JPH07132941A - ラップフィルム包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラップフィルム用カートンの有効利用を可能
とするための詰め替え用ラップフィルムを確実に保持収
納する安価なラップフィルム包装体を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂を立体成形により容器とし、こ
の容器に筒状のコアに巻かれたラップフィルムを収納す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はラップフィルム包装体に
係り、特に詰め替え用のラップフィルムを確実に保持収
納する安価なラップフィルム包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】いわゆる、食品包装などに用いられるラ
ップフィルムは、筒状のコアの上に円筒状に巻かれ、直
方体形状の箱状カートンに収納されている。そして、ラ
ップフィルムの使用に際しては、カートンを開封して、
その内部に収納されているフィルムを引き出し、カート
ンに取りつけられた平板状の金属製切断部材により任意
の長さで切断し、しかる後、食品等の上にラップされ
る。

【０００３】ラップフィルムを収納するカートンは、紙
材を用いて形成されており、流通時および使用時におい
て内容物であるラップフィルムを保護できるような強度
を備えている。したがって、カートンの使用限界は、ラ
ップフィルム１本分をはるかに超えており、ラップフィ
ルムを使い終わってもカートンはまだ充分に使用に耐え
得る状態にあるが、従来よりコアとともにカートンも廃
棄されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まだ充
分に使用に耐え得る状態にあるカートンを廃棄すること
は、省資源の要請に反するという問題があった。また、
カートンには、上述のように金属製切断部材が取りつけ
られており、廃棄する際にはカートンから取りはずして
分別する必要があるが、この作業が煩雑であるととも
に、金属製切断部材取りはずし時に手を傷つけることが
あるという問題もあった。

【０００５】このため、ラップフィルムを使い終わった
カートンの有効利用を図るために、詰め替え用ラップフ
ィルムの出現を求める消費者の要望が高まっている。し
かし、詰め替え用ラップフィルムの包装形態として、上
記のようなカートン（金属製切断部材は取りつけられて
いない）を用いた場合、消費者の詰め替え用に対する低
コスト化の要請に応えることができないと同時に、消費
者は従来のラップフィルム入りカートンと詰め替え用の
カートンとの差別化が十分にできず、混乱を招く危険性
が高い。さらに、詰め替え用ラップフィルムの包装形態
としては、上記の低コスト化とともに、輸送・保管等の
流通段階での耐久性も要求されるが、両者を兼ね備える
詰め替え用ラップフィルム包装体は未だ開発されていな
い。

【０００６】本発明はこのような実情のもとに創案され
たものであって、ラップフィルム用カートンの有効利用
を可能とするための詰め替え用ラップフィルムを確実に
保持収納する安価なラップフィルム包装体を提供するこ
とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は熱可塑性樹脂を立体成形した容器
に、筒状のコアに巻かれたラップフィルムを収納してな
るような構成とした。

【０００８】

【作用】熱可塑性樹脂を立体成形した容器は、筒状のコ
アに巻かれたラップフィルムを確実に保持収納するのに
十分な強度を備えるとともに、製造コストの低減が可能
である。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。

【００１０】図１は本発明のラップフィルム包装体の第
一実施例を示す斜視図であり、図２は図１のラップフィ
ルム包装体を構成する容器を展開した状態を示す斜視図
であり、図３は図１のラップフィルム包装体の III−II
I 線における縦断面図である。図１乃至図３において、
本発明のラップフィルム包装体１は、容器２内に筒状の
コア１２に巻かれたラップフィルム１１を収納したもの
である。

【００１１】容器２はヒンジ部５を介して容器半体３と
容器半体４が接合された構造であり、各容器半体３、４
には、収納部３ａ、４ａと該収納部の周囲を取り巻くよ
うにフランジ部３ｂ、４ｂが形成されている。収納部３
ａ、４ａは、両者協働してラップフィルム収納部を提供
し得るように、略半円柱（円筒）の形状とされている。
そして、この収納部３ａ、４ａのいずれかにラップフィ
ルム１１を載置し、ヒンジ部５において容器２を折り曲
げて容器半体３、４を当接させ、そのフランジ部３ｂ、
４ｂの少なくとも一部を熱融着あるいは接着剤等により
固着することによりラップフィルム包装体１とすること
ができる。

【００１２】上記の容器２は、熱可塑性樹脂シートを立
体成形したものである。立体成形法としては、真空成形
法、圧縮真空成形法が製造コスト低減の上で好ましく用
いられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等の結晶性の
低い樹脂が成形が容易であり好ましい。さらに、製造コ
ストを低減することからはポリプロピレン樹脂が好まし
く、また、ポリエチレン樹脂を使用してもよい。また、
使用する熱可塑性樹脂シートの厚さは、使用する樹脂の
種類、容器の形状等に応じて適宜設定することができる
が、通常は５０〜５００μｍ程度とすることができる。

【００１３】ラップフィルム１１は、例えば、ポリ塩化
ビニリデン系、ポリオレフィン系等の合成樹脂フィルム
である。また、ラップフィルム１１を巻き回すコア１２
は、紙製、プラスチック性等の筒状体を用いることがで
き、特に制限はない。

【００１４】図４は本発明のラップフィルム包装体の第
二実施例を示す斜視図であり、図５は図４のラップフィ
ルム包装体を構成する容器を展開した状態を示す斜視図
である。図４および図５において、本発明のラップフィ
ルム包装体２１は、複数の容器２２と、この容器２２内
にそれぞれ収納されたラップフィルム１１からなってい
る。

【００１５】容器２２はヒンジ部２５を介して容器半体
２３と容器半体２４が接合された構造であり、各容器半
体２３、２４には略半円柱形状の収納部２３ａ、２４ａ
が複数（図示例ではそれぞれ４個）形成され、また周縁
にはフランジ部２３ｂ、２４ｂが形成されている。さら
に、隣接する収納部２３ａ、２４ａを繋ぐそれぞれのフ
ランジ部２３ｂ、２４ｂの略中央には、それぞれミシン
目ｍが形成されている。そして、収納部２３ａあるいは
収納部２４ａのいずれかにラップフィルム１１を載置
し、ヒンジ部２５において容器２２を折り曲げて対応す
る収納部２３ａと収納部２４ａとが対向するように容器
半体２３、２４を当接させ、そのフランジ部２３ｂ、２
４ｂおよび各収納部間の少なくとも一部を熱融着あるい
は接着剤等により固着することによりラップフィルム包
装体２１とすることができる。このようなラップフィル
ム包装体２１では、１つの包装体をミシン目ｍにおいて
切り離しラップフィルム１１を取り出して使用しても、
他のラップフィルム１１はラップフィルム包装体２１内
に包装された状態であり、衛生的である。また、このよ
うに複数のラップフィルムを収納したラップフィルム包
装体は、いわゆる買い置き可能な詰め替え用のラップフ
ィルムの包装形態として有用なものである。

【００１６】図６は本発明のラップフィルム包装体の第
三実施例を示す図３相当の縦断面図である。図６におい
て、本発明のラップフィルム包装体３１は、容器３２内
に筒状のコア１２に巻かれたラップフィルム１１を収納
したものである。

【００１７】容器３２はヒンジ部（図示せず）を介して
容器半体３３と容器半体３４が接合された構造であり、
各容器半体３３、３４には、略半円柱形状の収納部３３
ａ、３４ａとフランジ部３３ｂ、３４ｂが形成されてい
る。さらに、収納部３３ａ、３４ａの両端部には切欠き
状の凹部３３ｃ、３４ｃが半リング状に形成されてい
る。この凹部３３ｃ、３４ｃは、それぞれコア１２の外
周部に当接しており、これにより容器３２内においてラ
ップフィルム１１を動かないように固定することが可能
である。

【００１８】また、図７は本発明のラップフィルム包装
体の第四実施例を示す図３相当の縦断面図である。図７
に示される本発明のラップフィルム包装体３１は、コア
１２を固定するための凹部として、図６に示される凹部
３３ｃ、３４ｃの代わりに、収納部３３ａ、３４ａの両
端部近傍に溝状の凹部３３ｃ´、３４ｃ´を形成したも
のである。このよな溝状の凹部３３ｃ´、３４ｃ´によ
りコア１２が固定され、容器３２内でのラップフィルム
１１の不要な動きを防止することができる。尚、他の部
材は図６に示されるラップフィルム包装体と同じである
ため、同一番号を付して説明は省略する。

【００１９】図８は本発明のラップフィルム包装体の第
五実施例を示す側面図である。図８において、本発明の
ラップフィルム包装体４１は、容器４２内に筒状のコア
１２に巻かれたラップフィルム１１を収納したものであ
る。

【００２０】容器４２はヒンジ部（図示せず）を介して
容器半体４３と容器半体４４が接合された構造であり、
各容器半体４３、４４には、略半円柱形状の収納部４３
ａ、４４ａとフランジ部４３ｂ、４４ｂが形成されてい
る。そして、収納部４３ａ、４４ａには、その両端部に
切欠き状の凹部４３ｃ、４４ｃが半リング状に形成され
ているとともに、中間部に所定の間隔で複数（図示例で
は６個）の溝状の凹部４３ｄ、４４ｄが半リング状に形
成されている。凹部４３ｃ、４４ｃは、上述の第三実施
例における凹部３３ｃ、３４ｃと同様に、それぞれコア
１２の外周部に当接しており、これにより容器４２内に
おいてラップフィルム１１を動かないように固定するこ
とが可能である。また、凹部４３ｄ、４４ｄは、その深
さがラップフィルム１１に当接しない程度であり、ラッ
プフィルム１１に押圧跡を生じることなく容器強度を向
上させる作用をなす。

【００２１】尚、容器強度向上のための凹部４３ｄ、４
４ｄは、上述の例では容器４２の軸方向に垂直な半径方
向に形成されているが、図９に示されるように容器４２
の軸方向に沿って形成してもよい。また、コア１２を固
定するための凹部として、図８に示される凹部４３ｃ、
４４ｃの代わりに、図７に示されるような溝状の凹部３
３ｃ´、３４ｃ´を形成してもよいことは勿論である。

【００２２】図１０は本発明のラップフィルム包装体の
第六実施例を示す図３相当の縦断面図である。図１０に
おいて、本発明のラップフィルム包装体５１は、容器５
２内に筒状のコア１２に巻かれたラップフィルム１１を
収納したものである。

【００２３】容器５２はヒンジ部（図示せず）を介して
容器半体５３と容器半体５４が接合された構造であり、
各容器半体５３、５４には、略半円柱形状の収納部５３
ａ、５４ａとフランジ部５３ｂ、５４ｂが形成されてい
る。さらに、収納部５３ａ、５４ａの両端部側面には半
球状の凹部５３ｃ、５４ｃが形成されている。このよう
な容器５２の収納部５３ａ、５４ａのいずれかに、凹部
５３ｃ，５３ｃあるいは５４ｃ，５４ｃがコア１２の内
部に挿入されるようにラップフィルム１１を載置し、ヒ
ンジ部において容器５２を折り曲げて容器半体５３、５
４を当接させる。その際、もう一方の凹部５４ｃ，５４
ｃあるいは５３ｃ，５３ｃもコア１２の内部に挿入さ
れ、コア１２内部で対向する凹部５３ｃおよび５４ｃに
よってコア１２がその両端で担持され、これにより容器
５２内においてラップフィルム１１を動かないように固
定することが可能である。そして、フランジ部５３ｂ、
５４ｂの少なくとも一部を熱融着あるいは接着剤等によ
り固着することによりラップフィルム包装体５１とする
ことができる。

【００２４】尚、上述のような構成のラップフィルム包
装体３１、４１、５１についても、図４および図５に示
されるようなミシン目を介して連結した形態とすること
ができる。

【００２５】また、上述の容器２２、３２、４２、５２
は、容器２と同様に熱可塑性樹脂シートを立体成形した
ものであり、用いる熱可塑性樹脂シートおよび立体成形
法は、上述の容器２と同様とすることができる。

【００２６】図１１は本発明のラップフィルム包装体の
第七実施例を示す斜視図であり、図１２は図１１のラッ
プフィルム包装体の XII−XII 線における縦断面図であ
る。図１１および図１２において、本発明のラップフィ
ルム包装体６１は、容器６２内に筒状のコア１２に巻か
れたラップフィルム１１を収納したものである。

【００２７】容器６２は有底筒状の本体６３と、この本
体の開口部に着脱可能に装着できる蓋部材６４とから構
成される。本体６３の底部中央にはコア１２の内部に挿
入可能な大きさの凹部６３ａが形成され、また蓋部材６
４の中央にもコア１２の内部に挿入可能な大きさの凹部
６４ａが形成されている。そして、本体６３内にラップ
フィルム１１を載置し、本体６３の開口部に蓋部材６４
を装着することによりラップフィルム１１を容器６２内
に収納してラップフィルム包装体６１とすることができ
る。このとき、コア１２はその両端で凹部６３ａ、６４
ａにより担持され、これにより容器６２内においてラッ
プフィルム１１を動かないように固定することが可能で
ある。

【００２８】上記の容器６２は、略円筒形の仕上がりで
あり、上述の他の実施例と比べて、つばとなるフランジ
部を有していないので、箱詰め、商品陳列に際して有利
である。容器６２の形成方法としては、真空成形法の他
に、射出成形法やブロー成形法も好ましく用いられる。

【００２９】上述したようなラップフィルム包装体を構
成する容器は、いずれも収納されているラップフィルム
が見えるように透明乃至半透明なものとすることができ
る。この場合、商品表示等の所望の印刷が施された紙シ
ートあるいはプラスチックシートによってラップフィル
ム表面を被覆し、このようなラップフィルムを容器内に
収納してラップフィルム包装体とすることができる。
尚、商品表示の方法として、容器に印刷したり、あるい
は所定の商品表示が印刷されたラベル等を容器に貼合し
てもよい。また、容器を不透明なものとし、この容器に
印刷したり、あるいは所定の商品表示が印刷されたラベ
ル等を容器に貼合してもよいことは勿論である。

【００３０】

【発明の作用および効果】以上詳述したように、本発明
によれば熱可塑性樹脂を立体成形により容器とし、この
容器に筒状のコアに巻かれたラップフィルムを収納して
おり、これにより、ラップフィルムは確実に保持収納さ
れ、かつ、容器の製造コストを低く抑えることができ、
安価なラップフィルム包装体が可能となり、また、従来
のラップフィルム入りカートンとの差別化が容易である
という効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のラップフィルム包装体の第一実施例を
示す斜視図である。

【図２】図１のラップフィルム包装体を構成する容器を
展開した状態を示す斜視図である。

【図３】図１のラップフィルム包装体の III−III 線に
おける縦断面図である。

【図４】本発明のラップフィルム包装体の第二実施例を
示す斜視図である。

【図５】図４のラップフィルム包装体を構成する容器を
展開した状態を示す斜視図である。

【図６】本発明のラップフィルム包装体の第三実施例を
示す図３相当の縦断面図である。

【図７】本発明のラップフィルム包装体の第四実施例を
示す図３相当の縦断面図である。

【図８】本発明のラップフィルム包装体の第五実施例を
示す側面図である。

【図９】本発明のラップフィルム包装体の第五実施例を
示す側面図である。

【図１０】本発明のラップフィルム包装体の第六実施例
を示す図３相当の縦断面図である。

【図１１】本発明のラップフィルム包装体の第七実施例
を示す斜視図である。

【図１２】図１１のラップフィルム包装体の XII−XII
線における縦断面図である。

【符号の説明】

１，２１，３１，４１，５１，６１…ラップフィルム包
装体 ２，２２，３２，４２，５２，６２…容器 ３，２３，３３，４３，５３…容器半体 ４，２４，３４，４４，５４…容器半体 ３３ｃ，３３ｃ´，４３ｃ，５３ｃ，６３ｃ…凹部 ３４ｃ，３４ｃ´，４４ｃ，５４ｃ，６４ｃ…凹部 ６３…本体 ６４…蓋部材

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱可塑性樹脂を立体成形した容器に、筒
   状のコアに巻かれたラップフィルムを収納してなること
   を特徴とするラップフィルム包装体。
2. 【請求項２】 前記容器がミシン目を介して複数連結さ
   れたものであることを特徴とする請求項１に記載のラッ
   プフィルム包装体。
3. 【請求項３】 前記容器は凹部を備え、該凹部によって
   筒状のコアに巻かれたラップフィルムが容器内で動かな
   いように固定されることを特徴とする請求項１または請
   求項２に記載のラップフィルム包装体。
4. 【請求項４】 前記凹部は前記コアに当接することを特
   徴とする請求項３に記載のラップフィルム包装体。
5. 【請求項５】 筒状のコアに巻かれたラップフィルの表
   面が、所望の印刷が施された紙シートあるいはプラスチ
   ックシートで被覆されていることを特徴とする請求項１
   乃至請求項４のいずれかに記載のラップフィルム包装
   体。
6. 【請求項６】 前記立体成形は真空成形または圧縮真空
   成形であることを特徴とする請求項１乃至請求項５のい
   ずれかに記載のラップフィルム包装体。