JPH07130826A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JPH07130826A
JPH07130826A JP27358193A JP27358193A JPH07130826A JP H07130826 A JPH07130826 A JP H07130826A JP 27358193 A JP27358193 A JP 27358193A JP 27358193 A JP27358193 A JP 27358193A JP H07130826 A JPH07130826 A JP H07130826A
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JP
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dielectric layer
electrostatic chuck
outermost
specific resistance
ωcm
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JP27358193A
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Yutaka Nogami
裕 野上
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Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被吸着物を静電チャックから脱離させた場合
それを従来より容易にできかつ所望の耐電圧を有する静
電チャックを提供する。 【構成】 静電チャック40の、被吸着物15を置くた
めの誘電体層部分43を、下側誘電体層43aとこの上
に積層された最表面の誘電体層43bとで構成する。最
表面の誘電体層を被抵抗が1011Ωcmより大きい材料
で構成する。下側誘電体層を比抵抗が108 Ωcm以上
かつ前記最表面の誘電体層の比抵抗より小さな比抵抗を
有する材料で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被吸着物(例えば半
導体基板や導体基板)を静電気によって吸着する静電チ
ャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電力を利用して目的物を保持する装置
は、静電チャックと称され、種々の分野で利用されてい
る。例えば半導体装置の製造プロセスにおいても、半導
体基板等の被吸着物を静電チャックによって保持する試
みがなされている(例えば、特公平3−51101号公
報、文献I「応用機械工学」89年5月号pp.128
−133。)。
【0003】図3(A)及び(B)は、従来の静電チャ
ックの典型的な2つの例を説明するための断面図であ
る。
【0004】まず、図3(A)は、特公平3−5110
1号公報に開示された静電チャックと基本的に同じ構造
を有する静電チャックの説明に供する断面図である。た
だし、ここでは、バイアス印加で使用されるプラズマ処
理装置に組み込める態様を示してある。この従来の第1
の例の静電チャック10は、導電性材料で構成された例
えば円板状の電極11とその表面に形成された誘電体層
13とを具えている。誘電体層13上に被吸着物15と
しての例えばシリコンウエハが置かれる。また、この場
合は、プラズマ処理装置での使用を考慮しているため、
電極11は、支持体としての機能を有しかつ導電性を有
した電極ベース17上に設けられている。さらに、プラ
ズマ処理時においてRFパワーを被吸着物15に集中さ
せるために、電極11の周囲に絶縁性材料で構成された
リング(絶縁リング)19が設けられている。さらに、
電極ベース17にRF電源21及びDC電源23が接続
されている。ただし、DC電源23にRF電源21側か
らRFパワーが及ぶことを防止するために、DC電源2
3はローパスフィルタ25を介して電極ベース17と接
続されている。
【0005】次に、図3(B)は、上記文献I(特に文
献I中の表1のタイプAの欄)に開示された静電チャッ
クと基本的に同じ構造を有する静電チャックの説明に供
する断面図である。ただし、この場合も、バイアス印加
で使用されるプラズマ処理装置に組み込める態様を示し
てある。なお、図3(B)において図3(A)に示した
構成成分と同様な構成成分は図3(A)で用いた番号と
同じ番号を付してある。この従来の第2の例の静電チャ
ック30は、円板状の電極31とこの電極31が埋め込
まれている誘電体層33とを具える。それ以外は、図3
(A)を用いて説明したものと同様な構成となってい
る。
【0006】このような静電チャック10(30)で
は、電極11(31)と被吸着物15との間に所定電圧
を印加して両者の間にクーロン力を生じさせ、この力に
よって被吸着物を誘電体層13(33)側に固定してい
る。なお、図3(A)、(B)の各構成では、上記電圧
印加はDC電源23によって行える。この際、被吸着物
15はプラズマを介してDC電源23のアースに電気的
に接続されて上記電圧印加のための電気的な系が構成さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な静電チャックでは、誘電体層13(33)の絶縁抵抗
が低いほど電荷の蓄積及び除去が迅速になされるので吸
着力の応答特性が良好になりかつ残留吸着力の問題を低
減できることが知られている。その反面、誘電体層13
(33)の絶縁抵抗が低いほど吸着物に流れる電流(即
ち漏れ電流)が増すことが知られている。また、この漏
れ電流が大きいと半導体装置の製造プロセスにおいては
問題になることが知られている。たとえば、MOS−I
C用ウエハを静電チャックで吸着する場合はこの漏れ電
流大きいとMOS素子を破壊する場合がある等である
(いずれも上記文献Iの第131頁)。このように、静
電チャックの誘電体層の比抵抗は、吸着力の応答特性と
漏れ電流との関係を考慮した場合、トレードオフの関係
にあるのである。そこで、上記文献Iには、現在市販さ
れている静電チャックの誘電体層(13)33の絶縁抵
抗値は、ρ=1013(Ωcm)程度であると記載され、
また、被吸着物(例えば半導体素子)に損傷を与えない
誘電体層13(33)の絶縁抵抗値の下限(文献Iでは
上限とあるがこれは誤記と思われる。)は、ρ=1011
(Ωcm)程度であろうと記載されている。
【0008】しかしながら、誘電体層13(33)の比
抵抗をたとえ上記例示範囲の最低値の1011Ωcmとし
たとしても、蓄積電荷の除去に時間を要し、このため、
被吸着物15(たとえばシリコンウエハ)を静電チャッ
ク10(30)から離脱させるに要する時間が長くなる
ので装置のスループットが低下し易いという問題点があ
った。
【0009】さらに、従来の静電チャック10(30)
はいずれも誘電体層13(33)が単層であるため、誘
電体層13(33)の品質の良否が静電チャックの特
性、耐久性に大きく影響する。具体的にいえば、たとえ
ば、電極11をアルミニウムで構成しこの電極11を陽
極酸化して電極表面にアルマイト層を形成し、このアル
マイト層をもって誘電体層13を構成する場合では、陽
極酸化を行う前の電極11に対する前処理、陽極酸化で
得られた皮膜の微細孔を封じるためなされる封孔処理お
のおのの処理条件のばらつきや、陽極酸化に使用する薬
品の組成ばらつき、状態ばらつきによって、誘電体層1
3の品質が変動し易い。さらに、電極11のエッジ部に
はアルマイト層が形成されにくいので電極11のエッジ
部上の誘電体層部分の厚さは他の部分より薄くなり易い
ため、ここの耐電圧が低くなる。これらのことから、従
来の静電チャックでは特性や耐久性の劣化が生じ易い。
【0010】この発明はこのような点に鑑みなされたも
のであり従ってこの発明の目的は、吸着処理後の被吸着
物の静電チャックからの離脱が従来に比べ容易で、か
つ、所望の耐電圧を有した静電チャックを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明の静電チャックによれば、静電チャック
の、被吸着物を置くための誘電体層部分を、少なくとも
2層の誘電体層で構成し、かつ、これら誘電体層のうち
の最表面の誘電体層の厚さ、誘電率、面積及び比抵抗を
それぞれd、ε、S及びρと表したとき、該最表面の誘
電体層の下記の(1)式で示される電荷蓄積の時定数τ
が、被吸着物をプロセス上の理由から当該静電チャック
に吸着させておきたい時間(以下、「プロセス時間」と
略称する。)に比べ大きくなるように、該最表面の誘電
体層を構成し(好ましくは該最表面の誘電体層の比抵抗
は1011Ωcm以上とする。)、該最表面の誘電体層よ
り下層の誘電体層を、その比抵抗が108 Ωcm以上か
つ前記最表面の誘電体層の比抵抗より小さな比抵抗を有
するものとしてあることを特徴とする。
【0012】 τ=CR=(εS/d)・(ρd/S)=ερ ・・・(1) ここで、時定数τがプロセス時間より大きくなるように
する場合のその程度は、たとえばこの静電チャックが使
用されるプロセスがいかなるものか、及び、最表面の誘
電体層及び誘電体層の各々の比抵抗がどういう関係とす
るか等を考慮し決定すれば良い。これに限られないが、
時定数τをプロセス時間に比べ少なくとも1桁オーダー
程度長くするのが良いと考える。
【0013】また、ここでいうプロセス時間とは、静電
チャックをプラズマ処理装置用とする場合でいえば、プ
ラズマ処理に当たって被吸着物(半導体ウエハ)を静電
チャックに吸着させておく必要がある時間のこと、静電
チャックを露光装置用とする場合でいえば被吸着物(半
導体ウエハ)を露光ステージに固定しておきたい時間の
こと、等である。
【0014】また、この発明において、最表面の誘電体
層より下層の誘電体層部分の比抵抗を論じるに当たり1
8 Ωcmという値を述べているのは、吸着力の応答特
性と漏れ電流とのトレードオフ関係を考慮したことによ
る。つまり、最表面の誘電体層がもしピンホール損傷な
どを受けた場合でも、最表面の誘電体層より下層の誘電
体層が比抵抗108 Ωcm以上のものであると漏れ電流
は被吸着物を損傷しない程度に抑えられると考えられる
からである。具体例でいうと、最表面の誘電体層より下
層の誘電体層の大きさを6インチφ、その厚さを10m
mとし、この誘電体層表裏間に1KVの電圧を印加した
とすると、この誘電体層での漏れ電流は、この誘電体層
の比抵抗が108 Ωcmであるとすると、約2mAとな
る。この漏れ電流は、半導体装置用の静電チャックとし
て実用上許される範囲内になると考えられるためであ
る。一方、最表面の誘電体層より下層の誘電体層が比抵
抗108 Ωcm程度であると蓄積電荷も迅速に除去でき
ると考えられ、被吸着物の静電チャックからの離脱も迅
速にできると考えられるためである。
【0015】
【作用】この発明によれば、誘電体層部分を少なくとも
2層の誘電体層で構成したので、最表面の誘電体層とそ
れより下層の誘電体層とで機能を分離できる。具体的に
は、この発明では、最表面の誘電体層の電荷蓄積の時定
数τ(上記(1)式のごとく該最表面の誘電体層の比抵
抗及び誘電率で決定されるもの)をプロセス時間に比べ
大きくしてあるので、プロセス時間中に最表面の誘電体
層に蓄積される電荷量はこのような考慮をしない場合に
比べ少なくなる。また、最表面の誘電体層より下層の誘
電体層の比抵抗は最表面の誘電体層のそれより小さく
(ただし108 Ωcmよりは大きく)してあるので、プ
ロセス時間中に発生する電荷は、主に、最表面の誘電体
層より下層の誘電体層表面及び被吸着物の裏面に蓄積さ
れるようになる。さらにまた、被吸着物を静電チャック
から外す処理がなされた時は、蓄積されていた電荷は、
最表面の誘電体層より下層の誘電体層が比抵抗が小さい
ので速く除去されるから、被吸着物の静電チャックから
の離脱が従来より容易になる。
【0016】また、漏れ電流は最表面の誘電体層及びそ
れより下層の誘電体層の合成抵抗により規定できる。ま
た、もし最表面の誘電体層がピンホールなどの損傷を受
けても、最表面の誘電体層より下層の誘電体層の比抵抗
が少なくとも108 Ωcmであるのでこの層により漏れ
電流は規定され、また、静電チャックの耐電圧も充分に
確保される。
【0017】また、このような電荷蓄積における単位面
積当たりの蓄積電荷量σは、誘電体層の厚さ、誘電率及
び静電チャツクに印加する電圧をそれぞれd、ε及びV
とすると、周知の通り、σ=εV/dで表され、また、
静電吸着力Fは、周知の通り、F=σ2 /2εで表され
る。したがって、誘電体層の厚さdを調整することによ
り、この誘電体層に蓄積される電荷量とこの静電チャッ
クでの静電吸着力の調整も可能である。
【0018】
【実施例】以下、実施例として、この発明をバイアス印
加で使用するプラズマ処理装置に組み込む静電チャック
に応用した例を、説明する。この説明をいくつかの図面
を参照して行う。しかしながら、説明に用いる図はこの
発明を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状及び配
置関係を概略的に示してあるにすぎない。
【0019】図1は、実施例の静電チャック40の説明
に供する断面図である。この実施例の静電チャック40
は、導電性材料で構成された電極41を具える。さら
に、被吸着物15を置くための誘電体層部分としてこの
場合は2層の誘電体層43a及び43bであって後述の
所定の条件を満たす2層の誘電体層43a,43bで構
成した誘電体層部分43を具える。以下、説明の都合
上、誘電体層部分43のうちの表面側の誘電体層43b
を最表面の誘電体層43bと称し、電極41側の誘電体
層43aを下側誘電体層43aと称する。
【0020】また、この場合、プラズマ処理装置での使
用を考慮しているため、電極41は、支持体としての機
能を有しかつ導電性を有した電極ベース17上に設けて
ある。さらに、プラズマ処理においてRFパワーを被吸
着物15に集中させるために、電極41の周囲に絶縁性
材料で構成されたリング(絶縁リング)19を設けてあ
る。また、電極ベース17にRF電源21及びDC電源
23を接続してある。ただし、DC電源23にRF電源
21側からRFパワーが及ぶことを防止するため、DC
電源23はローパスフィルタ25を介して電極ベース1
7と接続してある。この構成の場合、被吸着物15はプ
ラズマを介してアースに電気的につながれる。そして、
DC電源23をオンすると電極41及び被吸着物15間
にクーロン力が生じるので、被吸着物15は誘電体層4
3a側に固定される。ただし、電極ベース17、絶縁リ
ング19、RF電源21、DC電源23及びローパスフ
ィルタ25は、バイアス印加で使用されるプラズマ処理
装置を考慮したためのものであるから、他の装置にこの
発明の静電チャックを応用する場合はこれらは必ずしも
必須のものでないことは理解されたい。ただし、被吸着
物15と電極41との間に所定電圧を印加するための手
段はこの発明の実施に当たり用意することになる。
【0021】なお、以下の説明の都合上、静電チャック
40、電極ベース17、絶縁リング19、RF電源2
1、DC電源23及びローパスフィルタ25で構成され
る部分を、プラスマ処理装置に適した静電チャック装置
50と称することにする。
【0022】ここで、電極41は任意好適な導電性材料
で構成でき、また、その形状も任意のものとできる。こ
こでは、電極41の形状は円形状としている。
【0023】また、下側誘電体層43aは、その比抵抗
が108 Ωcm以上かつ最表面の誘電体層43aの比抵
抗より小さな比抵抗を有する材料であれば任意好適なも
ので構成できる。ただし、蓄積電荷の除去を迅速にする
ことを考えるなら、なるべく108 Ωcmに近い側の比
抵抗の下側誘電体層43aとするのが好適である。たと
えば、TiO2 を適当量(例えば2〜3%)含んだAl
2 3 は下側誘電体層43aの構成材料として挙げられ
る。なお、この例の下側誘電体層43aは、電極41を
内蔵する構成としている。しかし、下側誘電体層43a
は、電極41を内蔵する態様ではなく、電極41上に形
成された状態のものとしても良い。
【0024】また、最表面の誘電体層43bは、その厚
さ、誘電率、面積及び比抵抗をそれぞれd、ε、S及び
ρと表したとき、最表面の誘電体層43aの下記の
(1)式で示される電荷蓄積の時定数τが、被吸着物1
5をプロセス上の理由で当該静電チャック40に吸着さ
せておきたい時間(プロセス時間)に比べ大きくなるよ
うな構成(ただし、比抵抗は108 Ωcmより大きいも
のとする。)としてある。
【0025】 τ=CR=(εS/d)・(ρd/S)=ερ ・・・(1) この最表面の誘電体層43bの構成材料は任意好適なも
のとできる。たとえば、高純度アルミナ(比抵抗>10
14Ωcm)、透光性アルミナ(比抵抗>1015Ωc
m)、単結晶サファイヤ(比抵抗>1016Ωcm)、ボ
ロンアイトライド(BN:比抵抗>1014Ωcm)、ア
ルミニウムナイトライド(AlN:>1013Ωcm)、
炭化珪素燒結体(たとえば日立化成セラミックス(株)
のヘキサロイ(商品名):比抵抗>1010Ωcm)など
は、最表面の誘電体層43bの構成材料として好適であ
る。なお、下側誘電体層43a及び最表面の誘電体層4
3bはこれに限られないが例えばスパッタ法等の公知の
成膜方法により形成できる。
【0026】この発明の静電チャックの等価回路図は図
2に示したようなものと考えることができる。この図2
においてRa は下側誘電体層43aの抵抗成分、Rb
最表面の誘電体層43bの抵抗成分である。下側誘電体
層43aの比抵抗、厚さ及び面積をそれぞれρa 、da
及びSa とし、最表面の誘電体層43bの比抵抗、厚さ
及び面積をそれぞれρb 、db 及びSb としたとき、こ
れらRa 、Rb は、Ra =(ρa ・da )/Sa であ
り、Rb =(ρb ・db )/Sb である。この等価回路
図を参照してこの発明の静電チャックの動作を説明す
る。ただし、プロセス時間などは以下のように仮定する
ものとする。
【0027】いまプロセス時間を1分とし、最表面の誘
電体層43bの時定数τを前記プロセス時間の10倍の
10分=600秒に設定することを考える。ここで、最
表面の誘電体層43bの比誘電率が10であり、真空の
誘電率が8.854×10-12 Fm-1であるとすると、
上記(1)式を満足するためには、最表面の誘電体層4
3bの比抵抗ρb は、(1)式中のρをρb と置き換え
て、 τ=ερb =10×8.854×10-12 ×ρb =600 ρb =600/(10×8.854×10-12 )[Ωm] =6.8×1014Ωcm となる。ここで下側誘電体層43aの比抵抗ρa をたと
えば108 〜1010Ωcmと仮定したなら、この最表面
の誘電体層43bの比抵抗6.8×1014Ωcmは下側
誘電体層43aのそれに比べ充分に大きい。したがっ
て、DC電源23(図1参照)をオンすると下側誘電体
層43aの容量Ca が先ず充電される。すなわち、DC
電源23(図1参照)をオンすると下側誘電体層43a
の表面に電荷が先ず蓄積される。しかし、ρb >>ρa
なので最表面の誘電体層43bの容量Cb にはプロセス
時間内には電荷はほとんど蓄積されない。また、DC電
源23をオンすると被吸着物15の裏面には、下側誘電
体層43aの表面に生じた電荷と反対の極性の電荷が蓄
積される。被吸着物15と下側誘電体層43aとの間に
生じるクーロン力により被吸着物は静電チャック40に
吸着される。
【0028】また、被吸着物15を静電チャック40よ
り離脱するためにDC電源23をオフすると、下側誘電
体層43aの比抵抗が108 〜1010Ωcmであるの
で、こ誘電体層43aの放電時定数は上記(1)式よ
り、8.854×10-5秒〜8.854×10-3秒とな
るから、下側誘電体層43bに主に蓄積されていた電荷
は迅速に除去される。このため、被吸着物15を静電チ
ャック40より迅速に離脱させることができる。
【0029】また、下側誘電体層43aの比抵抗が10
8 〜1010Ωcmであるので、万一最表面の誘電体層4
3bの損傷が生じてもこの下側誘電体層43aにより漏
れ電流を規定できかつ耐電圧も確保できる。
【0030】なお、上記プラズマ処理装置に適した静電
チャック装置50を有するプラズマ処理装置は以下に説
明するように使用できる。先ず、図示を省略したプラズ
マ処理容器内に周知の方法によりプラズマを生成する。
このプラズマ生成法には、電極ベース17にRFパワー
を容量結合により直接供給する方法も含まれる。次に、
RF電源21及びDC電源23によりRFバイアスパワ
ー及びDCバイアスをそれぞれ印加する。このDCバイ
アスにより静電チャック40は被吸着物15を吸着す
る。所定のプラズマ処理がなされる。被吸着物15を静
電チャック40より離脱するには、RF電源21及びD
C電源23をオフする。なお、被吸着物15の静電チャ
ック40からの離脱速度を早めるために、必要ならば、
緩和放電を所要時間続行して静電チャック40の蓄積電
荷の除去を促進させても良い。
【0031】上述においては、この発明の静電チャック
の実施例について説明したがこの発明は上述の実施例に
限られない。
【0032】例えば上述の実施例ではこの発明をプラズ
マ処理装置に応用する例を示したが、この発明は露光装
置用ステージやウエハ搬送用ステージ等の半導体製造プ
ロセス中のの種々のプロセスやそこで使用される装置に
応用できる。また、半導体分野以外の分野にも応用でき
る。また、上述の実施例では誘電体層部分43を2層の
誘電体43a,43bで構成していたが、必要によって
は3層以上の誘電体で構成しても良い。
【0033】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の静電チャックは、被吸着物を置くための誘電体
層部分を、所定の条件の少なくとも2層の誘電体層で構
成したので、最表面の誘電体層とそれ以外の誘電体層と
で機能を分離できる。このため、吸着力の応答特性と漏
れ電流との両特性を考慮した静電チャツクを実現できる
ので、被吸着物の静電チャックからの離脱が従来より容
易でかつ従来と少なくとも同等の耐久性を示す静電チャ
ックを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の静電チャックの説明図であり、RF電
力印加で使用されるプラズマ処理装置に応用した例を示
した図である。
【図2】実施例の静電チャックの説明図であり、その等
価回路を示した図である。
【図3】(A)及び(B)は従来の静電チャックの説明
図であり、RF電力印加で使用されるプラズマ処理装置
に応用した例を示した図である。
【符号の説明】
15:被吸着物 17:電極ベース 19:絶縁リング 21:RF電源 23:DC電源 25:ローパスフィルタ 40:実施例の静電チャック 41:電極 43:誘電体層部分 43a:下側誘電体層 43b:最表面の誘電体層 50:プラズマ処理装置に適した静電チャック装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な静電チャックでは、誘電体層13(33)の絶縁抵抗
が低いほど電荷の蓄積及び除去が迅速になされるので吸
着力の応答特性が良好になりかつ残留吸着力の問題を低
減できることが知られている。その反面、誘電体層13
(33)の絶縁抵抗が低いほど吸着物に流れる電流(即
ち漏れ電流)が増すことが知られている。また、この漏
れ電流が大きいと半導体装置の製造プロセスにおいては
問題になることが知られている。たとえば、MOS−I
C用ウエハを静電チャックで吸着する場合はこの漏れ電
流が大きいとMOS素子を破壊する場合がある等である
(いずれも上記文献Iの第131頁)。このように、静
電チャックの誘電体層の比抵抗は、吸着力の応答特性と
漏れ電流との関係を考慮した場合、トレードオフの関係
にあるのである。そこで、上記文献Iには、現在市販さ
れている静電チャックの誘電体層(13)33の絶縁抵
抗値は、ρ=1013(Ωcm)程度であると記載され、
また、被吸着物(例えば半導体素子)に損傷を与えない
誘電体層13(33)の絶縁抵抗値の下限(文献Iでは
上限とあるがこれは誤記と思われる。)は、ρ=1011
(Ωcm)程度であろうと記載されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】 τ=CR=(εS/d)・(ρd/S)=ερ ・・・(1) この最表面の誘電体層43bの構成材料は任意好適なも
のとできる。たとえば、高純度アルミナ(比抵抗>10
14Ωcm)、透光性アルミナ(比抵抗>1015Ωc
m)、単結晶サファイヤ(比抵抗>1016Ωcm)、ボ
ロンナイトライド(BN:比抵抗>1014Ωcm)、ア
ルミニウムナイトライド(AlN:比抵抗>1013Ωc
m)、炭化珪素燒結体(たとえば日立化成セラミックス
(株)のヘキサロイ(商品名):比抵抗>1010Ωc
m)などは、最表面の誘電体層43bの構成材料として
好適である。なお、下側誘電体層43aはバルク材で作
り、その上の最表面の誘電体層43bはこれに限られな
いが例えばスパッタ法又はCVD法等の公知の成膜方法
により形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/31

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電チャックの、被吸着物を置くための
    誘電体層部分を、少なくとも2層の誘電体層で構成し、
    かつ、 これら誘電体層のうちの最表面の誘電体層の厚さ、誘電
    率、面積及び比抵抗をそれぞれd、ε、S及びρと表し
    たとき、該最表面の誘電体層の下記の(1)式で示され
    る電荷蓄積の時定数τが、被吸着物をプロセス上の理由
    で当該静電チャックに吸着させておきたい時間に比べ大
    きくなるように、該最表面の誘電体層を構成し、 該最表面の誘電体層より下層の誘電体層を、その比抵抗
    が108 Ωcm以上かつ前記最表面の誘電体層の比抵抗
    より小さな比抵抗を有するものとしてあることを特徴と
    する静電チャック。 τ=CR=(εS/d)・(ρd/S)=ερ ・・・(1)
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