JPH07137867A - 画像形成装置の給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 給紙ローラに対応させて湾曲ガイド板を配置
し、湾曲ガイド板の内面に分離パッドを設けることによ
り、給紙ローラと分離パッドが直接接触しないように設
け、用紙さばき装置の構成部材の摩耗等を防止し、騒音
等が生じないようにする。 【構成】 画像形成装置１の給紙部に配置する給紙トレ
イ５に対して、給紙ローラ１１と分離パッド１５による
給紙装置１０を配置し、分離パッド１５を湾曲ガイド板
１６の内面に設けて、給紙ローラの表面とは１枚の用紙
の厚さよりも若干広い隙間ｄを設定する。また、給紙装
置の下流部には、給紙トレイの上部にＵターン状に用紙
を搬送する用紙搬送路２０を配置し、給紙ローラ１１に
より送り出される用紙を搬送ローラ装置２３に向けて送
り出す。前記給紙ローラの表面は分離パッド１５に対し
て直接接触することがないが、用紙さばき作用を良好に
発揮させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機等の画
像形成装置に用いる給紙装置に関し、特に、給紙部材に
より給紙トレイ等の用紙収容手段から用紙を送り出す部
分に対応させて、湾曲案内部材の内面側に摩擦部材を配
置し、用紙さばき作用を行い得るようにすることによ
り、給紙装置の機構を簡素化できるようにする画像形成
装置の給紙装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機やプリンタ等の画像形成
装置においては、給紙トレイ等の用紙収容手段から用紙
を送り出すために、給紙ローラ等の給紙部材と摩擦部材
を対向させた用紙さばき機構を配置し、用紙を１枚ずつ
さばきながら給紙する機構を設けている。前記用紙さば
き機構としては、例えば、実開昭６０−９８３９号公報
等に示されるように、給紙トレイからの用紙取り出し部
の下流部の固定位置に、分離パッドを配置する機構が知
られている。前記従来例では、分離パッドを給紙ローラ
に対して一定の押圧力で押圧する手段を用い、前記分離
パッドを弾性部材で構成することにより、給紙ローラと
の間で用紙さばき作用を発揮できるようにされる。前記
用紙さばき装置は、構造が比較的簡単なものであること
により、小型の複写機やプリンタ等の装置において多く
用いられている方式であり、分離パッドの摩擦係数等も
任意の値に設定することが可能である。

【０００３】また、特公平２−５００１７号公報等に示
される例では、分離パッドを用いた用紙さばき装置が開
示されているが、前記分離パッドを給紙ローラに対して
離接させる機構を設けている。そして、給紙ローラによ
り給紙トレイから送り出した用紙が、下流部に配置する
搬送ローラ装置により搬送される状態では、分離パッド
を給紙ローラから離間させて、搬送ローラ装置のみによ
り給紙する手段を構成し、用紙に対して余分な負荷がか
けられないようにしている。さらに、前記用紙さばき装
置は、単位時間当たりのコピー枚数が比較的多い複写機
等にも使用されている。したがって、前述したような分
離パッドの離接機構を配置することにより、用紙が用紙
搬送路に配置した搬送ローラ装置により搬送される際
に、用紙さばき装置による抵抗がなく、用紙に斜め送り
等の不都合が生じることがないようにされる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述したような従来例
のうち、実開昭６０−９８３９号公報等に示されるよう
に、分離パッドを給紙ローラに対して常時押圧する方式
の用紙さばき装置では、分離パッドに対して給紙ローラ
が押圧されているために、その摩擦力に対応させて給紙
ローラに対する駆動力を大きく設定することが必要とな
る。したがって、給紙装置に対する駆動モータ等を能力
の大きなもので構成することが必要とされ、装置の小型
化に影響が生じている。また、給紙ローラと分離パッド
の間に働く摩擦力が大きいために、用紙さばき装置から
用紙を引き抜く際の力を大きくすることが必要とされ、
下流部の搬送ローラ装置に対する負担が大きくなるの
で、搬送ローラ装置に対する駆動機構も能力の大きなも
のを構成することが要求される。さらに、給紙ローラが
分離パッドに対して強く摺動するために、スリップ音が
発生することと、摺動面が摩耗しやすい等の問題があ
り、多くの解決を要する問題が残っている。

【０００５】そこで、前記特公平２−５００１７号公報
に示されるように、用紙を下流部の搬送ローラ装置に引
き渡した状態で、用紙さばき装置でのニップを解除する
と、前述したような摩擦による障害は解決される。とこ
ろが、分離パッドを給紙ローラに対して離接させる機構
を構成する場合には、給紙ローラと分離パッドの接触部
での磨耗や騒音は解決されるものの、分離パッドを離接
させるための機構が複雑であるという問題がある。ま
た、分離パッドは給紙ローラに対して一定の位置で圧接
する必要があるものの、前記分離パッドを離接させる機
構を用いた場合には、分離パッドを一定の圧力で、正確
に位置決めして圧接することが困難であるという問題が
ある。

【０００６】

【発明の目的】本発明は、前述したような従来の給紙装
置の問題を解決するもので、給紙ローラに対して摩擦部
材を用紙の１枚分よりも若干隙間を開けて配置し、両部
材が直接接触することがない状態で用紙を送り出し得る
ように構成し、両部材の摩擦による障害が発生すること
を防止し、用紙さばき作用を良好な状態で発揮できる装
置を提供するとともに、構成を簡素化できる給紙装置を
提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明では、用紙収容手
段から給紙を行う給紙部材と、前記給紙部材に対応させ
て用紙のさばき作用を行う摩擦部材と、前記給紙部材の
周囲に沿って用紙を案内する湾曲案内部材を設けた給紙
装置を構成している。そして、本発明においては、前記
給紙部材に対応させて配置する摩擦部材を、湾曲案内部
材の湾曲面の内側に配置している。また、本発明におい
て、前記給紙部材により給送される用紙を用紙搬送路に
向けて搬送する手段を配置し、前記搬送手段を摩擦部材
の最下流点と、給紙ローラの接線を結ぶ線よりも給紙ロ
ーラの軸側に配置している。さらに、本発明において
は、前記給紙部材により給送される用紙を、摩擦部材を
配置した湾曲案内部材を介して用紙収容手段から用紙を
取り出す方向の延長方向に案内する用紙搬送路を構成
し、前記用紙搬送路に配置する搬送手段を、摩擦部材の
最下流点と給紙ローラの接線を結ぶ線よりも給紙ローラ
の軸側に配置することができる。

【０００８】

【作用】前述したように構成した本発明の画像形成装置
の給紙装置においては、給紙ローラに対して所定の間隔
を介して、同心円状に湾曲ガイド板を配置し、前記湾曲
ガイド板の内面に分離パッドを設けている。そして、前
記分離パッドの内面と給紙ローラの表面との間に、１枚
の用紙の厚さよりも広い隙間を形成して用紙さばき装置
を構成しているので、給紙ローラと分離パッドが直接接
触することがないため、両部材が余分な摩耗を生じたり
することがない。そして、用紙さばき装置の分離パッド
に対して湾曲させて搬送する用紙は、給紙ローラとの摩
擦作用により搬送されるが、給送される用紙に続いてさ
ばき部に送られる用紙は、先端部が分離パッドに当たっ
て停止されるために、重送を発生することがなく、用紙
さばき作用が良好な状態で行われる。したがって、本発
明の給紙装置は、構成を簡素化することが可能であり、
小型の画像形成装置等に対しても、容易に組み込むこと
ができ、給紙作用を良好な状態で発揮させることができ
る。

【０００９】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の画像形
成装置の給紙装置を説明する。本発明の給紙装置１０
は、図１、２に示されるように、給紙トレイ５の給紙部
に対して、給紙ローラ１１を配置し、前記給紙ローラ１
１を駆動軸１２により回転させて、用紙Ｐを送り出す機
構を構成している。前記給紙トレイ５は、スプリング７
によりボトムプレート６を上に向けて付勢し、用紙Ｐを
給紙ローラ１１に向けて所定の力で押圧する機構を構成
しており、一般のトレイや給紙カセットの場合と同様な
用紙押上機構を用いることができる。また、前記給紙装
置１０において、給紙トレイ５の用紙送り出し方向に
は、給紙ローラ１１に対して同心円状に湾曲させた湾曲
ガイド板１６を配置しており、前記湾曲ガイド板の内面
には、所定の長さの分離パッド１５を設けている。

【００１０】前記分離パッド１５は、ゴム等の摩擦係数
の大きな板状の部材で構成し、湾曲ガイド板１６の内面
に接着剤等を用いて一体に取り付けている。なお、前記
分離パッド１５の内面と給紙ローラ１１の表面の間に
は、１枚の用紙の厚さよりも若干広い間隔ｄを設けてお
り、２枚の用紙が同時に通過できないようにすると、用
紙さばき作用を良好に発揮できるようにすることができ
る。これに対して、前記間隔ｄを複数枚の用紙の厚さに
対応させて広く形成した場合でも、用紙に対するさばき
作用を発揮させることができる。つまり、本発明の用紙
さばき装置においては、給紙ローラ１１によりさばき部
を通過した用紙に続いて、後続の用紙がさばき部に突入
しても、その後続の用紙の先端部が湾曲して設けられて
いる分離パッド１５に係止されて停止するので、用紙が
重送状態で送り出されることが防止される。

【００１１】前述したように構成された給紙装置におい
て、駆動軸１２に対して一方向クラッチ１３を介して、
給紙ローラ１１が取り付けられており、駆動軸の駆動を
停止しても、給紙ローラを給紙方向に回転させ得るよう
に構成している。そして、給紙ローラにより給紙トレイ
から送り出された用紙が、下流部に配置した搬送ローラ
装置により搬送される際に、給紙ローラに対する駆動を
停止しても、用紙に追従させて給紙ローラ１１に自由な
回転を許容する。したがって、給紙装置の給紙ローラに
用紙が接した状態で、下流部に配置した用紙が、搬送ロ
ーラ装置により送り出される途中で、給紙装置により余
分な負荷が作用しないようにすることができる。

【００１２】前述したように構成した本発明の給紙装置
１０において、給紙ローラ１１を回転させて給紙トレイ
５から用紙Ｐを送り出す際には、図３に示されるよう
に、トレイに収容されている用紙の上部のものが、ロー
ラとの摩擦により用紙さばき部に向けて送り出される。
そして、ローラに摩擦されて給送される用紙Ｐ１は、給
紙ローラ表面との摩擦により下流部に向けて搬送される
が、後続の用紙Ｐ２は、用紙間の摩擦係数に対して、分
離パッドとの間の摩擦係数が大きいことにより、トレイ
から若干突出した位置で停止される。また、前記給紙装
置において、分離パッド１５を比較的弾性の大きなゴム
等で構成している場合に、後続の用紙Ｐ２の先端部が分
離パッドに突き当たり、給送される用紙との間の摩擦が
作用しても、重送状態で送り出されることがないように
される。前記構成に加えて、給紙ローラの表面と分離パ
ッドの内面との間に形成する間隔ｄを、１枚の用紙の厚
さよりも広く、２枚の用紙の厚さよりも狭く形成する
と、２枚の用紙が重なった状態で用紙さばき部に突入す
ることを防止でき、用紙に対するさばき作用を良好な状
態で発揮させることができる。

【００１３】前述したような構成の給紙装置は、例え
ば、図４に示されるような画像形成装置に対して、組み
込むことができる。前記図４に示される例においては、
画像形成装置１の本体フレーム２に設けた給紙部に対し
て、給紙トレイ５を装着し、給紙ローラ１１による給紙
装置１０に対して、前記給紙ローラ１１の右側半円部に
対応させて、半円形状の湾曲ガイド板１６を配置してい
る。そして、前記給紙ローラ１１の上側に対して、用紙
を案内する用紙搬送路２０を配置し、画像転写部の直前
部で、レジストローラ装置を兼ねた搬送ローラ装置２３
による搬送手段を設けている。前記給紙ローラ１１によ
る用紙の搬送作用は、用紙の先端部が搬送ローラ装置に
ニップされる位置まで継続され、前記給紙ローラにより
送り出される用紙が、搬送ローラ装置にニップされる
と、給紙ローラに対する駆動が停止される。

【００１４】前記装置本体の上部に配置する用紙搬送路
２０では、上ガイド板２１を湾曲ガイド板１６の延長部
として構成し、下ガイド板２２は給紙ローラ１１の上部
から下流に向けて別体に構成され、両ガイド板の間に用
紙を案内する手段を構成している。前記画像形成装置に
おいては、給紙トレイ５から送り出される用紙は、給紙
ローラ１１と分離パッド１５の間でさばかれ、用紙搬送
路２０内を搬送されて、搬送ローラ装置２３によりニッ
プされる状態で、画像転写部を通過する際に感光体ドラ
ム等に形成されるトナー画像が転写されて、コピーが作
成される。また、前記画像形成装置では、給紙ローラに
よる用紙の搬送の途中で、用紙に対するさばき作用が行
われるが、その用紙さばき作用に際しては、用紙を分離
パッドと給紙ローラの間で強く摩擦させることがないの
で、給紙ローラに対する駆動力を強く設定する必要がな
い。

【００１５】前記図４の給紙装置とは別に、本発明にお
いては、図５に示されるような用紙搬送装置を構成する
ことができる。前記図５に示される画像形成装置におい
ては、給紙ローラ１１に対応させて配置する湾曲ガイド
板１６を短いものとして構成し、給紙ローラ１１の上部
よりも下の位置から、図の右側に向けて用紙搬送路２０
を接続している。そして、前記用紙搬送路２０の下ガイ
ド板２２は、湾曲ガイド板１６の延長部として一体に構
成し、上ガイド板２１を下ガイド板２２と所定の間隔を
おいて一体に設けている。また、前記給紙ローラ１１に
対応させて湾曲ガイド板１６の内面に配置する分離パッ
ド１５は、給紙ローラの軸１２とほぼ一致する高さまで
設けておき、給送される用紙Ｐ１に対して、後続の用紙
Ｐ２を分離させて、用紙搬送路に向けて送り出す作用を
発揮させることができる。

【００１６】前記図４、５に示されるように、画像形成
装置に対して給紙装置１０を設け、給紙ローラ１１を駆
動軸１２に対して一方向クラッチ１３を介して支持させ
る場合には、用紙が搬送ローラ装置２３にニップされる
状態で、給紙ローラの駆動を停止しても、前記ローラ１
１は用紙の移動に追従して自由な回転を行い、用紙の移
動の障害となることはない。したがって、前述したよう
な構成の給紙装置では、さばき部に後続の用紙Ｐ２が停
止していても、給送される用紙Ｐ１に続いて送り出され
ることがなく、給紙作用が正常に行われることになる。
また、本発明の給紙装置においては、給紙ローラ１１を
任意のローラ部材で構成することができるものであり、
分離パッド１５とともに、従来の画像形成装置の給紙装
置に用いられているものと同様な性質を持つ部材で構成
することができる。さらに、本発明の給紙装置は、比較
的小型の複写機やレーザビームプリンタ等の装置に適用
することが可能であり、従来の用紙さばき装置のよう
に、給紙ローラに対して分離パッドを押圧させる機構等
を設けずに、用紙さばき作用を行う機構を構成すること
ができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明の画像形成装置の給紙装置は、前
述したような構成の用紙さばき装置を用いており、給紙
ローラに対して所定の間隔を介して、同心円状に湾曲ガ
イド板を配置し、前記湾曲ガイド板の内面に分離パッド
を設けているために、給紙ローラと分離パッドが直接接
触することがないので、両部材が余分な摩耗を生じたり
することがない。さらに、前記給紙装置では、給紙ロー
ラと分離パッドが接触しないので、用紙さばき作用を行
う際に、騒音が発生したり、ローラ表面や分離パッドが
余分に摩耗することを防止できる。そして、用紙さばき
装置の分離パッドに対して湾曲させて搬送する用紙は、
給紙ローラとの摩擦作用により搬送されるが、給送され
る用紙に続いてさばき部に送られる用紙は、先端部が分
離パッドに当たって停止されるために、重送を発生する
ことがなく、用紙さばき作用が良好な状態で行われる。
したがって、本発明の給紙装置の構成を簡素化すること
が可能であり、小型の画像形成装置等に対しても、容易
に組み込むことができ、給紙作用を良好な状態で発揮さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の給紙装置の構成を示す側面図であ
る。

【図２】 給紙装置の平面図である。

【図３】 本発明の給紙装置により用紙を給送する状態
の説明図である。

【図４】 本発明の給紙装置を適用可能な画像形成装置
の説明図である。

【図５】 図４と異なる機構の画像形成装置の説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 画像形成装置、 ５ 給紙トレイ、 １０
給紙装置、１１ 給紙ローラ、 １３ 一方向クラ
ッチ、 １５ 分離パッド、１６ 湾曲ガイド板、
２０ 用紙搬送路、 ２１ 上ガイド板、２２
下ガイド板、 ２３ 搬送ローラ装置。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙収容手段から給紙を行う給紙部材
   と、前記給紙部材に対応させて用紙のさばき作用を行う
   摩擦部材と、前記給紙部材の周囲に沿って用紙を案内す
   る湾曲案内部材を設けて給紙装置を構成し、 前記給紙部材に対応させて配置する摩擦部材を、湾曲案
   内部材の湾曲面の内側に配置することを特徴とする画像
   形成装置の給紙装置。
2. 【請求項２】 前記給紙部材により給送される用紙を用
   紙搬送路に向けて搬送する手段を配置し、前記搬送手段
   を摩擦部材の最下流点と、給紙ローラの接線を結ぶ線よ
   りも給紙ローラの軸側に配置することを特徴とする請求
   項１に記載の画像形成装置の給紙装置。
3. 【請求項３】 前記給紙部材により給送される用紙を、
   摩擦部材を配置した湾曲案内部材を介して用紙収容手段
   から用紙を取り出す方向の延長方向に案内する用紙搬送
   路を構成し、 前記用紙搬送路に配置する搬送手段を、摩擦部材の最下
   流点と給紙ローラの接線を結ぶ線よりも給紙ローラの軸
   側に配置することを特徴とする請求項１に記載の画像形
   成装置の給紙装置。