JPH07147457A - パッケ−ジされた半導体レ−ザおよびその作成方法 - Google Patents

パッケ−ジされた半導体レ−ザおよびその作成方法

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JPH07147457A JP6184136A JP18413694A JPH07147457A JP H07147457 A JPH07147457 A JP H07147457A JP 6184136 A JP6184136 A JP 6184136A JP 18413694 A JP18413694 A JP 18413694A JP H07147457 A JPH07147457 A JP H07147457A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レ−ザを汚染による損傷から保護すること。 【構成】 ハイパワ−半導体レ−ザのためのパッケ−ジ
が酸素を含んだ乾燥したガス媒体を充填され気密シ−ル
された容器よりなる。このパッケ−ジは有機不純物に対
するゲッタ−をも具備しうる。またこのパッケ−ジの材
料の水素含有量は高温で長時間、例えば150℃で200時間
焼成することによって還元されうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】パッケ−ジ化されたハイパワ−半
導体レ−ザ、そのための方法およびパッケ−ジに関す
る。
【0002】
【従来の技術】レ−ザの安定性を維持しかつレ−ザの寿
命を長くするためには、半導体レ−ザ材料に対して比較
的不活性の特に温度、湿度および雰囲気のようなレ−ザ
動作環境を制御する必要があり、この点については、酸
素を含まない雰囲気がレ−ザ寿命を長くすることが知ら
れている。また、レ−ザ材料との反応を防止しかつレ−
ザ動作に関連する極小電気回路の集積度を保持するため
には乾燥した雰囲気が好ましい。適切な超小形回路のパ
ケ−ジングに関するさらに詳細な論述については、"Con
siderations in the Hermetic Packaging of Hybrid Mi
crocircuits", Byrnes et al., Solid State Technolog
y, 1984を参照されたい。例えば、ヘリウム・トレ−サ
を含む乾燥した窒素の雰囲気が好ましいレ−ザ動作環境
を与える。本明細書で使用されている乾燥という用語は
一般に水分の含有量が約5000ppm以下であるガス状媒体
を意味する。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかし、半導体レ−
ザ切子面パワ−が50mW以上に増大しているから、安定し
た長期のレ−ザ動作のための一般に受入れられている対
応策では不十分であることが判明している。約2ミクロ
ン×1ミクロンの切子面寸法を有するレ−ザの場合に
は、50mWのパワ−出力が1 megawatt/cm2までのオ−ダ−
の切子面における平均パワ−密度にとなる。レ−ジング
空洞を本質的に画成するレ−ザ端部切子面は反射率が変
更し得るかつ乾燥したヘリウム/窒素雰囲気でハイパワ
−・レ−ザが動作される場合には破壊されるおそれさえ
ある。容器を汚染するおそれのある物質としては、ハイ
パワ−の半導体レ−ザ装置を作成する際に使用されて切
り子面被覆の表面に達する粒子状およびガス状の汚染を
生じかつその上に不純物の堆積を生ずる半田、フラック
ス、油、エポキシおよびクリ−ニング剤がある。そのよ
うな堆積は切り子面の反射率を変化させ、伝送されるパ
ワ−を低下さえ、かつ切り子面の加熱および事実上のレ
−ザの故障の原因となる切り子面における吸収率を増大
させる。したがって、レ−ザの安定性および長寿命化を
確保しつつハイパワ−を要求するこれらのレ−ザ用途に
対処するためには新しい対応策が必要とされる。
【0004】本発明はレ−ザ材料を保護する環境を提供
することによってハイパワ−半導体レ−ザの安定してい
て、長期の、連続した動作の必要性を満たすものであ
る。ここで「ハイパワ−半導体レ−ザ」とは少なくとも
50mWの正面切り子面パワ−を有する半導体レ−ザのこと
である。レ−ザの正面切り子面は非常に小さいので、ハ
イパワ−の等価的な定義は1メガワット/cm2以上のオ−
ダ−の正面切り子面パワ−密度として表わされうる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の基本的な態様に
おいては、パッケ−ジ・ハイパワ−半導体レ−ザはレ−
ザと、少なくとも100ppmの酸素を含んだガス状媒体を充
満され気密シ−ルされた容器によって包囲されたゲッタ
よりなる。本発明の他の有益な態様および展開について
は特許請求の範囲から理解されるであろう。驚くべきこ
とには、容器のガス状媒体中に酸素を混入させることに
よって、シ−ルを行う時点で容器内に存在している残留
有機不純物から生ずるレ−ザの切り子面に対する損傷の
危険性を大幅に低下させる。このような雰囲気はハイパ
ワ−半導体レ−ザの有効寿命を実質的に延長させるが、
酸素を含んだ雰囲気と有機材料を吸着または吸収(トラ
ッピング)することができるゲッタ材料との組合せによ
って、その有効寿命がさらに延長されることになる。こ
のように長くなった寿命は、10年以上の寿命が期待さ
れる通信の分野で使用されるハイパワ−半導体レ−ザに
対して特に重要である。酸素はレ−ザ切り子面構造から
堆積物を実質的に除去するようにあるいは切り子面構造
上の堆積の前に不純物と反応してその上に堆積物が形成
されるのを防止し、それによってレ−ザ切り子面構造に
対する損傷を回避するように作用しうる。超小型回路に
対して水分が悪影響を及ぼすから、1000ppm以下の非常
に低い水分含有量が好ましい。
【0006】レ−ザの容器の壁を形成するために水素含
有量の少ない金属のような材料を使用すれば、容器の壁
から釈放された水素と不純物コントロ−ルのために容器
内に含まれた酸素との間の反応の結果として容器内に水
分が生成されるのを最少限に抑えるという重要な利益が
得られる。望ましい低水素レベルを得るための好ましい
方法は完全な容器の組み立てに先立って、例えば150℃
のような高温で、例えば約200時間のような長時間にわ
たって容器材料を焼成することである。
【0007】
【実施例】図1は当業者には馴染みの半導体レ−ザの構
造を示している。レ−ザ本体3の前部および後部切り子
面10および12はそれぞれ互いに実質的に平行な劈開
面である。これらの切り子面はケイ素の層でありうるパ
シベ−ション層5によって保護される。このパシベ−シ
ョン層はレ−ザ切り子面を汚染および腐食から保護する
作用をする。このパシベ−ション層はまたレ−ザ切り子
面を酸化からも保護する。前部切り子面ミラ−9はレ−
ザ波長の約4分の1の厚さの被覆である。後部切り子面
ミラ−7は反射性物質の一連の層で構成されており、こ
の場合、隣接した層は一般に異なる材料よりなる。ミラ
−7を形成する層の数、組成および厚さは前部切り子面
と後部切り子面の伝送パワ−の目標比を与えるように選
定される。典型的な前部および後部切り子面パワ−比は
約40:1である。
【0008】図1に示された一般的なタイプの半導体レ
−ザの故障の可能な機構は下記のとおりである。
【0009】レ−ザ切り子面における放出面積は10平
方ミクロン以下でありうる。したがって、パワ−・レベ
ルが50mWに達するかあるいはそれを超える場合には、切
り子面の単位面積を横切るフォトンの数(フォトン束)
は比較的大きい。レ−ザ・エンクロ−ジャ内のトレ−ス
不純物とフォトンが反応する確率はフォトン束に比例し
て生ずる。したがって、この確率は切り子面ミラ−にお
けるまたはその近傍における不純物分子のフォトン破壊
に伴って増大する。あるいは、フォトン束が切り子面ミ
ラ−におけるあるいはそれの近傍における不安定なまた
は揮発性の不純物分子を励起し、それによって不純物の
反応性を増大させ、そしておそらく切り子面ミラ−上に
堆積物を生ずることになるであろう。また、ヒアパワ−
半導体レ−ザは特に通信の分野では一般に連続して動作
されるから、切り子面ミラ−上に不純物分子が堆積され
ると、不純物の場所における連続して照射されるレ−ザ
光の吸収の結果としての局部的な加熱によって問題が迅
速に拡大する。
【0010】不純物分子は製造工程で使用される半田フ
ラックス、エポキシ、あるいは例えばイソプロピルアル
コ−ルまたはOPTICLEAR(光学材料のためのクリ−ニン
グ剤の商品名)のようなクリ−ニング剤の残留物から生
じうる。エポキシについては、この材料の長時間硬化が
不純物発生を除去はしないが軽減する助けをする。これ
らの材料に見られる有機化学物質の例としてはプロペ
ン、テルペンおよびアビエチン酸がある。このような炭
素鎖に対する赤外線フォトンの作用は水分を除去し、切
り子面ミラ−を形成している材料中の原子と結合し得る
反応性炭素鎖フラグメントを残しうる。他の機構は、フ
ォトンが炭素鎖から水素を除去し、それによって反応性
炭素鎖フラグメントを生成するものである。アルミナお
よび窒化ケイ素がミラ−材料の例である。レ−ザ容器中
に自由酸素が存在することが、反応性フラグメントが切
り子面ミラ−に結合する前にそのフラグメントに結合す
ることによって切り子面ミラ−を保護しうる。あるい
は、その酸素は反応性種の励起された状態を抑制して切
り子面ミラ−を保護する作用をしうる。他の可能性は、
自由酸素分子が「ミラ− - 原子」 - 「炭素鎖フラグメ
ント」を破壊し、切り子面ミラ−から反応性フラグメン
トを除去することである。このようにして、酸素は不純
物分子に対するゲッタ−として効果的に作用する。
【0011】上記のシナリオでは、切り子面ミラ−また
は切り子面構造を保護するために必要とされる酸素の量
は不純物分子の数と酸素に結合し得る容器中に存在する
他の反応性場所の数に依存するであろう。必要とされる
酸素の量は不純物分子の種類にも依存するであろう。し
たがって、容器に充填さえるガス媒体に添加すべき酸素
の適切な量の決定は一般に実験的に行なわれる。酸素が
有する知られた悪影響、すなわち水素と反応して、超小
型回路の集積度を阻害するおそれのある水分を生ずるこ
とのために、容器内のガス媒体に添加すべき酸素の好ま
しい量は、切り子面構造の特性を一定に維持するのに十
分な量である。
【0012】フォトンによって不純物が破壊されるとい
る仮定された現象はよりハイパワ−の(より高いフォト
ン束)前部切り子面において最も生じやすい。自由酸素
が存在しない場合には、光反応生成物が切り子面構造に
結合するかあるいはその切り子面構造、特に前部切り子
面のミラ−の上に堆積物を生成するおそれがある。その
堆積物は切り子面ミラ−の反射率または吸収率を変化さ
せるおそれがある。上昇した吸収率が切り子面における
温度を切り子面材料の融点まで上昇させ、レ−ザを破壊
するおそれがある。したがって、低いパワ−レベルでは
本質的に取るに足りないトレ−ス不純物が、パワ−レベ
ルおよびそれに関連したフォトン束が増大するにつれて
重要になりうる。フォトン束の低いレ−ザに対して最大
のレ−ザ寿命を実現するための成功可能な対応策はフォ
トン束の高いレ−ザに対しては効果的でなくなりうる。
【0013】光反応が生じているとすると、切り子面の
近傍に存在する酸素のような反応性ガスが上述のように
光反応の反応性生成物と結合して、これらの反応性生成
物が切り子面ミラ−上に析出するのを防止するか、ある
いは切り子面ミラ−にすでに結合している反応性生成物
を除去すると考えられる。このように、酸素は、従来技
術で教示されているように超小型回路の寿命を短くする
潜在的要因に対してレ−ザ雰囲気の保護要素となる。
【0014】上述した機構の有効性は本発明にとって不
可欠でもなければ、またその機構は本発明の機能にとっ
て必要でもないことが理解されるであろう。
【0015】下記の実施例で説明されるように、イソプ
ロピルアルコ−ルのような物質で容器の内側をクリ−ニ
ングし、その容器に乾燥した不活性ガスを充填し、そし
てレ−ザ容器を気密シ−ルすることを含むレ−ザ・パッ
ケ−ジングのための例えばMIL-STD-1772Aのような標準
的な手法は、ハイパワ−レ−ザ、すなわち少なくとも50
mWの前部切り子面パワ−を生ずるレ−ザの場合には、数
十時間のオ−ダ−の許容できない短いレ−ザ寿命を生ず
ることが認められた。
【0016】乾燥した空気がレ−ザ・エンクロ−ジャ雰
囲気内に導入されたことを除き標準の手法でパッケ−ジ
されたレ−ザは許容し得る寿命を示した。さらに、乾燥
した不活性の雰囲気で動作された場合にパワ−が劣化し
はじめたある種のレ−ザは、空気の環境が導入された場
合に回復することが認められた。
【0017】上述のように、レ−ザ・エンクロ−ジャに
充填するために用いられる雰囲気は少なくとも100ppmの
酸素と、約1000ppm以下の水分を含むことが好ましい。
市販の「再生空気」(reconstituted air)がその雰囲
気に対する適当な供給源である。例えば、オレゴン州ポ
−トランドのエアコ ガス インコ−ポレイテッドによ
って市販されているエア・プロデュ−ス・ナンバ−00.1
(air produce number0.001)が本発明に従ってレ−ザ
をパッケ−ジするのに使用できる。その製造者によって
報告されているように、この生成物は下記の組成を有す
る: -20%O2(典型値); -80%N2(典型値); 0.2ppm
CO(典型値); <0.1ppm CO2(典型値);<0.1ppm NO
x(典型値); <0.1ppm全炭化水素(保証値); および<3
ppmH2O(保証値)
【0018】レ−ザを酸素でパッケ−ジすることに加え
て、レ−ザ・エンクロ−ジャ内に吸着性または吸収性の
ゲッタ−が含まれることも好ましい。この目的に対して
は種々のケッタ−材料が使用できる。この材料は下記の
特性を有していなければならない。1)それは限定され
た量の材料がレ−ザ・エンクロ−ジャ内に含まれさえす
ればよいように有機不純物に対する実質的な吸着または
吸収容量および好ましくは実質的な固有の吸着または吸
収容量を有していなければならない;2)使用時ゲッタ
−の温度が変化しても実質的な量の吸着または吸収され
た不純物が釈放されないように、それの吸着または吸収
容量がエンクロ−ジャの動作温度範囲にわたって(例え
ば約-40℃〜約85℃の範囲にわたって)レ−ザおよびそ
れの回路を保護するのに十分のままでなければならな
い;3)それは出荷、運搬および使用時に実施的な物理
的一体性を呈示しなければならない、例えば、材料が釈
放する切り子面ミラ−に付着し得る塵埃または粒状物が
最少限でなければならない;そして4)材料が容器内に
導入される前に有機汚染物が材料から容易に除去される
ことができなければなあない、すなわち、材料が使用前
にパ−ジできなければならない。
【0019】特定のレ−ザ・エンクロ−ジャに対して使
用されるゲッタ−の量は、レ−ザパッケ−ジのために選
択されたゲッタ−材料の固有の特性、シ−リング時にお
けるエンクロ−ジャ内の有機不純物の公称量、およびエ
ンクロ−ジャの容積に基づいた経験的決定を少なくとも
部分的に含むであろう。一般的に言えば、例えば1グラ
ム当り100平方メ−トルのオ−ダ−の表面積のような大
きい固有表面積を有しかつ実質的な容積の有機化合物を
収容することができる相互接続気孔寸法分布を有するゲ
ッタ−材料の場合には、エンクロ−ジャの各cm3に対し
て約0.1グラムのゲッタ−が使用されなければならな
い。
【0020】好ましくは、ゲッタ−材料はレ−ザ・エン
クロ−ジャ内への混入を容易にするためにブロック形式
で用いられる。例えば、エンクロ−ジャに対するカバ−
の内側表面上にゲッタ−材料のブロックが取り付けられ
る。一般に、この取り付けは例えばエポキシまたは接着
剤のような有機材料を用いてはならず、機械的手段によ
るべきである。例えば、ワイヤまたはばねクリップある
いはネジ取り付けを用いることができる。同様に、例え
ば透孔がゲッタ−材料のブロックに形成され、ゲッタ−
がエンクロ−ジャのカバ−の内表面上に配置され、そし
てそのゲッタ−が上記透孔を通じて溶融半田を注入する
ことによってカバ−に半田づけされる機械的な半田取り
付けを用いることができる。もちろん、もし所望されれ
ば、他の取り付け手段を用いることもできる。
【0021】本発明を実施するために使用するのに適し
たゲッタ−材料の例としては、コ−ニング インコ−ポ
レイテッド(ニュ−ヨ−ク州コ−ニング)から製品番号
7930として販売されているVYCORブランド多孔
質シリカのような種々の多孔質シリカおよびダブリュウ
・ア−ル・グレ−ス・アンド・カンパニから製品番号1
0Aとして販売されているNa-Al-Siゼオライトのような
種々のゼオライトを含む。本発明を実施する場合には必
要に応じてゲッタ−材料の混合物を使用してもよい。
【0022】上述のように、パッケ−ジング雰囲気内の
酸素は有機不純物によるレ−ザ損傷を最小限に抑えると
言う重要な機能を果す。しかし、酸素を使用することに
は、その酸素がレ−ザ・エンクロ−ジャ内で水素と反応
して水分を生成するという難点がある。その水分は例え
ば半導体レ−ザを含むエンクロ−ジャ内の電子部品を接
続する導体間に短絡回路を形成することによってそれら
の部品の全体的な動作に悪影響を及ぼすおそれがある。
上述したVYCOR材料のような有機不純物に加えて、
水分を吸着または吸収するゲッタ−材料を使用すること
によって、この問題を最少限に抑えることができる。
【0023】本発明によれば、酸素を含んだ雰囲気の酸
素と反応するためにエンクロ−ジャ内における炭化水素
の量を減少させることによって、この水分の問題にも対
処する。容器の壁を形成するために使用されている金属
がエンクロ−ジャ内における水素の主たる供給源であ
る。例えば、電子エンクロ−ジャを構成するために使用
する一般的な材料は、ニッケルと金を電気メッキしたコ
バ−ル(Kovar)(ニッケルとコバルトの合金)であ
る。コバ−ルは、製造時に、通常水素中でアニ−ルされ
る。同様に、電気メッキ処理時に、水素が発生され、そ
れが金属に吸収される。時間とともに、水素がその金属
から放出され、エンクロ−ジャ内の酸素と反応し、そし
て水分を生成する。したがって、水素の問題は通常最初
は現れないが、半導体レ−ザ装置が酸素を含む雰囲気内
にシ−ルされた後でエ−ジングするにつれて現れて来
る。
【0024】本発明は容器を形成するために用いられた
材料を予備処理することによって水素問題に対処する。
すなわち、その材料はそれに吸着または吸収された水素
の量を実質的に減少させるために高温でかつ長期間にわ
たって焼成される。例えば、ニッケルと金をメッキした
コバ−ルの場合には、その焼成は約150℃の温度で約200
時間のあいだ行うことができる。焼成温度を約350℃ま
で上昇することによって水素をされに減少させることが
できるが、一般には、そのような高い温度での処理は必
要とされない。メッキされるコバ−ルに対して使用され
る温度と時間はシ−ルされたエンクロ−ジャを構成する
ための公知の他の材料にも一般的に適用可能である。
【0025】比較実施例 1 実質的に図1に示されている構造を有する980 nm InGaA
s 半導体レ−ザがスイス国チュ−リッヒにあるIBMの研
究所から得られた。レ−ザ・ミラ−が前部切り子面を通
じて全体のパワ−の90%を、そして後部切り子面を通じ
て10%を伝送するように構成された。このレ−ザが195m
Aの駆動電流で動作され、150mWの前部切り子面パワ−を
発生した。このレ−ザが1:9の比でHe/Nの混合物を充填
され気密シ−ルされた容器内に入れ込まれた。シ−リン
グの前に、容器がイソプロピルアルコ−ルおよびOPTICL
EARでクリ−ニングされた。レ−ザを取巻いている雰囲
気の水分含有量は<1000PPMであった。
【0026】980NM波長に感応する半導体フォトダイオ
−ドが後部切り子面パワ−を時間的に連続してモニタす
るために用いられた。このレ−ザに対して選択された前
部切り子面パワ−と後部切り子面パワ−との比のため
に、前部切り子面パワ−をほんの少ししか低下させない
前部ミラ−反射率の小さい増加がそれに比例した大きさ
の増加を後部切り子面パワ−に生ずる。したがって、後
部切り子面モニタは前部切り子面反射率の小さな変化に
感応する。図4はプラットフォ−ム25上に取り付けら
れたレ−ザ21と後部切り子面フォトダイオ−ド23の
破断図である。この構造物が容器27内にシ−ルされ
る。
【0027】図2を参照すると、曲線13はHe/N雰囲気
を有する比較実施例1の装置をテストしている約45時間
の間に観察された後部切り子面パワ−の増加を示してい
る。急激な上昇傾向は前部切り子面反射率の増加、した
がって早期レ−ザ故障を示している。
【0028】比較実施例 2 図2の曲線11は比較実施例1のレ−ザと本質的に同一
のレ−ザについて測定された後部切り子面パワ−を示し
ている。このレ−ザは、乾燥したHe/N混合物が空気で置
換された点を除き実施例1のレ−ザと同じ手法を用いて
パッケ−ジされた。264時間後に、後部切り子面パワ−
曲線が正常となり、正常なレ−ザ寿命予測を示した。
【0029】比較実施例 3 980 nm InGaAs レ−ザが実施例1で説明した乾燥した不
活性雰囲気にパッケ−ジされた。この場合にも、駆動電
流は約95mAであり、かつ初期前部切り子面パワ−は約15
0mAであった。図3を参照すると、曲線15は後部切り
子面パワ−の単調な増加を示している。このデ−タは早
期レ−ザ故障を予測している。このテストはレ−ザの故
障の約100時間前に停止された。
【0030】比較実施例 4 実施例3のレ−ザ容器が、その容器の気密シ−ルを破壊
して周囲の空気が入り込むことができるようにして周囲
の空気中でパンクされた。レ−ザ駆動電流が再度印加さ
れ、そして後部切り子面パワ−のモニタが開始された。
曲線17は後部切り子面パワ−が公称レベルまで低下
し、そして正常なエ−ジング傾斜をもって継続する状態
を示している。正常なエ−ジング傾斜は500時間で後部
切り子面パワ−に約5%の低下が生ずるようなものであ
る。すなわち、レ−ザの後部切り子面パワ−は最初の50
0時間の動作で約5%低下する。
【0031】乾燥した空気中でレ−ザを反復してテスト
した結果、乾燥したHe/N混合物の雰囲気よりもその雰囲
気の方が優れていることが判った。
【0032】容器を完全にクリ−ニングすることによっ
て蒸気不純物を非常に低いレベルまで少なくすることが
できるので、レ−ザ切り子面ミラ−の完全性を維持する
には100ppm程度の低い酸素レベルで十分でありうると考
えられる。一般に、有機不純物はクリ−ニングによって
最少限に抑えられうる。逆に言えば、蒸気不純物レベル
が比較的高い場合には、酸素レベルは存在する不純物分
子と化学量論的に反応するように高められなければなら
ない。酸素濃度は有機不純物の無害な酸化生成物を生成
する反応が熱力学的に強く支援される。この場合には、
酸素の量は化学量論的量よりも多いであろう。
【0033】酸素以外の空気を構成している他の元素お
よび化合物ガスはハイパワ−レ−ザ切り子面構造の完全
性を保存するのに好ましいとは考えられない。したがっ
て、酸素と多数の一般に知られたガスとの混合物はハイ
パワ−半導体レ−ザに適したガス媒体として作用する。
例えば、アルゴン、ヘリウムまたは窒素と酸素との混合
物はレ−ザに適した雰囲気を構成するであろう。
【0034】図4における光導波路増幅器ファイバ19
はレ−ザ21の前部切り子面に結合されかつ容器27の
壁を貫通している状態で示されている。この構造は増幅
器ファイバにパワ−を与えるポンプ・レ−ザの典型的な
ものである。
【0035】比較実施例 5 実施例1で説明されたタイプの980nm InGaAs半導体レ−
ザが、増幅器ファイバにパワ−を与えるためにこのレ−
ザを使用するための他の部品と一緒に、酸素を含んだ雰
囲気を充填された低水素コバ−ル容器にVYCORガラ
ス・ゲッタ−(製品番号7930)とともに下記のよう
にしてパッケ−ジされる。
【0036】このレ−ザのための容器は、レ−ザと他の
部品を保持するための本体部分と、VYCORゲッタ−
を担持するためのカバ−の2つの部分よりなるものとし
て、金とニッケルをメッキされたコバ−ルで作成され
る。これら2つの部分はN2でパ−ジされた炉内で150℃
において200時間焼成される。容器の内部容積は約5cm3
である。
【0037】VYCORゲッタ−が、材料を活性化する
ためおよび予め吸着または吸収された有機物を除去する
ために、650℃において少なくとも0.5時間焼成される。
約0.75グラムの重量を有する材料の部分が100℃におい
て12時間、真空焼成される。最後に、上記2つの部分が
上述した00.1空気生成物の雰囲気で一緒にシ−ルされ
る。このシ−リングはフラクッスレス、電気抵抗加熱に
よって行われる。
【0038】
【発明の効果】本発明による半導体レ−ザは、長期間に
わたって、すなわち5000時間以上にわたって、パッケ−
ジ内に最少限の自由な水分をともなって、すなわちテス
ト期間の終りにおいてパッケ−ジ雰囲気における水分の
濃度が5000ppm以下で十分に動作することが認められ
た。したがって、このようにパッケ−ジされたハイパワ
−半導体レ−ザは電気通信システムにおける増幅器ファ
イバにパワ−を与えるために使用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レ−ザの展開図である。
【図2】乾燥した不活性雰囲気中にパッケ−ジされた半
導体レ−ザについて時間的に測定された後部切り子面パ
ワ−を、空気でパッケ−ジされたレ−ザと比較して示し
たグラフである。
【図3】乾燥した不活性雰囲気中にパッケ−ジされた半
導体レ−ザについて時間的に測定された後部切り子面パ
ワ−を、空気中にパッケ−ジされたレ−ザと比較して示
したグラフである。
【図4】容器内に取り付けられたレ−ザ装置を破断して
示す側面図である。
【符号の説明】
3 レ−ザ本体 5 パシベ−ション層 7 後部切り子面ミラ− 9 前部切り子面ミラ− 10 前部切り子面 12 後部切り子面 21 レ−ザ 23 後部切り子面フォトダイオ−ド 25 プラットフォ−ム 27 容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール アンソニ ジェイコブソン アメリカ合衆国ニューヨーク州14830、コ ーニング、レキシントン ストリート 147 (72)発明者 ジュリア アリソン シャープス アメリカ合衆国ニューヨーク州14830、コ ーニング、シーダー ストリート 176

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッケ−ジされた半導体レ−ザにおい
    て、 レ−ザまたはハイパワ−半導体レ−ザと、 有機不純物を吸着または吸収するための必要に応じたゲ
    ッタ−と、 前記レ−ザと前記必要に応じたゲッタ−を包囲した気密
    シ−ルされた容器を具備しており、前記容器は酸素含有
    量が100ppm以上であるガス媒体を充填されているパッケ
    −ジされた半導体レ−ザ。
  2. 【請求項2】 切り子面構造を有しており、酸素の量が
    前記切り子面構造に対する不純物で有機される損傷を防
    止するのに十分である請求項1のレ−ザ。
  3. 【請求項3】 前記容器が水素還元処理を施された材料
    よりなる請求項1または2のレ−ザ。
  4. 【請求項4】 前記水素還元処理が高温で、好ましくは
    約150℃で約200時間前記材料を焼成することよりなる請
    求項3のレ−ザ。
  5. 【請求項5】 多孔性シリカまたはゼオライトよりなる
    ゲッタ−を有している請求項1のパッケ−ジされたハイ
    パワ−半導体レ−ザ。
  6. 【請求項6】 前記容器がカバ−を有し、かつゲッタ−
    がそのカバ−によって担持されているか、あるいはその
    カバ−に機械的に付着されている請求項1〜5のうちの
    1つによるパッケ−ジされたハイパワ−半導体レ−ザ。
  7. 【請求項7】 前記ガス媒体の水分含有量が5000ppm以
    下、好ましくは1000ppm以下である請求項1〜6のうち
    の1つによるパッケ−ジされたハイパワ−半導体レ−
    ザ。
  8. 【請求項8】 前記ガス媒体がレ−ザの材料に対して比
    較的不活性な成分よりなる請求項1〜7のうちの1つに
    よるレ−ザ。
  9. 【請求項9】 光導波路増幅器ファイバをポンピングす
    るための装置で使用される請求項1〜8のうちの1つに
    よるレ−ザ。
  10. 【請求項10】 レ−ザが少なくとも50mWの前部切り子
    面ぱわ−で実質的に連続的に動作され、かつ/または約
    800ppmから約1600ppmまでの範囲内の波長で動作する請
    求項9のレ−ザ。
  11. 【請求項11】 レ−ザ材料に対して比較的不活性の成
    分を含みうるガス媒体を充填された容器内に前記レ−サ
    を気密封入し、前記容器がレ−ザに対する不純物で誘起
    される損傷を防止するのに効果的な量の酸素を含んでい
    ることを特徴とする請求項1〜9のうちの1つによるハ
    イパワ−半導体レ−ザを作成する方法。
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