JPH07131110A - 半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置の製造方法

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JPH07131110A
JPH07131110A JP27631493A JP27631493A JPH07131110A JP H07131110 A JPH07131110 A JP H07131110A JP 27631493 A JP27631493 A JP 27631493A JP 27631493 A JP27631493 A JP 27631493A JP H07131110 A JPH07131110 A JP H07131110A
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JP
Japan
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layer
type inp
semiconductor
type
semiconductor laser
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JP27631493A
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English (en)
Inventor
Yuji Okura
裕二 大倉
Shinji Senba
真司 船場
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Publication of JPH07131110A publication Critical patent/JPH07131110A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダブルチャネル埋込ヘテロ型半導体レーザ装
置の製造方法において、簡単な方法で確実に、メサスト
ライプ側面部のn型埋込層と、活性層上部の上クラッド
層とが接触するのを防止する。 【構成】 n型InP第1埋込層7を形成した後、メル
トバック現象を利用してメサストライプ側面上端部30
を除去して、第2埋込層7と、上クラッド層4の先端と
を遠ざけ、そののち第3埋込層8を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体レーザ装置の
製造方法に関し、特に、再現性良く良好な高出力特性を
有する埋込ヘテロ構造の半導体レーザ装置を製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は例えばエレクトロニクスレター
ズ,24巻,24号,1500〜1501頁(1988
年)(Electronics Letters, Vol.24, No.24, pp.1500-
1501(1988))に掲載された従来例1のInP系のダブル
チャネル埋込ヘテロ型(Double-Channel Buried-Heteros
tructure: DCBH) 半導体レーザの主要部を示す断面
図であり、図において、201はp型InP基板、20
2はp型InPクラッド層、203はアンドープInG
aAsP活性層、204はn型InP第1上クラッド
層、205はp型InP埋込層、206はn型InPブ
ロック層、207はp型InPブロック層、208はn
型InP第2上クラッド層、209はn型InGaAs
Pコンタクト層である。また210はp側電極、211
はn側電極である。なお、上記文献では回折格子を含む
光ガイド層を活性層上に備えたものを掲載しているが、
この図では光ガイド層は省略している。
【0003】図5は図4に示す半導体レーザの製造方法
における光導波路形成工程を示す断面工程図であり、図
において、図4と同一符号は同一又は相当部分であり、
215はネガ型レジストである。
【0004】次に、従来半導体レーザの製造方法におけ
る光導波路の形成工程を図5に沿って説明する。まず、
結晶方位として{100}面を表面としたp型InP基
板201上に例えば有機金属気相成長(MOCVD)法
を用いて、図5(a) に示すように、層厚約1μmのp型
InP層202,層厚約0.1μmのInGaAsP活
性層203,及び層厚約1μmのn型InP第1上クラ
ッド層204を順次エピタキシャル成長する。
【0005】次にn型InP第1上クラッド層204上
にネガ型レジスト215を塗布し、これを写真製版等に
よりパターニングして、図5(b) に示すような、〈01
1〉方向にのびる、幅約6μmのストライプパターンを
形成する。ここで、結晶成長を行なったウエハは、上述
のストライプパターン形成工程に移行するまでの間に結
晶成長層の最上層(n型InP第1上クラッド層20
4)表面上に酸化膜が形成される。従って、結晶表面を
フッ酸処理して、表面の酸化膜を除去した後に上述のレ
ジスト塗布を行なう。
【0006】ストライプパターン形成工程に続いて、パ
ターン開口部を臭素(Br)−メタノール混合液で活性
層の下までエッチングすることにより、図5(c) のよう
に活性層の幅が1〜2μmの光導波路を形成する。
【0007】次に、レジストを除去した後、液相エピタ
キシャル成長(LPE)法により図5(d) に示すよう
に、p型InP埋込層205,n型InPブロック層2
06,及びp型InPブロック層207を光導波路の両
サイドの基板201上に光導波路を埋め込むように順次
エピタキシャル成長する。
【0008】この後ウエハ全面にn型InP第2上クラ
ッド層208,n型InGaAsPコンタクト層209
を順次エピタキシャル成長する工程、基板201裏面,
コンタクト層209表面にそれぞれp側電極210,n
側電極211を形成する工程等を経て、図4に示す半導
体レーザが完成する。
【0009】また、図6は図5に示した製造方法で生じ
やすいp型InPブロック層のリッジ上部への成長を防
止するために考案された製造方法の工程別断面図であ
る。この方法では、p型InP基板201上にp型In
Pバッファ層202,InGaAsP活性層203,n
型InPクラッド層204を結晶成長した後(図6
(a))、SiO2 膜216をスパッタ法等で成膜し、S
iO2 膜216を図6(b) に示すように〈011〉方向
のストライプ状にパターニングした後、これをマスクと
して上記と同様のエッチング液により〈011〉方向に
リッジストライプを作製する(図6(c) )。
【0010】その後、SiO2 マスク216を残した状
態でp型InP埋込層205,n型InPブロック層2
06,p型InPブロック層207をSiO2 マスク2
16で覆われていない領域に成長する(図6(d) )。
【0011】この後、SiO2 マスク216をフッ化水
素(HF)で除去し、図5の製造方法と同様、ウエハ全
面にn型InP第2上クラッド層208,n型InGa
AsPコンタクト層209を順次エピタキシャル成長す
る工程、基板201裏面,コンタクト層209表面にそ
れぞれp側電極210,n側電極211を形成する工程
等を経て、図4に示す半導体レーザが完成する。
【0012】次に動作について説明する。図4に示され
た半導体レーザに順バイアス電圧を印加し、電流を流す
ことにより、n型InP上クラッド層204より電子
が、またp型InP下クラッド層202よりホールが、
InGaAsP活性層203に注入され、InGaAs
P活性層203中で電子とホールが発光再結合すること
により、レーザ発振が生じる。p型InP埋込層20
5,n型InPブロック層206,及びp型InPブロ
ック層207は、InGaAsP活性層203側部をI
nGaAsP活性層203より屈折率の小さいInP結
晶で埋め込むことにより活性層203で発生した光を活
性層203内に有効に閉じ込めること、およびn型In
Pブロック層206とp型InPブロック層207によ
り逆バイアス接合を形成することにより電流狭窄を行
い、活性層203へ効率よく電流を注入することを目的
として形成されたものである。
【0013】しかしながら、図4に示された半導体レー
ザ構造では、図7に示すように、p型InP基板20
1,p型InP埋込層205,n型InPクラッド層2
04からなる経路(第1の無効電流経路)は順バイアス
接合のみで形成されているため、レーザに注入された電
流のすべてがInGaAsP活性層203に注入される
のではなく、InGaAsP活性層203を通らず、上
記経路を流れるレーザ発振に寄与しない無効電流が存在
する。この無効電流の存在はレーザの発振しきい値や最
大出力,温度特性等に大きな影響を与える。また、流れ
る無効電流の量は上記経路の抵抗に依存する。従って、
無効電流が少なく、特性のよい半導体レーザを得るに
は、上記経路の抵抗を高くすることが必要で、そのため
には、活性層203側面のp型InP埋込層205の厚
さを薄く制御し、活性層203とn型InPブロック層
206間の距離を小さくし、上記第1の無効電流経路の
幅(以下、リークパス幅とも記す)を狭くすることによ
り上記経路の抵抗を高くする必要がある。
【0014】また、n型InPブロック層206とn型
InPクラッド層204が接触した場合においては、図
8に示すように、上記経路以外にp型InP基板20
1,n型InPブロック層206,n型InPクラッド
層204という順バイアス接合のみからなる第2の無効
電流経路が発生する。このn型InPブロック層206
とn型InPクラッド層204の接触はリッジ部上端部
側面のp型InP埋込層205の厚さが少ないほど発生
しやすい。即ち、上述の第1の無効電流経路の抵抗を高
くするため、活性層203の側面のp型InP埋込層2
05の厚さを薄くすると、同時にリッジ部上端部のp型
InP埋込層205の厚さも薄くなり、n型InPブロ
ック層206とn型InPクラッド層204とが接触
し、上記第2の無効電流経路が生じることとなる。
【0015】従って、従来の半導体レーザの製造方法に
おいては、無効電流が少なく、特性のよい半導体レーザ
を得るには、p型InP埋込層205の成長厚さを厳密
に制御しなければならない。
【0016】しかしながら、従来の半導体レーザの製造
に用いられているLPE法による結晶成長では、成長層
の厚さ制御性が十分でなく、そのため無効電流の少ない
良好な特性の半導体レーザが得られないという問題があ
った。
【0017】また、膜厚制御性の優れたMOCVD法で
の結晶成長は、n型InPブロック層206とn型In
Pクラッド層204を接触させずに成長できるかどうか
が未知であり、適用されていない。
【0018】さらに、図6に示す製造方法においては、
SiO2 膜216をマスクとし、エッチングによりリッ
ジストライプを作製した場合、SiO2 膜216の上ク
ラッド層204に対する密着性が高いことから、マスク
下での横方向のエッチングが進まず、図9に示すよう
に、リッジ上端部側面が(111)A面からなる逆メサ
構造となる。そして、エッチング工程後のLPE工程で
は、(111)A面からなるリッジ上端部側面にはp型
InP埋込層205の成長が進まず、その結果、図10
に示すようにn型InPブロック層206とn型InP
クラッド層204が接触し、上述の第2の無効電流経路
が発生し、良好な特性の半導体レーザが得られない。ま
た、この製造方法では、結晶成長後の平坦性が悪く、そ
の後の電極形成等のプロセスが困難となり、レーザの歩
留りが低下するという問題があった。
【0019】このリッジ上端部側面が(111)A面か
らなる逆メサ構造になることによる問題は、フォトレジ
スト215をマスクとし、リッジ形成を行った場合にお
いても生ずる。この問題について以下説明する。
【0020】上述のような光導波路の形成では、図5
(c) におけるエッチング工程で形成される光導波路の断
面形状は、即ち〈011〉方向のストライプ状パターン
をマスクとしてBr−メタノール混合液をエッチャント
として用いた場合のエッチング形状はn型InP上クラ
ッド層204表面に対するレジストの密着性に依存す
る。図5(d) に示すような所望の埋込電流ブロック層の
形状を得るためには、エッチング工程で形成される光導
波路の断面形状が図5(c) に示すようななだらかな山状
(順メサ形状)である必要があるが、これは上クラッド
層204表面に対するレジストの密着性が低い場合に、
マスク下において横方向にサイドエッチングが進む結
果、得られる形状である。一方、レジストの密着性が高
い場合、マスク下におけるサイドエッチング量が少ない
ため、光導波路は図9に示すような逆メサ形状となる。
このような形状にエッチングされたウエハに図5(d) に
示すLPE法による埋込電流ブロック層のエピタキシャ
ル成長を行なうと、逆メサとなっている部分での成長速
度が遅く、図10に示すように、n−InPブロック層
206がn−InP上クラッド層204と接触した構造
となり、このような構造となった場合、上述のように、
第2の無効電流経路の形成によりレーザ動作時における
リーク電流が増大する。
【0021】また、図11は例えば特開昭63−169
088号公報に示された従来例2の半導体レーザの構造
を示す断面図である。図において221はp型InP基
板である。p型InPバッファ層222は基板221上
に配置され、InGaAsP活性層223はバッファ層
222上に配置され、n型InP第1上クラッド層22
4は活性層223上に配置される。第1上クラッド層2
24,活性層223,及びバッファ層222の一部はエ
ッチングによりメサストライプ構造225に成形されて
いる。p型InP第1埋込層226はメサストライプ構
造225の側壁上に配置され、n型InP第2埋込層2
27は第1埋込層226上に配置され、p型InP第3
埋込層228は第2埋込層227上に配置される。n型
InP第2上クラッド層229はメサストライプの頂上
部,及び第3埋込層228上に配置される。
【0022】このような構造の半導体レーザは、上述し
たように、従来、p型InP基板221上にバッファ層
222,活性層223,及び第1上クラッド層224を
順次結晶成長し、エッチングにより第1上クラッド層2
24,活性層223,及びバッファ層222の一部をメ
サストライプ状に成形した後、液相エピタキシャル成長
(LPE)法によりメサストライプの両サイド上にp型
InP第1埋込層226,n型InP第2埋込層22
7,p型InP第3埋込層228を順次結晶成長させ、
メサストライプを埋め込み、さらにウエハ表面全面に第
2上クラッド層229を結晶成長して作製している。
【0023】次に動作について説明する。図11に示さ
れた半導体レーザにおいて、p型InP基板221及び
n型InP上クラッド層229の両端に順バイアス電圧
を印加すると、それぞれのキャリアであるホールと電子
がInGaAsP活性層223に注入されInGaAs
P活性層223中で発光再結合することによりレーザ発
振が生じる。p型InP第1埋込層226,n型InP
第2埋込層227,p型InP第3埋込層228は、上
述したように、InGaAsP活性層223側部をIn
GaAsP活性層223より屈折率の小さいInP結晶
で埋め込むことにより活性層223で発生した光を活性
層223内に有効に閉じ込めること、及びn型InP第
2埋込層227とp型InP第3埋込層228により逆
バイアス接合を形成することにより電流狭窄を行ない活
性層223に効率よくキャリアを注入することを目的と
して形成されたものである。
【0024】しかしながら図11に示された半導体レー
ザでは、n型InP第1上クラッド層224とn型In
P第2埋込層227とがつながっているため、図12に
示すように、p型InP基板221からn型InP第2
埋込層227を通り、n型InP第1上クラッド層22
4へ続く第1の無効電流経路230が形成される。活性
層223へ流れずこの無効電流経路230を流れる電流
量は、活性層部のヘテロ接合でのビルトインポテンシャ
ルが無効電流経路230中のホモ接合のビルトインポテ
ンシャルより小さいため、低出力でレーザを駆動する場
合は問題となるほど多くはないが、高出力で動作させる
場合においては大きな問題となる。
【0025】従ってレーザの高出力を実現する上では、
n型InP第1上クラッド層224とn型InP第2埋
込層227とを分離することが不可欠である。この分離
を実現するための方法について特開昭63−20298
5号公報に一例が示されている。この公報により示され
ている分離方法は、図13に示すようにn型InP第2
埋込層227と、p型InP第1埋込層226またはp
型InP第3埋込層228との間での不純物の相互拡散
を利用し、n型InP第2埋込層227の先端部をp型
に反転してp型反転領域227′を形成し、n型InP
第1上クラッド層224とn型InP第2埋込層227
とを電気的に分離するものである。
【0026】しかしながらこの方法では各埋込層22
6,227,228の設計に制限が生じる。活性層22
3へ効率よく電流を注入するために設けられた各埋込層
226,227,228及びn型InP第2上クラッド
層229により形成されたpnpnサイリスタ構造から
なる電流狭窄構造においては、レーザの高出力化を実現
するためにはpnpnサイリスタ構造の耐圧が高いこと
が重要であり、そのためにはn型InP第2埋込層22
7のキャリア濃度を高くしp型InP第1埋込層226
から注入されるホールをn型InP第2埋込層227で
電子と再結合させ、p型InP第3埋込層228へのホ
ールの注入を防ぐ必要がある。しかし上述した不純物の
相互拡散を用いたレーザの製造方法では、n型InP第
2埋込層227のキャリア濃度を高くした場合、n型I
nP第2埋込層227の先端をp型に反転させるために
は、p型InP第1埋込層226またはp型InP第3
埋込層228のキャリア濃度も高くしなければならな
い。一般的に用いられるZnをp型不純物とした場合、
p型キャリア濃度を3×1018cm-3以上にすることは困
難であり、そのためn型InP第2埋込層227のキャ
リア濃度を高くした場合、n型InP第2埋込層227
の先端をp型に反転させることができなくなる。
【0027】また、n型InP第1埋込層227の先端
をp型に反転させるためにp型InP埋込層226,2
28のキャリア濃度を高くすると、不純物の拡散がn型
InP第2埋込層227へのみならず活性層223へも
生じるため、フリーキャリア吸収により活性層223か
ら出た光の吸収損失が増加し発振しきい値を増大させる
という問題も生ずる。
【0028】従ってこの製造方法ではn型InP第2埋
込層227のキャリア濃度を十分高くはできず、pnp
nサイリスタ構造の耐圧を高くすることができないとい
う問題点があった。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】以上よりわかるよう
に、従来のp型基板を用いた埋込ヘテロ構造半導体レー
ザでは、良好な高出力特性をもつレーザを得るために
は、n型InP第2埋込層7のキャリア濃度を高くする
とともに、n型InP第1上クラッド層4とn型InP
第1埋込層7とを分離しなければならないが、従来の不
純物の相互拡散を用いた製造方法では、n型InP第1
埋込層7のキャリア濃度を十分高くすることはできず、
良好な特性のレーザを再現性よく作製することができな
いという問題点があった。
【0030】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、再現性よく良好な高出力特性を
もつ埋込ヘテロ構造の半導体レーザを製造する,半導体
レーザ装置の製造方法を得ることを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体レ
ーザ装置の製造方法は、第1導電型の基板上にストライ
プ形状に成形された活性層を含む半導体多層膜の側部
に、第1導電型の第1半導体埋込層,第2導電型の第2
半導体埋込層を順次形成し、続いてメサストライプ側面
部の上端のみを除去した後、上記第2導電型の第2半導
体埋込層上に第1導電型の第3半導体埋込層を形成する
ことにより、活性層上部に形成された第2導電型上クラ
ッド層と、上記第2導電型の第2半導体埋込層との接触
を防止するようにしたものである。
【0032】また、上記半導体多層膜の側部に半導体埋
込層を形成する工程を液相エピタキシャル成長法を用い
て行い、かつ上記メサストライプ側面部の上端のみを除
去する際に、メルトバック法を用いるようにしたもので
ある。
【0033】
【作用】この発明においては、メサストライプ側面部上
端のみを除去することにより、第2導電型の第2半導体
埋込層を形成したときに、これが活性層上部に形成され
た第2導電型の上クラッド層と接触するのを防止するこ
とができる。
【0034】また、上記メサストライプ側面部上端のみ
を除去する工程にメルトバック法を利用することで、液
相エピタキシャル成長工程の一過程として上記除去処理
を行うことができる。
【0035】
【実施例】実施例1.図1は本発明の一実施例による半
導体レーザ装置の製造方法を示す断面工程図であり、以
下、図1を用いて本実施例1の製造方法について説明す
る。まず、図1(a) に示すように、厚さ300μmのp
型InP基板1上に、例えば有機金属気相成長(MOC
VD)法を用いて、厚さ2.5〜3μmのp型InPバ
ッファ層2,厚さ0.1μmのInGaAsP活性層
3,厚さ1μmのn型InP第1上クラッド層4を順次
積層させる。
【0036】次に、通常のフォトリソグラフィの手法に
よりパターニングを行い、Br2 −CH3 OH混合液を
用いてエッチングすることにより、深さ4μmのメサス
トライプ5(ストライプの方位は、〈110〉方向)を
形成する。またこのときのストライプの上面幅は約1.
5μmとなっている。この状態を図1(b) に示す。
【0037】次に、LPE法を用いて上記メサストライ
プ5の側部にp型InP第1埋込層6,n型InP第2
埋込層7,p型InP第3埋込層8を、ウェハ全面にn
型InP第2上クラッド層9,n型InGaAsPコン
タクト層28を順次形成する。このとき、p型InP第
3埋込層8の形成する前にメサストライプ側面上端部3
0を後述するメルトバック現象を用いて除去することに
より、n型InP第2埋込層7と、n型InP第1上ク
ラッド層4とを確実に分離する。この状態を図1(c) に
示す。
【0038】その後、ウェハ裏面(p型InP基板)に
p側電極100を形成し、ウェハ表面(n型InPコン
タクト層28)上にn側電極200を形成し、(11
0)面がファブリペロー(Fabry Perot) 共振器の共振器
面となるようにへき開することによりレーザを作製す
る。図2にこの方法により作製したレーザ構造の断面図
を示す。
【0039】以下、上記メルトバックによるn型InP
第2埋込層7と、n型InP第1上クラッド層4との分
離について詳細に後述する。図3(a) は、p型InP第
3埋込層8の形成前後の状態を示す図である。また、図
3(b) はp型InP第3埋込層8形成前のメサストライ
プ側面の上端部30をメルトバックした状態を示す図、
図3(c) はメルトバック後にp型InP第3埋込層8を
形成した状態を示す図である。このようにしてn型In
P第2埋込層7と、n型InP第1上クラッド層4とが
確実に分離される。
【0040】次に、メルトバックの機構について説明す
る。一般に、凸部は、平坦部及び凹部に比べ表面積が大
きいため、ポテンシャルエネルギーが大きいことが知ら
れている。従って、結晶がその結晶を溶解し得る溶液と
接触した場合、凸部は平坦部や凹部に比べ容易に溶解す
る。すなわち、溶解現象が生じない程度の高濃度の溶質
を含む溶液(一般にこの状態の溶液を飽和溶液と呼ぶ)
と接触した場合、メルトバック現象は凸部のみで生じ
る。言い換えれば、溶液(本実施例1においては、In
Pを溶解したIn溶液)の飽和度を適当に調整すること
により、凸部のみでメルトバックを生じさせることが可
能となる。このときメサストライプ側面上端部30はメ
ルトバックによりその幅が減少し、約1μm程度にな
る。
【0041】このように本実施例によれば、上述したメ
ルトバック現象を利用して、第3埋込層8を形成する前
にメサストライプ側面上端部30を選択的に除去するよ
うにしたので、第2埋込層7の先端が上クラッド層4先
端から遠ざけられ、従来これらの層が接触してできた無
効電流経路230の発生を防止することができる。また
この方法では、不純物の拡散等を用いていないので、埋
込各層206,207,208のキャリア濃度には制限
は加わらない。従って、無効電流が少なく、高出力特性
等に優れたレーザを再現性良く作製することができる。
【0042】ところで、上記メサストライプ側面上端部
30の除去を一般的なウェットエッチングを用いて行う
方法も考えられるが、このような方法では、LPE成長
過程にあるウェハを一旦外部に取り出す必要があること
から工程が複雑になる,ウェハ面が外気に晒されて汚れ
る等の問題が生じる。これに比べて本実施例のようにメ
ルトバック現象を利用してメサストライプ側面上端部3
0を加工する方法では、LPE成長を利用して連続的に
処理を行うことができ、工程が簡単で、しかもウェハの
汚染等の問題も生じない。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る半導体レ
ーザ装置の製造方法によれば、ダブルチャネル埋込ヘテ
ロ型半導体レーザ装置の製造方法において、メサストラ
イプ側面上端部を選択的に除去するようにしたので、活
性層側部の第2導電型の埋込層と活性層上部の第2導電
型半導体層との距離が遠ざけられ、製造工程を複雑化さ
せることなく、これら2つの層が接触してできる無効電
流経路を防止でき、その結果、無効電流が少ない良好な
特性を有する半導体レーザ装置を再現性よく得ることが
できる効果がある。
【0044】また、上記メサストライプ側面上端部を選
択的に除去する工程をメルトバック法を用いて行うこと
により、上記メサストライプ側部に半導体埋込層を形成
する際の液相エピタキシャル成長の一過程として上記除
去処理を行うことができ、製造方法が簡単で、しかもウ
ェハの汚染等の問題もないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による半導体レーザ装置の
製造方法を示す工程断面図である。
【図2】上記実施例を用いて形成された半導体レーザ装
置の構造を示す断面図である。
【図3】上記実施例による半導体レーザ装置の製造方法
に用いられるメルトバック処理を示す図である。
【図4】従来の半導体レーザ装置の製造方法によって製
造された半導体レーザ装置の構造を示す断面図である。
【図5】従来の半導体レーザ装置の製造工程を示す断面
図である。
【図6】従来の他の方法を用いた半導体レーザ装置の製
造工程を示す断面図である。
【図7】従来の半導体レーザ装置の無効電流経路を説明
するための装置断面図である。
【図8】従来の半導体レーザ装置の無効電流経路を説明
するための装置断面図である。
【図9】従来の半導体レーザ装置の製造方法におけるリ
ッジ形状の一例を示す模式図である。
【図10】図9におけるリッジ形状を埋め込んで形成し
た半導体レーザ装置における無効電流経路を示す図であ
る。
【図11】従来の半導体レーザ装置の構造を示す断面図
である。
【図12】図12に示した半導体レーザ装置の無効電流
経路を示す断面模式図である。
【図13】上記第2の無効電流経路の発生を防止する対
策を施した従来の半導体レーザ装置の構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 p型InP基板 2 p型InPバッファ層 3 InGaAsP活性層 4 n型InP第1上クラッド層 6 p型InP第1埋込層 7 n型InP第2埋込層 8 n型InP第3埋込層 9 n型InP第2上クラッド層 28 n型InGaAsPコンタクト層 100 p側電極 200 n側電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の基板上に順次結晶成長され
    た活性層,及び第2導電型の半導体層をメサストライプ
    状にエッチングする工程と、 該メサストライプ側部に第1導電型の第1半導体埋込
    層,第2導電型の第2半導体埋込層を順次形成する工程
    と、 その後、上記メサストライプの上端部側面部分,及びこ
    の近傍の上記第1導電型の第1半導体埋込層,及び第2
    導電型の第2半導体埋込層を除去する工程と、 上記メサストライプ側部に第1導電型の第3半導体埋込
    層を形成する工程と、 該第1導電型の第3半導体埋込層上,及び上記メサスト
    ライプの上端部上に第2導電型の第4半導体埋込層を形
    成する工程とを含むことを特徴とする半導体レーザ装置
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザ装置の製造
    方法において、 上記メサストライプ側部に第1導電型の第1半導体埋込
    層,第2導電型の第2半導体埋込層を順次形成する工程
    は液相エピタキシャル成長法を用いて行われるものであ
    り、 上記メサストライプの上端部側面部分,及びこの近傍の
    上記第1導電型の第1半導体埋込層,及び第2導電型の
    第2半導体埋込層を除去する工程は、 上記第2導電型の半導体層を構成する元素を溶質として
    含み、かつその飽和度が高い溶液を用いてメルトバック
    するものであることを特徴とする半導体レーザ装置の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006245342A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザの製造方法
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JP2011249766A (ja) * 2010-04-27 2011-12-08 Sumitomo Electric Device Innovations Inc 光半導体装置およびその製造方法

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US9031111B2 (en) 2010-04-27 2015-05-12 Sumitomo Electric Device Innovations, Inc. Optical semiconductor device and method of manufacturing optical semiconductor device

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