JPH089089Y2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電子複写機やレーザプリンター等の画像形
成装置において、画像転写部の直前部分で用紙の位置決
めを行うための装置に関し、特に、ゲート部材に先端部
を係合させてループを作る際に、斜め送りローラにより
用紙の側面を合せるようにする手段を設けた装置に関す
る。

（従来の技術） 電子複写機やレーザプリンター等のカット紙を用いる
画像形成装置においては、感光体ドラム等からの画像転
写部の上流部にゲート部材を配置し、用紙搬送路内を搬
送されてくる用紙を一旦停止させるような手段を設けて
いる。そして、感光体ドラムに形成されたトナー画像に
タイミングを合せて、用紙を画像転写部に向けて送り出
し、用紙に対してトナー画像の転写位置がズレを発生し
たりすることがないようにされる。

例えば、一般的な画像形成装置において、用紙の搬送
系統は、第４図に示されるように構成される。この第４
図に示される画像形成装置１において、本体の給紙部に
用紙トレイ２を配置し、該用紙トレイ２から給紙装置３
により送り出された用紙を、用紙搬送路４を介して感光
体ドラム５からの画像形成装置に向けて送り出す。

また、感光体ドラム５から、転写コロトロン６の放電
によってトナー画像が転写された用紙は、バキューム搬
送手段を設けた用紙搬送装置により定着装置７に案内さ
れ、定着が行なわれて排出トレイ８に収容される。

なお、前記画像形成装置において、感光体ドラム５に
画像の書込みを行う手段は、通常の光学系走査手段を用
いた例を示しているが、この他に、レーザービームプリ
ンター等のように、レーザービームによる書込み手段を
用いることも出来る。

前述したような画像形成装置において、用紙トレイ２
から感光体ドラム５の画像転写位置までの間の用紙搬送
路には、複数の搬送ローラ装置が配置される他に、感光
体ドラムの上流部の所定の位置に、用紙の側面の位置決
めを行うために、サイドガイドを配置し、該サイドガイ
ドに向けて用紙を斜め送りするために、斜め送りローラ
12を設けている。

さらに、用紙搬送路の感光体ドラム側の先端部に、ゲ
ート部材10とレジローラとを設けておき、用紙搬送路内
を搬送されてくる用紙をゲート部材10により一旦停止さ
せ、その先端部の位置決めを行うとともに、感光体ドラ
ムの回転にタイミングを合せて、用紙を画像転写部に向
けて送り出すことが出来るようにされる。

前述したような用紙の位置決め手段において、サイド
ガイド13と斜め送りローラ12との関係は、第５図に示さ
れるようになっている。そして、用紙搬送路内を搬送さ
れる用紙Ｐに対して、複数の斜め送りローラ12……によ
り、用紙をサイドガイド13に向けて斜め方向に送るよう
な作用を行い、用紙の側面をサイドガイドに摺動させた
状態で、その用紙の側面の位置決めを行い、ゲート部材
により停止させる。

ところが、斜め送りローラによりサイドガイドに向け
て用紙を斜め送りする場合に、第６図に示されるよう
に、その用紙搬送路の上流側で、用紙が上流側搬送ロー
ラ装置11によりニップされた状態にあると、用紙がサイ
ドガイドに向けて移動されにくくなるという問題があ
る。これを避けるためには、斜め送りローラを複数用
い、長い斜め送り用の搬送路を構成する必要がある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前述したように斜め送りローラによる
斜め送り区間を長く設定することは、用紙搬送路を長く
形成することが必要となるために、用紙トレイから画像
転写位置に用紙が到達する時間が長くなり、単位時間当
たりのコピーの作成枚数が少なくなるという欠点が発生
する。また、用紙搬送路を長く構成することは、装置は
大型化する等の問題が生じ、装置の製造コストが上昇す
る等の欠点がある。

これに対して、例えば、実開昭63−200545号公報等に
示されるように、斜め送りローラを軸方向に移動可能に
設けておき、用紙を斜め送りする際の用紙の腰の強さに
よる反力を、斜め送りローラの移動によって解消しよう
とする手段等が提案されている。

しかし、前記従来例に示されるような斜め送りローラ
を用いることによっても、装置の構成が複雑になる等の
問題は避けられないものである。

また、用紙が画像転写部に向けて正常な姿勢で送られ
ずに、斜め送りが発生した場合には、転写されたトナー
画像が、用紙に対して斜めに形成されて欠陥コピーが作
成される等の欠点が発生する。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられている装
置の欠点を解消するもので、用紙の先端部に形成される
ループと、該ループ部分に対して作用する斜め送りロー
ラとを用いて、短い搬送路で用紙の側面をサイドガイド
に合せて位置決め出来るようにする手段を提供すること
を目的としている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案は、用紙収容部から印字部に向けて用紙の搬送
経路を規定する用紙搬送路と、前記用紙搬送路を搬送さ
れる用紙の搬送を規制することによって用紙の先端部の
整合を行う整合手段（ゲート部材10）、前記整合手段に
よって搬送が規制された用紙の側端を規制するサイドガ
イド手段（サイドガイド13）と、用紙を前記整合手段に
向けて搬送し、用紙にループを形成する第１の搬送手段
（上流側搬送ローラ装置11）と、前記第１の搬送手段よ
りも搬送方向下流側に設けられ、前記ループが形成され
た用紙の前端部に対して、前記サイドガイド手段の方向
に向けた搬送力を前記第１の搬送手段による搬送力に重
畳する第２の搬送手段（斜め送りローラ12）とから構成
している。また、本考案において、前記第２の搬送手段
は、前記用紙搬送路に対して斜め方向に設けられた摩擦
係数の小さい材料からなる回転ローラで構成することが
できる。

さらに、本考案においては、前記整合手段に対して上
流方向側に設けられ、前記第２の搬送手段によって搬送
力が付加された用紙の前端部の浮き上がりを防ぐ浮き上
がり規制手段をさらに具備することができる。そして、
前記浮き上がり規制手段は、摩擦係数の小さいローラ部
材（押圧ローラ装置15）で構成すること、または、複数
の羽根部材を有し、回転するパドル（押圧用パドル16）
で構成することが可能である。

したがって、本考案の用紙位置整合装置においては、
用紙搬送路を特に長く形成したりすることなしに、用紙
の先端部と側部との位置決めを行うことが出来、画像転
写部に向けて用紙を正確に供給することが出来る。

また、本考案の装置においては、ゲート部材により停
止される用紙が、斜め送りローラにより斜め方向に送ら
れる作用を受けた場合でも、用紙の他端部が浮き上がっ
たりして、ゲート部材から外れることを防止して、用紙
を送り出すことが出来る。

（実施例） 図示された例に従って、本考案の画像形成装置の構成
を説明する。

第１図に示される本考案の実施例は、第４図に示され
たような画像形成装置において、感光体ドラムから画像
を転写する位置の上流部で、用紙を位置決めして停止さ
せる部分の構成のみを示している。

前記第１図に示される例においては、レジ部のゲート
部材10に対応させて、その側部にサイドガイド13を配置
し、前記サイドガイド13に近接した位置で、ゲート部材
10の下流部に第２の搬送手段としての斜め送りローラ12
を配置している。

前記斜め送りローラ12は、上側のピンチローラと下側
の駆動ローラとから構成されるもので、上下のローラの
軸が用紙の搬送方向に対して所定の角度で傾斜させたも
のを配置しているが、この他に、実開昭63−37656号公
報等に示されるような一方のローラ傾斜させて設けるこ
と、または、特公昭55−20222号公報に示されるよう
な、上下のローラをクロスさせるようにして配置した装
置を用いても良い。

前述したように構成される本考案の装置においては、
第１の搬送手段としての上流側搬送ローラ装置11により
送られてくる用紙Ｐの先端部を、ゲート部材10によって
停止させるとともに、第２の搬送手段としての斜め送り
ローラ12により用紙を斜め送りする作用を行い、２つの
搬送手段による搬送力を重畳するようにして、用紙の側
面をサイドガイドに沿って位置決めを行わせるように構
成している。

前述したような各手段が配置される本考案の装置にお
いて、ゲート部材10が用紙搬送路を閉じている状態で、
用紙搬送路内を用紙Ｐが搬送されてくる。そして、搬送
されてくる用紙Ｐに対して、上流側搬送ローラ装置11に
よりニップされた状態で、その用紙Ｐの先端部が斜め送
りローラ12によって斜め送りの作用が行われ、その用紙
の側部がサイドガイド13に向けて移動される。

さらに、上流側搬送ローラ装置11と斜め送りローラ12
とにより、用紙がなおも送られることによって、用紙の
先端部がゲート部材10に係止されて停止し、該ゲート部
材により係止された部分と、上流側搬送ローラ装置11と
の間で用紙にループが形成される。

したがって、ゲート部材10を開いて、用紙を再び送り
出す際には、用紙に形成されたループ部分の紙の腰を強
さによって、用紙の先端部が瞬時にレジローラに向けて
突出され、その用紙が斜めになったりすることなしに、
正確に位置決めが行なわれた状態で、感光体ドラムから
の画像転写位置に向けて搬送される。

前述したような状態で用紙にループが形成された際
に、斜め送りローラにより斜め方向に送り作用が付与さ
れている側では、その用紙がよじれた状態でループの形
状が維持されるが、他方の側Paでは、用紙の先端部が浮
き上がり気味の状態で、ゲート部材に係止されるような
作用を受けることになる。

しかし、前述したような状態で、用紙の先端部をゲー
トにより係止され、なお、斜め送りローラにより送り作
用を受けた場合でも、通常の用紙では、その先端部の位
置決めが正確に行なわれるものとなる。ところが、用紙
の紙質によっては、前述したようにゲートにより一旦停
止された際に、斜め送りローラにより斜め送りの作用が
付与されると、用紙の他端部（斜め送りローラにより押
圧されない側）がゲートから外れたりするような問題が
発生することがある。そこで、本考案の装置において
は、前記第１図に示されるような手段に加えて、第２図
に示されるような浮き上がり規制手段としての押圧ロー
ラ装置を付加した手段を用いることができる。

前記第２図に示される例において、ゲート部材10によ
り用紙Ｐを停止させる部分には、その用紙搬送路の側部
にサイドガイド13を配置し、該サイドガイドに沿って斜
め送りローラ12を設けている。

前述したゲート部材10、サイドガイド13および、斜め
送りローラ12の他に、本考案の場合には、用紙Ｐの他端
部を押圧するために、押圧ローラ装置15を設けている。
この押圧ローラ装置15は、用紙をニップした状態で、そ
の搬送方向に回転される上下のローラから構成されるも
ので、該ローラは、比較的摩擦係数の小さい部材により
構成され、用紙に対する搬送作用を強く発揮しないが、
用紙の側部を一定の力で保持し、その側部が浮き上がっ
たりすることを防止しながら、用紙の先端をゲートに押
圧した状態を維持出来るようにしている。

前述したような各手段が配置される本考案の装置にお
いて、第１図において説明したように、ゲート部材10が
用紙搬送路を閉じている状態で、用紙搬送路内を用紙Ｐ
が搬送されてくる。そして、搬送されてくる用紙Ｐに対
して、上流側搬送ローラ装置11によりニップされた状態
で、その用紙Ｐの先端部が斜め送りローラ12によって斜
め送りの作用が行われ、その用紙の側部がサイドガイド
13に向けて移動されるとともに、該ゲート部材により係
止された部分と、上流側搬送ローラ装置11との間で用紙
にループが形成される。

前述したようにして、用紙にループが形成された際
に、斜め送りローラにより斜め方向に送り作用が付与さ
れている側では、その用紙がよじれた状態でループの形
状が維持されるが、他方の側Paでは、用紙の先端部が浮
き上がるような作用を受けことがある。

しかし、前記第２図の実施例の場合には、前記斜め送
りローラにより規制されない用紙の他側に、押圧ローラ
装置15を配置することによって、用紙の他方の先端部が
浮き上がることを防止して、その用紙をゲートに向けて
確実に押圧し、その用紙の停止状態を正確に維持出来る
ようにする。

また、本考案の押圧ローラ装置15は、用紙Ｐがゲート
部材10によって停止されている間も、用紙に対する送り
の作用を行うが、斜め送りローラが用紙をサイドガイド
に向けて巾寄せの作用を妨げないようにするために、前
記押圧ローラ装置を構成するローラを摩擦係数の小さい
部材で構成している。

また、本考案の装置においては、前述した浮き上がり
規制手段としての押圧ローラ装置15に代えて、第３図に
示されるように、押圧用パドル16を設けることができ
る。この第３図に示される押圧用パドル16は、通常の複
写機等の装置において、手差しトレイ等から給紙を行う
ために用いられるパドルと同様なものを使用することが
出来る。前記押圧用パドル16は駆動軸に固定される軸部
材から、所定の角度で多数の羽根部材を突出させて構成
している。

そして、前述したような押圧用パドル16を、停止され
ている用紙の上で回転させると、羽根部材によって間歇
的に用紙に対する押圧と送りの作用が付与されるが、そ
の羽根により押圧される合間に、斜め送りローラによる
斜め送りの作用が行なわれて、その用紙をサイドガイド
に向けて移動させるような作用が行われる。

したがって、本考案の装置においては、ゲート部材に
より停止されている状態で、用紙の先端部にループを形
成する作用と、サイドガイドに向けて斜め送りを行う作
用が行なわれて、用紙に対するレジ作用が正確に行なわ
れることになる。

また、前述した本考案の装置は、第４図に示された画
像形成装置において、用紙搬送路４のゲート部材10の部
分に設けることが出来るもので、一般的な画像形成装置
の用紙搬送路に対して、押圧ローラ装置または押圧用パ
ドルを追加して配置することが可能である。

なお、上記したような本考案の実施例において、押圧
ローラ装置または押圧用パドルは、画像形成装置におい
て最も多く使用されるサイズの用紙に対応させて配置す
ることが出来るものであり、ローラ部材も任意の形状の
ものを用いることが出来る。

（考案の効果） 本考案の画像形成装置は、上記したような構成を有す
るものであるから、ゲート装置により停止された用紙に
対して斜め送りローラにより斜め送りの作用を行い、用
紙の側面の位置決めを正確に行って送り出すようにする
ことにより、用紙の斜め送り等の問題の発生を防止する
ことが出来る。

また、本考案の装置は、用紙搬送路を特に長く形成し
たりすることなしに、用紙の先端部と側部との位置決め
を行うことが出来、画像転写部に向けて用紙を正確に供
給することが出来る。

そして、本考案の装置においては、ゲート部材により
停止される用紙が、斜め送りローラにより斜め方向に送
られる作用を受けた場合でも、用紙の他端部が浮き上が
ったりして、ゲート部材から外れることを防止して送り
出すことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の画像形成装置の構成を示す斜視図、第
２図は本考案の別の実施例の説明図、第３図は本考案の
他の実施例の説明図、第４図は本考案が適用される画像
形成装置の説明図、第５図は第４図のＧ−Ｇ線での正面
図であり、第６図は斜め送りローラにと上流側搬送ロー
ラ装置とにより送り作用を受ける場合の説明図である。 図中の符号 １……画像形成装置、４……用紙搬送路、10……ゲート
部材、11……上流側搬送ローラ装置、12……斜め送りロ
ーラ、13……サイドガイド、15……押圧ローラ装置、16
……押圧用パドル。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】用紙収容部から印字部に向けて用紙の搬送
   経路を規定する用紙搬送路と、 前記用紙搬送路を搬送される用紙の搬送を規制すること
   によって用紙の先端部の整合を行う整合手段と、 前記整合手段によって搬送が規制された用紙の側端を規
   制するサイドガイド手段と、 用紙を前記整合手段に向けて搬送し、用紙にループを形
   成する第１の搬送手段と、 前記第１の搬送手段よりも搬送方向下流側に設けられ、
   前記ループが形成された用紙の前端部に対して、前記サ
   イドガイド手段の方向に向けた搬送力を前記第１の搬送
   手段による搬送力に重畳する第２の搬送手段と、 を有する画像形成装置。
2. 【請求項２】前記第２の搬送手段は、前記用紙搬送路に
   対して斜め方向に設けられた摩擦係数の小さい材料から
   なる回転ローラであることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の画像形成装置。
3. 【請求項３】前記整合手段に対して上流方向側に設けら
   れ、前記第２の搬送手段によって搬送力が付加された用
   紙の前端部の浮き上がりを防ぐ浮き上がり規制手段をさ
   らに具備することを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項ないし第２項に記載の画像形成装置。
4. 【請求項４】前記浮き上がり規制手段は、摩擦係数の小
   さいローラ部材であることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第３項に記載の画像形成装置。
5. 【請求項５】前記浮き上がり規制手段は、複数の羽根部
   材を有し、回転するパドルであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第３項に記載の画像形成装置。