JPH06332218A - 電子写真感光体及びそれを有する電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及びそれを有する電子写真装置

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JPH06332218A
JPH06332218A JP14545393A JP14545393A JPH06332218A JP H06332218 A JPH06332218 A JP H06332218A JP 14545393 A JP14545393 A JP 14545393A JP 14545393 A JP14545393 A JP 14545393A JP H06332218 A JPH06332218 A JP H06332218A
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JP
Japan
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electrophotographic
copolymer
photosensitive member
layer
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JP14545393A
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Nobuyuki Hanami
信之 葉波
Youichi Kawamorita
陽一 川守田
Takao Soma
孝夫 相馬
Junichi Kishi
淳一 岸
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、機械的強度、表面潤滑性に
優れた電子写真感光体を提供することにある。 【構成】 本発明は、導電性支持体上に感光層を有する
電子写真感光体において、該感光体の表面層が下記一般
式(1)及び一般式(2) 【化1】 (式中、Aは−O−又は−S−を示し、R1 〜R8 は水
素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基又は水酸
基、Bは芳香族から誘導される2価の基を示す)で示さ
れる構造の共重合体を含有し、かつケイ素原子を側鎖に
有する重合性単量体を構成成分として有するグラフトポ
リマーを含有する電子写真感光体、並びにそれを有する
電子写真装置である。 【効果】 本発明は、十分な機械的強度、表面潤滑性お
よび耐久性を有し、良好な電子写真特性を発揮する電子
写真感光体を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体および該
電子写真感光体を有する電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体の光導電材料としてセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機光導電材料が
従来より用いられている。一方、ポリビニルカルバゾー
ル、オキサジアゾール、フタロシアニンなどの有機光導
電材料は無機光導電材料に比べてその無公害性、高生産
性などの利点があるが、感度が低く、その実用化は困難
であった。そのためいくつかの増感方法が提案されてい
るが、その効果的な方法としては電荷発生層と電荷輸送
層を積層した機能分離型の感光体を用いることが知られ
ている。
【0003】ところで、電子写真感光体には当然のこと
ながら適用される電子写真プロセスに応じた所定の感
度、電気特性、さらには光学的特性を備えていることが
要求される。特に繰り返し使用可能な感光体にあって
は、その感光体の表面層にはコロナ帯電、トナー現像、
紙への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的
外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要
求される。具体的には、コロナ帯電時に発生するオゾン
による劣化のために感度低下や電位低下および残留電位
増加が起こり、加えて摺擦によって表面が摩耗したり、
傷が発生することなど、これらに対する耐久性が要求さ
れている。
【0004】感光体の表面は樹脂によって被膜化されて
いるため、特に樹脂の性能が重要であり、耐久性の優れ
た樹脂が要望されていた。最近になってこれらを満足す
る樹脂としてビスフェノールAを骨格として有するポリ
カーボネート(以下、ビスフェノールA型ポリカーボネ
ートという)が表面層のバインダーとして研究されるよ
うになってきたが、前述した電子写真特性の全てがビス
フェノールA型ポリカーボネートで満足されるわけでは
なく、次のような問題点を有している。
【0005】(1)樹脂の溶解性が悪い。ジクロロメタ
ンや1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭
化水素類の一部にしか良好な溶解性を示さない。これら
のハロゲン化脂肪族単炭化素類は低沸点のため、これら
の溶剤で調製した塗工液を用いて感光体を製造すると塗
工面が白化し易い。また、塗工液の固形分などの工程管
理にも手間がかかる。
【0006】(2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の
溶剤に対しては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シ
クロヘキサノンあるいはそれらの混合溶剤に一部可溶で
あるが、その溶液は数日以内でゲル化するなど経時安定
性が悪く、感光体の生産のためには不向きである。
【0007】(3)更に、上記(1)および(2)に挙
げた欠点が改善されたとしてもビスフェノールA誘導体
のみが主鎖骨格のポリカーボネートにはソルベントクラ
ックが発生するという欠点があり、しばしば電子写真複
写機においてドラムのひび割れとして現れる。
【0008】(4)さらに近年、感光体、現像器および
クリーニング装置を一体化したカートリッジが普及して
いるが、感光体にクリーニングブレードなどの部材を圧
接しているとポリカーボネートを用いた表面層は変型し
易い。
【0009】また、このような問題に対して、表面層に
潤滑性を付与させるような物質を添加することも試みら
れていた。そのような物質としては、一般的な塗膜表面
改質剤、すなわち、レペリング剤、シリコンオイル等が
ある。またテフロン粉末等を分散させる方法もある。し
かしながら、一般的な表面改質剤は、添加される塗工液
の成分との相溶性に乏しいため、長期使用の間に表面層
の上に移行ないし滲み出してくるので効果の持続性に難
点があった。また、表面改質剤が光導電性物質との相溶
性に乏しく、さらに光生成によるキャリヤーの移動に対
してトラップとなり易く、繰返し電子写真プロセスによ
り残留電荷が増大していく傾向があった。一方テフロン
粉末などを分散させた表面層においては分散性不良、透
明性低下、キャリヤーのトラップなどの問題を生じてい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
ポリカーボネートを表面層として使用した電子写真感光
体が有していた問題点を解決し、潤滑性および耐摩耗性
を向上することによって優れた耐ソルベントラック性、
耐変形性、機械的特性および耐久性を有し、しかも製造
が容易な電子写真感光体を提供すること、該電子写真感
光体を有する電子写真装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、導
電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体におい
て、該感光体の表面層が下記一般式(1)及び一般式
(2)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、Aは−O−又は−S−を示し、R
1 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル
基又は水酸基、Bは芳香族から誘導される2価の基を示
す)で示される構造の共重合体を含有し、かつケイ素原
子を側鎖に有する重合性単量体を構成成分として有する
グラフトポリマーを含有することを特徴とする電子写真
感光体である。
【0014】本発明は、グラフトポリマーの含有率が、
表面層の全物質に対して0.02〜10重量%である上
記電子写真感光体である。
【0015】本発明は、共重合体がランダム共重合体で
ある上記電子写真感光体である。
【0016】また、本発明は、これらの電子写真感光体
を有することを特徴とする電子写真装置である。
【0017】本発明に用いられる共重合体は下記一般式
(7)で示す構造を有することが好ましい。
【0018】一般式(7)
【0019】
【化7】
【0020】一般式(7)において、Aは−O−又は−
S−を示し、R1 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、メ
チル基、エチル基又は水酸基、Bは芳香族から誘導され
る2価の基を示し、X及びYは共重合比である。
【0021】電子写真における画像欠陥につながるゲル
の発生、即ち、巨視的には溶液の保存安定性の劣化は単
に共重合体を形成するだけでは有効に防止できず、共重
合体を特にランダム共重合体(交互共重合体を含む)と
することにより、ポリマーセグメント自体の対称性を低
下させることによって、最も有効に達成することができ
る。
【0022】前記の共重合体に含有される一般式(1)
で示される共重合成分はポリカーボネート樹脂に好適な
柔軟性を付与するために導入するものであり、フェノー
ル基の自由回転を妨げず、かつエーテル結合の柔軟性を
付与しソルベントクラック性を向上させる目的で導入さ
れる。かかる化合物としては具体的には例えば次の物が
挙げられる。
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】また共重合体中に含有される一般式(2)
で示される構造は前記共重合体に適正な機械的強度を与
えるために導入されるが、かかる化合物としては次の物
が挙げられる。
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】また、本発明で用いられるシリコーン系グ
ラフトポリマーはケイ素原子を側鎖に有し、末端に重合
性の官能基を有する単量体と、ケイ素原子を持たない重
合性の単量体もしくは末端に重合性の官能基を有する分
子量が1000から10000程度の比較的低分子量の
ポリマーからなるマクロモノマーとを共重合して得られ
るものであり、主鎖に対してシリコーンを含有する側鎖
が枝状にぶらさがった構造を有している。シリコーンを
側鎖に有する単量体としては、以下の様な化合物があげ
られるが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】一方の重合性単量体、もしくはマクロモノ
マーはグラフトポリマーを添加しようとする樹脂と親和
性のあるものが選択され、例えばアクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類、スチレン系等が用いられ
る。共重合比はシリコーン系単量体の含有率として5重
量%以上が好ましい。得られた重合体の分子量は数平均
分子量として500から100000、特に1000か
ら10000が好ましい。なお、分子量の測定はGPC
(ゲル パーミュレーション クロマトグラム)法によ
る。
【0033】本発明におけるシリコーン系グラフトポリ
マーはかかる構造を有しているので、共重合させる既知
の単量体を適切に選択することにより、表面層形成用の
結着剤樹脂を含有する塗工液に対する相溶性がすぐれて
おり従って得られる塗膜は良好な透明性を有しかつ表面
層上への移行ないし滲み出しをおこすことなく効果の持
続性を有するものであり、またシリコーン含有の枝の部
分は界面移行性がすぐれているので少量の添加により表
面の改質が達成される。更にこの添加剤を表面層に含有
させてもくり返し電子写真プロセスによる残留電荷の蓄
積がなく安定した帯電特性が得られる。これは、上述の
ようにシリコーン系グラフトポリマーの界面移行性のた
め、光導電層のパルク中には実質的にはグラフトポリマ
ーは存在せず、光キャリアの輸送をなんら妨げることな
がく、且つトラップの形成もないからである。なお、ポ
リマーの製造のための重合法としては溶液重合性、懸濁
重合法、パルク重合法等のラジカル重合やイオン重合が
適用できるが、溶液重合法によるラジカル重合が簡便で
好ましい。
【0034】シリコーン系グラフトポリマーの添加量は
表面層の固形分重量にもとづいて0.02〜10%が適
当でありさらに0.1〜5%が好ましい。添加量が0.
02%未満では十分な表面改質効果が得られず、一方1
0%をこえるとグラフトポリマーが塗膜表面だけでなく
パルク中にも存在するようになるため表面層の主成分で
ある樹脂や光導電性物質との相溶性の問題から自化を引
き起こしたり、繰返し電子写真プロセスを行なったとき
残留電荷の蓄積が生じてくる。
【0035】本発明における共重合体の分子量は、溶液
として塗布する際に好適な膜厚を形成するのに都合がよ
い粘度が得られれば如何なる範囲であってもよいが、塗
布膜の強度、機械的特性という点から、好適分子量範囲
は、粘度平均分子量で5.000〜150,000、特
に、粘度平均分子量または重量平均分子量が10,00
0から100,000の範囲が好ましい。また2種以上
の分子量のものを混合して使用することもできる。さら
に本発明における共重合体には第3の共重合成分を添加
して共重合体とすることができる。
【0036】本発明における特定構造の共重合体および
シリコーン系グラフトポリマーによれば、電気的、機械
的特性を低下することなしに良好な潤滑性を有する被膜
が得られる。さらに、該共重合体は、ごく一般的な溶
媒、具体的には例えばテトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタ
ンもしくはこれらの混合物に高い溶解性を示し、かつ、
ゲル化によるポットライフの低下という問題のないこと
など電子写真特性や製造安定性、品質安定性についても
良好な特性を有する。本発明における特定構造の共重合
体は電子写真感光体の表面層、特に感光層および表面保
護層に含有させることができ、感光層の結着剤樹脂およ
び電荷発生層および電荷輸送層として機能分離した積層
型の感光層においては、両層の結着剤樹脂として使用で
きる。
【0037】本発明の電子写真感光体の導電性支持体と
しては、支持体自体が導電性を有する、例えばアルミニ
ウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナ
ジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、イン
ジウム、金、白金などを用いることができ、その外に、
アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸
化錫、酸化インジウム−酸化錫合金などを真空蒸着して
得られる導電層を有するプラスチック、紙など、あるい
は導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体や導
電性ポリマーを有するプラスチックなどを用いることが
できる。
【0038】導電性支持体と感光層の間にバリヤー機能
と接着機能を有する下引層を設けることができる。下引
層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロー
ス、スチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチ
ラール、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、
ゼラチン、酸化アルミニウムなどを用いて形成できる。
膜厚は0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmで
ある。さらに導電性支持体と下引層との間に支持体の表
面欠陥を補うための被覆を施すことや画像入力がレーザ
ー光の場合には散乱による干渉縞を防止することを目的
とした導電層を設けることができる。この導電層はカー
ボンブラック、金属粒子または金属酸化物の導電性粉体
を適当な結着剤樹脂中に分散して形成することができ
る。膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmで
ある。
【0039】電荷発生層は電荷発生物質を結着剤樹脂と
共に塗料化して塗布形成されるが、電荷発生物質である
顔料としては、例えばアゾ系顔料、キノン顔料、キノシ
アニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ系顔料、アズレニ
ウム塩顔料、銅フタロシアニンなどが挙げられる。結着
剤樹脂としてはポリビニルブチラール、ポリスチレン、
ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリビニルピロリド
ン、エチルセルロース、酢酸酪酸セルロースなどが挙げ
られる。この他に無機系材料からなる電荷発生層を使用
することもできる。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好
ましくは0.05〜2μmである。
【0040】電荷輸送層は本発明で特定する共重合体お
よびシリコーン系グラフトポリマーと電荷輸送物質を少
なくとも含有するが、電荷輸送物質としてはビフェニレ
ン、アントラセン、ピレン、フェナントレンなどの多環
芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オキサジア
ゾール、ピラゾリンなどの含窒素環式化合物、ヒドラゾ
ン化合物、スチリル化合物などを挙げることができる。
電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜3
0μmである。
【0041】さらに本発明の電子写真感光体において
は、感光層の上に表面保護層を設けることができる。こ
の表面保護層は本発明に用いられる特定の共重合体およ
びシリコーン系グラフトポリマーと電荷輸送物質を混
合、もしくはさらに導電性粉体を分散して電荷輸送層上
に塗設され、電荷輸送層の摩耗を防ぐものである。膜厚
は電子写真特性および耐久性を考慮して決定されるが、
通常、0.2〜15μmであることが望ましい。
【0042】電荷発生層は前記電荷発生物質は結着剤樹
脂および溶剤と共にホモジナイザー、超音波、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロー
ルミルなどの方法で良く分散し、塗布乾燥して形成され
る。電荷発生物質と結着剤樹脂との割合は重量比で1:
5〜5:1、好ましくは1:2〜3:1の範囲である。
【0043】電荷輸送層は前記電荷輸送物質と結着剤樹
脂を溶剤に溶解して、塗布される。電荷輸送物質の結着
剤樹脂との割合は重量比で3:1〜1:3、好ましくは
2:1〜1:2の範囲である。溶剤としては、例えばト
ルエン、キシレンあるいはクロロベンゼンが有効であ
る。塗布方法としては、例えば浸漬コーティング法、ス
プレーコーティング法、スピンナーコーティング法、カ
ーテンコーティング法、ロールコーティング法、グラビ
アコーティング法などが知られている。ドラム状電子写
真感光体を効率的に精度よく大量生産するには浸漬コー
ティング法が最良である。塗布後、10℃〜200℃、
好ましくは20℃〜150℃で5分間〜5時間、好まし
くは10分間〜2時間、通風乾燥または静止乾燥を行
い、電荷輸送層が形成される。
【0044】本発明において用いられる特定の共重合体
およびシリコーン系グラフトポリマーを保護層に使用す
る場合は、該共重合体とシリコーン系グラフトポリマー
を、あるいはこれらにさらに樹脂もしくは導電性物質を
加え溶解または分散して使用することができる。さらに
加える樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリビニルデンクロライド、ポリスチレン、ポリ
−αメチルスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
カーボネート、ポリメチルメタクリレート−ポリスチレ
ン共重合体などが挙げられる。保護層は浸漬コーティン
グ、スプレーコーティング、静電塗布などの塗布方法に
よって塗工することができる。
【0045】さらに、保護層には残留電位を低下する目
的で電荷輸送物質や導電性粉体などの導電性要素を添加
してもよい。導電性粉体としてはアルミニウム、銅、ニ
ッケル、銀などの金属粉体、りん片状金属粉体および金
属短繊維、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫な
どの導電性金属酸化物、ポリピロール、ポリアニリン、
高分子電解質などの高分子導電剤、カーボンブラック、
カーボンファイバー、グラファイト粉体、有機および無
機の電解質またはこれらの導電性物質で表面を被覆した
導電性粉体などが挙げられる。
【0046】保護層の膜厚は残留電位および所望の耐久
性の面で0.2μm以上15μm以下が好ましく、膜の
強度および画像性といった面から0.5μm以上、15
μm以下が好適である。
【0047】本発明の電子写真感光体は複写機、レーザ
ープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プ
リンターなどの電子写真装置一般に適用され、さらに、
電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、
製版、ファクシミリなどの装置にも広く適用できる。
【0048】また本発明は前記本発明の電子写真感光体
を有する電子写真装置から構成される。
【0049】次に、本発明の電子写真感光体を有する電
子写真装置について説明する。
【0050】図1に本発明のドラム型感光体を用いた一
般的な転写式電子写真装置の概略構成を示した。図にお
いて、1は像担持体としてのドラム型感光体であり軸1
aを中心に矢印方向に所定の周波数で回転駆動される。
該感光体1はその回転過程で帯電手段2によりその周面
に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光
部3にて不図示の像露光手段により光像露光L(スリッ
ト露光・レーザービーム走査露光など)を受ける。これ
により感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形
成されていく。その静電潜像は、次いで現像手段4でト
ナー現像され、そのトナー現像像が転写手段5により不
図示の給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体
1の回転と同期取りされて給送された転写材Pの面に順
次転写されていく。像転写を受けた転写材Pは感光体面
から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受け
て複写物(コピー)として機外へプリントアウトされ
る。像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6に
て転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、前露光
手段7により除電処理がされて繰り返して像形成に使用
される。感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ帯電
装置が一般に広く使用されている。また、転写装置5も
コロナ転写手段が一般に広く使用されている。電子写真
装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング手
段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットと
して一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に
対して着脱自在に構成しても良い。例えば、感光体1と
クリーニング手段6とを一体化してひとつの装置ユニッ
トとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱
自在の構成にしてもよい。このとき、上記の装置ユニッ
トのほうに帯電手段および/または現像手段を伴って構
成してもよい。また、光像露光Lは、電子写真装置を複
写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの
反射光や透過光を用いる、あるいは、原稿を読み取り信
号化し、この信号に従ってレーザービームを走査した
り、発光ダイオードアレイを駆動したり、または液晶シ
ャッターアレイを駆動することなどにより行われる。
【0051】また、ファクシミリのプリンターとして使
用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントす
るための露光になる。
【0052】図2は、この場合の1例をブロック図で示
したものである。コントローラ10は画像読取部9とプ
リンター18を制御する。コントローラ10の全体はC
PU16により制御されている。画像読取部からの読取
りデータは、送信回路12を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデータは受信回路11を通してプ
リンター18に送られる。画像メモリには所定の画像デ
ータが記憶される。プリンタコントローラ17はプリン
ター18を制御している。13は電話である。回線14
から受信された画像(回線を介して接続されたリモート
端末からの画像情報)は、受信回路11で復調された
後、CPU16は画像情報の信号処理を行い順次画像メ
モリ15に格納される。そして、少なくとも1ページの
画像がメモリ15に格納されると、そのページの画像記
憶を行う。CPU16は、メモリ15より1ページの画
像情報を読み出しプリンタコントローラ17に信号化さ
れた1ページの画像情報を送出する。プリンタコントロ
ーラ17は、CPU16からの1ページの画像情報を受
け取るとそのページの画像情報記録を行うべく、プリン
ター18を制御する。なお、CPU16は、プリンター
18による記録中に、次のページの受信を行っている。
以上のように、画像の受信と記録が行われる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施
例中、部は重量部を、%は重量%を示す。
【0054】以下の実施例で用いたシリコーン系グラフ
トポリマー(試料I〜IV)は表に示す如くである。
【0055】
【表1】
【0056】実施例1 10%の酸化アンチモンを含有する酸化錫で被覆した導
電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メ
チルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコー
ンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレ
ン共重合体、平均分子量3,000)0.002部をφ
1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分
散して導電性塗料を調製した。この塗料をアルミニウム
シート上にワイヤーバーで塗布し、140℃で30分間
乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0057】次いで、N−メトキシメチル化ナイロン5
部をメタノール95部に溶解し、下引層用塗料を調製
し、前記導電層上に塗布して100℃で20分間乾燥し
て膜厚0.6μmの下引層を形成した。
【0058】次ぎに、下記構造式のジスアゾ顔料3部、
【0059】
【化15】
【0060】ポリビニルベンザール(ベンザール化率8
0%、重量平均分子量11,000)2部およびシクロ
ヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で12時間分散して、その後にメチルエチル
ケトン60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。こ
の塗料を下引層上にワイヤーバーで塗布して、80℃で
20分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成
した。
【0061】次いで、下記構造式のヒドラゾン化合物1
0部
【0062】
【化16】 下記構造式の共重合体
【0063】
【化17】
【0064】(粘度平均分子量2.16×104 )10
部をジクロロメタン20部、モノクロルベンゼン40部
の混合溶媒中に溶解し、さらにこの液に試料No. Iのシ
リコーン系グラフトポリマーを0.2部加え調製した溶
液を前述の電荷発生層上にワイヤーバーで塗布して12
0℃で60分間乾燥して膜厚18μmの電荷輸送層を形
成した。
【0065】次いで、この感光体を用いて耐摩耗性およ
び電子写真特性を測定した。耐摩耗性については安田精
機性のアブレーションテスターNo.101テーバータ
イプを用い、研磨材としては市販のコピー用紙を用い
た。また電子写真特性については10cm2 の導電性ガ
ラスを用いて光放電特性を測定することによって得た。
さらに、この表面層に指油を付着し、24時間経過した
後、顕微鏡によりソルベントクラックの有無を観察し
た。これらの結果を表2に記載する。
【0066】実施例2 次の組成を有する共重合体
【0067】
【化18】
【0068】(粘度平均分子量2.51×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例1と全く
同様にして感光体を作成し、各種の測定を行なった。得
られた結果を表2に記載する。
【0069】実施例3 試料No.IIのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0070】
【化19】
【0071】(粘度平均分子量9.56×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例1と全く
同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得ら
れた結果を表2に記載する。
【0072】実施例4 試料No.IIのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0073】
【化20】
【0074】(粘度平均分子量3.28×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例1と全く
同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得ら
れた結果を表2に記載する。
【0075】実施例5 試料No.IIのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0076】
【化21】
【0077】(粘度平均分子量2.35×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例1と全く
同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得ら
れた結果を表2に記載する。
【0078】実施例6 試料No.III のシリコーン系グラフトポリマーおよび
次の構造を有する電荷発生物質
【0079】
【化22】
【0080】を使用し、電荷発生層を形成し、次の組成
を有する共重合体
【0081】
【化23】
【0082】(粘度平均分子量2.23×104 )及び
下記構造式の電荷輸送物質
【0083】
【化24】
【0084】を用いて電荷輸送層を形成したことを除
き、実施例1と全く同様にして感光体を形成し、各種の
測定を行なった。得られた結果表2に記載した。
【0085】実施例7 試料No.III のシリコーン系グラフトポリマーおよび
次の組成を有する共重合体
【0086】
【化25】
【0087】(粘度平均分子量2.98×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例6と全く
同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得ら
れた結果を表2に記載する。
【0088】実施例8 試料No.IVのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0089】
【化26】
【0090】(粘度平均分子量2.34×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例6と全く
同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得ら
れた結果を表2に記載する。
【0091】実施例9 試料No.IVのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0092】
【化27】
【0093】(粘度平均分子量4.10×104 )およ
び下記構造式の電荷輸送物質
【0094】
【化28】 を用いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例6と
全く同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。
得られた結果を表2に記載する。
【0095】実施例10 試料No.IVのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0096】
【化29】
【0097】(粘度平均分子量2.86×104 )およ
び下記構造式の電荷輸送物質
【0098】
【化30】
【0099】を用いて電荷輸送層を形成したことを除
き、実施例6と全く同様にして感光体を作成し各種の測
定を行なった。得られた結果を表2に記載する。
【0100】比較例1 実施例1で用いた共重合体に代え、下記式で示す構造の
共重合体(粘度平均分子量2.2×104
【0101】
【化31】
【0102】を用いシリコーン系グラフトポリマーは含
有させない他は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作成し、評価した。得られた結果を表2に示す。
【0103】比較例2 実施例1で用いた共重合体に代え、下記式で示す構造の
共重合体(粘度平均分子量1.45×105
【0104】
【化32】
【0105】を用い、この溶媒としてジクロロメタンを
用いシリコーン系グラフトポリマーは含有させない他
は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評
価した。得られた結果を表2に記載する。
【0106】
【表2】
【0107】実施例11 10%の酸化アンチモンを含有する酸化錫で被覆した導
電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メ
チルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコー
ンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレ
ン共重合体、平均分子量3,000)0.002部をφ
1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分
散して導電性塗料を調製した。この塗料をアルミニウム
シート上にワイヤーバーで塗布し、140℃で30分間
乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0108】次いで、N−メトキシメチル化ナイロン5
部をメタノール95部に溶解し、下引層用塗料を調製
し、前記導電層上に塗布して100℃で20分間乾燥し
て膜厚0.9μmの下引層を形成した。
【0109】次ぎに、下記構造式のジスアゾ顔料3部、
【0110】
【化33】
【0111】ポリビニルベンザール(ベンザール化率8
0%、重量平均分子量11,000)2部およびシクロ
ヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で12時間分散して、その後にメチルエチル
ケトン60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。こ
の塗料を下引層上にワイヤーバーで塗布して、80℃で
20分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成
した。
【0112】次ぎに、下記構造式のシチリル化合物10
部、
【0113】
【化34】
【0114】下記式で示す構造の共重合体(粘度平均分
子量2.10×104 )10部
【0115】
【化35】
【0116】をジクロロメタン20部、クロロベンゼン
40部の混合溶媒中に溶解し、さらに、この液に試料N
o.Iのシリコーン系グラフトポリマーを0.8部加え
調製した溶液を前記電荷発生層上にワイヤーバーで塗布
し120℃で60分間乾燥して膜厚18μmの電荷輸送
層を形成し、電子写真感光体を作成した。この電子写真
感光体を帯電、露光、現像、転写およびクリーニングの
プロセスを有するカラー複写機に取り付け、繰り返し画
像を出すことにより、感光体の耐久性およびクリーニン
グブレードの反転による画像欠陥について評価を行った
ところ、1,000枚の耐久後においても感光体表面に
傷および摩耗が全く発生せず、10,000枚の耐久の
後でもフィルミングやクリーニング不良もしくはクリー
ニングブレードの反転も発生せず、画質についても耐久
による低下が見られず、かつ、摩耗による膜厚の減少は
渦電流式膜厚計では観測されなかった。
【0117】実施例12 実施例11で用いた電荷発生物質に代え、下記のジスア
ゾ顔料
【0118】
【化36】
【0119】を用い、電荷発生物質として下記のヒドラ
ゾン化合物
【0120】
【化37】
【0121】を用いた他は、実施例11と同様にして電
子写真感光体を作成し、市販のレーザープリンターを用
いて評価をした。5,000枚の耐久の間にクリーニン
グブレードの反転はなく、かつ、感光体表面の傷による
画像欠陥も発生せず、さらに摩耗による表面層の膜厚減
少は渦電流式膜厚計では観測されなかった。
【0122】比較例3 実施例11で用いた共重合体に代え、下記式で示す構造
の共重合体(粘度平均分子量4.3×104
【0123】
【化38】
【0124】を用いシリコーン系グラフトポリマーは含
有させない他は、実施例11と同様にして電子写真感光
体を作成し、評価した。1,000枚の耐久後、すでに
感光体表面はクリーニングブレードの摺擦による傷が発
生し、特に耐久初期においてはクリーニングブレードの
反転が頻繁に発生するなど、十分な潤滑性を有するもの
ではなかった。さらに摺擦によって深い傷が発生するこ
とから、耐久の進行に従って小点の再現性が劣化する画
質の低下が観測された。また、10,000枚後の摩耗
による膜厚減少は8μmであった。
【0125】実施例13 比較例2と同様にして電子写真感光体を作成した後、実
施例1で用いたと同じ共重合体5部およびシリコーン系
グラフトポリマー0.5部をクロロベンゼン95部に溶
解し、保護層用塗料を調製し、この塗料を前記感光体上
にスプレー塗布し、120℃で60分間乾燥し、2,5
μm厚の表面保護層を形成した。こうして作成した電子
写真感光体について、実施例11と同様に評価したとこ
ろ、10,000枚後においても良好な表面潤滑性を有
し、画質の低下、クリーニングブレードの反転などは観
測されなかった。
【0126】実施例14 実施例13で調製した保護層用塗料に代え、酸化錫の微
粉末2部、実施例1で用いたと同じ共重合体10部およ
びシリコーン系グラフトポリマー0.5部およびクロロ
ベンゼン100部から調製された分散液を用いた他は、
実施例13と同様にして電子写真感光体を作成し、評価
したところ、10,000枚後においても良好な表面潤
滑性を有し、画質の低下、クリーニングブレードの反転
などは観測されなかった。
【0127】実施例15 実施例13で調製した保護層用塗料に代え、下記構造式
の電荷輸送物質
【0128】
【化39】
【0129】および実施例1で用いたと同じ共重合体1
0部シリコーン系グラフトポリマー0.5部およびクロ
ロベンゼン100から調製した塗料を用いた他は、実施
例13と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した
ところ、10,000枚後においても良好な表面潤滑性
を有し、画質の低下、クリーニングブレードの反転など
は観測されなかった。
【0130】実施例16 10%の酸化アンチモンを含有する酸化錫で被覆した導
電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メ
チルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコー
ンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレ
ン共重合体、平均分子量3,000)0.002部をφ
1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分
散して導電性塗料を調製した。この塗料をアルミニウム
シート上にワイヤーバーで塗布し、140℃で30分間
乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0131】次いで、N−メトキシメチル化ナイロン5
部をメタノール95部に溶解し、下引層用塗料を調製
し、前記導電層上に塗布して100℃で20分間乾燥し
て膜厚0.6μmの下引層を形成した。
【0132】次ぎに、下記構造式のジスアゾ顔料3部
【0133】
【化40】
【0134】ポリビニルベンザール(ベンザール化率8
0%、重量平均分子量11,000)2部およびシクロ
ヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で12時間分散して、その後にメチルエチル
ケトン60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。こ
の塗料を下引層上にワイヤーバーで塗布して、80℃で
20分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成
した。
【0135】次いで 下記構造式のヒドラゾン化合物1
0部
【0136】
【化41】
【0137】下記構造式の共重合体
【0138】
【化42】
【0139】(粘度平均分子量2.16×104 )10
部をジクロロメタン20部、モノクロルベンゼン40部
の混合溶媒中に溶解し、さらにこの液に試料No.Iの
シリコーン系グラフトポリマーを0.2部加え調整した
溶液を前述の電荷発生層上にワイヤーバーで塗布して1
20℃で60分間乾燥して膜厚18μmの電荷輸送層を
形成した。
【0140】次いで、この感光体を用いて耐摩耗性およ
び電子写真特性を測定した。耐摩耗性については安田精
機性のアブレーションテスターNo.101テーバータ
イプを用い、研磨材としては市販のコピー用紙を用い
た。また電子写真特性については10cm2 の導電性ガ
ラスを用いて光放電特性を測定することによって得た。
さらに、この表面層に指油を付着し、24時間経過した
後、顕微鏡によりソルベントクラックの有無を観察し
た。これらの結果を表3に記載する。
【0141】実施例17 次の組成を有する共重合体
【0142】
【化43】
【0143】(粘度平均分子量2.51×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例16と全
く同様にして感光体を作成し、各種の測定を行なった。
得られた結果を表3に記載する。
【0144】実施例18 試料No.IIのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0145】
【化44】
【0146】(粘度平均分子量9.56×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例16と全
く同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得
られた結果を表3に記載する。
【0147】実施例19 試料No.IIのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0148】
【化45】
【0149】(粘度平均分子量3.28×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例16と全
く同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得
られた結果を表3に記載する。
【0150】実施例20 試料No.IIのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0151】
【化46】
【0152】(粘度平均分子量2.35×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例16と全
く同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得
られた結果を表3に記載する。
【0153】実施例21 試料No.III のシリコーン系グラフトポリマーおよび
次の構造を有する電荷発生物質
【0154】
【化47】
【0155】を使用し、電荷発生層を形成し、次の組成
を有する共重合体
【0156】
【化48】
【0157】(粘度平均分子量2.23×104 )及び
下記構造式の電荷輸送物質
【0158】
【化49】
【0159】を用いて電荷輸送層を形成したことを除
き、実施例16と全く同様にして感光体を作成し、各種
の測定を行なった。得られた結果を表3に記載する。
【0160】実施例22 試料No.III のシリコーン系グラフトポリマーおよび
次の組成を有する共重合体
【0161】
【化50】
【0162】(粘度平均分子量2.98×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例21と全
く同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得
られた結果を表3に記載する。
【0163】実施例23 試料No.IVのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0164】
【化51】
【0165】(粘度平均分子量2.34×104 )を用
いて電荷輸送層を形成したことを除き、実施例21と全
く同様にして感光体を作成し各種の測定を行なった。得
られた結果を表3に記載する。
【0166】実施例24 試料No.IVのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0167】
【化52】
【0168】(粘度平均分子量4.10×104 )およ
び下記構造式の電荷輸送物質
【0169】
【化53】
【0170】を用いて電荷輸送層を形成したことを除
き、実施例21と全く同様にして感光体を作成し各種の
測定を行なった。得られた結果を表3に記載する。
【0171】実施例25 試料No.IVのシリコーン系グラフトポリマーおよび次
の組成を有する共重合体
【0172】
【化54】
【0173】(粘度平均分子量2.86×104 )およ
び下記構造式の電荷輸送物質
【0174】
【化55】
【0175】を用いて電荷輸送層を形成したことを除
き、実施例21と全く同様にして感光体を作成し各種の
測定を行なった。得られた結果を表3に記載する。
【0176】比較例4 実施例16で用いた共重合体に代え、下記式で示す構造
の共重合体(粘度平均分子量2.2×104
【0177】
【化56】
【0178】を用いシリコーン系グラフトポリマーは含
有させない他は、実施例16と同様にして電子写真感光
体を作成し、評価した。得られた結果を表3に示す。
【0179】比較例5 実施例1で用いた共重合体に代え、下記式で示す構造の
共重合体(粘度平均分子量1.45×104
【0180】
【化57】
【0181】を用い、この溶媒としてジクロロメタンを
用いシリコーン系グラフトポリマーは含有させない他
は、実施例16と同様にして電子写真感光体を作成し、
評価した。得られた結果を表3に示す。
【0182】
【表3】
【0183】実施例26 10%の酸化アンチモンを含有する酸化錫で被覆した導
電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メ
チルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコー
ンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレ
ン共重合体、平均分子量3,000)0.002部をφ
1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分
散して導電性塗料を調製した。この塗料をアルミニウム
シート上にワイヤーバーで塗布し、140℃で30分間
乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0184】次いで、N−メトキシメチル化ナイロン5
部をメタノール95部に溶解し、下引層用塗料を調製
し、前記導電層上に塗布して100℃で20分間乾燥し
て膜厚0.9μmの下引層を形成した。
【0185】次ぎに、下記構造式のジスアゾ顔料3部、
【0186】
【化58】
【0187】ポリビニルベンザール(ベンザール化率8
0%、重量平均分子量11,000)2部およびシクロ
ヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で12時間分散して、その後にメチルエチル
ケトン60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。こ
の塗料を下引層上にワイヤーバーで塗布して、80℃で
20分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成
した。
【0188】次ぎに、下記構造式のスチリル化合物10
部、
【0189】
【化59】
【0190】下記式で示す構造の共重合体(粘度平均分
子量2.10×104 )10部
【0191】
【化60】
【0192】をジクロロメタン20部、クロロベンゼン
40部の混合溶媒中に溶解し、さらに、この液に試料N
o.Iのシリコーン系グラフトポリマーを0.8部加え
調製した溶液を前記電荷発生層上にワイヤーバーで塗布
し120℃で60分間乾燥して膜厚18μmの電荷輸送
層を形成し、電子写真感光体を作成した。この電子写真
感光体を帯電、露光、現像、転写およびクリーニングの
プロセスを有するカラー複写機に取り付け、繰り返し画
像を出すことにより、感光体の耐久性およびクリーニン
グブレードの反転による画像欠陥について評価を行った
ところ、1,000枚の耐久後においても感光体表面に
傷および摩耗が全く発生せず、10,000枚の耐久の
後でもフィルミングやクリーニング不良もしくはクリー
ニングブレードの反転も発生せず、画質についても耐久
による低下が見られず、かつ、摩耗による膜厚の減少は
渦電流式膜厚計では観測されなかった。
【0193】実施例27 実施例26で用いた電荷発生物質に代え、下記のジスア
ゾ顔料
【0194】
【化61】
【0195】を用い、電荷発生物質として下記のヒドラ
ゾン化合物
【0196】
【化62】
【0197】を用いた他は、実施例26と同様にして電
子写真感光体を作成し、市販のレーザープリンターを用
いて評価をした。5,000枚の耐久の間にクリーニン
グブレードの反転はなく、かつ、感光体表面の傷による
画像欠陥も発生せず、さらに摩耗による表面層の膜厚減
少は渦電流式膜厚計では観測されなかった。
【0198】比較例6 実施例26で用いた共重合体に代え、下記式で示す構造
の共重合体(粘度平均分子量4.2×104
【0199】
【化63】
【0200】を用いシリコーン系グラフトボリマーは含
有させない他は、実施例26と同様にして電子写真感光
体を作成し、評価した。1,000枚の耐久後、すでに
感光体表面はクリーニングブレードとの摺擦による傷が
発生し、特に耐久初期においてはクリーニングブレード
の反転が頻繁に発生するなど、十分な潤滑性を有するも
のではなかった。さらに摺擦によって深い傷が発生する
ことから、耐久の進行に従って小点の再現性が劣化する
画質の低下が観測された。また、10,000枚後の摩
耗による膜厚減少8μmであった。
【0201】実施例28 比較例5と同様にして電子写真感光体を作成した後、実
施例16で用いたと同じ共重合体5部およびシリコーン
系グラフトポリマー0.5部をクロロベンゼン95部に
溶解し、保護層用塗料を調製し、この塗料を前記感光体
上にスプレー塗布し、120℃で60分間乾燥し、2.
5μm厚の表面保護層を形成した。こうして作成した電
子写真感光体について、実施例26と同様に評価したと
ころ、10,000枚後においても良好な表面潤滑性を
有し、画質の低下、クリーニングブレードの反転などは
観測されなかった。
【0202】実施例29 実施例28で調製した保護層用塗料に代え、酸化錫の微
粉末2部、実施例1で用いたと同じ共重合体10部およ
びシリコーン系グラフトポリマー0.5部およびクロロ
ベンゼン100部から調製された分散液を用いた他は、
実施例28と同様にして電子写真感光体を作成し、評価
したところ、10,000枚後においても良好な表面潤
滑性を有し、画質の低下、クリーニングブレードの反転
などは観測されなかった。
【0203】実施例30 実施例28で調製した保護層用塗料に代え、下記構造式
の電荷輸送物質
【0204】
【化64】
【0205】および実施例16で用いたと同じ共重合体
10部シリコーン系グラフトポリマー0.5部およびク
ロロベンゼン100から調製した塗料を用いた他は、実
施例28と同様にして電子写真感光体を作成し、評価し
たところ、10,000枚後においても良好な表面潤滑
性を有し、画質の低下、クリーニングブレードの反転な
どは観測されなかった。
【0206】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は十分な機械的
強度と表面潤滑性を有し、良好な電子写真特性を発揮す
るという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図2】電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 淳一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光体の表面層が下記一般式
    (1)及び一般式(2) 【化1】 (式中、Aは−O−又は−S−を示し、R1 〜R8 は水
    素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基又は水酸
    基、Bは芳香族から誘導される2価の基を示す)で示さ
    れる構造の共重合体を含有し、かつケイ素原子を側鎖に
    有する重合性単量体を構成成分として有するグラフトポ
    リマーを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記グラフトポリマーの含有率が、表面
    層の全物質に対して0.02〜10重量%である請求項
    1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記共重合体がランダム共重合体である
    請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記Bが下記式(3) 【化2】 (式中、R9 〜R16は前記R1 〜R8 と同じである)で
    示される請求項1ないし3記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記Bが下記式(4) 【化3】 (式中、R9 〜R16は前記R1 〜R8 と同じである)で
    示される請求項1ないし3記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記Bが下記式(5) 【化4】 (式中、R9 〜R16は前記R1 〜R8 と同じである)で
    示される請求項1ないし3記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記Bが下記式(6) 【化5】 (式中、R9 〜R16は前記R1 〜R8 と同じである)で
    示される請求項1ないし3記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7記載の電子写真感光体
    を有することを特徴とする電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6631652B1 (en) 1998-11-11 2003-10-14 Komatsu Ltd. Monolever operation apparatus for working vehicle and operation method of the same

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