JP2016165860A - 集成圧縮柾目材の製造方法及び集成圧縮柾目材 - Google Patents

集成圧縮柾目材の製造方法及び集成圧縮柾目材 Download PDF

Info

Publication number
JP2016165860A
JP2016165860A JP2015047411A JP2015047411A JP2016165860A JP 2016165860 A JP2016165860 A JP 2016165860A JP 2015047411 A JP2015047411 A JP 2015047411A JP 2015047411 A JP2015047411 A JP 2015047411A JP 2016165860 A JP2016165860 A JP 2016165860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression
plate material
wood
compressed
mesh
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015047411A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6433827B2 (ja
Inventor
棚橋 光彦
Mitsuhiko Tanahashi
光彦 棚橋
中川 輝彦
Teruhiko Nakagawa
輝彦 中川
伸吾 大川
Shingo Okawa
伸吾 大川
雄大 坂井
Takehiro Sakai
雄大 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HIDA SANGYO CO Ltd
HIDA SANGYO KK
Original Assignee
HIDA SANGYO CO Ltd
HIDA SANGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HIDA SANGYO CO Ltd, HIDA SANGYO KK filed Critical HIDA SANGYO CO Ltd
Priority to JP2015047411A priority Critical patent/JP6433827B2/ja
Publication of JP2016165860A publication Critical patent/JP2016165860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6433827B2 publication Critical patent/JP6433827B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

【課題】強度と美観を兼ね備えた圧縮木材及びその製造方法を提供すること
【解決手段】板目材1を厚み方向に加熱圧縮して圧縮板目材2を得る加熱圧縮工程、圧縮板目材2が有する年輪の接線方向に所定間隔をおいて圧縮板目材2を厚み方向に切断して複数の圧縮板目材片3を得る切断工程、及び複数の圧縮板目材片3の板目面を相互に突き合わせて接着集成させてなる集成圧縮柾目材を得る接着集成工程を有する集成圧縮柾目材の製造方法及び集成圧縮柾目材10である。これにより、得られた集成圧縮柾目材10は表面部10a,10bが全て柾目面となり、且つ、加熱圧縮工程によって早材部が圧縮されて年輪間の距離が詰まっているために表面部10a,10bの木目は密接する年輪線が直線状に並行する緻密で魅力的な木目模様を呈するものとなる。また、圧縮により表面部10a,10bには晩材部が密接する柾目面が現出していることから、強度も優れたものとなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮木材の製造方法に関し、特に、板目材を加熱圧縮する圧縮木材の製造方法及び圧縮木材に関する。
従来、スギ等の針葉樹は、成長は早いが比重が小さく柔らかいこともあり、家具等に用いる場合には表面にキズが付きやすく、建材として用いる場合には強度不足を生じるおそれがある等の不具合があった。
そこで、特許文献1に示すように、針葉樹等の木材に対して圧縮加工を行い木材の強度を高めることが従来から行われている。具体的には、スギ等の木材を高温高圧容器内で水蒸気と高周波により加熱軟化させた後、圧縮成形して当該圧縮された形状を高温高圧雰囲気内において固定化させる木材の圧縮加工方法が開示されている。
この木材の圧縮加工方法によれば、木材は水蒸気を吸収して温度が上昇するとともに高周波により内部から温度が上昇し、急速に加熱軟化する。この状態で機械的な圧縮力が加えられることで、主に早材部に存在する微細な空洞部分が小さくなって圧縮され、硬く強い木質となる。
特開平5−50409号公報
しかしながら、特許文献1によれば、木材の圧縮は丸太材や板目材で行われており、圧縮後の木材の表面、すなわち、板目面にはうねりのある木目(図6(a)参照)が現出する。すなわち、針葉樹においては柾目面の持つ直線的な木目が魅力であるところ、その魅力が活かされないこととなっていた。そのうえ、針葉樹の丸太材や板目材の表面は多くの節(図6(b)、白抜きの小円部分参照)を有するため、節が表面に現れて美観が損なわれるという不具合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、強度と美観を兼ね備えた圧縮木材及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1に記載の集成圧縮柾目材の製造方法は、板目材を厚み方向に加熱圧縮して圧縮板目材を得る加熱圧縮工程と、該圧縮板目材が有する年輪の接線方向に所定間隔をおいて該圧縮板目材を厚み方向に切断し、複数の圧縮板目材片を得る切断工程と、該複数の圧縮板目材片の板目面を相互に突き合わせて接着集成させてなる集成圧縮柾目材を得る接着集成工程とを有する。
この構成によれば、得られた集成圧縮柾目材はその上下の表面が全て柾目面となり、且つ、加熱圧縮工程によって早材部が圧縮されて年輪間の距離が詰まっているために得られた上下面の木目は密接する年輪線が直線状に並行する緻密で魅力的な木目模様を呈するものとなる。また、圧縮により上下面には晩材部が密接する柾目面が現出していることから、強度も優れたものとなっている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の集成圧縮柾目材の製造方法において、前記加熱圧縮工程が、前記板目材の加熱軟化処理後、閉状態の圧縮型内空間で圧縮された形状を加熱固定する処理を含むことを特徴とする。
この構成によれば、加熱圧縮工程において板目材は加熱軟化され、軟化した板目材が圧縮型内空間で圧縮されることで、厚み方向(すなわち、年輪の積層方向)に略均一に圧縮された圧縮板目材が得られる。このように、板目材が略均一に圧縮されることで、得られる集成圧縮柾目材の表面部の柾目模様も幅方向(すなわち、年輪の積層方向)に亘って略均一なきれいな柾目模様を呈することとなり、その美観が向上する。同じく、表面部に不均一な柾目面の部位が存在しないことでより安定した強度を得ることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の集成圧縮柾目材の製造方法において、前記加熱圧縮工程後であって前記切断工程前に、前記圧縮板目材における上下の板目面を水で湿らせ、再び該圧縮板目材を閉状態の圧縮型内空間で加熱して色調を安定化させる色調安定化工程を含むことを特徴とする。
加熱圧縮工程の加熱軟化処理によれば、板目材の表面部の水分が蒸発するために、この表面部において圧縮型内空間における加熱固定処理時に生じる褐色化反応が進まず、褐色化が進まない板目材の表面部と褐色化が進む板目材の内層部とで色調の変化が生じる。しかし、この構成によれば、加熱圧縮工程後に圧縮板目材の上下の表面部が水で湿らされ、再び閉状態の圧縮型内空間で加熱されることで表面部の褐色化が進む。したがって、得られた集成圧縮柾目材は、表面部に略均一に褐色な色調を呈し、さらに美観に優れたものとなる。
請求項4に記載の集成圧縮柾目材は、圧縮板目材を該圧縮板目材が有する年輪の接線方向に所定間隔をおいて厚み方向に切断して作成された圧縮板目材片と、該圧縮板目材片の板目面が相互に突き合わされて接着されてなる接着部と、該接着により集成された前記圧縮板目材片の柾目面の連続面として構成される表面部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、圧縮板目材片の板目面が接着部において相互に接着されているので、集成圧縮柾目材の上下の表面部は全て各圧縮板目材片の柾目面が連続する柾目面となり、且つ、各圧縮板目材片は早材部が圧縮されて年輪間の距離が詰まっているために得られた上下面の木目は密接する年輪線が直線状に並行する緻密で魅力的な木目模様を呈するものとなる。また、圧縮により上下の表面部には晩材部が密接する柾目面が現出していることから、強度も優れたものとなっている。したがって、強度と美観を兼ね備えた圧縮木材を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の集成圧縮柾目材において、前記表面部の柾目面における年輪間の距離が略均一であることを特徴とする。
この構成によれば、表面部には、年輪間の距離が略均一の年輪線が直線状に延在する柾目模様が現出して美観がさらに向上する。また、表面部に年輪間距離が不均一な柾目面の部位が存在しないことでより安定した強度を得ることが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の集成圧縮柾目材において、前記表面部の色調が、所定の色調範囲にあることを特徴とする。
この構成によれば、表面部の色調が所定の色調範囲にあることから、直線状の柾目模様と所定範囲にある色調とが織りなすより魅力的な外観を呈するものとなる。
本発明によれば、得られた集成圧縮柾目材はその上下の表面が全て柾目面となり、且つ、加熱圧縮工程によって早材部が圧縮されて年輪間の距離が詰まっているために得られた上下面の木目は密接する年輪線が直線状に並行する緻密で魅力的な木目模様を呈するものとなる。また、圧縮により上下面には晩材部が密接する柾目面が現出していることから、強度も優れたものとなっている。
したがって、例えば、軟質な針葉樹を材料として、優れた美観と強度を有する圧縮木材を用いた魅力的な家具、建材(柱材、床材、壁材等)および車両の内装材等を製造することが可能となる。
本実施の形態に係る集成圧縮柾目材の製造方法の加熱圧縮工程を模式的に示す縦断面図である。 同じく、切断工程及び接着集成工程を模式的に示す正面図である。 得られた集成圧縮柾目材を示す斜視図である。 得られた集成圧縮柾目材の他の例を示す図である。 木材の圧縮装置を模式的に示す縦断面図である。 (a)従来の、圧縮板目材を示す斜視図、及び(b)従来の、節を有する圧縮板目材を示す平面図である。
次に、本実施の形態に係る集成圧縮柾目材の製造方法及び集成圧縮柾目材を、図1〜図5を参照して詳細に説明する。図1は本実施の形態に係る集成圧縮柾目材の製造方法の加熱圧縮工程を模式的に示す縦断面図であり、図2は同じく切断工程及び接着集成工程を模式的に示す正面図であり、図3は得られた集成圧縮柾目材を示す斜視図であり、図4は得られた集成圧縮柾目材の他の例を示す図であり、図5は木材の圧縮装置を模式的に示す縦断面図である。
まず、集成圧縮柾目材の製造方法及び集成圧縮柾目材の説明に入る前に、後述する木材の加熱圧縮工程及び色調安定化工程に用いる木材の圧縮装置50について説明する。
図5に示すように、木材の圧縮装置50は、内部に木材が載置される底部52aを有すると共に天面が開放された箱状の下型52と下型52の蓋部を構成する板状の上型54とからなる圧縮型56を備える基本構成を有する。上型54は、下型52に対して接離する方向(矢印150方向)に移動可能であり、同図の破線で示すように、下型52に対して当接すると圧縮型56は閉状態となり、密閉された型内空間58が構成される。尚、下型52の上縁部に設けられた溝部にはOリング53が嵌め込まれており、Oリング53が上型54に対して密着することで型内空間58は密閉される。
上型54には、後述する蒸気60を流通させる管路62と後述する冷却水64を流通させる管路66が設けられており、下型52には、蒸気60を流通させる管路68と冷却水64を流通させる管路70が設けられている。さらに、下型52には、型内空間58に蒸気60を導入するための管路72及び型内空間58から蒸気60を排出するための管路74、及び型内空間58内の水を排出するための管路76が設けられている。
上型54及び下型52の上流には、管路62、管路68及び管路72に蒸気60を導入するための蒸気系路78が設けられており、上型54及び下型52の下流には、管路62、管路68及び管路74内から蒸気60を排出するための蒸気経路80が設けられている。
さらに、上型54及び下型52の上流には、管路66及び管路70に冷却水64を導入するための冷却水系路82が設けられており、上型54及び下型52の下流には、管路66、管路70及び管路76からの排水を排出するための排水経路84が設けられている。
圧縮型56の上流の蒸気経路78には、管路62、72及び68に至る前に経路をそれぞれ開閉可能なバルブ86、90及び88がそれぞれ設けられており、圧縮型56の下流の蒸気経路80には、管路62、74及び68の下流で経路をそれぞれ開閉可能なバルブ92、94及び96がそれぞれ設けられている。
また、圧縮型56の上流の冷却水経路82には、管路66及び70に至る前に経路をそれぞれ開閉可能なバルブ98及び100がそれぞれ設けられており、圧縮型56の下流の排水経路84には、管路66、76及び70の下流で経路をそれぞれ開閉可能なバルブ102、104及び106が設けられている。尚、バルブ90と管路72の間には、圧力計108が設けられている。
木材の圧縮装置50内で加熱圧縮される木材は、針葉樹の板目材1である。板目材とは、原木を年輪の接線方向に挽いた材をいう。本実施の形態においては、板目材のうち、年輪の中心を外したいわゆる芯去り材を用いる。芯持ち材を用いると後述する板目材の加熱圧縮時に芯付近の年輪が屈曲して割れが生じるおそれがあるからである。
以下、本実施の形態に係る集成圧縮柾目材10の製造方法及び集成圧縮柾目材について説明する。
[1.加熱圧縮工程]
1−1.加熱軟化処理
まず、板目材1を蒸煮して軟化させる。蒸煮は、例えば、蒸煮缶を用いて行うことができる。蒸煮時間は、例えば、80℃〜120℃で、30〜60分程度の時間で行うことができる。蒸煮後の板目材1は、図5の圧縮型56の下型52の底部52aに板目面が当接するようにして載置される。
次に、図1(a)に示すように、上型54を下型52に近接する方向に移動させ、上型54の下面を板目材1の上側の表面部1aに当接させる。尚、図1において圧縮型56は、開閉状態がわかる程度に簡略化して示し、詳細の構成についての記載は省略している。
そして、板目材1の上下の表面部1a,1bに上型54及び下型52を当接させた状態で、上型54及び下型52に蒸気60を送りこみ、徐々に上型54及び下型52の温度を昇温させる。昇温は、常温付近(約15〜20℃)から約110〜130℃の温度まで行われ、その温度で一定に維持される。
かかる昇温は、圧縮型56の下流のバルブ92及び96を閉じ、圧縮型56の上流のバルブ86及び88を少しずつ開き、高温の蒸気60を少しずつ上型54及び下型52に導入することにより行う(図5参照)。温度を一定にするには、蒸気60を送り込むバルブ86及び88の開き量及び蒸気60を排出するバルブ92及び96の開き量の調節により行う。木材の圧縮装置50による板目材1の加熱軟化処理は、昇温開始から約15〜25分程度で行われる。以上の処理により、板目材1が加熱軟化される。
1−2.加熱固定処理
木材の圧縮装置50による板目材1の加熱軟化処理後、図1(b)に示すように、上型54を下型52に当接するまで移動させ、板目材1を厚み方向に、すなわち、年輪の積層方向に圧縮する。このとき、バルブ90、94及び104を密閉状態とすることで型内空間58は完全な密閉空間となる。この状態で、上型54及び下型52を約150℃〜180℃までさらに昇温させ、昇温開始から約70〜120分程度高温状態で維持する。
すると、型内空間58における空気の熱膨張及び板目材1の水分の蒸発による水蒸気の発生によって型内空間の圧力が上昇し、この上昇圧力下で圧縮された木材に高温水蒸気処理が施されることとなる。これにより、板目材1の内部に蓄積された応力が短時間のうちに著しく緩和されて圧縮形状が固定され、圧縮板目材2が得られる。上記板目材1からの水分の蒸発だけでは水蒸気量が足りない場合、及び型内空間58の圧力が低い場合、バルブ90の開き量を大きくし、蒸気量及び圧力を増大させることができ、逆に圧力が高い場合にはバルブ94を若干開き、圧力を低下させる調節をすることができる。
なお、型内空間58の圧力は、圧力計108によりモニターすることができる。
また、板目材1の圧縮率は、圧縮前の板目材1の厚さやOリング53の高さ、下型52の底部52aに載置可能な平らな金属板(図示省略)によって調節可能であり、針葉樹の板目材であれば最大約70%程度まで行うことができる。尚、圧縮率70%とは、厚さ10cmの板目材を3cmの厚さまで圧縮することをいう。
1−3.冷却処理
その後、上型54及び下型52の温度を約20〜40℃まで低下させ、30分〜60分間維持して圧縮形状が固定された圧縮板目材2を冷却する。冷却は、バルブ86及び88を閉じ、バルブ92、94及び96を開けて上型54、下型52及び型内空間58から蒸気60を排出すると共に、バルブ98、100、102及び106を開けて冷却水64を上型54及び下型52内に流通させることにより行われる。その後、上型54を下型52に対して離反する方向に移動させる(以上、加熱圧縮工程)。
[2.色調安定化工程]
上記[1.加熱圧縮工程]で得られた圧縮板目材2の色調に関し、木材は圧縮される際に熱と水分と蒸気圧が加えられることで木材中にあるヘミセルロースがヒドロキシメチルフルフラールに分解する現象に起因して褐色化するところ、単に木材の圧縮装置50を用いて板目材1の加熱圧縮を行うのでは、上記「1−1.加熱軟化処理」において板目材1の表面部1a,1bが加熱した上型54及び下型52と当接することで表面部1a,1bの水分が蒸発することとなる。
したがって、そのまま上記「1−2.加熱固定処理」を行うと、圧縮型内空間58内では表面部2a,2bにおいて熱、水分及び蒸気圧のうち水分が不足するので木材の褐色化が進まず、水分が残存していた内層部のみ褐色化が進むことが本願発明者の検討によりわかった。
そこで、圧縮板目材2の表面部2a,2bの褐色化を進行させるべく、本色調安定化工程を行う。具体的には、図1(c)に示すように、常温付近まで冷却された圧縮板目材2の上側の表面部2aに、ホース110を介して水111をかける。水111は、表面部2aから流れ落ち、下型52の底部52aに約1cm程度溜まるまで供給する。すると、圧縮板目材2は浮力により若干浮上し、下側の表面部2bが全面に亘って濡れた状態となる。すなわち、圧縮板目材2の上下の表面部2a,2b(板目面)が湿らされた状態となる。その後、バルブ104を開けて下型54内に溜まった水111を排出する。
次に、図1(d)に示すように、上型54を下型52に当接するまで移動させ、型内空間58を完全な密閉空間とする。そして、上型54及び下型52を約150℃〜180℃まで昇温し、その温度で昇温開始から約50〜80分程度維持する。
その後、上型54及び下型52の温度を約20〜40℃まで低下させ、30分〜60分間維持して圧縮板目材2を冷却する。上型54及び下型52の昇温及び温度低下は、上記「1−2.加熱固定処理」及び「1−3.冷却処理」と同様の操作で行われる。これにより、閉状態の圧縮型内空間58で加熱される圧縮板目材2の表面部2a,2bにおいて熱、水分及び蒸気圧の褐色化要件が充足され、当該表面部2a,2bの褐色化が進行し、表
面部2a,2bと内層部との間で色調の安定化が図られる(以上、色調安定化工程)。
[3.切断工程]
その後、圧縮板目材2を圧縮型56から取り出し、3箇所の矢印の位置(図2(a)参照)で幅方向(すなわち、年輪の接線方向)に均等な間隔をおいて厚み方向(年輪の積層方向)に切断し、同図(b)に示すように、板目面3aと柾目面3bとを有する4個の圧縮板目材片3を作成する。圧縮板目材片3は、本実施の形態では1個の圧縮板目材2から切り出しているが、それぞれ異なる圧縮板目材から切り出したものの寄せ集めであってもよい。また、圧縮板目材片3の個数も、4個に限らず、2個以上であればよい(以上、切断工程)。
[4.接着集成工程]
次に、切断されて板目面を上下に向けて配置された4個の圧縮板目材片3を、図2(b)の矢印に示すように、それぞれ時計回りに90°回転させて柾目面を上下の面とし、互いの板目面が対向する配置としたものを図3(c)に示す。図示のように、各圧縮板目材片3は、柾目面3bを上下に向け、板目面3aを相互に対向させて配置されている。
そして、図2(d)に示すように、互いの板目面3aを突き合わせて接着させる。板目面3a相互の接着は、例えば、高周波接着により行うことができる。すなわち、図2(c)に示すように配置された各圧縮板目材片3の対向する板目面3aに水系接着剤を塗布し、図示左右からプレスして圧力をかけ、その状態で電圧をかけることで水分子が存在する接着剤の部位の電圧が高くなり、この高電圧によって接着剤を熱硬化させるものである。尚、この方法に限らず、各圧縮板目材3を相互に接着可能な方法であればどのような方法であってもよい。
接着剤としては、水性高分子イソシアネート系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、尿素樹脂を主成分とする接着剤、エポキシ樹脂を主成分とする接着剤、フェノール樹脂を主成分とする接着剤、合成ゴム系接着剤等、種々の接着剤を用いることができる。尚、接着後の圧縮板目材片3間で段差が生じる場合は、適宜に表面部を削って面一な表面部に修正すればよい(以上、接着集成工程)。
以上のように、圧縮板目材片3がその板目面で相互に接着されることで、集成圧縮柾目材10が製造される。得られた集成圧縮柾目材10は、図3に示すように、圧縮板目材片3と、圧縮板目材片3の板目面が相互に接着されてなる接着部12と、圧縮板目材片3の柾目面の連続面として構成される表面部10a,10bと、を有する。
したがって、本実施の形態に係る集成圧縮柾目材の製造方法及び集成圧縮柾目材によれば、得られた集成圧縮柾目材10はその上下の表面部10a,10bが全て柾目面となり、且つ、加熱圧縮工程によって早材部が圧縮されて年輪間の距離が詰まっているために得られた表面部10a,10bの木目は密接する年輪線が直線状に並行する緻密で魅力的な木目模様を呈するものとなる。また、圧縮により表面部10a,10bには晩材部が密接する柾目面が現出していることから、強度も優れたものとなっている。すなわち、強度と美観を兼ね備えた圧縮木材を提供することが可能となる。
また、加熱圧縮工程において板目材1が加熱軟化され、軟化した板目材1が圧縮されて圧縮型内空間58で加熱固定されることで、厚み方向(すなわち、年輪の積層方向)に略均一に圧縮された圧縮板目材2が得られる。このように、板目材1が略均一に圧縮されることで、図3に示すように、得られる集成圧縮柾目材10の表面部10a,10bの柾目模様も幅方向(年輪の積層方向となる図示左右方向)に亘って略均一なきれいな柾目模様を呈することとなり、木材の美観が向上する。同じく、表面部10a,10bに不均一な柾目面の部位が存在しないことでより安定した強度を得ることが可能となる。
さらに、上記[2.色調安定化工程]に示すように、単に木材の圧縮装置50を用いて板目材1の加熱圧縮を行うのでは圧縮板目材2の表面部2a,2bと内層部の褐色化の程度に大きな差が生じ、得られた集成圧縮柾目材の表面部には褐色化された表面部中に上記表面部2a,2bに起因する白抜き部分が存在する不均一な色調を呈するものとなっていた。しかし、本実施の形態によれば、加熱圧縮工程後に圧縮板目材2の上下の表面部2a,2bが水で湿らされ、再び閉状態の圧縮型内空間58で加熱されることで熱、水分及び蒸気圧の褐色化要件が充足され、当該表面部2a,2bの褐色化を進行させることができる。したがって、得られた集成圧縮柾目材10は、表面部10a,10bに略均一に(所定範囲の)褐色な色調を呈し、さらに美観に優れたものとなる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本実施の形態においては色調の安定化を図り、美観をより向上させるために上記のとおり[2.色調安定化工程]を付加しているが、これが必須というわけではない。上記実施の形態から[2.色調安定化工程]を除いた場合でも、図4に示すように、表面部10a,10bは色調こそ不均一となるものの、密接する年輪線が直線状に並行する緻密で魅力的な木目模様を呈することで一定の美観を有し、且つ強度も優れたものとなっている。
また、上記実施の形態において、「1−1.加熱軟化処理」の蒸煮後の板目材1を圧縮型56の下型52の底部52aに載置した後、板目材1の表面部1a,1bを水で湿らせてもよい(図1(c)参照)。この湿潤は、図1(c)に示すように、上記「2.色調安定化工程」における湿潤操作を参考にして行うことができる。
これによれば、図1(a)に示すように、加熱した上型54及び下型52と板目材1の表面部1a,1bとの当接により当該表面部1a,1bの水分は蒸発するものの、上記湿潤操作によって水分が補われていることから「1−1.加熱軟化処理」後に表面部1a,1bに水分がある程度残留することが期待され、結果として圧縮後の圧縮板目材2の表面部2a,2bと内層部における色調の差異が小さくなることが期待される。
さらに、本実施の形態において、加熱圧縮工程は蒸煮缶及び木材の圧縮装置50を用い、加熱軟化処理後の加熱固定処理により行われているが、これに限られるものではない。木材を加熱して圧縮固定し得る処理であれば、任意の装置を用いて行うことができる。
例えば、特許文献1に記載されるように、高温高圧容器内で水蒸気と高周波により加熱軟化させた後、圧縮成形して当該圧縮された形状を高温高圧雰囲気内において固定化してもよい。
また、平版プレス・ロールプレスを用いたドライングセットを行い、その後に熱処理、高圧水蒸気処理、高周波あるいはマイクロ波加熱処理、化学処理、樹脂含浸処理等の固定化処理を施すことも可能である。
1 板目材
2 圧縮板目材
3 圧縮板目材片
10 集成圧縮柾目材
10a,10b 表面部
12 接着部
50 木材の圧縮装置
58 圧縮型内空間

Claims (6)

  1. 板目材を厚み方向に加熱圧縮して圧縮板目材を得る加熱圧縮工程と、
    該圧縮板目材が有する年輪の接線方向に所定間隔をおいて該圧縮板目材を厚み方向に切断し、複数の圧縮板目材片を得る切断工程と、
    該複数の圧縮板目材片の板目面を相互に突き合わせて接着集成させてなる集成圧縮柾目材を得る接着集成工程と
    を有することを特徴とする集成圧縮柾目材の製造方法。
  2. 前記加熱圧縮工程が、
    前記板目材の加熱軟化処理後、閉状態の圧縮型内空間で圧縮された形状を加熱固定する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の集成圧縮柾目材の製造方法。
  3. 前記加熱圧縮工程後であって前記切断工程前に、
    前記圧縮板目材における上下の板目面を水で湿らせ、再び該圧縮板目材を閉状態の圧縮型内空間で加熱して色調を安定化させる色調安定化工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の集成圧縮柾目材の製造方法。
  4. 圧縮板目材を該圧縮板目材が有する年輪の接線方向に所定間隔をおいて厚み方向に切断して作成された圧縮板目材片と、該圧縮板目材片の板目面が相互に突き合わされて接着されてなる接着部と、該接着により集成された前記圧縮板目材片の柾目面の連続面として構成される表面部と、を有することを特徴とする集成圧縮柾目材。
  5. 前記表面部の柾目面における年輪間の距離が略均一であることを特徴とする請求項4に記載の集成圧縮柾目材。
  6. 前記表面部の年輪間部位の色調が、所定の色調範囲にあることを特徴とする請求項4又は5に記載の集成圧縮柾目材。
JP2015047411A 2015-03-10 2015-03-10 集成圧縮柾目材の製造方法 Active JP6433827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015047411A JP6433827B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 集成圧縮柾目材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015047411A JP6433827B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 集成圧縮柾目材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016165860A true JP2016165860A (ja) 2016-09-15
JP6433827B2 JP6433827B2 (ja) 2018-12-05

Family

ID=56898132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015047411A Active JP6433827B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 集成圧縮柾目材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6433827B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019115989A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 パナソニック株式会社 木質調樹脂成形品およびその製造方法
JP2020082371A (ja) * 2018-11-15 2020-06-04 パナソニック株式会社 成形品およびその製造方法
JP2020175548A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 飛騨産業株式会社 積層材及び積層材の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07148713A (ja) * 1993-11-29 1995-06-13 Ibiden Co Ltd 木質建材及び木質建材の製造方法
JPH0880512A (ja) * 1994-07-14 1996-03-26 Tetsuya Hashiguchi 積層木材及びその製造方法
JPH08155909A (ja) * 1994-12-05 1996-06-18 Hisaka Works Ltd 木材の処理方法
JPH11254404A (ja) * 1998-03-16 1999-09-21 My Wood Kk 突板およびその製造方法
US20100180987A1 (en) * 2009-01-16 2010-07-22 Weyerhaeuser Nr Company Methods for Enhancing Hardness and Dimensional Stability of a Wood Element and Wood Product Having Enhanced Hardness

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07148713A (ja) * 1993-11-29 1995-06-13 Ibiden Co Ltd 木質建材及び木質建材の製造方法
JPH0880512A (ja) * 1994-07-14 1996-03-26 Tetsuya Hashiguchi 積層木材及びその製造方法
JPH08155909A (ja) * 1994-12-05 1996-06-18 Hisaka Works Ltd 木材の処理方法
JPH11254404A (ja) * 1998-03-16 1999-09-21 My Wood Kk 突板およびその製造方法
US20100180987A1 (en) * 2009-01-16 2010-07-22 Weyerhaeuser Nr Company Methods for Enhancing Hardness and Dimensional Stability of a Wood Element and Wood Product Having Enhanced Hardness

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019115989A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 パナソニック株式会社 木質調樹脂成形品およびその製造方法
JP2021104681A (ja) * 2017-12-27 2021-07-26 パナソニック株式会社 木質調樹脂成形品およびその製造方法
JP7155324B2 (ja) 2017-12-27 2022-10-18 パナソニックホールディングス株式会社 木質調樹脂成形品およびその製造方法
JP7463468B2 (ja) 2017-12-27 2024-04-08 パナソニックホールディングス株式会社 木質調樹脂成形品およびその製造方法
JP2020082371A (ja) * 2018-11-15 2020-06-04 パナソニック株式会社 成形品およびその製造方法
JP7117227B2 (ja) 2018-11-15 2022-08-12 パナソニックホールディングス株式会社 成形品およびその製造方法
JP2020175548A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 飛騨産業株式会社 積層材及び積層材の製造方法
JP7387133B2 (ja) 2019-04-16 2023-11-28 飛騨産業株式会社 積層材及び積層材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6433827B2 (ja) 2018-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100473602B1 (ko) 페놀 포름알데히드 접합제를 이용한 합성판의 제조 방법
JP6433827B2 (ja) 集成圧縮柾目材の製造方法
JP4417560B2 (ja) 少なくとも1つの仕上げ面を有する複合板の蒸気圧縮法
RU2519382C2 (ru) Способ изготовления звукопоглощающей панели, в частности, для использования в авиации
US20130206023A1 (en) Method and apparatus for forming an article from pulped material
CN108943208A (zh) 一种密度分布可控的实木压缩密实化板材生产方法
ATE427335T1 (de) Verfahren zur herstellung von schaumstoffplatten
DE502007005371D1 (de) SELBSTSCHLIEßENDER BELÜFTUNGSEINSATZ UND VERFAHREN ZU DESSEN HERSTELLUNG
CN101607411A (zh) 竹纤维增强复合材料及其制造方法
RU96117582A (ru) Способ изготовления лигноцеллюлозного щита
CN103878854A (zh) 一种重组竹刨切单板的制造方法
JP6756442B2 (ja) 大型で軽量の成形物体およびその製造方法
JP2017019177A (ja) 圧縮木材の製造方法及び圧縮木材並びにこの圧縮木材を切削してなる切削板材
JP5137980B2 (ja) 圧縮木製品の製造方法
KR20010030825A (ko) 신규한 재료 및 그것의 제조방법
JP2009137079A (ja) 木材の成形方法
JP4981836B2 (ja) 圧縮木製品の製造方法
CN102873963A (zh) 一种三聚氰胺饰面人造板的浮雕热压贴方法
JP6016744B2 (ja) 鋳型の製造装置
CN107379162A (zh) 一种重组竹板材生产工艺
JP2012161933A (ja) 植物系材料の成形体製造装置
US9230533B2 (en) Sound absorbing body and manufacturing method thereof
JP5550080B2 (ja) 植物系材料の成形体製造方法及び植物系材料の成形体
KR20170021386A (ko) 치수안정성이 개선된 휨가공목재 제조방법
JP5754836B2 (ja) 圧密処理木材の製造方法及び圧密処理木材並びに化粧板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171019

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20171019

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20171211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180219

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180717

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6433827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250