JP3424346B2 - 自動車の電子制御部品取付構造 - Google Patents

自動車の電子制御部品取付構造

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JP3424346B2
JP3424346B2 JP23549094A JP23549094A JP3424346B2 JP 3424346 B2 JP3424346 B2 JP 3424346B2 JP 23549094 A JP23549094 A JP 23549094A JP 23549094 A JP23549094 A JP 23549094A JP 3424346 B2 JP3424346 B2 JP 3424346B2
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徹 西内
東彦 ▲吉▼村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の電子制御部品取
付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の中には、例えばBMW REP
AIR MANUAL No.4 SERIES 3E
36 ‘92/12 に示されているように、カウルボ
ックスにその前壁に開口する格納部を形成して、該格納
部に電子制御部品を配設して保護するようにしたものが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カウルボックスの前壁
には各種のエンジンルーム内部品が近接配置されている
ため、該カウルボックスの前壁に開口した格納部に電子
制御部品を配設した場合、該電子制御部品の交換時や保
守点検時にこれらカウルボックス前壁に近接配置された
エンジンルーム内部品が作業の邪魔になって作業に手間
取ってしまう不具合を生じる。
【0004】また、電子制御部品は格納部に前方の開口
部から奥まった位置に取付けられているため、該電子制
御部品の脱着作業性が悪くなってしまうばかりでなく、
作業者に無理な姿勢を強いてしまう不具合を生じる。
【0005】そこで、本発明は電子制御部品をカウルボ
ックス内に配設して保護できることは勿論、該電子制御
部品の保守点検作業および交換作業を容易に行うことが
できる自動車の電子制御部品取付構造を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にあっては、ダ
ッシュアッパパネルとカウルトップパネルとで閉断面に
形成したカウルボックスの上壁から前壁に亘って開口部
を形成し、該開口部を外側から閉塞してその周縁部に締
結固定されるリッド部材の上壁下面に電子制御部品を取
付けて、該電子制御部品をカウルボックスの閉断面空間
に吊設配置している。
【0007】請求項2にあっては、上壁下面に電子制御
部品を取付けたリッド部材の前壁下縁、又はカウルトッ
プパネルの開口部の前縁の何れか一方にハーネス挿通部
を切欠形成し、該ハーネス挿通部にエンジンルーム側ハ
ーネスのグロメットを係着して、該グロメットをリッド
部材の前壁下縁と開口部前縁とで挾着固定したことを特
徴としている。
【0008】請求項3にあっては、カウルトップパネル
の開口部の周縁と、該開口部を外側から閉塞するリッド
部材の周縁との重合部分にシール部材を介装したことを
特徴としている。
【0009】請求項4にあっては、リッド部材の上壁下
面に取付けてカウルボックス内に吊設配置した電子制御
部品の下面に、車室側ハーネスとエンジンルーム側ハー
ネスとを接続するコネクタを取付けたことを特徴として
いる。
【0010】請求項5にあっては、リッド部材の上壁下
面に取付けてカウルボックス内に吊設配置した電子制御
部品の下側部を、ダッシュアッパパネルの上側部に当接
支持したことを特徴としている。
【0011】請求項6にあっては、リッド部材の上壁下
面に取付けてカウルボックス内に吊設配置した電子制御
部品の後部下側に支持座を突出成形し、該支持座を介し
て電子制御部品をダッシュアッパパネルの上側部に当接
支持したことを特徴としている。
【0012】請求項7にあっては、リッド部材の上壁下
面に取付けてカウルボックス内に吊設配置した電子制御
部品の下面に、車室側ハーネスとエンジンルーム側ハー
ネスとを接続するコネクタを取付け、該コネクタをダッ
シュアッパパネルの上側部に当接支持したことを特徴と
している。
【0013】請求項8にあっては、ダッシュアッパパネ
ルの上側部に略水平な棚部を膨出成形して、この棚部上
に電子制御部品の下側部を当接支持したことを特徴とし
ている。
【0014】請求項9にあっては、電子制御部品の下側
部とダッシュアッパパネルの上側部との当接部分にソフ
トマウント部材を介装したことを特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1によれば、電子制御部品はカウルボッ
クスの開口部を外側から閉塞するリッド部材の下面に取
付けて該カウルボックス内に吊設配置し、カウルボック
スの閉断面空間を有効利用して格納してあるから、他の
エンジンルーム内部品との干渉や該エンジンルーム内部
の整備作業等の際に電子制御部品に工具,機材等が干渉
するのを回避できて、電子制御部品を保護することがで
きる。
【0016】また、電子制御部品はリッド部材の下面に
取付けてある一方、開口部はカウルトップパネルの上壁
から前壁に亘って形成して、リッド部材をこの開口部を
外側から閉塞して該開口部周縁に締結固定してあるか
ら、電子制御部品の保守点検時や交換時にはエンジンフ
ードを開ければ作業者の目の前に該リッド部材が現わ
れ、従って、作業者に無理な姿勢を強いることなくリッ
ド部材を容易に脱着できて、電子制御部品の保守点検作
業あるいは交換作業を迅速かつ容易に行うことができ
る。
【0017】電子制御部品は前述のようにリッド部材の
下面に取付けてカウルボックスの閉断面空間に吊設配置
してあるから、電子制御部品がカウルボックス内に侵入
してカウルボックス底部から排水される雨水,洗車水の
影響や塵埃の影響を受けることがなく、該電子制御部品
の機能低下を回避することができる。
【0018】請求項2によれば、電子制御部品に接続す
るエンジンルーム側ハーネスのグロメットを、リッド部
材の前壁下縁と開口部下縁とで挾着固定するようにして
あるから、該エンジンルーム側ハーネスのカウルボック
ス内への配索を開口部を通して容易に行えると共にグロ
メットの装着を容易に行うことができて、ハーネス配索
の作業性を向上することができる。
【0019】請求項3によれば、開口部周縁とリッド部
材周縁との重合部分にシール部材を介装してあるから、
開口部周りからの水侵入を確実に防止できると共に、こ
のシール部材の弾性により電子制御部品をソフトマウン
トできて、振動による電子制御部品の機能低下を回避す
ることができる。
【0020】請求項4によれば、電子制御部品の下面に
車室側ハーネスとエンジンルーム側ハーネスとを接続す
るコネクタを取付けてあるから、万一、カウルトップパ
ネルの上壁内面を伝って水が滴下するようなことがあっ
ても、コネクタに雫がかかるのを回避でき、コネクタの
防水対策を特に必要とすることがなくコストダウンを図
ることができる。
【0021】請求項5によれば、リッド部材を介してカ
ウルボックスの閉断面空間に吊設配置した電子制御部品
の下側部を、ダッシュアッパパネルの上側部に当接配置
してあるから、カウルボックス底部から排水される水の
影響を受けることなく電子制御部品の取付け安定性を高
められて品質感および信頼性を向上することができる。
【0022】請求項6によれば、電子制御部品の後部下
側に突出成形した支持座により、電子制御部品を直接ダ
ッシュアッパパネルの上側部に当接して支持できるか
ら、電子制御部品の取付け安定性を高められることは勿
論、専用の支持部材を必要とすることがないので部品点
数の増加によるコストアップを回避することができる。
請求項7によれば、電子制御部品の下面に取付けたコネ
クタをダッシュアッパパネルの上側部に当接して支持で
きるから、コネクタの防水対策が特に必要とすることが
ないことと電子制御部品の取付け安定性を高められるこ
とは勿論、専用の支持部材を必要とすることがないので
部品点数の増加によるコストアップを回避することがで
きる。
【0023】また、電子制御部品の下側支持のため該電
子制御部品の後部下側に支持座を設ける必要がなくなる
から、該電子制御部品のハウジングの形状変更を伴うこ
とがなくコスト的に有利に得ることができる。
【0024】請求項8によれば、ダッシュアッパパネル
の上側部に略水平な棚部を膨出成形して、この棚部上に
電子制御部品の下側部を当接支持してあるから、電子制
御部品の下側部の構造変更を伴うことなく該電子制御部
品の取付け安定性を高めることができる。
【0025】請求項9によれば、電子制御部品の下側部
とダッシュアッパパネルの上側部との当接部分にはソフ
トマウント部材を介装してあるから、開口部周縁とリッ
ド部材周縁との重合部分に介装したシール部材によるソ
フトマウント機能と相俟って、電子制御部品の振動防止
対策を徹底することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面と共に詳述す
る。
【0027】図1〜3に示す第1実施例において、1は
車体のフロントウエスト部に車幅方向に配設した車幅方
向骨格部材のカウルボックスを示し、ダッシュアッパパ
ネル2とカウルトップパネル3とで閉断面に形成してあ
る。
【0028】このカウルボックス1は、カウルトツプパ
ネル3の略中央部に形成した外気取入口から外気を取入
れて空調装置へ送る外気導入部としても機能している
(外気取入口および空調装置は何れも図示省略)。
【0029】カウルボックス1の一側寄りには、カウル
トップパネル3の上壁3aから前壁3bに亘って、後述
する電子制御部品8の幅寸法よりも十分に大きな開口幅
で開口部4を形成してある。
【0030】5は前記開口部4を外側から閉塞するリッ
ド部材で断面略L字状に形成してあり、その上壁5aの
中央部分には取付面5cを下側に向けて膨出成形して、
該取付面5cの下面に電子制御部品8の前端部を適宜の
手段により固定してある。
【0031】リッド部材5はその上壁5aと前壁5bの
各両側部を、開口部4の側縁裏面に配設したウエルドナ
ット9にボルト10を螺合して締結固定するようにして
あり、該リッド部材5の前壁5bの下縁中央部にはエン
ジンルームE・R側のハーネス11のグロメット13を
係着するハーネス挿通部6を切欠形成してある。
【0032】また、リッド部材5の周縁部下面にはシー
ル部材7を接着固定してあり、このシール部材7によっ
て開口部4の周縁とリッド部材5の周縁との重合部分を
シールするようにしてある。
【0033】エンジンルーム側ハーネス11はその端部
のターミナルプラグ12を電子制御部品8の側部に設け
たターミナルソケット9に差し込んで接続してある。
【0034】また、このエンジンルーム側ハーネス11
のコネクタ14は電子制御部品8の下面にブラケット1
6を介して固定してあり、このコネクタ14に車室R側
のハーネス17端のコネクタ18を結合して、エンジン
ルーム側ハーネス12と車室側ハーネス17とを接続す
るようにしてある。
【0035】車室側ハーネス17は、ダッシュアッパパ
ネル2の傾斜壁2aに続いて形成した立上り壁2bの上
側部にグロメット19を介して貫通配索して、該立上り
壁2bのハーネス挿通部を通してカウルボックス1側か
ら車室R内への水侵入が全くないようにしてある。
【0036】また、このように立上り壁2bの上側部に
ハーネス挿通部を設定するため、グロメット19又はグ
ロメット19付近の車室側ハーネス17が、電子制御部
品8又はターミナルプラグ12付近のエンジンルーム側
ハーネス11と干渉することがないように、グロメット
19を配置したハーネス挿通部を電子制御部品8よりも
車体中央側へオフセットして設けてある。
【0037】以上の実施例構造によれば、電子制御部品
8のカウルボックス1内への取付けに際しては、先ず車
室側ハーネス17端のコネクタ18を開口部4から外へ
引き出して電子制御部品8の下面のエンジンルーム側ハ
ーネス11のコネクタ14に結合して車室側ハーネス1
7とエンジンルーム側ハーネス11とを接続すると共
に、該エンジンルーム側ハーネス11のリレーコネクタ
15を電子制御部品8の下面に設けたリレー20に接続
する。
【0038】そして、電子制御部品8を開口部4の前側
斜め上方より該開口部4内へ挿入し、リッド部材5の周
縁を開口部4の周縁外面に重合して、ボルト10およひ
ウエルドナット9により該リッド部材5を締結固定す
る。
【0039】これにより、電子制御部品8はカウルボッ
クス1の閉断面空間に吊設配置され、開口部4周りはシ
ール部材7によってシールされると共に、リッド部材5
の前壁5b下縁のハーネス挿通部6に係着したエンジン
ルーム側ハーネス12のグロメット13は、該リッド部
材5の前壁下縁と開口部4前縁のフランジ縁4aとで挾
着固定され、エンジンルーム側ハーネス11の挿通部分
がシールされ、以て、電子制御部品8のカウルボックス
1内への吊設配置と、エンジンルーム側ハーネス11の
貫通配索を容易に行うことができる。
【0040】このように電子制御部品8はカウルボック
ス1の閉断面空間を有効利用して格納してあるから、他
のエンジンルーム内部品との干渉や該エンジンルーム内
部品の整備作業等の際に電子制御部品8に工具,機材等
が干渉するのを回避できて、該電子制御部品8を確実に
保護することができる。
【0041】また、電子制御部品8はリッド部材5の下
面に取付けてある一方、開口部4はカウルトップパネル
3の上壁3aから前壁3bに亘って形成して、リッド部
材5をこの開口部4を外側から閉塞して該開口部4の周
縁に締結固定してあるから、電子制御部品8の保守点検
時や交換時には、図外のエンジンフードを開ければ作業
者の目の前にリッド部材5が現われ、従って、作業者に
無理な姿勢を強いることなくリッド部材5を容易に脱着
できて、電子制御部品8の保守点検作業あるいは交換作
業を迅速かつ容易に行うことができる。
【0042】本実施例のように開口部4をカウルボック
ス1の一側寄りに設けてあっても、該開口部4をカウル
トップパネル3の上壁3aから前壁3bに亘って形成
し、電子制御部品8を開口部4の前側斜め上方から挿入
して取付けられるようにしてあるから、F・F型車のよ
うにカウルボックス1とストラットタワー21との間の
前後距離が短い場合でも、電子制御部品8の脱着作業に
些かも支障を来すことはない。
【0043】また、開口部4はこのようにカウルトップ
パネル3の上壁3aから前壁3bに亘って形成してある
ので、電子制御部品8の挿入時に該電子制御部品8がカ
ウルトップパネル3の前壁3bに干渉するのを回避で
き、該開口部4への電子制御部品8の挿入性を向上する
ことができる。
【0044】ここで、電子制御部品8は前述のようにリ
ッド部材5の下面に取付けてカウルボックス1の閉断面
空間に吊設配置してあるため、図外の外気取入口から侵
入してカウルボックス1の底部から排水される雨水,洗
車水が電子制御部品8に触れることは全くなく、従っ
て、水や塵埃等の影響を受けて電子制御部品8の機能が
低下するのを回避することができる。
【0045】また、前述のように開口部4の周縁とリッ
ド部材5の周縁との間にシール部材7を介装して開口部
4周りをシールするようにしてあるため、該開口部4周
りからの水侵入を確実に防止できることは勿論、このシ
ール部材7がソフトマウント部材としても機能して、該
シール部材7の弾性によって電子制御部品8の防振作用
が得られ、振動による電子制御部品8の機能低下を回避
することができる。
【0046】更に、この電子制御部品8の下面にブラケ
ット16を介してエンジンルーム側ハーネス11のコネ
クタ14を取付け、該コネクタ14に車室側ハーネス1
7のコネクタ18を結合してあるから、これらコネクタ
14,18がカウルボックス1内で遊動するのを回避で
きて品質感を向上できることはもとより、カウルトップ
パネル3の上壁3aに図外の外気取入口を設けた場合の
ように、万一、この外気取入口の口縁からカウルトップ
パネル3の上壁3a裏面に水が伝ってくるような場合が
あっても、コネクタ14,18が電子制御部品8の下側
に隠れて雫が降りかかるのを回避できるから、コネクタ
14,18の防水対策を特に必要とすることがなくコス
トダウンを図ることもできる。
【0047】図4〜7は何れもリッド部材5によりカウ
ルボックス1の閉断面空間に吊設配置した電子制御部品
8の下側部を、ダッシュアッパパネル2の上側部に当接
支持して、該電子制御部品8の取付け安定性を高めた実
施例を示している。
【0048】図4に示す実施例は、電子制御部品8の後
部下側、具体的にはハウジング8aの後部下側に、底面
をダッシュアッパパネル2の傾斜壁2aに合わせて傾斜
成形した支持座8bを形成し、この支持座8bを傾斜壁
2aの上側部に当接支持させてある。
【0049】また、この支持座8bの底面と傾斜壁2a
との当接部分には、樹脂,ゴム等のソフトマウント部材
22を介装して、前記開口部4周縁とリッド部材5との
間に介装したシール部材7と共に、電子制御部品8の防
振対策を徹底して振動による電子制御部品8の機能低下
を回避できるようにしてある。
【0050】この実施例ではコネクタ14,18は電子
制御部品8の側面に配置してある。従って、この実施例
によれば支持座8bにより電子制御部品8の下側部を、
直接ダッシュアッパパネル2の傾斜壁2aの上側部に当
接支持できるから、電子制御部品8の取付け安定性を高
めて品質感および信頼性を高めることができる。
【0051】また、この支持座8bの当接部は傾斜壁2
aの上側部に設定してあるから、電子制御部品8がカウ
ルボックス1の底部から排水される水の影響を受けるこ
ともない。
【0052】更に、専用の支持部材を必要としないので
部品点数が増加することもなく、コスト的に有利に得る
ことができる。
【0053】図5に示す実施例は、電子制御部品8の下
面に固着したブラケット16を後斜方向に延長し、コネ
クタ14,18をソフトマウント部材22を介してダッ
シュアッパパネル2の傾斜壁2aの上側部に当接支持さ
せて、電子制御部品8の取付け安定性を高めてある。
【0054】従って、この実施例によれば電子制御部品
8の下面に取付けたコネクタ14,18を有効利用して
取付け安定性を高めてあるので、図4に示した実施例の
ようにハウジング8aの下側に支持座8bを形成する必
要がなく、電子制御部品8の下側部の形状変更を伴うこ
となくコスト的に有利に得ることができる。
【0055】図6,7に示す実施例は何れもダッシュア
ッパパネル2の上側部に略水平な棚部2cを膨出成形
し、この棚部2c上に電子制御部品8の後部下側を当接
支持して取付け安定性を高めている。
【0056】図6に示す実施例ではコネクタ14,18
を電子制御部品8の側面に配置し、電子制御部品8の後
部下面をソフトマウント部材22を介して棚部2c上に
当接支持してある。
【0057】また、図7に示す実施例にあっては電子制
御部品8の下面にブラケット16を介して取付けたコネ
クタ14,18をソフトマウント部材22を介して棚部
2c上に当接支持してある。
【0058】従って、これら図6,7に示す実施例は何
れも電子制御部品8の下部構造を、ダッシュアッパパネ
ル2の傾斜壁2aに合わせて傾斜成形する必要がなく、
該電子制御部品8の下側部の構造変更を伴わないのでコ
スト的に有利に得ることができる。
【0059】また、棚部2cの膨出成形によってダッシ
ュアッパパネル2の面剛性を高められて、電子制御部品
8の防振対策の上でも非常に有利となる。
【0060】
【発明の効果】以上、本発明によれば次に列挙する効果
を奏せられる。
【0061】(1)電子制御部品をカウルボックスの開
口部を外側から閉塞するリッド部材の下面に取付けて該
カウルボックス内に吊設配置し、カウルボックスの閉断
面空間を有効利用して格納してあるから、電子制御部品
を確実に保護することができることは勿論、エンジンフ
ードを開ければ作業者の目の前にリッド部材が現われる
ので、電子制御部品の保守点検時や交換時には作業者に
無理な姿勢を強いることなくリッド部材を容易に脱着で
きて、作業を迅速かつ容易に行うことができる。
【0062】(2)開口部をカウルトップパネルの上壁
から前壁に亘って形成してあるから、電子制御部品を該
開口部前側の斜め上方から挿入できて挿入性が良いこと
と、この挿入時に電子制御部品がカウルトップパネルの
前壁に干渉するのを回避できることから、より一層電子
制御部品の脱着作業性を向上することができる。
【0063】(3)また、電子制御部品をカウルボック
スの閉断面空間に吊設配置してあるから、カウルボック
ス底部から排水される水の影響や塵埃の影響を受けるこ
とがなく、該電子制御部品の水付着等による機能低下を
回避することができる。
【0064】(4)リッド部材の前壁下縁又は開口部の
前縁にエンジンルーム側ハーネスのグロメットを係着す
るハーネス挿通部を形成し、該グロメットをこれらリッ
ド部材の前壁下縁と開口部の前縁とで挾着固定するよう
に構成すれば、エンジンルーム側ハーネスのカウルボッ
クス内への配索を開口部を通して容易に行えると共に、
グロメットの装着を容易に行うことができるから、該エ
ンジンルーム側ハーネスの配索作業性を向上することが
できる。
【0065】(5)開口部周縁とリッド部材周縁との重
合部分にシール部材を介装することにより、開口部周り
からの水侵入を防止できることは勿論、該シール部材に
より電子制御部品をソフトマウントできるから電子制御
部品の防振対策も同時に行え、品質感および信頼性を向
上することができる。
【0066】(6)電子制御部品の下面に車室側ハーネ
スとエンジンルーム側ハーネスとを接続するコネクタを
取付けることにより、カウルボックス内でコネクタが遊
動するのを回避できて品質感を向上できることは勿論、
万一、カウルトップパネルの上壁内面を伝って水が滴下
するようなことがあっても、コネクタに雫がかかるのを
回避できるから、コネクタの防水対策を特に必要とせ
ず、コスト的に有利に得ることができる。
【0067】(7)リッド部材を介してカウルボックス
の閉断面空間に吊設配置した電子制御部品の下側部を、
ダッシュアッパパネルの上側部に当接支持することによ
り、カウルボックス底部から排水される水の影響を受け
ることなく電子制御部品の取付け安定性を高められるか
ら、品質感および信頼性を一段と向上することができ
る。
【0068】(8)電子制御部品の後部下側に支持座を
突出成形して、該支持座により電子制御部品を直接ダッ
シュアッパパネルの上側部に当接支持するように構成す
れば、専用の支持部材を必要とすることなく電子制御部
品の取付け安定性を高めることができる。
【0069】(9)電子制御部品の下面に取付けたコネ
クタを有効利用して、該コネクタをダッシュアッパパネ
ルの上側部に当接支持するように構成すれば、電子制御
部品の後部下側に支持座を設ける必要がなくなるから、
該電子制御部品のハウジングの形状変更を伴うことがな
く、コスト的に有利に得ることができる。
【0070】(10)ダッシュアッパパネルの上側部に略
水平な棚部を膨出成形して、この棚部上に電子制御部品
の下側部を当接支持するように構成すれば、電子制御部
品の下側部の構造変更を伴うことなく該電子制御部品の
取付け安定性を高めることができ、コスト的に有利に得
ることができる。
【0071】(11) また、棚部の膨出成形によってダッ
シュアッパパネルの面剛性を高められるから、電子制御
部品を防振上有利に支持することができる。
【0072】(12)電子制御部品の下側部とダッシュア
ッパパネルの上側部との当接部分にソフトマウント部材
を介装すれば、開口部周縁とリッド部材周縁との重合部
分に介装したシール部材によるソフトマウント機能と相
俟って、電子制御部品の振動防止対策を徹底することが
できて、より一層品質感および信頼性を向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す分解斜視図。
【図2】本発明の第1実施例の要部の一部破断平面図。
【図3】本発明の第1実施例の要部の断面図。
【図4】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図5】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図6】本発明の第4実施例を示す断面図。
【図7】本発明の第5実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 カウルボックス 2 ダッシュアッパパネル 3 カウルトップパネル 3a 上壁 3b 前壁 4 開口部 5 リッド部材 8 電子制御部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−206503(JP,A) 特開 平7−61293(JP,A) 特開 昭63−284069(JP,A) 実開 平6−39620(JP,U) 実開 平5−54186(JP,U) 実開 昭63−150484(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 16/02 610 B62D 25/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダッシュアッパパネルとカウルトップパ
    ネルとで閉断面に形成したカウルボックスの上壁から前
    壁に亘って開口部を形成し、該開口部を外側から閉塞し
    てその周縁部に締結固定されるリッド部材の上壁下面に
    電子制御部品を取付けて、該電子制御部品をカウルボッ
    クスの閉断面空間に吊設配置したことを特徴とする自動
    車の電子制御部品取付構造。
  2. 【請求項2】 リッド部材の前壁下縁又は開口部の前縁
    の何れか一方にハーネス挿通部を切欠形成し、該ハーネ
    ス挿通部にエンジンルーム側ハーネスのグロメットを係
    着して、該グロメットをリッド部材の前壁下縁と開口部
    前縁とで挾着固定したことを特徴とする請求項1記載の
    自動車の電子制御部品取付構造。
  3. 【請求項3】 開口部周縁とリッド部材周縁との重合部
    分にシール部材を介装したことを特徴とする請求項1,
    2記載の自動車の電子制御部品取付構造。
  4. 【請求項4】 電子制御部品の下面に車室側ハーネスと
    エンジンルーム側ハーネスとを接続するコネクタを取付
    けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自
    動車の電子制御部品取付構造。
  5. 【請求項5】 電子制御部品の下側部をダッシュアッパ
    パネルの上側部に当接支持したことを特徴とする請求項
    1〜3の何れかに記載の自動車の電子制御部品取付構
    造。
  6. 【請求項6】 電子制御部品の後部下側に支持座を突出
    成形し、該支持座を介して電子制御部品の下側部をダッ
    シュアッパパネルの上側部に当接支持したことを特徴と
    する請求項5記載の自動車の電子制御部品取付構造。
  7. 【請求項7】 電子制御部品の下面に車室側ハーネスと
    エンジンルーム側ハーネスとを接続するコネクタを取付
    け、該コネクタを介して電子制御部品の下側部をダッシ
    ュアッパパネルの上側部に当接支持したことを特徴とす
    る請求項5記載の自動車の電子制御部品取付構造。
  8. 【請求項8】 ダッシュアッパパネルの上側部に略水平
    な棚部を膨出成形して、この棚部上に電子制御部品の下
    側部を当接支持したことを特徴とする請求項5〜7の何
    れかに記載の自動車の電子制御部品取付構造。
  9. 【請求項9】 電子制御部品の下側部とダッシュアッパ
    パネルの上側部との当接部分にソフトマウント部材を介
    装したことを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の
    自動車の電子制御部品取付構造。
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