JPH11251419A - 基板保持用静電チャック及び基板保持方法 - Google Patents

基板保持用静電チャック及び基板保持方法

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JPH11251419A
JPH11251419A JP7141598A JP7141598A JPH11251419A JP H11251419 A JPH11251419 A JP H11251419A JP 7141598 A JP7141598 A JP 7141598A JP 7141598 A JP7141598 A JP 7141598A JP H11251419 A JPH11251419 A JP H11251419A
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substrate
electrode
holding
electrostatic chuck
voltage
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JP7141598A
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Fumikazu Hatakeyama
文和 畠山
Kyoko Hachitsuka
京子 八塚
Kazutoshi Asano
和俊 浅野
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流電圧を印加した場合においても、直流電
圧印加の場合に得られる吸着力と同等程度の大きな吸着
保持力を安定的に発現できると共に、印加電圧停止時の
残留吸着力が可及的に低減された双極型の基板保持用静
電チャック及び基板保持方法を提供する。 【解決手段】 絶縁性の基体4に形成され、第一電極部
1と第二電極部2からなる電極層3上に、保持すべき基
板の載置面を有する誘電体層5を配設して成る双極型の
基板保持用の静電チャックにおいて、該電極層3が、第
一電極部1と第二電極部2が交互に間隔をおいて配列し
た櫛形電極層からなり、該電極には周波数1乃至10H
zの交流電圧が印加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板保持用静電チ
ャック及び基板保持方法に関し、より詳細には、半導体
製造における半導体ウエハ基板、あるいはその他の基板
処理における被処理基板の保持用に使用され、電圧印加
時の基板吸着保持性に優れると共に電圧印加停止時の残
留吸着力低減性に優れた双極型の基板保持用静電チャッ
ク、及びその基板保持用静電チャックを用いた基板保持
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体製造工程では、CVDやド
ライエッチング等、減圧下に操作される工程が多くあ
り、このため、被処理物であるウエハ等の基板の保持に
は、真空チャックの使用ができず、従来、機械的に保持
する方法が多用されてきた。しかしながら、機械的保持
の場合、基板を局部的に押さえつけるので、装置との接
触部での基板の損傷や、それに伴うダスト発生等のトラ
ブルがしばしば発生した。このため最近では、ウエハ等
の保持に静電チャックが使用されるようになってきてい
る。この静電チャックは、均一に静電力が働いてウエハ
等を吸着保持できるため、上記機械保持により生ずるト
ラブルを回避することができる。また、半導体製造工程
では、高温処理や発熱が生ずる工程もあり、この放熱も
重要であるが、真空中では、放熱は主として基板と保持
装置との接触面での熱伝達に依存する。基板を機械的に
保持した場合には、保持装置と基板とは局部的な狭い面
積のみで接触し、伝熱面積が狭くこのため熱伝達が困難
となるのに対し、前記静電チャックでは、吸着保持の際
に、均一な静電力で基板のうねりや反りが矯正されるた
め(基板の平面度矯正に優れるため)、基板のほぼ全面
が接触面となり、熱伝達性に優れ、基板の温度制御が極
めて容易である。
【0003】前述の静電チャックには、単極形、双極形
等いくつかのタイプがあるが、双極形の静電チャック
は、典型的には図9の模式図に示したように、基体4に
正負2極の並列に配置された電極1、2の上部を誘電体
物質5で覆いこの誘電体の上面に基板8を載置し、電極
1、2に直流電圧を印加してこれにより生ずる力でウエ
ハを吸着保持する。図9においては、基体4と誘電体層
5が一体構造となっている。尚、図中、6は接地を示し
ている。従来、静電チャックの電圧印加には、その電極
に直流電圧を印加するように構成されているのが通常
で、このため静電チャックの誘電体に残留電荷が生じ、
電源を切ってから長時間経ても基板が吸着されたままに
なったり、あるいは帯電して浮遊するパーティクルが電
極部に付着する等の不都合を生じた。このような直流電
圧印加により生ずる不都合を回避するための提案も既に
なされており、例えば、特開平9−153540号公報
には、電極に交流電圧を印加した双極形静電チャックよ
り成る処理装置の発明が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】双極形静電チャックの
電極に交流電圧を印加した場合には、確かに、直流電圧
印加の場合に見られる給電停止時の静電チャックの残留
電荷は、大幅に低減され、電源を切っても基板が吸着さ
れたままになったり、あるいは帯電して浮遊するパーテ
ィクルが電極部に付着する等の不都合は大きく改善され
るが、従来の双極形静電チャックの場合、その静電吸着
力が直流電圧印加の場合に比べて若干低下するという不
都合を生ずることが判明した。本来、双極形静電チャッ
クは、単極形静電チャックに比べて一般的に静電吸着力
がやや小さく、この吸着力が更に低下することは処理工
程における基板を確実に保持することの重要性を考えた
場合、重大な問題点であることは明らかである。
【0005】更に、交流電圧印加の場合、静電吸着力は
その交流周波数に大きく依存し、周波数によっては、印
加電圧が同じでも静電吸着力が大幅に低下し、基板保持
操作上問題を生ずることも判った。従って、本発明の課
題は交流電圧を印加した場合においても、均一で、直流
電圧印加の場合に得られる吸着力と同等程度の大きな吸
着保持力を安定的に発現できると共に、印加電圧停止時
の残留吸着力が可及的に低減された双極型の基板保持用
静電チャック及び基板保持方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、絶縁性
の基体に形成され、第一電極部と第二電極部からなる一
対の電極層上に、保持すべき基板の載置面を有する誘電
体層を配設して成る双極型の基板保持用静電チャックに
おいて、該電極層が、第一電極部と第二電極部が交互に
間隔をおいて配列した櫛形電極層からなり、該電極には
周波数1乃至10Hzの交流電圧が印加されることを特
徴とする基板保持用静電チャックが提供される。また、
本発明によれば、絶縁性の基体に形成され、交互に間隔
をおいて配列した第一電極と第二電極からなる一対の櫛
形電極層上に、保持すべき基板の載置面を有する誘電体
層を配設して成る双極型の基板保持用静電チャックを用
いた基板保持方法において、該電極に周波数1乃至10
Hzの交流電圧を印加することにより、基板を保持する
ことを特徴とする基板保持方法が提供される。
【0007】本発明の基板保持用静電チャック及び基板
保持方法は、一対の電極層が、例えば図1、図2に示し
たように、第一電極部1と第二電極部2が交互に狭い間
隔をおいて櫛状に密に配列した櫛形電極層3からなる特
定構造の双極形静電チャックである点及びこの電極1に
印加される交流の周波数が1乃至10Hzの特定範囲に
あることが顕著な特徴である。静電チャックに交流電圧
を印加した場合には、直流電圧印加の場合に比べて、給
電停止時の静電チャックの残留電荷が大幅に低減され、
電源を切っても基板が吸着されたままになったり、ある
いは帯電して浮遊するパーティクルが電極部に付着する
等の不都合が大きく改善されることは既に述べた通りで
あるが、双極形静電チャックは、前述したように一般に
単極形静電チャックに比較して静電吸着力がやや劣る傾
向を有する。
【0008】本発明においては、従来の図9に示すよう
な、正負極一対の半円板形状電極を狭い間隔をおいて並
行に配列する構成とは異なり、図1及び図2に示すよう
に正負極1、2が交互に狭い間隔をおいて櫛状に密に配
列した構造とすることによって、基板面積当りの電極間
数が増加し、電束の数が増加するため、一定印加電圧下
で基板面積当たりに発現する静電力密度を高くすること
ができ、大きな吸着力を得ることができる。しかも電圧
印加時に生成する静電吸着力が基板面内に均一に分布す
るため、平坦平面状に基板全面を、電極層上の誘電体面
に均一密着させることができる。これにより、基板と誘
電体面との間に強力な静電密着力が発現し、基板の保持
力が従来型の双極静電チャックに比較して格段に強く、
確実堅固にウエハを保持できる。しかも、この静電チャ
ックに印加される交流の周波数が1乃至10Hzと特定
周波数範囲にあることにより、発現する静電吸着力が直
流電圧を印加した場合に匹敵する程度に強力となるのみ
ならず、常に安定した静電吸着力の発現を確保すること
ができ、しかも残留吸着力も低減できる。
【0009】特に、本発明の静電チャックにおいて、狭
い電極間の間隙部分が絶縁性物質で埋められ、閉塞した
態様のものは、電極間での絶縁性が高く、より高い電圧
の印加が可能であると同時にデバイスに悪影響を与える
可能性のある電圧印加時のリーク電流を可及的に低減で
きる。しかも誘電体層に発現する静電吸着力をより一層
均一化できると共に熱伝導性の向上及び基板面の均熱化
をより一層向上することができる。
【0010】このため、半導体製造工程における半導体
ウエハ基板や、その他の基板処理工程における被処理基
板の保持用に使用される静電チャックとして極めて優れ
た性能を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の静電チャックを図
1及び図2に基づき詳細に説明する。図1は本発明の櫛
形双極交流電圧印加静電チャックの構造を模式的に示し
た断面図であり、図2は本発明の静電チャックの電極層
の構造を説明するための平面図である。なお、図9に示
した部材と同一または相当部材は同一符号を付する。図
1、図2に於いて、符号3は電極層を示し、符号1は櫛
状に形成された第一電極部を示し、符号2は同ように櫛
形に形成された第二電極部を示す。また、符号4は電極
層3がその面上に形成される基体を示し、符号5は誘電
体層を示す。また、符号7は交流電源を示す。本発明の
静電チャックは、図1に示したように、基体4の面上に
電極層3が形成され、その電極層3の上に誘電体層5が
配設された基本構成を有し、この誘電体層の上面に保持
すべき基板8が載置される。この静電チャックでは、基
体4がガラスエポキシ樹脂から成り、このガラスエポキ
シ樹脂板上に銅箔をプリントし、このプリント基板の銅
箔層をエッチングして電極層3が形成されている。
【0012】図2に示したように本発明の静電チャック
の電極層3は、櫛型に形成された第一電極部1と第二電
極部2との櫛の歯形状部分が交互に狭い間隔を隔てて配
列した形状に形成されている。また、交流電源7と電極
1、2との接続方法、特定周波数の交流電圧の印加方法
は、第一電極と第二電極に電位差が生じ、かつ、両者の
電位が正同士、負同士とならないという条件を満たせ
ば、適宜選択することができる。つまり該接続方法、印
加方法は、第一電極と第二電極とが正負、又は、正と
0、負と0の関係を備えれば、特に限定されものではな
い。例えば、図1に示したように電極1、2をそれぞれ
交流電源7に接続し、交流電源7をそれぞれ接地部6で
接地してもよい。また、図3に示したように電極1、2
を一つの交流電源7に接続し、交流電源7のいずれかの
端子又は中点を接地してもよい。また、図4に示したよ
うに電極1、2いずれか一方の電極を交流電源7に接続
し、他方の電極を接地部6で接地し、接地電極としても
よい。
【0013】誘電体層5は、この静電チャックではポリ
エチレンシートが用いられ、電極部1の櫛の歯部と電極
部2の櫛の歯部との間隙と誘電体層であるポリエチレン
シート下面とにより形成された空隙には、絶縁用シリコ
ーン油が注入充填されている。そして、基板は、誘電体
層であるポリエチレンシート上面に形成された載置面上
に載置され、交流電源からの給電による電極への電圧印
加により吸着保持され、給電の停止により保持状態から
開放される。
【0014】本発明の静電チャックにおいては、印加さ
れる交流電圧として周波数が、1乃至10Hz範囲のも
のを用いる。周波数が1Hz未満の交流電圧を印加した
場合は、後述する比較例にも示されているように、発現
する吸着力が低下し、しかも吸着力に大きなばらつきが
生じ、ウエハ保持力が充分でなくなると共に、残留吸着
力が若干増加する傾向を示すため好ましくない。一方、
10Hzを越えると、残留吸着力は10Hzの周波数の
値から変化しないが、吸着力はやや低下するため好まし
くない。また、周波数が5Hzより小さくなるに伴い、
発現する吸着力に若干ばらつきが生ずる傾向が見られ、
安定した吸着力発現を確保する観点からは、周波数が5
乃至10Hzの範囲の交流電圧の印加がより好ましい。
静電チャックの吸着力は印加する電圧が高いほど増大す
るが、それに伴ってリーク電流が増大したり、絶縁破壊
が起こる虞れがある。
【0015】また、印加電圧がある限度値以上に達する
と吸着力は飽和状態となり、それ以上高圧にしてもあま
り吸着力の向上は見られなくなり、さらに高電圧では絶
縁破壊が起こる。吸着力が飽和する限界電圧値は、電極
間の間隔、該間隔により形成される空間中に介在する媒
体の種類、基体の絶縁性等に依存するので、一概には定
まらず、従って、印加電圧は、飽和電圧、リーク電流の
他、保持すべき基板に必要とされる保持力、保持中の系
内温度等の諸条件をも考慮して所定電圧に適宜設定され
る。通常、本発明の静電チャックにおいては、印加電圧
は、0.5乃至3kV程度の範囲に設定される。
【0016】本発明の静電チャックに用いられる誘電体
としては、一般の静電チャックの誘電体層に用いられる
絶縁性材料を用いて良く、特に限定されるものではない
が、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂あるいはシリコーンゴム、フッ素ゴム等の
高分子系誘電体材料またはアルミナ、窒化アルミニウ
ム、PBN(パイロリティック・ボロンナイトライ
ド)、窒化珪素、炭化珪素等のセラミック系誘電体材料
から形成された誘電体を挙げることができる。本発明の
誘電体構成材としては、これ等の内でも、ポリイミド、
シリコーンゴム、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪
素、窒化珪素等が好ましい。上記誘電体層は、その厚さ
が可能な限り薄い方が、低い電圧で大きな吸着力が得ら
れるため好ましいが、一方あまり薄い層の場合には、高
分子系誘電体の場合には、ウエハ載置に際してシート層
が歪んだり、穴が開いたりする可能性があり、セラミッ
ク系の誘電体の場合には、誘電体内部に空孔などの欠陥
がある場合に、高電圧をかけるとその部分からリーク電
流が発生する可能性があるため、通常、その層厚さは、
10乃至1000μmの範囲、特に高分子系誘導体層の
場合には、10乃至100μm程度、セラミック系誘導
体層の場合には、50乃至1000μm程度の厚さに設
定される。また、この誘導体層を、電極層を形成する基
体と同一材料で形成しても良く、また、これ等を分離さ
れた形態に構成することも、電極層を内蔵した一体構造
に形成することもできる。
【0017】本発明の静電チャックの電極層を形成する
ための基体構成材料としては、基体表面に電極層を形成
できる絶縁性材料であってウエハが処理される温度条件
下に於いて充分な耐熱性と強度を有する成形材であれば
特に限定されるものではないが、電極層形成材である金
属層との密着性が良好で、若干の柔軟性を有し、且つ熱
膨張率が電極金属とあまり解離しない材料であることが
より好ましい。このような材料として、例えば、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、耐熱性ポリア
ミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂あるいは
シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム等の高分子
系材料またはアルミナ、窒化アルミニウム、PBN(パ
イロリティック・ボロンナイトライド)、窒化珪素、炭
化珪素等のセラミック系材料を例示できる。既に述べた
ように、この基体構成材として前記誘電体層に用いる材
料と同一の材料を用いて基体を構成しても良い。本発明
の静電チャックは、この基体上に電極層を配設した後、
誘電体層を形成しても良く、あるいは誘電体層に電極層
を形成してから基体と接合するようにしても良い。本発
明の電極層に於いて、交互に配設される第一電極と第二
電極の櫛の歯形状部分の電極間の間隔は、その絶縁性が
十分に保てる限度内に於いては、狭いほど吸着力が増加
する。本発明においては、通常、この間隔は0.5乃至
5mm程度、特に好ましくは1乃至2mmに設定するこ
とが、発現吸着力と装置絶縁耐久性等との兼ね合いから
好ましい。また、電極幅は、通常0.5乃至5mm程度
とすることが好ましい。
【0018】電極を構成する金属材料としては、一般に
静電チャックの電極形成に用いられる金属材を用いて良
く、例えば、銅、銀、タングステン、モリブデン、ニッ
ケル、アルミニウムまたはこれ等の金属の合金等を挙げ
ることができる。本発明のこの櫛形電極層を製作するに
は、必ずしもこれに限定されるものではないが、例え
ば、ガラスエポキシ樹脂製の基体表面に所定厚さの金属
箔をプリントしたプリント基板を上記所定形状パターン
にエッチングして製作する方法やタングステンペースト
等の金属ペーストを基体や誘電体層にスクリーン印刷等
により塗布する等の方法を挙げることができる。
【0019】本発明においては、この基体上に形成され
た電極層の上面に誘電体層を積層し、電極部を交流電源
に接続し静電チャックとする。また、この電極層の電極
部間の間隙と誘電体層下面と基体上面で形成される空隙
部分を絶縁性物質で埋めることにより該空隙部分を閉塞
した態様のものは、電極間での絶縁性が高く、より高い
電圧の印加が可能であると同時にデバイスに悪影響を与
える可能性のある電圧印加時のリーク電流を可及的に低
減できるため更に好適である。例えば、基体構成樹脂や
誘電体層構成樹脂と同じ樹脂または異なる種類の絶縁性
樹脂もしくは誘電性セラミック粉末を含有する樹脂やセ
ラミック等から成る固体状絶縁性物質が充填されていて
も良く、またシリコーン油等の液状絶縁物質が注入充填
されていても良い。また、セラミック系材料を用いた基
体や誘電体層の場合にも、それらと同一のセラミック材
料からなる絶縁性物質が充填される。いずれの場合に
も、基体、誘電体層、充填する絶縁性物質を全て同一材
料で形成し、一体構造に形成することができる。
【0020】
【実施例】「実施例1」ガラスエポキシ樹脂基板の表面
に厚さ35μmの銅箔をプリントしたプリント基板をエ
ッチング加工し、図2に示したような第一電極部と第二
電極部が交互に配列した櫛形双極電極タイプの静電チャ
ック電極層を製作した(電極層面積:100mm×10
0mm、正方形、電極幅:1mm、電極間隔:1m
m)。この電極層上に50μmの厚さのポリエチレンシ
ートを誘電体層として積層し、両電極間とポリエチレン
シート層との空隙にシリコーン油を注入し、静電チャッ
クを用意した。このチャックを図5に示した電圧ー電流
測定回路に接続し、電極に1Hz〜10Hzの範囲で周
波数を変えた正弦波交流電圧2.6kVを印加し、10
kΩの抵抗を介して電流を測定した。また、誘電体(ポ
リエチレンシート)上に4インチのシリコンウエハを載
置し、吸着力測定装置により通電時にウエハを水平方向
に引っ張った場合の吸着力及び通電停止時の残留吸着力
を測定した。なお、図5における符号11は直流電源、
9はオシロスコ−プ、10は高圧電源アンプ、FGは周
波数発生器を示し、該電圧−電流測定回路はスイッチa
により、直流電源と交流電源を切り替えることができる
ように構成されている。上記結果を図6に示す。
【0021】「比較例1」実施例1において、交流印加
電圧の周波数を0.5Hz及び11Hzとした以外は実
施例1と同ようにして吸着力、及び残留吸着力、電流を
測定した。上記結果を図6に示す。
【0022】上記実施例1及び比較例1から明らかなよ
うに、1〜10Hzの範囲では吸着力は周波数によら
ず、略一定になることが認められた。また吸着力に対し
て、残留吸着力をかなり小さくできることが確認され
た。
【0023】「比較例2」実施例1の静電チャックに直
流電圧3kVを印加し、電圧停止時の残留吸着力及び電
圧停止後の経過時間に対する残留吸着力を測定した。そ
の結果を図7に示す。この図7から明らかなように、印
加時には、およそ9Nの吸着力が働くのに対して、電圧
停止後およそ12時間経っても4Nの残留吸着力が残っ
ていた。また交流電圧を印加した実施例1と直流電圧を
印加した比較例2とを比べると、実施例1の場合の残留
吸着力はかなり小さいことが認められた。
【0024】「実施例2」実施例1の静電チャックに周
波数1Hz(正弦波)及び10Hz(正弦波)の交流電
圧を電圧を変化させて印加し、実施例1と同様にして吸
着力を測定した。その結果を図8に示す。なお、図中、
周波数1Hzの場合を黒三角印で示し、周波数10Hz
の場合を黒四角印で示す。
【0025】「比較例3」実施例1の静電チャックに直
流電圧を変化させて印加し、実施例1と同様にして吸着
力を測定した。その結果を図8に示す。なお、図中、直
流電圧を変化させて場合を白丸で示す。
【0026】図8から明らかなように、吸着力は直流、
交流によらず、同程度であり、交流の場合、周波数1H
zと10Hzの周波数の違いは見られなかった。
【0027】本発明の基板保持用静電チャック及び基板
保持方法は、半導体製造における半導体ウエハ基板の保
持用に限定されるものではなく、その発明の趣旨を逸脱
しな範囲において、広くその他の基板処理における被処
理基板の保持用に適用することができるものであり、例
えば、液晶製造工程における液晶ガラス基板の保持用に
も適用することができるものである。
【0028】
【発明の効果】本発明の基板保持用静電チャック及び基
板保持方法は、上述した通り電極層が第一電極部と第二
電極部が交互に狭い間隔をおいて櫛状に配列した櫛形電
極層からなる特定構造の双極形静電チャックに特定周波
数の交流電圧を印加した構成により、給電時のウエハ吸
着保持性に優れると共に、印加電圧停止時の残留吸着力
が極めて低い値に低減され、半導体製造工程等における
他の基板処理工程で被処理基板の保持用チャックとして
好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の櫛形双極交流電圧印加静電チ
ャックの構造を模式的に示した断面図である。
【図2】図2は、本発明の静電チャックの電極層の構造
を説明するための平面図である。
【図3】図3は、電源との接続の態様を示した概略図で
ある。
【図4】図4は、電源との接続の態様を示した概略図で
ある。
【図5】図5は、本発明の実施例、比較例の静電チャッ
クの印加電圧ー電流測定に使用された電圧ー電流測定回
路図である。
【図6】図6は、吸着力と電流の周波数の依存性を示す
図である。
【図7】図7は、電圧停止後の経過時間と残留吸着力の
関係を示す図である。
【図8】図8は、印加電圧と吸着力との関係を示す図で
ある。
【図9】図9は、従来の双極形静電チャックの模式図で
ある。
【符号の説明】
1 第一電極部 2 第二電極部 3 電極層 4 基体 5 誘電体層 6 接地 7 交流電源(交流電圧) 8 基板 9 オシロスコープ 10 高圧電源アンプ 11 直流電源(直流電圧)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の基体に形成され、第一電極部と
    第二電極部からなる一対の電極層上に、保持すべき基板
    の載置面を有する誘電体層を配設して成る双極型の基板
    保持用静電チャックにおいて、 該電極層が、第一電極部と第二電極部が交互に間隔をお
    いて配列した櫛形電極層からなり、該電極には周波数1
    乃至10Hzの交流電圧が印加されることを特徴とする
    基板保持用静電チャック。
  2. 【請求項2】 前記誘電体層の厚さが10乃至1000
    μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載され
    た基板保持用静電チャック。
  3. 【請求項3】 前記電極層における、交互に間隔をおい
    て配列された第一電極部と第二電極部のそれぞれの電極
    部幅が0.5乃至5mmの範囲にあることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載された基板保持用静電チ
    ャック。
  4. 【請求項4】 前記第一電極と第二電極との電極部の間
    隔が0.5乃至5mmの範囲にあることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載された基板保持用
    静電チャック。
  5. 【請求項5】 前記基体上面と前記誘電体層下面と第一
    電極部と第二電極部の間に形成される空隙部分を絶縁性
    物質で埋め、該空隙部分を閉塞したことを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれかに記載された基板保持用
    静電チャック。
  6. 【請求項6】 絶縁性の基体に形成され、交互に間隔を
    おいて配列した第一電極と第二電極からなる一対の櫛形
    電極層上に、保持すべき基板の載置面を有する誘電体層
    を配設して成る双極型の基板保持用静電チャックを用い
    た基板保持方法において、 該電極に周波数1乃至10Hzの交流電圧を印加するこ
    とにより、基板を保持することを特徴とする基板保持方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004120921A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Tsukuba Seiko Co Ltd 静電保持装置及びそれを用いた搬送装置又はステージ
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