JP5099845B2 - 平角材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平角材の製造方法に関し、詳しくは、意匠性に優れた芯去り平面材を製造する方法に関する。
従来、大径木の製材方法として、(a)一本の丸太から、梁などに使用される比較的大断面の角材(正角材や平角材)を製材し、その残りから板などを製材する方法や、(b)一本の丸太から板や小割物のみを製材する方法等が知られている。
しかし、前記(a)の方法で製材した大断面の角材は、乾燥性が悪く、適正な含水率になる迄乾燥させるのに長時間を要するという問題や、芯持ち材であることに起因して乾燥中に表面や内部に割れが起こり易いという問題もある。集成材は、これらの問題を解決し得るものであるが、ラミナ同士の積層部が目立つため、美観の面で劣る。
また、前記(a)の方法で製材した大断面の角材は、その重量が大きいことから、乾燥時等における取り扱い性に劣るという問題もある。
他方、前記(b)の方法は、大径木の丸太の用途として本来望ましいものではなく、また、削り代が増加して製材歩留まり(使用した原木材積に対する製品の材積の割合)が低いという問題もある。
出願人は、先に、丸太から製材した芯持ち角材を、芯を含む面で分割して2本の分割材とし、両分割材をそれぞれ乾燥させた後、両分割材それぞれにおける少なくとも分割面に対してむら取り加工を施し、次いで、むら取り加工を施した分割面同士をプレス装置を用いて接着剤を介して接着して両分割材を一体化させる柱又は土台用の角材の製造方法を提案した(特許文献1参照)。
特開2002−086415号公報
しかし、特許文献1記載の方法は、比較的小径の丸太を使用することを想定しており、大径木の丸太から大断面の平角材を製造することを想定していない。また、特許文献1記載の方法においては、丸太から製材した芯持ち角材をその芯を含む面で分割しているため、乾燥時に、分割材に比較的反り等のむらが生じやすく、大径木の丸太を使用した場合には、分割材の乾燥後、接着前のむら取り加工に手間がかかる。
従って、本発明の目的は、2本の芯去り正角材の木裏同士が接合された構成を有し且つ意匠性に優れた平角材を効率良く製造することができ、製造時間の短縮を図ることもできる、平角材の製造方法を提供することにある。
本発明は、1本の丸太から2本の芯去り正角材を切り出す工程、切り出した2本の芯去り正角材をそれぞれ乾燥させる工程、及び乾燥後の芯去り正角材の木裏同士を接着する工程を具備し、2本の前記芯去り正角材を切り出す際には、前記丸太を、その樹芯を挟む互いに平行な2平面で切断して、該芯去り正角材それぞれの木裏面を生じさせることを特徴とする、平角材の製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明の平角材の製造方法によれば、2本の芯去り正角材の木裏同士が接合された構成を有し且つ意匠性に優れた平角材を効率良く製造することができ、製造時間の短縮を図ることもできる。
以下、本発明をその好ましい実施態様に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施態様における各段階を説明するための図であり、図2は、図1に示す方法により得られる平角材の一例を示す側面図である。
本実施態様においては、(1)製材工程、(2)乾燥工程、(3)むら取り加工、及び(4)接合工程を経て、図2に示す平角材5を製造する。
(1)製材工程
平角材を製造する原材料としては、大径木の丸太を用いる。大径木の丸太としては、図1(a)及び図1(b)に示すように、2本の芯去り正角材2A,2Bを木取りできるものを用いる。大径木の樹種は、特に制限されず、例えばスギが好ましく用いられる。
芯去り正角材の製材の際には、1本の丸太1を、該丸太1の長手方向と平行な複数の平面で切断する。丸太の切断には、丸太1を、その長手方向に沿って切断し得る各種公知の装置を特に制限なく用いることができ、例えば、帯鋸、丸鋸等を用いることができる。これらの中でも、帯鋸が好ましい。また、適宜、ツイン丸鋸やツイン帯鋸、ギャングソー等を用いることもできる。
本実施態様においては、図1(a)に示す大径木の丸太1を、同図中に11〜16で示す平面で、この順に順次切断して、図1(b)に示す2本の芯去り正角材2A,2Bを切り出す。図1(b)に示す2本の芯去り正角材2A,2Bのうちの一方の芯去り正角材2Aは、丸太1を、図1(a)中の平面11〜14で切断することにより切り出され、他方の芯去り正角材2Bは、丸太1を、図1(a)中の平面12,13,15,16で切断することにより切り出される。平面11,14,15,16は相互に平行であり、平面12,13も相互に平行である。前記平面11,14,15,16と平面12,13とは垂直に交差している。
図1(a)及び図1(b)から明らかなように、芯去り正角材2A,2Bそれぞれの木裏面21,21は、丸太1を、樹芯1aを挟む互いに平行な2平面14,15で切断して生じたものであり、芯去り正角材2A,2Bそれぞれの木表面22,22は、丸太1を、その外周部近傍の2平面11,16で切断して生じたものである。芯去り正角材2A,2Bそれぞれの4側面(木口面を除く面)のうちの他の2側面23,24は、丸太1を、図1(a)中の平面12,13で切断することに生じたものである。
樹芯1aから平面12,13までの距離は、樹芯1aから平面14,15までの距離より長く、樹芯1aから平面11,16までの距離より短くなっており、芯去り正角材2A,2Bそれぞれの4側面の木目模様は、木裏面21,21が板目又は柾目、木表面22,22が板目、前記2側面23,24が柾目となっている。
本実施態様においては、丸太1を、前記2平面14,15を含む前記平面11〜16で長手方向に沿って切断して2本の芯去り正角材2A,2Bを切り出す際に、前記2平面14,15間に存する樹芯部分3を、図1(b)に示すように板状に切り出している。
丸太1を、樹芯1aを挟む互いに平行な2平面14,15で、切断面が木裏面21,21となるように切断して芯去り正角材2A,2Bを切り出すこと、特に、樹芯部分3を板状に切り出すようにして、芯去り正角材2A,2Bを切り出すことで、製造される平角材5の4側面(木口面を除く面)のうちの寸法が大きい方の2側面53,54に表れる木目模様が、
芯去り正角材2A,2Bの境目に表れる線51を、より目立たなくするものとなり、意匠性に優れた、製品としての価値も高い平角材5が得られる。
また、樹芯部分3を2平面14,15で切断して除去することにより、2本の芯去り正角材2A,2Bを乾燥させる際に生じるねじれや反りの程度が低減されるため、両正角材2A,2Bの接着前に必要に応じて行われる、むら取り加工の手間が軽減され、通直な角材を効率的に得ることができる。
意匠性に優れた平角材5を得る観点及び切り出される2平面14,15間の部分を小さくする観点から、平面14,15間の距離L1〔図1(a)参照〕は、2本の芯去り正角材2A,2Bそれぞれの一辺の長さL2,L2〔図1(b)参照〕の10〜60%であることが好ましく、20〜50%であることがより好ましい。
2本の芯去り正角材2A,2Bとして、一辺が9cm以上の正角材を製材する場合、前記2平面14,15間の距離L1は、1.5〜5cmが好ましく、より好ましくは2〜4cm、更に好ましくは2〜3cmである。樹芯部分3を板状に切り出して、一辺が9cm以上の正角材を製材する場合の、切り出した樹芯部分3の厚みT3〔図1(b)参照〕も、1.5〜5cmが好ましく、より好ましくは2〜4cm、更に好ましくは2〜3cmである。
前記距離L1は、2本の芯去り正角材2A,2Bにおける、2平面14,15での切断により生じた前記木裏面21,21が、切断前の丸太1におけるどの位置に存在していたか(切断面の対応位置)を求め、丸太1の該切断面それぞれの対応位置間の距離を前記距離L1とする。
尚、丸太1を、図1(a)中の平面11〜16で切断することにより、2本の芯去り正角材2A,2B及び樹芯部分3以外に、複数の部分が生じるが、それらは、そのままの形状、あるいは、棒状や板状等の任意の形状に切断され、各種の用途に使用することができる。
(2)乾燥工程
乾燥工程においては、上述のようにして得られた2本の芯去り正角材2A,2Bを、図1(c)に示すように、互いに離間させた状態で、それぞれ乾燥させる。乾燥に際して、2本の芯去り正角材2A,2Bは、同一の乾燥室で同時に乾燥させることが好ましい。芯去り正角材2A,2Bの乾燥方法としては、木材の乾燥方法として従来知られている各種の方法を特に制限なく用いることができ、天然乾燥でも人工乾燥でも良く、両者を組み合わせた方法でも良い。好ましい人工乾燥の方法としては、温度及び湿度を制御可能な乾燥装置内に配置して乾燥させる方法を挙げることができる。人工乾燥と天然乾燥とを併用する方法の好ましい例としては、1〜3ヶ月程度(例えば夏季においては1.5ヶ月、冬季においては2.5ヶ月)の天然乾燥を行った後、40〜70℃(より好ましくは50〜60℃)程度に調節した乾燥装置内で10〜60日程度(より好ましくは5〜30日程度)乾燥する方法が挙げられる。人工乾燥の前に天然乾燥を行うと、個体別にばらばらな含水率を芯まである程度一様に乾燥させることができ、表面や内部の割れを防止しつつ、乾燥工程のエネルギーコストを抑制することができる。
また、人工乾燥方法として、木材を収容した乾燥室内を90度以上に加熱する乾燥工程を含む高温乾燥を行うこともできる。例えば、乾燥室内に蒸気を噴射して初期蒸射を行い、木材内部が蒸気により軟化している間に乾燥室内の温度(乾球温度)を一気に110℃以上(例えば115〜125℃)に加熱して乾燥を開始し、以後、乾燥の進行に伴い、温度を段階的に下げて乾燥を行う方法等を採用することもできる。
2本の芯去り正角材2A,2Bの乾燥は、含水率がそれぞれ15%以下になるように行うことが好ましい。含水率が15%以下となるまで乾燥させることにより、2本の芯去り正角材2A,2B同士の接着性を向上させることができ、更に12%以下となるまで乾燥することにより、特に強度が優れた平角材5を容易に得ることができる。但し、過度に乾燥させようとすると、材の変形が大きくなったり、内部割れ等が生じる恐れが高くなるる。またエネルギーコストも上昇する。従って、乾燥後の含水率は、8%以上であることが好ましく、良好な接着性とエネルギーコスト等とを両立させる観点から、乾燥後の含水率は8〜15%、特に8〜12%であることが好ましい。
ここで、芯去り正角材2A,2Bの含水率は、以下のようにして測定する。
乾燥後の各芯去り正角材2A,2Bの長手方向の中央部を、その長手方向の長さが30mmとなるようにカットしてサンプルとし、そのサンプルの重量W1を測定する。次いで、サンプルを、JIS Z 2201.木材の試験方法 含水率の測定方法に準じて、乾燥機中で105℃に放置し、該サンプルが恒量に達した後の重量W2を測定する。そして、下記式により含水率を求める。
含水率(%)=(W1−W2)/W2×100
乾燥を芯去り正角材2A,2Bの状態で行うことにより、丸太1から直接、大断面の芯持ち平角材を切り出して乾燥する場合に比べて、乾燥を短時間で行うことができ、また、乾燥等を行う場合の取り扱い性も重量が軽いことから容易である。更に、材の表面や内部に割れが発生することも抑制ないし低減することができる。
尚、丸太1から直接切り出した大断面の芯持ち平角材を乾燥させた場合には、例えばスギ材においては、芯を含む心材の含水率が75〜150%もあり、更にその含水率を8〜15%に低下させにくい特性を持つため、材を均一に乾燥することが困難であり、乾燥中に表面や内部に割れが発生し易い。
(3)むら取り加工
むら取り加工においては、乾燥させた2本の芯去り正角材2A,2Bそれぞれにおける少なくとも互いに接合される木裏面(分割の際に生じた製材面)21,21に対してむら取り加工を施す。即ち、乾燥後の芯去り正角材2A,2Bには、反りや歪みが生じていることもあり、そのままでは、接着しても充分な強度が得られない場合があるため、少なくとも両者の相接合する木裏面21,21にむら取り加工を施すことが好ましい。芯去り正角材2A,2Bの4側面のうちの木裏面21以外の面、即ち木表面22、側面23及び側面24の何れか1以上又はそれらの総てにむら取り加工を施すこともできる。木裏面21以外の側面22〜24に対するむら取り加工は、芯去り正角材2A,2Bの接合後に、接合後の仕上げ加工として行うこともできる。
ここで、むら取り加工とは、芯去り正角材2A,2Bの側面(木口以外の面)に生じた反りや歪みを除去する加工である。むら取り加工を施すための手段としては、例えば、むら取りプレーナー、モルダー等の各種公知の装置を用いることができる。
(4)接着工程
接着工程においては、2本の芯去り正角材2A,2Bの何れか一方又は両方における木裏面21,21に、接着剤4を塗工する。図1(d)には、一方の芯去り正角材2Aのみの木裏面21に塗工した例を示した。
接着剤の塗工方法としては、例えば、周面に接着剤が連続して供給される塗工ローラーを用いて塗工する方法がある。また、スプレッダー、ダイコーター等の各種公知の塗工装置を用いることもできる。前述した塗工ローラーとしては、各種公知のものを用いることができ、その周面への接着剤の供給は、ローラー中を通して供給するものでも、周面に外部から直接供給するものでも良い。互いに接着する木裏面21,21は、本実施態様におけるように、樹芯を挟む2平面14,15で丸太1を切断することにより生じた後に、むら取り加工が施された面であっても良い。
接着剤としては、各種公知の接着剤を特に制限なく用いることができ、例えばユリア樹脂、酢酸ビニル樹脂、水性ビニルウレタン樹脂接着剤等を挙げられる。これらの中でも、水性ビニルウレタン樹脂接着剤を用いることが好ましい。水性ビニルウレタン樹脂接着剤を用いると、高強度の平角材、例えば木造住宅の構造材として使用するのに充分な強度を有する平角材が容易に得られると共に、硬化後においても鉄よりも柔らかいので、得られた平角材の切断やほぞ加工などの際に工具等が損傷することを防止ないし軽減することもできる。また、水性ビニルウレタン樹脂接着剤は、平角材の表面に、はみ出しても外観を悪化させない点や、ホルムアルデヒドなどの化学物質を大気中に放散しない点においても有利である。
接着剤の塗工坪量は、使用する接着剤の種類等に応じて適宜に決定できる。
2本の芯去り正角材2A,2Bの接着は、両正角材2A,2Bの木裏面21,21同士を面接させ、重ねた芯去り正角材2A,2Bの上下面間をプレス装置により圧締して行う。芯去り正角材2A,2Bを、側面23,24が水平となるように配置し、水平方向の両側から加圧し圧締しても良い。
プレス装置としては、平盤プレスやロールプレス等の各種公知のものを特に制限なく用いることができるが、平盤プレスを用いることが好ましい。平盤プレスを用いることにより、接合面の全域に亘って均一な圧力を加えながら接着することができ、強度及び外観に一層優れた平角材5を製造することができる。また、プレス装置としては、コールドプレス及びホットプレスの何れも使用することができ、また高周波の照射機能を有するプレス装置を用いることもできる。尚、接着剤は、芯去り正角材2A,2Bの一方又は両方における、木裏面21の全体に亘って塗布することが好ましい。
本実施態様においては、芯去り正角材2A,2Bを一体化させて得られる平角材5に対して更に仕上げ加工を施している。ここで、仕上げ加工とは、平角材5の木口面を除く4側面のうちの少なくとも何れかの側面を平滑にする加工であり、特に芯去り正角材2A,2Bの境目の線51が表面に表れている一対の側面53,54に対して仕上げ加工を施すことにより、一層意匠性に優れた平角材5を得ることができる。仕上げ加工は、4つの側面52,52,53,54の総てに対して施すことが好ましい。仕上げ加工には、むら取り加工に用いた装置と同様の装置を用いることができ、特にモルダーを用いることが好ましい。
このようにして、本実施態様の平角材の製造方法によれば、一本の丸太から大断面の平角材を切り出した場合の該平角材と略同様の木目模様を有する自然感のある平角材5を効率的に製造することができる。本実施態様の方法は、製材方法として大径木の丸太1からの製材歩留まりも高い。
また、得られる平角材5は、図1(e)及び図2に示すように、4側面(木口面以外の面)のうちの寸法が大きい方の2側面53、54の柾目となっており、しかも、その柾目模様は、除去した樹芯部分3の木目を含まないため、芯去り正角材3A,3Bの境目に表れる直線51が目立たない。そのため、平角材5は、意匠性に優れ、製品としての価値も高い。尚、平角材5の4側面(木口面以外の面)のうちの寸法が小さい方の2側面52、52は、芯去り正角材3A,3Bの木表面22からなり、木目模様は板目となっている。
また、本実施態様の平角材の製造方法によれば、乾燥を、芯去り正角材2A,2Bの状態で行うため、乾燥時間の短縮化を図ることができ、延いては製造に要する時間や製造コストの低減を図ることもできる。
本発明で製造される平角材は、多種多様な用途に用いることができ、例えば、木造建築物、特に木造住宅における構造材として好ましく用いることができる。木造建築物の構造材としては、柱、梁、土台等が挙げられる。
本発明で製造される平角材の長さや断面の寸法は具体的な用途に応じて適宜に決定でき、一例を示せば、断面の寸法は80mm×160〜150mm×300mmとすることができる。より具体的には、90mm×180mmの平角材、105mm×210mmの平角材、120mm×240mmの平角材等を例示することができる。
平角材の長さは、例えば2〜15mとすることができる。
尚、丸太の直径は25cm以上、特に30cm以上が好ましい。
また、丸太1から切り出す芯去り正角材2A,2Bは、断面(長手方向に直交する断面)の縦寸法と横寸法が多少異なっていても良い。むら取り加工後についても同様である。但し、縦横の寸法比は0.8〜1.2程度が好ましく、0.9〜1.1程度がより好ましく、0.95〜1.05が更に好ましく、1が特に好ましい。
断面の縦寸法と横寸法が異なる場合、前記距離L1は、前記平面14,15に直交する方向の長さL2に対して前述した割合であることが好ましい。
以上、本発明を、その好ましい一実施態様に基づいて説明したが、本発明は、斯かる実施態様に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜に変更可能である。
例えば、互いに接合する一対の芯去り正角材は、同一個体の丸太から得られたものであることが好ましいが、別の個体から得られたものであっても良い。例えば、多数本の丸太のそれぞれから2本の芯去り正角材を切り出した後、それらを、個体を区別することなく任意に2本づつ組み合わせて接合しても良い。
また、上述した実施態様においては、図1(a)に示す平面12,13,14,15の4平面で切断して、丸太1の樹芯部分3を、芯去り正角材2A,2Bと同じ幅の板として切り出したが、平面12,13で切断することなく平面14,15で切断して、丸太1の樹芯部分3を、丸太1の直径と略同じ幅を有する板状に切り出してもよい。更に、丸太1の樹芯部分3を、複数に分割した棒状体や板状体等として切り出してもよい。
また、上述した実施態様のように、平面11〜16の6平面で丸太1を切断する場合においても、6平面を切断する順序は、適宜に変更することができる。2平面以上を同時に切断しても良い。
また、丸太から切り出した2本の芯去り正角材は、平角材5の長さと同じ長さの一本の無垢材のまま接合して平角材5を製造することが好ましいが、互いに接合する正角材の一方又は両方として、乾燥前、乾燥後むら取り加工前、あるいは、むら取り加工後に、欠点を取り除いたり長手方向に延長したりするために、フィンガージョイント等で長手方向につないだものを用いてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
直径360mmの断面円形のスギの丸太を、図1(a)に示す木取りで切断し、断面寸法がそれぞれ135mm×135mmである2本の芯去り正角材及び断面寸法が30mm×135mmである1本の板状の樹芯部分を切り出した。2本の芯去り正角材それぞれの木裏面の位置を、切断前の丸太の断面図に書き込み、その木裏面間の距離を求めたところ、前記距離L1〔図1(a)〕は36mmであった。
得られた2本の芯去り正角材を、温度及び湿度を制御可能な乾燥装置に入れ、それぞれを、相互に分離した状態において乾燥させた。
次いで、芯去り正角材の木口面を除く4側面それぞれに対してモルダーを用いてむら取り加工を施し、むら取り加工後の両芯去り正角材(断面寸法135mm×125mm)の木裏面同士を水性ビニルウレタン樹脂接着剤を用いて接着した。最後に、モルダーにて最終仕上げを行い、断面寸法が120mm×240mmの平角材(長さ4m)を得た。
得られた平角材は、芯去り正角材の境目に表れる直線51が、側面の柾目模様に埋もれて目立たず、意匠性に優れていた。また、強度的にも、木造住宅の構造材(柱材、梁材等)として使用するに充分な強度を有していた。
図1(a)〜図1(e)は、本発明の一実施態様における各段階を示す工程図であり、図1(a)は、原材料として使用する大径木の丸太の断面を、木取り(挽道)を示す直線と共に示す図であり、図1(b)は、丸太から切り出した芯去り正角材及び樹芯部分を示す図であり、図1(c)は、乾燥工程における2本の芯去り正角材を示す断面図であり、図1(d)は、接着剤を塗工した後の芯去り正角材を示す断面図であり、図1(e)は、製造される平角材を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施態様により得られる平角材の側面を示す側面図である。
符号の説明
1 丸太
2A,2B 芯去り正角材
21 木裏面
22 木表面
3 樹芯部分
4 接着剤
5 平角材
51 芯去り正角材の境目に表れる直線

Claims (3)

  1. 1本の丸太から2本の芯去り正角材を切り出す工程、切り出した2本の芯去り正角材をそれぞれ乾燥させる工程、及び乾燥後の芯去り正角材の木裏同士を接着する工程を具備し、2本の前記芯去り正角材を切り出す際には、前記丸太を、その樹芯を挟む互いに平行な2平面で切断して、該芯去り正角材それぞれの木裏面を生じさせることを特徴とする、平角材の製造方法。
  2. 前記2平面での切断は、該2平面間に存する樹芯部分が板状に切り出されるように行う、請求項1記載の平角材の製造方法。
  3. 2本の前記芯去り正角材として、それぞれ、一辺の長さが9cm以上の正角材を切り出し、前記2平面間の距離を1.5〜5cmとする、請求項1又は2記載の平角材の製造方法。
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