JPH0713151B2 - 耐熱性エポキシ樹脂積層板の製造法 - Google Patents

耐熱性エポキシ樹脂積層板の製造法

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JPH0713151B2
JPH0713151B2 JP3341890A JP3341890A JPH0713151B2 JP H0713151 B2 JPH0713151 B2 JP H0713151B2 JP 3341890 A JP3341890 A JP 3341890A JP 3341890 A JP3341890 A JP 3341890A JP H0713151 B2 JPH0713151 B2 JP H0713151B2
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雅之 野田
宏 伊藤
堯男 倉橋
光彦 吉川
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ファクシミリ、各種プリンタなどの感熱記録
装置、熱転写記録装置、および昇華形記録装置のサーマ
ルヘッドの用途に適した耐熱性エポキシ樹脂積層板の製
造法に関する。
従来の技術 従来、サーマルヘッドは、セラミック基板上にグレーズ
ガラス層を介して発熱低抗体が形成されており、この抵
抗体に共通電極と所定ピッチの個別電極が接続される。
これら電極は、スパッタリング法などにより基板上に形
成される。また、発熱低抗体は、酸化防止や摩耗防止の
ために耐摩耗膜で被覆されている。基板としては、鉄合
金などの金属基板上にポリイミドなどの絶縁層を形成し
たものも用いられている。
サーマルヘッドの製造では、300℃以上の加熱の必要な
工程があり、耐熱性、すなわち、熱分解温度が高く、ま
た、高湿度雰囲気下でも絶縁抵抗の劣化しない基板を用
いる必要がある。このような条件を満足する基板とし
て、上記のセラミック基板や金属基板が用いられてい
る。実用上、基板の熱分解温度は、400℃前後を必要と
し、絶縁抵抗は、2気圧、121℃のプレッシャークッカ
ー48時間処理後において、1012Ω程度保持していること
が必要である。
ところで、上記サーマルヘッドの発熱抵抗体を動作させ
るための駆動回路は、サーマルヘッドの基板とは別に、
金属箔張り積層板の金属箔をエッチング加工し、積層板
上に形成されるのが一般的である。これは、セラミック
基板や金属基板では、駆動回路部に必要なスルーホール
による導通回路を容易に形成できないためである。
そこで、耐熱性のある、例えばガラス織布基材のエポキ
シ樹脂金属箔張り積層板を用いて、金属箔をエッチング
加工し、サーマルヘッドの電極と駆動回路部を積層板上
に一緒に形成できれば好都合である。また、前記積層板
は、セラミック基板や金属基板に比べて熱伝導率が小さ
いので、発熱抵抗体で発生した熱が基板の下側を通って
放散する割合が小さく、感熱紙に効率良く伝えられるの
で、熱効率の面でも都合が良い。
従来提案されている耐熱性のよいエポキシ樹脂積層板
は、次のようなものである。すなわち、熱分解温度を高
くする手段として、エポキシ当量が150〜250程度の2官
能エピビス型エポキシ化合物、3〜4官能のオルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ化合物、テトラフェニロー
ルエタンやジアミノジフェニルメタンを原料とする4官
能エポキシ化合物などを、単独で、または組合せて用
い、これをガラス織布基材に含浸、乾燥して得たプリプ
レグを加熱加圧成形している。
発明が解決しようとする課題 上記エポキシ化合物は、架橋密度が高く、ガラス転移温
度の高い硬化物を与えるが、硬化反応の速度が速いため
に不均一反応が起りやすく、このため硬化物中に未反応
物が残る。この未反応物は、雰囲気温度が高温になった
とき輝散するために、ガラス転移点温度が高くても、熱
分解温度はそれほど高くはならない(ここでいう未反応
物の量は、積層板の溶剤抽出率などで求められる。ま
た、熱分解温度は、熱重量変化曲線の変極点などで求め
られる。)。
エポキシ化合物の硬化剤として、一般に、酸無水物、ア
ミン、フェノールノボラックなどが用いられているが、
これらを上記エポキシ化合物とどのように組合せてみて
も、熱分解温度を高めることは困難である。
また、エポキシ樹脂の架橋密度を高めると、ガラス織布
基材との界面に硬化歪みが残留するため、高湿度雰囲気
下での絶縁抵抗が低下する問題がある。
本発明の課題は、サーマルヘッド用の基板として適し
た、熱分解温度が高く、かつ、高湿度雰囲気下での絶縁
抵抗の低下を抑制した耐熱性エポキシ樹脂積層板を提供
することである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために、本発明に係る製造法は、下
記の式で示される3官能エポキシ化合物、およびエポキ
シ当量が300〜600である2官能エピビス型エポキシ化合
物と、硬化剤としてビスフェノール型ノボラックを必須
成分としてなる樹脂組成物を含浸、乾燥したガラス織布
基材の層を190℃以上の温度で加熱加圧成形することを
特徴とする。
(式中、Rは、HまたはCH3) 上記3官能エポキシ化合物と2官能エピビス型エポキシ
化合物の配合重量比が、95/5〜60/40範囲であること
が、より優れた特性を保持する上で好ましい。
作用 本発明に係る方法で使用する3官能エポキシ化合物は、
その反応性が、分子構造上、従来の多官能エポキシ化合
物に比べて緩やかである。それでも、まだ未反応性が高
いので2官能エピビス型エポキシ化合物を配合して硬化
反応の速度を調整し、未反応物の残留が少ない硬化物を
与えることが可能になっている。また、硬化剤として配
合するビスフェノール型ノボラックは、硬化物中にたと
え残留したとしても、2核体以上のものであるので、熱
分解温度を下げるようなことはない。
また、本発明に係る方法で使用する3官能エポキシ化合
物は、3つのフェニレングリシジル基の間に、比較的柔
軟性をもつアルキルフェノール鎖を有している。架橋密
度が高くなる結果、基材との界面に残留することになる
硬化歪みを、このアルキルフェノール鎖が減らす作用を
するので、高湿度雰囲気下での絶縁抵抗の劣化を抑制す
ることができる。
尚、2官能エピビス型エポキシ化合物は、エポキシ当量
が小さいと、架橋点間が短くなるため、硬化反応の速度
を調整することができなくなり、硬化物中に未反応物が
残りやすくなる。また、エポキシ当量が大きいと、架橋
密度を下げることになる。いずれの場合にも、積層板の
熱分解温度を低下させることになってしまう。エポキシ
当量を、300〜600とすることによって、初めて熱分解温
度を高くすることが可能となるのである。
積層板の成形温度を190℃以上とするのは、硬化を十分
に行なわせるためである。
実施例 本発明に係る方法で用いる3官能エポキシ化合物は、ト
リフェニロールメタン化合物をグリシジル化して得られ
る。また、2官能エピビス型エポキシ化合物は、エピク
ロルヒドリンとビスフェノールより作られる。これらエ
ポキシ化合物は、加水分解性塩素、α−グリコールなど
の不純物をできるだけ取り除いておく。
また、硬化剤として用いるビスフェノール型ノボラック
は、ビスフェノールとホルムアルデヒドの縮合物であ
り、未反応ビスフェノールの残存量をできるだけ少なく
しておくのが望ましい。
ガラス織布基材への樹脂付着量は、35〜45重量%の範囲
が望ましい。樹脂付着量が少なすぎると、高湿度雰囲気
下での積層板の絶縁抵抗を劣化させる心配があるし、多
すぎると、樹脂を含浸させたガラス織布を乾燥するとき
に、溶剤類の揮散が不十分になりやすく、熱分解温度を
低下させやすい。
実施例1〜4、比較例1〜5 第1表に示す各組成の樹脂組成物を、ガラス織布(7μ
径のガラス単繊維を収束した重さ22g/1000mの糸で織っ
たもの、Eガラス製)に樹脂付着量42重量%になるよう
に含浸、乾燥してプリプレグを得た。これを積層し、表
面に載置した銅箔と共に、温度200℃、圧力30kg/cm2で9
0分間加熱加圧成形して、1mm厚の銅張り積層板を得た。
実施例5 実施例3において、加熱加圧成形を温度250℃、圧力30k
g/cm2で90分間行なった。
比較例6 実施例3において、加熱加圧成形を温度180℃、圧力30k
g/cm2で120分間行なった。
上記実施例、比較例における積層板の特性を第2表に示
す。
上記銅張り積層板のサーマルヘッド用としての適正を確
認するために、次のようにしてサーマルヘッドを製作し
た。
実施例3の銅張り積層板を用い、まず、銅箔の塩化第2
銅でエッチングして、積層板上にサーマルヘッドの個別
電極、共通電極、および駆動回路を一緒に形成した。電
極および回路の銅箔面に、ニッケル/金メッキを施し脱
脂洗浄後、電極部と積層板上に仕上り厚さが10〜15μと
なるようにポリイミドを塗布し乾燥した。そして、電極
部を覆っている不用ポリイミドを除去した後300℃で60
分間焼成を行なった。
次に、ポリイミド層上にスパッタリングにより2μ厚の
酸化珪素膜を形成した。その上に、個別電極、共通電極
を覆い、かつ電極の間を埋めるように、タンタル/酸化
珪素よりなる発熱抵抗体を200℃で30分間処理して形成
した後、珪素/酸素/窒素からなる耐摩耗膜を300℃で6
0分間プラズマCVD法にて被覆形成し、駆動回路部が一緒
に設けられたサーマルヘッドとした。
のサーマルヘッドの通電試験をしたところ、電極部の銅
箔のふくれ、剥がれなどはなく、良好な結果が得られ
た。積層板の熱伝導率を非定常法で測定したところ、0.
36Kcal/m・h・℃であり、アルミナセラミック基板の38
Kcal/m・h・℃の1/100以下となっている。
一方、比較例の中で、最も熱分解温度の高かった比較例
5の銅張り積層板を用いて、同様にサーマルヘッドを製
作し、通電試験をしたところ、電極部の銅箔がふくれて
剥がれているため、導通不良を起こしていた。
尚、第2表の結果から、3官能エポキシ化合物と2官能
エピビス型エポキシ化合物の配合重量比を95/5〜60/40
の範囲とすることにより、熱分解温度を一層高くでき、
また、高湿度雰囲気下での絶縁抵抗の劣化を高いレベル
で抑制できることが分かる。
発明の効果 上述のように、本発明に係る方法では、特定のエポキシ
樹脂組成物をガラス織布基材に含浸乾燥してプリプレグ
を得、これを加熱加圧成形して積層板とすることによ
り、熱分解温度を高く、高湿度雰囲気下の絶縁抵抗の劣
化が抑制された積層板を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉橋 堯男 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 新神 戸電機株式会社内 (72)発明者 吉川 光彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 審査官 井出 隆一

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式で示される3官能エポキシ化合
    物、およびエポキシ当量が300〜600である2官能エピビ
    ス型エポキシ化合物と、硬化剤としてビスフェノール型
    ノボラックを必須成分としてなる樹脂組成物を含浸、乾
    燥したガラス織布基材の層を190℃以上の温度で加熱加
    圧成形することを特徴とする耐熱性エポキシ樹脂積層板
    の製造法。 (式中、Rは、HまたはCH3
  2. 【請求項2】3官能エポキシ化合物と2官能エピビス型
    エポキシ化合物の配合重量比が、95/5〜60/40範囲であ
    る請求項1記載の耐熱性エポキシ樹脂積層板の製造法。
  3. 【請求項3】加熱加圧成形時に、表面に金属箔を重ねて
    一体化する請求項1または2に記載の耐熱性エポキシ樹
    脂積層板の製造法。
JP3341890A 1990-02-14 1990-02-14 耐熱性エポキシ樹脂積層板の製造法 Expired - Lifetime JPH0713151B2 (ja)

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