JP2012161932A - 植物系材料の成形体製造方法及び植物系材料の成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】植物系材料の成形体製造方法は、繊維を有する板材2を原料として金型10に供給して、金型10による熱圧成形により板材2に流動性を発現させ、成形体が製造される。植物系材料の成形体製造方法は、板材2の繊維方向Lが押出方向P2と同一平面において直交するように板材2を金型10に配置し、配置された板材2に荷重をかけて押圧することで、押圧方向P1に対して側方に延びる型成形空間12に板材2を、流入口17を通じて流動させながら充填する側方押出成形によって成形体を製造する。
【選択図】図1
Description
このような木目装飾品としては、例えば木目調の樹脂シートを装飾部品に貼り付け、表面に樹脂コーティング等を行うことで形成されている。このため、木目といいながら、実際には、強度や寸法安定性、耐候性等の観点から、木目調の模様を樹脂に付けることで、木目の装飾を内装部品に施している。しかし、近年は環境意識の高まりから石油を原料とする樹脂材料(プラスチック材料)の利用を少なくしたい要望があり、木や竹などの植物系材料の利用が検討されている。
請求項1に記載の発明は、繊維を有する植物系材料を原料として金型に供給して、前記金型による熱圧成形により前記植物系材料に流動性を発現させ、成形体が製造される植物系材料の成形体製造方法において、押圧前に、前記植物系材料の繊維方向を、押圧時に前記植物系材料が押し出される押出方向と同一平面において直交するように前記植物系材料を前記金型に配置し、当該配置をとる前記植物系材料に荷重をかけて押圧することで、押圧方向に対して側方に延びる型成形空間に前記植物系材料を、流入口を通じて流動させながら充填する側方押出成形によって前記成形体を製造することをその要旨としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の植物系材料の成形体製造方法において、前記植物系材料に予め添加剤を含浸しておき、前記植物系材料が前記熱圧成形されることにより、前記植物系材料に細胞間の位置変化に起因する流動現象を発生させることをその要旨としている。
図1に示されるように、本実施例の成形体製造装置1は、植物系材料として杉を用い、円板状の板材2を原料として使用する。板材2は、成形体製造装置1の本体部分である金型10にセットされる。板材2は、予め乾燥重量に対して約40%の低分子フェノール樹脂が含浸されている。また、板材2は、恒温恒湿内で養生させて、含水率が約10%となるように調整してある。
図5に示されるように、この板材2を型等に設置せずに上方から押圧した際には、繊維方向Lに対して直交するとともに、繊維が並ぶ方向である接線方向Tに流動し易く、繊維方向Lには流動し難いことがわかる。そこで、成形体製造装置1に原料を供給する際には、図1(b)に示されるように、繊維方向Lが押出方向P2に対して直交するように流入口17と板材2の繊維方向Lとが平行となるように板材2を複数枚積層して設置する。
まず、低分子フェノール樹脂を含浸させ、含水率が約10%となるように調整した板材2を用意する。そして、この板材2の繊維方向Lが押出方向P2と平行となるように、板材2を複数枚積層させてシリンダ15の貫通孔16内に設置する。なお、板材2の枚数は、製造される成形体3の大きさ、すなわち型成形空間12の大きさに合わせて変更する。
さて、本実施例では、板材2の繊維方向Lが押出方向P2と直交するように板材2が設置されるので、図1(b)に示されるように、繊維が並んだ状態が維持されたまま型成形空間12内に押し出され、繊維方向が揃った状態で成形体3が成形される。成形体3は、繊維方向が揃っているので、力学的性質が均一となる。本実施例の成形体3では、接線方向Tにおける機械的強度が100MPa程度となり、ABS樹脂やポリカーボネート等の機械的強度約100MPaと同等に優れている。
(1)成形体3の製造方法として側方押出成形を採用し、板材2の繊維方向Lが押出方向P2と同一平面において直交するように金型10に供給された板材2が押圧方向P1に対して側方へ押し出される。繊維を有する板材2は繊維方向Lに対して直交方向への流動性が高いので、板材2を効率良く型成形空間12内に押し出して充填させることができる。そして、繊維が並んだ状態が維持されたまま原料が型成形空間12内に押し出され、成形体3の繊維方向Lが揃う。よって、力学的性質が均一である成形体3を製造することができる。
(4)板材2に添加剤が含浸されているので、添加剤によって熱圧成形時の板材2の流動現象が起き易くなり、繊維方向Lが揃った状態を更に維持したまま成形体3を製造することができる。よって、力学的性質が均一である成形体3を製造することができる。
・上記実施形態では、シリンダ15の貫通孔16の直径Daと流入口17の幅Wとを同じ大きさとしたが、流入口17の幅Wを狭くしてもよい。このようにすれば、原料が流動する量を制御して、微細化することができる。よって、成形体3の均質化が可能である。
・上記実施形態では、板材2に予め乾燥重量に対して約40%の低分子フェノール樹脂を含浸したが、乾燥重量に対して約40%に限定しない。
・上記実施形態では、原料として板状の板材2を採用したが、板材2に限らず塊状の原料を採用してもよい。塊状の原料であれば、単体や2個体以上で用いてもよい。
・上記実施形態において、型成形空間12は、パンチ11による押圧方向P1に対して必ずしも直角方向に形成されることに限らず、若干の傾きも含むものとする。
Claims (5)
- 繊維を有する植物系材料を原料として金型に供給して、前記金型による熱圧成形により前記植物系材料に流動性を発現させ、成形体が製造される植物系材料の成形体製造方法において、
押圧前に、前記植物系材料の繊維方向を、押圧時に前記植物系材料が押し出される押出方向と同一平面において直交するように前記植物系材料を前記金型に配置し、当該配置をとる前記植物系材料に荷重をかけて押圧することで、押圧方向に対して側方に延びる型成形空間に前記植物系材料を、流入口を通じて流動させながら充填する側方押出成形によって前記成形体を製造する
ことを特徴とする植物系材料の成形体製造方法。 - 前記金型に供給された前記植物系材料を押圧する押圧部の幅と、前記植物系材料が前記押圧部から前記型成形空間に流入するときの該型成形空間の流入口の幅とが、同じ大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の植物系材料の成形体製造方法。 - 前記植物系材料は、板状に加工された複数の板材であって、前記押圧前、前記板材の繊維方向が同方向となるように積層して前記金型に配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の植物系材料の成形体製造方法。 - 前記植物系材料に予め添加剤を含浸しておき、前記植物系材料が前記熱圧成形されることにより、前記植物系材料に細胞間の位置変化に起因する流動現象を発生させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の植物系材料の成形体製造方法。 - 繊維を有する植物系材料を原料として金型に供給され、前記金型による熱圧成形により前記植物系材料に流動性を発現させて製造される植物系材料の成形体において、
押圧前に、前記植物系材料の繊維方向を、押圧時に前記植物系材料が押し出される押出方向と同一平面において直交するように前記植物系材料を前記金型に配置し、当該配置をとる前記植物系材料に荷重をかけて押圧することで、該押圧方向に対して側方に延びる型成形空間に前記植物系材料を流動させながら充填する側方押出成形によって製造した
ことを特徴とする植物系材料の成形体。
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