圧締したことを
    特徴とする請求項1記載の木質建材。
  3. 【請求項3】 木材を複数箇所で長手方向に切断して
    木材片を得る第1工程と、 前記木材片の加熱処理を行なうことにより木材片を軟化
    させる第2工程と、 前記軟化させた木材片を所定形状に圧縮成形する第3工
    程と、 前記圧縮成形した木材片における少なくとも一面に柾目
    模様を露出させた状態で固定化処理を行なう第4工程と
    からなることを特徴とする木質建材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記固定化処理が行なわれた木材片の
    複数個を接着剤を介して相互に積層して重合圧締を行な
    う第5工程とからなることを特徴とする請求項3記載の
    木質建材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱処理は水蒸気加熱により行な
    われることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の木
    質建材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱処理は加熱水中で行なわれる
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の木質建材
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記加熱処理は高周波加熱により行な
    われることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の木
    質建材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記固定化処理は加熱水蒸気を介して
    前記木材片を加熱することにより行なわれることを特徴
    とする請求項3又は請求項4記載の木質建材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記固定化処理はヒータを介して前記
    木材片を加熱することにより行なわれることを特徴とす
    る請求項3又は請求項4記載の木質建材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09314516A (ja) * 1996-05-27 1997-12-09 Amino:Kk 木材の連続成形装置
JP2008044314A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Nobuatsu Fukuda 高強度集成材及びその製造方法
JP2016165860A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 飛騨産業株式会社 集成圧縮柾目材の製造方法及び集成圧縮柾目材
JP2020100132A (ja) * 2018-12-21 2020-07-02 凱 王 高周波による複合凹凸板材

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