JPH07135700A - スピーカーの組立方法 - Google Patents

スピーカーの組立方法

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JPH07135700A
JPH07135700A JP28307493A JP28307493A JPH07135700A JP H07135700 A JPH07135700 A JP H07135700A JP 28307493 A JP28307493 A JP 28307493A JP 28307493 A JP28307493 A JP 28307493A JP H07135700 A JPH07135700 A JP H07135700A
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JP
Japan
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liquid
adhesive
polymerizable monomer
curing
speaker
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Application number
JP28307493A
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English (en)
Inventor
Toshio Somemiya
敏夫 染宮
Hayashi Tsurumoto
隼士 鶴本
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Cemedine Co Ltd
Original Assignee
Cemedine Co Ltd
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Publication date
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スピーカーの組立において、溶剤を含まず衛
生上火災上において安全で、加熱なしでも速硬化接着を
可能とし、接着作業が容易であっていずれの接合部を接
着しても、短時間で内部まで十分硬化し作業性に優れた
ものとする。 【構成】 スピーカーを構成する各部材の接合部にA液
及びB液からなる二液型速硬化弾性接着剤を塗付し、直
ちに上記各部材をはり合わせるスピーカーの組立方法で
あり、該二液型速硬化弾性接着剤は、反応性珪素基を有
する高分子化合物とラジカル重合性モノマーと反応性珪
素基を有する高分子化合物の硬化促進剤とラジカル重合
性モノマーの重合開始剤とラジカル重合性モノマーの重
合促進剤とを必須成分として有し、該ラジカル重合性モ
ノマーの重合開始剤をA液又はB液の何れか一方に配合
し、かつラジカル重合性モノマーの重合促進剤をA液又
はB液の他方に配合し、残りの必須成分をA液又はB液
の一方又は双方に配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は溶剤を使用せず、かつ
加熱なしでも速硬化接着を可能とした、スピーカーの組
立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】音響機器に用いられるスピーカーは、図
1に示したように、フレーム1、コーン紙2、コーンエ
ッジ3、ガスケット4、ボイスコイル5、ダンパー6、
ダストキャップ7、トッププレート8、フェライトマグ
ネット9、ボトムプレート10の各部材等から構成さ
れ、これらの各部材は接合部a,b,c,d,e,fお
よびgにおいて適宜に接着剤で接合されてスピーカーに
組み立てられている。
【0003】上記したa〜eの接合に使用される接着剤
としては、クロロプレン系接着剤が広く使用されていた
が、このクロロプレン系接着剤は、接着剤を塗布した
後、所定のオープンタイムを取って発現する粘着性を利
用して接着するコンタクト型の接着において片面塗布で
は粘着による初期接着強さが得られないという欠点があ
る。
【0004】また、塗布直後に接合すると初期接着強さ
が発現するまでの間、固定のための治具が必要になると
いう欠点があった。さらにクロロプレン系接着剤は固形
分が30〜35重量%の溶剤型接着剤であるために、固
化の際に多量の溶剤が揮散して健康を損なう危険や火災
を起こす危険など、作業環境上の問題があった。
【0005】一方、スピーカーの界磁部に当たる接合部
f及びgは充分な接着強度が必要とされる。このため、
該接合部f及びgに使用される接着剤としては、エポキ
シ系接着剤、マイクロカプセル型アクリル系接着剤、2
液アクリル系接着剤、α−シアノアクリレート系接着剤
などの接着剤が用いられ、またα−シアノアクリレート
系接着剤と常温湿気硬化型接着剤(コンタクト接着性の
ない従来の湿気硬化型接着剤)とを組み合わせた接着方
法も知られている(特開平1−129700号)。
【0006】通常用いられる常温硬化型エポキシ系接着
剤は、2液を正確に自動計量混合するための特別の設備
が必要になり、実用強度に達するまでの時間が遅く、特
別な加熱炉を必要とするなどの欠点があった。また硬化
物が硬くもろいため接着剤のフェライトを壊してしまう
ことがあるという問題があった。
【0007】マイクロカプセル型アクリル系接着剤は、
1液で常温で短時間で硬化するため作業性に優れている
が、マイクロカプセルを破壊しなければ硬化しないた
め、接着剤のはみ出し部分が未硬化となる欠点があっ
た。
【0008】このようなエポキシ系接着剤のもろいとい
う欠点を改良した物としては、弾性接着剤と称されるセ
メダインEP−001などで代表されるようなエポキシ
/変性シリコーン系二液型速硬化弾性接着剤が知られて
いるが、この種の接着剤は、まだ硬化速度がライン組立
に適さない程遅いことや、内部硬化が極めて遅いなどの
問題があった。
【0009】また、二液型アクリル系接着剤は、硬化が
早く組立ライン適性に優れるという利点がある半面、硬
化物が硬くてもろいため、被着材のフェライトを壊して
しまうことがあるという欠点があった。
【0010】α−シアノアクリレート系接着剤は1液で
あり、常温で短時間に硬化させることができ、作業性に
優れているが、耐衝撃接着力、耐湿接着力、耐熱老化接
着力が低く接着性能に劣るという欠点があった。上記し
たような従来型接着剤では、速硬化でしかも柔軟性であ
る接着剤が無かった。
【0011】一方、α−シアノアクリレート系接着剤と
常温湿気硬化型接着剤(コンタクト接着性のない従来の
湿気硬化型接着剤)の組み合わせによる接着では2液を
塗布し、これらが重なり合わないように正確に位置決め
するための特別の設備が必要になるという欠点があっ
た。
【0012】このように、従来のスピーカー組立用の接
着方法にはそれぞれ問題があり、いずれも十分に満足で
きるものではなく、特に1つの接着剤でスピーカーの各
接合部a〜gまでの接着を行い得るものはなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記した
スピーカー組立用の接着方法の難点を解消すべく鋭意研
究を重ね、二液型速硬化弾性接着剤が、室温で反応硬化
して強靱で柔軟な接着剤となる点に注目してこの性質を
積極的に利用することによって本発明を完成させたもの
である。
【0014】本発明は、従来の溶剤型ゴム系接着剤と異
なり、溶剤を含まないので衛生上火災上において安全で
あり、室温速硬化型接着剤であるため直ちに固定でき、
接着方法が簡単で張り合わせ後の仮押えが短時間です
み、接着作業が容易であっていずれの接合部をも接着で
き、特別な加熱炉を必要とせず、その上適湿性のない接
合部を接着しても、短時間で内部まで十分硬化し作業性
に優れた接着剤を用いたスピーカーの組立方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明のスピーカーの組立方法においては、ス
ピーカーを構成する各部材の接合部にA液及びB液から
なる二液型速硬化弾性接着剤を塗付し、直ちに上記各部
材をはり合わせるようにしたものである。
【0016】本発明方法で用いられる二液型速硬化弾性
接着剤としては、反応性珪素基を有する高分子化合物と
ラジカル重合性モノマーと反応性珪素基を有する高分子
化合物の硬化促進剤とラジカル重合性モノマーの重合開
始剤とラジカル重合性モノマーの重合促進剤とを必須成
分として有し、該ラジカル重合性モノマーの重合開始剤
をA液又はB液の何れか一方に配合し、かつラジカル重
合性モノマーの重合促進剤をA液又はB液の他方に配合
し、残りの必須成分をA液又はB液の一方又は双方に配
合するものが用いられる。
【0017】また、本発明方法で用いられる二液型速硬
化弾性接着剤としては、イソシアネート基を有する化合
物とラジカル重合性モノマーとイソシアネート基を有す
る化合物の硬化剤とイソシアネート基を有する化合物の
硬化促進剤とラジカル重合性モノマーの重合開始剤とラ
ジカル重合性モノマーの重合促進剤とを必須成分として
有し、該ラジカル重合性モノマーの重合開始剤をA液又
はB液の何れか一方に配合し、かつラジカル重合性モノ
マーの重合促進剤をA液又はB液の他方に配合し、残り
の必須成分をA液又はB液の一方又は双方に配合するも
のが用いられる。
【0018】スピーカーを構成する各部材の全ての接合
部を本発明の二液型速硬化弾性接着剤を用いて接着して
もよいが、これらの接合部の少なくとも一つの接合部を
本発明の二液型速硬化弾性接着剤を用いて接着してもよ
いものであり、この場合残りの接合部は、従来公知のス
ピーカー用接着材を用いて接合することとなる。
【0019】本発明の二液型速硬化弾性接着剤は、ラジ
カル重合性単量体の種類及び、これと組み合わせる反応
性珪素基を有する化合物及び/またはイソシアネート化
合物の種類及び/又は組合わせの比率によって、硬化物
の物性が軟く柔軟性に富むものから、硬く強靱なものま
で、種々の物が可能であるのでスピーカーの各部位に
は、必要に応じて物性を調整して、使用することができ
る。
【0020】一般的には、前記スピーカーの部位a〜e
には柔軟性のあるタイプの接着剤が使用される傾向があ
り、また、スピーカーの界磁部に当たる接合部f及びg
に使用される接着剤には強度の高い硬い物が使用される
傾向がある。
【0021】これは音響特性という問題に関係するスピ
ーカー製造各々の会社の固有のポリシーにもとずく部分
であり、画一的に接着剤の物性を決定することが困難に
なる部分であるが、本発明による二液型速硬化弾性接着
剤は前記方法によって物性の調整がたやすくできるので
広く対応できる。
【0022】本発明方法で用いられる二液型速硬化弾性
接着剤は、二液混合方法による塗布の方法のみならず、
被着体の一方に二液の一方を、また被着体の他方に、接
着剤の他方を塗布しておいて、組立時に被着体同士を重
ね合わせることによって、接合させる手法を用いること
ができる。
【0023】また、二液型アクリル系接着剤で行われて
いるようなハネムーン型接着の方法をとることも可能で
あるし、接着剤の主成分を被着体の一方に塗布し、接着
剤の硬化促進剤となる成分と被着体のもう一方に塗布し
ておいて、組立時に被着体同士を重ね合わせることによ
って接着させる、嫌気性接着剤で行われているような、
接着の形態をとることも可能である。
【0024】さらに本発明の二液型速硬化弾性接着剤
は、ラジカル重合性単量体を紫外線、電子線によって硬
化させることができるのでこれらの手段によって瞬間的
に硬化させ、仮止め、あるいは接着を行うことも可能で
ある。
【0025】本発明で使用する二液型速硬化弾性接着剤
としては(a)分子中に1個以上のラジカル重合性反応
基を有する化合物と分子中に1個以上の反応性珪素基を
有する化合物の組み合わせ(A)よりなる、アクリル−
変性シリコン系、二液型速硬化弾性接着剤、(b)分子
中に5個以上のラジカル重合性反応基を有する化合物と
分子中に1個以上のイソシアネート基を有する化合物の
組み合わせ(B)よりなるアクリル−ウレタン系二液型
速硬化弾性接着剤等を挙げることができる。
【0026】組み合わせ(A)よりなる接着剤に使用さ
れる分子中に1個以上のラジカル重合性反応基を有する
化合物の具体例としては、アクリレート及び/又はメタ
クリレート、すなわち(メタ)アクリレートとしては、
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アク
リレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレー
ト、等のアルキル若しくは置換アルキル型−官能性(メ
タ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート等のエーテル型一官能(メタ)アクリレート;エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1、3−ブチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレン型二
官能(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート等のエーテル型二官能(メタ)アクリレー
ト;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等
の三官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ポリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレ
ート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テ
トラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2、3−
ジブロムプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等の極性基又は置換原子含有(メタ)アク
リレート;2、2−ビス(4−アクリロキシ−ジエトキ
シフエニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、ビスオ
キシポリエチレン化ビスフエノールA−ジ(メタ)アク
リレート、ビスオキシプロピレン化ビスフエノールA−
ジ(メタ)アクリレート、ビスオキシ−2−ヒドロキシ
エチル化ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート等
のエポキシ(メタ)アクリレート;アジピン酸−1,6
−ヘキサンジオールージ(メタ)アクリレート等のポリ
エステル型ジ(メタ)アクリレート;及びウレタン(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】これらの(メタ)アクリレートは単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに場
合によってはこれらの(メタ)アクリレートに(メタ)
アクリレート以外のジアリルフタレートモノマー、スチ
レンモノマー、トリアリルイソシアヌレート、ビスフエ
ノールA系不飽和ポリエステル樹脂、イソシアネート化
合物とアリルアルコールの反応物などのアリル系重合性
単量体を少量ならば併用することができる。固形のモノ
マーを使用する場合には、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート等の液状のモノマーを併用するのが望ましい。
【0028】分子中に1個以上の反応性珪素基を有する
化合物の具体例としては、特開昭50−156599号
公報、特開昭52−73998号公報、特開昭58−1
0418号公報、特開昭62−230822号公報等で
提案されたような化合物、特開昭63−12677号公
報で示されたような加水分解可能な基が結合した珪素原
子を分子中に少なくとも2個以上有する有機シリコーン
系化合物、特開昭60−228516号、特開昭63−
112642号公報、特開平1−131271号公報で
提案されている珪素基を有するオキシアルキレン重合体
と珪素基を有する(メタ)アクリレート(共)重合体よ
りなる組成物のようなものがある。
【0029】ここで反応性珪素基とはシロキサン結合を
形成することによって架橋しうる珪素含有官能基であ
り、代表例は、下記の一般式(I)で表される。
【0030】
【化1】
【0031】(式中、R1 は炭素数1〜20の置換もし
くは非置換の1価の有機基またはトリオルガノシロキシ
基、Xは水酸基または異質もしくは同種の加水分解基、
aは0、1または2の整数、bは0、1、2または3の
整数でa=2でb=3にならない、mは0〜18の整数
である)
【0032】経済性などの点から好ましい反応性シリコ
ン官能基は、下記の一般式(II)で表される基であ
る。
【0033】
【化2】
【0034】(式中、R1 は前記におなじ、nは0、1
又は2の整数である。)
【0035】さらに、末端のイソシアネート基が、メル
カプトシラン、アミノシラン、ヒドロキシシランなどの
活性水素基含有シランカップリング剤で封鎖されたポリ
エステルポリオール系ウレタンプレポリマー、及びポリ
エーテルポリオール系ウレタンプレポリマーなどの、ポ
リエーテルポリオール及びポリエステルポリオールの水
酸基にイソシアネートシランを直接反応させたものが使
用できる。
【0036】これらの反応性珪素を有する高分子化合物
は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。さらに場合によっては、(メタ)アクリレートなど
の重合性単量体を併用してもよい。
【0037】本発明で使用する二液型速硬化弾性接着剤
は、(a)分子中に1個以上のラジカル重合性単量体と
分子中に1個以上の反応性珪素基を有する化合物の組み
合わせ(A)としては、(メタ)アクリレートモノマー
及び/又は(メタ)アクリレートオリゴマーと変性シリ
コーンを組み合わせることによって、速硬化でなおか
つ、強靱で柔軟な、それぞれの優れた部分を残して欠点
が改良された二液型速硬化弾性接着剤がある。
【0038】すなわち、本発明の組み合わせ(A)の接
着剤としてはA液は反応性珪素基を有する高分子化合物
とラジカル重合性モノマーの重合促進剤とを必須成分と
して含有し、B液はラジカル重合性モノマーとラジカル
重合性モノマーの重合開始剤と反応性珪素基を有する高
分子化合物の硬化促進剤とを必須成分として含有するよ
うにしたものである。
【0039】上記のラジカル重合性モノマーの重合促進
剤と重合開始剤とはA液又はB液のいずれか一方に含有
させればよいもので、上記の構成と反対にA液に重合開
始剤をB液に重合促進剤を含有させることもできる。
【0040】また、ラジカル重合性モノマーは、B液に
含有させたままでA液の方に含有させることもできる。
この場合、A液とB液に使用するラジカル重合性モノマ
ーの種類や組み合わせが同じ物でもよいし、互いに異な
っていても差支えがない。
【0041】さらに、A液は反応性珪素基を有する高分
子化合物と、ラジカル重合性モノマーと、ラジカル重合
性モノマーの重合開始剤とを必須成分として含有し、B
液は反応性珪素基を有する高分子化合物の硬化促進剤
と、ラジカル重合性モノマーの重合促進剤とを必須成分
として含有するようにすることもできる。
【0042】この構成の場合にも、ラジカル重合性モノ
マーの重合促進剤と重合開始剤とはA液又はB液のいず
れか一方に含有させればよいもので、上記の構成と反対
にA液に重合開始剤をB液に重合促進剤を含有させるこ
ともできる。
【0043】また、ラジカル重合性モノマーの重合促進
剤のみをB液の必須成分とし、残りの成分を全てA液に
含有させることも可能である。B液を硬化促進プライマ
ー的に使用して、ハネムーン型接着剤として使用するこ
ともできる。
【0044】A液とB液との混合割合には特別の限定は
なく、本発明の作用効果が達成される範囲であれば、ど
のような混合割合でも使用することができる。
【0045】本発明の組み合わせ(A)の接着剤の(メ
タ)アクリレート成分を硬化させる方法としては、二成
分型ラジカル重合性接着剤ですでに使われている方法を
使用することができる。
【0046】つまり、ラジカル重合開始剤としては、例
えば、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イドなどのジアシルパーオキサイド類;クメンハイドロ
パーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドな
どのハイドロパーオキサイド類;メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどの
ケトンパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、ジ
−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキ
サイド類;t−ブチルパーオキシアセテートなどのパー
オキシエステル類;チオグリセロールとピラゾール類及
び/又はピラゾロン類の組合わせ;及びその他公知の種
々のラジカル重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合開
始剤は2種以上の併用も可能である。
【0047】本発明の組成物の(メタ)アクリレート成
分を硬化させるラジカル重合開始剤に組合わせて使用す
る重合促進剤としては、例えば、N,N−ジメチルアニ
リン、N,N−ジメチル−P−トルイジン、ジイソプロ
パノール−P−トルイジン、トリエチルアミン等の3級
アミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン類;チ
オ尿素、エチレンチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、アセ
チルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素等のチオ尿素類;
銅、コバルト、マンガン、バナジウム等の金属の有機酸
塩又は無機酸塩及びアセチルアセトンなどとの有機キレ
ート化合物;アスコルビン酸、没食子酸等の還元性有機
化合物;メルカプタン類;サッカリン及びその塩類等の
公知の促進剤があげられる。これらの硬化促進剤も2種
以上の併用が可能である。
【0048】本発明の室温硬化型二液性組成物における
ラジカル重合開始剤及び重合促進剤の使用量は、従来の
ものと同様であり、組成物に対する両者の合計量とし
て、通常、0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜
10重量%程度である。これらの使用量が少なすぎると
重合硬化速度が遅くなり、硬化に時間がかかるし、多す
ぎると発熱が大となり、硬化物層に気泡が含まれて硬化
物物性が低下する。
【0049】本発明の室温硬化型二液性組成物のラジカ
ル重合性モノマーを主成分とする部分には、必要に応じ
て、表面乾燥性向上材として、パラフィンワックス、ラ
イスワックスなどのワックス類、P−ベンゾキノン、ハ
イドロキノン等のキノン型安定剤、ブチルヒドロキシト
ルエン等のヒンダートフェノール系酸化防止剤、無機及
び有機の充填剤、染料、顔料、チクソトロピー化剤、ア
ミノシラン、エポキシシラン、酸性リン酸基含有(メ
タ)アクリレートモノマーなどの接着付与剤などを含有
させることができる。
【0050】本発明の組み合わせ(A)の接着剤のもう
一方の主成分である反応性珪素基を有する高分子化合物
を硬化させる方法として、これも現在すでに実用化され
て既知になっている硬化促進剤が使用できる。この硬化
促進剤としては、ジブチルスズジラウレート、ジオクチ
ルスズジマレート、ジブチルスズフタレート、オクチル
酸第一スズ、ジブチルスズメトキシド、ジブチルスズジ
アセチルアセテート、ジブチルスズジバ−サテートなど
の有機スズ化合物類;テトラブチルチタネート、テトラ
イソプロピルチタネート、トリエタノールアミンチタネ
ートなどの有機チタネート化合物類;オクチル酸鉛、ナ
フテン酸コバルトなどのカルボン酸金属塩;γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシランなどのアミノシラン類;テトラメチルア
ンモニウムクロライド、ペンザルコニウムクロライドな
どの第四級アンモニウム塩類;モノメチル燐酸、ジ−n
−ブチル燐酸、燐酸トリフェニルなどの有機燐酸化合物
類などが挙げられる。
【0051】これらは単独でも2種以上を混合して使用
してもよい。これらの化合物は、反応性珪素基を有する
成分の方に添加しておくこともできるが、好ましくは、
ラジカル重合性モノマーだけよりなる部分に添加してお
く方が、貯蔵安定性等の面で取扱いがし易くなるという
優位点がある。この硬化促進剤の使用量は、従来から用
いられる量程度のものを用いれば十分である。
【0052】本発明の室温硬化型二液性組成物の反応性
珪素基を主として含有する部分には、さらに必要に応じ
て、表面乾燥性向上材として、パラフィンワックス、ラ
イスワックスなどのワックス類、各種(メタ)アクリレ
ートモノマー類;P−ベンゾキノン、ハイドロキノン等
のキノン型安定剤、ブチルヒトロキシトルエン等のヒン
ダートフェノール系酸化防止剤、無機及び有機の充填
剤、染料、顔料、チクソトロピー化剤、消泡化剤、レベ
リング剤、増粘剤、高沸点溶剤などの減粘剤、その他の
種々の添加剤を配合することができる。
【0053】本発明で使用できる、組み合わせ(A)の
接着剤としては、上記の接着剤に対してさらに、ラジカ
ル重合性単量体に、紫外線硬化性を付与する目的でベン
ゾフェノン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジ
ル、ベンジルジメチルケタール、などの光重合開始剤を
添加して、紫外線硬化性を付与することが可能である。
【0054】更に、反応性珪素基の硬化促進剤として極
めて速硬化性を与えるジ−n−ブチル燐酸、2−(メ
タ)アクロキシエチルホスフェート等の酸性燐酸化合物
を使用した場合には、反応性珪素基が硬化した後も、こ
のような酸が残っていると、重合物の解重合触媒として
作用し、熱老化性を極度に低下せしめるおそれがあるの
で、酸と徐々に反応して中和させる働きがある酸化カル
シウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどの無機
充填材や、ビスフェノールA型エポキシや、ビスフェノ
ールF型エポキシなどのエポキシ化合物を添加しておく
ことが推奨される。さらに、エポキシシラン、アミノシ
ラン等の接着付与剤を含有させておくこともできる。
【0055】本発明で使用できる、(b)分子中に1個
以上のラジカル重合性反応基を有する化合物と分子中に
1個以上のイソシアネート基を有する化合物の組合わせ
(B)よりなる二液型速硬化弾性接着剤に使用される分
子中に1個以上のラジカル重合性反応基を有する化合物
の具体例としては、組み合わせ(A)で、使用される分
子中に1個以上のラジカル重合性反応基を有する化合物
と同種の物が使用可能である。
【0056】組み合わせ(B)のもう一方の主成分であ
る分子中に1個以上のイソシアネート基を有する化合物
の例としては、トリレンジイソシアネート、MDI,ク
ルードMDI,デスモジュールR〔Bayer A.
G.社製、NCO基を有する化合物の商品名、トリス
(イソシアネートフェニルメタン)〕デスモジュールR
F〔Bayer A.G.社製、NCO基を有する化合
物の商品名、トリス(イソシアネートフェニル)チオホ
スフェート〕,HDIトリマー、IPDIトリマー、H
DIビューレットなどがある。
【0057】さらに、イソシアネートとポリオールを反
応させた末端イソシアネート基含有のウレタンプレポリ
マーもこの範ちゅうに入れることができる。
【0058】これらのイソシアネート化合物は単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに場
合によっては、(メタ)アクリレートなどの重合性単量
体を併用してもよい。
【0059】本発明で使用する組み合わせ(B)の接着
剤としては、(メタ)アクリレートモノマー及び/又
は、メタアクリレートオリゴマーと、イソシネート化合
物を組合わせることによって、速硬化で、なおかつ強靱
で柔軟なそれぞれの優れた部分を残して欠点の改良され
た二液型速硬化弾性接着剤がある。
【0060】即ち、本発明の組み合わせ(B)の接着剤
(A)液は、イソシアネート化合物とラジカル重合性単
量体の重合促進剤とを必須成分として含有し、B液はラ
ジカル重合性モノマーとラジカル重合性単量体の重合開
始剤とイソシアネート化合物硬化剤及び硬化促進剤とを
必須成分として含有するようにしたものである。
【0061】上記のラジカル重合性モノマーの重合促進
剤と重合開始剤とは、A液又は、B液のいずれか一方に
含有させればよいもので上記の構成と反対にA液にモノ
マーの重合開始剤を、B液に重合促進剤を含有させるこ
ともできる。
【0062】またラジカル重合性モノマーは、B液に含
有させたままでA液の方に含有させることもできる。こ
の場合、A液とB液に使用する、ラジカル重合性モノマ
ーの種類や組み合わせが同じものでも良いし、互いに異
なっても差し支えがない。
【0063】さらにA液はイソシアネート化合物とラジ
カル重合性単量体とラジカル重合性単量体の重合開始剤
とを必須成分として含有し、B液はイソシアネート化合
物の硬化剤とラジカル重合性単量体の重合促進剤とを必
須成分として、含有するようにすることもできる。
【0064】この構成の場合にも、ラジカル重合性モノ
マーの重合促進剤と重合開始剤とは、A液又はB液のい
ずれか一方に含有させれば良いもので、上記の構成と反
対にA液に重合開始剤をB液に重合促進剤を含有させる
こともできる。
【0065】また、ラジカル重合性モノマーの重合促進
剤のみをB液の必須成分とし、残りのイソシアネート化
合物の硬化剤をのぞいたすべての成分をA液に含有させ
ることも可能である。B液を硬化促進プライマー的に使
用してハネムーン型接着剤として使用することもでき
る。
【0066】A液とB液の混合割合には特別の制限はな
く、本発明の作用効果が達成される範囲であればどのよ
うな混合割合でも使用することができる。
【0067】本発明で使用できる組み合わせ(B)の接
着剤には、組み合わせ(A)の接着剤と同様に各種目的
に応じた添加剤が使用可能である。さらに光重合開始剤
を添加して、紫外線硬化性を付与することも組み合わせ
(A)の接着剤と同様に可能である。
【0068】本発明の組み合わせ(B)に使用される、
イソシアネート化合物の硬化剤としては、分子中に1個
以上の水酸基を持った化合物が使用できる。この例とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、、ト
リメチロールプロパンなどの低分子量ポリオール類、ポ
リエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリ
エーテルポリオール類、ポリカプロラクトン、ポリメチ
ルバレロラクトン、ジオールと二塩基酸の反応によって
生成するポリエステルなどのポリエステルポリオール類
および、ひまし油、末端水酸基の液状ポリブタジエン、
ポリカーボネートジオール、アクリルポリオール、エポ
キシ樹脂などがある。
【0069】本発明に使用される組み合わせ(B)に使
用される、分子中に1個以上のラジカル重合性基を持っ
た化合物の重合促進剤及び重合開始剤としては、組み合
わせ(A)の場合に使用される物と同じ物が使用可能で
ある。
【0070】本発明に使用される組み合わせ(B)の接
着剤のイソシアネート化合物の硬化促進剤としては、ウ
レタンの重合ですでに使われている化合物を使用するこ
とができる。
【0071】イソシアネートの硬化促進剤としては、ト
リエチレンジアミンなどの3級アミン、ジブチルチンジ
ラウレートなどの有機錫化合物、ステアリン酸鉛などの
有機鉛化合物などの公知の促進剤が挙げられる。これら
の促進剤も、単独または、併用での使用が可能である。
【0072】本発明で使用できる接着剤としては特に二
液型速硬化弾性接着剤として、(メタ)アクリレート化
合物〔分子中に1個以上のラジカル重合性基を持つ化合
物〕と組み合わされる物として、変性シリコーン系化合
物よりなるものを使用すると、貯蔵安定性に優れ空気中
の湿気によって皮はり等が発生しなくなり、取扱もしや
すくなるので、本発明の目的を充分に達成することがで
きる。
【0073】接着剤の塗布は、ゴム系コンタクト型接着
剤と同様、被着材の両面、片面いずれに行ってもよい。
【0074】本発明のスピーカーの組立方法では、両面
塗布でも片面塗布でも充分な接着性能を発揮することが
できる。接着剤の塗布方法も特別の限定はなく、手、ヘ
ラ、ロールコート、スプレー等の公知の手段を用いれば
よい。硬化を促進するために、必要に応じて、加熱を行
うこともできる。
【0075】
【作用】本発明のスピーカーの組立方法においては、二
液型速硬化弾性接着剤を使用することによって、溶剤型
ゴム系接着剤の大きな問題であった溶剤の揮散による作
業環境の悪化、地球資源の浪費という問題の解決の一助
となるものである。
【0076】さらに、界磁部の接着においては、従来の
アクリル系2液接着剤では、硬すぎて被着体であるフェ
ライトの割れが生じるという欠点があったが、本発明の
方法においては、低温(−40℃)と高温(80℃)と
の間の繰り返し熱衝撃を加えてもフェライトの割れが発
生しない耐久性の良好な接着物を得ることが、可能とな
る。
【0077】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明する。以
下の実施例においては、部及び%は特に断りのない限
り、すべて重量基準で表示する。
【0078】本発明は二液型速硬化弾性接着剤に関する
もので、二種類の液状組成物が必要であるので説明の都
合上、二液に次のような名称を付ける。本発明に使用さ
れる接着剤で(a)分子中に1個以上のラジカル重合性
反応基を有する化合物と分子中に1個以上の反応性珪素
基を有する化合物の組み合わせ(A)よりなる二液型速
硬化弾性接着剤で、分子中に1個以上のラジカル重合性
反応基を有する化合物を含有する液上組成物を(a−
A)液とし、分子中に1個以上の反応性珪素基を有する
化合物を含有する液状組成物を(a−B)液として以下
の説明を行う。同様に組み合わせ(B)よりなる二液型
速硬化弾性接着剤で分子中に1個以上のラジカル重合性
化合物を含有する液状組成物を(b−A)液とし、分子
中に1個以上のイソシアネート基を有する化合物を含有
する組成物を(b−B)液として、以下の説明を行う。
【0079】調製例1 (a−A)液の調製 ジシクロペンテニルメタクリレート50部、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート50部、バナジウムアセチ
ルアセトネート0.05部、ハイドロキノン0.5部、
2−メタアクロキシエチルホスフェート2部を、ラボス
ターラーを使用して攪拌し、溶解混合して(a−A)液
を調製した。
【0080】(a−B)液の調製 変性シリコーンS−303(反応性珪素を有する高分子
化合物の商品名、鐘淵化学工業(株)製)100部に、
ジシクロペンテニルメタクリレート20部、クメンハイ
ドロパーオキサイド2部をラボスターラーで攪拌混合す
ることによって(a−B)液を調製した。
【0081】(a−A)液と(a−B)液の混合比率
は、1:1(重量比)として、二液型速硬化弾性接着剤
を得た。
【0082】調製例2 (b−A)液調製 ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート50
部、ポリオキシポロピレンジオール(分子量500)5
0部、エチレンチオ尿素5部、ジブチルスズジラウレー
ト3部、をラボスターラーを使用して攪拌し、溶解混合
して、(b−A)液を調製した。
【0083】(b−B)液の調製 ジシクロペンテニルメタクリレート50部、クメンハイ
ドロパーオキサイド2部、クルードMDI50部、モレ
キュラージーブ粉末5部をラボスターラーを使用して攪
拌し、溶解混合して、(b−B)液を調製した。
【0084】(b−A)液と(b−B)液の混合比率
は、1:1(重量比)として二液型速硬化弾性接着剤を
調製した。
【0085】調製例3 (a−A)液の調製 ジシクロペンテニルメタクリレート50部、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート50部に対して、ジブチル
錫ジアセチルアセテート0.5部及びγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン1部をラボスターラーで攪拌混合
することによって(a−A)液を調製した。
【0086】(a−B)液の調製 実施例1の(a−B)液の調製と同様にして、調製し
た。(a−A)液と(a−B)液の混合率は1:1(重
量比)として二液型速硬化弾性接着剤を調製した。
【0087】調製例4
【0088】(b−A)液の調製 ジシクロペンテニルメタクリレート50部、ポリオキシ
プロピレントリオール(分子量1500)50部、エチ
レンチオ尿素5部、ジブチルスズマレート3部を、ラボ
スターラーで攪拌混合することによって(b−A)液を
調製した。
【0089】(b−B)液の調製 イソボルニルメタクリレート50部、MDIとポリテト
ラメチレンエーテルグリコール(分子量1000)の
4:1反応物50部、クメンハイドロパーオキサイド2
部をラボスターラーで攪拌混合することによって(b−
B)液を調製した。(b−A)液と(b−B)液の混合
比率は1:1(重量比)として二液型速硬化弾性接着剤
を調製した。
【0090】調製例5 (a−A)液の調製 ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート 50
部、ヒドロキシェチルアクリレート 50部、ジブチル
スズジアセチルアセテート 1部、ベンジルジメチルケ
タール 5部、エチレンチオ尿素 5部とをラボスター
ラーで攪拌混合することによって(a−A)液を調製し
た。
【0091】(a−B)液の調製 変性シリコーンSAT−200(分子中に1個以上の反
応性珪素基を有する化合物の商品名、鐘淵化学工業
(株)製)100部にイリボルニルアクリレート20部
とクメンハイドロパーオキサイド 3部とベンジルジメ
チルケタール 5部とをラボスターラーで攪拌混合する
ことによって(a−B)液を調製した。(a−A)液と
(a−B)液の混合比率は1:1(重量比)として二液
型速硬化弾性接着剤を調製した。
【0092】実施例1(接合部f及びgの接合) 調製例1〜4によって得られた二液型速硬化弾性接着剤
を用いて、図1に示したトッププレート8とフェライト
マグネット9間の接合部f、及びフェライトマグネット
9とボトムプレート10間の接合部gの接合を行った。
【0093】即ち、各調製例で得られた二液型速硬化弾
性接着剤組成物を、それぞれ直径120mmのトッププ
レート8及びボトムプレート10上に塗布して、ただち
にフェライトマグネット9を重ね5分間放置したとこ
ろ、固着が終了し、次工程に移ることのできる初期接着
強さを現しトッププレート8とフェライトマグネット9
およびボトムプレート10とフェライトマグネット9の
接着を完了した。
【0094】この接合部を20℃で1日間放置・養生さ
せた後、−40℃で2時間、次いで120℃で2時間の
冷熱繰り返し試験を5サイクル施して、フェライトの割
れの発生の有無を観察した。その結果、いずれの組み合
わせの接合部も、クラックの発生は全く見られなかっ
た。
【0095】また、20℃で1日間放置・養生させた後
の同様の各接合物を1mの高さからコンクリート面上に
落下させる試験を20回繰り返したところ、いずれの接
合物も全く割れがなかった。
【0096】実施例2(接合部aの接合) 調製例1〜4によって得られた二液型速硬化弾性接着剤
を用いて図1のコーンエッジ3とフレーム1のエッジ間
の接合部aの接合を行った。それぞれの接着剤組成物を
フレーム1のエッジに薄く片面塗付し、直ちに、コーン
エッジ3を重ね合わせ、5分間放置したところ、次の工
程に移ることの出来る初期接着強さを発現し、20℃
で、1時間放置・養生した後にコーン紙を引っぱったと
ころ、コーン紙が材破し、片面塗付でも良好な接着強さ
が得られた。
【0097】実施例3(接合部bの接合) 調製例5で得られた二液型速硬化弾性接着剤を用いて、
コーン紙2とリード線間の接合部bの接合を行った。接
着剤組成物をコーン紙に塗付し直ちにリード線を重ね合
わせ、紫外線照射機で、10秒間紫外線を照射したとこ
ろ、接着剤のはみ出している部分が硬化しリード線が固
定され、次工程に移ることが可能となった。1時間後に
リード線を引っ張ったところ、紫外線の当たらないとこ
ろも硬化しており、コーン紙が材破した。紫外線照射を
行わない場合は、5分間放置したところ、固着が完了
し、次工程に移ることができた。この場合も1時間後に
リード線を引っ張ったところ、コーン紙が材破した。
【0098】実施例4(接合部cの接合) 調製例1〜5で調製した二液型速硬化弾性接着剤組成物
を用いて図1のキャップ7間の接合部cの接合を行っ
た。各々の接着剤組成物をコーン紙2に塗付し、直ちに
ダストキャップ7を重ね合わせ、5分間放置したとこ
ろ、いずれの接着剤組成物とも固着が完了し、次工程に
移ることのできる初期接着強さを現し、ハンドリング可
能となった。この接合物を20℃で1時間養生後、ダス
トキャップ7を引っ張ったところいずれの接着剤組成物
とも、コーン紙2が材破した。
【0099】実施例5(接合部dの接合) 調製例1〜5で調製した二液型速硬化弾性接着剤組成物
を用いて、図1のダンパー6とフレーム1の間の接合部
dの接合を行った。各々の接着剤組成物をフレームに塗
付し、直ちにダンパー6を重ね合わせ5分間放置してと
ころ、いずれの接着剤組成物を用いた場合でも固着が完
了し、次工程に移ることのできる初期接着強さを現し、
ハンドリング可能となった。この接合物を20℃で1時
間養生後ダンパー6を引っ張ったところダンパーが材破
した。
【0100】実施例6(接合部eの接合) 実施例1〜5で調製した二液型速硬化弾性接着剤組成物
を用いて、図1のダンパー6、ボイスコイル5及びコー
ン紙2間の3点接合部eの接合を行った。各々の接着剤
組成物をダンパー6とボイスコイル5の接触部に細い管
を用いて塗布し、直ちにコーン紙2を重ね合わせた。5
分間放置したところ、いずれの接着剤組成物を用いた場
合でも固着が完了し、次工程に移ることのできる初期接
着強さを現し、ハンドリング可能となった。この接合物
を20℃で1時間養生後ダンパー6を引っ張ったとこ
ろ、ダンパー6が材破した。
【0101】比較例1(接合部g及びfの接合) 市販の2液型アクリル系接着剤〔セメダイン(株)製、
商品名セメダインY400〕を用い、実施例1における
と同様の直径120mmのフェライトマグネット9とト
ッププレート8間の接合部fおよびボトムプレート10
とフェライトマグネット9と間の接合部gの接着接合を
行った。
【0102】次いで20℃で1日間放置・養生した接合
物を、実施例1と同一の冷熱繰り返し試験を行ったとこ
ろ、フェライトに割れが生じた。
【0103】比較例2(接合部aの接合) スピーカー組立用の市販のクロロプレンゴム系接着剤
〔セメダイン(株)製、商品名セメダインCS450
3〕を用いて、実施例2と同様に接合部aの接合を行っ
た。セメダインCS4503をフレーム1のエッジに薄
く塗布し、10分のオープンタイムを取った後にコーン
エッジ3を重ね合わせ、5秒間圧縮し、ただちにコーン
紙2を引っ張ったところ、片面塗布であるために実用接
着強さに達していなかった。実施例2と同様に1時間後
にコーン紙2を引っ張ったところ、コーン紙2が剥離し
た。
【0104】また、上記クロロプレンゴム系接着剤〔セ
メダイン(株)製、商品名セメダインCS4503〕を
フレーム1のエッジに薄く塗布した直後にコーンエッジ
3を重ね合わせたところ、内部の溶剤の揮発が遅く硬化
が遅いため10分後でも初期実用強度に達しなかった。
【0105】更に上記クロロプレンゴム系接着剤〔セメ
ダイン(株)製、商品名セメダインCS4503〕は、
溶剤型接着剤であるため接着剤を固化させるために多量
の溶剤を空気中に揮散させることになり、作業環境上の
問題を含むものであった。
【0106】比較例3(接合部b〜eの接合) スピーカー組立用の市販のクロロプレンゴム系接着剤
(セメダイン(株)製、商品名セメダインCS450
3)を用いて、実施例3〜6と同一の方法で接合部b〜
eの接合を行った。上記クロロプレンゴム系接着剤(セ
メダイン(株)製、商品名セメダインCS4503)は
溶剤型接着剤であるため、接着剤を固化させるために多
量の溶剤を空気中に揮散させることになり、作業環境上
の問題を含むものであった。
【0107】また、上記クロロプレンゴム系接着剤(セ
メダイン(株)製、商品名セメダインCS4503)
は、片面塗布の場合には充分な接合物を得られなかっ
た。さらに、上記クロロプレンゴム系接着剤(セメダイ
ン(株)製、商品名セメダインCS4503)は、溶剤
型接着剤であるため、接着剤を塗布直後に被着体を重ね
合わせた場合、溶剤が揮散しがたく接着力の発現に時間
がかかるという欠点があった。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の溶剤型ゴム系接着剤と異なり溶剤を含まない二
液反応型接着剤を用いるので衛生上、火災上において安
全であり、用いる接着剤が速硬化型であり直ちに固定
できるため、接着方法が簡便で、接着作業が容易であっ
て、水系コンタクト型(水性エマルジョン型)接着剤
と異なり、接着部分は限定されず、一つの接着剤でいず
れの接合部をも接着でき、室温で硬化するため種別の
用途を除いては、加熱の必要とせず、硬化後の物性が
弾力性を有するためフェライトマグネットの割れが発生
しないという、大きな効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立方法を用いて組立られたスピーカ
ーを含む代表的なスピーカーの縦断面図である。
【符号の説明】
1 フレーム 2 コーン紙 3 コーンエッジ 4 ガスケット 5 ボイスコイル 6 ダンバー 7 ダストキャップ 8 トッププレート 9 フェライトマグネット 10 ボトムプレート a、b、c、d、e、f、g 各部材の接合部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明で使用する二液型速硬化弾性接着剤
としては(a)分子中に1個以上のラジカル重合性反応
基を有する化合物と分子中に1個以上の反応性珪素基を
有する化合物の組み合わせ(A)よりなる、アクリル−
変性シリコン系、二液型速硬化弾性接着剤、(b)分子
中に個以上のラジカル重合性反応基を有する化合物と
分子中に1個以上のイソシアネート基を有する化合物の
組み合わせ(B)よりなるアクリル−ウレタン系二液型
速硬化弾性接着剤等を挙げることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04R 9/02 B 8421−5H 101 B 8421−5H 31/00 B 8421−5H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピーカーを構成する各部材の接合部に
    A液及びB液からなる二液型速硬化弾性接着剤を塗付
    し、直ちに上記各部材をはり合わせるスピーカーの組立
    方法であり、該二液型速硬化弾性接着剤は、反応性珪素
    基を有する高分子化合物とラジカル重合性モノマーと反
    応性珪素基を有する高分子化合物の硬化促進剤とラジカ
    ル重合性モノマーの重合開始剤とラジカル重合性モノマ
    ーの重合促進剤とを必須成分として有し、該ラジカル重
    合性モノマーの重合開始剤をA液又はB液の何れか一方
    に配合し、かつラジカル重合性モノマーの重合促進剤を
    A液又はB液の他方に配合し、残りの必須成分をA液又
    はB液の一方又は双方に配合することを特徴とするスピ
    ーカーの組立方法。
  2. 【請求項2】 スピーカーを構成する各部材の接合部に
    A液及びB液からなる二液型速硬化弾性接着剤を塗付
    し、直ちに上記各部材をはり合わせるスピーカーの組立
    方法であり、該二液型速硬化弾性接着剤は、イソシアネ
    ート基を有する化合物とラジカル重合性モノマーとイソ
    シアネート基を有する化合物の硬化剤とイソシアネート
    基を有する化合物の硬化促進剤とラジカル重合性モノマ
    ーの重合開始剤とラジカル重合性モノマーの重合促進剤
    とを必須成分として有し、該ラジカル重合性モノマーの
    重合開始剤をA液又はB液の何れか一方に配合し、かつ
    ラジカル重合性モノマーの重合促進剤をA液又はB液の
    他方に配合し、残りの必須成分をA液又はB液の一方又
    は双方に配合することを特徴とするスピーカーの組立方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010285605A (ja) * 2009-05-14 2010-12-24 Denki Kagaku Kogyo Kk 硬化性組成物
JP2010285608A (ja) * 2009-05-14 2010-12-24 Denki Kagaku Kogyo Kk 硬化性組成物
JP2011097129A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Cemedine Co Ltd スピーカーの組立方法

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JP2010285605A (ja) * 2009-05-14 2010-12-24 Denki Kagaku Kogyo Kk 硬化性組成物
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