JPH0713365A - 電子写真感光体及びそれを有する電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及びそれを有する電子写真装置

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JPH0713365A
JPH0713365A JP17594093A JP17594093A JPH0713365A JP H0713365 A JPH0713365 A JP H0713365A JP 17594093 A JP17594093 A JP 17594093A JP 17594093 A JP17594093 A JP 17594093A JP H0713365 A JPH0713365 A JP H0713365A
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copolymer
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general formula
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JP17594093A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Hirano
秀敏 平野
Yoshiyuki Yoshihara
淑之 吉原
Hideki Anayama
秀樹 穴山
Hideyuki Sonoya
英之 相野谷
Mayumi Kimura
まゆみ 木村
Itaru Yamazaki
至 山▲崎▼
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、潤滑性、耐ソルベントクラ
ック性等に優れた電子写真感光体を提供することにあ
る。 【構成】 本発明は、導電性支持体上に感光層を有する
電子写真感光体において、該感光体の表面層が(A)下
記一般式(1)および(2)の構成単位からなる粘度平
均分子量15000以上の共重合体、(B)下記一般式
(1)の構成単位を有する重合体並びに(C)下記一般
式(1)および(2)の構成単位からなる粘度平均分子
量7000以下の共重合体の全てを含有する電子写真感
光体、並びにそれを有する電子写真装置である、 一般式(1) 【化1】 一般式(2) 【化2】 (一般式1中Aはアルキリデン基、アリール基等を示
し、R1 〜R4 は水素原子、アルキル基等を示し、一般
式2中R5 〜R8 はアルキル基、フェニル基等を示
す)。 【効果】 本発明は、潤滑性、環境安定性、摺擦メモリ
ー特性および耐ソルベントクラック性に優れた電子写真
感光体を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体およびそ
れを有する電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体の光導電材料としてセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機光導電材料が
従来より用いられている。一方、ポリビニルカルバゾー
ル、オキサジアゾール、フタロシアニンなどの有機光導
電材料は無機光導電材料に比べてその無公害性、高生産
性などの利点があるが、感度が低く、その実用化は困難
であった。そのためいくつかの増感方法が提案されてい
るが、その効果的な方法としては電荷発生層と電荷輸送
層を積層した機能分離型の感光体を用いることが知られ
ている。
【0003】ところで、電子写真感光体には当然のこと
ながら適用される電子写真プロセスに応じた所定の感
度、電気特性、さらには光学的特性を備えていることが
要求される。特に繰り返し使用可能な感光体にあって
は、その感光体の表面層にはコロナ帯電、トナー現像、
紙への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的
外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要
求される。具体的には、コロナ帯電時に発生するオゾン
による劣化のために感度低下や電位低下および残留電位
増加が起こり、加えて摺擦によって表面が摩耗したり、
傷が発生することなど、これらに対する耐久性が要求さ
れている。
【0004】感光体の表面は樹脂によって被膜化されて
いるため、特に樹脂の性能が重要であり、耐久性の優れ
た樹脂が要望されていた。最近になってこれらを満足す
る樹脂としてビスフェノールAを骨格として有するポリ
カーボネート(以下、ビスフェノールA型ポリカーボネ
ートという)が表面層のバインダーとして研究されるよ
うになってきたが、前述した電子写真特性の全てがビス
フェノールA型ポリカーボネートで満足されるわけでは
なく、次のような問題点を有している。
【0005】(1)樹脂の溶解性が悪い。ジクロロメタ
ンや1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭
化水素類の一部にしか良好な溶解性を示さない。これら
のハロゲン化脂肪族炭化水素類は低沸点のため、これら
の溶剤で調製した塗工液を用いて感光体を製造すると塗
工面が白化し易い。また、塗工液の固形分などの工程管
理にも手間がかかる。 (2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤に対して
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノ
ンあるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、その
溶液は数日以内でゲル化するなど経時安定性が悪く、感
光体の生産のためには不向きである。 (3)更に、上記(1)および(2)に挙げた欠点が改
善されたとしてもビスフェノールA誘導体のみが主鎖骨
格のポリカーボネートにはソルベントクラックが発生す
るという欠点があり、しばしば電子写真複写機において
ドラムのひび割れとして現れる。 (4)更に、近年、感光体、現像器およびクリーニング
装置を一体化したカートリッジが普及しているが、クリ
ーニングブレードなどの部材を圧接しているとポリカー
ボネートによる表面層は変形し易い。
【0006】また、このような要求に対して、表面層に
潤滑性を付与させるような物質を添加することも試みら
れていた。そのような物質として、一般的な塗膜表面改
質剤、すなわち、レベリング剤、シリコンオイル等があ
る。またテフロン粉末などを分散させる方法もある。し
かしながら、一般的な表面改質剤は、添加される塗工液
の成分との相溶性に乏しいため、長期使用の間に表面層
の表面に移行ないし滲み出してくるので効果の持続性に
難点があった。また、表面改質剤は光導電性物質との相
溶性に乏しく、さらに光生成によるキャリヤーの移動に
対してトラップとなり易く、繰返し電子写真プロセスに
より残留電荷が増大していく傾向があった。一方テフロ
ン粉末などを分散させた表面層においては分散性不良、
透明性低下、キャリヤーのトラップなどの問題を生じて
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
ポリカーボネートを表面層として使用した電子写真感光
体が有していた問題点を解決し、潤滑性および耐摩耗性
を向上することによって優れた摺擦メモリー特性、環境
安定性、耐ソルベントクラック性、耐変形性、機械的特
性および耐久性を有し、しかも製造が容易な電子写真感
光体並びにそれを有する電子写真装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、導
電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体におい
て、該感光体の表面層が (A)下記一般式(1)および一般式(2)で示される
構成単位からなる粘度平均分子量15000以上の共重
合体 (B)下記一般式(1)で示される構成単位を有する重
合体 (C)下記一般式(1)および一般式(2)で示される
構成単位からなる粘度平均分子量7000以下の共重合
体 上記(A),(B),(C)の全てを含有することを特
徴とする電子写真感光体、並びにそれを有する電子写真
装置である。 一般式(1)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐
または環状のアルキリデン基もしくはアリール置換アル
キレン基、アリール基、−O−、−S−、−SO−また
は−SO2 −を示し、R1 〜R4 は水素原子、ハロゲン
原子または炭素数1〜4のアルキル基もしくはアリール
基を示す) 一般式(2)
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R5 〜R8 は炭素数1〜4のアル
キル基、フェニル基または置換フェニル基を示し、R5
〜R8 は同一であっても異なっていてもよく、mは1以
上の整数を示し、nはポリジオルガノシロキサンのセエ
グメントの数を示す)。
【0013】本発明に用いられる共重合体は下記一般式
(4)で示す構造を有することが好ましい。 一般式(4)
【0014】
【化6】
【0015】式中、A、R1 〜R4 およびR5 〜R8
前記一般式(1)および(2)におけると同様であり、
XおよびYは共重合比であり、mは1以上の整数を示
し、nはポリジオルガノシロキサンのセグメントの数を
表わす。
【0016】電子写真における画像欠陥につながるゲル
の発生の防止、即ち、巨視的には溶液の保存安定性は、
単に共重合体を形成するだけでは得られず、共重合体を
特にランダム共重合体(交互共重合体を含む)とするこ
とにより、ポリマーセグメント自体の対称性を低下させ
ることによって、最も有効に達成することができる。
【0017】一般式(4)におけるX,Y,m,nは共
重合体の機械的強度、耐衝撃性、潤滑性という物性面か
らX:Yは99.5:0.5から10:90が好まし
く、特にはX:Yは99:1から80:20が好まし
い。XがYより小さくなると、機械的強度が不足し、X
が199倍を越えると潤滑性が不足する。また、nは1
から500の範囲であることが好ましく、特には10か
ら200の範囲であることが好ましい。nが0であると
潤滑性がなく、nが500を越えると共重合比に関わら
ず、機械的強度が不足する。
【0018】本発明におけるランダム共重合体は多価フ
ェノールとポリオルガノシロキサン誘導体とをホスゲン
の存在下で界面重縮合することによって合成される。か
かる共重合成分を界面重縮合することにより、本発明に
おけるランダム共重合体が純度よく製造できる。
【0019】多価フェノールの具体例を以下に示すが、
化合物は具体例に限定されるものではない。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】次に、ポリオルガノシロキサン誘導体の具
体例を以下に示すが化合物は具体例に限定されるもので
はない。
【0024】
【表4】
【0025】また、本発明で用いられる共重合体の低分
子量体の構造は、共重合体自体の構造に準ずる。
【0026】従来、耐ソルベントクラック性を向上させ
るためにポリカーボネート樹脂とポリカーボネート樹脂
をシロキサンを持つものと共重合させたものを混合した
りしていたが低温低湿下での感度変動が激しくなった
り、摺擦によるプラス帯電のメモリーの程度が悪くなっ
てしまう。また、潤滑性を向上させるために電荷輸送層
に添加されるシリコーン系グラフトポリマーは高温高湿
下で黒ポチを多く発生させやすい。そこでシロキサンを
持つ共重合体の低分子量体を相溶させてやることによ
り、低温低湿下での感度変動やプラス帯電メモリー、高
温高湿下での黒ポチを大幅に向上させることができる。
【0027】これは低分子量体と層を形成する樹脂が同
じ構造部分を持つことにより得られる効果だと思われ
る。同じ構造であることより、例え極少量層内部に散ら
ばっていても、もしくは層最表面に完全に浮き出て層状
になっていたとしても不純物の一種とは違い光キャリア
輸送の妨げにはならず且つトラップの形成もないからで
ある。またポリマーブレンドにより層内部に空隙ができ
たものなどの表面に一種のバリヤー層としての存在とな
るため環境変動にも非常に強くなると推察される。さら
に、本発明に用いられる低分子量体は、表面層形成用の
バインダー樹脂と同様の構造を有しているので塗工液に
対する相溶性が優れており、従って得られる塗膜は良好
な透明性を有す。また、シロキサンを含有しており且つ
分子鎖が短いために界面移行性が優れているので少量の
添加により表面の改質が達成される。
【0028】相溶性から見れば、下記構造式(5)の重
合体と、
【0029】
【化7】
【0030】構造式(5)と一般式(2)の共重合体と
の混合も考えられるが、これは分子のもつ構造がかなり
平面的なものであるため、膜を形成した際に、他分子と
のからみがそれほど激しくもないので膜自体がかなりも
ろくなってしまう。そこで本発明では構造式(3)の重
合体と、構造式(3)と一般式(2)の共重合体との混
合を考えた。こちらの方が分子が曲折しているため他分
子とよくからみあい膜強度がでてくると思われる。
【0031】本発明で用いられる共重合体の低分子量体
の分子量は粘度平均分子量として3000〜7000が
適当である。粘度平均分子量が7000を超えると分子
鎖が長くなり表面移行性が悪化してしまい改質効果が薄
れてしまう。
【0032】低分子量体の添加量は表面層の固形分重量
に基づいて0.1〜30%が適当であり、さらに0.5
〜15%が好ましい。0.1%未満では十分な改質効果
が得られず、一方30%を越えると低分子量体が塗膜表
面だけでなくバルク中にも存在するようになるため表面
層の主成分である樹脂や光導電性物質との相溶性の問題
から白化を引き起こしたり、繰り返し電子写真プロセス
を行ったとき残留電荷の蓄積が生じてくる。
【0033】本発明における共重合体の分子量は、溶液
として塗布する際に好適な膜厚を形成するのに都合がよ
い粘度が得られれば如何なる範囲であってもよいが、塗
布膜の強度、機械的特性という点から、好適分子量範囲
は、粘度平均分子量で5,000〜150,000、特
に、粘度平均分子量または重量平均分子量が10,00
0〜100,000の範囲が好ましい。また2種以上の
分子量のものを混合して使用することもできる。さらに
本発明における共重合体には第3の共重合成分を添加し
て共重合体とすることができる。
【0034】本発明における特定構造の共重合体、特定
構造の重合体および特定構造の共重合体の低分子量体に
よれば、電気的、機械的特性を低下することなしに良好
な潤滑性を有する被膜が得られる。さらに、該共重合体
は、ごく一般的な溶媒、具体的には例えばテトラヒドロ
フラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、ジクロロメタンもしくはこれらの混合物に高い溶解
性を示し、かつ、ゲル化によるポットライフの低下とい
う問題のないことなど電子写真特性や製造安定性、品質
安定性についても良好な特性を有する。
【0035】本発明における特定構造の共重合体は電子
写真感光体の表面層、特に感光層および表面保護層に含
有させることができ、感光層の結着剤樹脂および電荷発
生層および電荷輸送層として機能分離した積層型の感光
層においては、両層の結着剤樹脂として使用できる。
【0036】本発明の電子写真感光体の導電性支持体と
しては、支持体自体が導電性を有する、例えばアルミニ
ウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナ
ジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、イン
ジウム、金、白金などを用いることができ、その外に、
アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸
化錫、酸化インジウム−酸化錫合金などを真空蒸着して
得られる導電層を有するプラスチック、紙など、あるい
は導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体や導
電性ポリマーを有するプラスチックなどを用いることが
できる。
【0037】導電性支持体と感光層の間にバリヤー機能
と接着機能を有する下引層を設けることができる。下引
層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロー
ス、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチ
ラール、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、
ゼラチン、酸化アルミニウムなどを用いて形成できる。
膜厚は0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmで
ある。さらに導電性支持体と下引層との間に支持体の表
面欠陥を補うための被覆を施すことや画像入力がレーザ
ー光の場合には散乱による干渉縞を防止することを目的
とした導電層を設けることができる。この導電層はカー
ボンブラック、金属粒子または金属酸化物の導電性粉体
を適当な結着剤樹脂中に分散して形成することができ
る。膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmで
ある。
【0038】電荷発生層は電荷発生物質を結着剤樹脂と
共に塗料化して塗布形成されるが、電荷発生物質である
顔料としては、例えばアゾ系顔料、キノン顔料、キノシ
アニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ系顔料、アズレニ
ウム塩顔料、銅フタロシアニンなどが挙げられる。結着
剤樹脂としてはポリビニルブチラール、ポリスチレン、
ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリビニルピロリド
ン、エチルセルロース、酢酸酪酸セルロースなどが挙げ
られる。この他に無機系材料からなる電荷発生層を使用
することもできる。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好
ましくは0.05〜2μmである。
【0039】電荷輸送層は本発明で特定する変性ポリカ
ーボネート共重合体、変性ポリカーボネート重合体およ
び変性ポリカーボネート共重合体の低分子量体と電荷輸
送物質を少なくとも含有するが、電荷輸送物質としては
ビフェニレン、アントラセン、ピレン、フェナントレン
などの多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、
オキサジアゾール、ピラゾリンなどの含窒素環式化合
物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物などを挙げるこ
とができる。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好まし
くは10〜30μmである。
【0040】さらに本発明の電子写真感光体において
は、感光層の上に表面保護層を設けることができる。こ
の表面保護層は本発明に用いられる特定の共重合体、特
定の重合体および特定の共重合体の低分子量体と電荷輸
送物質を混合、もしくは導電性粉体を分散して電荷輸送
層上に塗設され、電荷輸送層の摩耗を防ぐものである。
膜厚は電子写真特定および耐久性を考慮して決定される
が、通常、0.2〜15μmであることが望ましい。
【0041】電荷発生層は前記電荷発生物質を結着剤樹
脂および溶剤と共にホモジナイザー、超音波、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロー
ルミルなどの方法で良く分散し、塗布乾燥して形成され
る。電荷発生物質と結着剤樹脂との割合は重量比で1:
5〜5:1、好ましくは1:2〜3:1である。
【0042】電荷輸送層は前記電荷輸送物質と結着剤樹
脂を溶剤に溶解して、塗布される。電荷輸送物質と結着
剤樹脂との割合は重量比で3:1〜1:3、好ましくは
2:1〜1:2である。溶剤としてトルエン、キシレン
あるいはクロロベンゼンが有効である。塗布方法として
は、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、スピンナーコーティング法、カーテンコーティング
法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法な
どが知られている。ドラム状電子写真感光体を効率的に
精度よく大量生産するには浸漬コーティング法が最良で
ある。塗布後、10℃〜200℃、好ましくは20℃〜
150℃で5分間〜5時間、好ましくは10分間〜2時
間、通風乾燥または静止乾燥を行い、電荷輸送層が形成
される。
【0043】本発明において用いられる特定の共重合
体、特定の重合体および特定の共重合体の低分子量体を
保護層に使用する場合は、該共重合体単独、樹脂もしく
は導電性物質を該共重合体中に溶解または分散して使用
することができる。該共重合体を他の樹脂と混合する場
合、該樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリビニリデンクロライド、ポリスチレン、ポリ
−αメチルスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
カーボネート、ポリメチルメタクリレート−ポリスチレ
ン共重合体などが挙げられる。保護層は浸漬コーティン
グ、スプレーコーティング、静電塗布などの塗布方法に
よって塗工することができる。
【0044】さらに、保護層には残留電位を低下する目
的で電荷輸送物質や導電性粉体などの導電性要素を添加
してもよい。導電性粉体としてはアルミニウム、銅、ニ
ッケル、銀などの金属粉体、りん片状金属粉体および金
属短繊維、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫な
どの導電性金属酸化物、ポリピロール、ポリアニリン、
高分子電解質などの高分子導電剤、カーボンブラック、
カーボンファイバー、グラファイト粉体、有機および無
機の電解質またはこれらの導電性物質で表面を被覆した
導電性粉体などが挙げられる。
【0045】保護層の膜厚は残留電位および所望の耐久
性の面で0.2μm以上15μm以下が好ましく、膜の
強度および画像性といった面から0.5μm以上、15
μm以下が好適である。
【0046】図1に本発明の電子写真感光体を用いた転
写式電子写真装置の概略構成例を示した。
【0047】図において、1は像担持体としての本発明
のドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定
の周速度で回転駆動される。該感光体1はその回転過程
で帯電手段2によりその周面に正または負の所定電位の
均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手
段により光像露光L(スリット露光・レーザービーム走
査露光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像
に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0048】その静電潜像はついで現像手段4でトナー
現像されそのトナー現像像が転写手段5により不図示の
給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回
転と同期取り出されて給紙された転写材Pの面に順次転
写されていく。
【0049】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0050】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化さ
れ、更に前露光手段7により除電処理されて繰り返して
像形成に使用される。
【0051】感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置5
もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。電子写
真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング
手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニット
として一体に結合して構成し、このユニットを装置本体
に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、感光体1
とクリーニング手段6とを一体化してひとつの装置ユニ
ットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着
脱自在の構成にしても良い。このとき、上記の装置ユニ
ットの方に帯電手段および/または現像手段を伴って構
成しても良い。
【0052】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいは原稿を読取り信号化し、この信号に基
いてレーザビームを走査したり、LEDアレイを駆動し
たり、または液晶シャッターアレイを駆動することなど
により行われる。
【0053】本発明の電子写真装置をファクシミリのプ
リンターとして使用する場合には、光像露光Lは受信デ
ータをプリントするための露光になる。図2はこの場合
の1例をブロック図で示したものである。
【0054】コントローラ11は画像読取部10とプリ
ンター19を制御する。コントローラ11の全体はCP
U17により制御されている。画像読取部10からの読
取データは、送信回路13を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデータは受信回路12を通してプ
リンター19に送られる。画像メモリ16には所定の画
像データが記憶される。プリンタコントローラ18はプ
リンター19を制御している。14は電話である。
【0055】回線15から受信された画像情報(回線を
介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受
信回路12で復調された後、CPU17で復号処理が行
われ、順次画像メモリ16に格納される。そして、少な
くとも1ページの画像情報がメモリ16に格納される
と、そのページの画像記録を行なう。CPU17は、メ
モリ16より1ページの画像情報を読み出し、プリンタ
コントローラ18に復号化された1ページの画像情報を
送出する。プリンタコントローラ18は、CPU17か
らの1ページの画像情報を受け取るとそのページの画像
情報記録を行なうべく、プリンター19を制御する。
【0056】尚、CPU17は、プリンター19による
記録中に、次のページの受信を行なっている。
【0057】以上の様にして、画像の受信と記録が行な
われる。
【0058】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、
レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いること
ができる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0060】以下の実施例で用いられた本発明のシロキ
サンを含有する共重合体の低分子量体(試料I〜IV)は
次表に示すごとくである。
【0061】
【0062】(実施例1)10%の酸化アンチモンを含
有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部
(重量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチル
セロソルブ20部、メタノール5部、およびシリコーン
オイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン
共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1m
mガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散し
て導電層用塗料を得た。この塗料を30φのアルミニウ
ムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で3
0分間乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0063】次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部
をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を作成し
た。この塗料を前記の導電層上に浸漬塗布方法によって
塗布し、100℃で20分間乾燥して0.6μmの中間
層を形成した。
【0064】次に、CuKαのX線回折におけるブラッ
ク角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9
°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニ
ウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラール樹脂
(積水化学製、エスレックBM2)2部およびシクロヘ
キサノン35部をφ1mmガラスビーズを用いたサンド
ミル装置で2時間分散してその後に酢酸エチル60部を
加えて電荷発生層用分散液を得た。この分散液を前記の
中間層上に浸漬塗布方法で塗布して100℃で15分間
乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を得た。
【0065】次いで、下記式
【0066】
【化8】 で示される化合物8部、下記式
【0067】
【化9】 で示される化合物2部、下記式
【0068】
【化10】 で示される構成単位からなる重合体(粘度平均分子量
2.05×104 )9部および下記式
【0069】
【化11】
【0070】で示される構成単位からなり、成分(a)
が共重合体の全重量の90重量%である共重合体(粘度
平均分子量2.21×104 )1部、および上記の共重
合体の低分子量体(粘度平均分子量0.5×104
0.2部をジクロロメタン20部、モノクロルベンゼン
40部の混合溶媒中に溶解し、この溶液を前述の電荷発
生層上に浸漬塗布方法で塗布して120℃で60分間乾
燥して膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
【0071】得られた感光体を用いて表面潤滑性、経時
析出性を測定した。表面潤滑性については複写機用のウ
レタンゴム製のクリーニングブレードを用い、これを当
接角30°で感光体表面に当接しその滑り抵抗をHEI
DON−14型表面性試験機(新東化学(株)製)を用
いて測定した。さらに、この表面層にウレタンクリーニ
ングブレードを圧接し、75℃で保存し析出性に対する
加速試験を行なった。評価については2週間後に感光体
を顕微鏡により観察し、析出の有無を評価した。
【0072】更に、この感光体を40℃、93%RH下
で24時間放置した後、キャノン製LBP−SXに入れ
10,000枚連続で通紙耐久を行ない、感光体表面に
付着したトナーが原因の黒ポチを観察した。
【0073】また、キャノン製LBP−SXにおいて暗
部電位を−700Vにして、0.5μJ/cm2 の光量
を当てた際の温度25℃湿度60%下と10℃5%下で
の明部電位の差分を環境変動として示した。
【0074】更に、感光体の一部をウレタンゴムにより
摺擦し帯電させ、1週間放置後電位を測定し、摺擦によ
り帯電した部分としてない部分の差分を摺擦メモリーと
して示した。
【0075】結果を表3に示す。
【0076】(実施例2〜20)低分子量体の
【0077】
【化12】
【0078】の重量比と、その低分子量体の重量部を表
1のように変えた他は実施例1と同様に電子写真感光体
を作成し評価した。
【0079】結果を表3に示す。
【0080】
【0081】(比較例1〜4)バインダーを表2に示し
たものに変えた他は実施例1と同様に感光体を作製し評
価した。
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
【表7】
【0085】注1) 黒ポチが認められた時点とは、感
光体一回転分の間に0.5mmφ以上の黒点が5個以上
確認された時のことである。 注2) ◎:クラックが全くない。 ○:200倍の顕微鏡で、微小なクラックが3本以下認
められるが画像上影響はない。 △:200倍の顕微鏡で、微小なクラックが10本以下
認められるが画像上影響はない。 ×:200倍の顕微鏡で、0.5mm以上のクラックが
10本以下認められ、画像に影響する。 ××:200倍の顕微鏡で、0.5mm以上のクラック
が無数に認められ、画像に著しく影響する。
【0086】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、優れた潤
滑性、環境安定性、摺擦メモリー特性及び耐ソルベント
クラック性を有する電子写真感光体およびそれを有する
電子写真装置を提供することができ、さらに低分子量体
を入れて表面に移行させることにより通常のポリマーを
用いた場合より摺擦メモリーを大幅に改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図2】電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電手段 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相野谷 英之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 木村 まゆみ 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山▲崎▼ 至 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光体の表面層が (A)下記一般式(1)および一般式(2)で示される
    構成単位からなる粘度平均分子量15000以上の共重
    合体 (B)下記一般式(1)で示される構成単位を有する重
    合体 (C)下記一般式(1)および一般式(2)で示される
    構成単位からなる粘度平均分子量7000以下の共重合
    体 上記(A),(B),(C)の全てを含有することを特
    徴とする電子写真感光体、 一般式(1) 【化1】30 (式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状の
    アルキリデン基もしくはアリール置換アルキレン基、ア
    リール基、−O−、−S−、−SO−または−SO2
    を示し、R1 〜R4 は水素原子、ハロゲン原子または炭
    素数1〜4のアルキル基もしくはアリール基を示す) 一般式(2) 【化2】 (式中、R5 〜R8 は炭素数1〜4のアルキル基、フェ
    ニル基または置換フェニル基を示し、R5 〜R8 は同一
    であっても異なっていてもよく、mは1以上の整数を示
    し、nはポリジオルガノシロキサンのセエグメントの数
    を示す)。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で示される構成単位が
    下記構造式(3) 【化3】 で示される請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子写真感光体を
    有することを特徴とする電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009186743A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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