JPH07132737A - 自動車の燃料フィルタ取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料フィルタの保護および取付作業性の改善
とベーパ対策の徹底化を図る。 【構成】 燃料フィルタ５を上部開放のカウルボックス
１１内に配置してカウルボックス前壁１３に固定し、カ
ウルボックス前壁１３を貫通したアウトレット７にフィ
ードチューブ１のアウトレット側チューブ１Ｂを接続
し、インレット側チューブ１Ａはカウルボックス前壁１
３の上部を貫通して上部開放部１１ａ近くを廻り込んで
燃料フィルタ５のインレット６に接続してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車の燃料フィルタ取
付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】燃料フィルタは燃料タンクとエンジンの
燃料供給装置とを連絡するフィードチューブの途中に介
装され、車両によっては該燃料フィルタをフロアパネル
下面に取付けたものがある。しかし、この場合塩害等に
よる防錆対策が必要となってコスト的に不利となってし
まうことから、例えば、実開平１−１１５８７３号公報
に示されているように、該燃料フィルタをエンジンルー
ム内、具体的にはカウルボックス前壁のエンジンルーム
側の側面に取付けるようにしたものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】燃料フィルタをエンジ
ンルーム内に配設した場合、フロアパネル下方から脱着
するフロア下面取付けタイプのものに較べれば脱着作業
性が良いと言えるが、エンジンルーム内には他の各種機
能部品が搭載され、かつ、キャビンスペース拡大のため
にエンジンルームがコンパクト化されている現況にあっ
ては益々スペース的な余裕がなく、燃料フィルタの脱着
作業が困難となってしまうことは否めない。

【０００４】また、燃料フィルタをエンジンルーム内に
配設した場合、エンジンルーム内の熱影響を直接受けて
燃料温度が上昇してしまうことから、ベーパ対策の上で
も不利となってしまう。

【０００５】更に、車両の前面衝突時にエンジンルーム
内の他の機能部品が、燃料フィルタに干渉するおそれが
ある。

【０００６】そこで、本発明は燃料フィルタを確実に保
護できると共に、その脱着作業性を改善でき、かつ冷却
効果が得られてベーパ対策上有利な自動車の燃料フィル
タ取付構造を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】燃料タンクとエンジンの
燃料供給装置とを連絡するフィードチューブの途中に介
装される燃料フィルタを、上部開放したカウルボックス
内に配置し、該燃料フィルタをそのアウトレットをカウ
ルボックスの前壁に貫通させて該カウルボックス前壁に
取付けて、該アウトレットにフィードチューブのアウト
レット側チューブを接続すると共に、インレット側チュ
ーブをカウルボックス前壁に貫通させて燃料フィルタの
インレットに接続してある。

【０００８】

【作用】燃料フィルタはカウルボックスの上部開放部よ
りカウスボックス内に挿入され、カウスボックス前壁の
内面に固定される。

【０００９】カウルボックス内にはその上部開放部より
走行動風が流入し、かつ、エアコン作動時には該上部開
放部からカウルボックス内への外気導入が積極的に行わ
れるから、燃料フィルタおよびそのインレットに接続さ
れたインレット側チューブのカウルボックス内配管部分
が積極的に冷却され、燃料温度を降下させる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に詳述す
る。

【００１１】図１，２において、１は車体９の後部に搭
載した図外の燃料タンクと、エンジンルームＥ・Ｒ内に
搭載したエンジン３の燃料供給装置、具体的にはフュエ
ルギャラリ４とを連絡するフィードチューブ、２は前記
フュエルギャラリ４から余剰燃料を燃料タンクへ戻すリ
ターンチューブを示し、前記フィードチューブ１の途中
に燃料フィルタ５を介装してある。

【００１２】燃料フィルタ５はインレット６とアウトレ
ット７とを備えていると共に、アウトレット７側の端部
にブラケット８を設けてあり、ダッシュロアパネル１０
の上端部に接合した上部開放のカウルボックス１１内に
配置してある。

【００１３】カウルボックス１１はダッシュアッパパネ
ル１２とカウルフロントパネル１３および図外のカウル
サイドパネルとで上部開放の開断面として構成され、車
幅方向に延在して車体フロントウエスト部の強度部材と
して機能すると共に、図外のエアコンユニットの外気導
入部として機能している。

【００１４】前記燃料フィルタ５は、カウルボックス前
壁、具体的には前記カウルフロントパネル１３に設けた
貫通孔１４にアウトレット７をグロメット１５を介して
エンジンルームＥ・Ｒ側に貫通させ、ブラケット８を介
して該カウルフロントパネル１３にボルト・ナット１６
により締結固定してある。

【００１５】フィードチューブ１のアウトレット側チュ
ーブ１ＢはエンジンルームＥ・Ｒ内で前記アウトレット
７に接続してある一方、インレット側チューブ１Ａはカ
ウルフロントパネル１３に設けた貫通孔１７をエンジン
ルームＥ・Ｒ内からカウルボックス１１内に貫通させ
て、前記インレット６に接続してある。

【００１６】本実施例にあっては、前記貫通孔１７を燃
料フィルタ５の設置部位よりも上方部位に形成して、イ
ンレット側チューブ１Ａがカウルボックス１１の上部開
放部１１ａの近くを廻り込んでインレット６に接続する
ようにしてある。

【００１７】また、インレット側チューブ１Ａのカウル
ボックス１１内に配索される部分をクーラーチューブ１
８として分割し、貫通孔１７にチューブコネクタ１９を
グロメット２０を介して装着し、該チューブコネクタ１
９を介して一体に連通接続してある。

【００１８】以上の実施例構造によれば、カウルボック
ス１１内は、図外のワイパーユニットが組込まれる程度
でスペース的に余裕があり、しかも、上部開放部１１ａ
より燃料フィルタ５を挿入でき、該上部開放部１１ａを
作業空間として組付け作業に制約を受けることなく該燃
料フィルタ５をカウルフロントパネル１３にボルト・ナ
ット１６締結することができると共に、同様にクーラー
チューブ１８の配索作業を行え、しかも、エンジンルー
ムＥ・Ｒ側ではこのカウルフロントパネル１３から突出
したアウトレット７及びチューブコネクタ１９に、アウ
トレット側チューブ１Ｂとインレット側チューブ１Ａを
接続するだけであるから、脱着作業性を著しく改善する
ことができる。

【００１９】また、燃料フィルタ５はエンジンルームＥ
・Ｒと隔成されたカウルボックス１１内に配設してある
から、車両の前面衝突時にエンジンルーム内の機能部品
と干渉することがなく、該燃料フィルタ５を確実に保護
することができる。

【００２０】そして、エンジンフード２１の閉塞時に
は、カウルフロントパネル１３の上縁に装着したフード
シールラバー２２により、エンジンルームＥ・Ｒとカウ
ルボックス１１内とは完全に隔成され、該カウルボック
ス１１内には上部開放部１１ａより走行動風が流入して
燃料フィルタ５及びクーラーチューブ１８を常に外気で
冷却することができる。

【００２１】とりわけ、図外のエアコン作動時には該上
部開放部１１ａからカウルボックス１１内への外気導入
が積極的に行われるから、燃料フィルタ５及びクーラー
チューブ１８を積極的に冷却することができる。

【００２２】特に、本実施例のようにフィードチューブ
１１のインレット側チューブ１１Ａを、カウルフロント
パネル１３の燃料フィルタ取付部位よりも上方部位に貫
通させて、クーラーチューブ１８を上部開放部１１ａに
近接して配索することにより、エンジンルームＥ・Ｒ内
の熱気で温度上昇する傾向にある燃料を、インレット６
に至る以前で該クーラーチューブ１８で効率よく冷却す
ることができるから、アウトレット側チューブ１１Ｂを
介してフュエルギャラリ４へ送給される燃料温度を降下
させてベーパ対策を徹底することができる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、カウルボ
ックスの上部開放部を作業空間として、スペース的に余
裕のあるカウルボックス内に燃料フィルタを挿入してカ
ウルボックス前壁に取付けることができると共に、配管
作業を行うことができるから、燃料フィルタの脱着作業
性を著しく改善することができる。

【００２４】また、燃料フィルタをエンジンルームと隔
成されたカウルボックス内に配置してあるため、車両の
前面衝突時に燃料フィルタがエンジンルーム内の他の機
能部品と干渉することが全くなく、燃料フィルタを確実
に保護することができる。

【００２５】そして、該カウルボックス内にはその上部
開放部から常に走行動風が流入するので、燃料フィルタ
を流入外気で積極的に冷却することができ、従って、エ
ンジンの燃料供給装置へ送給される燃料温度を該燃料フ
ィルタ部分で降下させて、ベーパ対策を徹底することが
できるという実用上多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す略示的断面説明図。

【図２】燃料フィルタ取付け部分の拡大断面図。

【符号の説明】

１ フィードチューブ １Ａ インレット側チューブ １Ｂ アウトレット側チューブ ３ エンジン ４ フュエルギャラリ（燃料供給装置） ５ 燃料フィルタ ６ インレット ７ アウトレット １１ カウルボックス １１ａ 上部開放部 １３ カウルフロントパネル（カウルボックス前壁）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンクとエンジンの燃料供給装置と
   を連絡するフィードチューブの途中に介装される燃料フ
   ィルタを、上部開放したカウルボックス内に配置し、該
   燃料フィルタをそのアウトレットをカウルボックスの前
   壁に貫通させて該カウルボックス前壁に取付けて、該ア
   ウトレットにフィードチューブのアウトレット側チュー
   ブを接続すると共に、インレット側チューブをカウルボ
   ックス前壁に貫通させて燃料フィルタのインレットに接
   続したことを特徴とする自動車の燃料フィルタ取付構
   造。