JPH07137990A - クレーンのカウンタウエイト着脱調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動式クレーンに於て、カウンタウエイト着
脱装置のフックとカウンタウエイトのピンとの係合位置
を整合させ、常にカウンタウエイトの着脱を支障なく行
えるようにする。 【構成】 カウンタウエイト２５をカウンタウエイト本
体部２７と該カウンタウエイト本体部２７に嵌装される
調整体２８とに分割する。該調整体２８には２枚のブラ
ケットプレート４４，４４が固設され、該ブラケットプ
レート４４，４４にはピン３８が挿通される。更に、カ
ウンタウエイト本体部２７と調整体２８とを嵌挿する複
数の調整用ネジ４５を設けるとともに、カウンタウエイ
ト本体部２７を挿通し、調整体２８に係止する複数の固
定用ネジ４１を設ける。而して、カウンタウエイト着脱
装置２６のフック３１ａと前記ピン３８との係合位置が
不整合な場合は、前記調整用ネジ４５により該ピン３８
の高さ位置を調整し、前記固定用ネジ４１によりカウン
タウエイト本体部２７と調整体２８とを締結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はクレーンのカウンタウエ
イト着脱調整装置に関するものであり、特に、カウンタ
ウエイト着脱装置に対して、カウンタウエイトの係合位
置の整合に用いられるクレーンのカウンタウエイト着脱
調整装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の移動式クレーンは、図５に示すよ
うに走行台車１のキャリア２に上部旋回体３を設け、上
部旋回体３の前部にブーム４を取り付けるとともに、上
部旋回体３の後部にカウンタウエイト５を取り付けてあ
る。吊り荷作業を行うときは、図示したように走行台車
１の後方へブーム４を向ける。しかし、クレーンを移動
する場合は、上部旋回体３を旋回してブーム４を走行台
車１の前方へ向ける。然るとき、走行台車１の全体の重
量バランスを保つため、ブーム４を後方へ向けていると
きに上部旋回体３からカウンタウエイト５を取り外し、
キャリア２の前方位置へカウンタウエイト５を格納した
後に、図６に示すようにブーム４を前方へ向けて走行台
車１を走行させる。

【０００３】そして、クレーンを目的地へ移動した後に
吊り荷作業を行うときは、前述とは逆にブーム４を後方
へ向け、図５に示すように上部旋回体３の後部にカウン
タウエイト５を取り付ける。このカウンタウエイト５の
着脱は、上部旋回体３の後部に設けた着脱装置６によっ
て行う。図７はカウンタウエイト着脱装置６を示し、上
部旋回体３の後下部に油圧シリンダ７を設け、ブラケッ
ト８の開口部９の近傍にリンク１０の中央部をピン１１
にて枢着し、シリンダロッド１２の先端部にリンク１０
の一端１０ａを連結する。シリンダロッド１２を伸長す
れば、同図中二点鎖線で示すように、リンク１０がピン
１１を中心に時計方向へ回動し、リンク１０の他端に設
けたフック１０ｂがカウンタウエイト５のピン１３に係
合する。更に、シリンダロッド１２を伸長すれば、カウ
ンタウエイト５がキャリア２から浮上し、図５に示すよ
うに上部旋回体３の後下部にカウンタウエイト５が取り
付けられる。

【０００４】その場合、カウンタウエイト着脱装置は油
圧シリンダ７の伸縮によりリンク１０を回動させている
が、リンク１０のフック１０ｂがブラケット８から下方
へ突出している。このため、キャリアと上部旋回体３と
の空間部が狭くなり、高さが制限されるのでカウンタウ
エイト５は十分な重量がとれず、クレーンの吊り上げ能
力も低下する。そのため、本願出願人はキャリアと上部
旋回体との空間部を広くし、且つ、カウンタウエイトの
着脱も容易に行えるようにするためクレーンのカウンタ
ウエイト着脱装置として、実願平５−２４７９号考案を
提案している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のカウンタウエイ
ト着脱装置は上述せる如く、シリンダロッドを伸長する
とシリンダロッドに枢着されているリンクの先端部のフ
ックが、カウンタウエイトのブラケットに設けられてい
るピンに係合する。然し、上記の従来例及び実願平５−
２４７９号考案等のいずれの場合においても、上部旋回
体と走行台車との製作上及び組立上等の種々の条件によ
って該上部旋回体と走行台車との距離がクレーンごとに
微小な差異を生じ、そのため、前記フックとピンとの係
合位置にズレが発生し、依って、該カウンタウエイトの
吊り上げ操作が不可能となることがある。

【０００６】そこで、前記フックとピンとの係合上の不
整合が生じても、簡易にフックとピンとの係合位置を調
整できるようにするために解決せらるべき技術的な課題
が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決すること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案するものであり、油圧シリンダのロッド
の伸縮によって、ロッドに枢着されたリンクの先端部の
フックとカウンタウエイトのブラケットに設けられたピ
ンとが係合或いは離間することによりカウンタウエイト
を着脱する装置において、カウンタウエイトをカウンタ
ウエイト本体部と該カウンタウエイト本体部に嵌合する
調整体とに分割し、該調整体には前記リンク先端部のフ
ックと係合するピンを設けるとともに、カウンタウエイ
ト本体部と調整体とを挿通する複数の調整用ネジを設
け、更に、該カウンタウエイト本体部を挿通し、該調整
体に係止する複数の固定用ネジを設け、前記調整用ネジ
のねじ込み量によってカウンタウエイト本体部の底辺と
前記ピンとの距離を変化させ、前記固定用ネジによって
カウンタウエイト本体部と調整体とを締結するようにし
たクレーンのカウンタウエイト着脱調整装置を提供する
ものである。

【０００８】

【作用】ロッドに枢着されたリンクの先端部のフックと
カウンタウエイトの調整体に設けられるピンとの係合位
置が適合しない場合は、先ず、全固定用ネジをねじ戻し
によってカウンタウエイト本体部と調整体との結合を弛
緩させる。次に、複数の調整用ネジを順次、みじ込み又
はねじ戻しによって前記カウンタウエイト本体部の底辺
とピンとの高さ位置を調整し、該ピンとフックとが相互
に係合できるように調整され、然る後、前記固定用ネジ
をねじ込むことにより、カウンタウエイト本体部と調整
体とが一体的に固定されてカウンタウエイトを構成す
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図４に従
って詳述する。図１は移動式クレーンを示したものであ
り、走行台車２１のキャリア２２に上部旋回体２３を設
け、上部旋回体２３の前部にブーム２４を取り付けると
ともに、上部旋回体２３の後部に本発明のカウンタウエ
イト２５を取り付ける。吊り荷作業を行うときは、図１
に示すように走行台車２１の後方へブーム２４を向け、
上部旋回体２３の後下部にカウンタウエイト２５を装着
する。又、クレーンを移動する場合は、カウンタウエイ
ト２５を取り外してキャリア２２の前方位置へ格納し、
ブーム２４を前方へ向けて走行台車２１を走行させる。

【００１０】図２は同図の上側にカウンタウエイト着脱
装置２６の要部を示し、下側にカウンタウエイト本体部
２７と調整体２８とに分割したカウンタウエイト２５を
示したものである。同図に於て、上部旋回体２３の後下
部に油圧シリンダ２９を設け、シリンダロッド３０の先
端部３０ａにリンク３１の一端及びガイドアーム３２の
一端を同軸に枢着する。リンク３１の略中央部側方にガ
イドピン３３を突設し、ガイドブラケット３４にガイド
孔３５を斜め下方へ開穿してガイドピン３３を遊嵌す
る。リンク３１の他端にはフック３１ａが設けられ、ガ
イドアーム３２の他端３２ａには孔３６を開穿するとと
もに、該他端３２ａをガイドブラケット３７の内側斜面
へ摺擦させる。

【００１１】而して、油圧シリンダ２９のシリンダロッ
ド３０を伸長すれば、シリンダロッド３０の先端部３０
ａに押圧されてリンク３１に突設したガイドピン３３が
ガイド孔３５に沿って斜め下方へスライドする。そし
て、リンク３１はガイドピン３３を中心に同図中時計方
向へ回動し、カウンタウエイト２５のピン３８に係合す
る。

【００１２】尚、３９はカウンタウエイト２５が吊り上
げられたときにピン止めをする係止孔であり、４０はガ
イド板、４１は後述する固定用ネジであり、４２はカウ
ンタウエイト２５の台座である。次に、図３は本発明の
カウンタウエイト着脱調整装置４３の一部切欠正面図で
あり、図４は図３のＡ−Ａ線縦断面図である。図３及び
図４に於て、２５はカウンタウエイトであり、該カウン
タウエイト２５はカウンタウエイト本体部２７と調整体
２８とによって構成される。そして、該カウンタウエイ
ト本体部２７の略中央の下部には凹部が形成され、該凹
部に調整体２８が上下動自在に嵌装される。又、該調整
体２８の中央部には２枚のブラケットプレート４４，４
４が固設されるとともに、該ブラケットプレート４４，
４４の上部に設けられた孔にピン３８が挿着される。更
に、前記カウンタウエイト本体部２７の中央には前記調
整体２８のブラケットプレート４４，４４及びピン３８
が突出する開口部を設ける。

【００１３】又、カウンタウエイト本体部２７と調整体
２８を挿通する４本の調整用ネジ４５，４５，４５，４
５が設けられており、更に、該カウンタウエイト本体部
２７を挿通し、該調整体２８に係止する３本の固定用ネ
ジ４１，４１，４１が設けられる。而して、カウンタウ
エイト着脱装置２６のフック３１ａと係合する調整体２
８のピン３８の高さを調整する必要のあるときは、先
ず、固定用ネジ４１，４１，４１を弛緩させた後、調整
用ネジ４５，４５，４５，４５をねじ込み又はねじ戻し
を行う。そして、調整が完了したとき、再度、固定用ネ
ジ４１，４１，４１をみじ込み、更に、ナット４１ａ，
４１ａ，４１ａを締めて固定することにより、吊荷の重
量によって調整体２８が浮動しないように抑制する。

【００１４】尚、図３及び図４に於て、前記調整用ネジ
が４本、固定用ネジが３本の例を示したが、これに限定
せられるべきではなく、カウンタウエイト２５の重量等
によって適宜、本数を決める。而して、本発明は、本発
明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことがで
き、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当
然である。

【００１５】

【発明の効果】本発明は上記一実施例にて詳述せる如
く、カウンタウエイトをカウンタウエイト本体部と該カ
ウンタウエイト本体部に嵌装する調整体とに分割し、該
カウンタウエイト本体部と調整体を挿通する調整用ネジ
と該カウンタウエイト本体部を挿通し、調整体に係止す
る固定用ネジとを設ける。

【００１６】而して、カウンタウエイト吊り上げ用のピ
ンの高さを調整する必要があるときは、前記調整用ネジ
と固定用ネジを用いて行う。斯くして、簡単な装置によ
って、しかも容易に高さ調整を行うことができるので、
メインテナンス性と運用性が向上する等、正に諸種の効
果を奏する発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示し、移動式クレーンの側
面図。

【図２】本発明の一実施例の要部を示し、その一部切欠
縦断側面図。

【図３】カウンタウエイト着脱調整装置の一部切欠平面
図。

【図４】図３のＡ−Ａ線拡大縦断面図。

【図５】従来の移動式クレーンの側面図。

【図６】走行状態の従来の移動式クレーンの側面図。

【図７】従来のカウンタウエイト着脱装置の側面図。

【符号の説明】

２５ カウンタウエイト ２６ カウンタウエイト着脱装置 ２７ カウンタウエイト本体部 ２８ 調整体 ３１ａ フック ３８ ピン ４１ 固定用ネジ ４３ カウンタウエイト着脱調整装置 ４５ 調整用ネジ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧シリンダのロッドの伸縮によって、
   ロッドに枢着されたリンクの先端部のフックとカウンタ
   ウエイトのブラケットに設けられたピンとが係合或いは
   離間することによりカウンタウエイトを着脱する装置に
   おいて、カウンタウエイトをカウンタウエイト本体部と
   該カウンタウエイト本体部に嵌合する調整体とに分割
   し、該調整体には前記リンク先端部のフックと係合する
   ピンを設けるとともに、カウンタウエイト本体部と調整
   体とを挿通する複数の調整用ネジを設け、更に、該カウ
   ンタウエイト本体部を挿通し、該調整体に係止する複数
   の固定用ネジを設け、前記調整用ネジのねじ込み量によ
   ってカウンタウエイト本体部の底辺と前記ピンとの距離
   を変化させ、前記固定用ネジによってカウンタウエイト
   本体部と調整体とを締結するようにしたことを特徴とす
   るクレーンのカウンタウエイト着脱調整装置。