JPH07145244A - 接着性組成物 - Google Patents
接着性組成物Info
- Publication number
- JPH07145244A JPH07145244A JP29196493A JP29196493A JPH07145244A JP H07145244 A JPH07145244 A JP H07145244A JP 29196493 A JP29196493 A JP 29196493A JP 29196493 A JP29196493 A JP 29196493A JP H07145244 A JPH07145244 A JP H07145244A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive composition
- component
- fluororubber
- organic
- composition according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】(A)シランカップリング剤、(B)有機ケイ
酸エステルまたはその部分加水分解縮合物、(C)有機
チタン酸エステル、アルミニウムアルコキシド、または
これらの縮合物、(D)一般式ROOH(Rは1価の炭
化水素基)で示される有機ハイドロパーオキサイドを含
有する接着性組成物。 【効果】有機過酸化物加硫可能なフッ素ゴム用のプライ
マー組成物として、強力な接着強度が得られ、しかもそ
の接着層は耐熱性や耐油性に優れる。
酸エステルまたはその部分加水分解縮合物、(C)有機
チタン酸エステル、アルミニウムアルコキシド、または
これらの縮合物、(D)一般式ROOH(Rは1価の炭
化水素基)で示される有機ハイドロパーオキサイドを含
有する接着性組成物。 【効果】有機過酸化物加硫可能なフッ素ゴム用のプライ
マー組成物として、強力な接着強度が得られ、しかもそ
の接着層は耐熱性や耐油性に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプライマー組成物に関
し、さらに詳しくは有機過酸化物加硫可能なゴム用の特
にフッ素ゴム用の接着性組成物に関する。
し、さらに詳しくは有機過酸化物加硫可能なゴム用の特
にフッ素ゴム用の接着性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素ゴムを加硫成形時に各種被着体と
接着させるためのプライマーとして、従来エポキシ系の
プライマーが優れた接着強度を有するとして広く使用さ
れているが、フッ素ゴムとして有機過酸化物加硫系のフ
ッ素ゴムを用いた場合には各種被着体との接着性はかな
らずしも十分ではなく、またプライマー層の耐熱性、耐
油性等も満足できるものではなかった。また、シランカ
ップリング剤系のプライマーでは十分な接着強度が得ら
れなかった。
接着させるためのプライマーとして、従来エポキシ系の
プライマーが優れた接着強度を有するとして広く使用さ
れているが、フッ素ゴムとして有機過酸化物加硫系のフ
ッ素ゴムを用いた場合には各種被着体との接着性はかな
らずしも十分ではなく、またプライマー層の耐熱性、耐
油性等も満足できるものではなかった。また、シランカ
ップリング剤系のプライマーでは十分な接着強度が得ら
れなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性、耐油性、耐水性等を有し、かつ、有機過酸化
物加硫系のフッ素ゴムの加硫成形時における種々の金
属、ガラス、セラミックス、樹脂および木材等との接着
に際して強力な接着強度を有するプライマー組成物など
の接着性組成物を提供することにある。
た耐熱性、耐油性、耐水性等を有し、かつ、有機過酸化
物加硫系のフッ素ゴムの加硫成形時における種々の金
属、ガラス、セラミックス、樹脂および木材等との接着
に際して強力な接着強度を有するプライマー組成物など
の接着性組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決するためになされたものであり、(A)シランカ
ップリング剤、(B)有機ケイ酸エステルまたはその部
分加水分解縮合物、(C)有機チタン酸エステル、アル
ミニウムアルコキシド、およびこれらの縮合物からなる
群から選ばれる少なくとも一種、および(D)一般式R
OOH(Rは1価の炭化水素基)で示される有機ハイド
ロパーオキサイドを含有することを特徴とする有機過酸
化物加硫可能なゴム用の接着性組成物を提供する。
を解決するためになされたものであり、(A)シランカ
ップリング剤、(B)有機ケイ酸エステルまたはその部
分加水分解縮合物、(C)有機チタン酸エステル、アル
ミニウムアルコキシド、およびこれらの縮合物からなる
群から選ばれる少なくとも一種、および(D)一般式R
OOH(Rは1価の炭化水素基)で示される有機ハイド
ロパーオキサイドを含有することを特徴とする有機過酸
化物加硫可能なゴム用の接着性組成物を提供する。
【0005】以下、本発明の接着性組成物をプライマー
組成物で代表させて説明する。
組成物で代表させて説明する。
【0006】本発明のプライマー組成物が適用されるゴ
ムは、従来公知の有機過酸化物加硫可能なものであれば
特に限定されないが、通常はフッ素ゴムが好適であり、
例えばフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系
共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオ
ロエチレン−プロピレレン系共重合体、フッ化ビニリデ
ン−テトラフルオロエチレン−プロピレレン系共重合
体、フッ化ビニリデン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル系共重合体等にヨウ素または臭素含有モノマーを
共重合させたり、不飽和結合を導入して有機過酸化物加
硫を可能としたものが挙げられる。以下の説明は、本発
明のプライマー組成物をフッ素ゴムに適用する場合で代
表させて行う。
ムは、従来公知の有機過酸化物加硫可能なものであれば
特に限定されないが、通常はフッ素ゴムが好適であり、
例えばフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系
共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオ
ロエチレン−プロピレレン系共重合体、フッ化ビニリデ
ン−テトラフルオロエチレン−プロピレレン系共重合
体、フッ化ビニリデン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル系共重合体等にヨウ素または臭素含有モノマーを
共重合させたり、不飽和結合を導入して有機過酸化物加
硫を可能としたものが挙げられる。以下の説明は、本発
明のプライマー組成物をフッ素ゴムに適用する場合で代
表させて行う。
【0007】本発明に用いられる(A)成分のシランカ
ップリング剤は、加水分解により生成するシラノール基
が各種被着体と化学結合し、一方の有機官能基がフッ素
ゴムの加硫時にフッ素ゴムと反応することにより、フッ
素ゴムと各種被着体とが接着する。その際、有機官能基
がアルケニル基である場合にはフッ素ゴムと共加硫しや
すく好ましい。(A)成分の具体例としては、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチル
ビニルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で、また
は2種以上の混合物として用いられる。
ップリング剤は、加水分解により生成するシラノール基
が各種被着体と化学結合し、一方の有機官能基がフッ素
ゴムの加硫時にフッ素ゴムと反応することにより、フッ
素ゴムと各種被着体とが接着する。その際、有機官能基
がアルケニル基である場合にはフッ素ゴムと共加硫しや
すく好ましい。(A)成分の具体例としては、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチル
ビニルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で、また
は2種以上の混合物として用いられる。
【0008】本発明に用いられる(B)成分の有機ケイ
酸エステルまたはその部分加水分解縮合物は、(A)成
分と共加水分解されることによりプライマー層の造膜性
を高め、接着強度および耐熱性等を向上させる。(B)
成分の有機ケイ酸エステルの具体例としては、テトラメ
チルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケー
ト、テトラ−n−プロピルオルソシリケート、テトラ
(β−メトキシエチル)オルソシリケート等、またはこ
れらシリケートの部分加水分解縮合物や2種以上のシリ
ケートの部分共加水分解縮合物が挙げられる。これらは
単独で、または2種以上の混合物として用いられる。
酸エステルまたはその部分加水分解縮合物は、(A)成
分と共加水分解されることによりプライマー層の造膜性
を高め、接着強度および耐熱性等を向上させる。(B)
成分の有機ケイ酸エステルの具体例としては、テトラメ
チルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケー
ト、テトラ−n−プロピルオルソシリケート、テトラ
(β−メトキシエチル)オルソシリケート等、またはこ
れらシリケートの部分加水分解縮合物や2種以上のシリ
ケートの部分共加水分解縮合物が挙げられる。これらは
単独で、または2種以上の混合物として用いられる。
【0009】本発明に用いられる(C)成分としては、
有機チタン酸エステル、アルミニウムアルコキシド、お
よびこれらの縮合物からなる群から選ばれる少なくとも
一種であり、(A)成分および(B)成分の加水分解を
促進するためのものであり、驚くべきことに本発明のご
とくフッ素ゴムと各種被着体との接着に際して(C)成
分として特に有機チタン酸エステルが顕著な効果を示
し、接着性およびプライマー層の耐熱性がいっそう向上
する。(C)成分の具体例としては、テトラ−n−ブチ
ルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、ジイ
ソプロポキシチタンアセチルアセトナート、アルミニウ
ムアセチルアセトナート、アルミニウム−n−ブトキシ
ド等、またはこれらの縮合物や2種以上の共縮合物が挙
げられる。これらは単独で、または2種以上の混合物と
して用いられる。
有機チタン酸エステル、アルミニウムアルコキシド、お
よびこれらの縮合物からなる群から選ばれる少なくとも
一種であり、(A)成分および(B)成分の加水分解を
促進するためのものであり、驚くべきことに本発明のご
とくフッ素ゴムと各種被着体との接着に際して(C)成
分として特に有機チタン酸エステルが顕著な効果を示
し、接着性およびプライマー層の耐熱性がいっそう向上
する。(C)成分の具体例としては、テトラ−n−ブチ
ルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、ジイ
ソプロポキシチタンアセチルアセトナート、アルミニウ
ムアセチルアセトナート、アルミニウム−n−ブトキシ
ド等、またはこれらの縮合物や2種以上の共縮合物が挙
げられる。これらは単独で、または2種以上の混合物と
して用いられる。
【0010】(A)成分、(B)成分および(C)成分
の使用割合は、特に限定はされないが、溶剤を除くプラ
イマー組成物に対して(A)成分が10〜90重量%、
(B)成分が1〜50重量%、(C)成分が1〜50重
量%であり、かつ、(A)+(B)>(C)であること
が好ましい。
の使用割合は、特に限定はされないが、溶剤を除くプラ
イマー組成物に対して(A)成分が10〜90重量%、
(B)成分が1〜50重量%、(C)成分が1〜50重
量%であり、かつ、(A)+(B)>(C)であること
が好ましい。
【0011】本発明に用いられる(D)成分の有機ハイ
ドロパーオキサイドは、フッ素ゴムと被着体とを加硫接
着させる際にラジカルを発生させることによりプライマ
ー層とフッ素ゴム層とをより強固に接着させることがで
きるものと考えられる。ここで、有機ハイドロパーオキ
サイドは他のジアルキルパーオキサイドやジアシルパー
オキサイドと比較してより大きな効果が認められる。
(D)成分の使用割合は、溶剤を除くプライマー組成物
に対して0.1〜10重量%程度で充分である。
ドロパーオキサイドは、フッ素ゴムと被着体とを加硫接
着させる際にラジカルを発生させることによりプライマ
ー層とフッ素ゴム層とをより強固に接着させることがで
きるものと考えられる。ここで、有機ハイドロパーオキ
サイドは他のジアルキルパーオキサイドやジアシルパー
オキサイドと比較してより大きな効果が認められる。
(D)成分の使用割合は、溶剤を除くプライマー組成物
に対して0.1〜10重量%程度で充分である。
【0012】本発明に用いられる(E)成分の不飽和多
官能性化合物は、有機過酸化物によるフッ素ゴムの加硫
時に、プライマー層中の(A)成分の炭化水素基とフッ
素ゴムとを共加硫させる際の加硫助剤としてはたらくも
のであり、これらによりプライマー層の架橋密度が高め
られ、耐熱性、耐油性等が向上する。(E)成分の不飽
和多官能性化合物としては、通常、フッ素ゴムの有機過
酸化物加硫時に加硫助剤として用いられているものであ
ればすべて使用可能である。(E)成分の不飽和多官能
性化合物の具体例としては、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリアクリルホルマー
ル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジア
リルフタレート等が挙げられる。(E)成分は触媒的に
効果を発揮することもあるため、その使用量は特に限定
されないが、溶剤を除くプライマー組成物に対して0.
1〜10重量%であることが好ましい。
官能性化合物は、有機過酸化物によるフッ素ゴムの加硫
時に、プライマー層中の(A)成分の炭化水素基とフッ
素ゴムとを共加硫させる際の加硫助剤としてはたらくも
のであり、これらによりプライマー層の架橋密度が高め
られ、耐熱性、耐油性等が向上する。(E)成分の不飽
和多官能性化合物としては、通常、フッ素ゴムの有機過
酸化物加硫時に加硫助剤として用いられているものであ
ればすべて使用可能である。(E)成分の不飽和多官能
性化合物の具体例としては、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリアクリルホルマー
ル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジア
リルフタレート等が挙げられる。(E)成分は触媒的に
効果を発揮することもあるため、その使用量は特に限定
されないが、溶剤を除くプライマー組成物に対して0.
1〜10重量%であることが好ましい。
【0013】本発明に用いられる(F)成分のフッ素ゴ
ムまたはその組成物は、本来フッ素ゴムが有する優れた
耐油性によりプライマー層の耐油性の他に、柔軟性も向
上させるためのものであり、加硫時に接着させるフッ素
ゴムと同一または類似した組成のものが好ましい。ま
た、(F)成分が有機過酸化物加硫可能なフッ素ゴムで
ある場合には、プライマー層中の(F)成分が(A)成
分中の炭化水素基や加硫時に接着させるフッ素ゴムと共
加硫するため、より好ましい。(F)成分のフッ素ゴム
は、各種の充填剤、添加剤、加硫剤等を混合した組成物
として用いてもよい。
ムまたはその組成物は、本来フッ素ゴムが有する優れた
耐油性によりプライマー層の耐油性の他に、柔軟性も向
上させるためのものであり、加硫時に接着させるフッ素
ゴムと同一または類似した組成のものが好ましい。ま
た、(F)成分が有機過酸化物加硫可能なフッ素ゴムで
ある場合には、プライマー層中の(F)成分が(A)成
分中の炭化水素基や加硫時に接着させるフッ素ゴムと共
加硫するため、より好ましい。(F)成分のフッ素ゴム
は、各種の充填剤、添加剤、加硫剤等を混合した組成物
として用いてもよい。
【0014】(F)成分の具体例としては、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、フッ化
ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオ
ロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−プロ
ピレレン系共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオ
ロエチレン−プロピレレン系共重合体、フッ化ビニリデ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体等
およびこれらにヨウ素または臭素含有モノマーを共重合
させたり、不飽和結合を導入して有機過酸化物加硫を可
能としたものが挙げられる。(F)成分の使用量は特に
限定されないが、溶剤を除くプライマー組成物に対して
1重量%以上であることが好ましい。
リデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、フッ化
ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオ
ロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−プロ
ピレレン系共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオ
ロエチレン−プロピレレン系共重合体、フッ化ビニリデ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体等
およびこれらにヨウ素または臭素含有モノマーを共重合
させたり、不飽和結合を導入して有機過酸化物加硫を可
能としたものが挙げられる。(F)成分の使用量は特に
限定されないが、溶剤を除くプライマー組成物に対して
1重量%以上であることが好ましい。
【0015】本発明に用いられる(G)成分の化2で示
されるシランカップリング剤は、加水分解性の基とアミ
ノ基とを有しているため、フッ化ビニリデンを共重合成
分として含有する共重合体からなるフッ素ゴムを各種被
着体と接着させる場合に、加水分解により生成するシラ
ノール基が各種被着体と化学結合し、一方のアミノ基が
加硫時にフッ素ゴム中のフッ化ビニリデン部分と化学結
合することにより、接着をより効果的にする。(G)成
分の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等、またはこ
れらシランの部分加水分解縮合物や2種以上のシランの
部分共加水分解縮合物が挙げられる。これらは単独、ま
たは2種以上の混合物として用いられる。(G)成分の
使用量は特に限定されないが、溶剤を除くプライマー組
成物に対して5〜50重量%であることが好ましい。
されるシランカップリング剤は、加水分解性の基とアミ
ノ基とを有しているため、フッ化ビニリデンを共重合成
分として含有する共重合体からなるフッ素ゴムを各種被
着体と接着させる場合に、加水分解により生成するシラ
ノール基が各種被着体と化学結合し、一方のアミノ基が
加硫時にフッ素ゴム中のフッ化ビニリデン部分と化学結
合することにより、接着をより効果的にする。(G)成
分の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等、またはこ
れらシランの部分加水分解縮合物や2種以上のシランの
部分共加水分解縮合物が挙げられる。これらは単独、ま
たは2種以上の混合物として用いられる。(G)成分の
使用量は特に限定されないが、溶剤を除くプライマー組
成物に対して5〜50重量%であることが好ましい。
【0016】
【化2】
【0017】本発明のプライマー組成物は、上記の各成
分を混合するだけで容易に製造されるが、製造上、また
は使用上取扱いを容易とするために有機溶剤、水または
それらの混合溶剤に溶解させてもよい。その際の、溶剤
の使用量は任意であり、使用条件等により決められる。
分を混合するだけで容易に製造されるが、製造上、また
は使用上取扱いを容易とするために有機溶剤、水または
それらの混合溶剤に溶解させてもよい。その際の、溶剤
の使用量は任意であり、使用条件等により決められる。
【0018】本発明のプライマー組成物には、その性能
を損なわない限りにおいて他のシランカップリング剤、
チタネート系カップリング剤、カーボンブラック、シリ
カ、各種金属酸化物粉体、顔料等の各種添加剤を混合し
てもよい。
を損なわない限りにおいて他のシランカップリング剤、
チタネート系カップリング剤、カーボンブラック、シリ
カ、各種金属酸化物粉体、顔料等の各種添加剤を混合し
てもよい。
【0019】本発明のプライマー組成物は、前述のフッ
素ゴムと各種の被着体との接着において効果的に使用で
きる。各種の被着体としては、鉄、ステンレス、炭素
鋼、アルミニウム、ニッケル、銅、真鍮等の金属、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ABS、フッ素樹
脂、天然ゴム、SBR、NBR、アクリルゴム、クロロ
プレンゴム、シリコーンゴム、EPDM、フッ素ゴム等
の樹脂、およびゴム、ガラス、セラミクス、石、木材、
紙等、またはそれらの表面を化学的または物理的に処理
したものが挙げられる。
素ゴムと各種の被着体との接着において効果的に使用で
きる。各種の被着体としては、鉄、ステンレス、炭素
鋼、アルミニウム、ニッケル、銅、真鍮等の金属、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ABS、フッ素樹
脂、天然ゴム、SBR、NBR、アクリルゴム、クロロ
プレンゴム、シリコーンゴム、EPDM、フッ素ゴム等
の樹脂、およびゴム、ガラス、セラミクス、石、木材、
紙等、またはそれらの表面を化学的または物理的に処理
したものが挙げられる。
【0020】本発明のプライマー組成物は、各種被着体
表面に塗布し乾燥させ、その表面に過酸化物加硫系のフ
ッ素ゴムを接触させ、加硫することによりフッ素ゴムと
各種被着体とが強固に接着する。加硫時に、プレス等で
加圧してもよい。プライマー塗布後の乾燥条件は、常温
で数分〜24時間の範囲であるが、その範囲よりも長く
なることは差し支えない。また、40〜250℃程度で
数秒〜24時間程度の加熱乾燥や紫外線や電子線の照射
を行ってもよい。
表面に塗布し乾燥させ、その表面に過酸化物加硫系のフ
ッ素ゴムを接触させ、加硫することによりフッ素ゴムと
各種被着体とが強固に接着する。加硫時に、プレス等で
加圧してもよい。プライマー塗布後の乾燥条件は、常温
で数分〜24時間の範囲であるが、その範囲よりも長く
なることは差し支えない。また、40〜250℃程度で
数秒〜24時間程度の加熱乾燥や紫外線や電子線の照射
を行ってもよい。
【0021】本発明のプライマー組成物は、有機過酸化
物加硫可能なフッ素ゴムに限らず、例えば天然ゴム、S
BR、NBR、アクリルゴム、シリコーンゴム、EPD
M等の他の有機過酸化物加硫可能なゴム用のプライマー
としても使用できる。本発明のプライマー組成物はプラ
イマーとして用いるだけでなく、加硫ゴムと各種被着体
との接着剤として用いてもよい。その際には、接着剤層
を硬化させることが好ましい。また、本発明のプライマ
ー組成物をフッ素ゴム中に混合することにより、フッ素
ゴムに接着性が付与され、自己接着性を発現させるため
の使用も可能である。
物加硫可能なフッ素ゴムに限らず、例えば天然ゴム、S
BR、NBR、アクリルゴム、シリコーンゴム、EPD
M等の他の有機過酸化物加硫可能なゴム用のプライマー
としても使用できる。本発明のプライマー組成物はプラ
イマーとして用いるだけでなく、加硫ゴムと各種被着体
との接着剤として用いてもよい。その際には、接着剤層
を硬化させることが好ましい。また、本発明のプライマ
ー組成物をフッ素ゴム中に混合することにより、フッ素
ゴムに接着性が付与され、自己接着性を発現させるため
の使用も可能である。
【0022】
【作用】本発明においては、シランカップリング剤、有
機ケイ酸エステルが有機チタン酸エステルにより共加水
分解され、柔軟でしかも強度のあるプライマー層が形成
され、そこに有機ハイドロパーオキサイドが共存するこ
とによりシランカップリング剤とフッ素ゴムとが共加硫
しフッ素ゴムと強固に接着する。
機ケイ酸エステルが有機チタン酸エステルにより共加水
分解され、柔軟でしかも強度のあるプライマー層が形成
され、そこに有機ハイドロパーオキサイドが共存するこ
とによりシランカップリング剤とフッ素ゴムとが共加硫
しフッ素ゴムと強固に接着する。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて説明する。なお、実施
例中、部とあるものは重量部を示す。
例中、部とあるものは重量部を示す。
【0024】[参考例]フッ素ゴム(アフラス150
P、旭硝子社製)100部、MTカーボン30部、トリ
アリルイソシアヌレート5部およびパーヘキサ−2,5
B(日本油脂社製)1部を2ロールで均一に混合してフ
ッ素ゴム組成物を得た(フッ素ゴム−1)。
P、旭硝子社製)100部、MTカーボン30部、トリ
アリルイソシアヌレート5部およびパーヘキサ−2,5
B(日本油脂社製)1部を2ロールで均一に混合してフ
ッ素ゴム組成物を得た(フッ素ゴム−1)。
【0025】フッ素ゴム(アフラス200、旭硝子社
製)100部、MTカーボン30部、トリアリルイソシ
アヌレート5部およびパーヘキサ−2,5Bの1部を2
ロールで均一に混合してフッ素ゴム組成物を得た(フッ
素ゴム−2)。
製)100部、MTカーボン30部、トリアリルイソシ
アヌレート5部およびパーヘキサ−2,5Bの1部を2
ロールで均一に混合してフッ素ゴム組成物を得た(フッ
素ゴム−2)。
【0026】フッ素ゴム(バイトンGF、デュポン社
製)100部、MTカーボン30部、酸化亜鉛5部、ト
リアリルイソシアヌレート5部およびパーヘキサ−2,
5Bの1部を2ロールで均一に混合してフッ素ゴム組成
物を得た(フッ素ゴム−3)。
製)100部、MTカーボン30部、酸化亜鉛5部、ト
リアリルイソシアヌレート5部およびパーヘキサ−2,
5Bの1部を2ロールで均一に混合してフッ素ゴム組成
物を得た(フッ素ゴム−3)。
【0027】フッ素ゴム(バイトンGLT、デュポン社
製)100部、MTカーボン30部、カルビット(近江
化学社製、水酸化カルシウム)5部、トリアリルイソシ
アヌレート5部およびパーヘキサ−2,5Bの1部を2
ロールで均一に混合してフッ素ゴム組成物を得た(フッ
素ゴム−4)。これらを以下の試験に用いた。
製)100部、MTカーボン30部、カルビット(近江
化学社製、水酸化カルシウム)5部、トリアリルイソシ
アヌレート5部およびパーヘキサ−2,5Bの1部を2
ロールで均一に混合してフッ素ゴム組成物を得た(フッ
素ゴム−4)。これらを以下の試験に用いた。
【0028】[実施例1〜12]および[比較例1〜
5] 表1、表2、表3に示した組成に従い、プライマー組成
物を調製した。これらを被着体に塗布し、各表に示した
乾燥条件を施した後、前記参考例で得られたフッ素ゴム
を接触させ、170℃で10分間プレス加硫した。この
試験片を剥離し、フッ素ゴムが凝集破壊した面積を測定
した。また、230℃で70時間加熱した後に同様の試
験をし、耐熱性を調べた。さらに、JIS No3オイ
ルに浸し、175℃で70時間加熱した後に同様の試験
を行い、耐油性を調べた。結果を表1、表2、表3に示
した。
5] 表1、表2、表3に示した組成に従い、プライマー組成
物を調製した。これらを被着体に塗布し、各表に示した
乾燥条件を施した後、前記参考例で得られたフッ素ゴム
を接触させ、170℃で10分間プレス加硫した。この
試験片を剥離し、フッ素ゴムが凝集破壊した面積を測定
した。また、230℃で70時間加熱した後に同様の試
験をし、耐熱性を調べた。さらに、JIS No3オイ
ルに浸し、175℃で70時間加熱した後に同様の試験
を行い、耐油性を調べた。結果を表1、表2、表3に示
した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明のプライマー組成物は、有機過酸
化物加硫系のフッ素ゴムと各種被着体とを強固に接着さ
せ、しかも、その接着層の耐熱性や耐油性に優れるもの
であり、成形品は自動車や航空機等輸送機関のオイルシ
ールや、石油掘削部品その他耐熱性や耐油性を要求され
る一般工業部品等に極めて有用である。
化物加硫系のフッ素ゴムと各種被着体とを強固に接着さ
せ、しかも、その接着層の耐熱性や耐油性に優れるもの
であり、成形品は自動車や航空機等輸送機関のオイルシ
ールや、石油掘削部品その他耐熱性や耐油性を要求され
る一般工業部品等に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 21:00
Claims (10)
- 【請求項1】(A)シランカップリング剤、(B)有機
ケイ酸エステルまたはその部分加水分解縮合物、(C)
有機チタン酸エステル、アルミニウムアルコキシド、お
よびこれらの縮合物からなる群から選ばれる少なくとも
一種、および(D)一般式ROOH(Rは1価の炭化水
素基)で示される有機ハイドロパーオキサイドを含有す
ることを特徴とする有機過酸化物加硫可能なゴム用の接
着性組成物。 - 【請求項2】(E)不飽和多官能性化合物をさらに含有
する請求項1の接着性組成物。 - 【請求項3】(F)フッ素ゴムまたはその組成物をさら
に含有する請求項1〜2のいずれかの接着性組成物。 - 【請求項4】(G)化1で示されるシランカップリング
剤またはその部分加水分解縮合物をさらに含有する請求
項1〜3のいずれかの接着性組成物。 【化1】 - 【請求項5】(A)成分がアルケニル基を含有するシラ
ンカップリング剤である請求項1〜4のいずれかの接着
性組成物。 - 【請求項6】(C)成分が有機チタン酸エステルである
請求項1〜5のいずれかの接着性組成物。 - 【請求項7】(F)成分が有機過酸化物加硫可能なフッ
素ゴムまたはその組成物である請求項3〜6のいずれか
の接着性組成物。 - 【請求項8】接着性組成物が有機過酸化物加硫可能なフ
ッ素ゴム用である請求項1〜7のいずれかの接着性組成
物。 - 【請求項9】フッ素ゴムがフッ化ビニリデンを共重合成
分として含有する共重合体である請求項8の接着性組成
物。 - 【請求項10】接着性組成物が有機過酸化物加硫可能な
ゴム用のプライマー組成物である請求項1〜9のいずれ
かの接着性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29196493A JPH07145244A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 接着性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29196493A JPH07145244A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 接着性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145244A true JPH07145244A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=17775747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29196493A Pending JPH07145244A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 接着性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07145244A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001226642A (ja) * | 2000-02-16 | 2001-08-21 | Nok Corp | 加硫接着剤組成物 |
JP2004026848A (ja) * | 2002-05-20 | 2004-01-29 | Nok Corp | 加硫接着用プライマー |
WO2016178396A1 (ja) * | 2015-05-01 | 2016-11-10 | 日本バルカー工業株式会社 | 接着剤組成物ならびにシール構造体およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-11-22 JP JP29196493A patent/JPH07145244A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001226642A (ja) * | 2000-02-16 | 2001-08-21 | Nok Corp | 加硫接着剤組成物 |
JP2004026848A (ja) * | 2002-05-20 | 2004-01-29 | Nok Corp | 加硫接着用プライマー |
WO2016178396A1 (ja) * | 2015-05-01 | 2016-11-10 | 日本バルカー工業株式会社 | 接着剤組成物ならびにシール構造体およびその製造方法 |
JP2016210859A (ja) * | 2015-05-01 | 2016-12-15 | 日本バルカー工業株式会社 | 接着剤組成物ならびにシール構造体およびその製造方法 |
KR20170142195A (ko) * | 2015-05-01 | 2017-12-27 | 닛폰 바루카 고교 가부시키가이샤 | 접착제 조성물 그리고 시일 구조체 및 그 제조 방법 |
US10675847B2 (en) | 2015-05-01 | 2020-06-09 | Valqua, Ltd. | Adhesive composition, and seal structure body and method for manufacturing the same |
TWI707015B (zh) * | 2015-05-01 | 2020-10-11 | 日商華爾卡股份有限公司 | 接著劑組合物、以及密封構造體及其製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4147685A (en) | Primer compositions for adhering silicone compositions | |
EP0207634B1 (en) | Bonding primer composition | |
JPH0138149B2 (ja) | ||
JPH0753872A (ja) | 硬化性シリコーンゴム組成物 | |
WO2002024826A1 (fr) | Composition adhesive vulcanisable | |
JPH07145244A (ja) | 接着性組成物 | |
JPH06157910A (ja) | 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 | |
JPH1112544A (ja) | プライマー組成物 | |
JPH06279732A (ja) | フッ素ゴム接着用プライマー組成物 | |
JPH10168419A (ja) | 接着剤組成物 | |
JPS61278580A (ja) | シリコ−ンゴム用接着剤 | |
JP2000095952A (ja) | プライマー組成物 | |
JPH0617026A (ja) | 自己接着性シリコーン組成物 | |
JPH06279747A (ja) | プライマー組成物 | |
JPH06228525A (ja) | フッ素ゴム接着用のプライマー組成物 | |
JPS60137977A (ja) | 接着剤組成物 | |
AU650244B2 (en) | Contact adhering method and adhesive therefor | |
JP3428237B2 (ja) | 水性加硫接着剤 | |
JPS6140264B2 (ja) | ||
JPH06248115A (ja) | フッ素ゴム用のプライマー組成物 | |
JP4617649B2 (ja) | タイヤとタイヤ用部材との接着用プライマー組成物およびタイヤとタイヤ用部材との接着方法 | |
JPH0734061A (ja) | フッ素ゴム系シール材およびそれを用いたシール方法 | |
JPH06256742A (ja) | クロロプレン合成ゴム系接着剤組成物 | |
JPH03200872A (ja) | 接着性シリコーンゴム組成物 | |
JPH04270764A (ja) | 接着性シリコーンゴム組成物 |