JPH0713124A - 情報記録媒体及び情報記録再生方法 - Google Patents

情報記録媒体及び情報記録再生方法

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JPH0713124A
JPH0713124A JP6075607A JP7560794A JPH0713124A JP H0713124 A JPH0713124 A JP H0713124A JP 6075607 A JP6075607 A JP 6075607A JP 7560794 A JP7560794 A JP 7560794A JP H0713124 A JPH0713124 A JP H0713124A
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JP
Japan
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information recording
layer
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recording medium
liquid crystal
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Pending
Application number
JP6075607A
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English (en)
Inventor
Hironori Kamiyama
弘徳 上山
Nobuyuki Terauchi
伸行 寺内
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の情報記録媒体は、図1に示すように
電極層13′、光導電層14、中間層12、液晶相及び
紫外線硬化型樹脂相とからなる情報記録層11、電極層
13を順次設けた情報記録媒体において、少なくとも前
記情報記録層11及び電極層13からなる情報記録部を
剥離可能に積層としたことを特徴とする。 【効果】 本発明の情報記録媒体は、その情報記録部が
光センサー部と一体化しており、それ自体で情報記録が
可能であり、シェーディング等のない高精度の情報を容
易に記録することができるが、情報記録後は、情報記録
部は光センサー部とは剥離されるので、光導電層により
コントラストが低下することがなく、高精度で情報再生
できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子分散型液晶を情
報記録層とする情報記録媒体であって、高感度で、コン
トラスト比の優れた情報記録が可能な情報記録媒体及び
情報記録再生方法に関し、情報記録後に情報記録層を分
離し、記録情報をコントラストよく、読取り可能な情報
記録媒体及び情報記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】我々は、先に、透明電極層上に高分子分
散型液晶層を積層した情報記録媒体と、電極層上に光導
電層を積層した光センサーとを空隙を設けた形で分離一
体化し、情報記録装置とし、両電極間に電圧を印加しつ
つ、情報露光を行い、露光量に応じて光センサーから情
報記録媒体への放電を生じさせ、情報記録媒体における
液晶の配向の程度により情報記録を行う方法、及び透明
電極層、高分子分散型液晶層、光導電層、透明電極層を
順次積層して一体型の情報記録装置となし、両電極間へ
の電圧印加と共に、情報露光を行い、露光量に応じた電
界強度により、高分子分散型液晶層における液晶の配向
の程度により情報記録を行う方法等を開発し、出願し
た。
【0003】しかしながら、前者の方法は、これらの情
報記録媒体に記録された情報を読み取るにあたって、ま
ず、前者は情報記録層を取り出さねばならず、また、情
報記録媒体と光センサーとのギャップの調整が困難で、
ギャップが不均一であると濃度ムラ、即ち、色合いの規
則的な濃度ムラ(シェーディング)が生じるといった問
題があり、また、一体型のものは、情報読取りを光導電
層を通して情報を読み取る必要があることから、光導電
層がフィルターとなってしまい、光導電層を通して読み
取るためコントラストが低下し、良好な読取りができな
いという問題があることが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この種の高
分子分散型液晶を使用する情報記録媒体及び情報記録再
生方法の改良に関するものであり、情報記録にあたって
は、シェーデンィング等の現象がなく、容易に高感度で
コントラストの良好な情報記録が可能であると共に、情
報再生にあたってはコントラストの良好な読み出しがで
き、また読み出し光のロスがない情報記録媒体及び情報
記録再生方法の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の情報記録媒体
は、電極層、光導電層、中間層、液晶相及び紫外線硬化
型樹脂相とからなる情報記録層、電極層を順次設けた情
報記録媒体において、少なくとも前記情報記録層及び電
極層からなる情報記録部を剥離可能に積層としたことを
特徴とする。
【0006】また、本発明の情報記録媒体は、上記の中
間層が、液状の弗素含有有機化合物層であることを特徴
とする。
【0007】また、本発明の情報記録媒体は、上記の液
状の弗素含有有機化合物が、重量平均分子量が1000
0以下のオリゴマーであることを特徴とする。
【0008】また、本発明の情報記録媒体は、上記の中
間層が、水溶性樹脂層であることを特徴とする。
【0009】また、本発明の情報記録媒体は、上記の水
溶性樹脂が、ポリビニルアルコール樹脂であることを特
徴とする。
【0010】また、本発明の情報記録媒体は、上記のポ
リビニルアルコール樹脂における鹸化度が80モル%以
上であることを特徴とする。
【0011】また、本発明の情報記録再生方法は、電極
層、光導電層、中間層、液晶相及び紫外線硬化型樹脂相
とからなる情報記録層、電極層を順次設けた情報記録媒
体における両電極間に電圧を印加しつつ、情報露光を行
なった後、少なくとも前記情報記録層及び電極層からな
る情報記録部を剥離し、次いで情報記録層に記録された
情報を、光学的な読取りにより再生するか、または電気
信号に変換して再生することを特徴とする。
【0012】図1は、本発明の情報記録媒体の断面を模
式的に説明するための図で、図中3は情報記録部、11
は情報記録層、12は中間層、1は光センサー部、14
は光導電層、13、13′は電極層、15、15′は基
板である。
【0013】まず、情報記録部3は、基板15、電極層
13、情報記録層11とからなる。情報記録層11は、
液晶相と樹脂相とからなるものであり、液晶材料として
はスメクチック液晶、ネマチック液晶、コレステリック
液晶あるいはこれらの混合物を使用することができる
が、液晶の配向性を保持し、情報を永続的に保持させ
る、所謂メモリー性の観点からはスメクチック液晶を使
用するのが好ましい。
【0014】スメクチック液晶としては、液晶性を呈す
る物質の末端基の炭素鎖が長いシアノビフェニル系、シ
アノターフェニル系、フェニルエステル系、フェニルベ
ンゾエート系、トラン系、ジトラン系、更に弗素系等の
スメクチックA相を呈する液晶物質、反強誘電性液晶と
して用いられるスメクチックCA相を呈する液晶物質、
強誘電性液晶として用いられるスメクチックC* 相を呈
する液晶物質、或いはスメクチックH、G、E、F等を
呈する液晶物質等が挙げられる。また、ネマチック液晶
を使用してもよく、スメクチック或いはコレステリック
液晶と混合することによりメモリー性を向上させること
ができ、例えば、シッフ塩基系、アゾキシ系、アゾ系、
安息香酸フェニルエステル系、シクロヘキシル酸フェニ
ルエステル系、ビフェニル系、ターフェニル系、フェニ
ルシクロヘキサン系、フェニルピリジン系、フェニルオ
キサジン系、多環エタン系、フェニルシクロヘキセン
系、シクロヘキシルピリミジン系、フェニル系、トラン
系等の公知のネマチック液晶を使用できる。又、ポリビ
ニルアルコール等と液晶材料を混合してマイクロカプセ
ル化したものも使用できる。尚、液晶材料を選ぶ際に
は、通常、屈折率の異方性の大きい材料の方がコントラ
ストがとれるので好ましい。
【0015】樹脂相を形成する材料としては、液晶材料
と共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶型の熱硬化性樹
脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、及びこれらを主体とした共
重合体等、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等を使用しても
よいが、好ましくは紫外線硬化型樹脂であって、モノマ
ー、オリゴマーの状態で液晶材料と室温時、または加熱
により相溶性を有するもの、或いはモノマー、オリゴマ
ーの状態で液晶材料と共通の溶媒に室温時、または加熱
により相溶性を有するものが挙げられる。
【0016】このような紫外線硬化型樹脂としては、例
えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙
げられ、モノマー、オリゴマーの状態で、例えばジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、イソシアヌール酸(エチレンオキサイド変性)トリ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオー
ルジアクリレート等の多官能モノマー或いは多官能ウレ
タン系、エステル系オリゴマー、更にノニルフェノール
変性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の
単官能モノマー或いはオリゴマー等が挙げられる。
【0017】液晶と樹脂との合計量に対する液晶の含有
割合は、10重量%〜90重量%とできる。液晶の含有
量が10重量%未満であると情報記録により液晶相が配
向しても光透過性が低く、また、90重量%を越えると
液晶の滲み出し等の現象が生じ、画像ムラが生じ好まし
くない。しかしながら、本発明の情報記録媒体において
は、特に、液晶の割合を40重量%〜80重量%とする
とよい。本発明によると、その情報記録層の外表面を樹
脂層からなるスキン層とすることができるので、液晶の
含有量を多くでき、これにより、高コントラストの情報
記録媒体とでき、また、動作電圧を低くすることができ
る。
【0018】光硬化剤としては、例えば2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ
・ガイギー社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社
製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピル
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン(チバ・ガイギー社製「ダロキュア111
6」)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社
製「イルガキュア651」)、2−メチル−1−〔4−
(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン
−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア907」)、
2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤ
キュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、
イソプロピルチオキサントン(ワードブレキンソップ社
製「クンタキュア・ITX」とp−ジメチルアミノ安息
香酸エチルとの混合物等が挙げられるが、液状である2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オンが液晶材料、樹脂相形成材料(モノマー若しくは
オリゴマー)との相溶性の面で特に好ましく、樹脂相形
成材料に対して0.1重量%〜20重量%、好ましくは
3重量%〜10重量%の割合で使用するとよい。
【0019】溶媒としては、酢酸−n−ブチルに対する
相対蒸発速度が2より小さい溶媒であって、液晶、樹脂
相形成材料、光硬化剤、弗素系界面活性剤のそれぞれに
共通の溶媒であることが必要である。「酢酸−n−ブチ
ルに対する相対蒸発速度が2より小さい溶剤」とは、例
えば原崎勇次著「わかりやすいコーティング技術」21
7頁〜221頁、理工出版社刊に記載されるものであ
り、蒸発速度とは一定温度での揮発性であり、 で定義されるRが2より小さいものである。
【0020】本発明において使用しうる溶媒としては、
キシレン(R=0.76)、シクロヘキサノン(R=
0.32)等の蒸発速度の比較的遅いものが好ましく、
またクロロホルム等に代表されるハロゲン化炭化水素系
溶媒、メチルセロソルブ等に代表されるアルコール誘導
体系溶媒、ジオキサン等に代表されるエーテル系溶媒が
挙げられる。その他、具体的には、メチルアルコール、
変性エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ブタノ
ール、メチルイソブチルカルビノール、ジイソブチルカ
ルビノール、ヘキシレングリコール、酢酸−sec−ブ
タノール、酢酸イソブチル(98%)、酢酸n−ブチ
ル、酢酸メチルアルミ、酢酸アルミ(95%異性体混合
物)、乳酸エチル、メチルオキシトール、エチルオキシ
トール、イソプロピルオキシトール、メチルオキシトー
ルアセテート、エチルオキシトールアセテート、ブチル
オキシトール、メチルジオキシトール、エチルジオキシ
トール、ブチルジオキシトール、ブチルジオキシトール
アセテート、メチルイソブチルケトン、エチルアミルケ
トン、Pent−O−xone(ME−6K)、メチル
シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、ジアセトンア
ルコール、イソホロン、1,4−ジオキサン、パークロ
ロエチレン、ジクロロプロパン、2−ニトロプロパン、
トルエン、SBP100/140、ゴム溶剤、キシレ
ン、SBP140/165、SBP6、SBP11、S
hellsolA、ホワイトスピリット(LAWS)、
ShellsolE、ShellsolTD、ホワイト
スピリット(115°F引火)、ShellsolT、
ShellsolAB、Distillate、Sol
vent300、ShellsolN、Shellso
lRA、ShellsolK、ShellsolR、S
olvent350等を挙げることができる。
【0021】また、情報記録層は、液晶相の光屈折率と
樹脂相の光屈折率とをほぼ同じものとしておくことによ
り、電界のかからない状態では光散乱により不透明であ
り、電界がかかると液晶相が配向し、情報記録部を透明
状態とすることができるものであり、情報再生に際して
も偏向板が不用であり、読み取りに際しての光学系が単
純化しうる。
【0022】本発明においては、電極層に対する濡れ性
と共に情報記録層表面に樹脂のみからなるスキン層を形
成させる等を目的として弗素系界面活性剤が添加され
る。このような弗素系界面活性剤としては、例えば住友
3M(株)製、フロラードFC−430、同フロラード
FC−431、N−(n−プロピル)−N−(β−アク
リロキシエチル)−パーフルオロオクチルスルホン酸ア
ミド〔三菱マテリアル(株)製EF−125M〕、N−
(n−プロピル)−N−(β−メタクリロキシエチル)
−パーフルオロオクチルスルホン酸アミド〔三菱マテリ
アル(株)製EF−135M〕、パーフルオロオクタン
スルホン酸〔三菱マテリアル(株)製EF−101〕、
パーフルオロカプリル酸〔三菱マテリアル(株)製EF
−201〕、N−(n−プロピル)−N−パーフルオロ
オクタンスルホン酸アミドエタノール〔三菱マテリアル
(株)製EF−121〕、更に三菱マテリアル(株)製
EF−102、同EF−103、同EF−104、同E
F−105、同EF−112、同EF−121、同EF
−122A、同EF−122B、同EF−122C、同
EF−122A3、同EF−123A、同EF−123
B、同EF−132、同EF−301、同EF−30
3、同EF−305、同EF−306A、同EF−50
1、同EF−700、同EF−201、同EF−20
4、同EF−351、同EF−352、同EF−80
1、同EF−802、同EF−125DS、同EF−1
200、同EF−L102、同EF−L155、同EF
−L174、同EF−L215等が挙げられる。また、
3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−
ジヒドロキシプロパン〔三菱マテリアル(株)製MF−
100〕、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキ
シプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド〔三菱
マテリアル(株)製MF−110〕、3−(2−パーフ
ルオロヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン
〔三菱マテリアル(株)製MF−120〕、N−n−プ
ロピル−N−2,3−エポキシプロピルパーフルオロオ
クチルスルホンアミド〔三菱マテリアル(株)製MF−
130〕、パーフルオロヘキシルエチレン〔三菱マテリ
アル(株)製MF−140〕、N−〔3−トリメトキシ
シリル)プロピル〕パーフルオロヘプチルカルボン酸ア
ミド〔三菱マテリアル(株)製MF−150〕、N−
〔3−トリメトキシシリル)プロピル〕パーフルオロヘ
プチルスルホンアミド〔三菱マテリアル(株)製MF−
160〕等が挙げられる。弗素系界面活性剤は、液晶と
樹脂形成材料の合計量に対して0.1〜20重量%、好
ましくは0.5重量%〜5重量%の割合で使用される。
また、必要に応じて、溶液の塗布適性を向上させ、表面
性を良くするためにレベリング剤を添加してもよい。
【0023】次に、情報記録層の形成方法について、順
を追って説明する。 (1)液晶、樹脂相形成用材料、光重合開始剤、界面活
性剤等を、酢酸−n−ブチルに対する相対蒸発速度が2
より小さい溶媒と混合し、固形分濃度を10〜60重量
%とする混合溶液とする。溶剤希釈は1〜500cps
(20℃)、好ましくは10〜200cps(20℃)
である。粘度が小さいと塗布液が流れてしまいコーティ
ング後の膜厚が保持できなく、また粘度が大きいとレベ
リングが困難となる。また、液晶が等方相を保持する温
度以上、好ましくは等方相転移点+10℃の温度の範囲
内に加熱して溶解させる。この際、溶液中に存在する紫
外線硬化樹脂形成材料のゲル化物、ゴミ等を濾過するこ
とにより除去する。ゲル化物、ゴミ等が存在すると情報
記録媒体としてのノイズとなる。
【0024】また、混合溶液は等方相温度以上に加熱さ
れているが、この際、溶剤が蒸発乾燥してしまうと混合
溶液は相分離してしまい、均一な膜は形成されない。そ
のため、溶媒としては酢酸−n−ブチルに対する相対蒸
発速度が2より小さい溶媒を使用する。相対蒸発速度が
2より大きいと、蒸発が早すぎ、上記の問題を生じる。
通常、70℃までの加熱で溶解されるものであれば、溶
剤としてはRが0.3以上で1以下のものでも問題な
く、例えばキシレン(R=0.7)を使用するとよく、
また、溶解させるために70℃以上の加熱が必要な場合
には、溶剤としてはRが0.3未満のもの、例えばシク
ロヘキサノン(R=0.2)を使用するとよい。
【0025】(2)次いで、混合溶液を、後述するよう
に電極層上、または中間層上に室温条件下でスピンコー
ター、バーコート、ブレードコーター、ロールコーター
或いはディップコーター等の塗布方法により均一な膜厚
で均一に塗布する。
【0026】(3)塗布層を、液晶が等方相を保持する
温度以上、好ましくは等方相転移点±10℃の温度の範
囲内に保持し、溶媒を蒸発除去する。塗布層の温度が、
等方相転移温度より10℃以上低いと、液晶と紫外線硬
化型樹脂材料との相分離が大きくなるという問題が生じ
る。即ち、液晶ドメインが成長しすぎ、情報記録層表面
にスキン層が完全に形成されず、液晶の滲み出し現象が
生じたり、また紫外線硬化型樹脂がマット化し、正確に
情報を取り込むことが困難となり、好ましくない。ま
た、紫外線硬化型樹脂が液晶を保持できず、情報記録層
を形成されないことすらある。また、等方相転移点+1
0℃以上であると、その詳細な理由は不明であるが、情
報記録層において液晶相と樹脂相との相分離が不明確に
なる。
【0027】(4)溶媒除去を完全なものとするため
に、乾燥処理はフード乾燥、真空乾燥の2段階に別けて
実施するとよく、これにより、空気の流れによる情報記
録層表面のムラを防止し、干渉縞を防止することができ
る。
【0028】(5)次に、乾燥処理された塗布層をUV
ランプを使用して紫外線照射し、硬化させるが、塗布層
への紫外線照射するにあたっては、赤外線を遮蔽し、2
00nm〜400nmの波長部分が1%以上である紫外
線を使用し、0.1mJ/cm2 以上のエネルギーで照
射することにより、液晶相と樹脂相との相分離に優れた
情報記録層が得られる。
【0029】このようにして情報記録層を形成すると、
情報記録層表面に、情報記録層の膜厚の0.01%〜3
0%の割合の膜厚を有するスキン層が形成されると共
に、情報記録層内部は、一次粒径が0.03μm〜0.
3μmの樹脂粒子が充填され、その間を液晶相が連通し
た構造を有するものとできる。また、紫外線硬化型樹脂
形成材料として、その平均分子量/平均官能基で示され
るパラメータが160以下の多官能の紫外線硬化性樹脂
材料を使用すると、その表面スキン層が耐久性に優れた
ものとできる。
【0030】情報記録層表面に耐久性のあるスキン層が
形成されることにより、情報記録層における液晶の使用
割合を増大することができ、また情報記録層表面への液
晶の滲み出しがなく、これによる画像の乱れを無くすこ
とができ、高品質の画像が得られる。尚、情報記録層内
部において、微細構造において液晶相と樹脂相との相分
離が不完全であると、コントラストがとれなくなるとい
う問題を生じる。
【0031】(6)このようにして形成される情報記録
層の平均膜厚は、1μm〜30μmとされる。膜厚が厚
すぎると動作電圧が高くなるが、一般に感度をあげたい
場合には膜厚を薄くするとよい。感度の優れたものとす
るには、膜厚としては、好ましくは3μm〜20μm、
より好ましくは5μm〜10μmの膜厚とするとよい。
また、情報記録層におけるスキン層の膜厚は、情報記録
層の膜厚の0.01%〜50%の割合とできるが、薄す
ぎると液晶の滲み出しが生じ、情報記録をしても、ノイ
ズとなる。そのため、好ましくは、スキン層の膜厚は、
情報記録層の膜厚の0.01%〜30%の割合のものと
するとよい。スキン層の膜厚は、その詳細な理由は不明
であるが、紫外線硬化型樹脂の種類、紫外線照射量、弗
素系界面活性剤の添加等により適宜調整することができ
る。
【0032】また、本発明の情報記録媒体においては、
情報記録層の膜厚は正確に均一に塗布されることが必要
であるが、上記方法で情報記録層を形成することによ
り、膜厚の均一性としては、膜厚が5μm〜10μmの
場合には、その表面粗さRaを200Å以内とすること
ができ、コントラストムラがなく、また情報記録時にお
いてもシェーディング現象を生じないものとできる。
【0033】一般に、この種の高分子分散型液晶の場合
には、その解像性は膜厚よりは液晶のドメインサイズに
依存する割合が大きいものと考えられているが、本発明
の情報記録層のごとき、液晶の含有割合が大きく、樹脂
が粒子状に相形成するものにあっては、通常の液晶量の
含有割合が低い高分子分散型液晶のように、液晶のドメ
インサイズをあまり考慮する必要がないので、容易に高
感度で、かつコントラスト比の高い情報記録体を容易に
提供することができる。
【0034】中間層12は、光センサー部1の光導電層
14と情報記録部1の情報記録層11との間に設けられ
るものであって、情報記録層の記録に必要な電圧を確保
すると共に、光導電層と情報記録層間を剥離する場合に
は、剥離層として機能するものである。
【0035】このような中間層としては、液状のもの、
または固体状のものが挙げられ、液状のものとしては、
例えば、超純水、液状であって重量平均分子量が100
00以下のオリゴマーの弗素含有有機化合物、例えば、
ダイキン工業社製のデムナムS−20、同S−65、同
S−100、同S−200、住友3M社製:商品名フロ
リナートFC−71等が挙げられ、スピンコート法、ブ
レードコート法、ロールコート法等により光導電層上、
または情報記録層上に塗布するとよい。塗布量は0.0
1g/m2 〜40g/m2 、好ましくは0.1g/m2
〜2g/m2 とするとよい。中間層を液状のものとする
と、同時に剥離層として機能させることができる。
【0036】また、中間層として、固体状のものとして
は、例えば、有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶性樹
脂、例えばポリビニルアルコール、水系ポリウレタン、
水ガラス、ゼラチン等の水溶液を光導電層上、または情
報記録層上に塗布し、乾燥させて固体状のものとする
か、または弗素系樹脂を弗素系溶剤に溶解し、スピンコ
ート法、ブレードコート法、ロールコート法等により積
層した後、乾燥させて固体状としたものが挙げられる。
塗布可能な弗素樹脂としては、特願平4−24722号
に記載した弗素樹脂を使用することができる。溶媒は、
情報記録層、光導電層を溶解しないことが必要であり、
塗布後、乾燥させ、溶媒を除去し、固体層とされる。こ
れらの物質を使用して中間層を形成すると、剥離層とし
て機能させることができ、この中で、好ましくはポリビ
ニルアルコール層であり、ポリビニルアルコールとして
は、鹸化度が70モル%以上、好ましくは90モル%以
上のものが好ましい。70モル%より低いと親水性が低
下し、光導電層を浸食するので好ましくない。
【0037】中間層は、上述したように、情報記録層の
記録に必要な電圧を確保するものであるが、中間層を設
けないで情報記録層と光導電層とを密着させると、その
理由は不明であるが、情報記録層における液晶の配向に
必要な電圧が確保されず、画像が形成されない。しか
し、その膜厚が厚すぎると情報記録層にかかる分配電圧
を低下させたり、或いは解像性を悪化させるので、その
膜厚は0.01μm〜40μm、好ましくは0.1μm
〜2μmとするとよい。
【0038】次に、光センサー部1について説明する。
図1に示すように、光センサー部1は、基板15′、電
極層13′、光導電層14からなるものである。光導電
層14としては、情報光に応じた電荷発生機能と電荷輸
送機能を同時に有する単層系のものと、電極層上に電荷
発生層、電荷輸送層を順次積層した積層系のものがあ
り、光導電層は、一般には光が照射されると照射部分で
光キャリア(電子、正孔)が発生し、それらのキャリア
が層幅を移動することができる機能を有するものであ
り、特に電界が存在する場合にその効果が顕著である層
である。このような光センサーとしては、例えば特願平
4−287983号に記載の光センサーが挙げられる。
この公報に記載された光センサーは、光照射時において
情報記録媒体に付与される電界または電荷量が光照射に
つれて増幅され、また光照射を終了した後でも電圧を印
加し続けるとその導電性を持続し、引続き電界または電
荷量を情報記録媒体に付与し続ける作用を有するもので
ある。
【0039】まず、単層系の光導電層は、無機光導電性
物質または有機光導電性物質から形成される。無機光導
電性物質としてはSe、Se−Te、ZnO、Ti
2、Si、CdS等が挙げられ、蒸着法、スパッタ
法、CVD法等により電極層13′上に、単独または混
合系で5〜30μm、好ましくは20〜30μmの膜厚
で積層される。また、前述の無機光導電体を微粒子とし
て、有機絶縁性樹脂、例えばシリコーン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエ
ン樹脂、スチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等に
分散させて光導電層としてもよく、この場合樹脂1重量
部に対して光導電性微粒子を0.1〜10重量部、好ま
しくは1〜5重量部の割合で分散させたものとするとよ
い。
【0040】また、有機光導電性物質は高分子光導電性
物質、及び低分子光導電物質の絶縁性バインダー中への
分散物がある。高分子光導電性物質としては、例えばポ
リビニルカルバゾール(PVK)、PVKにおけるビニ
ル基の代わりにアリル基、アクリロキシアルキル基のエ
チレン性不飽和基が含まれたポリ−N−エチレン性不飽
和基置換カルバゾール類、また、ポリ−N−アクリルフ
ェノチアジン、ポリ−N−(β−アクリロキシ)フェノ
チアジン等のポリ−N−エチレン性不飽和基置換フェノ
チアジン類、ポリビニルピレン等がある。中でもポリ−
N−エチレン性不飽和基置換カルバゾール類、特にポリ
ビニルカルバゾールが好ましく用いられる。
【0041】また、低分子光導電物質としては、アルキ
ルアミノフェニル基等で置換されたオキサジアゾール
類、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ブ
タジエン誘導体、スチルベン誘導体等が挙げられ、低分
子光導電体1重量部を、例えばシリコーン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジ
エン共重合体樹脂、スチレン樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂などの電気絶縁性樹脂0.1〜5重量部、好まし
くは0.1〜1重量部中に分散させて、皮膜形成性の有
機光導電物質としてもよい。これらの有機光導電性物質
の乾燥後膜厚は5〜30μm、好ましくは10〜30μ
mで電極上に積層される。
【0042】また、有機光導電性層には、必要に応じて
特願平4−287983号に記載した持続導電性付与剤
が添加される。上述の有機光導電層は、それ自体持続導
電性を有するが、この持続導電性付与剤は、上述の有機
光導電層における持続導電性を強化させることを目的と
して添加されるものである。持続導電性付与剤は、有機
光導電性物質1重量部に対して0.001〜1重量部、
好ましくは0.001〜0.1重量部の割合で添加され
る。持続導電性付与剤の添加量が1重量部を越えると、
光導電層としての増幅機能が著しく低下するので好まし
くない。また、持続導電性付与物質は、分光感度が可視
光にないものもあり、可視光領域の光情報を利用する場
合には、可視光領域に感度をもたすために電子受容性物
質、増感色素等を更に添加することができる。電子受容
性物質としては、例えばニトロ置換ベンゼン、ジアノ置
換ベンゼン、ハロゲン置換ベンゼン、キノン類、トリニ
トロフルオレノン等がある。また増感色素としてはトリ
フェニルメタン色素、ピリリウム塩色素、キサンテン色
素などが挙げられる。電子受容性物質、増感色素等は、
有機光導電性物質1重量部に対して0.001〜1重量
部、好ましくは0.01〜1重量部の割合で添加され
る。同時に光情報が赤外領域にある場合には、フタロシ
アニン等の顔料、ピロール系、シアニン系等の色素を同
量程度添加するとよく、逆に紫外領域にあるいはそれ以
下の波長域に情報光がある場合には、それぞれの波長吸
収物質を同量添加することで目的が達成される。
【0043】次に、積層系光導電層は、電極上に電荷発
生層、電荷輸送層を順次積層して形成され、無機材料系
光導電層と有機材料系光導電層とがある。無機系におけ
る電荷発生層は、Se−Te、硫黄や酸素等をドープし
たSi等を蒸着法、スパッタ法、CVD法等により電極
上に、0.05μm〜1μmの膜厚に積層される。次い
で、この電荷発生層上に電荷輸送層として、Se、As
2Se3 、Si、メタン等をドープしたSi等を同様に
して10μm〜50μmの膜厚に積層して形成するとよ
い。
【0044】次に、有機系における電荷発生層は電荷発
生物質とバインダーからなり、電荷発生物質としては、
フルオレノンアゾ系顔料、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系
顔料、ピロール系顔料、アズレニウム塩系顔料、フタロ
シアニン系顔料、多環芳香族系顔料、ピリリウム塩系色
素、トリアゾ系顔料、スクアリリウム塩系色素、ペリレ
ン系顔料、アントアントロン顔料、シアニン顔料、多環
キノン顔料、イミダゾール顔料等が挙げられ、具体的に
は特願平4−287983号に記載した公報記載の電荷
発生物質が挙げられる。
【0045】バインダーとしては、例えばシリコーン樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹
脂、PMMA樹脂、塩ビ樹脂、酢ビ樹脂、塩ビ−酢ビ混
合樹脂等が挙げられ、上記電荷発生物質をバインダー中
に分散して形成される。電荷発生剤として好ましくはフ
ルオレノンアゾ顔料、ビスアゾ顔料であり、またバイン
ダーとして好ましくはポリエステル樹脂、塩ビ−酢ビ混
合樹脂が挙げられる。これらの電荷発生剤とバインダー
の混合比は、電荷発生剤1重量部に対してバインダーを
0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割
合で使用するとことが望ましい。電荷発生層は乾燥後膜
厚として0.01〜1μmであり、好ましくは0.1〜
0.3μmとするとよい。
【0046】電荷輸送層は電荷輸送物質とバインダーと
からなる。電荷輸送物質は、電荷発生物質で発生した電
荷の輸送特性が良い物質であり、例えばヒドラゾン系、
ピラゾリン系、PVK系カルバゾール系、オキサゾール
系、トリアゾール系、芳香族アミン系、アミン系、トリ
フェニルメタン系、ブタジエン系、スチルベン系、多環
芳香族化合物系等があり、ホール輸送性の良い物質とす
ることが必要である。好ましくは、ブタジエン系、スチ
ルベン系電荷輸送剤が挙げられ、具体的には特願平4−
287983号に記載した公報記載の電荷輸送材料が挙
げられる。バインダーとしては、上記した電荷発生層に
おけるバインダーと同様のものが使用できるが、好まし
くはポリビニルアセタール樹脂、スチレン樹脂、スチレ
ン−ブタジエン共重合体樹脂である。バインダーは、電
荷輸送剤1重量部に対して0.1〜10重量部、好まし
くは0.1〜1重量部の割合で使用することが望まし
い。電荷輸送層は乾燥後膜厚として1〜50μmであ
り、好ましくは10〜30μmとするとよい。
【0047】これらの電荷発生物質と電荷輸送物質の組
合せとしては、例えばフルオレノンアゾ顔料(電荷発生
物質)とスチルベン系の電荷輸送剤の組合せ、ビスアゾ
系顔料(電荷発生物質)とブタジエン系、ヒドラゾン系
の電荷輸送剤の組合せ等が良好である。
【0048】また、単層系光導電層の項で説明した持続
導電性付与剤、及び電子受容性物をこの積層系光導電層
における電荷発生層、電荷輸送層中にそれぞれ同様の割
合で添加することができるが、好ましくは電荷発生層中
に添加するとよい。
【0049】また、単層系光導電層、積層系光導電層を
有機光導電層とする場合には、溶剤としてジクロロエタ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、モノクロロベンゼ
ン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、ジオキサ
ン、1,2,3−トリクロロプロパン、エチルセルソル
ブ、1,1,1,−トリクロロエタン、メチルエチルケ
トン、クロロホルム、トルエン等を使用して塗布溶液と
するとよく、塗布方法としては、ブレードコーティング
法、ディッピング法、スピンナーコーティング法等が挙
げられる。
【0050】また、光導電層は、電荷注入制御層を介し
て電極上に設けられてもよい。電荷注入制御層は、必要
に応じて設けられるもので、電極から光導電層への電荷
注入性を制御して情報記録媒体に実質的に印加される電
圧を調節するために設けられるものであるが、本発明の
情報記録媒体においては、情報記録層における液晶の動
作電圧領域に光導電層の感度を設定することが必要であ
る。即ち、露光部において情報記録層に印加される電位
(明電位)と未露光部において情報記録層に印加される
電位(暗電位)との差(コントラスト電位)を、液晶の
動作領域において大きく取ることが必要であるからであ
る。
【0051】そのため、例えば光導電層の未露光部の液
晶層にかかる暗電位は液晶の動作開始電位程度に設定す
る必要があり、光導電層バルクに105 V/cm〜10
6 V/cmの電界が与えられた状態で10-4〜10-8
/cm2 の暗電流が生じる程度の導電性が要求され、好
ましくは10-5〜10-6A/cm2 の範囲が好ましい。
暗電流が10-8A/cm2 以下の光導電層では液晶層が
露光状態でも配向せず、また10-4A/cm2 以上の暗
電流の光導電層では未露光状態でも電圧印加と同時に電
流が多く流れ、情報記録層における液晶が配向していま
い、露光したとしてもその透過率の差がえられない。電
荷注入制御層は、このような情報記録媒体の特性との関
係で適宜設けられる。光導電層における暗電位を低く抑
えることが必要な場合には、電荷注入制御層は電荷注入
防止性を有する層とされる。電荷注入防止層は、いわゆ
るトンネリング効果を利用した層と整流効果を利用した
層との二種類のものがあり、特願平4−287983号
に記載したものを使用できる。
【0052】次に、基板15、15′について説明す
る。支持性を有する場合には双方の基板は必ずしも必要
ではないが、ガラス基板、または、可撓性が要求される
場合にはプラスチック基板が使用される。プラスチック
基板は、フィルム状、テープ状、カード状、ディスク状
等の形状を有していてもよく、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタ
クリレート、ポリメチルアクリレート等が使用できる。
また、基板としては、情報を透過光で再生する場合には
透明性が要求されるが、また、反射光で再生する場合に
は不透明なもの、金属薄膜を設けた反射性のものいずれ
でもよい。また、剥離に障害がなければ膜厚には特に制
限はないが、支持性を考慮すると0.5mm以上の膜厚
が必要である。情報記録層がフィルム状でそれ自体支持
性を有する場合には30μm〜200μmの膜厚とする
とよい。
【0053】なお、プラスチック基板は、情報記録層を
積層する場合には、凹凸等の現象が生じたり、溶剤によ
り基板裏面が溶解されて白化したりするので、プラスチ
ック基板の少なくとも情報記録層積層側面に多官能紫外
線硬化樹脂層よりなる被覆層を設けるとよい。多官能紫
外線硬化樹脂層は、多官能紫外線硬化樹脂モノマーまた
はオリゴマーと光重合開始剤とを溶媒に溶解させた溶液
をプラスチックシートにディップコートし、その塗布層
を紫外線照射し、硬化させることにより形成される。多
官能紫外線硬化樹脂層は、その電気抵抗値が25℃にお
いて少なくとも1×109 Ω・cmのものであり、ま
た、1000g荷重の鉛筆硬度でH以上の硬度を有し、
また耐溶剤性に優れるものである。多官能紫外線硬化樹
脂層の膜厚は、特に制限はないが、情報記録媒体がフィ
ルム状、テープ状のような場合、即ちプラスチックシー
トの膜厚を30μm〜200μmの膜厚とするような場
合には、その膜厚の1%〜50%の範囲とすると、情報
記録部の平滑性を維持できる。
【0054】尚、情報を透過光で再生する場合には、電
極及び基板は透明性を有することが必要であり、その場
合、電極層が設けられる基板における他方の面には、必
要に応じて反射防止効果を有する層を積層するか、また
反射防止効果を発現しうる膜厚に透明基板を調整する
か、更に両者を組み合わせることにより反射防止性を付
与してもよい。また、反射光で情報を再生する場合には
電極を反射性を有する金属薄膜層とするか、または基板
面に金属薄膜等の光反射層を積層するとよい。また、プ
ラスチック基板に電極層を積層する場合には、電極層と
の密着性を持たせることを目的として、基板表面をプラ
ズマ処理しておくとよい。
【0055】電極層13、13′は、透明性または不透
明性でもよいが、比抵抗値が106Ω・cm以下の金属薄
膜導電膜、酸化インジウム錫等の無機金属酸化物導電
膜、四級アンモニウム塩等の有機導電膜等である。電極
層は蒸着、スパッタリング、CVD、コーティング、メ
ッキ、ディッピング、電解重合等の方法により形成され
る。またその膜厚は電極を構成する材料の電気特性、お
よび情報記録の際の印加電圧により変化させる必要があ
るが、例えばITO膜では100Å〜3000Å程度で
あり、情報記録層との間の全面、或いは情報記録層の形
成パターンに合わせて形成される。
【0056】次に、本発明の情報記録媒体の作製方法と
しては、下記の方法がある。 (1) 基板15の電極層13上に情報記録層11を積
層した情報記録部3と、基板15′の電極層13′上に
光導電層を積層した光センサー部1とを別個に作製した
後、情報記録層11と光センサー部1とを中間層12を
介して積層して作製する方法が挙げられる。この場合、
基板はいずれもプラスチック基板としてもよいが、いず
れか一方の基板をガラス基板とし、他方の基板を剥離の
ために可撓性を有するプラスチック基板としてもよい。
また、中間層は液状としても、固体状としてもよい。
【0057】(2)また、基板15′の電極層13′上
に光導電層14を積層して光センサー部1を形成した
後、その光導電層14上に中間層12を積層し、更に、
中間層12上に情報記録層11、電極層13を順次積層
して情報記録媒体とする方法が挙げられる。この場合、
上記したように、情報記録層を紫外線硬化型樹脂を使用
して上述した方法により形成することにより、情報記録
層表面に紫外線硬化型樹脂のみからなるスキン層を形成
できるので、電極層をスパッタリング法により積層する
ことが可能となる。また、この場合、中間層としては固
体状のものであることが必要であり、また、電極層13
上には基板15は積層されなくてもよい。
【0058】基板15′としてはガラス基板、プラスチ
ック基板いずれでもよく、また、情報記録後、情報記録
部の剥離に際しては、電極13上に粘着テープを貼着
し、引き剥がすとよい。また、電極層上に基板15を接
着剤を使用して貼着しておいてもよい。この場合には、
基板はいずれもプラスチック基板としてもよいが、いず
れか一方の基板をガラス基板とし、他方の基板を剥離の
ために可撓性を有するプラスチック基板としてもよい。
【0059】この方法で作製すると、中間層上に情報記
録層が直接塗布形成されるので、上記の(1)の作製方
法に比べて、光センサー部と情報記録部との間に気泡等
が入ることがなく、ノイズのない情報記録媒体とするこ
とができる。
【0060】(3)また、基板の電極層上に情報記録層
を積層して情報記録部を形成した後、その情報記録部上
に中間層を積層し、その中間層上に更に光動で層、電極
層を積層して静電情報記録媒体を作製する方法等が例示
される。
【0061】次に、本発明の情報記録媒体への情報記録
再生方法について説明する。図2は、情報記録方法を説
明するための図である。電極13、13′間に電圧を印
加しつつ、情報光18が入射すると、光が入射した部分
の光導電層14で発生した光キャリアは、両電極により
形成される電界により移動し、電圧の再配分が行われる
ことで情報記録層における液晶相が配向し、情報光18
のパターンに応じた記録が行なわれる。なお、情報光1
8を入射しつつ、電圧を所定時間印加してもよい。
【0062】また、液晶によって作動電圧及び範囲が異
なるものもあるので、印加電圧及び印加電圧時間を設定
するにあたっては、情報記録媒体における電圧配分を適
宜設定し、情報記録層にかかる電圧配分を液晶の動作電
圧領域に設定するとよい。
【0063】この光センサーによる情報記録は、面状ア
ナログ記録が可能であり、また液晶相の配向が静電電荷
レベルで配向させることができるので、銀塩写真法と同
様の高解像度が得られ、また、露光パターンは液晶相の
配向により可視像化されて保持される。
【0064】本発明の情報記録媒体への情報入力方法と
しては、カメラによる方法、またレーザーによる記録方
法がある。カメラによる方法としては、通常のカメラに
使用されている写真フィルムの代わりに使用され、記録
部材とするもので、光学的なシャッタも使用しうるし、
また電気的なシャッタも使用しうるものである。また、
プリズム及びカラーフィルターにより光情報を、R、
G、B光成分に分離し、平行光として取り出しR、G、
B分解した情報記録媒体3セットで1コマを形成する
か、または1平面上にR、G、B像を並べて1セットで
1コマとすることにより、カラー撮影することもでき
る。
【0065】また、レーザーによる記録方法としては、
光源としてはアルゴンレーザー(514.488n
m)、ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)、半導
体レーザー(780nm、810nm等)が使用でき、
画像信号、文字信号、コード信号、線画信号に対応した
レーザー露光をスキャニングにより行うものである。画
像のようなアナログ的な記録は、レーザーの光強度を変
調して行い、文字、コード、線画のようなデジタル的な
記録は、レーザー光のON−OFF制御により行う。ま
た画像において網点形成されるものには、レーザー光に
ドットジェネレーターON−OFF制御をかけて形成す
るものである。
【0066】情報記録が終了した段階で、光センサー部
1と情報記録部3とは、剥離される。上述したように、
光センサー部1と情報記録部3との剥離を容易にするた
めに、基板の少なくとも一方は可撓性を有するプラスチ
ック基板とするとよい。また、中間層が固体状である場
合には、剥離した場合、情報記録層、光導電層のいずれ
か一方にその中間層が接着した形で剥離させるとよく、
中間層を形成する材料を適宜選択することにより、情報
記録層と光導電層に対する接着性、剥離性を適宜制御す
るとよい。ポリビニルアルコール層を中間層とすると、
情報記録媒体への情報記録後、情報読取りのために光セ
ンサー部1を剥離する際、中間層と光導電層との間で良
好に剥離し、中間層は情報記録部側に付いて剥離してい
く。
【0067】このように、本発明の情報記録媒体は、情
報記録後に情報記録層を有する部分を光センサー部から
剥離して情報再生を行うものであるが、その他、情報記
録部の剥離箇所を光センサー部における電荷発生層と電
荷輸送層との間としてもよい。例えば光導電層が無機系
の積層型光導電層であり、また、中間層として情報記録
層、電荷輸送層双方と接着性を有する材料で形成するこ
とにより、電荷発生層と電荷輸送層との間から剥離させ
ることができる。これにより、電荷発生層における着色
性による障害を無くすことができ、良好な情報再生を可
能とする。
【0068】次に、情報記録部に記録された情報を、透
過光により再生する場合について、図3に示す。情報が
記録された部位では液晶が電界方向に配向しているため
に光Aは透過するのに対して、情報を記録していない部
位においては光Bは散乱し、情報が記録された部位との
コントラストがとれる。この記録は、透過光により目視
による読み取りが可能であり、投影機により拡大して読
み取ることもでき、レーザースキャニング、或いはCC
Dを用いて電気的に読み取りをすることで高精度で情報
を読み取ることができる。必要に応じてシュリーレン光
学系を用いることにより散乱光を防ぐことができる。更
に、反射光により読み取ることもできるが、コントラス
トが問題になる場合には、何れかの層に光反射層を設け
るとよい。
【0069】また、情報記録媒体は、その使用態様に応
じて適宜の大きさにその層幅方向に切断されて使用され
るが、情報記録層の切断面においては情報記録層内部が
露出し、保存時において液晶相の滲み出しが生じる。こ
の滲み出し現象が生じると、情報記録をした際、その情
報記録媒体の端部において正確な情報記録ができないと
いう問題が生じる。これを防止するためには、情報記録
媒体を適宜形状に切断した後、その切断面に樹脂層を塗
布法またはラミネート法により同様に積層し、その切断
面を保護するとよい。
【0070】また、情報記録層は、静電情報を液晶の配
向により可視化した状態で記録するものであるが、液晶
としてスメクチック液晶を使用することにより、一旦配
向し、可視化した情報は消去せず、メモリ性が付与され
る。メモリーを消去するには等方相転移付近の高温に加
熱するとよく、再度情報記録に使用することができる。
【0071】
【作用及び発明の効果】本発明の情報記録媒体は、その
情報記録部が光センサー部と一体化しており、それ自体
で情報記録が可能であり、シェーディング等のない高精
度の情報を容易に記録することができるが、情報記録後
は、情報記録部は光センサー部とは剥離されるので、光
導電層によりコントラストが低下することがなく、高精
度で情報再生できるものである。
【0072】以下、実施例を説明するが、実施例中、
「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0073】
【実施例1】酸化インジウム錫(ITO)膜を2000
Åの膜厚でスパッタ法により成膜した膜厚175μmの
PETフィルムの電極側に、 ・多官能モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、東亜合成化学 社製、M−400、分子量/官能基=117) ・・・ 40部、 ・光硬化開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ ン、チバ・ガイギー社製:商品名ダロキュア1173) ・・・ 2部、 ・スメクチック液晶(メルク社製:S−6) ・・・ 60部、 ・界面活性剤(住友3M社製:商品名フロラードFC−430)・・ 3部 をキシレン(純正化学(株)製、試薬特級)105部中
に均一に溶解した溶液をブレードコーターを用いて塗布
し、50℃、3分間乾燥し、次いで50℃で3分間減圧
乾燥させた後、直ちに1600mJ/cm2 のUV光を
照射して、膜厚が6μmの情報記録部を得た。
【0074】なお、情報記録層上に上部電極として、I
TO膜をスパッタ法で約500Åの膜厚で成膜し、両電
極間に端子を取り付け、直流電圧400Vを0.1秒印
加して、情報記録層における電圧印加前後のコントラス
トを検討した。電圧印加前はの633nmの波長光での
透過率は40%であったが、電圧印加後は90%であ
り、コントラス比の優れるものであった。
【0075】(光センサー部の作製) ・電荷発生剤として下記構造
【0076】
【化1】
【0077】を有するフルオレノンアゾ顔料(日本感光
色素社製)3部、ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイ
ロン200)1部、1,4−ジオキサン:シクロヘキサ
ノン=1:1の混合溶媒を使用して、固形分2%とした
100g溶液を、ペイントシェーカーで充分分散して塗
工液とし、膜厚500Å、抵抗値80Ω/cm2のIT
O膜を有するガラス基板のITO側に、2ミルのギャッ
プのブレードコーターを使用して塗布し、100℃、1
時間乾燥して、膜厚0.3μmの電荷発生層を積層し
た。
【0078】この電荷発生層上に、電荷輸送剤として下
記構造
【0079】
【化2】
【0080】のパラジメチルスチルベンを25部、ポリ
スチレン樹脂(デンカ社製、HRM−3)5部、1,
1,2−トリクロロエタン102部、ジクロロメタン6
8部とを混合した塗工液を、ブレードコーターを使用し
て塗布し、80℃、2hr乾燥して電荷輸送層を積層
し、電荷発生層と電荷輸送層とからなる膜厚20μmの
光導電層を設け、光センサー部を得た。
【0081】次に、上記で作製した情報記録部(上部電
極を設けないもの)における情報記録層上に、液状の住
友3M社製:商品名フロリナートFC−71(25℃で
の体積抵抗率1015Ω・cm)を塗布量が0.5g/m
2 で塗布し、その塗布面上に、上記で作製した光センサ
ー部を積層し、本発明の情報記録媒体を作製した。
【0082】次に、光センサー部側を正、情報記録部側
を負として、800Vの直流電圧を印加した。電圧印加
状態で、光センサー側から照度1000ルックスのハロ
ゲンランプを光源とする露光を0.1秒間行い、情報記
録を行なった後、粘着テープを利用して情報記録部を光
センサー部から剥離した。情報記録部表面を揮発性の高
い弗素系溶剤である住友3M社製「フロリナートFC−
75」で洗浄して中間層を除去した後、乾燥させた。
【0083】露光部における、633nmの波長光での
透過率は、90%となり、コントラストの優れるもので
あった。
【0084】また、露光方法として通常のカメラを使用
し、800Vの電圧印加状態で露出f=1.4、シャッ
タースピード1/60秒で屋外、昼間の被写体撮影を行
った。露光後、情報記録部を取り出したところ、ノイズ
のない、諧調性を有する画像を透視できた。また、この
情報記録部をCCDラインセンサーを用いたスキャナー
により読み取り、更に、昇華プリンターで出力した結
果、諧調性を有し、高解像度のハードコピーが得られ
た。
【0085】
【実施例2】実施例1における中間層に代えて、弗素系
のオリゴマーであるダイキン社製「デムナムS−20
0」(25℃での体積抵抗率1018Ω・cm)を使用
し、同様に情報記録部と光センサー部とを積層し、同様
に情報記録媒体を作製した。この情報記録媒体に、実施
例1同様に情報記録を行なったところ、同様の結果が得
られた。
【0086】
【実施例3】実施例1における中間層に代えて、超純水
(25℃での体積抵抗率1012Ω・cm)を使用し、同
様に情報記録部と光センサー部とを積層し、同様に情報
記録媒体を作製した。この情報記録媒体に、実施例1同
様に情報記録を行なったところ、同様の結果が得られ
た。
【0087】
【実施例4】 (光センサー部の作製) ・電荷発生剤として上記〔化1〕の構造を有するフルオ
レノンアゾ顔料(日本感光色素社製)3部、ポリエステ
ル樹脂(東洋紡社製、バイロン200)1部、1,4−
ジオキサン:シクロヘキサノン=1:1の混合溶媒を使
用して、固形分2%とした100g溶液を、ペイントシ
ェーカーで充分分散して塗工液とし、膜厚500Å、抵
抗値100Ω/cm2のITO膜を有するガラス基板の
ITO側に、2ミルのギャップのブレードコーターを使
用して塗布し、100℃、1時間乾燥して、膜厚0.3
μmの電荷発生層を積層した。
【0088】この電荷発生層上に、電荷輸送剤として上
記〔化2〕の構造のパラジメチルスチルベンを25部、
ポリスチレン樹脂(デンカ社製、HRM−3)5部、
1,1,2−トリクロロエタン102部、ジクロロメタ
ン68部とを混合した塗工液を、ブレードコーターを使
用して塗布し、80℃、2hr乾燥して電荷輸送層を積
層し、電荷発生層と電荷輸送層とからなる膜厚20μm
の光導電層を設け、光センサー部を得た。
【0089】(中間層の形成)光センサーにおける光導
電層上に、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業
(株)製、AH−26、鹸化度97モル%〜98.8モ
ル%、重合度1500以上)5部をイオン交換水95部
中に溶解した溶液を、スピンコーティング法により塗布
し、80℃、1時間乾燥させて1μm厚の中間層を得
た。
【0090】(情報記録層の形成)この中間層上に、 ・多官能モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、東亜合成化学 社製、M−400、分子量/官能基=117) ・・・ 50部、 ・光硬化開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ ン、チバ・ガイギー社製:商品名ダロキュア1173) ・・・ 2.5部、 ・スメクチック液晶(メルク社製:S−6) ・・・ 50部、 ・ネマチック液晶(メルク社製:BL−066) ・・・ 5部、 ・界面活性剤(住友3M社製:商品名フロラードFC−430)・・ 1部 をキシレン(純正化学(株)製、試薬特級)108部中
に均一に溶解した溶液をブレードコーターを用いて塗布
し、47℃、3分間乾燥し、次いで3分間減圧乾燥させ
た後、直ちに1600mJ/cm2 のUV光を照射し
て、膜厚が6μmの情報記録部を得た。
【0091】次いで、この情報記録層上に上部電極とし
て、ITO膜をスパッタ法で1000Åの膜厚で成膜
し、本発明の情報記録媒体を作製した。
【0092】次に、光センサー部側を正、情報記録部側
を負として、情報記録装置に組み込み、600Vの直流
電圧を印加した。電圧印加状態で、光センサー側から照
度1000ルックスのハロゲンランプを光源とする露光
を0.1秒間行い、情報記録を行ない、露光終了後、粘
着テープを使用して情報記録部を光センサー部から剥離
したところ、光導電層−中間層間がきれいに剥離した。
【0093】露光部における、633nmの波長光での
透過率は、90%となり、また、未露光部における透過
率は45%であり、コントラストの優れるものであっ
た。
【0094】また、露光方法として通常のカメラを使用
し、800Vの電圧印加状態で露出f=1.4、シャッ
タースピード1/60秒で屋外、昼間の被写体撮影を行
った。露光後、情報記録部を取り出したところ、ノイズ
のない、諧調性を有する画像を透視できた。また、この
情報記録部をCCDラインセンサーを用いたスキャナー
により読み取り、更に、昇華プリンターで出力した結
果、諧調性を有し、高解像度のハードコピーが得られ
た。
【0095】
【実施例5】上記の実施例4における情報記録媒体にお
いて、上部電極としてITOにかえてアルミニウムをス
パッタ法で1000Åの膜厚で成膜し、実施例4同様
に、本発明の情報記録媒体を作製した。
【0096】実施例4同様に、情報記録した後、光セン
サーを剥離したところ、アルミニウムが反射膜となり、
情報記録層における記録が反射読取りにより確認でき
た。
【0097】
【比較例1】実施例1における中間層に代えて、熱硬化
型樹脂であるビスフェノールA(商品名エピコート82
8、油化シェルエポキシ(株)製)と脂肪族硬化剤(商
品名B−002)の混合液を同様に塗布した後、同様に
情報記録媒体と光センサーとを積層し、60℃に加熱し
て硬化させた。この媒体では光センサーとの剥離ができ
ないものである。
【0098】このものを使用し、実施例1同様に情報記
録を行なった。未露光部では633nmの波長光での透
過率は20%であったが、露光部における透過率は30
%となり、コントラスト比の悪いものであった。
【0099】
【比較例2】実施例4における中間層に代えて、ポリビ
ニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、KP−0
6、鹸化度71モル%〜75モル%、重合度1000以
下)5部をイオン交換水95部中に溶解した溶液を、ス
ピンコーティング法により塗布し、80℃、1時間乾燥
させて1μm厚の中間層とし、更に実施例4同様にして
情報記録層を積層したが、情報記録層にピンホールや光
導電層側からの感光性物質の染みだしによる汚染等の欠
陥を生じた。また、その情報記録層上に電極層を同様に
設け、実施例4同様に情報記録媒体を作製し、同様に情
報記録を行い、同様にして情報記録部を光センサー部か
ら剥離したが、中間層が光導電層と一部で接着し、良好
に剥離できず、また、情報記録層表面にも、一部中間層
が接着しており、情報再生にあたって、ノイズが発生し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の情報記録媒体の断面を示す模
式図である。
【図2】図2は、本発明の情報記録媒体への情報記録方
法を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の情報記録媒体の情報記録部に
おける記録情報の再生方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1は光センサー部、3は情報記録部、11は情報記録
層、13、13′は電極層、14は光導電層、15、1
5′は基板、18は情報光、Aは透過光、Bは散乱光で
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極層、光導電層、中間層、液晶相及び
    紫外線硬化型樹脂相とからなる情報記録層、電極層を順
    次設けた情報記録媒体において、少なくとも前記情報記
    録層及び電極層からなる情報記録部を剥離可能に積層と
    したことを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 中間層が、液状の弗素含有有機化合物層
    である請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 液状の弗素含有有機化合物が、重量平均
    分子量が10000以下のオリゴマーである請求項2記
    載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 中間層が、水溶性樹脂層である請求項1
    記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール樹
    脂である請求項4記載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 ポリビニルアルコール樹脂における鹸化
    度が80モル%以上である請求項5記載の情報記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 電極層、光導電層、中間層、液晶相及び
    紫外線硬化型樹脂相とからなる情報記録層、電極層を順
    次設けた情報記録媒体における両電極間に電圧を印加し
    つつ、情報露光を行なった後、少なくとも前記情報記録
    層及び電極層からなる情報記録部を剥離し、次いで情報
    記録層に記録された情報を、光学的な読取りにより再生
    するか、または電気信号に変換して再生することを特徴
    とする情報記録再生方法。
JP6075607A 1993-04-28 1994-04-14 情報記録媒体及び情報記録再生方法 Pending JPH0713124A (ja)

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JP6075607A JPH0713124A (ja) 1993-04-28 1994-04-14 情報記録媒体及び情報記録再生方法

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JP10245793 1993-04-28
JP5-102457 1993-04-28
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008129480A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Dainippon Printing Co Ltd 光学素子、光学素子の製造方法、および液晶表示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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