JPH07134414A - 耐熱性ポジ型フォトレジスト組成物 - Google Patents

耐熱性ポジ型フォトレジスト組成物

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JPH07134414A
JPH07134414A JP5177985A JP17798593A JPH07134414A JP H07134414 A JPH07134414 A JP H07134414A JP 5177985 A JP5177985 A JP 5177985A JP 17798593 A JP17798593 A JP 17798593A JP H07134414 A JPH07134414 A JP H07134414A
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JP
Japan
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group
precursor
positive photoresist
photoresist composition
polyimide precursor
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Application number
JP5177985A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Fujii
弘文 藤井
Toshihiko Omote
利彦 表
Shunichi Hayashi
林  俊一
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光性を有するポリイミド前駆体がいかなる
構造であっても、充分に対応でき、しかも感度や解像度
に優れ、特に溶液状態での保存安定性に優れた耐熱性ポ
ジ型フォトレジスト組成物を提供する。 【構成】 特定の構造を有するオキシメチル基をカルボ
キシル基の保護基として導入したポリイミド前駆体と、
光酸発生剤とを含有してなる組成物である。紫外線の如
き活性光線を照射することによって保護基としてのオキ
シメチル基が脱離してポリイミド前駆体の溶解性が高ま
り、ポジ型パターンを形成できる。また、熱塩基発生剤
を共に含有させることで発生する酸を中和でき、得られ
る皮膜の強度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性を有するポリイミ
ド前駆体からなる耐熱性ポジ型フォトレジスト組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から感光性ポリイミドまたはその前
駆体を用いてなる耐熱性フォトレジストや、その用途に
ついては良く知られており、例えばネガ型ではポリイ
ミド前駆体にエステル結合またはイオン結合を介してメ
タクリロイル基を導入する方法(特開昭49−1154
1号公報、特開昭50−40922号公報、特開昭54
−145794号公報、特開昭56−38038号公
報)、光重合性オレフィンを有する可溶性ポリイミド
(特開昭59−108031号公報、特開昭59−22
0730号公報、特開昭59−232122号公報、特
開昭60−6729号公報、特開昭60−72925号
公報、特開昭61−57620号公報)、ベンゾフェ
ノン骨格を有し、かつ窒素原子が結合する芳香環のオル
ソ位にアルキル基を有する自己増感型ポリイミド(特開
昭59−219330号公報、特開昭59−23153
3号公報)、ポリイミドと同程度の耐熱性を有するポ
リベンゾオキサゾール前駆体(高分子学会年会予稿集,
p664,1988)などが提案されている。
【0003】一方、ポジ型ではポリイミド前駆体にエ
ステル結合を介してo−ニトロベンジル基を導入する方
法(J.Macromol.Sci.Chem.,A24, 10,1407,1987)、可
溶性ヒドロキシルイミドまたはポリオキサゾール前駆体
にナフトキノンジアジド化合物を混合する方法(特公昭
64−60630号公報、米国特許明細書439548
2号)、可溶性ポリイミドにエステル結合を介してナ
フトキノンジアジドを導入する方法(Macromolecules,2
3,1990)、化学増幅型のポリイミド(特開平3−76
3号公報)、ポリイミド前駆体にナフトキノンジアジ
ドを混合するもの(特開昭52−13315号公報)な
どが提案されている。
【0004】しかしながら、ネガ型ではその機能上、解
像度に問題があったり用途によっては製造時の歩留まり
低下を招くなどの問題がある。また、上記、、の
ものでは用いるポリマーの構造が限定されるために、最
終的に得られる皮膜の物性が限定されてしまい多目的用
途には不向きなものである。一方、ポジ型においても上
記のように感光剤の吸収波長に伴う問題から感度や解
像度が低かったり、上記、、も構造が限定される
ので、上記限定からの、、と同様な問題を有す
る。さらに、上記では画像形成後の高温処理に伴う膜
減りの問題があり、未だ実用化に至るものはないのが実
状である。さらに近年、ポリイミド前駆体のカルボキシ
ル基に特定の保護基を導入した樹脂成分と、活性光線の
照射によって酸性を呈する化合物とを配合した化学増幅
型の感光性組成物が提案されている(特開平4−120
171号公報)。この組成物においてテトラヒドロピラ
ニル基や1−エトキシエチル基、メトキシメチル基、ト
リメチルシリル基を保護基とした場合、感度は良好では
あるが、これらの保護基は脱離しやすいために溶液保存
性に問題があり、実用的には未だ不充分なものである。
また、保護基としてメチル基やエチル基、プロピル基、
ブチル基、ベンジル基などを用いた場合、活性光線の照
射による酸発生に加熱を併用しても、保護基の脱離反応
が充分に起こりにくく、実用レベルのレジストとは云い
がたいものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
からのフォトレジストが有する課題を解決し、感光性を
付与するポリイミド前駆体がいかなる構造であっても充
分に対応でき、しかも感度や解像度も良好な耐熱性ポジ
型フォトレジスト組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、ポリイミド前駆体のカルボキシル基を特定
の保護基によって保護し、これに活性光線の照射によっ
て酸性を呈する化合物を配合することによって、上記目
的を達成できる組成物が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の耐熱性ポジ型フォトレジス
ト組成物は、下記(化2)にて示される構造単位を有す
るポリイミド前駆体と、
【0008】
【化2】
【0009】(但し、(化2)中の矢印の結合は異性化
によって置換可能な結合を示し、R1は4価の芳香族ま
たは脂肪族炭化水素残基、R2 は2価の芳香族または脂
肪族炭化水素残基であり、R3 は水素原子または有機基
(−CH2 −O−R4 を含む)、R4 は炭素数2以上の
有機基である。)活性光線の照射によって酸性を呈する
化合物、とを含有してなるものである。
【0010】さらに、本発明の耐熱性ポジ型フォトレジ
スト組成物は上記組成物に、加熱によって塩基性を呈す
る化合物をさらに含有してなるものである。
【0011】上記(化2)で示される構造単位中のR1
は、具体的にはベンゼン、ナフタレン、ペリレン、ジフ
ェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ジ
フェニルプロパン、ジフェニルヘキサフルオロプロパ
ン、ベンゾフェノン、ブタン、シクロブタンなどの骨格
を有する4価の芳香族または脂肪族炭化水素残基が典型
的な例として例示されるが、これらに限定されるもので
はない。好ましい基としてはフェニル、ビフェニル、ジ
フェニルエーテルおよびベンゾフェノンである。なお、
必要に応じてR1 として上記にて例示した基の二種類以
上を含有させることもできる。
【0012】また、R2 としては、具体的にはジフェニ
ルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ベンゾフェノ
ン、ジフェニルメタン、ジフェニルプロパン、ジフェニ
ルヘキサフルオロプロパン、ジフェニルスルホキシド、
ジフェニルスルホン、ビフェニル、ピリジン、ベンゼン
などの骨格を有する2価の芳香族または脂肪族炭化水素
残基が典型的な例として例示されるが、これらに限定さ
れるものではない。好ましい基としてはジフェニルエー
テル、ジフェニルスルホン、およびベンゼンである。な
お、必要に応じてR2 として上記にて例示した基の二種
類以上を含有させることもできる。
【0013】上記(化2)にて示される構造単位中のR
3 およびR4 は、カルボキシル基に結合する保護基であ
って、本発明の組成物ではポリイミド前駆体が有するカ
ルボキシル基の少なくとも一方はオキシメチル基(アル
キロキシメチル基)にて保護されている。また、本発明
の組成物においてはR4 は炭素数2以上の有機基である
ことが重要であり、R4 が炭素数1の有機基、即ちメチ
ル基の場合には溶液状態での保存性に欠けて実用的では
ない。R4 の具体例としてはエチル基、イソプロピル
基、メトキシエチル基、ベンジル基などが挙げられる。
一方、R3 としては水素原子または有機基(−CH2
O−R4 を含む)であり、溶解性と感光時のコントラス
トとのバランスをとるためには、一部分を水素原子とす
ることができる。
【0014】本発明の組成物では上記のように、ポリイ
ミド前駆体中のカルボキシル基の少なくとも一方に保護
基としてのオキシメチル基が結合しているものであり、
このようなオキシメチル基の導入率は現像時における膜
減りを少なくするために、ポリイミド前駆体のカルボキ
シル基量(濃度)に対して20モル%以上、好ましくは
40モル%以上とすることが好ましい。
【0015】上記本発明に用いるポリイミド前駆体は、
例えば以下の方法で得ることができる。
【0016】上記R1 を分子内に有する芳香族もしくは
脂肪族テトラカルボン酸二無水物と、上記R2 を分子内
に有する芳香族もしくは脂肪族ジアミンの略等モル量
を、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルホスホルアミドなどの有機溶媒中にて反応さ
せてポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を調製する。
【0017】次いで、上記反応によって得られたポリイ
ミド前駆体を適当な濃度に希釈し、オキシメチル化が可
能なカルボキシル基の保護剤と、3級脂肪族アミンなど
の塩基性触媒を添加し、冷却下もしくは室温下で反応さ
せて上記(化2)にて示されるポリイミド前駆体を調製
する。得られたポリイミド前駆体はN,N−ジメチルア
セトアミドやN−メチルピロリドンなどの有機溶剤中で
長期間安定であり、溶液状態での保存性に優れたもので
ある。
【0018】本発明の耐熱性ポジ型フォトレジスト組成
物の第1は、上記(化2)で示される構造単位を有する
ポリイミド前駆体と、活性光線の照射によって酸性を呈
する化合物(光酸発生剤)を含むものである。このよう
な光酸発生剤は紫外線の如き活性光線の照射によって酸
性を呈すると共に、ポリイミド前駆体中の保護基として
のオキシメチル基に作用して保護基を脱離させる作用を
有する。このような化合物としては、具体的にはジアリ
ルスルホニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、ジアル
キルフェナシルスルホニウム塩、アリルジアゾニウム
塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン
酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族スルファ
ミド、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル
などが用いられる。このような化合物は必要に応じて二
種類以上併用したり、他の増感剤と組み合わせて使用す
ることができ、前記ポリイミド前駆体100重量部に対
して5〜50重量部、好ましくは10〜20重量部の範
囲で配合する。配合量が少ない場合は感度が低下し、ま
た、多い場合には高温キュアー後の膜物性や溶液保存
性、画像性に悪影響を与える場合がある。
【0019】また、本発明の耐熱性ポジ型フォトレジス
ト組成物の第2は、上記(化2)で示される構造単位を
有するポリイミド前駆体と、活性光線の照射によって酸
性を呈する化合物(光酸発生剤)と、加熱によって塩基
性を呈する化合物(熱塩基発生剤)を含むものである。
このような熱塩基発生剤は加熱されることによって塩基
性を呈するので、上記光酸発生剤の分解によって生じた
酸を中和する作用をする。従って、配線基板などに本発
明の組成物を用いた場合に酸による金属配線の腐食を効
果的に防止することができ、しかも高温加熱後の膜強度
を向上させることができるのである。このような化合物
としては、具体的には1−メチル−1−(4−ビフェニ
ルイル)エチルカルバメート、1,1−ジメチル−2−
シアノエチルカルバメートなどのカルバメート誘導体、
尿素やN,N−ジメチル−N’−メチル尿素などの尿素
誘導体、1,4−ジヒドロニコチンアミドなどのジヒド
ロピリジン誘導体、有機シランや有機ボランの四級化ア
ンモニウム塩、ジシアンジアミドなどが用いられる。こ
のような化合物は必要に応じて二種類以上併用すること
ができ、前記光酸発生剤に対して0.1〜10モル当
量、好ましくは0.8〜4モル当量の範囲で含有させ
る。含有量が少ない場合は光酸発生剤を加熱することに
よって発生した酸を充分に中和することができず、ま
た、多い場合には溶液保存性や画像性、高温キュアー後
の膜物性に悪影響を与える場合がある。
【0020】次に、本発明の耐熱性ポジ型フォトレジス
ト組成物を用いて画像を形成する方法の一例を示す。
【0021】まず、前記にて示したポリイミド前駆体と
活性光線の照射によって酸性を呈する化合物(光酸発生
剤)と、もしくは加熱によって塩基性を呈する化合物
(熱塩基発生剤)とを、前記有機溶剤に溶解して感光液
を調製する。次いで、この感光液を基材上に乾燥後の膜
厚が1〜50μm、好ましくは5〜30μmとなるよう
に塗布する。
【0022】塗布した塗膜を乾燥した後に通常のフォト
マスクを通して露光を行ない、露光後、後加熱(80〜
150℃)を行ったのち、照射部を除去すべく浸漬法や
スプレー法などを用いて現像処理を行う。このときに用
いる現像液としては、露光膜を適当な時間内で完全に溶
解除去できるものが好ましく、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどの無機アルカリ性水溶液、またはプロピ
ルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(以下、TM
AHという)、コリンなどの有機アルカリ性水溶液など
を単独もしくは二種以上混合して用いる。また、このア
ルカリ性水溶液には必要に応じてアルコール類などの有
機溶剤や、各種界面活性剤を含有させることもできる。
【0023】現像したのち、リンス液で洗浄することに
より所望のポリイミド前駆体を用いたポジ型画像が得ら
れる。
【0024】以上のようにして得られた画像は、高温加
熱処理(約200〜400℃)することによって、耐熱
性および実用的な機械的強度を有するポリイミド画像と
なるのである。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に具体的に説明する。
【0026】実施例1 表1に示すR1 およびR2 を有するテトラカルボン酸二
無水物およびジアミンの略等モル量を、ジメチルアセト
アミド(以下、DMAcという)、またはN−メチル−
2−ピロリドン(以下、NMPという)中、室温下で反
応させ、(化3)にて示される構造単位を有するポリア
ミック酸(ポリイミド前駆体)溶液 No.1〜3を得た。
【0027】
【化3】
【0028】
【表1】
【0029】次に、均一な反応が可能となるまで溶液粘
度を希釈し、ポリアミック酸中のカルボキシル基に対し
てクロロメチルエチルエーテルを1.1倍当量モル、お
よびトリエチルアミンを等モル量添加して0℃〜室温で
約2時間攪拌した。次いで濾過して不溶分を除去し、メ
タノールにて再沈殿処理を行い、沈殿物を真空乾燥する
ことによって(化2)にて示されるポリイミド前駆体の
固形分を得た。
【0030】このようにして得た固形分を再びNMPに
溶解し、その溶液に光酸発生剤であるナフトキノンジア
ジド−4−スルホン酸ベンゾフェノンエステル(以下、
NQDSという)をポリアミック酸中のカルボキシル基
濃度に対して0.05当量モル添加した。
【0031】これらの溶液をシリコンウエハ上にスピン
コートして、乾燥膜厚18〜22μmの塗膜を形成し、
そののちガラス膜を通して250W超高圧水銀灯を用い
て光源から30cmのところで3分間、真空密着露光を
行った。
【0032】露光後、110℃で10分間加熱し、1.
5重量%TMAH水溶液によって露光部のシリコンウエ
ハ表面が露出するまで現像したのち、水でリンスし、下
記計算式によって表2に示す現像後の残存膜厚率と高温
加熱(360℃/1時間)後の残存膜厚率およびアスペ
クト比を算出した。計算式における未露光部の膜厚およ
びパターン幅は表面粗さ計によって求めた。
【0033】現像後残存膜厚率=(現像後の未露光部の
膜厚)/(現像前の未露光部の膜厚)
【0034】高温加熱後の残存膜厚率=(高温加熱後の
未露光部の残存膜厚)/(現像前の未露光部の膜厚)
【0035】アスペクト比=(パターン厚み)/(パタ
ーン幅)
【0036】
【表2】
【0037】また、 1H−NMRスペクトルにてカルボ
キシル基中のオキシメチル基の導入率を調べて、上記組
成物の4℃における溶液保存安定性を調べた。その結
果、スペクトルは3か月経過後もほとんど変化せず、現
像後および高温加熱後の残存膜厚率、アスペクト比など
の現像特性も溶液調製時とほとんど変化せず、極めて安
定なものであった。
【0038】実施例2 表1中のポリアミック酸 No.3を用い、クロロメチルエ
チルエーテルの代わりに、クロロメチルメトキシエチル
エーテルを用い、さらにトリエチルアミンの代わりにジ
イソプロピルエチルアミンを用いた以外は、実施例1と
同様にして本発明の組成物を調製した。
【0039】その結果、表2に示すような解像性および
高温加熱後の残存膜厚率を得た。溶液保存安定性は実施
例1と同様、良好なものであった。
【0040】実施例3 表1中のポリアミック酸 No.3溶液を、均一な反応が可
能となるまで溶液粘度を希釈し、ポリアミック酸中のカ
ルボキシル基に対してクロロメチルエチルエーテルおよ
びトリエチルアミンを表3に示した割合で種々配合し、
0℃〜室温で約2時間攪拌した。次いで、濾過して不溶
分を除去し、メタノールにして再沈殿処理を行い、沈殿
物を真空乾燥することによって8種類のポリイミド前駆
体の固形分を得た。
【0041】
【表3】
【0042】以下、実施例1と同様の方法にて評価を行
い、現像時の残存膜厚率を調べた。その結果、表3に示
すように、クロロメチルエチルエーテルを0.4倍当量
以上添加した場合には現像時の膜減りはほとんど観察さ
れなかった。
【0043】比較例1 オキシメチル基を導入せず、表1におけるポリアミック
酸 No.1〜3のDMAc溶液に光酸発生剤であるNQD
Sをカルボキシル基濃度に対して0.05当量モル添加
した。
【0044】得られた感光性組成物を用いて実施例1と
同様にパターン形成を試みたが、現像後の塗膜に明確な
コントラストが得られず、ポジ型のレリーフ画像を得る
ことができなかった。
【0045】比較例2 実施例2における光酸発生剤の代わりに、光ラジカル発
生剤であるジメチルアミノベンゾフェノンを用いた以外
は、実施例2と同様にして感光性組成物を調製し、パタ
ーン形成を試みた。その結果、現像後の塗膜に明確なコ
ントラストが得られず、ポジ型のレリーフ像を得ること
ができなかった。
【0046】比較例3 表1中のポリアミック酸 No.1を用い、クロロメチルエ
チルエーテルの代わりに、クロロメチルメチルエーテル
を用いた以外は実施例1と同様にして感光性組成物を調
製した。
【0047】その結果、メトキシメチル基の導入率は調
製時には68%であったが、4℃で3か月保存後には5
5%に低下しており、保存安定性に問題を有するもので
あった。
【0048】実施例4 表4に示すR1 およびR2 を有するテトラカルボン酸二
無水物およびジアミンの略等モル量を、DMAcまたは
NMP中、室温下で反応させ、前記(化3)にて示され
る構造単位を有するポリアミック酸(ポリイミド前駆
体)溶液 No.4〜6を得た。
【0049】
【表4】
【0050】得られたポリアミック酸溶液を実施例1と
同様にして希釈、カルボキシル基のエステル化反応を行
い、前記(化2)にて示されるポリイミド前駆体の固形
分を得た。
【0051】次に、このようにして得た固形分を再びN
MPに溶解し、その溶液に光酸発生剤であるNQDS、
および熱塩基発生剤であるジシアンジアミドをポリアミ
ック酸中のカルボキシル基濃度に対して0.05当量モ
ルおよび0.1当量モル添加した。
【0052】これらの溶液を実施例1と同様の方法にて
シリコンウエハ上にスピンコートして真空密着露光し、
露光後加熱、現像、リンスを行い、表5に示すように現
像後の残存膜厚率と高温加熱(360℃/1時間)後の
残存膜厚率およびアスペクト比を算出した。
【0053】さらに、上記露光前の乾燥フィルムを最高
360℃にて2時間高温加熱して、加熱後のフィルムを
シリコンウエハから剥離して引張試験を行い、引張強
度、弾性率、および伸び率を測定した。結果を表5に示
す。なお、引張試験は下記に示す方法によって測定し
た。
【0054】<引張試験の測定>引張試験機として東洋
ボールドウイン社製、テンシロン、STM−T−501
3Pを用い、引張速度5mm/分、チャック間距離5c
m、試料幅10mmにて室温下で測定を行った。
【0055】
【表5】
【0056】実施例5 実施例4において熱塩基発生剤であるジシアンジアミド
を添加しない以外は、実施例4と同様の方法によって感
光液を調製して、シリコンウエハ上にスピンコートして
乾燥膜厚18〜22μmの塗膜を形成し、残族膜厚率お
よびアスペクト比を算出した。また、最高360℃に2
時間高温加熱して得られた乾燥皮膜を実施例4と同様の
方法にて引張試験を行い、その結果を表6に示した。
【0057】
【表6】
【0058】表5および表6の結果から明らかなよう
に、熱塩基発生剤を配合しないものでは得られるフィル
ムの引張強度や伸び率が小さくなることが判る。
【0059】
【発明の効果】本発明の耐熱性ポジ型フォトレジスト組
成物は、活性光線を照射することによって(化2)で示
される構造単位を有するポリイミド前駆体中の保護基で
あるオキシメチル基の脱離反応が誘発され、その結果、
ポリイミド前駆体中にカルボキシル基が復活し、アルカ
リ可溶性の性質を呈するようになり、従来の耐熱性フォ
トレジスト組成物では達成できなかった高感度、高解像
度で実用に供しうるポジ型のパターン形成が可能とな
る。また、保護基としてオキシメチル基を導入すること
によって溶液状態での保存安定性も顕著に向上するよう
になる。
【0060】さらに、上記耐熱性ポジ型フォトレジスト
組成物にさらに熱塩基発生剤を含有させることによっ
て、光酸発生剤から発生する酸を中和することができる
ので、得られるフィルム強度を向上させることができる
と共に、配線基板用途などに用いた場合に金属配線の腐
食の防止にも効果を発揮するものである。
【0061】しかも、最終的に高温加熱処理にて得られ
るポリイミドは、耐熱性や電気的特性、機械的特性に優
れるので、半導体工業における固体素子や回路基板の保
護膜や絶縁膜形成のための材料として好適に用いること
ができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(化1)にて示される構造単位を有
    するポリイミド前駆体と、 【化1】 (但し、(化1)中の矢印の結合は異性化によって置換
    可能な結合を示し、R1は4価の芳香族または脂肪族炭
    化水素残基、R2 は2価の芳香族または脂肪族炭化水素
    残基であり、R3 は水素原子または有機基(−CH2
    O−R4 を含む)、R4 は炭素数2以上の有機基であ
    る。)活性光線の照射によって酸性を呈する化合物、と
    を含有してなる耐熱性ポジ型フォトレジスト組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐熱性ポジ型フォトレジ
    スト組成物に、加熱によって塩基性を呈する化合物をさ
    らに含有してなる耐熱性ポジ型フォトレジスト組成物。
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