JPH053568Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、油圧シヨベル或いは油圧クレーン
等の作業機のカウンタウエイトの脱着装置、殊に
他のクレーン等の補助機を使用せずにカウンタウ
エイトを脱着可能な作業機のカウンタウエイト脱
着装置に関するものである。

（従来の技術） 従来より、一般的に油圧シヨベル或いは油圧ク
レーン等の作業機の後部には、該作業機とバラン
スさせるためのカウンタウエイトがボルト等の固
定具により装着されている。

このカウンタウエイトは重量が大きいため、例
えば大型の油圧シヨベル或いは油圧クレーンの場
合、輸送時の重量が道路交通法等で定められた重
量を越えるとそのままでは輸送できないのでカウ
ンタウエイトを取外して分割して輸送しなければ
ならない。

ところが、カウンタウエイトは重量物であるた
め、その取付け・取外しのために別途クレーン等
の補助機を必要とする不具合がある。

この不具合を解消すべく作業機の自力によつて
カウンタウエイトの脱着を行う手段としてすでに
実開昭59−5669号公報に記載されている如く、車
体（フレーム）の後部位置に回動可能に設けたリ
ンクと、該リンクを回動させるためのアクチユエ
ータと、カウンタウエイトをフレームに対して脱
着するときに前記リンクを介してカウンタウエイ
トとブーム等の作業装置との間に張設されるワイ
ヤロープとを設け、ワイヤロープを張設した状態
でアクチユエータを作動させることにより、前記
フレームに載置されているカウンタウエイトをフ
レームから取外すことが出来るようにした作業機
のカウンタウエイト脱着装置は知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 実開昭59−5669号公報に記載されている作業機
のカウンタウエイト脱着装置は、車体（フレー
ム）中央部に一端を枢支したステー及びシリンダ
機構の他端を、フレームの後部位置にカウンタウ
エイト取付板に隣接して設けたブラケツトに回動
可能に軸支したリンクに接続しているため、リン
クに回動機構が大掛りになると共にフレームの中
央部から後部にかけてステー及びシリンダ機構を
配設するためのスペースも設けなければならない
等の不具合があつた。

（問題点を解決するための手段） この考案は、車体１の前部にアクチユエータ７
により起伏可能な作業装置を設け、かつ車体１の
後部にカウンタウエイト２０を脱着可能に設けた
油圧シヨベル或いは油圧クレーン等の作業機にお
いて、車体１の後部に上端部を車体後方に突出し
たマスト１０を装着し、該マスト１０の先端部に
シーブ１１を枢着し、かつマスト１０の下部に回
動可能にフツク１２を枢着すると共に、カウンタ
ウエイト２０の側面に開口部２３より内部の方が
大きい係合凹部２２を設け、かつカウンタウエイ
ト２０と作業装置とをシーブ１１を介して脱着可
能なワイヤロープ２５により連結したこと、さら
に望ましくは、フツク１２を空圧シリンダ１４或
いは油圧シリンダ等の流体圧シリンダにより回動
させること及びカウンタウエイト２０の側面に設
けた係合凹部２２を開口部から内部上方向かつて
拡大する傾斜面２４としたことを特徴とするもの
である。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に沿つて説明
する。

図中１は車体（上部旋回体）で、下部走行体２
上に旋回可能に設けられている。

この車体１には後端部にカウンタウエイト取付
け板３が装着され、かつ前部にはブーム４、アー
ム５及びバケツト６よりなる作業装置が装着され
ている。

７は前記ブーム４を俯仰するためのブームシリ
ンダ、８は前記アーム５を回動するためのアーム
シリンダ、９は前記バケツト６を回動するための
バケツトシリンダである。

前記車体１の後部にはカウンタウエイト取付け
板３に隣接してマスト１０が立設されている。

このマスト１０は上部を車体１の後方に突出す
るように折りまげられると共に、上端部にはシー
ブ１１が枢支され、かつ中間部には左右に夫々一
個フツク１２がピン１３により回転可能に枢着さ
れている。

１４はフツク回転用の空圧シリンダで、一端を
前記車体１に装着したラグ１５に、他端をフツク
１２に装着したラグ１６に夫々ピン１７，１８を
介して枢着されている。

従つて、前記フツク１２は空圧シリンダ１４を
操作することにより、マスト１０側面の収納位置
と前記カウンタウエイト取付け板３に設けた貫通
穴１９を貫通して車体１の後方に突出する突出位
置に回転される。

なお、この空圧シリンダ１４は油圧シリンダ或
いは手動ハンドル等に置換してもよい。

２０はカウンタウエイトで、上端部に取付けラ
グ２１を装着すると共に、一側面には前記フツク
１２と係合する係合凹部２２が設けられている。

この係合凹部２２は開口部２３から内部上方に
向かつて拡大する傾斜面２４を有しており、この
傾斜面２４が前記フツク１２と係合するようにな
つている。

２５は前記カウンタウエイト２０の脱着時に、
カウンタウエイト２０と作業装置とを連結するワ
イヤロープで、一端をカウンタウエイト２０の上
端部に取付けラグ２１に装着すると共に他端を前
記シーブ１１を介してブーム４の上部に装着した
ブームシリンダ取付けラグ２６に夫々ピン２７，
２８により脱着自在に取付けられている。

なお、このワイヤロープ２５の長さは予めカウ
ンタウエイトを昇降させるために必要な最適長さ
に選定されている。

２９はカウンタウエイトを車体１に固定する固
定ボルト、３０はオペレータキヤブである。

次に、カウンタウエイトの脱着操作について説
明する。

カウンタウエイトを車体に装着する場合。

まず、第４図ａに示す如く、カウンタウエイト
２０を水平堅土上に置いて、シーブ１１が取付け
ラグ２１の真上になるように作業機本体を移動す
る。そして、第１図に示す如く、ワイヤロープ２
５をシーブ１１を介しカウンタウエイト２０の上
端部に取付けたラグ２１とブーム４の上部に装着
したブームシリンダ取付けラグ２６に夫々装着す
る。この時、フツク１２は収納位置にある。

次に、第２図及び第４図ｂに示す如く、ブーム
４を倒伏してカウンタウエイト２０を、該カウン
タウエイト２０の側面に設けた係合凹部がフツク
１２と係合する位置まで上昇させる。そして、空
圧シリンダ１４を作動してフツク１２を回転し、
車体１の後方に突出させる。

この時、カウンタウエイト２０とカウンタウエ
イト取付板３との隙間ΔLよりもフツク１２の車
体１の後方への突出量ΔL′の方が大きく設定され
ているのでフツク１２の先端は係合凹部２２内に
進入する。

この状態から第４図ｃに示す如く、ブーム４を
起立させてカウンタウエイト２０を下降させる
と、カウンタウエイト２０は係合凹部２２に設け
た傾斜面２４がフツク１２と係合して、傾斜面２
４に沿つてカウンタウエイト取付板３側に引寄せ
られるように下降する。そして、カウンタウエイ
ト２０が所定の位置まで下降したら固定ボルト２
９によつてカウンタウエイト２０を車体１（カウ
ンタウエイト取付板３）に強固に固定する。

一方、カウンタウエイトを車体から取外す場
合。

前記したカウンタウエイトの装着操作とは逆に
まず、ワイヤロープ２５をシーブ１１を介しカウ
ンタウエイト２０の上端部に取付けたラグ２１と
ブーム４の上部に装着したブームシリンダ取付け
ラグ２６に夫々装着した後固定ボルトを取外す。

そして、ブーム４を倒伏してカウンタウエイト
２０を多少持上げ、該カウンタウエイト２０の側
面に設けた係合凹部２２がフツク１２から離脱可
能な位置に来たら空圧シリンダ１４を作動してフ
ツク１２を回転し、マスト１０の側面に収納した
後、ブーム４を起立させてカウンタウエイト２０
を着地するまで下降させればよい。

（考案の効果） この考案によれば、カウンタウエイトの側面に
係合凹部を設けると共に該係合凹部と係脱する回
動可能なフツクをマストに装着するという簡単な
構造で作業機の自力によつて容易かつ迅速にカウ
ンタウエイトの脱着が可能であるから分割輸送時
の作業時間の短縮及び経費の節減が可能である。
また、カウンタウエイトの自重はフツクにより支
持しているから誤つて脱落することがないから安
全であると共に、車体へのカウンタウエイトの取
付け位置はフツクと係合凹部に設けた傾斜面とに
よつて自動的に決まるので取付け操作も容易に行
なえる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案を油圧シヨベルに
実施した一実施例を示す全体正面図で、第１図は
カウンタウエイトを吊上げる直前又は地上に着地
させた直後の状態図、第２図は同吊上げ又は吊下
げ途中の状態図、第３図は車体にカウンタウエイ
トを取付けた状態を示す一部を断面した拡大図、
第４図はカウンタウエイトの脱着工程を示す動作
説明図である。 １……車体、７……アクチユエータ、１０……
マスト、１１……シーブ、１２……フツク、２０
……カウンタウエイト、２２……係合凹部、２３
……開口部、２４……傾斜面、２５……空圧シリ
ンダ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １） 車体の前部にアクチユエータにより起伏可
   能な作業装置を設け、かつ車体の後部にカウン
   タウエイトを脱着可能に設けた油圧シヨベル或
   いは油圧クレーン等の作業機において、車体後
   部に上端部を車体後方に突出したマストを装着
   し、該マストの先端部にシーブを枢着し、かつ
   マストの中間部に回動可能にフツクを枢着する
   と共に、カウンタウエイトの側面に開口部より
   内部の方が大きい係合凹部を設け、かつカウン
   タウエイトと作業装置とをシーブを介して脱着
   可能なワイヤロープにより連結したことを特徴
   とする作業機のカウンタウエイト脱着装置。 ２） フツクを空圧シリンダ或いは油圧シリンダ
   等の流体圧シリンダにより回動させることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の作業機のカウンタウエイト脱着装置。 ３） カウンタウエイトの側面に設けた係合凹部
   を開口部から内部上方に向かつて拡大する傾斜
   面としたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の作業機のカウンタウエイト
   脱着装置。