JPH062988Y2 - 複写機等の用紙案内装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機等の給紙装置から、位置合せローラに
よる位置合せ部分の間での用紙の案内装置に関し、特
に、搬送する用紙に斜め送り等が発生することを防止出
来るようにする装置に関する。

（従来の技術） 従来より、複写機やプリンター等のように、カット紙を
用い、用紙に対して画像の転写や、印字等の動作を行う
装置においては、給紙カセットや用紙トレイに用紙を収
容し、前記給紙カセット等を本体の給紙装置に装着し
て、給紙を行い得るようにしている。

上記したような装置においては、第４図および第５図に
示されるように、用紙１を給紙カセット４に収容して給
紙装置に装着し、前記給紙装置に設けられた給紙ローラ
５によって用紙搬送路の導入部に向けて送り出すように
する。また、前記導入部の上ガイド板１０と下ガイド板
１３とにより規制されるガイド部で、スリップローラ６
を介して案内し、位置合せローラ７により前記用紙１の
先端部が位置決めされた状態で一旦停止させる。そし
て、その後で、複写機においては、感光体ドラムに形成
される画像にタイミングを一致させた状態で、画像転写
部に向けて送り出すようになっている。

上記したような用紙の送り出しの動作は、複写機の場合
には、給紙カセットを用いた装置、または、用紙トレイ
を用いた装置の場合にも、同様にして行なわれる。さら
に、レーザプリンター等のような、複写機と同様にして
感光体ドラムにトナー画像を形成し、そのトナー画像を
用紙に転写するような装置においても、同様な動作によ
って給紙が行なわれる。また、上記した給紙カセットに
対する給紙ローラ５の位置関係は、多種類のサイズの用
紙に対して適応させるため等の理由によって、給紙カセ
ットの中心部に設けずに、複写機等のレジストレーショ
ン線の側に偏った位置に設けられることが多い。したが
って、給紙カセットから給紙ローラによって送り出され
る用紙は、その側部に給紙ローラによる駆動力が加えら
れる状態で、送り出しの動作が行なわれるようになる。

（考案が解決しようとする問題点） 上記したような従来の装置においては、用紙の一方の側
に対して給紙ローラによる搬送力が加えられるために、
給紙カセットに設けられたスナッバー等によって、用紙
の幅方向に対して偏った位置で抵抗が加えられると、用
紙はその送り出しの最初の段階で偏った状態になる。ま
た、給紙ローラによって送り出された用紙が、用紙搬送
路の上下のガイド板１０、１３による導入部に導入され
る際に、そのガイド板に接触して斜め送りが増大される
ことがある。そのような斜め送りが発生することを防止
するために、スリップローラ６を設けているが、前記ス
リップローラ６によっても、用紙の斜め送りが解消され
ないことが多い。

つまり、第４図および第５図に示されるように、給紙ロ
ーラ５によって送り出される用紙１は、その給紙ローラ
５に係合される側１ａに対して送り出し力が強く作用す
るものであり、他方の側１ｂに対しては、送り出し力よ
りも、用紙さばき機構等による抵抗が多く作用すること
になる。

そして、給紙ローラによって送り出された用紙が、用紙
の中央部に送り出し力が付加されていないために、第５
図に示されるように、給紙ローラが係合する側の一側部
１ａに向けて斜め方向に向けて送られ、他側部１ｂは、
ガイド板等の抵抗によって、遅れる等の欠点が発生す
る。この状態は、第４図で実線で示される１ａと、鎖線
で示される１ｂとの位置ズレの結果生じるもので、駆動
されない側１ｂの方が上ガイド板１０に接触して、その
部分に抵抗が生じ、用紙の斜め送りが助長されることに
なることにもよる。

すなわち、上記したような用紙の斜め送りが発生するこ
とは、スリップローラ６によっても解消することが出来
ず、位置合せローラ７によって用紙の先端部が停止され
た状態で、なおもスリップローラ６による送りの動作を
続けることによって、その斜めの状態の解消を行って
も、完全に斜め送りが解消されることがないものであ
る。

したがって、感光体ドラムに形成されたトナー画像にタ
イミングを合せて位置合せローラ７を駆動し、用紙を送
り出す場合でも、用紙の斜め送りが発生することがあっ
て、良好な状態でのコピーが得られない等の問題が発生
していた。前記問題を解決するために、駆動軸に対して
設けられる給紙ローラの間隔を広げることや、スリップ
ローラ６の押圧力の調節による方法等が考えられる。し
かし、給紙ローラの間隔を広げる場合には、小サイズの
用紙に対して良好な状態での搬送を行い得ないという問
題が発生し、他方、スリップローラの押圧力を調整する
ことは、比較的効果が得にくい等の問題を有している。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられている装置
の欠点を解消するもので、上ガイド板に対して補助部材
を付設することによって、用紙の斜め送りの解消を行い
得る装置を提供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段及び作用） 本考案は、カット紙を用いて画像の転写等の処理を行う
複写機等の装置の用紙搬送路への用紙の導入部に、給紙
カセット等の装置に対して用紙搬送路の一側部に偏った
状態で設けられた給紙ローラによって取り出し、位置合
せローラに向けて搬送するための用紙ガイド部材を設け
てなる装置に関する。本考案においては、前記給紙ロー
ラと位置合わせローラとの間に、用紙に接触し従動回転
するローラ部材を配置し、前記ローラ部材の側部に、上
ガイド板の一部を用紙搬送路に向けて突出させた凸部を
形成し、前記凸部とローラ部材とにより、用紙の案内を
行う手段を構成している。

したがって、本考案の複写機等の用紙案内装置において
は、給紙ローラが偏った位置に設けられていても、用紙
の前記給紙ローラによって送られない側には、凸部また
はガイドローラが形成されていて、それによって用紙の
ガイドを行うので、用紙に斜め送りが発生することを防
止出来るものとなる。そして、位置合せローラにより停
止され、前記位置合せローラが再び駆動されることによ
って、画像転写部に向けて用紙が送られる場合には、用
紙は正常な姿勢で送られるものとなり、良好な状態での
コピーを作成することが可能になる。

（実施例） 図示された実施例に従って、本考案の複写機等の用紙案
内装置の構成を説明する。第１図に示されるように、複
写機等の装置の給紙装置には、給紙カセット４に収容さ
れた用紙１がセットされ、前記用紙１に対して、給紙ロ
ーラ５を押圧し、そのローラの回転によって給紙の動作
が行われる。前記給紙装置に続く用紙搬送路は、上ガイ
ド板１０と下ガイド板１３とによって上下が規制された
状態に設けられ、前記上下のガイド板の始端部は用紙の
案内を行うために、上下方向に大きく湾曲された導入端
部１０ａ、１３ａが形成される。また、前記用紙搬送路
の途中の部分にはスリップローラとして構成される搬送
ローラ６を設け、画像転写部の手前の位置には位置合せ
ローラ７を配置している。

上記した構成を有する本考案の複写機等の用紙案内装置
において、給紙カセット４から給紙ローラ５によって取
出された用紙１は、導入端部１０ａ、１３ａの間を通っ
て用紙搬送路に導入され、搬送ローラ６を介して位置合
せローラ７に至り、停止状態にある位置合せローラ７に
よって一旦停止される。その後で、複写機の感光体ドラ
ムに形成されるトナー画像等に対して、タイミングを一
致させて位置合せローラ７を駆動し、画像転写部に向け
て用紙の搬送を行う。

上記したような構成を有する本考案の複写機等の用紙案
内装置において、上ガイド板１０に対して用紙が強く押
圧される位置に、前記上ガイド板１０から下に向けて突
出する凸部１５を設け、前記凸部１５によって用紙が同
一の軌跡をとるように形成している。つまり、上記第４
図の従来例の場合のように、用紙の給紙ローラによって
駆動されない側の軌跡が、大きく湾曲されて上ガイド板
に接触し、その部分での摩擦抵抗が増大することを、前
記凸部によって防止し、その移動軌跡を変更することに
よって、給紙カセットから送り出される用紙に、斜め送
りが発生することを防止出来るようにするものである。

また、本考案の複写機等の用紙案内装置においては、第
２図に示すように、用紙搬送路の上ガイド板１０に形成
した導入端部１０ａに続いて、ガイドローラ１６を設け
ることが出来る。この場合には、前記ガイドローラ１６
は、前記した凸部の場合と同様に、用紙が上ガイド板１
０に対して最も強く押圧される位置に、そのガイドロー
ラを設けることもできる。前記実施例では、ガイドロー
ラによって用紙に対する摩擦を低減させるとともに、給
紙ローラに係合されない側に対して用紙の移動軌跡を変
更することによって、搬送される用紙に斜め送りが発生
することを防止出来るようにしている。

つまり、上記した本考案の実施例においては、用紙の給
紙ローラによって駆動されない側に対しては、上ガイド
板に係合部材を設けることによって、前記用紙の移動軌
跡を同一に設定出来るようにし、斜め送りが発生しない
ようにする。また、本考案の上記した複写機等の用紙案
内装置においては、上ガイド板１０に対してその導入端
部１０ａに近接する位置に、凸部１５を設けることの他
に、ガイドローラ１６を設けることも可能である。この
状態は第３図に示されるもので、前記凸部１５と同一の
高さの凸部を形成するようにしてガイドローラ１６を設
け、それによって、用紙の両側部の移動軌跡が同一にな
るように規制することが出来るものとなる。

また、本考案の実施例においては、給紙装置に給紙カセ
ットを装着するものとして説明したが、用紙トレイやそ
の他の用紙収容部材を用いる場合でも、用紙搬送路に同
様な手段を設けることが出来る。そして、いずれの場合
でも、一方に偏った位置に設けられる給紙ローラによっ
て、搬送される用紙に斜め送りが発生することを防止出
来るものとなる。なお、上記した本考案の実施例におい
ては、用紙の移動軌跡の変更手段を複写機に設けた場合
の例を示しているが、本考案の装置は複写機に設けられ
ることに限定されるものではなく、その他に、カット紙
を用いて画像の転写を行うレーザプリンター装置、通常
のプリンター等の装置にも適用が可能なものである。

（考案の効果） 本考案の複写機等の用紙案内装置は、上記したような構
成を有するものであるから、給紙カセットから供給され
る用紙の一方の側部をガイド板から突出させて設けた凸
部に摺動させる手段を用いることにより、用紙の両端部
での移動軌跡が異なるものとはならず、同一の移動軌跡
を描くことになる。したがって、搬送される用紙に斜め
送りが発生することが防止され、位置合せローラにより
停止された場合でも、その用紙のズレは非常に小さいも
のとなる。また、本考案の装置においては、スリップロ
ーラとして構成されたローラ部材を用いる場合でも、そ
のローラ部材の押圧力の調節等を行う必要がなく、前記
ローラ部材を設けない装置においても、位置合せローラ
の位置の設定を任意に行い得るものとなる。そして、本
考案の手段を用いることによって、複写機に使用可能な
用紙の種類を増加させ得るものとなり、小サイズの用紙
の場合でも良好な状態での給紙を行い得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の用紙案内装置の構成を示す側面図、第
２図は本考案の他の実施例の側面図、第３図は本考案の
上ガイド板の構成を示す斜視図、第４図は従来より用い
られている給紙装置の構成を示す側面図であり、第５図
は第４図における用紙の送りの状態を示す平面図であ
る。 図中の符号 １……用紙、４……給紙カセット、５……給紙ローラ、
６……搬送ローラ、７……位置合せローラ、１０……上
ガイド板、１３……下ガイド板、１５……凸部、１６…
…ガイドローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カット紙を用いて画像の転写等の処理を行
   う複写機等の装置の用紙搬送路への用紙の導入部に、給
   紙カセット等の装置に対して用紙搬送路の一側部に偏っ
   た状態で設けられた給紙ローラによって取り出し、位置
   合せローラに向けて搬送するための用紙ガイド部材を設
   けてなる装置において、 前記給紙ローラと位置合せローラとの間に、用紙に接触
   し従動回転するローラ部材を配置し、前記ローラ部材の
   側部に、上ガイド板の一部を用紙搬送路に向けて突出さ
   せた凸部を形成し、 前記凸部とローラ部材とにより、搬送される用紙に対す
   る案内を行うことを特徴とする複写機等の用紙案内装
   置。